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特許拒絶査定不服審判

2022-020108

広告システム、広告方法、広告プログラム

審判番号
2022-020108
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-108372外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年12月12日
審決日
2023年10月16日
公報発行日
2023年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-108372「広告システム、広告方法、広告プログラム」拒絶査定不服審判事件〔、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和4年7月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年 8月 9日付け:拒絶理由通知書 令和4年 9月 9日: 意見書、手続補正書の提出 令和4年 9月20日付け:拒絶査定 令和4年12月12日: 審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 6月30日付け:拒絶理由通知書 令和5年 7月26日: 意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年9月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 1 理由2(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 ・請求項 1-10 (1)請求項1には「企業、団体、商品及びサービスの少なくとも1つを広告対象とし、前記広告対象であるアバターアイテムの対応付け状態の変化履歴と、広告主側のユーザ情報とに基づいて、アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方を考慮しつつ、広告アバターを作成又は更新するアバター広告部」との記載があるが、当該記載はアバター広告部が果たすべき業務上の機能を示すに過ぎず、「考慮する」とは、具体的に技術的にアイテム価値情報及びアイテム属性情報をどう用いてどう更新することを意味するのか、依然として不明であるから、当該処理の技術的意味を理解することができない。 請求項9-10、請求項1を引用する請求項2-8にも同様の点が指摘される 。 (2)請求項3には「前記広告対象を、前記広告アバターは色合い、デザイン、機能性、装飾性、付属品の有無の少なくとも1つを含む前記広告対象のアイテム属性に応じて、前記ユーザアバターは性別、年齢、リピータか否かの少なくとも1つを含む前記ユーザアバターの属性に応じて、共に体験イベントをし、前記体験イベントを通じたフレンドとしての会話は、前記コミュニケーションシステムを通じて、身構えることなく自然になされたものとして収集される」との記載があるが、当該記載は、広告対象をどうするのかが何ら記載されておらず、日本語としての意味が不明であり、当該記載で特定しようとする事項が明確でない。 2 理由3(進歩性)本願請求項1-10に係る発明は、以下の引用文献1-9に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2012-027672号公報 2.特開2012-177981号公報 3.”DAC メタバース領域で国内発の広告販売を開始「ROBLOX」の広告枠販売へ”,[online],RTB SQUARE,2022年05月25日,全頁,[2022年8月8日検索],インターネット<URL:https://rtbsquare.work/archives/42476> 4.”注目される「メタバース」チャットボットと組み合わせて期待できる効果”,[online],EXIIS-Lab,2022年01月28日,全頁,[2022年8月8日検索],インターネット<URL:https://www.exiis-lab.com/metaverse/> 5.特開2008-077173号公報 6.特開2018-005705号公報 7.”メタバースという新たな世界観”,[online],株式会社ナムココミュニケーション,2021年05月14日,全頁,[2022年8月8日検索],インターネット<URL:http://namujapan.com/blog/trendinfo/20210514/> 8.特開2022-022112号公報 9.特開2022-024558号公報 第3 当審拒絶理由の概要 当審が令和5年6月30日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 1 理由1(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 ・請求項 1-10 ・備考 請求項1の「企業、団体、商品及びサービスの少なくとも1つを広告対象とし、前記広告対象であるアバターアイテムの対応付け状態の変化履歴と、広告主側のユーザ情報とに基づいて、アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方に関して、市場における市場流通量又は希少性の変化を反映するように、広告アバターを作成又は更新するアバター広告部」の記載によれば、請求項1に係る発明におけるアバター広告部は、市場における市場流通量又は希少性の変化を反映するように、広告アバターを作成又は更新することになるが、そのような発明は、発明の詳細な説明に記載されていない。 すなわち、発明の詳細な説明(【0060】等参照)において、アバター広告部が、市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新する構成は記載されていると認められるが、アバター広告部が、市場における市場流通量又は希少性の変化を反映するように、広告アバターを作成又は更新する構成が記載されているとは認められない。 請求項1を引用する請求項2-8、請求項1を別カテゴリとして記載した請求項9、10にも同様の理由が該当する。 2 理由2(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 ・請求項 1-10 ・備考 (1)請求項1には、「また、性別、年齢及びリピータか否かの少なくとも1つを含む、前記店舗に来店した又は来店しようとしている前記ユーザアバターの属性とに基づいて、前記ユーザアバターが見ている前で、宣伝効果が高いと判断される容姿に変身したり、又は、複数の異なる容姿に分身したりする動作をし」の記載があるが、「宣伝効果が高い」とは比較の基準又は程度が不明確な表現であり、また、当該記載における機能を達成するための技術的手段も明らかでないから、当該記載が意味する構成が不明確である。 (2)請求項1には、「さらにまた、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作をし」の記載があるが、当該記載における機能を達成するための技術的手段が明らかでないから、当該記載が意味する構成が不明確である。 上記(1)、(2)について、請求項1を引用する請求項2-8、請求項1を別カテゴリとして記載した請求項9、10にも同様の理由が該当する。 よって、請求項1-10に係る発明は明確でない。 第4 本願発明 本願請求項1-10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は、令和5年7月26日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 メタバース空間における広告システムであって、 制御部を含むサーバ装置と、 前記サーバ装置とネットワークを介して通信可能に接続される少なくとも1つの端末装置と、を備え、 前記制御部は、 前記メタバース空間に係る様々な画面に、一般広告を含む各種の広告を表示する広告表示部と、 広告表示が特定のものに偏りが生じないように、1つの広告対象に係る広告が所定回数以上となると他の広告対象に係る広告に切り替えることにより、又は、当該広告に対する消費者側のユーザが広告主の店舗を訪れる人数や回数に応じて他の広告対象に係る広告に切り替えることにより、複数の広告間において平等な広告表示量を提供する広告自動切換え部と、 企業、団体、商品及びサービスの少なくとも1つを広告対象とし、前記広告対象であるアバターアイテムの対応付け状態の変化履歴と、広告主側のユーザ情報とに基づいて、アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方に関して、市場における市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新するアバター広告部と、を備え、 前記広告アバターは、 前記広告対象の化身であり、前記一般広告としての看板の外観を利用しつつ自らを宣伝し、別途作成された前記消費者側のユーザに係るユーザアバターとの間で、テキストベースのチャットを動作させるテキストチャット機能及び音声ベースのチャットを動作させる音声会話機能を含むコミュニケーションシステムを通じて、自動的にコミュニケーションを行う意思をもって動作し、 また、性別、年齢及びリピータか否かの少なくとも1つを含む、前記店舗に来店した又は来店しようとしている前記ユーザアバターの属性とに基づいて、前記ユーザアバターが見ている前で、前記アバター広告部によって、宣伝効果が高いと判断される容姿として前記広告対象の着ぐるみに変身したり、又は、複数の異なる容姿に分身したりする動作をし、 さらにまた、前記アバター広告部によって、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作をし、 前記広告アバターと前記ユーザアバターは、前記消費者側のユーザのフレンドリストを管理するフレンドリスト機能を含むグループ管理システムを通じて、前記広告対象に係る前記広告主側と前記消費者側という関係が前記メタバース空間内でフレンドとして取り扱われる、広告システム。」 また、本願発明2-8は、本願発明1を減縮した発明である。 さらに、本願発明9、10は、本願発明1に対応する「広告方法」、「広告プログラム」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1及び引用発明 (1) 引用文献1 令和4年9月20日付け拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。 「【0016】 以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる広告アバターシステムを詳細に説明する。」 「【0018】 (1)アバター 「アバター」とは、インターネットなどのネットワークを介して複数のユーザがアクセスし、ユーザ同士が他のユーザのプロフィールやブログなどの情報を閲覧したり、ユーザ同士が掲示板やチャットなどのコミュニケーションを図ったりするようなサービス又はサイトにおいて、ユーザ自身又は他のユーザに対してグラフィカルに表示されるユーザの分身をいい、多くは人間や動物などのキャラクターとして表示されるものをいう。静止画像であらわされるもの、動画像であらわされるもの、仮想空間などの疑似的な奥行きのある世界で立体的に表現されるものなど、さまざまな表示手法が採られている。 【0019】 (2)広告アバター 「広告アバター」とは、広義には、広告を主目的としたアバター。狭義には、ファーストフード・チェーンのマクドナルド社が全世界で展開しているピエロのキャラクター「ドナルド・マクドナルド」のような、企業が有する特徴的なキャラクターをアバター化したものなど、アバター自体が広告として機能するもの。一般のアバターが、ネットの世界でのユーザの分身を象徴しているのに対して、広告アバターは、企業の担当者や一般ユーザなど誰が操作しているかにかかわらず、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有している。」 「【図1】 [図:0001404480000001.jpg] 」 「【0048】 図1に、本発明の実施の形態にかかる広告アバターシステムの構成例を示すブロック図を示す。図1に示すように、広告アバターシステム1は、ネットワーク40に接続されたアバターサービス提供サーバ10と、ネットワーク40に接続された広告アバター管理サーバ20と、ネットワーク40に接続された端末装置30とを有している。」 「【0050】 [2.2.広告アバター管理サーバ] 広告アバター管理サーバ20は、ネットワーク40を経由して、端末装置30に広告アバターのデータを提供し、又はアバターサービス提供サーバ10及びネットワーク40を経由して端末装置30に広告アバターのデータを提供する機能を有する。広告アバター管理サーバ20は、アバターサービス提供サーバ10又は端末装置30における広告アバターの閲覧状況を計測する機能をさらに有していてもよい。」 「【図2】 [図:0001404480000002.jpg] 」 「【0057】 広告アバター管理サーバ20は、広告アバター利用許諾部210と、アバター情報共有部220と、広告アバター効果測定部230と、広告アバター選択/利用登録部240と、広告アバター利用促進部250と、広告アバター広告効果閲覧部260とを有している。」 「【0061】 広告アバター選択/利用登録部240は、広告主が出稿中の広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する機能を有する。広告アバター選択/利用登録部240は客ユーザが、広告アバターのいずれを使用しているかを示す情報をアバターサービス提供サーバ10、あるいは端末装置30に提供する。」 「【図3】 [図:0001404480000003.jpg] 」 「【0064】 (実施例1) [4.1.広告アバターの利用例] 次に、本広告アバターシステム1によって提供される広告アバターの利用例について説明する。ここでは、仮想空間型アバターサービスでの広告アバターの利用例である実施例1について述べる。図3は、仮想空間型アバターサービスでの広告アバターの利用例を説明するための図である。 【0065】 アバターサービス提供サーバ10若しくはその他のサーバによって仮想空間300が構築されている。この例では、仮想空間300は複数の領域(例えば、仮想空間内の広場、部屋など)に区画されている。ユーザは自己のアバターを操作することにより、領域間を移動できるものとする。図3で示した例では、仮想空間300内には、3つの領域301A,301B、301Cがある。 【0066】 さて、この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして説明を続ける。3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310(以下、「通常アバター」という)を操作するユーザで、3人はそれぞれ端末装置30a、30b、30cを操作するものとする。また、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザで、この2人はそれぞれ端末装置30A、30Bを操作するものとする。なお、端末装置30a、30b、30c、30A、30Bは前述の端末装置30に相当する装置であり、英文字を付して区別することとする。 【0067】 それぞれのユーザが自分のアバターを操作することにより、端末装置30b、30cを操作するユーザの通常アバター310b、310cが領域301Bに存在するものとする。また、端末装置30aを操作するユーザの通常アバター310aと、端末装置30Aを操作するユーザの広告アバター320Aとが領域301Aに存在するものとする。また、端末装置30Bを操作するユーザの広告アバター320Bが領域301Cに存在する。」 (2) 引用発明 したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「広告アバターシステムであって、 アバターは、ユーザ自身又は他のユーザに対してグラフィカルに表示されるユーザの分身をいい、仮想空間の疑似的な奥行きのある世界で立体的に表現されるものであり、 広告アバターは、アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有していて、 広告アバターシステムは、ネットワーク40に接続された広告アバター管理サーバ20と、ネットワーク40に接続された端末装置30とを有していて、 広告アバター管理サーバ20は、ネットワーク40を経由して、端末装置30に広告アバターのデータを提供し、 広告アバター管理サーバ20は、広告アバター選択/利用登録部240を有していて、 広告アバター選択/利用登録部240は、広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する機能を有し、 広告アバターシステムによって提供される広告アバターの利用例について、 仮想空間300が構築されていて、 この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして、3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザで、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザであって、 それぞれのユーザが自分のアバターを操作する、 広告アバターシステム。」 2 引用文献2-9について (1) 引用文献2 引用文献2には、以下の記載がある。 「【0101】 また、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、コンテンツ16のページが切り換わる度に、コンテンツ16、あるいは、しおり情報18上に表示される広告17が変更されるが、同じ広告17を所定の回数表示部12に表示する度に、広告17が変更されることとしてもよい。具体的には、付加情報設定部15dは、同じ広告17の表示回数をカウントする。そして、付加情報設定部15dは、広告17の表示回数が所定回数に達した場合に、その広告17とは異なる広告17のデータを広告データ14eから読み出し、データを読み出した広告17をつぎに表示する広告17として設定する。」 (2) 引用文献3 引用文献3には、以下の記載がある。 【「SUPER LEAGUE NETWORKについて」の段落の第1、2行】 「「ROBLOX」のゲーム空間内に、バーチャルサイネージ広告(看板広告)と3Dキャラクター(3Dインタラクティブ広告)の配信面を保有するアドネットワーク。」 (3) 引用文献4 引用文献4には、以下の記載がある。 【第9頁第17行~第19行】 「アバターとチャットボットを組み合わせれば、チャットボットの技術によってアバターが自動的に接客することも可能になるでしょう。」 【第9頁第27行~第10頁第24行】 「メタバースとチャットボットを組み合わせると、チャットボットが今まで以上に利用しやすいサービスになることが期待されます。 サービスの内容としては、チャットボットとユーザーの双方がアバターを介して会話することが予想され、今まで以上にチャットボットが利用しやすくなると見込まれます。 現在のチャットボットは、スマートフォンやパソコン上にチャットボットの画面が表示され、ユーザーとチャットボットの会話は文字だけで表示される仕組みとなっています。 このような仕組みであれば、チャットボットとしての機能を十分に果たしているといえます。しかし、この仕組みはあくまでも文字だけのやりとりになるため、実際にチャットボットを利用してみたら「意外と味気なかった」と感じるユーザーもいるのではないでしょうか。 その点、メタバースとチャットボットを組み合わせれば、チャットボットが利用できる仮想空間においてユーザーとチャットボット、それぞれのアバターが会話を交わせるようになります。 このような仕組みのチャットボットであれば、仮想空間内ではあるものの、アバターを介してまさに相手と会話をしている状態といえます。 アバターの姿をしたチャットボットから質問に対する答えをもらえれば、現在のように単に文字で返答されるよりも満足度は高いといえるでしょう。 現在、メタバースは、じわじわと注目が集まり始めています。メタバースとチャットボットを組み合わせたサービスの展開を視野に入れておく必要があります。」 (4) 引用文献5 引用文献5には、以下の記載がある。 「【0055】 上記の実施の形態では、ゲーム空間内に広告スペースが設けられる例を説明したが、ゲームプレイ中の画面に限らず、ゲームダウンロード中に表示される画面やゲームに関するデータをセーブ中に表示される画面に広告が挿入されるように構成してもよい。また、ゲームの実行前やゲーム終了後のゲーム機の画面に広告が表示されてもよい。また、コンテンツは特にゲームには限定されない。たとえば、コンテンツは映画などであってもよい。その場合、映画の一部の領域に広告が表示されてもよい。また、仮想空間にコンテンツを配置して表示し、ユーザが仮想空間を探索しながらコンテンツを閲覧することのできるインタフェースを提供し、仮想空間内に設けられた看板等に広告が表示される構成でもよい。」 (5) 引用文献6 引用文献6には、以下の記載がある。 「【0015】 仲間プレイヤは、SNS(Social Networking Service)における「フレンド」として友人登録しているプレイヤであってもよいし、GPS(Global Positioning System)により近隣のプレイヤが候補としてリストアップされてもよい。仲間プレイヤはゲームイベントにリアルタイムで参加する必要はなく、仲間プレイヤが保有するキャラクタがNPC(Non Player Character)、すなわち、AI(Artificial Intelligence)として参加してもよい。」 (6) 引用文献7 引用文献7には、以下の記載がある。 【第4頁第15行~第16行】 「2018年、ファーストフードチェーンであるウェンディーズ(Wendy’s)がEpic Games社のフォートナイトで自社マスコットに似たアバターを製作し、ゲーマーとして参加したケースが有名です。」 (7) 引用文献8 引用文献8には、以下の記載がある。 「【0016】 前記第1ゲームセッションは、前記第1ユーザが前記第1ゲームセッションをプレイするために使用する所定の数のゲーム要素と他のユーザと関連する前記所定の数のゲーム要素、または前記サーバによって制御される前記所定の数のゲーム要素との対戦を含み、前記第1ゲームセッションをプレイするように前記ゲームサービスを制御する段階は、前記第1ユーザが前記第1ゲームセッションをプレイするために使用する前記所定の数のゲーム要素のうちで前記第1ユーザのゲーム要素および前記第2ユーザのゲーム要素を除いたゲーム要素は、NPC(Non-Player Character)に該当するゲーム要素によって満たして前記対戦を処理するように前記ゲームサービスを制御してよい。」 「【0073】 このとき、サーバ100は、第1ユーザが第1ゲームセッションをプレイするために使用する所定の数のゲーム要素(すなわち、第1ユーザが第1ゲームセッションをプレイするために使用する第1ユーザのゲーム要素および選択された他のユーザのゲーム要素)のうちで第1ユーザのゲーム要素および第2ユーザのゲーム要素を除くゲーム要素は、NPC(Non-Player Character)に該当するゲーム要素で満たして前記対戦を処理するようにゲームサービスを制御してよい。」 (8) 引用文献9 引用文献9には、以下の記載がある。 「【0171】 特に、キャラクタ情報には、プレーヤキャラクタの種別、レア度、レベル、経験値、攻撃力や俊敏性などの所有する能力(能力種別)やその値(パラメータ)、及び、その他の属性(例えば、火属性や水属性などのゲーム特有の属性)などが含まれる。 【0172】 また、アイテム情報には、アイテムの種別、レア度、レベル、経験値、攻撃力や俊敏性などの所有する能力(能力種別)やその値(パラメータ)、及び、その他の属性(例えば、火属性や水属性などのゲーム特有の属性)などが含まれる。 【0173】 そして、このようなキャラクタ情報及びアイテム情報は、図6に例示すように、プレーヤID毎に、アイテム・キャラクタ情報記憶部148に記憶される。」 「【0231】 また、アイテム管理部104は、キャラクタ・アイテム情報として、アイテムやプレーヤキャラクタの種別、レア度、レベル、経験値、攻撃力や俊敏性などの所有する能力(能力種別)やその値(パラメータ)、及び、その他の属性(例えば、火属性や水属性などのゲーム特有の属性)などのアイテムやプレーヤキャラクタの属性情報を管理する。 【0232】 一方、ゲーム管理部103は、ゲームの進行制御としては、 (B1)Sレアのレア度を有する敵キャラクタへの変更や当該敵キャラクタの種別の変更など敵キャラクタの属性の変更、又は、 (B2)プレーヤキャラクタや当該プレーヤキャラクタの仲間のキャラクタにおける攻撃力のアップなどの能力の変更、 を実行する。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「広告アバターシステム」は、「アバターは、ユーザ自身又は他のユーザに対してグラフィカルに表示されるユーザの分身をいい、仮想空間の疑似的な奥行きのある世界で立体的に表現されるものであり、広告アバターは、アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有していて」、「仮想空間300が構築されていて、この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして、3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザで、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザであって、それぞれのユーザが自分のアバターを操作する」ものであるから、現実とは異なる立体的な空間の世界である、メタバース空間における広告に関するシステムであるといえる。 したがって、引用発明の「広告アバターシステム」は、本願発明1の「メタバース空間における広告システム」に相当する。 イ 引用発明の「広告アバター管理サーバ20」がサーバ装置であることは明らかであり、「広告アバター選択/利用登録部240」を有していて、「広告アバター選択/利用登録部240」は、「広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する機能」という、「広告アバター」に関する制御を行う手段であるといえる。 したがって、引用発明の「広告アバター選択/利用登録部240」、「広告アバター管理サーバ20」は、それぞれ、本願発明1の「制御部」、「サーバ装置」に相当する。 ウ 引用発明の「端末装置30」は、「ネットワーク40に接続」されているものであって、「広告アバター管理サーバ20は、ネットワーク40を経由して、端末装置30に広告アバターのデータを提供」しているから、「端末装置30」は、「広告アバター管理サーバ20」と「ネットワーク40」を介して通信可能に接続しているといえる。 したがって、上記イを踏まえると、引用発明の「端末装置30」は、本願発明1の「前記サーバ装置とネットワークを介して通信可能に接続される少なくとも1つの端末装置」に相当する。 エ 引用発明の「広告アバター」は、「アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有してい」るから、「広告企業主」である企業を広告対象とするアバターであるといえ、当該広告対象となっている「広告企業主」である企業の化身であるといえる。 オ 引用発明の「広告アバター選択/利用登録部240」が、「広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する」ことにおいて、ユーザが選択した広告アバターが作成されているといえる。 したがって、上記イ、エを踏まえると、引用発明の「広告アバターは、アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有していて」、「広告アバター選択/利用登録部240は、広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する」構成は、本願発明1の「前記制御部は」、「企業、団体、商品及びサービスの少なくとも1つを広告対象とし」、「広告アバターを作成」「するアバター広告部」、「を備え」る構成に相当する。 カ 引用発明の「広告アバターシステムによって提供される広告アバターの利用例について、仮想空間300が構築されていて、この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして、3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザで、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザであって、それぞれのユーザが自分のアバターを操作する」ことにおいて、「広告アバター」は、「仮想空間300」内において、「広告アバターでない通常のアバター310」との間で動作しているといえる。 また、「広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザ」は、「広告アバター」という広告に対する消費者側のユーザであるといえ、「広告アバターでない通常のアバター310」が、「広告アバター」とは別途作成されているアバターであることは自明である。 したがって、上記エを踏まえると、引用発明の「広告アバターは、アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有していて」、「広告アバターシステムによって提供される広告アバターの利用例について、仮想空間300が構築されていて、この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして、3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザで、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザであって、それぞれのユーザが自分のアバターを操作する」構成は、本願発明1の「前記広告アバターは」、「前記広告対象の化身であり」、「別途作成された」「消費者側のユーザに係るユーザアバターとの間で」、「動作」する構成に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「メタバース空間における広告システムであって、 制御部を含むサーバ装置と、 前記サーバ装置とネットワークを介して通信可能に接続される少なくとも1つの端末装置と、を備え、 前記制御部は、 企業、団体、商品及びサービスの少なくとも1つを広告対象とし、広告アバターを作成するアバター広告部、を備え、 前記広告アバターは、 前記広告対象の化身であり、別途作成された消費者側のユーザに係るユーザアバターとの間で、動作する、広告システム。」 (相違点1) 本願発明1では、「前記制御部」は、「前記メタバース空間に係る様々な画面に、一般広告を含む各種の広告を表示する広告表示部」「を備え」るのに対して、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (相違点2) 本願発明1では、「前記制御部」は、「広告表示が特定のものに偏りが生じないように、1つの広告対象に係る広告が所定回数以上となると他の広告対象に係る広告に切り替えることにより、又は、当該広告に対する消費者側のユーザが広告主の店舗を訪れる人数や回数に応じて他の広告対象に係る広告に切り替えることにより、複数の広告間において平等な広告表示量を提供する広告自動切換え部」「を備え」るのに対して、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (相違点3) 本願発明1では、「前記制御部」は、「前記広告対象であるアバターアイテムの対応付け状態の変化履歴と、広告主側のユーザ情報とに基づいて、アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方に関して、市場における市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新するアバター広告部」を「備え」るのに対して、引用発明の「広告アバター選択/利用登録部240」は、「広告アバター(複数)から、ユーザが自分のアバターとして使用することを希望するもの選択させ、それをそのユーザが操作する広告アバターとして登録、記憶する」ものの、このような構成について特定されていない点。 (相違点4) 本願発明1では、「前記広告アバター」は、「前記一般広告としての看板の外観を利用しつつ自らを宣伝し」、「ユーザアバターとの間で、テキストベースのチャットを動作させるテキストチャット機能及び音声ベースのチャットを動作させる音声会話機能を含むコミュニケーションシステムを通じて、自動的にコミュニケーションを行う意思をもって動作し、また、性別、年齢及びリピータか否かの少なくとも1つを含む、前記店舗に来店した又は来店しようとしている前記ユーザアバターの属性とに基づいて、前記ユーザアバターが見ている前で、前記アバター広告部によって、宣伝効果が高いと判断される容姿として前記広告対象の着ぐるみに変身したり、又は、複数の異なる容姿に分身したりする動作をし、さらにまた、前記アバター広告部によって、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作を」するのに対して、引用発明の「広告アバター」は、「アバター自体が広告として機能するものであり、広告企業主の分身として捉えられるような外見的特徴を有してい」るものであり、「広告アバターシステムによって提供される広告アバターの利用例について、仮想空間300が構築されていて、この仮想空間300を利用しているユーザが5人いるとして、3人のユーザは、広告アバターでない通常のアバター310を操作するユーザで、残りの2人は広告アバター320を操作するユーザであって、それぞれのユーザが自分のアバターを操作する」ものの、このような構成について特定されていない点。 (相違点5) 本願発明1では、「前記広告アバターと前記ユーザアバターは、前記消費者側のユーザのフレンドリストを管理するフレンドリスト機能を含むグループ管理システムを通じて、前記広告対象に係る前記広告主側と前記消費者側という関係が前記メタバース空間内でフレンドとして取り扱われる」るのに対して、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。 相違点3に係る本願発明1の「前記広告対象であるアバターアイテムの対応付け状態の変化履歴と、広告主側のユーザ情報とに基づいて、アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方に関して、市場における市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新する」構成は、上記引用文献1-9には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2-8について 本願発明2-8は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3 本願発明9、10について 本願発明9、10は、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 当審拒絶理由について 1 理由1(サポート要件)について 令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1、9、10は、「市場における市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新する」記載となり、発明の詳細な説明の【0060】に記載されている構成となった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 2 理由2(明確性)について (1) 上記第3の2(1)について、令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1は、「前記アバター広告部によって、宣伝効果が高いと判断される容姿として前記広告対象の着ぐるみに変身」することが明確になった。また、補正後の請求項9は、「前記アバター広告ステップによって、宣伝効果が高いと判断される容姿として前記広告対象の着ぐるみに変身」することが明確になり、補正後の請求項10は、「前記アバター広告機能によって、宣伝効果が高いと判断される容姿として前記広告対象の着ぐるみに変身」することが明確になった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 (2) 上記第3の2(2)について、令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1は、「前記アバター広告部によって、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作を」することが明確になった。また、補正後の請求項9は、「前記アバター広告ステップによって、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作を」することが明確になり、補正後の請求項10は、「前記アバター広告機能によって、前記店舗を訪れる前記ユーザアバターの言語、民族に対応して各別の態様で登場したり、又は、前記ユーザアバターが多数同時に前記店舗を訪れた際にはその対応として多数同時に登場したりする動作を」することが明確になった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 第8 原査定についての判断 1 理由2(明確性)について (1)上記第2の理由2(1)について、令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1、9、10は、「アバターアイテムに対応付けるアイテム価値情報及びアイテム属性情報の少なくとも一方に関して、市場における市場流通量の多い汎用品であるか又は希少性の高い貴重品であるかを考慮して、広告アバターを作成又は更新する」ことが明確になった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 (2)上記第2の理由2(2)について、令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項3は、「互いにフレンドとして、前記広告アバターは色合い、デザイン、機能性、装飾性、付属品の有無の少なくとも1つを含む前記広告対象のアイテム属性に応じて、前記ユーザアバターは性別、年齢、リピータか否かの少なくとも1つを含む前記ユーザアバターの属性に応じて、前記広告アバターと前記ユーザアバターは、前記広告対象について共に体験イベントを」することが明確になった。 よって、この拒絶の理由は解消した。 2 理由3(進歩性)について 令和5年7月26日提出の手続補正書による手続補正により、補正後の請求項1-10は、相違点3に係る本願発明1の構成を有するものとなった。 そして、当該構成は、原査定における引用文献1-9には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1-10は、当業者であっても、引用文献1-9に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 3 上記1、2より、原査定を維持することはできない。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-020108

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