2022-021049
遊技機
- 審判番号
- 2022-021049
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-098105外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月26日
- 審決日
- 2023年06月06日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和2年6月5日に出願した特許出願(特願2020-98105)であって、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 4月22日 :意見書、手続補正書の提出
同年 6月27日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 8月17日 :意見書、手続補正書の提出
ついての補正の却下の決定
同年11月 1日 :原査定の謄本の送達
第2 令和4年12月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月26日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 本件補正について
令和4年12月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、同年4月22日にされた手続補正により補正された請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の請求項1の記載に補正するものである(下線は、補正箇所を明示するために当審合議体が付した。)。
(本件補正前:令和4年4月22日にされた手続補正)
「【請求項1】遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、続きを表示(全13行)前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、前記変動表示手段は、前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、前記演出制御手段は、前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示される、ことを特徴とする遊技機。」
(本件補正後:令和4年12月26日にされた手続補正)
「【請求項1】遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、続きを表示(全18行)前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、前記変動表示手段は、前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、前記演出制御手段は、前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、前記変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力することが可能であり、所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力することが可能であり、前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示され、前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能であり、前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が開始される場合、前記変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が終了する場合、前記変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させることを特徴とする遊技機。」
2 補正の適否
(1) 本件補正
本件補正は、本件補正前の請求項1における「演出を制御する演出制御手段」が、「前記変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力することが可能であり、所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力することが可能であり」、「前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能であり」、「前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が開始される場合、前記変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が終了する場合、前記変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させ」るとした機能を有することを特定することによって限定したものである。
(2) 補正目的
前記(1)のとおり、本件補正は、本件補正前の発明特定事項に限定を加えることを含むものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
(3) 新規事項
本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0449】~【0451】、【0627】、【1258】~【1270】、【1304】~【1305】、【1372】~【1384】、【1389】~【1391】、図73~図75、図84~図86等の記載からみて、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 本件補正発明の独立特許要件についての検討
前記2(2)のとおり、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明を次のとおりのものと認定する(記号A~Eは、分説のため当審合議体が付した。以下、A等を付した事項を「構成A」等という。)。
「【請求項1】A 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、B 前記主制御手段は、B1 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、続きを表示(全19行)B2 前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、B3 前記変動表示手段は、B4 前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、C 前記演出制御手段は、C1 前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、D1 前記変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力することが可能であり、D2 所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力することが可能であり、C2 前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、C3 前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、C4 前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示され、D3 前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、D4 前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能であり、D5 前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が開始される場合、前記変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、D6 前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が終了する場合、前記変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させるE ことを特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特開2015-70966号公報(平成27年4月16日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。
ア 記載事項
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(ア) 「【0015】以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。【0016】遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」~「9」を示す数字や「-」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。(中略)【0019】遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。(中略)【0021】このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。」
(イ) 「【0088】パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。【0089】主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。(中略)【0091】演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。」
(ウ) 「【0167】次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。【0168】主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。続きを表示(全13行)(中略)【0173】図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。(中略)【0182】図14は、入賞時乱数値判定処理として、図13のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。(中略)【0184】ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図13のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。」
(エ) 「【0291】図28は、リーチ演出が実行された後の大当り確定報知音の詳細を示すタイムチャートである。例えば、所リーチ状態となってから中の飾り図柄が停止するまでの期間は、再生チャンネル0、1においてリーチ演出の演出内容に対応した音声が再生される。この例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されている。中の飾り図柄が停止した後には、再生チャンネル10、11において、大当り確定報知音が再生される。ここで、連チャン回数が1回である場合には、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音(特別音1回)の出力を完了することができる。一方、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなるため、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了することができなくなり、図28に示すように、ファンファーレの出力期間等に重複するようになる。そこで、他の音声の出力タイミングと重複し得る大当り確定報知音といった特別種類の音声を出力する再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。また、大当り確定報知音は、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなることで、ファンファーレの出力期間に重複することがあるようになっていたが、大当り確定報知音の出力期間を連チャン回数等に基づいて抽選で決定し、大当り確定報知音の出力期間として飾り図柄の仮停止表示期間を超えるが決定され得るようにしてもよい。このようにした場合でも、大当り確定報知音といった特別種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。」
(オ) 【図28】
「[図:0001400363000001.jpg]」
イ 引用発明1
前記アの記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。
(引用発明1)
「主基板11、演出制御基板12が搭載されたパチンコ遊技機1において(【0088】)、主基板11は、遊技の進行を制御するための各種回路を搭載し(【0089】)、CPU103は遊技制御メイン処理となる所定の処理を実行し(【0168】)、特別図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を大当りや小当りとして大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定を行い、抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定し(【0173】、【0182】、【0184】)、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能を備え(【0089】)、演出制御基板12は、主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5による演出動作を制御するための各種回路を搭載し(【0091】)、画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄を可変表示し(【0019】)、飾り図柄を停止表示して可変表示を終了させ、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が、停止表示、すなわち導出表示されるまでの可変表示中に、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示の表示状態となることがあり(【0021】)、リーチ演出が実行された後、大当り確定報知音を再生し、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了する(【0291】)パチンコ遊技機1(【0088】)。」
(3) 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特開2018-139812号公報(平成30年9月13日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、遊技台(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。
ア 記載事項
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(ア) 「【0011】パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」
(イ) 「【0014】前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。」
(ウ) 「【0017】遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。」
(エ) 「【0022】払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。【0023】図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。続きを表示(全12行)【0024】詳細は後述は後述するが、遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208と、人間の腕を模した演出可動体224を有する演出装置206を配設している。また、遊技領域124の右下には、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。【0025】装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。なお、装飾図柄表示装置208は、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。【0026】また、装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208c、演出表示領域208dを有して構成されている。左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、および右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像などを表示する。なお、各表示領域208a~208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。【0027】普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。」
(オ) 「【0032】第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。【0033】第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の右下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当たり図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、ぱちんこ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。」
(カ) 「【0042】次に、図4を用いて、ぱちんこ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。ぱちんこ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、ぱちんこ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。【0043】まず、ぱちんこ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。【0044】また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口A(第1可変入賞口234および/又は第2可変入賞口235)を通過する遊技球を検出するセンサ、磁気センサ、前面枠扉開放センサ109、内枠開放センサ、下皿満タンセンサをなど含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aやアタッカーAの扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。」
(キ) 「【0052】次に、ぱちんこ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。【0053】また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタンの検出部724からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、液晶制御手段(液晶制御部)700と、を接続している。液晶制御部700は例えば、VRAM436や、VDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)などを含んで構成され、VRAM436は、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示する。なお、第1副制御部400と液晶制御部700は、別の基板に設けられているものであってもよいし、(同一の基板に設けられて)1つのCPU404によって、制御されるように構成されてもよい。また、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。」
(ク) 「【0060】第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。【0061】そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。(中略)【0063】特図1の停止図柄態様のうち、「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のぱちんこ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。」
(ケ) 「<主制御部タイマ割込処理>【0083】次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。【0084】主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。」
(中略)
【0100】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
【0101】
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0102】
特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、図5(a)に示す特図a~特図d(特図1状態更新処理では、図5(a)に示す特図A~特図E)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。」
(中略)
【0110】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0111】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0112】
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。」
(コ) 「【0221】図18(2)に示すタイミングは、主制御部300から第1副制御部400へサブコマンド(変動開始コマンド)が送信された状態である。また、特図1保留ランプ218は1個のLEDを消灯し、次の変動遊技を開始した状態を示している。このタイミングでは第1副制御部400は、液晶制御部700に対して装飾図柄の変動表示を開始する液晶コマンドを送信する。また、第1副制御部400は、装飾図柄の変動表示の演出を行う場合、当該変動開始時に、液晶制御部700に対して、装飾図柄の変動表示中に行われる全ての演出について、液晶コマンドを送信する(図17の(2))。この例では、例えば、背景画像、タイマ(予告タイマ+リーチタイマ=変動時間)、特図1および特図2の保留数変化(当該変動の保留数)、特図1および特図2の保留アイコンの位置と色、予告内容(例えば、会話予告01~03など)、リーチ内容(例えば、スーパーリーチなど)、仮停止図柄(リーチや)、最終停止図柄(図柄停止時に確定表示される図柄)などの演出に関する液晶コマンドである。また、第1副制御部400は、各液晶コマンドに対応して図13に示すボックスデータ、パーツデータを設定する。(中略)【0223】図18(3)に示すタイミングは、液晶コマンドを受信した液晶制御部700が、装飾図柄表示装置208において装飾図柄の変動表示を行う制御を開始した状態である。この例では、(引き続き)背景画像として大広間背景を表示する制御を実行し、その前面の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cにおいて装飾図柄の変動表示を行う制御を実行する(図17の(3))。液晶制御部700は、演出(画像)を表示する制御を実行すると(画像を表示すると)、第1副制御部700に対して戻りコマンドを送信する場合がある。ここでは、(大広間背景を表示し)装飾図柄の変動表示を開始すると、液晶制御部700は第1副制御部700に戻りコマンドを送信する(図17の(3))。第1副制御部400は当該戻りコマンドに応じて、パーツデータに基づき、その演出(例えば、装飾図柄の変動表示)に関連する各種制御(発光、音出力、役物動作等)を実行する場合がある。この例では、RAM408のパーツデータの設定領域には、引き続きサウンドレイヤ1に大広間背景用BGMのデータが設定され、ランプレイヤ1に大広間背景用発光パターンのデータが設定されており、スピーカ120とランプLでは図18(1)からの演出が継続している。」
(サ) 「<演出間に出力するBGM1>【0558】次に、図49~図55を参照して、本実施形態の音制御処理の他の制御の一例について説明する。【0559】続きを表示(全15行)図49は、図28に示す音デバイスデータの出力の一例を示すタイミングチャートである。具体的には、当否判定結果がはずれの図柄変動遊技において、N回転目の装飾図柄の停止表示(の演出)とN+1回転目の装飾図柄の変動表示(の演出)の間(図柄停止中)にBGMを出力する場合の、特図表示装置、装飾図柄の変動表示および図柄デモBGMのタイミングチャートの一例である。【0560】まず、同図(a)に示すように、タイミングaにおいて、特図表示装置(第1特図表示装置212または第2特図表示装置214、以下同様)によるN回転目の特図変動遊技が開始し、タイミングbにおいて、装飾図柄表示装置208によるN回転目装飾図柄の変動表示が開始する。【0561】そして、所定時間経過後のタイミングcにおいて、特図表示装置による特図変動遊技が終了して特図(特図1または特図2、以下同様)が停止表示され、タイミングdにおいて、装飾図柄表示装置208による装飾図柄の停止表示が行われる。また、タイミングdにおいて、図柄デモ用BGMが出力される。つまり、図柄デモ用BGMは、装飾図柄の停止表示と同時に出力される。【0562】タイミングeは、N+1回転目の特図変動遊技が開始したタイミングであり、タイミングfはN+1回転目の装飾図柄の変動表示が開始するとともに、図柄デモBGMが停止したタイミングである。【0563】なお、同図(a)の期間T1は、主制御部300から第1副制御部400へのコマンド送信と、第1副制御部400から液晶制御部700へのコマンド送信にともなうタイムラグの期間である。より詳細には、主制御部300から第1副制御部400へのコマンド送信では、タイマ割込処理内のサブコマンドを設定する処理(4ms、1割込)とサブコマンド送信処理(不定)分のタイムラグが発生し、第1副制御部400から液晶制御部700へのコマンド送信では、両者の制御が一体化している場合にその処理時間分のタイムラグが発生する。【0564】また、同図(a)の期間T2は、(主制御部300における)特図確定表示期間(図柄毎に予め決められた時間)である。この特図確定表示期間は、全ての図柄(大当り、小当り、はずれ問わず)に設定されている。また、同図(a)の期間T3は、特図確定表示期間に、第1副制御部400や第2副制御部500(液晶制御部700)の処理時間およびコマンド送信時間等を加味した期間である」
(シ) 「【0571】図50および図51は、図49に示すタイミングチャートに対応する期間の、装飾図柄表示装置208の表示とスピーカ120から出力される音データによる演出の一例を時系列に示す図である。(中略)【0577】続きを表示(全28行)同図(4)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングbの状態であり、液晶制御部700から第1副制御部400に図柄変動開始の戻りコマンドが送信され、縮小装飾図柄表示領域208hにおいて、N回転目の装飾図柄の変動表示が開始している。【0578】また、このタイミングでは、装飾図柄の変動表示の開始に伴い、固定レイヤ(例えば、固定レイヤ01)に城下町BGMが設定されており、スピーカ120からは城下町BGMが出力されている。この場合、例えば同図(3)で設定されていた図柄デモBGMが途中で停止され、城下町BGMが先頭から出力される。(中略)【0581】同図(6)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングb以降の状態であり、液晶制御部700から第1副制御部400に左図柄仮停止の戻りコマンドが送信され、左図柄表示領域208aにおいて左装飾図柄(例えば「装飾6」)が仮停止表示(揺れ変動表示)されている。また、縮小装飾図柄表示領域208hにおいては、装飾図柄の変動表示が行われている。(中略)【0583】同図(7)に示すタイミングも、図49(a)のタイミングb以降の状態であり、液晶制御部700から第1副制御部400に右図柄仮停止の戻りコマンドが送信され、右図柄表示領域208aにおいて右装飾図柄(例えば「装飾3」)が仮停止表示(揺れ変動表示)されている。また、縮小装飾図柄表示領域208hにおいては、引き続き装飾図柄の変動表示が行われている。(中略)【0586】同図(8)に示すタイミングも、図49(a)のタイミングb以降の状態であり、液晶制御部700から第1副制御部400に中図柄仮停止の戻りコマンドが送信され、中図柄表示領域208bにおいて中装飾図柄(例えば「装飾5」)が仮停止表示(揺れ変動表示)されている。また、縮小装飾図柄表示領域208hにおいては、引き続き装飾図柄の変動表示が行われている。(中略)【0589】同図(9)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングcの状態であり、主制御部300から第1副制御部400に図柄停止コマンドが送信され、主制御部300による特図表示装置(例えば、特図1表示装置212)を用いた特図変動遊技が停止表示されている。また、装飾図柄表示装置208の右下において、第四図柄表示手段(例えば、特図1用第四図柄表示手段2081)がLEDを消灯している。また、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおいて引き続き装飾図柄の仮停止表示(揺れ変動表示)が行われ、縮小装飾図柄表示領域208hにおいて、装飾図柄の変動表示が引き続き行われている。(中略)【0592】図51(10)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングc以降で、第1副制御部400から液晶制御部400に図柄停止の液晶コマンドが送信された状態である。装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおいては引き続き装飾図柄の仮停止表示(揺れ変動表示)が行われ、縮小装飾図柄表示領域208hにおいて、装飾図柄の変動表示が引き続き行われている。【0593】また、このタイミングでは、引き続き、スピーカ120からは城下町BGMのみが出力されている。【0594】同図(11)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングdの状態であり、液晶制御部700から第1副制御部400に図柄停止の戻りコマンドが送信され、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおいて、当否判定の結果がはずれであることを示唆する装飾図柄の図柄組合せ(例えば、「装飾6-装飾5-装飾3」)が停止表示されている。また縮小装飾図柄表示領域208hにおいても、図柄表示領域208a~208cと同じはずれを示唆する装飾図柄の図柄組合せ(例えば、「装飾6-装飾5-装飾3」)が停止表示されている。【0595】また、このタイミングでは、装飾図柄の停止表示に伴い、固定レイヤ(固定レイヤ01)に図柄デモBGMが設定され、スピーカ120からは城下町BGMに代えて、図柄デモBGMが出力されている。」
(ス) 「【0742】また、音出力手段(例えば、スピーカ120)を有し、前記音出力手段は、前記設定領域に設定された前記第一の音データに対応する第一の音(例えば、遊技に関する音、図柄停止音、エラー音、ボタン操作(連打)音、電源投入音、入賞音、役物動作に関する音など)を出力することが可能な手段であってもよい。」
(セ) 「【0889】また、前記音出力手段は、エラーが発生した場合に、エラー音を出力する場合がある手段であり、前記第二の楽曲の出力中にエラーが発生した場合には、前記音出力手段は前記第二の楽曲を出力しない場合がある手段であり、前記第二の楽曲の出力中にエラーが発生した場合には、前記音出力手段は前記エラー音を出力する場合がある手段であってもよい。【0890】なお、音出力手段は、出力している第二の楽曲の音量を0にしたり低くしたりすることが可能な構成であってもよい。なお、エラーによって、エラー音を出力するエラー(主制御部や払出制御部により監視されているエラー(下皿満タンエラーを含んでもよい))と、エラー音を出力しないエラー(下皿満タンエラー(液晶のみで表示)、サブ制御による監視によるエラー(例えば、前面枠扉側に衝撃センサを設け、遊技者により前面枠扉が激しく叩かれる等により発生する衝撃を検知すると、液晶にて警告表示が行われる衝撃警告など))があってもよい。」
(ソ) 【図2】
「[図:0001400363000002.jpg]」
(タ) 【図49】
「[図:0001400363000003.jpg]」
(チ) 【図50】
「[図:0001400363000004.jpg]」
(ツ) 【図51】
「[図:0001400363000005.jpg]」
イ 引用文献2の記載からの認定事項
引用文献2の記載事項から以下の事項が認定できる。
(ア) 認定事項1
前記ア(ウ)の【0017】で「パチンコ機100を背面側から見た外観図」と説明された、前記ア(ソ)の図2において、前記ア(エ)の【0022】に記載された「遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158」及び「主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162」の「配設」が認められる。
そうすると、引用文献2には、「パチンコ機100の背面側に、遊技全般の制御処理を行う主制御部300と、第1副制御部400を配設した」事項が記載されたものと認められる(以下「認定事項1」という。)。
(イ) 認定事項2
前記ア(ク)の【0061】には、「特図1の変動開始前に決定した変動時間・・・が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間・・・が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する」と記載されている。
また、前記ア(ケ)の【0102】には、「確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知され」る点が記載されるとともに、【0110】に「特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一である・・・。」との記載があることから、「特図1」についても同様に、「確定表示された特図1が所定期間停止表示され、特図1変動遊技の結果が遊技者に報知され」ることが認められる。
そうすると、引用文献2には、「特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示して、特図1変動遊技の結果を遊技者に報知し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示して、特図2変動遊技の結果を遊技者に報知する」事項が記載されていると認められる(以下「認定事項2」という。)。
(ウ) 認定事項3、4
前記ア(サ)の【0560】には、「タイミングaにおいて、特図表示装置(第1特図表示装置212または第2特図表示装置214、以下同様)によるN回転目の特図変動遊技が開始し、タイミングbにおいて、装飾図柄表示装置208によるN回転目装飾図柄の変動表示が開始する。」と記載されており、前記ア(タ)の図49(a)から、「タイミングb」は「タイミングaから期間T1後」である点が看取されることから、引用文献2には、「特図表示装置である第1特図表示装置212または第2特図表示装置214によるN回転目の特図変動遊技が開始するタイミングaから期間T1後のタイミングbにおいて、装飾図柄の変動表示を開始する」事項が記載されていると認められる(以下「認定事項3」という。)。
また、同じく前記ア(サ)の【0561】には、「タイミングdにおいて、装飾図柄表示装置208による装飾図柄の停止表示が行われる。」と記載され、【0562】には、「タイミングeは、N+1回転目の特図変動遊技が開始したタイミングであり」と記載され、【0564】には、「期間T2は、(主制御部300における)特図確定表示期間(図柄毎に予め決められた時間)である。」と記載され、図49(a)からは、「タイミングd」が「タイミングeよりも前であって、タイミングcから期間T2後」である点が看て取れることから、引用文献2には、「タイミングcから特図確定表示期間としての期間T2後であって、N+1回転目の特図変動遊技が開始するタイミングであるタイミングeよりも前のタイミングdにおいて、装飾図柄表示装置208による装飾図柄の停止表示を行う」事項が記載されていると認められる(以下「認定事項4」という。)。
(エ) 認定事項5
前記ア(シ)の【0571】には「図50および図51は、図49に示すタイミングチャートに対応する期間の、装飾図柄表示装置208の表示とスピーカ120から出力される音データによる演出の一例を時系列に示す図である。」と記載されるところ、【0577】には「同図(4)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングbの状態であり、・・・N回転目の装飾図柄の変動表示が開始している。」と記載され、【0578】には「また、このタイミングでは、装飾図柄の変動表示の開始に伴い、・・・スピーカ120からは城下町BGMが出力されている。この場合、例えば同図(3)で設定されていた図柄デモBGMが途中で停止され、城下町BGMが先頭から出力される。」と記載され、【0592】には「図51(10)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングc以降で、・・・。装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおいては引き続き装飾図柄の仮停止表示(揺れ変動表示)が行われ、・・・。」と記載され、【0593】には「また、このタイミングでは、引き続き、スピーカ120からは城下町BGMのみが出力されている。」と記載され、【0594】には「同図(11)に示すタイミングは、図49(a)のタイミングdの状態であり、・・・。」と記載され、【0595】には「また、このタイミングでは、装飾図柄の停止表示に伴い、・・・、スピーカ120からは城下町BGMに代えて、図柄デモBGMが出力されている。」と記載されており、これらの記載に基づくと、引用文献2には、「タイミングbで装飾図柄の変動表示が開始しているときに、城下町BGMを先頭から出力し、タイミングc以降で、装飾図柄の仮停止表示である揺れ変動表示が行われているときは、城下町BGMを出力し、タイミングdで、装飾図柄の停止表示に伴い、スピーカ120からは城下町BGMに代えて、図柄デモBGMを出力する」事項が記載されていると認められる(以下「認定事項5」という。)。
ウ 引用発明2
前記アの記載事項及び前記イの認定事項から、引用文献2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる(符号a~eは、本件補正発明の構成A~Eに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。
(引用発明2)
「a 前面枠扉106と遊技盤200とを前面に備え(【0011】)、前面枠扉106にはスピーカ120が取り付けられ(【0014】)、背面側に、遊技全般の制御処理を行う主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400を配設した(【0042】、認定事項1)、パチンコ機100であって(【0011】)、b、b1、b2 遊技盤200は前面に遊技領域124を有し(【0017】)、遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208を配設し、遊技領域124の右下には、第1特別図柄表示装置212と第2特別図柄表示装置214を配設し(【0024】)、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、7セグメントLEDによって構成され(【0027】)、遊技盤200の中央に第1特図始動口230を配設し、第1特図始動口230への入球を検出した場合、第1特図表示装置212による特図変動遊技である特図1変動遊技を開始し(【0032】、【0060】)、遊技盤200の右下に第2特図始動口232を配設し、第2特図始動口232への入球を検出した場合、第2特図表示装置214による特図変動遊技である特図2変動遊技を開始し(【0033】)、主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており(【0043】)、基本回路302には、特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324を接続し(【0044】)、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い(【0063】)、主制御部300が実行する主制御部タイマ割込処理で、主制御部300は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行うとともに(【0083】、【0084】、【0111】)、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドを第1副制御部400に送信し(【0112】)、b3、b4 特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図1の変動表示を行い、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図2の変動表示を行い(【0060】)、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示して、特図1変動遊技の結果を遊技者に報知し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示して、特図2変動遊技の結果を遊技者に報知し(認定事項2)、c 装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり(【0025】)、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行い(【0111】)、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備え(【0052】)、基本回路402には、スピーカ120の制御を行うための音源IC416と、装飾図柄表示装置208に画像を表示する液晶制御部700とが接続され(【0053】)、c1 特図表示装置である第1特図表示装置212または第2特図表示装置214によるN回転目の特図変動遊技が開始するタイミングaから期間T1後のタイミングbにおいて、装飾図柄の変動表示を開始し(認定事項3)、c2 左図柄表示領域208aにおいて左装飾図柄が仮停止表示され、右図柄表示領域208aにおいて右装飾図柄が仮停止表示され、中図柄表示領域208bにおいて中装飾図柄が仮停止表示され、図柄表示領域208a~208cにおいて装飾図柄の仮停止表示である揺れ変動表示が行われ、液晶制御部700から第1副制御部400に図柄停止の戻りコマンドが送信され、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおいて、装飾図柄の図柄組合せが停止表示され(【0581】、【0583】、【0586】、【0589】、【0594】)、c4 特図1の変動開始前に決定した変動時間又は特図2の変動開始前に決定した変動時間経過後のタイミングcにおいて、特図表示装置による特図変動遊技が終了して特図(特図1または特図2)が停止表示され(【0061】、【0561】)、タイミングcから特図確定表示期間としての期間T2後であって、N+1回転目の特図変動遊技が開始するタイミングであるタイミングeよりも前のタイミングdにおいて、装飾図柄表示装置208による装飾図柄の停止表示を行い(認定事項4)、d1、d3、d4 主制御部300から第1副制御部400へ変動開始コマンドを送信し、このタイミングで第1副制御部400は、液晶制御部700に対して装飾図柄の変動表示を開始する液晶コマンドを送信し(【0221】)、液晶コマンドを受信した液晶制御部700が、装飾図柄の変動表示を行う制御を実行し(【0223】)、タイミングbで装飾図柄の変動表示が開始しているときに、城下町BGMを先頭から出力し、タイミングc以降で、装飾図柄の仮停止表示である揺れ変動表示が行われているときは、城下町BGMを出力し、タイミングdで、装飾図柄の停止表示に伴い、スピーカ120からは城下町BGMに代えて、図柄デモBGMを出力し(認定事項5)、d2 スピーカ120は、エラー音を出力することが可能であって(【0742】)、エラーが発生した場合に、エラー音を出力する(【0889】)e パチンコ遊技機100(【0011】)。」
(4) 周知技術
ア 引用文献3
本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3(特開2017-80278号公報)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。
(ア) 「【0228】<システム音設定処理>図31は、画像制御基板によるシステム音設定処理を示すフローチャートである。ステップS1201において、ホストCPU151は、主制御基板110(メインCPU111)から各種エラーの検知信号が入力されたか否か(エラーが発生したか否か)を判定する。続きを表示(全15行)エラー検知信号が入力されたと判定した場合(ステップS1201でYes)、ステップS1202において、ホストCPU151は、ホストRAM152におけるエラー検知フラグに1をセットし、ステップS1203において、現在出力中の演出音があるか否かを判定する。【0229】現在出力中の演出音がある場合(ステップS1203でYes)、ホストCPU151は、ステップS1204において、現在のマスターボリューム値をホストRAM152に保存すると共に、所定量を下げた新たなマスターボリューム値を設定する(演出音の音量を下げるボリューム値再設定コマンドを送信バッファにセットする)。即ち、本実施形態の遊技機では、エラー音を出力する際には、演出音の音量を絞り、エラー音がより聞き取りやすいようにしている。【0230】次に、ステップS1205において、ホストCPU151は、エラー音出力コマンドを送信バッファにセットしてシステム音設定処理を終了する。ステップS1203において出力中の演出音がないと判定した場合(ステップS1203でNo)、ホストCPU151は、そのままステップS1205に処理を移して「エラー音出力コマンド」を送信バッファにセットする。ステップS1201でエラー検知信号の入力がないと判定した場合(ステップS1201でNo)、ホストCPU151は、ステップS1206において、エラー検知フラグに0をセットすると共に、ステップS1207において、遊技機に生じていたエラーが解消したか(エラー検知フラグが1から0と変わる状態変化が起きたか)否かを判定する。【0231】遊技機に生じていたエラーが解消したと判定した場合(ステップS1207でYes)、ホストCPU151は、マスターボリューム値を、ステップS1204にて保存していたマスターボリューム値に復帰させる(演出音の音量を戻すボリューム値再設定コマンドをセット)と共に、ステップS1209において、「エラー音停止コマンド」を送信バッファにセットし、今回のシステム音設定処理を終了する。エラーが解消していない(エラーは発生していなかった)と判定した場合(ステップS1207でNo)、ホストCPU151は、今回のシステム音設定処理を終了する。」
(イ) 図31
「[図:0001400363000006.jpg]」
イ 引用文献4
本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献4(特開2019-24568号公報)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている。
(ア) 「【0041】[エラー音および演出音の出力例]図3は、扉開放エラー発生時のエラー音および演出音の音量などを説明するためのタイミングチャートである。図3(A)は、エラー音出力期間が終了するとともに扉開放エラーが解除された場合のタイミングチャートであり、図3(B)は、エラー音出力期間が終了する前に扉開放エラーが解除された場合のタイミングチャートである。【0042】続きを表示(全23行)図3(A),(B)では、tは、事象の発生したタイミングを示す。また、上から順に、扉開放検出スイッチ25の検出有無(扉開放エラーの検出有無)、エラー音の設定音量および出力音、および、演出音の設定音量および出力音を示す。【0043】まず、エラー音出力期間が終了するとともに扉開放エラーが解除された場合について説明する。図3(A)に示すように、t1以前は、扉開放エラーが発生していない。このとき、液晶表示器51において、キャラクタAによる演出画像が表示されている。【0044】メイン制御部41は、扉開放エラーを検出していない。このため、サブ制御部91は、スピーカ53,54に扉開放エラー音を出力させない。サブ制御部91は、スピーカ53,54に設定音量で演出音を出力させる。【0045】t1において、扉1aが開放されると、メイン制御部41は、扉開放エラーを検出する。また、メイン制御部41は、扉開放エラーが発生したことを示すエラーコマンドをサブ制御部91に送信する。【0046】サブ制御部91は、扉開放エラーが発生したことを示すエラーコマンドを受信すると、液晶表示器51に扉開放エラーが発生したことを示す画像を表示させる。また、扉開放エラー発生前のキャラクタAによる演出が行われていたため、サブ制御部91は、キャラクタAの音声に対応した扉開放エラー音データ1を選択する。【0047】サブ制御部91は、スピーカ53,54に最大音量で扉開放エラー音1「ピンポーン、扉が開いています、ピンポーン、扉が開いています」の出力を開始させる。【0048】また、t1において、サブ制御部91は、スピーカ53,54に演出音の出力を停止させる。なお、実際には、サブ制御部91がエラーコマンドを受信したタイミングは、メイン制御部41がエラーコマンドを送信したタイミングt1よりも遅いが、本実施の形態においては、同一のタイミングであるとして記載する。【0049】スピーカ53,54は、t1~t2において、音「ピンポーン、扉が開いています」を出力し、t2~t3において、再度音「ピンポーン、扉が開いています」を出力する。本実施の形態では、音「ピンポーン、扉が開いています」を2回繰り返して出力し終わった時間、すなわち扉開放エラー音1の出力時間が「エラー音出力期間」として定められている。【0050】t3において、エラー音出力期間が終了したと同時に扉1aが閉鎖すると、メイン制御部41は、扉開放エラーを検出しなくなる。これにより扉開放エラーが解除される。また、メイン制御部41は、扉開放エラーが解除されたことを示すエラーコマンドをサブ制御部91に送信する。【0051】サブ制御部91は、扉開放エラーが解除されたことを示すエラーコマンドを受信すると、液晶表示器51に扉開放エラー発生前の演出画像を表示させる。また、サブ制御部91は、スピーカ53,54に扉開放エラー音1の出力を停止させる。また、サブ制御部91は、扉開放エラー発生前と同様に、スピーカ53,54に設定音量で演出音を出力させる。」
(イ) 図3
「[図:0001400363000007.jpg]」
ウ 周知技術
前記アに示したとおり、引用文献3には、「ホストCPU151は、主制御基板110(メインCPU111)から各種エラーの検知信号が入力されたか否か(エラーが発生したか否か)を判定し、エラー検知信号が入力されたと判定した場合、現在出力中の演出音があるか否かを判定し(【0228】)、現在出力中の演出音がある場合、現在のマスターボリューム値をホストRAM152に保存すると共に、所定量を下げた新たなマスターボリューム値を設定し、エラー音を出力する際には、演出音の音量を絞り、エラー音がより聞き取りやすいようにし(【0229】)、遊技機に生じていたエラーが解消したと判定した場合、マスターボリューム値を、保存していたマスターボリューム値に復帰させる(【0231】)」技術事項が記載され、また、前記イに示したとおり、引用文献4には、「扉1aが開放され、サブ制御部91は、扉開放エラーが発生したことを示すエラーコマンドを受信すると、スピーカ53,54に最大音量で扉開放エラー音1「ピンポーン、扉が開いています、ピンポーン、扉が開いています」の出力を開始させ、スピーカ53,54に演出音の出力を停止させ(【0045】~【0048】)、扉1aが閉鎖し、扉開放エラーを検出しなくなり、扉開放エラーが解除されたことを示すエラーコマンドを受信すると、扉開放エラー発生前と同様に、スピーカ53,54に設定音量で演出音を出力させる(【0049】~【0050】)」技術事項が記載され、さらに、引用文献2にも、前記(3)ア(ス)及び(セ)に摘記したように、「スピーカ120は、エラー音を出力することが可能な手段であって(【0742】)、エラーが発生した場合にエラー音を出力し、楽曲の出力中にエラーが発生した場合には(【0889】)、出力している楽曲の音量を0にしたり低くしたりすることが可能である(【0890】)」技術事項が記載されるように、本願出願前に、次の事項は遊技機分野における周知技術であったと認められる。
(周知技術)
「出力中の演出音がある場合に、エラーが発生してエラー音を出力する際には、演出音の音量を絞り、エラーが解消した場合、演出音の音量を復帰させること」
(5) 引用発明2との対比
ア 本件補正発明と引用発明2の対比
(ア) 構成Aについて
引用発明2の構成aにおける「遊技全般の制御処理を行う主制御部300」、「主制御部300が送信するコマンド信号に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400」、「パチンコ遊技機100」は、それぞれ、本件補正発明の構成Aにおける「遊技の進行を制御する主制御手段」、「前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段」、「遊技機」に相当する。
よって、引用発明2は、本件補正発明の構成Aに相当する構成を備えたものである。
(イ) 構成B、構成B1について
引用発明2の構成b、b1、b2における「大当りか否か」は、本件補正発明の構成B1における「遊技者に有利な特別遊技を実行するか否か」に相当し、引用発明2の構成b、b1、b2における「主制御部300が実行する」「特図関連抽選処理」において「ハードウェア乱数の抽選によって行」う「大当りか否かの決定」は、本件補正発明の構成B1における「遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する」ことに相当する。
そして、引用発明2の構成b、b1、b2における「特図関連抽選処理を行」う「主制御部300」が、本件補正発明の構成B及びB1における、「主制御手段」が「備え」る「遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段」としての機能を有することは明らかである。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成B及びB1に相当する構成を備えたものであるといえる。
(ウ) 構成B2について
引用発明2の構成b、b1、b2及び構成b3、b4における「特図1変動遊技」又は「特図2変動遊技」は、構成b3、b4が示すように、その「結果」を「第1特図表示装置212」又は「第2特図表示装置214」で遊技者に報知するものであり、前記(イ)における検討も踏まえると、構成b、b1、b2における、上記「第1特図表示装置212」又は「第2特図表示装置214」の「表示制御を行うための駆動回路324」及び当該「駆動回路324」が接続された「基本回路302」を備える「主制御部300」が、本件補正発明の構成B2における「前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段」としての機能を有することは明らかである。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成B2に相当する構成を備えているといえる。
(エ) 構成B3、構成B4について
引用発明2の構成b、b1、b2における、「主制御部300」(変動表示手段)の「特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324」が、構成b3、b4が示すように、「特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図1の変動表示を行い」、「特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示」し、「特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図2の変動表示を行い」、「特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示」することは、本件補正発明の構成B3及びB4における、「前記変動表示手段」が「前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を所定の停止時間にわたって停止表示させ」ることに相当する。
よって、引用発明2は、本件補正発明の構成B3及び構成B4に相当する構成を備えている。
(オ) 構成C、構成C1について
引用発明2の構成cの「装飾図柄」、「装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示」は、それぞれ、本件補正発明の構成C1の「演出図柄」、「演出図柄による変動演出」に相当する。また、引用発明2の構成cにおいて、「第1副制御部400」(演出制御手段)が、「装飾図柄表示装置208」により「特図変動遊技の大当り判定の結果の報知」を行うことや、構成c1において、「装飾図柄の変動表示」の「開始」を、「特図表示装置である第1特図表示装置212または第2特図表示装置214によるN回転目の特図変動遊技が開始するタイミングaから期間T1後のタイミングbにおいて」なすことは、本件補正発明の構成C1において、「変動演出」を「特別図柄の変動表示の変動表示に対応して」「実行する」ことに相当する。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成C及び構成C1に相当する構成を備えているといえる。
(カ) 構成C、構成D1について
引用発明2の「第1副制御部」(演出制御手段)は、構成cが示すように、「スピーカ120の制御を行うための音源IC416」を備えたものであり、引用発明2の構成d1、d3、d4における「装飾図柄の変動表示が開始しているときに、城下町BGMが先頭から出力され」、「装飾図柄の変動表示が行われているときは、城下町BGMを出力し」、「装飾図柄の停止表示に伴い、スピーカ120からは城下町BGMに代えて、図柄デモBGMが出力され」ることは、本件補正発明の構成D1における「変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力」することに相当する。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成C及び構成D1に相当する構成を備えているといえる。
(キ) 構成C、構成D2について
前記(カ)で述べたように、引用発明2の「第1副制御部」(演出制御手段)は、「スピーカ120の制御を行うための音源IC416」を備えたものであり、引用発明2の構成d2における「スピーカ120は、エラー音を出力することが可能であって」「、エラーが発生した場合に、エラー音を出力」することは、本件補正発明の構成D2における「所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力する」ことに相当する。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成C及び構成D2に相当する構成を備えているといえる。
(ク) 構成C2について
引用発明2の構成c2における「装飾図柄」(演出図柄)の「仮停止表示である揺れ変動表示」は、本件補正発明の構成C2における「演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出」に相当し、同じく構成c2における「装飾図柄」(演出図柄)の「図柄組合せ」の「停止表示」は、本件補正発明の構成C2における「演出図柄を停止させる停止表示」に相当し、同じく構成c2における「停止表示」(停止表示)は、「仮停止表示」(停止前動作演出)が行われて、「液晶制御部700から第1副制御部400に図柄停止の戻りコマンドが送信され」て行われることでなされるものであるから、時系列では、「仮停止表示」(停止前動作演出)の「後」であることが明らかである。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成C2に相当する構成を備えているといえる。
(ケ) 構成C4について
引用発明2の構成c4が示すように、「装飾図柄の停止表示」は、「特図表示装置による特図変動遊技が終了して特図(特図1または特図2)が停止表示され」る「タイミングc」から「特図確定表示期間としての期間T2後」であって、「N+1回転目の特図変動遊技が開始するタイミングであるタイミングeよりも前」である「タイミングd」において行われるものであり、上記「特図確定表示期間」は、本件補正発明の構成C4の「特別図柄の停止時間」は相当するから、前記(エ)における「特別図柄の変動表示として」の「サイクル変動」についての検討も踏まえると、引用発明2は、本件補正発明の構成C4に相当する構成を備えているといえる。
(コ) 構成D3、構成D4について
引用発明2の構成c1が示すように、「装飾図柄の変動表示」(変動演出)は、「特図表示装置である第1特図表示装置212または第2特図表示装置214によるN回転目の特図変動遊技」が開始するタイミングaから期間T1後のタイミングbにおいて」開始するものであり、また、引用発明2の構成d1、d3、d4が示すように、「タイミングbで装飾図柄の変動表示が開始しているとき」に、「城下町BGM」(変動BGM)が「先頭から出力され」るものであるから、前記(エ)における「特別図柄の変動表示として」の「サイクル変動」についての検討も踏まえると、引用発明2が、本件補正発明の構成D3に相当する構成を備えることは明らかである。
続いて、前記(ケ)で検討したように、「装飾図柄の停止表示」は、「特図表示装置による特図変動遊技が終了して特図(特図1または特図2)が停止表示され」る、「タイミングc」から「特図確定表示期間としての期間T2後」の、「タイミングd」において行われるものであり、また、引用発明2の構成d1、d3、d4が示すように、「城下町BGM」(変動BGM)は、「タイミングdで、装飾図柄の停止表示に伴い」「代え」られるものであるから、同じく前記(エ)における「特別図柄の変動表示として」の「サイクル変動」についての検討も踏まえると、引用発明2が、本件補正発明の構成D4に相当する構成を備えることは明らかである。
そうすると、引用発明2は、本件補正発明の構成D3及び構成D4に相当する構成を備えているといえる。
(サ) 構成Eについて
引用発明2の構成eの「パチンコ遊技機100」は、前記(ア)で述べたように、本件補正発明の構成Eの「遊技機」に相当する。
イ 引用発明2との一致点及び相違点
前記アにおける検討を踏まえると、本件補正発明と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「A 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、B 前記主制御手段は、B1 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、B2 前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、続きを表示(全15行)B3 前記変動表示手段は、B4 前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、C 前記演出制御手段は、C1 前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、D1 前記変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力することが可能であり、D2 所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力することが可能であり、C2 前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、C4 前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示され、D3 前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、D4 前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能であるE 遊技機。」
<相違点1>(構成C3)
本件補正発明は、「停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了」するものであるのに対し、引用発明2には、「当確演出」にあたる演出がない点。
<相違点2>(構成D5、構成D6)
本件補正発明の「変動BGM」と「異常報知音」は、「変動BGMの出力中に異常報知音の出力が開始される場合、前記変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が終了する場合、前記変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させる」ものであるのに対し、引用発明2は、「城下町BGM」(変動BGM)の出力中に、「エラー音」(異常報知音)の出力を開始又は終了する場合に、当該「エラー音」の出力をどうするかについて特定されていない点。
(6) 当審合議体の判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
前記(2)イに示した引用発明1は、「パチンコ遊技機1」において、「リーチ演出が実行された後、大当り確定報知音を再生し、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了する」ようにしたものであり、当該引用発明1における「パチンコ遊技機1」、「大当り確定報知音」、「再生」、「飾り図柄の仮停止表示期間中」、「飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了」は、それぞれ、本件補正発明の「遊技機」、「特別遊技が実行されることを報知する当確演出」、「実行」、「停止表示の実行前」、「所定のタイミングで終了」に相当するから、引用発明1は、上記相違点1に係る構成C3に相当する構成を備える。
引用発明2と引用発明1とは、いずれも装飾図柄(飾り図柄)の「仮停止表示」を行い、演出の興趣を向上させるという課題を有する点で共通することが明らかであるから、引用発明2に引用発明1を適用し、仮停止表示の際に大当り確定報知音を出力可能とするとともに、出力を完了するようにして、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
前記(4)ウで述べたように、「出力中の演出音がある場合に、エラーが発生してエラー音を出力する際には、演出音の音量を絞り、エラーが解消した場合、演出音の音量を復帰させること」は、本願出願前の遊技機分野における周知技術である。
ここで、上記周知技術における「演出音」、「エラー音」は、それぞれ、本件補正発明の「変動BGM」、「異常報知音」に相当する。
引用発明2における「エラー音」(異常報知音)の出力を開始又は終了する場合の「城下町BGM」(変動BGM)の出力について、上記周知技術を採用し、「エラー音」(異常報知音)の出力を開始する場合には「城下町BGM」の音量を絞り、「エラー音」(異常報知音)の出力を終了する場合には「城下町BGM」の音量を復帰させて、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
ウ 総合判断
相違点1及び相違点2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果は、引用発明2及び引用発明1並びに周知技術から予測される程度のものに過ぎず、予測困難かつ格別顕著な効果を認めることはできない。
(7) 請求人の主張について
請求人は審判請求書において、次の主張をしている。
「(前略)3.本願発明が特許されるべき理由(3-1)補正後の請求項1に係る発明補正後の請求項1に係る発明は、続きを表示(全55行)「(請求項1)(A)遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、(A1)前記主制御手段は、(A2)遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、(A3)前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、(A4)前記変動表示手段は、(A5)前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、(B)前記演出制御手段は、(B1)前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、(B2)前記変動演出の実行中に変動BGMを可聴出力することが可能であり、(B3)所定の異常が発生すると異常報知音を可聴出力することが可能であり、(B4)前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、(B5)前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、(B6)前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示され、(B7)前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、(B8)前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能であり、(B9)前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が開始される場合、前記変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、(B10)前記変動BGMの出力中に前記異常報知音の出力が終了する場合、前記変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させることを特徴とする遊技機。」であります。(中略)(3-3)特許法第29条第2項によるご指摘が解消している理由・引用文献の説明令和4年06月27日付け拒絶理由通知書に記載された引用文献は以下のとおりです。1.特開2015-070996号公報2.特開2018-139812号公報(中略)・引用文献との対比補正後の本願発明は、上記構成(B7)(B8)を第1特徴部とし、上記構成(B9)(B10)を第2特徴部としております。第1特徴部により、最初のサイクル変動が開始されたから変動BGMの可聴出力が開始され、最後のサイクル変動が終了したから変動BGMの可聴出力が停止されたということを遊技者が認識可能となることで、特別図柄の変動表示(サイクル変動)が主であって変動BGMの出力が従の関係、つまり、特別図柄の変動表示(サイクル変動)が重要であることを把握し易くなります。また、最後のサイクル変動の終了後も変動BGMが可聴出力されていることで、最後のサイクル変動の終了時点で急に遊技演出が終了することによる虚無感を生じさせないようにすることができると共に、最後のサイクル変動の終了後において遊技者に退屈感を与えないようにすることもでき、遊技の興趣を向上させることが可能となります。また、第2特徴部により、変動BGMによって阻害されることなく異常報知音を出力することが可能となると共に、異常報知音が出力されたからといって変動BGMが聞き取りにくい状態が継続しなくなり、遊技機のセキュリティーを担保しつつ、遊技の興趣が低下することを防止することが可能となります。上記第1特徴部について、引用文献1は、段落(0284)、図26によれば、飾り図柄の可変表示が開始されると、再生チャンネル0、1において飾り図柄の可変表示中であることに対応したBGMの再生が開始されることが記載されております。よって、本願発明の構成(B7)相当の開示は認められます。しかしながら、図26等の開示からは、「特別図柄の変動表示における最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、変動BGMの可聴出力を停止する」ようになっているか否かうかがい知ることができません。つまり、引用文献1では、変動BGMが最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後に可聴出力が停止するようなものではなく、この点において本願発明とは相違します。次に、引用文献2は、特図変動遊技として、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯とを繰り返し(サイクル変動)、変動時間が経過すると停止表示する点、及び、図49には、N回転目の特図変動遊技が開始し、所定時間経過後に特図変動遊技が終了して特図が停止表示された後であって、N+1回転目の特図変動遊技が開始される前に、装飾図柄の停止表示が行われる点が記載されております。よって、本願発明の構成(B6)相当の開示は認められます。しかしながら、図49や段落(0561)、(0562)によれば、装飾図柄の停止表示と同時に図柄デモ用のBGMを出力すること、N+1回転目の装飾図柄の変動表示が開始すると、図柄デモBGMが停止すると記載されており、「特別図柄の変動表示における最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、変動BGMの可聴出力を停止する」ようにはなっておりません。つまり、引用文献2では、変動BGMが最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後に可聴出力が停止するようなものではなく、この点において本願発明とは相違します。そのため、引用文献1、2には、特別図柄の変動表示(サイクル変動)が主であって変動BGMの出力が従の関係、つまり、特別図柄の変動表示(サイクル変動)が重要であることを把握し易くするといった着想がないものと考えられます。また、最後のサイクル変動の終了時点で急に遊技演出が終了することによる虚無感を生じさせないようにすることができると共に、最後のサイクル変動の終了後において遊技者に退屈感を与えないようにするといった着想もないと考えられます。上記第2特徴部について、引用文献1は、段落(0275)、図25によれば、BGMの再生には再生チャンネル0、1が使用され、エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用されることが記載されております。これらの記載から、それぞれの再生チャンネルから、BGMおよびエラー音を出力可能とすることがうかがえますが、これらを同時に出力する場合における相互の音量の関係、つまり、「変動BGMの出力中に異常報知音の出力が開始される場合、変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が終了する場合、変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させる」ようになっているか否かうかがい知ることができません。つまり、引用文献1は、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が開始される場合、変動BGMの音量を低下させ、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が終了する場合、変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させるようなものではなく、この点において本願発明とは相違します。次に、引用文献2は、段落(0333)~(0335)、図30によれば、チャネル1~4の4チャネルを、ステレオ音源を再生するためのチャネル(ステレオ01~ステレオ02)として利用し、チャネル5~10とチャネル31の7チャネルを、モノラル音源を再生するためのチャネル(モノラル01~モノラル07)として利用すること、チャネル11~30の20チャネルを、フリーチャネル(フリー01~フリー20)として利用すること、チャネル32は、システム音(例えば、エラーに関する報知音(エラー音))が設定されるシステムチャネル(システム)として利用することが記載されております。これらの記載から、それぞれのチャネルから、BGMおよびエラー音を出力可能とすることがうかがえますが、これらを同時に出力する場合における相互の音量の関係、つまり、「変動BGMの出力中に異常報知音の出力が開始される場合、変動BGMの音量をそれまでよりも低下させ、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が終了する場合、変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させる」ようになっているか否かうかがい知ることができません。つまり、引用文献2は、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が開始される場合、変動BGMの音量を低下させ、変動BGMの出力中に異常報知音の出力が終了する場合、変動BGMの音量を低下前の音量に復帰させるようなものではなく、この点において本願発明とは相違します。そのため、引用文献1、2には、変動BGMによって阻害されることなく異常報知音を出力することが可能となると共に、異常報知音が出力されたからといって変動BGMが聞き取りにくい状態が継続しなくなり、遊技機のセキュリティーを担保しつつ、遊技の興趣が低下することを防止するといった着想もないと考えられます。してみれば、引用文献1、2を参照したとしても、上記特徴部1、2を想起するのは容易な事項ではなく、上記特徴部1、2を想起するための十分な動機付けにもならないと考えられます。このように、本願発明は、引用文献1、2を参照した当業者であっても容易に想起することができない独特の構成要件及び作用効果を具備するものであるから、特許法第29条第2項違反には該当しないものと思料致します。(後略)」
しかし、引用発明2が、本件補正発明の「前記特別図柄の変動表示における最初の前記サイクル変動の開始タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を開始することが可能であり、前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後のタイミングで、前記変動BGMの可聴出力を停止することが可能」とした構成に相当する構成を備えているといえることは、前記(5)ア(コ)で述べたとおりであり、また、「出力中の演出音がある場合に、エラーが発生してエラー音を出力する際には、演出音の音量を絞り、エラーが解消した場合、演出音の音量を復帰させること」は、本願出願前の遊技機分野における周知技術であって、引用発明2における「エラー音」(異常報知音)の出力を開始又は終了する場合の「城下町BGM」(変動BGM)の出力について上記周知技術を採用し、「エラー音」(異常報知音)の出力を開始する場合には「城下町BGM」の音量を絞り、「エラー音」(異常報知音)の出力を終了する場合には「城下町BGM」の音量を復帰させるようにすることが、当業者が適宜なし得たといえることは、前記(6)イで述べたとおりである。
よって、請求人の主張を採用することはできない。
(8) まとめ
したがって、本件補正発明は、引用発明2及び引用発明1並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年4月22日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1の記載は次のとおりである(記号AA~FFは、分説のため当審合議体が付した。以下、AA等を付した事項を「構成AA」等という。)。
(本願発明)
「【請求項1】AA 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、BB 前記主制御手段は、BB1 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、続きを表示(全13行)BB2 前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、BB3 前記変動表示手段は、BB4 前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を停止表示させ、CC 前記演出制御手段は、CC1 前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、CC2 前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、CC3 前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、CC4 前記特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示される、EE ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。
1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
●理由1(進歩性)について
・請求項1
・引用文献等 1-2
<引用文献等一覧>
1.特開2015-70966号公報
2.特開2018-139812号公報
3 引用文献の記載事項、引用発明1、引用発明2
折りたたみ中(クリックで表示)
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1、引用文献2の記載事項は、前記第2の3(2)ア又は3(3)アに摘記したとおりであり、引用文献2の認定事項は、前記第2の3(3)イに示したとおりであり、引用発明1、引用発明2は、前記第2の3(2)イ又は3(3)ウで認定したとおりである。
引用発明1については、前記第2の3(2)イで認定したものを改めて以下に記載する(符号aa~eeは、本願発明の構成AA~EEに概ね対応させて当審合議体が付した。)。
(引用発明1)
「aa 主基板11、演出制御基板12が搭載されたパチンコ遊技機1において(【0088】)、bb、bb1、bb2 主基板11は、遊技の進行を制御するための各種回路を搭載し(【0089】)、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理を実行し(【0168】)、CPU103は、特別図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を大当りや小当りとして大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定を行うものであり、抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定し(【0173】、【0182】、【0184】)、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能を備え(【0089】)、cc、cc1、cc2 演出制御基板12は、主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5による演出動作を制御するための各種回路を搭載し(【0091】)、画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄を可変表示し(【0019】)、飾り図柄を停止表示して可変表示を終了させ、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が、停止表示、すなわち導出表示されるまでの可変表示中に、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示の表示状態となることがあり(【0021】)、cc3 リーチ演出が実行された後、大当り確定報知音を再生し、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了する(【0291】)ee パチンコ遊技機1(【0088】)。」
4 対比・判断
(1) 引用発明1との対比
ア 本願発明と引用発明1の対比
(ア) 構成AAについて
引用発明1の構成aaにおける「主基板11」、「演出制御基板12」、「パチンコ遊技機1」は、それぞれ、本願発明の構成AAにおける「主制御手段」、「演出制御手段」、「遊技機」に相当する。
そして、引用発明1の構成aaにおける「主基板11」については、構成bb、bb1、bb2によると、「遊技の進行を制御するための各種回路を搭載し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理を実行」するものであるから、本願発明の構成AAにおける、「遊技の進行を制御する」機能を有することは明らかである。
また、引用発明1の構成aaにおける「演出制御基板12」については、構成cc、cc1、cc2によると、「主基板11」(主制御手段)から「伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5による演出動作を制御するための各種回路を搭載し」たものであるから、本願発明の構成AAにおける、「主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する」機能を有することは明らかである。
そうすると、引用発明1は、本願発明の構成AAに相当する構成を備えたものであるといえる。
(イ) 構成BB、構成BB1、構成BB2について
引用発明1の構成bb、bb1、bb2における「抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1」は、本願発明の構成BB1における「判定情報」に相当し、「主基盤11」(主制御手段)のCPU103において、上記「乱数値MR1」(判定情報)が「大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定する」ことは、本願発明の構成BB1において、「遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する」ことに相当する。そして、上記「主基盤11」(主制御手段)が、本願発明の構成BB1の「判定手段」としての機能を有することは明らかである。
続いて、引用発明1の構成bb、bb1、bb2における「特別図柄の可変表示」は、本願発明の構成BB2における「特別図柄の変動表示」に相当し、当該「可変表示」(変動表示)は、「特別図柄通常処理」による「特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を大当りや小当りとして大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定」に伴うものであるから、上段における検討も踏まえると、本願発明の構成BB2における「判定の結果に応じ」たものであるといえる。
そして、上記「主基盤11」(主制御手段)が、本願発明の構成BB2の「変動表示手段」としての機能を有することは明らかである。
そうすると、引用発明1は、本願発明の構成BB、構成BB1、構成BB2に相当する構成を備えたものであるといえる。
(ウ) 構成CC、構成CC1、構成CC2について
前記(イ)の検討で、引用発明1の「特別図柄の可変表示」が、本願発明の「特別図柄の変動表示」に相当するとしたことを踏まえると、引用発明1の構成cc、cc1、cc2における「特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示」は、本願発明の構成CC1における「特別図柄の変動表示」に相当し、また、引用発明1の構成cc、cc1、cc2における「対応して」、「飾り図柄」は、それぞれ、本願発明の構成CC1における「対応して」、「演出図柄」に相当する。
続いて、引用発明1の構成cc、cc1、cc2において、「飾り図柄」(演出図柄)の「変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示の表示状態となること」は、本願発明の構成CC2における「演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出」に相当し、当該「飾り図柄」(演出図柄)の「仮停止表示の表示状態となること」(停止前動作演出)が、「可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が、停止表示、すなわち導出表示されるまでの可変表示中」に行われるものであることから、本願発明の構成CC2におけるように、「停止前動作演出」の「後」に「演出図柄を停止させる停止表示」が行われることは明らかである。
そうすると、引用発明1は、本願発明の構成CC、構成CC1、構成CC2に相当する構成を備えたものであるといえる。
(エ) 構成CC3について
引用発明1の構成cc3における「大当り確定報知音」、「再生」、「飾り図柄の仮停止表示期間中」、「飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了」は、それぞれ、本願発明の構成CC3における「特別遊技が実行されることを報知する当確演出」、「実行」、「停止表示の実行前」、「所定のタイミングで終了」に相当する。
そうすると、引用発明1は、本願発明の構成CC3に相当する構成を備えたものである。
(オ) 構成EEについて
引用発明1の構成eeの「パチンコ遊技機1」は、前記(ア)で述べたように、本願発明の構成EEの「遊技機」に相当する。
イ 引用発明1との一致点及び相違点
前記アにおける検討を踏まえると、本願発明と引用発明1の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「AA 遊技の進行を制御する主制御手段と、前記主制御手段からのコマンドに応じた演出を制御する演出制御手段と、を備えた遊技機において、BB 前記主制御手段は、BB1 遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かの判定情報を判定する判定手段と、BB2 前記判定の結果に応じて特別図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、を備え、CC 前記演出制御手段は、CC1 前記特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による変動演出を実行可能であり、CC2 前記変動演出は、前記演出図柄を所定の態様で動作させる停止前動作演出と、当該停止前動作演出の後、前記演出図柄を停止させる停止表示と、を含み、CC3 前記停止表示の実行前に前記特別遊技が実行されることを報知する当確演出を実行可能であり、当該当確演出は所定のタイミングで終了し、EE 遊技機。」
<相違点3>(構成BB3、構成BB4)
本願発明における「変動表示手段」による「特別図柄の変動表示」は、「サイクル変動を複数回行ってから特別図柄を停止表示させ」るものであるのに対し、引用発明1における「主基盤11」(変動表示手段)による「特別図柄の可変表示」(特別図柄の変動表示)が、「サイクル変動を複数回行ってから特別図柄を停止表示させ」るものであるのか否かについて明らかでない点。
<相違点4>(構成CC4)
本願発明においては、「特別図柄の変動表示における最後の前記サイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、演出図柄が停止表示される」のに対し、引用発明1においては、「飾り図柄」の「停止表示」(演出図柄の停止表示)が、「特別図柄の可変表示」(特別図柄の変動表示)におけるどのタイミングで行われるのかが明らかでない点。
(2) 当審合議体の判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点3について
前記第2の3(3)ウに示した引用発明2は、「パチンコ遊技機100」(遊技機)において、「特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図1の変動表示を行い」、「特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し」、「特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図2の変動表示を行い」、「特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示」するようにしたものであって、前記第2の3(5)ア(エ)で検討したように、「前記変動表示手段」が「前記特別図柄の変動表示としてサイクル変動を複数回行ってから前記特別図柄を所定の停止時間にわたって停止表示させ」る構成を備えたものである。
引用発明1と引用発明2とは、いずれも特別図柄の変動表示による遊技を行う点で共通するから、引用発明1に引用発明2を適用し、特別図柄の変動表示を、サイクル変動を複数回行ってから停止するものとして、上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点4について
前記第2の3(3)ウに示した引用発明2は、「パチンコ遊技機100」(遊技機)において、「特図1の変動開始前に決定した変動時間又は特図2の変動開始前に決定した変動時間経過後のタイミングcにおいて、特図表示装置による特図変動遊技が終了して特図(特図1または特図2)が停止表示され、タイミングcから特図確定表示期間としての期間T2後であって、N+1回転目の特図変動遊技が開始するタイミングであるタイミングeよりも前のタイミングdにおいて、装飾図柄表示装置208による装飾図柄の停止表示を行」うようにしたものであって、前記第2の3(5)ア(ケ)で検討したように、本願発明における、「特別図柄の変動表示における最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後であって前記特別図柄の停止時間が経過する前のタイミングで、前記演出図柄が停止表示され」る構成を備えたものである。
引用発明1と引用発明2とは、いずれも、特別図柄の変動表示による遊技を行い、演出図柄による変動演出を行う点で共通するから、引用発明1に引用発明2を適用し、「演出図柄の停止表示」を、「特別図柄の変動表示」における「最後のサイクル変動の終了タイミングよりも後であって特別図柄の停止時間が経過する前のタイミング」で行うものとして、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 総合判断
相違点3及び相違点4を総合的に勘案しても、本願発明が奏する効果は、引用発明1及び引用発明2から予測される程度のものに過ぎず、予測困難かつ格別顕著な効果を認めることはできない。
(3) まとめ
したがって、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-021049