特許拒絶査定不服審判
2022-020927
電力線を介してリセットを送るためのシステムおよび方法
- 審判番号
- 2022-020927
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-565432
- 請求日
- 2022年12月23日
- 審決日
- 2023年12月05日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】グーグル エルエルシー
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 猪瀬 隆広
- 審判官 千葉 輝久
- 審判官 寺谷 大亮
- 分類
- P18 .113-Z (H02J) / P18 .121-Z (H02J) / P18 .561-Z (H02J) / P18 .572-Z (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-565432「電力線を介してリセットを送るためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 3月 5日国際公開、WO2020/046533、令和 3年10月14日国内公表、特表2021-528031〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)8月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年(平成30年)8月28日、米国)を国際出願日とする出願であって、令和2年12月22日に手続補正がされ、令和4年1月21日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年6月24日に手続補正がされたが、令和4年8月12日付けで拒絶査定がされたものであり、これを不服として令和4年12月23日に本件審判請求がされ、同時に手続補正がされた。
第2 令和4年12月23日にされた手続補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月23日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和4年12月23日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正対象とし、本件補正前の請求項1、11、16の記載を、それぞれ、本件補正後の請求項1、10、14の記載にする補正を含むものであり、当該請求項の記載は次のとおりである。(下線部は、補正により変更された箇所である。)
[本件補正前]
【請求項1】
受電装置をリセットするためのシステムであって、
1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置を備え、前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成され、前記システムはさらに、
受電装置を備え、前記受電装置は、
前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点と、
前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリとを含み、
前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合される、受電装置をリセットするためのシステム。
【請求項11】
電源装置であって、
受電装置との電気的接続を確立するように適合された1つ以上の第1の接点と、
第1の電圧および前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を生成するように適合された、前記電源装置内の1つ以上の電圧源と、
前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの1つを前記電気的接続を介して伝達するために選択するように構成された電力制御ユニットとを備え、前記第1の電圧は前記受電装置のバッテリを充電するものであり、前記第2の電圧は前記受電装置をリセットするものであり、
前記電力制御ユニットは、リセット開始イベントを検出し、前記リセット開始イベントの検出に応答して前記第2の電圧を選択するように構成された1つ以上のプロセッサを含む、電源装置。
【請求項16】
受電装置であって、
電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の接点と、
前記電気的接続を通じて電荷を受けるように構成されたバッテリと、
前記電気的接続を介して受け取られる第1の電圧レベルを、前記電気的接続を介して受け取られる、前記第1の電圧レベルとは異なる第2の電圧レベルから区別するように構成された回路とを備え、前記第1の電圧レベルは、前記バッテリを充電するために前記バッテリに供給され、前記第2の電圧レベルは、前記受電装置におけるファームウェアのリセットを開始し、
前記回路は、前記受電装置におけるファームウェアの前記リセットを開始する前記第2の電圧レベルによって活性化されるツェナーダイオードを含む、受電装置。
[本件補正後]
【請求項1】
受電装置をリセットするためのシステムであって、
1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置を備え、前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成され、前記システムはさらに、
受電装置を備え、前記受電装置は、
前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点と、
前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリとを含み、
前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合され、
前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、
前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される、受電装置をリセットするためのシステム。
【請求項10】
電源装置であって、
受電装置との電気的接続を確立するように適合された1つ以上の第1の接点と、
第1の電圧および前記第1の電圧とは異なる第2の電圧を生成するように適合された、前記電源装置内の1つ以上の電圧源と、
前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの1つを前記電気的接続を介して伝達するために選択するように構成された電力制御ユニットとを備え、前記第1の電圧は前記受電装置のバッテリを充電するものであり、前記第2の電圧は前記受電装置をリセットするものであり、
前記電力制御ユニットは、リセット開始イベントを検出し、前記リセット開始イベントの検出に応答して前記第2の電圧を選択するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、
前記電源装置は、ワイヤレス電子アクセサリ用ケースであり、
前記リセット開始イベントは、前記受電装置が前記ワイヤレス電子アクセサリ用ケースに収容されたことである、電源装置。
【請求項14】
受電装置であって、
電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の接点と、
前記電気的接続を通じて電荷を受けるように構成されたバッテリと、
前記電気的接続を介して受け取られる第1の電圧レベルを、前記電気的接続を介して受け取られる、前記第1の電圧レベルとは異なる第2の電圧レベルから区別するように構成された回路とを備え、前記第1の電圧レベルは、前記バッテリを充電するために前記バッテリに供給され、前記第2の電圧レベルは、前記受電装置におけるファームウェアのリセットを開始し、
前記回路は、前記受電装置におけるファームウェアの前記リセットを開始する前記第2の電圧レベルによって活性化されるツェナーダイオードを含み、
前記ファームウェアのリセットは、前記受電装置が前記電源装置の筐体に収容されたことに基づいて開始される、受電装置。
2 補正の適否
(1)本件補正前の請求項1の記載を、本件補正後の請求項1の記載にする補正について
ア 補正の目的
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明特定事項である「電源装置」、「電気的接続」を、「前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え」、「前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される」と限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
イ 独立特許要件
本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に該当するので、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)について以下に検討する。
(ア)本件補正発明
本件補正発明は、上記本件補正後の請求項1の記載により特定される次のとおりのものである。
[本件補正発明]
受電装置をリセットするためのシステムであって、
1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置を備え、前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成され、前記システムはさらに、
受電装置を備え、前記受電装置は、
前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点と、
前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリとを含み、
前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合され、
前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、
前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される、受電装置をリセットするためのシステム。
(イ)引用文献
a 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2016/0087480号明細書(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。なお、下線は当審により付与したものである。
「Charging Apparatus Including Remote Device Reset」(タイトル)
(訳:リモート・デバイス・リセットを含む充電装置)
「ABSTRACT
A rechargeable computing device including a battery, a processor, a power receiver, a reset switch, and a circuit for receiving a reset signal may receive the reset signal via a power source. The processor may be configured to be reset in response to actuation of the reset switch. The power receiver may be configured to receive a wireless power transmission from a remote charging apparatus and charge the battery using power captured from the wireless power transmission. The reset switch may be coupled to the processor and to the circuit for receiving a reset signal. The circuit for receiving a reset signal may be configured to activate the reset switch to reset the processor in response to detecting a reset signal encoded within a wireless power transmission. In some embodiments, the circuit for receiving a reset signal may be configured to receive the signal from a wired power input.」(訳:要約
バッテリと、プロセッサと、電力受信機と、リセットスイッチと、リセット信号受信用回路とを含む充電式コンピューティングデバイスは、電源を介してリセット信号を受信することができる。プロセッサは、リセットスイッチの作動に応答してリセットされるように構成されてもよい。電力受信器は、遠隔充電装置から無線電力伝送を受信し、無線電力伝送から取り込まれた電力を使用してバッテリを充電するように構成されてもよい。リセットスイッチは、プロセッサと、リセット信号受信用回路とに結合されていてもよい。リセット信号受信用回路は、無線電力伝送内に符号化されたリセット信号を検出することに応答して、プロセッサをリセットするためにリセットスイッチを作動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リセット信号受信用回路は、有線電力入力から信号を受信するように構成されてもよい。)
「[0013] FIG. 8 is a schematic diagram of a rechargeable computing device with a DC powered wired charger for remote reset according to various embodiments of the disclosure.」(第1頁右欄第34-37行)
(訳:[0013] 図8は、本開示の様々な実施形態による、遠隔リセット用のDC電源の有線充電器を備えた充電式コンピューティングデバイスの概略図である。)
「[0025] The term "rechargeable computing device" is used herein to refer to any electrical appliance that uses and draws current from an onboard battery that may be refilled with electrical power. The rechargeable computing device may be any electrical device from a small consumer electronic device to a large-scale commercial appliance. For example, the rechargeable computing device may refer to any one or all of cellular telephones, smart phones, programmable watch, smart watch, hearing aid, personal electronic exercise gear, waterproof electronics, laptop computers, tablet computers, smart books, palm-top computers, personal or mobile multi-media players, personal data assistants (PDA's), wireless electronic mail receivers, streaming media players, digital media players, and similar electronic devices that include an onboard battery. Various embodiments may be suitable for a variety of devices, such as small electronic devices that do not have room on an external housing for a separate reset button or electronic devices that need to maintain a waterproof seal.」(第2頁左欄第38-55行)
(訳:[0025] 本明細書において、「充電式コンピューティングデバイス」という用語は、電力を補充することができるオンボードバッテリーを使用し、そこから電流を引き出すあらゆる電気機器を指すために使用される。充電式コンピューティングデバイスは、小型の消費者向け電子機器から大型の業務用電化製品まで、どのような電気機器であってもよい。例えば、充電式コンピューティングデバイスは、携帯電話、スマートフォン、プログラマブルウォッチ、スマートウォッチ、補聴器、パーソナル電子エクササイズギア、防水電子機器、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートブック、パームトップコンピュータ、パーソナルまたはモバイルマルチメディアプレーヤ、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ストリーミングメディアプレーヤ、デジタルメディアプレーヤ、およびオンボードバッテリを含む同様の電子デバイスのいずれか1つまたはすべてを指すことができる。様々な実施形態は、別個のリセットボタンを外部筐体に設けるスペースがない小型電子機器や、防水シールを維持する必要がある電子機器など、様々な機器に適している可能性がある。)
「[0056] FIG. 5 illustrates another example embodiment rechargeable computing device 500. The rechargeable computing device 500 includes a wired solution that provides the remote reset functionality described above with reference to the rechargeable computing devices of FIGS.1-4 (i.e., 100, 201, 203, 300, and 400). The rechargeable computing device 500 may be configured to receive a wired power transmission 550 for charging the onboard battery 120 from a remote charging apparatus 560 (i.e., a wired charger) through a wired power transmitter 595. In addition, the remote charging apparatus 560 may be used to transmit a remote reset to the rechargeable computing device 500 by way of the wired power transmission 550. The wired solution refers to the use of a power cord 593 and a first connector 597 forming the wired power transmitter 595.
[0057] The wired power transmitter 595 may include a conductive material, such as copper wiring, which conveys the wired power transmission 550, extending continuously between the remote charging apparatus 560 and the rechargeable computing device 500. The wired power transmitter 595 may provide a physical connection formed by a wire in the power cord 593 terminating as first contacts of the first connector 597 (e.g., male connector) received by second contacts of a second connector 511 (e.g., female connector) of a wired power receiver 510 of the rechargeable computing device 500. The first connector 597 is configured to be removably secured to the second connector 511 of the wired power receiver 510. For example, the first connector 597 may snuggly plug into the second connector 511 that includes a recess for receiving the first connector 597. In this way, contacts from the first connector 597 stay engaged to contacts from the second connector 511 for conducting electricity, at least until the power cord 593 is separated from the rechargeable computing device 500. Alternatively, different types of electrical connectors may be employed.」(第6頁左欄第33行-右欄第3行)
(訳:[0056] 図5は、別の例示的な実施形態の充電式コンピューティングデバイス500を示す。充電式コンピューティングデバイス500は、図1-4の充電式コンピューティングデバイス(すなわち、100、201、203、300、および400)を参照して上述したリモートリセット機能を提供する有線ソリューションを含む。充電式コンピューティングデバイス500は、オンボードバッテリ120を充電するための有線電力伝送550を、有線電力トランスミッタ595を介して遠隔充電装置560(すなわち、有線充電器)から受信するように構成され得る。さらに、遠隔充電装置560は、有線電力伝送550によって充電式コンピューティング装置500に遠隔リセットを送信するために使用され得る。有線ソリューションとは、有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593および第1のコネクタ597の使用を指す。
[0057] 有線電力伝送器595は、遠隔充電装置560と充電式コンピューティングデバイス500との間に連続的に延在する、有線電力伝送550を伝達する銅配線などの導電性材料を含み得る。有線電力伝送器595は、充電式コンピューティング装置500の有線電力受信器510の第2のコネクタ511(例えば、雌コネクタ)の第2の接点によって受信される第1のコネクタ597(例えば、雄コネクタ)の第1の接点として終端する電源コード593内のワイヤによって形成される物理的接続を提供し得る。第1のコネクタ597は、有線電力受信機510の第2のコネクタ511に取り外し可能に固定されるように構成される。例えば、第1のコネクタ597は、第1のコネクタ597を受け入れるための凹部を含む第2のコネクタ511にぴったりと差し込まれ得る。このようにして、第1のコネクタ597からの接点は、少なくとも電源コード593が充電式コンピューティングデバイス500から分離されるまで、電気を通すために第2のコネクタ511からの接点に係合したままである。あるいは、異なるタイプの電気コネクタを採用することもできる。)
「[0070] FIG. 8 illustrates another example embodiment rechargeable computing device 800. The rechargeable computing device 800 includes a DC powered wired solution that provides the remote reset functionality described above with reference to the rechargeable computing devices of FIGS.1-7 (i.e., 100, 201, 203, 300, 400, 500, 600, and 700). The rechargeable computing device 800 may be configured to receive a wired power transmission 850 for charging the onboard battery 120 from a remote charging apparatus 860 (i.e., a DC powered wired charger) through the wired power transmitter 595, including the power cord 593 and the first connector 597 forming the wired power transmitter 595. The wired power transmitter 595, when connected, may extent continuously between the remote charging apparatus 860 and the rechargeable computing device 800. The first connector 597 may be received by second contacts of the second connector 511 of the wired power receiver 510 of the rechargeable computing device 800. In addition, the remote charging apparatus 860 may be used to transmit a remote reset to the rechargeable computing device 800 by way of the wired power transmission 850.
[0071] Similar to the rechargeable computing devices described with reference to FIGS.1-7 (i.e., 100, 201, 203, 300, 400, 500, 600, and 700), the rechargeable computing device 800 may include a housing 105, a onboard battery 120, a programmable logic circuit 130, a reset switch 135, and a processor 140. Also, similar to the remote charging apparatus described with reference to FIGS.1-7 (i.e., 160, 260, 460, 560, 660, and 760), the remote charging apparatus 860 may include a housing 165 that contains and/or holds various components, including a reset button 185 and a reset input element 890. Unlike the reset input element of FIGS.1-6 (i.e., 190), the reset input element 890 may operate directly on the provided DC power from a DC power supply 870.
[0072] Unlike the wired solution embodiments described with regard to FIGS.5-7, the remote charging apparatus 860 includes the DC power supply 870 onboard. In this way, the DC power supply 870 may be used to charge the onboard battery 120 without conversion to or from AC. The wired power transmitter 595 may convey the DC power from the remote charging apparatus 860 to the rechargeable computing device 800. Additional circuit components, such as a power regulator 880, may be included to ensure a unidirectional flow of DC power toward the rechargeable computing device 800. When the reset button 185 is depressed, the reset input element 890 may augment the output DC power with a reset signal (e.g., supplying a voltage change, ground, or other reset) that is transmitted across the wired power transmitter 595. In this way, the remote charging apparatus 860 may transform the DC power supply 870, using the power regulator 880 to step-down or otherwise control the supply voltage, to generate a suitable output power for the rechargeable computing device 800.
[0073] The rechargeable computing device 800 may include a regulator 117 or surge protection components configured to control the voltage or power level of current conducted to the onboard battery 120, the processor 140, and other components. Once received by the wired power receiver 510, an onboard DC current may charge the onboard battery 120, power other components, or supply the reset signal detectable therein, if included in the wired power transmission 850. Variations in the onboard DC, such as variations in voltage or continuity (i.e., an on/off sequence), originating from the wired power transmission 850 may be used to carry the reset signal. If necessary, additional electronic filters or other components may be included to demodulate and/or isolate the reset signal.」(第7頁右欄第46行-第8頁左欄第49行)
(訳:[0070] 図8は、別の例示的な実施形態の充電式コンピューティングデバイス800を示す。充電式コンピューティングデバイス800は、図1-7の充電式コンピューティングデバイス(すなわち、100、201、203、300、400、500、600、及び700)を参照して上述したリモートリセット機能を提供するDC給電有線ソリューションを含む。充電式コンピューティングデバイス800は、オンボードバッテリ120を充電するための有線電力伝送850を、有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593及び第1のコネクタ597を含む有線電力トランスミッタ595を介して、遠隔充電装置860(すなわち、DC給電有線充電器)から受信するように構成され得る。有線電力トランスミッタ595は、接続されると、遠隔充電装置860と充電式コンピューティングデバイス800との間を連続的に拡張することができる。第1のコネクタ597は、充電式コンピューティングデバイス800の有線電力受信器510の第2のコネクタ511の第2の接点によって受信され得る。さらに、遠隔充電装置860は、有線電力伝送850によって充電式コンピューティングデバイス800に遠隔リセットを伝送するために使用されてもよい。
[0071] 図1-図7を参照して説明した充電式コンピューティングデバイス(すなわち、100、201、203、300、400、500、600、及び700)と同様に、充電式コンピューティングデバイス800は、ハウジング105、オンボードバッテリ120、プログラマブル論理回路130、リセットスイッチ135、及びプロセッサ140を含んでもよい。また、図1-図7を参照して説明した遠隔充電装置(すなわち、160、260、460、560、660、及び760)と同様に、遠隔充電装置860は、リセットボタン185及びリセット入力要素890を含む様々な構成要素を含む及び/又は保持するハウジング165を含んでもよい。図1-図6のリセット入力要素(すなわち、190)とは異なり、リセット入力要素890は、DC電源870から供給されるDC電力で直接動作してもよい。
[0072] 図5-図7に関して説明した有線ソリューションの実施形態とは異なり、遠隔充電装置860は、オンボードDC電源870を含む。このようにして、DC電源870は、交流に変換することなく、または交流から変換することなく、オンボードバッテリ120を充電するために使用され得る。有線電力トランスミッタ595は、DC電力を遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達することができる。充電式コンピューティングデバイス800に向かう直流電力の一方向の流れを確実にするために、電力レギュレータ880などの追加の回路構成要素が含まれてもよい。リセットボタン185が押下されると、リセット入力要素890は、有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号(例えば、電圧変化、接地、または他のリセットを供給する)で出力DC電力を増強することができる。このようにして、遠隔充電装置860は、電源電圧を降圧または他の方法で制御するために電力レギュレータ880を使用して、DC電源870を変換し、充電式コンピューティングデバイス800のための適切な出力電力を生成することができる。
[0073] 充電式コンピューティングデバイス800は、オンボードバッテリ120、プロセッサ140、および他のコンポーネントに伝導される電流の電圧または電力レベルを制御するように構成されたレギュレータ117またはサージ保護コンポーネントを含み得る。一旦有線電力受信機510によって受信されると、オンボードDC電流は、有線電力伝送850に含まれる場合、オンボードバッテリ120を充電し、他の構成要素に電力を供給し、又はそこで検出可能なリセット信号を供給し得る。有線電力伝送850に由来する電圧または導通(すなわち、オン/オフシーケンス)の変動などのオンボードDCの変動は、リセット信号を伝送するために使用されてもよい。必要に応じて、リセット信号を復調および/または分離するために、追加の電子フィルタまたは他の構成要素が含まれてもよい。)
「[0084] FIG.13 illustrates an embodiment method 1300 of charging a rechargeable computing device, with remote reset functionality, in accordance with various embodiments. The method 1300 may be performed using a remote charging apparatus handling only DC power, similar to those described with reference to FIGS.8-10 (i.e., 860 and 960). In block 1310, input power may be provided from a power supply (e.g., 870 in FIGS.8 and 9). In determination block 1320, a circuit component (e.g., 890, 990 in FIGS.8 and 9) may determine whether a reset input was received.The reset input may be received from a user pressing a reset button (e.g., 185 in FIGS.8 and 9). In response to determining that no reset input was received (i.e., determination block 1320="No"), the input power will equal an output power of the remote charging apparatus in block 1330.
[0085] In response to determining that a reset input was received (i.e., determination block 1320="Yes"), the input power may be augmented with a reset signal forming the output power in block 1340. For example, in a two-wire solution using a DC power supply similar to that described with reference to FIG.8, the output power in block 1340 may include the reset signal in-band within the output power. As another example, in the three-wire solution using a DC power supply similar to that described with reference to FIG.9, the output power in block 1340 may include the reset signal conveyed using the third wire, which the charging power is conveyed using the two other wires. In block 1350, the output power may be transmitted from the remote charging apparatus to the rechargeable computing device in accordance with various embodiments.
[0086] FIG. 14 illustrates an embodiment method 1400 of charging a rechargeable computing device having remote reset functionality in accordance with various embodiments. The method 1400 may be performed using a rechargeable computing device similar to those described with reference to FIGS.1-11 (i.e., 100, 201, 203, 300, 400, 500, 600, 700, 800, and 900). In block 1410, input power may be received from a remote charging device similar to those described with reference to FIGS.1-11 (i.e., 160, 280, 460, 560, 660, 760, 860, 960, and 1160). In determination block 1420, a programmable logic circuit similar to those described with reference to FIGS.1, 3, 5 ,and 8 (i.e., 130) may determine whether a reset signal is detected in-band within the received input power.In response to determining that no reset signal is detected (i.e., determination block 1420="No"), in block 1430 an onboard battery (e.g., 120 in FIGS.1, 3, 5, 8 and 9) of the rechargeable computing device may receive a charge in a conventional sense. In response to determining that the reset signal is detected (i.e., determination block 1420="Yes"), an onboard reset switch (e.g., 135 in FIGS.1, 3, 5, 8 and 9) may be activated (i.e., opened/closed) in block 1440.In block 1450, activating the reset switch may trigger a processor (e.g., 140 in FIGS.1, 3, 5, 8 and 9) of the rechargeable computing device to reset in accordance with various embodiments.
[0087] Some embodiments may include a method of charging a rechargeable computing device that includes receiving an input power from a remote charging apparatus by a power receiver of the rechargeable computing device. The method may also include determining (e.g., via a programmable logic circuit of the rechargeable computing device) whether a reset signal is detected in-band within the received input power. The method may include activating an onboard reset switch of the remote charging apparatus in response to detecting the reset signal within the received input power. In some embodiments, the onboard reset switch may couple a reset input pin of the processor to ground or a voltage source (e.g., the battery). Typically, processors perform a reset or full reboot when their reset pin is activated with a voltage (or when voltage is removed from the pin).」(第9頁右欄第22行-第10頁左欄第26行)
(訳:[0084] 図13は、様々な実施形態による、リモートリセット機能を有する、充電式コンピューティングデバイスを充電する実施形態方法1300を示す。方法1300は、図8-図10を参照して説明したもの(すなわち、860および960)と同様の、DC電力のみを扱う遠隔充電装置を使用して実行されてもよい。ブロック1310において、入力電力は、電源(例えば、図8および図9の870)から供給されてもよい。判定ブロック1320において、回路構成要素(たとえば、図8および図9の890、990)は、リセット入力が受信されたかどうかを判定してもよい。リセット入力は、ユーザがリセットボタン(例えば、図8および図9の185)を押すことによって受信される場合がある。リセット入力が受信されなかったと判定することに応答して(すなわち、判定ブロック1320="No")、入力電力は、ブロック1330において遠隔充電装置の出力電力に等しくなる。
[0085] リセット入力が受信されたと判定することに応答して(すなわち、判定ブロック1320="Yes")、入力電力は、ブロック1340においてリセット信号で増強されて出力電力を形成してもよい。例えば、図8を参照して説明したものと同様のDC電源を使用する2線式ソリューションでは、ブロック1340の出力電力は、出力電力内に帯域内のリセット信号を含んでよい。別の例として、図9を参照して説明したものと同様のDC電源を使用する3線式ソリューションでは、ブロック1340の出力電力は、第3のワイヤを使用して伝達されるリセット信号を含み、充電電力は他の2つのワイヤを使用して伝達される。ブロック1350において、出力電力は、様々な実施形態に従って、遠隔充電装置から充電式コンピューティングデバイスに伝達されてもよい。
[0086] 図14は、様々な実施形態による、リモートリセット機能を有する充電式コンピューティングデバイスを充電する実施形態方法1400を示す。方法1400は、図1-図11(すなわち、100、201、203、300、400、500、600、700、800、および900)を参照して説明したものと同様の充電式コンピューティングデバイスを使用して実行されてもよい。ブロック1410において、入力電力は、図1-図11(すなわち、160、280、460、560、660、760、860、960、および1160)を参照して説明したものと同様の遠隔充電装置から受信されてもよい。判定ブロック1420において、図1、図3、図5、および図8を参照して説明したものと同様のプログラマブル論理回路(すなわち、130)は、リセット信号が受信入力電力内で帯域内で検出されるか否かを判定することができる。リセット信号が検出されないと判定することに応答して(すなわち、判定ブロック1420="No")、ブロック1430において、充電式コンピューティングデバイスのオンボードバッテリ(例えば、図1、図3、図5、図8、および図9の120)が、従来の意味での充電電力を受信してもよい。リセット信号が検出されたと判定することに応答して(すなわち、判定ブロック1420="Yes")、ブロック1440において、オンボードリセットスイッチ(例えば、図1、図3、図5、図8、および図9における135)が起動(すなわち、開/閉)されてもよい。ブロック1450において、リセットスイッチが起動されると、様々な実施形態に従って、充電式コンピューティングデバイスのプロセッサ(例えば、図1、図3、図5、図8、および図9における140)をリセットするようにトリガし得る。
[0087] いくつかの実施形態は、充電式コンピューティングデバイスの電力受信機によって遠隔充電装置から入力電力を受信することを含む、充電式コンピューティングデバイスを充電する方法を含み得る。本方法はまた、受信された入力電力内で帯域内でリセット信号が検出されたか否かを(例えば、充電式コンピューティングデバイスのプログラマブル論理回路を介して)決定することを含み得る。本方法は、受信された入力電力内でリセット信号が検出されたことに応答して、遠隔充電装置のオンボードリセットスイッチを作動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、オンボードリセットスイッチは、プロセッサのリセット入力ピンを接地または電圧源(例えば、バッテリ)に結合することができる。通常、プロセッサは、そのリセットピンが電圧でアクティブになったとき(または、そのピンから電圧が除去されたとき)、リセットまたは完全な再起動を実行する。)
「
[図:0001409764000001.jpg]
」
b 引用発明の認定
引用文献1の記載事項(特に、下線部)に基づいて、図8の実施形態による装置の発明(以下、「引用発明」という。)を認定する。
(a)段落 [0070]によれば、 図8の装置は、「充電式コンピューティングデバイス800」を備え、段落 [0071]の「充電式コンピューティングデバイス800は、ハウジング105、オンボードバッテリ120、プログラマブル論理回路130、リセットスイッチ135、及びプロセッサ140を含んでもよい。」、 段落 [0070]の「充電式コンピューティングデバイス800の有線電力受信器510の第2のコネクタ511」との記載によれば、上記「充電式コンピューティングデバイス800」は、「ハウジング105、オンボードバッテリ120、プログラマブル論理回路130、リセットスイッチ135、プロセッサ140、第2のコネクタ511を有する有線電力受信器510を含む」といえる。
したがって、図8の装置は、「ハウジング105、オンボードバッテリ120、プログラマブル論理回路130、リセットスイッチ135、プロセッサ140、第2のコネクタ511を有する有線電力受信器510を含む充電式コンピューティングデバイス800」を備える。
(b)段落[0071]の「遠隔充電装置860は、リセットボタン185及びリセット入力要素890を含む様々な構成要素を含む及び/又は保持するハウジング165を含んでもよい。」との記載、段落[0072]の「遠隔充電装置860は、オンボードDC電源870を含む。」との記載、段落[0070]の「有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593及び第1のコネクタ597を含む有線電力トランスミッタ595」との記載、段落[0072]の「電力レギュレータ880」との記載を図8の記載と併せると、図8の装置は、「ハウジング165、DC電源870、リセットボタン185、リセット入力要素890、電力レギュレータ880、有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593及び第1のコネクタ597を含む、遠隔充電装置860」を備える。
(c)段落[0057]の「第1のコネクタ597は、有線電力受信器510の第2のコネクタ511に取り外し可能に固定されるように構成される。」との記載によれば、図8の装置は、「遠隔充電装置860の第1のコネクタ597は、充電式コンピューティングデバイス800の有線電力受信器510の第2のコネクタ511に取り外し可能に固定」されるものである。
(d)段落[0072]の「有線電力トランスミッタ595は、DC電力を遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達することができる。」との記載によれば、図8の装置は、「遠隔充電装置860の有線電力トランスミッタ595は、DC電力を遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達すること」ができるものである。
(e)段落[0072]の「リセットボタン185が押下されると、リセット入力要素890は、有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号(例えば、電圧変化、接地、または他のリセットを供給する)で出力DC電力を増強することができる。」との記載によれば、図8の装置は、「遠隔充電装置860のリセットボタン185が押下されると、リセット入力要素890は、有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号でDC電力を増強」するものである。
(f)段落[0084]、[0085]の下線部によれば、図8の「遠隔充電装置860」を使用して実行される方法1300(図13)は、「DC電源870から入力電力が供給され(ブロック1310)、ユーザがリセットボタン185を押すことによってリセット入力が受信されたかどうかをリセット入力要素890が判定し(判定ブロック1320)、リセット入力が受信されなかったと判定することに応答して、入力電力は、遠隔充電装置の出力電力となり(ブロック1330)、リセット入力が受信されたと判定することに応答して、入力電力は、リセット信号で増強されて出力電力を形成し(ブロック1340)、出力電力は、遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達され(ブロック1350)」るものである。
(g)段落[0086] 、[0087]の下線部によれば、図8の「充電式コンピューティングデバイス800」を使用して実行される方法1400(図14)は、「入力電力は、遠隔充電装置860から受信され(ブロック1410)、プログラマブル論理回路130は、リセット信号が受信入力電力内で検出されるか否かを判定し(判定ブロック1420)、リセット信号が検出されないと判定することに応答して、充電式コンピューティングデバイス800のオンボードバッテリ120が充電電力を受信し(ブロック1430)、リセット信号が検出されたと判定することに応答して、リセットスイッチ135が起動され(ブロック1440)、リセットスイッチ135が起動されると、充電式コンピューティングデバイス800のプロセッサ140をリセットするようにトリガする(ブロック1450)」ものである。
以上をまとめると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
[引用発明]
(a)ハウジング105、オンボードバッテリ120、プログラマブル論理回路130、リセットスイッチ135、プロセッサ140、第2のコネクタ511を有する有線電力受信器510を含む充電式コンピューティングデバイス800と、
(b)ハウジング165、DC電源870、リセットボタン185、リセット入力要素890、電力レギュレータ880、有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593及び第1のコネクタ597を含む、遠隔充電装置860と、
を備える装置(図8)であって、
(c)遠隔充電装置860の第1のコネクタ597は、充電式コンピューティングデバイス800の有線電力受信機510の第2のコネクタ511に取り外し可能に固定され、
(d)遠隔充電装置860の有線電力トランスミッタ595は、DC電力を遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達することができ、
(e)遠隔充電装置860のリセットボタン185が押下されると、リセット入力要素890は、有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号でDC電力を増強し、
(f)遠隔充電装置860を使用して実行される方法1300(Fig.13)は、
DC電源870から入力電力が供給され(ブロック1310)、ユーザがリセットボタン185を押すことによってリセット入力が受信されたかどうかをリセット入力要素890が判定し(判定ブロック1320)、リセット入力が受信されなかったと判定することに応答して、入力電力は、遠隔充電装置の出力電力となり(ブロック1330)、リセット入力が受信されたと判定することに応答して、入力電力は、リセット信号で増強され出力電力を形成し(ブロック1340)、出力電力は、遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達され(ブロック1350)、
(g)充電式コンピューティングデバイス800を使用して実行される方法1400(Fig.14)は、
入力電力は、遠隔充電装置860から受信され(ブロック1410)、プログラマブル論理回路130は、リセット信号が受信入力電力内で検出されるか否かを判定し(判定ブロック1420)、リセット信号が検出されないと判定することに応答して、充電式コンピューティングデバイス800のオンボードバッテリ120が充電電力を受信し(ブロック1430)、リセット信号が検出されたと判定することに応答して、リセットスイッチ135が起動され(ブロック1440)、リセットスイッチ135が起動されると、充電式コンピューティングデバイス800のプロセッサ140をリセットするようにトリガする(ブロック1450)、
装置。
c 引用文献4
原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として引用された米国特許出願公開第2017/0064429号明細書(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
「[0018] Turning now to FIGS.1-3, these figures show a pictorial representation of a smart case 102 and wireless earpieces 142, 144 in accordance with an illustrative embodiment.The smart, case 102 may be an open or enclosed case for securing, charging and managing the wireless earpieces 142, 144, The wireless earpieces 142, 144 may be referred to as a pair (wireless earpieces) or singularly (wireless earpiece). The description may also refer to components and functionality of each of the wireless earpieces 142, 144 collectively or individually. In one embodiment, the wireless earpieces 142, 144 include a set of left and right ear pieces configured to fit into a user's ears. The wireless earpieces 142, 144 may be configured to play music or audio, receive and make phone calls or other communications, determine ambient environmental readings (e.g., temperature, altitude, location, speed, heading, etc.), read user biometrics and actions (e.g., heart rate, motion, sleeping, etc.).」(第2頁右欄第21行-38行)
(訳:[0018] 次に、図1-3に目を向けると、これらの図は、例示的な実施形態に従ったスマートケース102およびワイヤレスイヤホン142 ,144の絵画的表現を示している。スマートケース102は、ワイヤレスイヤホン142 ,144を固定し、充電し、管理するための開放型または密閉型のケースであってよく、ワイヤレスイヤホン142 ,144 は、ペア(ワイヤレスイヤホン)または単体(ワイヤレスイヤホン)として参照され得る。また、本明細書は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 のそれぞれの構成要素および機能性をまとめて、または個別に参照することができる。一実施形態では、ワイヤレスイヤホン142 ,144 は、ユーザの耳にフィットするように構成された左右のイヤホンのセットを含む。ワイヤレスイヤホン142 ,144 は、音楽または音声を再生し、電話または他の通信を受信し、発信し、周囲の環境測定値(例えば、温度、高度、位置、速度、方位など)を決定し、ユーザの生体測定値および行動(例えば、心拍数、運動、睡眠など)を読み取るように構成され得る。)
「[0020] The smart case 102 encloses a battery, and various other circuitry (not shown). The battery of the smart case 102 may be utilized to Charge the wireless earpieces 142, 144 through direct contact or wirelessly. As a result, the smart case 102 may act as a custom charger for ensuring the proper power management and functionality of the wireless earpieces 142, 144. For example, the battery of the smart case 102 may be utilized to charge the wireless earpieces 142, 144 any number of times before the smart case 102 and corresponding battery may require charging. In one embodiment, the smart case 102 may include one or more solar panels, or surfaces configured to charge the smart case 102 utilizing ambient or direct sunlight. The smart case 102 ensures that the duty cycle of the wireless earpieces 142, 144 are maximized by properly maintaining power levels. For example, the smart case 102 may keep the wireless earpieces 142, 144 fully charged during a time period of inactivity, such as before being purchased (e.g., on a shelf or as part of inventor) or one purchased.
[0021] In one embodiment, the smart case 102 include a frame 103. The frame 103 is a support structure for the components of the smart case 102 and may be formed of a rigid plastic, polymer, or other similar material. However, any number of other suitable materials, such as composites, rubber, wood, metal, or so forth, may be utilized. The frame 103 defines receptacles 104, 106 that are configured to receive the wireless earpieces 142, 144, respectively. In one embodiment, the receptacles 104, 106 are shaped to fit the external size, shape, and configuration of the wireless earpieces 142, 144.
[0022] As a result, an interference fit may secure the wireless earpieces 142, 144 within the frame 103 while the smart case 102 is being moved or otherwise utilized. In one embodiment, the smart case 102 may include a hinged, magnetic, sleeve, or snap on lid or cover that may cover the wireless earpieces 142, 144 when positioned within the receptacles 104, 106 of the smart case 102. For example, the cover may make the smart case 102 waterproof and further secure the wireless earpieces 142, 144. In another embodiment, the smart case 102 may also include a removable cover (e.g., neoprene, zip up, snapping, etc). In yet another embodiment, the cover encases a screen, such as a touch screen. The screen may roll, bend or adapt to the shape and configuration of the smart case 102. The touch screen may also be transparent. In one embodiment, the smart case 102 may be hermetically sealed and waterproof when the cover is secured. The smart case 102 may also include one or more speakers for playing music, indicating a status of the wireless earpieces 142, 144 or otherwise communicating information to the user. Likewise, actuators may be utilized to provide tactile feedback to the user. The case may have at least one button 119 or other manual input. The button may be touch sensitive, lighted, or mechanical. There also may be a light such as a LED in that location.
[0023] The smart case includes interfaces 108, 110 within the receptacles 104, 106. The interfaces 108, 110 are hardware interfaces for electrically connecting the wireless earpieces 142, 144 to the smart case 102. The interfaces 108, 110 may include any number of contact points, busses, wires, or other physical connectors for interfacing the wireless earpieces 142, 144, with the smart case 102. The interfaces 108, 110 may alternatively include inductive chargers for charging the wireless earpieces 142, 144. In another embodiment, the interfaces 108, 110 may represent male for alternatively female) connectors for interfacing with the wireless earpieces 142, 144. such as micro-USB, or other developing miniature external connectors. The interfaces 108, 110 may be utilized to charge the wireless earpieces 142, 144. The interfaces 108, 110 may also be utilized to synchronize data between the wireless earpieces 142, 144. As previously noted, wireless charging is also contemplated utilizing an inductive charger integrated in the smart case 102 or other charging devices compatible with the wireless earpieces 142, 144.」(第2頁右欄第53行-第3頁左欄下から3行)
(訳:[0020] スマートケース102は、バッテリー、およびその他の様々な回路(図示せず)を内蔵している。スマートケース102のバッテリーは、ワイヤレスイヤホン142 、144 を直接接触またはワイヤレスで充電するために利用することができる。その結果、スマートケース102は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 の適切な電力管理および機能性を確保するためのカスタム充電器として機能することができる。例えば、スマートケース102のバッテリーは、スマートケース102及び対応するバッテリーが充電を必要とする前に、ワイヤレスイヤホン142 ,144 を何回でも充電するために利用することができる。一実施形態では、スマートケース102は、周囲または直射日光を利用してスマートケース102を充電するように構成された1つまたは複数のソーラーパネル、または表面を含むことができる。スマートケース102は、電力レベルを適切に維持することによって、ワイヤレスイヤホン142 、144 のデューティサイクルが最大になるようにする。例えば、スマートケース102は、購入される前(例えば、棚または発明者の一部として)または購入されたものなどの非活動期間中、ワイヤレスイヤホン142 ,144 を完全に充電された状態に保つことができる。
[0021] 一実施形態では、スマートケース102はフレーム103を含む。フレーム103は、スマートケース102の構成要素の支持構造であり、硬質プラスチック、ポリマー、または他の同様の材料で形成することができる。しかし、複合材料、ゴム、木材、金属など、任意の数の他の適切な材料を利用してもよい。フレーム103は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 をそれぞれ受けるように構成された収容部104 ,106 を画定している。一実施形態では、収容部104 ,106 は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 の外形サイズ、形状、および構成に適合するように形成されている。
[0022] その結果、スマートケース102が移動またはその他の方法で使用されている間、はめ込み接合によってワイヤレスイヤホン142 、144 をフレーム103 内に固定することができる。一実施形態では、スマートケース102は、スマートケース102の収容部104 ,106 内に配置されたときにワイヤレスイヤホン142 ,144 を覆うことができるヒンジ式、磁気式、スリーブ式、またはスナップ式の蓋またはカバーを含むことができる。例えば、カバーは、スマートケース102を防水にし、ワイヤレスイヤホン142 、144 をさらに固定することができる。別の実施形態では、スマートケース102は、取り外し可能なカバー(例えば、ネオプレン、ジップアップ、スナップなど)を含むこともできる。さらに別の実施形態では、カバーは、タッチスクリーンなどのスクリーンを包む。スクリーンは、スマートケース102の形状および構成に合わせて、転がったり、曲がったり、適応したりすることができる。また、タッチスクリーンは透明であってもよい。一実施形態では、スマートケース102は、カバーが固定されているとき、気密封止され、防水であってもよい。スマートケース102は、音楽を再生したり、ワイヤレスイヤホン142 ,144 の状態を表示したり、あるいはその他の方法でユーザに情報を伝達したりするための1つ以上のスピーカを含むこともできる。同様に、アクチュエータは、ユーザに触覚フィードバックを提供するために利用することができる。ケースは、少なくとも1つのボタン119または他の手動入力を有することができる。ボタンは、タッチセンシティブ、ライト付き、または機械的であってもよい。また、その位置にLEDのようなライトがあってもよい。
[0023] スマートケースは収容部104 ,106 内にインターフェース108 ,110 を含む。インターフェース108 ,110 は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 をスマートケース102 に電気的に接続するためのハードウェアインターフェースである。インターフェース108 ,110 は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 をスマートケース102 に接続するための任意の数の接点、バス、ワイヤ、または他の物理的コネクタを含むことができる。インターフェース108 ,110 は、代替的に、ワイヤレスイヤホン142 ,144 を充電するための誘導充電器を含んでもよい。別の実施形態では、インターフェース108 ,110 は、マイクロUSB などのワイヤレスイヤホン142 ,144 とインターフェースするためのオス型(代わりにメス型)コネクタ、または他の開発中の小型外部コネクタを表すことができる。インターフェース108 ,110 は、ワイヤレスイヤホン142 ,144 を充電するために利用することができる。インターフェース108 ,110 はまた、ワイヤレスイヤホン142 ,144 間でデータを同期するために利用することもできる。前述のように、ワイヤレス充電は、スマートケース102に内蔵された誘導充電器またはワイヤレスイヤホン142 、144 と互換性のある他の充電装置を利用することも考えられている。)
「
[図:0001409764000002.jpg]
」
「
[図:0001409764000003.jpg]
」
(ウ)本件補正発明と引用発明との対比
a システム
引用発明は、(g)によれば、「充電式コンピューティングデバイス800のプロセッサ140をリセットするようにトリガする(ブロック1450)、装置」であり、該「充電式コンピューティングデバイス800」は、その「オンボードバッテリ120が充電電力を受信」するから、本件補正発明の「受電装置」に相当する。
よって、本件補正発明と引用発明は、「受電装置をリセットするためのシステム」である点で一致する。
b 電源装置
引用発明は、(b)によれば、「遠隔充電装置860」を備え、該「遠隔充電装置860」は、「リセット入力要素890、電力レギュレータ880、有線電力トランスミッタ595を形成する電源コード593及び第1のコネクタ597を含む」ものである。
「第1のコネクタ595」が1つ以上の接点を含むのは明らかであり、また、「リセット入力要素890」は、(e)によれば、「有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号でDC電力を増強」する電力制御を行う。
したがって、引用発明の「第1のコネクタ595」、「リセット入力要素890」、「遠隔充電装置860」は、それぞれ、本件補正発明の「1つ以上の第1の接点」、「電力制御ユニット」、「電源装置」に相当する。
よって、本件補正発明と引用発明は、「1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置」を備える点で一致する。
c 電源装置の構成
引用発明の「遠隔充電装置860」は、(d)、(e)によれば、「遠隔充電装置860の有線電力トランスミッタ595は、DC電力を遠隔充電装置860から充電式コンピューティングデバイス800に伝達することができ」、「遠隔充電装置860のリセットボタン185が押下されると、リセット入力要素890は、有線電力トランスミッタ595で伝送されるリセット信号でDC電力を増強」する。また、(f)によれば、「遠隔充電装置860」で、「リセット入力が受信されなかったと判定することに応答して、入力電力(すなわち、「DC電源870」の「DC電力」)は、遠隔充電装置の出力電力となり(ブロック1330)、リセット入力が受信されたと判定することに応答して、入力電力(すなわち、「DC電源870」の「DC電力」)は、リセット信号で増強され出力電力を形成」する。
ここで、DC電源870のDC電力が出力電力となるときの電圧を、本件補正発明の「第1の電圧」、それをリセット信号で増強した出力電力の電圧を本件補正発明の「第2の電圧」に対応させると、本件補正発明と引用発明は、「前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成」される点で一致する。
d 受電装置
引用発明の「充電式コンピューティングデバイス800」は、(d)によれば、DC電力が遠隔充電装置860から伝達されるものであるから、「受電装置」といえる。
よって、本件補正発明と引用発明は、「受電装置」を備える点で一致する。
e 受電装置の構成
引用発明の「充電式コンピューティングデバイス800」は、(a)によれば、「第2のコネクタ511」を有する。該「第2のコネクタ511」が1つ以上の接点を含むのは明らかであり、また、(c)によれば、「遠隔充電装置860の第1のコネクタ597は、充電式コンピューティングデバイス800の有線電力受信機510の第2のコネクタ511に取り外し可能に固定」されるものであって、取り外し可能に固定されるコネクタは差し込むことにより取り付けられる(嵌合する)ものであるから、本件補正発明と引用発明は、「前記受電装置は、前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点」を含む点で一致する。
引用発明の「充電式コンピューティングデバイス800」は、(a)によれば、「オンボードバッテリ120」を有する。該「オンボードバッテリ120」は、(g)によれば、「リセット信号が検出されないと判定することに応答して、充電式コンピューティングデバイス800のオンボードバッテリ120が充電電力を受信し」、その充電電力の電圧は、本件補正発明の「第1の電圧」に対応するから、本件補正発明と引用発明は、「前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリ」を含む点で一致する。
f リセット
引用発明の「充電式コンピューティングデバイス800」は、(g)によれば、「プログラマブル論理回路130は、リセット信号が受信入力電力内で検出されるか否かを判定し(判定ブロック1420)、・・・リセット信号が検出されたと判定することに応答して、リセットスイッチ135が起動され(ブロック1440)、リセットスイッチ135が起動されると、充電式コンピューティングデバイス800のプロセッサ140をリセットするようにトリガする(ブロック1450)」。ここで、リセット信号が検出される受信入力電力の電圧は、本件補正発明の「第2の電圧」に対応するから、本件補正発明と引用発明は、「前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合」される点で一致する。
g 凹部に収容
本件補正発明は、「前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される」のに対し、引用発明は、そのようなものではない点で両者は相違する。
h 一致点、相違点
以上によれば、本件補正発明と引用発明との間には、次の一致点及び相違点があるといえる。
[一致点]
受電装置をリセットするためのシステムであって、
1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置を備え、前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成され、前記システムはさらに、
受電装置を備え、前記受電装置は、
前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点と、
前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリとを含み、
前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合される、受電装置をリセットするためのシステム。
[相違点]
本件補正発明は、「前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される」のに対し、引用発明は、そのようなものではない点。
(エ)判断
引用発明の「充電式コンピューティングデバイス」は、引用文献1の段落[0025]の下線部の記載によれば、「小型の消費者向け電子機器から大型の業務用電化製品まで、どのような電気機器であってもよい」ものである。
このような電気機器のうち、小型の消費者向け電子機器として、スマートケースから直接接触で充電を行うワイヤレスイヤホンであって、スマートケースは、ワイヤレスイヤホンの外形サイズ、形状、および構成に適合するように形成されてワイヤレスイヤホンを受けるように構成された収容部を備え、収容部内には、ワイヤレスイヤホンをスマートケースに電気的に接続するためのハードウェアインターフェースを含むワイヤレスイヤホンは当業者に周知である(一例として、上記「(イ)c 引用文献4」の特に下線部及び図1、図2が参照される。)。
したがって、小型の消費者向け電子機器を含むどのような電気機器であってもよい引用発明の「充電式コンピューティングデバイス」を、小型の消費者向け電子機器である上記周知の構成のワイヤレスイヤホンとすること、すなわち、引用発明を、本件補正発明でいう「電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される」ようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。
よって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 独立特許要件のまとめ
以上のとおりであるから、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(2)本件補正前の請求項11の記載を、本件補正後の請求項10の記載にする補正について
ア 新規事項
(ア)本件補正後の請求項10の記載
本件補正後の請求項10には、「前記リセット開始イベントは、前記受電装置が前記ワイヤレス電子アクセサリ用ケースに収容されたことである」と記載されている。
(イ)明細書の記載
本件補正後の請求項10に係る補正について、請求人が審判請求書により補正の根拠と主張する明細書(翻訳文)の段落【0021】、【0022】と、それに続く段落【0023】には、以下のように記載されている。
「【0021】
図2は、図1の装置の一例を示す図を提供する。この例に示すように、電源装置はケース210であり、受電装置はイアバッド230の対である。イアバッド230は、給電されるべき音楽プレーヤー、電話、または他のデバイスへの有線接続を必要としないという点でワイヤレスであってもよい。いくつかの例では、各イアバッドは、さらに、互いからワイヤレスであってもよい。イアバッド230は、イアバッド230およびその中の送信機、受信機、増幅器、センサなどの他の構成要素に電力を提供する1つ以上のバッテリ232を含む。イアバッド230のバッテリ232は、イアバッド230のサイズが小さいことに鑑み、比較的小さくてもよい。イアバッド230が出荷および収納されるケース210は、より大きなバッテリ212を有していてもよい。ケース210のこのより大きなバッテリ212は、イアバッド230の小さなバッテリ232に電荷を供給することができる。
【0022】
イアバッド230が所定の向きでケース210内に配置されると、イアバッド230上の接点(図示せず)がケース210上の接点に接触して、電力線接続を含む電気的接続を確立することができる。いくつかの例では、各イアバッドは独立して動作することができ、したがって、ある電力線接続が第1のイアバッドと確立され、別個の電力線接続が第2のイアバッドと確立される。
【0023】
ケース210は、電力線接続を通じてイアバッド230にリセットコマンドを送る。例えば、リセットは、ケース210において特定のイベントにより開始され得る。特定のイベントは、ユーザにより開始または自動的に開始され得る。考えられ得るユーザ開始イベントの例は、指定されたリセットボタンを押すこと、ケース210上の別のボタン216を、例えば5秒、30秒などの延長された期間の間長押しすること、ケースを特定の方向または動きで回転または移動させることなどを含む。自動的に開始されるリセットの例は、イアバッド230が存在するがタイムアウト期間後に応答しないことの検出を含む。例えば、イアバッド230上のバッテリ232が完全に放電された場合、イアバッド230は、典型的には、ケース210内に配置されると充電を開始し、所定の時間(例えば、5秒)内にオンになり、応答することができる。所定の時間が経過し、ケース210のバッテリ212内の十分な電荷にもかかわらず、イアバッド230が応答しないままである場合、リセットが自動的に開始され得る。」
(ウ)対比
請求項10の上記記載と段落【0021】、【0022】、【0023】の記載とを対比する。
まず、請求人が補正の根拠と主張する段落【0021】、【0022】には、請求項10の上記記載の「リセット開始イベント」について全く記載されていない。
次に、段落【0023】には、「リセット開始イベント」といえるものについて、「ユーザ開始イベントの例」と「自動的に開始されるリセットの例」が記載されている。
前者の例は、「指定されたリセットボタンを押すこと」、「ケース210上の別のボタン216を、例えば5秒、30秒などの延長された期間の間長押しすること」、「ケースを特定の方向または動きで回転または移動させること」が「リセット開始イベント」であり、何れも、請求項10の上記記載の「前記受電装置が前記ワイヤレス電子アクセサリ用ケースに収容されたこと」とはいえない。
また、後者の例は、「イアバッド230上のバッテリ232が完全に放電された場合、イアバッド230は、典型的には、ケース210内に配置されると充電を開始し、所定の時間(例えば、5秒)内にオンになり、応答することができ」、「所定の時間が経過し、ケース210のバッテリ212内の十分な電荷にもかかわらず、イアバッド230が応答しないままである場合、リセットが自動的に開始され得る」こと、すなわち、イアバッド230がケース210内に配置されてから所定の時間応答しないままであることが、「リセット開始イベント」であり、請求項10の上記記載の「前記受電装置が前記ワイヤレス電子アクセサリ用ケースに収容されたこと」であるとはいえない。
したがって、請求項10の上記記載は、段落【0021】、【0022】、【0023】に記載されているとはいえない。
(エ)その他の記載
明細書のその他の記載や請求の範囲又は図面(翻訳文)をみても、請求項10の上記記載が記載されているとはいえないし、技術常識に照らして自明な事項であったともいえない。
(オ)まとめ
よって、本件補正後の請求項10の補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであるから、国際出願日における国際特許出願の翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。
(3)本件補正前の請求項16の記載を、本件補正後の請求項14の記載にする補正について
ア 新規事項
(ア)本件補正後の請求項14の記載
本件補正後の請求項14には、「前記ファームウェアのリセットは、前記受電装置が前記電源装置の筐体に収容されたことに基づいて開始される」と記載されている。
(イ)明細書の記載
本件補正後の請求項14に係る補正について、請求人が審判請求書により補正の根拠と主張する明細書(翻訳文)の段落【0021】、【0022】と、それに続く段落【0023】には、上記「(2)ア(イ)明細書の記載」で述べたように記載されている。
(ウ)対比
請求項14の上記記載と段落【0021】、【0022】、【0023】の記載とを対比する。
まず、請求人が補正の根拠と主張する段落【0021】、【0022】には、請求項14の上記記載の「ファームウェアのリセットは、・・・筐体に収容されたことに基づいて開始される」ことについて全く記載されていない。
次に、段落【0023】には、「ファームウェアのリセット」の「開始」に関するものについて、「ユーザ開始イベントの例」と「自動的に開始されるリセットの例」が記載されている。
前者の例は、「指定されたリセットボタンを押すこと」、「ケース210上の別のボタン216を、例えば5秒、30秒などの延長された期間の間長押しすること」、「ケースを特定の方向または動きで回転または移動させること」に基づいて「リセット」が「開始」されるのであり、何れも、請求項14の上記記載の「ファームウェアのリセットは、・・・筐体に収容されたことに基づいて開始される」とはいえない。
また、後者の例は、「イアバッド230上のバッテリ232が完全に放電された場合、イアバッド230は、典型的には、ケース210内に配置されると充電を開始し、所定の時間(例えば、5秒)内にオンになり、応答することができ」、「所定の時間が経過し、ケース210のバッテリ212内の十分な電荷にもかかわらず、イアバッド230が応答しないままである場合、リセットが自動的に開始され得る」、すなわち、イアバッド230がケース210内に配置されてから所定の時間応答しないままであることに基づいて「リセット」が「開始」されるのであり、請求項14の上記記載の「ファームウェアのリセットは、・・・筐体に収容されたことに基づいて開始される」とはいえない。
したがって、請求項14の上記記載は、段落【0021】、【0022】、【0023】に記載されているとはいえない。
(エ)その他の記載
明細書のその他の記載や請求の範囲又は図面(翻訳文)をみても、請求項14の上記記載が記載されているとはいえないし、技術常識に照らして自明な事項であったともいえない。
(オ)まとめ
よって、本件補正後の請求項14の補正は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであるから、国際出願日における国際特許出願の翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。
3 補正却下の決定の理由のまとめ
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定及び特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本願の請求項1-21に係る発明は、令和4年6月24日に補正された特許請求の範囲の請求項1-21に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
[本願発明]
受電装置をリセットするためのシステムであって、
1つ以上の第1の接点および電力制御ユニットを含む電源装置を備え、前記電源装置は、第1の電圧と、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧とを伝達するように適合され、前記電力制御ユニットは、伝達のための前記第1の電圧または前記第2の電圧のうちの一つを選択するように構成され、前記システムはさらに、
受電装置を備え、前記受電装置は、
前記第1の接点と嵌合して前記電源装置との電気的接続を確立するように構成された1つ以上の第2の接点と、
前記第1の電圧が前記電源装置によって前記電気的接続を介して伝達されると前記第1の電圧からの電荷を受けるように構成されたバッテリとを含み、
前記受電装置は、前記第2の電圧が前記電気的接続を介して前記電源装置によって伝達されるとリセットを実行するように適合される、受電装置をリセットするためのシステム。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1 米国特許出願公開第2016/0087480号明細書
3 引用発明
引用文献1には、上記「第2 2(1)イ(イ)b 引用発明の認定」に記載した引用発明が記載されている。
4 対比
本願発明は、上記「第2 2(1)イ 独立特許要件」で検討した本件補正発明から、「前記電源装置の筐体は、前記受電装置を収容するための凹部を備え、前記電気的接続は、前記受電装置が前記凹部に収容されたことに基づいて確立される」との限定事項を省いた発明であるところ、この限定事項は、上記「第2 2(1)イ(ウ)h 一致点、相違点」に記載した、本件補正発明と引用発明の相違点に係る発明特定事項であるから、本願発明と引用発明を上記「第2 2(1)イ(ウ)対比a~f」と同様に対比すると、両者は全ての発明特定事項で一致し相違する点はない。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された引用発明である。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-020927