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特許拒絶査定不服審判

2022-020010

ステビアレバウディアナからの食品成分

審判番号
2022-020010
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-528736
請求日
2022年12月09日
審決日
2024年06月10日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ピュアサークル ユーエスエー インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】青木 篤
  • 【請求人代理人】三橋 真二
  • 【請求人代理人】鶴田 準一
  • 【請求人代理人】南山 知広
  • 【請求人代理人】渡辺 陽一
  • 【請求人代理人】中村 和広
審判長/審判官
  • 審判長 磯貝 香苗
  • 審判官 加藤 友也
  • 審判官 天野 宏樹
分類
P18 .121-Z (A23L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019-528736「ステビアレバウディアナからの食品成分」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 6月 7日国際公開、WO2018/102447、令和 2年 2月27日国内公表、特表2020-505907〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)11月29日(優先権主張外国庁受理 2016年11月29日、米国)を国際出願日とする出願であって、令和3年9月28日付けで拒絶理由が通知され、令和4年4月1日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月3日付けで拒絶査定がされ、同年12月9日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 本願発明 本願の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明は、令和4年4月1日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次の事項により特定されるものである。 「【請求項1】 以下のステップを含む、非ステビオール配糖体組成物の製造方法。 a.ステビアレバウディアナ(Stevia rebaudiana)植物材料を提供するステップ; b.抽出溶媒を用意するステップ; c.ステビアレバウディアナ植物材料及び抽出溶媒を混合してステビア植物材料及び溶媒混合物を得るステップ; d.ステビア植物材料及び溶媒混合物を分離して、ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液を得るステップであって、前記分離が珪藻土による濾過を含む、ステップ; e.濾液からステビオール配糖体分子を単離又は分離して、非ステビオール配糖体組成物を得るステップ、 ここで、得られた非ステビオール配糖体組成物が、フェノール化合物、ポリフェノール、フラボノイド、キナ酸及びコーヒー酸及びそれらの誘導体、ネオクロロゲン酸(ネオ-CGA;5-O-カフェオイルキナ酸又は5-CQA)、クリプトクロロゲン酸(クリプトCGA;4-O-カフェオイルキナ酸又は4-CQA)、n-クロロゲン酸(n-CGA;3-O-カフェオイルキナ酸又は3-CQA)、イソクロロゲン酸A(イソ-CGA A;3,5-ジカフェオイルキナ酸)イソ-クロロゲン酸B(イソ-CGA B;3,4-ジカフェオイルキナ酸)、イソ-クロロゲン酸C(イソ-CGA C;4,5-ジカフェオイルキナ酸)、当分野で知られている他のクロロゲン酸及びイソクロロゲン酸、レチノイド、顔料、多糖類、オリゴ糖、二糖類、単糖類、揮発性油成分、ステロール、テルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペン、トリテルペン、クマリン、脂肪酸及びそれらの誘導体、アミノ酸とその誘導体、ジペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アウストロイヌリン、ケルセチン、ステレビン、スパチュレノール、デカン酸、8,11,14-エコサトリエン酸、2-メチルオクタデカン、ペンタコサン、オクタコサン、スチグマステロール、bシトステロール、α-及びβ-アミリン、ルペオール、酢酸β-アミリン、五環式トリテルペン及び/又はグリコシド及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の非ステビオール配糖体分子を含む。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由はおおむね次の理由を含むものである。 (進歩性) 本願発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の文献に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.中国特許出願公開第102617667号明細書(主引用文献) 4.特開2016-106594号公報 5.特開2008-161107号公報 (以下、順に「引用文献1」のようにいう。) 第4 当審の判断 1 引用文献1、4及び5に記載された事項等 (1)引用文献1に記載された事項等 ア 引用文献1に記載された事項 引用文献1には、「ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。なお、引用文献1は外国語文献のため翻訳文のみ摘記する。また、下線は当審において付したものである。他の文献についても同様。 ・「(57)概要 本発明は、ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法に関し、当該方法は、ステビアを、水または有機溶剤を使って加熱、マイクロ波または超音波の補助作用において、原料を浸出し、固液を分離した後、ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液を得て、その後抽出分離を行い、最後に精製して総ステビオシドおよび総カフェオイルキナ酸の純品を得る。本発明は、従来のステビオシドの生産プロセスを基礎として、カフェオイルキナ酸の抽出プロセスを加え、ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドという2種類の製品を同時に得ることができることを開示し、総カフェオイルキナ酸物質の原料由来を広げ、原料を用いて2種類の高付加価値製品を同時に生産し、これら2種類の製品の生産コストを大幅に低減し、資源の消費と環境汚染を低減でき、持続可能な発展という戦略要件を満たし、優れた応用将来性を備える。」 ・「特許請求項 【請求項1】 ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法であって、 (1)ステビアを、水または有機溶剤を使って加熱、マイクロ波または超音波の補助作用において、原料を浸出し、固液を分離した後、ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液を得て、抽出液を濃縮するステップと、 (2)溶剤抽出:濃縮した抽出液を、有機溶剤を使って抽出し、上層はカフェオイルキナ酸を含む抽出液であり、下層はステビオシドを含む抽出残余液である、 または樹脂を用いてステビオシドおよびカフェオイルキナ酸の成分を分離精製するステップと、 (3)総カフェオイルキナ酸の精製:カフェオイルキナ酸を含む抽出液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超える総カフェオイルキナ酸を得るステップと、 (4)ステビオシドの精製:ステビオシドを含む抽出残余液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超えるステビオシド製品を得るステップと、を含むことを特徴とする調製方法。 【請求項2】 ステップ(1)で述べられている有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、n-ブタノール、石油エーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトンまたはクロロホルムの任意の1種類以上の組み合わせであり、有機溶剤の体積濃度は1%-100%の間であることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。 【請求項3】 前記抽出溶剤はn-ブタノール、石油エーテル、酢酸エチルまたはクロロホルムの任意の1種類以上であり、樹脂は、LSA-7、XDA-1、XDA-4、XDA-8、ADS-17、ADS-7、HPD450、HPD500、HPD600、D101、D201、D301、NKA-9、NKA-II、AB-8、HZ-816、ポリアミドまたはシリカゲルの任意の1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。 【請求項4】 前記ステップ(1)中の抽出物は、固液分離後、固体剰余物を直接または微生物転化の方法を用い飼料または有機肥料を生産することを特徴とする請求項2または3に記載の調製方法。」 ・「技術分野 [0001]本発明は植物抽出物の分野に関し、具体的にはステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法に関する。熱水、超音波またはマイクロ波の補助を用いてステビアを進出し、同時に総カフェオイルキナ酸およびステビオシドを抽出し、有機溶剤を用いて抽出分離し、樹脂を用いてステビオシドおよびカフェオイルキナ酸を分離精製し、それによって高純度のステビオシドおよびカフェオイルキナ酸製品を獲得し、抽出後の剰余物は飼料または有機肥料の生産に用いる。」 ・「背景の技術 [0002]ステビア(Stevia rebaudinan Betroni)は、キク科の多年草植物であり、パラグアイのAmambayおよびMbaxacayu山脈を原産とする。ステビアは新型糖源植物として、第二次世界大戦時に注目を集めた。1970年に日本はブラジルから導入し、順化、栽培、製糖を開始すると同時に、毒物学や食品検査等の実験を行った。我が国は1976年に日本から導入した。現在、韓国、タイ、フィリピン等でもそれぞれ栽培が普及している。 [0003]ステビア中には主に、配糖体、フェノール酸、フラボノイド、揮発油等の成分が含まれている。そのうち、フェノール酸の総カフェオイルキナ酸含有量は、報告によると1.29%である(Francois N. Muanda a, Rachid Soulimani, Babakar Diop. Study on chemical composition and biological activities of essential oil and extracts from Stevia rebaudiana Bertoni leaves [J]. LWT-Food Science and Technology, 2011, 1 (8): 2-8)であるが、それぞれのカフェオイルキナ酸を分類しておらず、分離抽出も行っていない。最近、Hande Karakoseらはステビア中のカフェオイルキナ酸を質量分析し、その結果によると、ステビア中には3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、1,3,5-トリカフェオイルキナ酸、1,4,5-トリカフェオイルキナ酸等が含まれていた。彼らが測定して得た総含有量は極めて低い(総カフェオイルキナ酸量)ため、それに対する分離研究は行われていない(Hande Karakose,Rakesh Jaiswal,Nikolai Kuhnert.Characterization and Quantification of HydroxycinnamateDerivatives in Stevia rebaudiana Leaves by LC-MSn [J].Journal of Agricultural andFood Chemistry,2011,59:10143-10150)。李軍らはステビア中に含まれる4,5-ジカフェオイルキナ酸に対して行った報告があるが(李軍、姜華、石任兵、HPLC法によりステビアの有効部位における4つのフェノール成分の含有量を測定[J]、薬物分析雑誌、2009, 29 (4): 536-539)、この成分の具体的な含有量は確定していない。 [0004]カフェオイルキナ酸は、単一成分化合物として薬品または抗酸化剤、フリーラジカル消去剤、抗がん剤等として使用されている(張潔ら、カフェオイルキナ酸の抗低酸素薬品または食品の調製における用途、2007, CN101219134A)。そのうちのジカフェオイルキナ酸は薬用価値においてモノカフェオイルキナ酸と比べて優位性がある。中国軍事医学科学院と江中集団が共同研究して作った新しい抗エイズ薬IBE-5の成分は、ジカフェオイルキナ酸であった。その結果によると、IBE-5は霊長類実験動物の体内エイズウイルス(SIV)のウイルスレベルを顕著に低減でき、さらにエイズウイルスの病変を効果的に回復させることができ、その作用は有名なカクテル療法対照薬よりも大幅に強力である。同時に行われた動物実験において、IBE-5がB型肝炎ウイルスを抑制することが期待できることが示された(http://www.jzjt.com/tabid/140/InfoID/1436/frtid/174/Default.aspx)。 [0005]ステビア中のフラボノイド物質の研究には、石任兵らによる、それを単独で薬用成分として、またはその他薬物と配合して薬物または機能性食品の調製に用いる研究がある(石任兵、張来旺、劉斌ら、ステビア有効部位およびその活性と応用、CN101156883A)。 [0006]従来プロセスによるモノカフェオイルキナ酸を生産するための主な従来原料は、トチュウの葉とスイカズラであり、両者は漢方薬材料である。それらの購入価格はステビアの5-10倍高い。現在のステビアの工業利用としては、総ステビオール配糖体の調製のみであり、そのうちの総カフェオイルキナ酸の成分は利用されていない。その生産プロセスは主に、ステビアの乾燥粉砕、浸出、不純物除去、樹脂処理、噴霧乾燥、精製等のステップに分けられる(陳振斌、邸多隆、劉永峰ら、ステビオシドのマクロ多孔質吸着樹脂の吸着分離プロセス条件の直交設計の最適化[J]、応用化工、2011, 40 (6): 945-948, 951)。生産過程において使用される化学沈殿剤であるカルシウム塩および鉄塩等の不純物除去プロセスでは、ステビア中の総カフェオイルキナ酸が沈殿するため、資源の重大な浪費となる。さらに、この沈殿した総カフェオイルキナ酸が環境中に排出されると、環境が汚染される。ステビアを用いて総カフェオイルキナ酸および総ステビオシド製品を生産できる場合、これら2種類の資源を効果的に利用でき、ステビオシド産業とカフェオイルキナ酸産業の経済的利益、環境利益、社会的利益を大幅に向上し、資源を最大限利用し、現在の持続可能な発展戦略の要件を満たすことが期待できる。」 ・「発明の内容 [0007]本発明は、ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する新しい方法を開示し、現在の従来生産プロセス中のステビア中の総カフェオイルキナ酸が浪費され、総ステビオール配糖体製品のみが生産されるという現状の問題を効果的に解決し、新しいカフェオイルキナ酸の生産原料ソースを提供し、十分に資源を利用し、環境汚染を軽減する。 [0008]本発明が採用する技術的解決手段は、ステビアを原料としてカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法であり、以下のステップを含む。 [0009](1)ステビアを、水または有機溶剤を使って加熱、マイクロ波または超音波の補助作用において、原料を浸出し、固液を分離した後、ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液を得て、抽出液を濃縮する。 [0010](2)成分分離 [0011]溶剤抽出:濃縮した抽出液を、有機溶剤を使って抽出し、上層はカフェオイルキナ酸を含む抽出液であり、下層はステビオシドを含む抽出残余液である。 [0012]または樹脂を用いてステビオシドおよびカフェオイルキナ酸の成分を分離精製する。 [0013](3)総カフェオイルキナ酸の精製:カフェオイルキナ酸を含む抽出液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超える総カフェオイルキナ酸を得る。 [0014](4)ステビオシドの精製:ステビオシドを含む抽出残余液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超えるステビオシド製品を得る。 [0015]上記抽出手段における抽出の補助方法にはマイクロ波、超音波、加熱等の方法がある。マイクロ波補助の条件は、作用時間が30秒から3時間であり、推奨時間は1時間である。熱水補助の抽出条件は、5minから3時間であり、推奨時間は1時間である。超音波の条件は5分から3時間であり、推奨時間は1h、温度は20~100℃であり、最適温度は40~60℃である。 [0016]上記抽出手段で開示されている有機溶剤には、エタノール- 水溶液、メタノール - 水溶液またはその他有機溶剤等が含まれる。そのうち、水は脱イオン水または水道水であり、エタノール- 水溶液の配合比(V/V)は1-8:10である。メタノール - 水溶液の配合比(V/V)は1-8:10であり、その他有機溶剤を使用する場合には、これと同様である。 [0017]上記抽出溶剤の推奨pH値は2.0~7.0であり、最も好ましくは3.0~4.0である。原料と溶剤の推奨固液比は1:15~100であり、最も好ましくは1:40~80である。 [0018]本発明は、ステビオシド総抽出液中の総カフェオイルキナ酸を分離する場合に、抽出または樹脂吸着等の方法を採用する。用いる抽出溶剤はn-ブタノール、石油エーテル、酢酸エチル、クロロホルム等の任意の1種類以上であり、用いる樹脂は、LSA-7、XDA-1、XDA-4、XDA-8、ADS-17、ADS-7、HPD450、HPD500、HPD600、D101、D201、D301、NKA-9、NKA-II、AB-8、HZ-816中の任意の1種類以上、またはポリアミドあるいはシリカゲル等の材料である。 [0019]上記分離精製の方法では、総カフェオイルキナ酸の精製において、酢酸エチルを使用して抽出後、総カフェオイルキナ酸を含む抽出液を得て、濃縮後、マクロ多孔質樹脂またはその他分離材料を加えて吸着後、順次脱イオン水および体積濃度が20%~80%のメタノールまたはエタノールを用いて溶出する。最も好ましくは体積濃度が50%~60%のメタノールまたはエタノールを用いて溶出する。総カフェオイルキナ酸成分を含む溶出液を回収する。 [0020]上記抽出精製方法では、総カフェオイルキナ酸中のモノカフェオイルキナ酸の分離に対する精製において、用いるマクロ多孔質樹脂は非極性または極性マクロ多孔質樹脂であり、最も好ましくは弱極性または極性樹脂を用いることである。樹脂はLSA-7、XDA-1、XDA-4、XDA-8、ADS-17、ADS-7、HPD450、HPD500、HPD600、D101、D201、D301、NKA-9、NKA-II、AB-8、HZ-816の任意の1種類以上、またはポリアミドあるいはシリカゲル等の材料であってよい。 [0021]上記抽出精製の方法では、ステビオシドの精製は従来のプロセスで行ってよい。 [0022]本発明は、抽出した剰余物を回収処理し、微生物転化(または直接使用してもよい)を用いて飼料または有機肥料とする。 [0023]本発明は、ステビアの葉をマイクロ波、加熱または超音波補助の方法で、水または有機溶剤を用いて浸出し、総ステビオール配糖体および総カフェオイルキナ酸製品の収率を向上させ、生産サイクルを短縮できる。浸出後に抽出等の方法を利用して、抽出液中の総カフェオイルキナ酸、ステビオシド等の成分を効果的に留保し、さらに樹脂を用いて分離精製し、総カフェオイルキナ酸およびステビオシド製品をそれぞれ得て、抽出剰余物を飼料または有機肥料として使用し、ステビアの資源を最大限利用し、プロセスの総合利益を向上させることができる。 [0024]本発明は、ステビア中の総カフェオイルキナ酸(モノカフェオイルキナ酸、ジカフェオイルキナ酸、トリカフェオイルキナ酸を含む)と、総カフェオイルキナ酸および総ステビオシドを同時に分離する方法の研究を行っている。結果によると、ステビア原料と従来のカフェオイルキナ酸生産原料(スイカズラ、トチュウ、キクイモ、タバコ等)を比べると、ステビアには次の大きな利点がある。 [0025]1、抽出物の利点として、生産量が大きく、作付面積が大きいステビア製品の低価格な原料を用いることができると同時に、総カフェオイルキナ酸および総ステビオシドという2種類の高付加価値製品を抽出できるので、従来のスイカズラ、トチュウ等の高価な原料を置き換えることができる。 [0026]2、含有量の利点として、本発明の結果によると、我々が用いたステビア中の総カフェオイルキナ酸の含有量は3.28%に達し(そのうちジカフェオイルキナ酸の含有量は2.65%)、タバコ中の総カフェオイルキナ酸(主要成分はモノカフェオイルキナ酸)の含有量0.54%(陳育如、唐剛、劉虎ら、タバコ廃棄物中のカフェオイルキナ酸の抽出プロセスの研究[J]、生物加工過程、2009, 7 (6): 55-58)、キクイモ中の総カフェオイルキナ酸の含有量0.16%(主要成分は同様にモノカフェオイルキナ酸、張海娟、劉玲、鄭暁涛ら、キクイモの葉におけるクロロゲン酸の抽出プロセス条件の最適化研究[J]、2011, 32 (5): 261-262, 265)よりはるかに高い。ステビア中では、カフェオイルキナ酸の含有量がタバコやキクイモより高いだけでなく、最も優れた利点は、性能がモノカフェオイルキナ酸の薬用性能よりさらに優れたジカフェオイルキナ酸の含有量が高い(2.65%)ということである。 [0027]従来のステビアの研究結果と比較して、本発明の研究により、ステビア中の総カフェオイルキナ酸の含有量(3.28%)がHande Karakoseらが報告した0.036%より何十倍も多く、Francois Nらが報告した1.29%の含有量より何倍も高いということが分かった。これにより、非常に大きな開発応用の価値がある。本発明が開示する方法は、総ステビオール配糖体を得ると同時に、総カフェオイルキナ酸製品を抽出でき、原料コストと分離コストを効果的に低減できる。」 イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1に記載された事項を、特に請求項1及び[0003]に関して、整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 <引用発明> 「ステビアを原料として3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、1,3,5-トリカフェオイルキナ酸、1,4,5-トリカフェオイルキナ酸等のカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法であって、 (1)ステビアを、水または有機溶剤を使って加熱、マイクロ波または超音波の補助作用において、原料を浸出し、固液を分離した後、ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液を得て、抽出液を濃縮するステップと、 (2)溶剤抽出:濃縮した抽出液を、有機溶剤を使って抽出し、上層はカフェオイルキナ酸を含む抽出液であり、下層はステビオシドを含む抽出残余液である、 または樹脂を用いてステビオシドおよびカフェオイルキナ酸の成分を分離精製するステップと、 (3)総カフェオイルキナ酸の精製:カフェオイルキナ酸を含む抽出液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超える総カフェオイルキナ酸を得るステップと、 (4)ステビオシドの精製:ステビオシドを含む抽出残余液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超えるステビオシド製品を得るステップと、を含む調製方法。」 (2)引用文献4に記載された事項 引用文献4には、「プロポリス抽出物及びその製造方法、カプセル、並びに抗酸化剤」に関して、おおむね次の事項が記載されている。 ・「【0003】 プロポリスは、抗菌効果や抗炎症効果を有していることが古くから知られている。また、プロポリスの主要な生理活性として、抗酸化作用及び免疫賦活作用が知られている。そのため、プロポリスは、医薬品或いは健康食品の素材として古くから用いられてきた。プロポリス中に含まれる有効成分としては、極性の高い有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、さらには極性の低いテルペノイド類等の非常に多様な種類の有効成分が確認されている。」 ・「【0016】 前記溶媒を用いて抽出処理する際、抽出処理前にプロポリス採取時に混入するゴミ等の夾雑物を除去し、粗粉砕することが好ましい。それにより、抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量は、抽出原料の質量に対して好ましくは1~20倍量、より好ましくは3~15倍量である。抽出溶媒の使用容量が1倍量以上の場合には、目的成分の抽出効率をより向上させることができる。抽出溶媒の使用容量が20倍量以下の場合には、抽出機材及び装置をより小さくすることができ、作業性をより向上させることができる。抽出温度は抽出溶媒の種類により適宜設定されるが、5~40℃であることが好ましく、より好ましくは室温環境により近い15~30℃が採用される。抽出温度が5℃以上の場合には、有効成分の抽出率をより向上させることができる。逆に抽出温度が40℃以下の場合には、ロウ成分の抽出をより抑制することができ、抽出後の濾過性をより向上させることができる。なお、抽出操作は、抽出効率及び抽出率等の観点から、前記抽出温度で攪拌しながら、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上行う。そして、上記の抽出条件で有効成分を十分に抽出した後、濾紙濾過、濾過助剤である珪藻土濾過等の濾過処理又は遠心分離処理し、不溶性成分を除去することによりプロポリス抽出物を得ることができる。不溶性成分の除去は、濾過コスト、不溶性成分の除去効率、処理の簡易性の観点から珪藻土濾過が好ましく適用される。」 ・「【0033】 次に、300mL容のビーカーに上記プロポリス粉砕物を30g、及び下記表2に記載される各例の油性成分をそれぞれ150gずつ加えた。スターラーバーを入れ、室温(25℃)にて16時間撹拌しながら抽出処理した。抽出処理後、濾過処理するために、濾過助剤として、珪藻土(SILIKA 600S:中央シリカ社製)を12gずつ各ビーカーへ添加した。 【0034】 ブフナーロートに濾紙(アドバンテック社製のNo.2)をセットして、各オイル30gを用いて珪藻土5gのプレコートを実施し、吸引濾過した(最終的に、各例の油性成分の全量は180gとなる)。かかる吸引濾過の際の濾過性について下記の基準により評価した。」 (3)引用文献5に記載された事項 引用文献5には、「タンパク分解活性を有するキノコ抽出物の製造方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 下記の工程1~3を含む、タンパク分解活性を有するキノコ抽出物の製造方法。 工程1:キノコから、PH5~7及び塩濃度10~300mMの緩衝液でキノコ抽出物を抽出する工程。 工程2:前記工程で抽出した抽出液を、珪藻土を濾過助剤に使用して濾過する工程。 工程3:前記工程で濾過した抽出液を、0.25~0.8μmのフィルターに通過させ除菌する工程。」 ・「【0001】 本発明は、キノコからタンパク分解活性を有する抽出液を抽出し、タンパク分解活性を有する抽出物を製造する技術に関する。詳細には、食品分野で使用できる、タンパク分解活性が良好で、菌の汚染、着色やキノコ特有の臭いの問題がないキノコ抽出物の製造方法に関する。」 ・「【0011】 (工程2) 工程1で製造される抽出液には、キノコの可食部部分および石づき部分等に付着した菌類が含まれている。菌等を除くには、加熱処理、アルコール処理をおこなうことが多いが、タンパク分解酵素はこれらの処理により失活しやすく、本発明においては工程3において、フィルターの使用による除菌工程にて除菌する。 しかし、工程1での抽出液を直接に、工程3にて除菌すると目詰まりが生じ、生産効率が悪くなる。また、工程3を通過する抽出液は着色しており、キノコ特有の臭いがする。 本発明は、工程1と工程3の間において工程2を導入し、工程1で抽出した抽出液を、珪藻土を濾過助剤に使用して濾過することにより、これらの問題を同時に解決する。 【0012】 本発明において、使用する珪藻土は藻類の化石からなる堆積物である。例えば、珪藻土としてハイフロスパーセル、セルピュア、ラヂオライト、セライト等の製品名で販売されている製品を使用できる。 濾過助剤として珪藻土を使用する方法は、抽出液に珪藻土を混合しこれを濾過するボディーフィード法、また濾過助剤スラリーを循環し、濾材の表面に珪藻土の薄い被膜を形成し、抽出液を濾過させるプレコート法のいずれも採用できるが、本発明においてはプレコート法が、濾過材の目詰まり防止と清澄度の高い処理液を得ることができるので適している。」 ・「【0018】 実施例1 クエン酸およびクエン酸三ナトリウムからなる50mMクエン酸緩衝液(PH6.0)を調整した。ブナシメジ(雪国まいたけ(株))の子実体500gを1mm幅にスライスし、これを1000mlのクエン酸緩衝液に浸して、2時間攪拌し抽出した。 こうして得られた抽出液を25gの珪藻土(ハイフロスパーセル)でプレコートしたフィルター(東洋濾紙No2、直径18.5cm)を用いて減圧濾過し、その濾液10mlを除菌フィルター(孔径0.45μm、ポリエーテルサルホン製)を通過した抽出液について、酵素活性を測定した。結果を表1に示す。」 2 対比 本願発明と引用発明を対比する。 引用発明における「ステビア」は本願発明における「ステビアレバウディアナ(Stevia rebaudiana)植物材料」に相当する。 引用発明における「水または有機溶剤」は本願発明における「抽出溶媒」に相当する。 引用発明における「3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、1,3,5-トリカフェオイルキナ酸、1,4,5-トリカフェオイルキナ酸等のカフェオイルキナ酸」は本願発明における「フェノール化合物、ポリフェノール、フラボノイド、キナ酸及びコーヒー酸及びそれらの誘導体、ネオクロロゲン酸(ネオ-CGA;5-O-カフェオイルキナ酸又は5-CQA)、クリプトクロロゲン酸(クリプトCGA;4-O-カフェオイルキナ酸又は4-CQA)、n-クロロゲン酸(n-CGA;3-O-カフェオイルキナ酸又は3-CQA)、イソクロロゲン酸A(イソ-CGA A;3,5-ジカフェオイルキナ酸)イソ-クロロゲン酸B(イソ-CGA B;3,4-ジカフェオイルキナ酸)、イソ-クロロゲン酸C(イソ-CGA C;4,5-ジカフェオイルキナ酸)、当分野で知られている他のクロロゲン酸及びイソクロロゲン酸、レチノイド、顔料、多糖類、オリゴ糖、二糖類、単糖類、揮発性油成分、ステロール、テルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペン、トリテルペン、クマリン、脂肪酸及びそれらの誘導体、アミノ酸とその誘導体、ジペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アウストロイヌリン、ケルセチン、ステレビン、スパチュレノール、デカン酸、8,11,14-エコサトリエン酸、2-メチルオクタデカン、ペンタコサン、オクタコサン、スチグマステロール、bシトステロール、α-及びβ-アミリン、ルペオール、酢酸β-アミリン、五環式トリテルペン及び/又はグリコシド及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の非ステビオール配糖体分子を含む」「非ステビオール配糖体組成物」に相当する。 引用発明における「ステビオシド」は本願発明における「ステビオール配糖体分子」に相当する。 引用発明における「ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液」は本願発明における「ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液」に相当する。 また、上記相当関係を踏まえると、次のこともいえる。 引用発明は、「ステビアを原料として3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸、5-カフェオイルキナ酸、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸、4,5-ジカフェオイルキナ酸、1,3,5-トリカフェオイルキナ酸、1,4,5-トリカフェオイルキナ酸等のカフェオイルキナ酸およびステビオシドを同時に調製する方法」であるから、本願発明における「非ステビオール配糖体の製造方法」であるといえるとともに、本願発明における「a.ステビアレバウディアナ(Stevia rebaudiana)植物材料を提供するステップ」を有することは当業者に明らかである。 引用発明は、「(1)ステビアを、水または有機溶剤を使って加熱、マイクロ波または超音波の補助作用において、原料を浸出し、固液を分離した後、ステビオシドおよびカフェオイルキナ酸抽出液を得て、抽出液を濃縮するステップ」と「(2)溶剤抽出:濃縮した抽出液を、有機溶剤を使って抽出し、上層はカフェオイルキナ酸を含む抽出液であり、下層はステビオシドを含む抽出残余液である、または樹脂を用いてステビオシドおよびカフェオイルキナ酸の成分を分離精製するステップ」「を含む調製方法」であるから、本願発明における「b.抽出溶媒を用意するステップ」、「c.ステビアレバウディアナ植物材料及び抽出溶媒を混合してステビア植物材料及び溶媒混合物を得るステップ」及び「d.ステビア植物材料及び溶媒混合物を分離して、ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液を得るステップ」を有することは当業者に明らかである。 引用発明は、「(3)総カフェオイルキナ酸の精製:カフェオイルキナ酸を含む抽出液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超える総カフェオイルキナ酸を得るステップ」と「(4)ステビオシドの精製:ステビオシドを含む抽出残余液を、不純物を取り除いて精製した後、含有量が90%を超えるステビオシド製品を得るステップ」「を含む調製方法」であるから、本願発明における「濾液からステビオール配糖体分子を単離又は分離して、非ステビオール配糖体組成物を得るステップ」を有することは当業者に明らかである。 したがって、両者は次の点で一致する。 <一致点> 「以下のステップを含む、非ステビオール配糖体組成物の製造方法。 a.ステビアレバウディアナ(Stevia rebaudiana)植物材料を提供するステップ; b.抽出溶媒を用意するステップ; c.ステビアレバウディアナ植物材料及び抽出溶媒を混合してステビア植物材料及び溶媒混合物を得るステップ; d.ステビア植物材料及び溶媒混合物を分離して、ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液を得るステップ; e.濾液からステビオール配糖体分子を単離又は分離して、非ステビオール配糖体組成物を得るステップ、 ここで、得られた非ステビオール配糖体組成物が、フェノール化合物、ポリフェノール、フラボノイド、キナ酸及びコーヒー酸及びそれらの誘導体、ネオクロロゲン酸(ネオ-CGA;5-O-カフェオイルキナ酸又は5-CQA)、クリプトクロロゲン酸(クリプトCGA;4-O-カフェオイルキナ酸又は4-CQA)、n-クロロゲン酸(n-CGA;3-O-カフェオイルキナ酸又は3-CQA)、イソクロロゲン酸A(イソ-CGA A;3,5-ジカフェオイルキナ酸)イソ-クロロゲン酸B(イソ-CGA B;3,4-ジカフェオイルキナ酸)、イソ-クロロゲン酸C(イソ-CGA C;4,5-ジカフェオイルキナ酸)、当分野で知られている他のクロロゲン酸及びイソクロロゲン酸、レチノイド、顔料、多糖類、オリゴ糖、二糖類、単糖類、揮発性油成分、ステロール、テルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペン、トリテルペン、クマリン、脂肪酸及びそれらの誘導体、アミノ酸とその誘導体、ジペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アウストロイヌリン、ケルセチン、ステレビン、スパチュレノール、デカン酸、8,11,14-エコサトリエン酸、2-メチルオクタデカン、ペンタコサン、オクタコサン、スチグマステロール、bシトステロール、α-及びβ-アミリン、ルペオール、酢酸β-アミリン、五環式トリテルペン及び/又はグリコシド及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の非ステビオール配糖体分子を含む。」 そして、両者は次の点で相違する。 <相違点> 「d.ステビア植物材料及び溶媒混合物を分離して、ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液を得るステップ」に関して、本願発明においては、「前記分離が珪藻土による濾過を含む、ステップ」とさらに特定されているのに対し、引用発明においては、そのようには特定されていない点。 (2)判断 そこで、相違点について検討する。 食品分野における固液分離手段として、珪藻土による濾過は、引用文献4及び5並びに本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の文献(以下、順に「周知文献1」のようにいう。)に記載されているように、本願優先日前に当業者にとって周知技術(以下、「周知技術」という。)である。 周知文献1:特開2008-94758号公報(【0016】及び【0029】) 周知文献2:特表2015-502404号公報(【0002】、【0081】及び【0084】) 周知文献3:国際公開第2015/132974号公報([0022]、[0077]及び[0079]) したがって、引用発明において、「ステビア植物材料及び溶媒混合物を分離して、ステビオール配糖体分子及び非ステビオール配糖体分子を含む濾液を得る」手段として、周知技術を適用して、相違点に係る本願発明の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願発明の効果は、引用発明及び周知技術からみて、本願発明の構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものであるとはいえない。 (3)請求人の主張について ア 請求人の主張 請求人は、審判請求書において、おおむね次のとおり主張する。 「しかしながら、本願発明の方法において、珪藻土による濾過を行うことは、単なる周知技術の適用ではありません。 珪藻土は、クロロゲン酸等の非ステビオール配糖体分子の分解の原因とならず、分子を捕捉するスラッジを形成しないという点で、他の凝集剤に対して優位です。珪藻土を用いた濾過によれば、ステビア植物材料からの、クロロゲン酸類等の非ステビオール配糖体組成物の製造が、より合理化されたものとなります。 非ステビオール配糖体組成物の製造において珪藻土が奏する上記のような利点は、引用文献4、5を当業者が参照しても想起できません。 少なくとも上記の理由で、本願発明は引用文献1~5に記載されたものでもこれら文献に基づいて当業者が容易に想到できたものでもありません。」(審判請求書第3ページ) イ 主張の検討 そこで、上記主張について検討する。 珪藻土による濾過は、物理的な濾過であり、クロロゲン酸等の非ステビオール配糖体分子の分解を生じさせるようなものではなく、分子を捕捉するスラッジを形成しないものであることは、当業者に明らかである(このことは、周知文献1の【0016】に「固液分離の方法としては、遠心分離法、精密濾過膜、又は珪藻土濾過等の処理方法が、脱離集合液のpH、沈殿物除去、処理時間、又はクロロゲン酸類の歩留まりの点から好ましい。」と「珪藻土濾過」は「クロロゲン酸類の歩留まりの点から好ましい」旨記載されていることからも裏付けられる。)。 また、引用文献4の【0016】の「不溶性成分の除去は、濾過コスト、不溶性成分の除去効率、処理の簡易性の観点から珪藻土濾過が好ましく適用される。」という記載及び周知文献1の【0016】の上記記載から、引用発明において、珪藻土による濾過を採用すれば、ステビア植物材料からの、クロロゲン酸類等の非ステビオール配糖体組成物の製造が、より合理化されたものになることも当業者であれば予想できることである。 したがって、請求人が主張する珪藻土が奏する利点は当業者であれば想起できるものである。 また、そもそも、請求人が主張する上記利点は、本願明細書に何ら記載されておらず、請求人の主張は本願明細書の記載に基づかないものでもある。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 (4)むすび したがって、本願発明は引用発明、すなわち引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第5 結語 上記第4のとおりであるから、本願発明、すなわち本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項に係る発明について判断するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-020010

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