2022-018184
ヒータ組立体、ヒータ組立体を製造する方法及びヒータ組立体を含むエアロゾル生成装置
- 審判番号
- 2022-018184
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-551315外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年11月11日
- 審決日
- 2023年08月14日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ケーティー アンド ジー コーポレイション
- 【請求人代理人】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (A24F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
本願は、2020(令和2年)年7月17日(優先権主張外国庁受理 2019年7月23日 大韓民国(KR))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりのものである。
令和3年12月 1日付け 拒絶理由通知
令和4年 3月 3日 意見書、手続補正書の提出
同年 7月 5日付け 拒絶査定
同年11月11日 審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1-12に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、令和4年11月11日にした手続補正により適法に補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】シガレットを加熱するためのヒータ組立体と、前記ヒータ組立体に交番磁場を印加するコイルとを含むエアロゾル生成装置において、前記ヒータ組立体は、少なくとも一部が外部磁場によって発熱するサセプタ(susceptor)物質で形成され、内部に前記シガレットを収容するための収容空間が形成される円筒状を有する発熱層と、続きを表示(全49行)前記発熱層の外側面の少なくとも一部を取り囲む絶縁層と、前記絶縁層の内部に埋め込まれ(embed)、前記発熱層の温度を測定するために用いられるセンサーパターンと、を含み、前記コイルは、前記絶縁層の外側面に沿って巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置され前記絶縁層は、前記センサーパターンの内側面を支持する第1絶縁層と、前記センサーパターンの外側面を取り囲む第2絶縁層と、を含む、エアロゾル生成装置。【請求項2】前記センサーパターンは、前記発熱層の温度を導出するための抵抗温度係数(TCR:temperature coefficient of resistance)を有する抵抗体が印刷されて形成される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。【請求項3】前記センサーパターンは、セラミック(ceramic)、半導体(semiconductor)、金属(metal)、カーボン(carbon)及びサーミスター(thermistor)のうち、少なくとも1つの材料で形成される、請求項1または2に記載のエアロゾル生成装置。【請求項4】前記金属は、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)のうち、少なくとも1つを含み、前記センサーパターンは、45から70重量比の前記銀及び10から35重量比の前記パラジウムを含む、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。【請求項5】前記センサーパターンは、前記第1絶縁層の外側面上で円周方向に沿って螺旋状に形成され、長手方向の一部だけに沿っても形成される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。【請求項6】前記絶縁層は、シリコン(Si)酸化物、ホウ素(B)酸化物、カルシウム(Ca)酸化物、ジルコニウム(Zr)酸化物及びアルミニウム(Al)酸化物のうち、少なくとも1つの材料で形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。【請求項7】前記サセプタ物質は、少なくとも一部が強磁性体(ferromagnetic substance)で形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。【請求項8】前記センサーパターンに連結されて前記センサーパターンの特性値を読取るのに用いられる電極をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。【請求項9】前記コイルに電力を供給する電源部と、前記コイルに供給される電力を制御する制御部と、をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。【請求項10】前記電源部は、前記エアロゾル生成装置に直流を供給するバッテリと、前記バッテリから供給される直流を前記コイルに印加される交流に変換する変換部と、を含む、請求項9に記載のエアロゾル生成装置。【請求項11】前記制御部は、前記センサーパターンから前記発熱層の温度と関連する前記センサーパターンの特性値を受信し、前記発熱層の温度に基づいて、前記電源部から前記コイルに供給される電力を調整する、請求項9または10に記載のエアロゾル生成装置。【請求項12】シガレットを加熱するためのヒータ組立体と、前記ヒータ組立体に交番磁場を印加するコイルとを含むエアロゾル生成装置を製造する方法において、少なくとも一部が外部磁場によって発熱するサセプタ物質で形成される発熱層を、内部に前記シガレットを収容するための収容空間が形成される円筒状に形成する段階と、前記発熱層の外側面の少なくとも一部を取り囲む第1絶縁層を前記発熱層の外側面に塗布する段階と、前記第1絶縁層の外側面に前記発熱層の温度を測定するために用いられるセンサーパターンを印刷する段階と、前記センサーパターンが前記第1絶縁層および第2絶縁層によって埋め込まれるように前記第1絶縁層の外側面に前記第2絶縁層を塗布する段階と、前記コイルを、前記第2絶縁層の外側面に沿って巻線されて前記ヒータ組立体の長手方向に延びるように配置する段階と、を含む、方法。」
第3 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1-13に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
<引用文献等一覧>
1.特表2018-529324号公報
2.韓国公開特許第10-2018-0117039号公報
第4 引用文献
1 引用文献1
(1)引用文献1に記載された事項
原査定に引用された引用文献1には、次の記載事項及び図示事項がある(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。
ア「【0034】
本書では、用語「喫煙材」は、加熱されると揮発成分を、典型的には蒸気又はエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は非タバコ含有材料であってもよいし、タバコ含有材料であってもよい。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ以上を含んでいてもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、液体、ゲル、ゲル化シート、粉末、又は塊の形態とすることが可能である。「喫煙材」は、他に非タバコ製品を含んでいてもよい。この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。「喫煙材」は、1つ以上の保湿剤、例えばグリセロール又はプロピレングリコール、を含んでいてもよい。
【0035】
本書では、用語「加熱材」は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を指す。」
イ「【0042】
図2及び図1を参照すると、喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための、本発明の実施形態による装置の例の概略断面図、及びその装置の一部分の概略斜視図をそれぞれ示している。概して、装置100は、喫煙材を備える物品の少なくとも一部分を受け入れるヒーター領域又は加熱領域113と、変動磁場を発生させるための磁場発生器120と、加熱領域113の周りに延在して、変動磁場の侵入によって加熱可能なヒーター材又は加熱材を備えて加熱領域113を加熱する細長い加熱素子110とを備える。」
ウ「【0045】
この実施形態の加熱素子110は、加熱領域113の周りに延在して全体又は実質的に全体が加熱材からなる細長い管状の加熱部材114を備える。したがって、加熱部材114は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材の閉回路を備える。さらに、この実施形態では、加熱素子110は、加熱部材114の内面にコーティング115を備える。コーティング115は、加熱部材114自体の内面よりも滑らか又は硬い。このようなより滑らか又は硬いコーティング115によって、装置100の使用後に加熱素子110を容易に清掃することができる。コーティング115は、例えば、ガラス又はセラミック材料で作ることができる。他の実施形態では、コーティング115を省略することができる。いくつかの実施形態では、使用時、加熱素子110が加熱領域113に挿入された物品又は喫煙材と接触することができる表面積を増大するように、コーティングは加熱部材114自体の外面よりも粗くすることができる。
【0046】
加熱材は、導電性材料、磁性材料、及び非磁性材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。加熱材は、金属又は金属合金を含むことができる。加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含むことができる。他の(1つ以上の)材料を他の実施形態の加熱材として使用することができる。この実施形態では、加熱素子110の加熱材は導電性材料を含む。したがって、この加熱材は、変動磁場を侵入させたときに加熱材内に誘導される渦電流の影響を受けやすい。したがって、加熱素子110は、変動磁場を受けたとき、サセプタとして働くことができる。また、加熱材として磁性導電材を用いると、使用時、加熱素子110と、下記で説明する磁場発生器120のコイル122との間の磁気結合を強くすることができることも分かっている。これは、磁気ヒステリシス加熱を潜在的に可能にすることに加えて、加熱素子110のジュール加熱を増大させる、又は改善することができ、したがって、加熱領域113の加熱を増大させる、又は改善することができる。」
エ「【0060】
この実施形態では、コイル122は、加熱素子110及び加熱領域113に対して固定位置にある。この実施形態では、コイル122は、加熱素子110及び加熱領域113を取り囲んでいる。この実施形態では、コイル122は、加熱領域113の長手方向軸A-Aと実質的に揃えられた長手方向軸に沿って延在している。この実施形態では、これらの揃えられた軸は一致する。この実施形態の変形例では、揃えられた軸は互いに平行とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、軸は互いに傾けることができる。さらに、この実施形態では、コイル122は、加熱素子110の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在している。これは、使用時に加熱素子110をより均一に加熱する助けとなり得、また、装置100の製造性にも助けになり得る。他の実施形態では、コイル122及び加熱素子110の長手方向軸は、互いに平行にすることによって互いに揃えることができる、又は、互いに傾けることができる。」
オ「【0063】
この実施形態では、使用者がユーザインターフェース125を操作すると、制御器124は、デバイス123に、コイル122に交流電流を流してコイル122に交流磁場を発生させる。コイル122及び加熱素子110は、コイル122によって生成された交流磁場が加熱素子110の加熱材に侵入するように適切な相対位置に配置される。加熱素子110の加熱材が導電性材料のとき、加熱材内に1つ以上の渦電流を発生させることができる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。上記のように、加熱材が磁性材料で作られているとき、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
【0064】
この実施形態の装置100は、加熱領域113の温度を検知するための温度センサ126を備える。温度センサ126は、制御器124に通信可能に接続され、その結果、制御器124は加熱領域113の温度を監視することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ126は、加熱領域113又は加熱領域113に配置された物品を光学的に温度測定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、加熱領域113に配置される物品は、物品の温度を検出するために抵抗温度検出器(RTD:resistance temperature detector)などの温度検出器を備えることができる。物品は、温度検出器に電気接続などで接続された1つ以上の端子をさらに備えることができる。(1つ以上の)端子は、物品が加熱領域113内にあるときに、装置100の温度モニタ(図示せず)との電気接続などの接続のためのものとすることができる。制御器124は温度モニタを備えることができる。したがって、装置100の温度モニタは、装置100とともに使用中の物品の温度を測定することができる。」
カ「【0085】
上記の実施形態の各々において、喫煙材はタバコを含んでいる。しかしながら、これらの実施形態の各々の変形例では、喫煙材は、タバコのみからなるものであってもよいし、ほぼ全体がタバコのみからなるものであってもよいし、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むものであってもよいし、タバコ以外の喫煙材を含むものであってもよいし、タバコを含まないものであってもよい。いくつかの実施形態では、喫煙材は、蒸気又はエアロゾルの形成剤や、湿潤剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコール)を含んでいてもよい。」
キ「【図2】
[図:0001401445000001.jpg]
」
ク 段落【0035】、【0063】の記載より、コイル122が加熱素子110に交流磁場を印加することは、技術的に明らかである。
ケ 段落【0034】、【0042】の記載より、装置100は、エアロゾルを生成できることが明らかである。
(2)引用発明
上記(1)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
「喫煙材を備える物品を加熱する加熱素子110と、加熱素子110に交流磁場を印加するコイル122とを含む、エアロゾルを生成する装置100において、加熱素子110は、喫煙材を備える物品の少なくとも一部分を受け入れる加熱領域113を備え、変動磁場を受けたときサセプタとして働き、加熱領域113の周りに延在して全体又は実質的に全体が加熱材からなる細長い管状の加熱部材114を含み、エアロゾルを生成する装置100は、加熱領域113の温度を検知するための温度センサ126を有し、コイル122は、加熱素子110の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在し、加熱素子110及び加熱領域113を取り囲む、エアロゾルを生成する装置100。」
2 引用文献2
(1)引用文献2に記載された事項
原査定に引用された引用文献2には、次の記載事項及び図示事項がある(( )内は当審訳を示す。)。
ア「
[図:0001401445000002.jpg]
」
([0026] これにより、前記挿入口20にシガレット10が挿入された状態で電源が印加されると、本発明の一実施形態に係るシガレット型電子タバコ装置用発熱ヒータ100は熱を発生させて、発生した熱によりシガレット10を加熱することによって、シガレット10から喫煙のための蒸気を生成することができる。これにより、ユーザは、シガレット10から生成された蒸気を吸引することによって喫煙することができる。)
イ「
[図:0001401445000003.jpg]
」
([0034] すなわち、支持体110は、電極パターン120の発熱時に100℃以上の高温で耐えることができるように耐熱性を有するセラミック材料からなることができる。非限定的な例として、支持体110はアルミナ、ZrO2、MgO、Si3N4、SiC、AlNである。ZTAなどのセラミック材料であってもよいが、これに限定されず、公知のセラミック材料を全て適用することができる。)
ウ「
[図:0001401445000004.jpg]
」
([0042] 一例として、前記センサ部150は、基板152の一面に導電性部材が所定のパターンで形成されたセンサパターンであってもよく、前記基板152はセラミックグリーンシートが焼結されたものであってもよい。すなわち、センサ部150は、図7に示すように、基板152がセラミックグリーンシートである状態で基板152の一面にパターン形成された後、セラミックグリーンシート状態である支持体110の一面に積み重ねることができる。
[0043] 一方、本発明の一実施形態に係るシガレット型電子タバコ装置用発熱ヒータ100は、図6に示すように、前記支持体110の一面に配置されて発熱温度を測定するためのセンサ部150を含むことができる。
[0044] このようなセンサ部150は、支持体110の一面にパターン形成された薄膜型温度センサであってもよい。
[0045] 一例として、前記センサ部150は、基板152の一面に導電性部材が所定のパターンで形成されたセンサパターンであってもよく、前記基板152はセラミックグリーンシートが焼結されたものであってもよい。すなわち、センサ部150は、図7に示すように、基板152がセラミックグリーンシートの状態で基板152の一面にパターン形成された後、セラミックグリーンシート状態の支持体110の一面に積み重ねることができる。
[0046] ここで、基板152は、支持体110と同じ材質であってもよいが、これに限定されるものではなく、セラミック材質であれば制限なく使用することができる。さらに、センサパターンは、後述する電極パターン120と同様に様々な形状に形成することができる。)
エ「
[図:0001401445000005.jpg]
」
([0056] 電極パターン120は、電源印加時に熱を発生させる発熱体の役割を果たすことができる。このような電極パターン120は、上述したように、支持体110の一面にパターン形成することができる。)
オ「
[図:0001401445000006.jpg]
」
([0064] カバー層130は、電極パターン120のパターン部123を覆うように支持体110の一面に形成される。これにより、カバー層130は、パターン部123が外部に露出するのを防止することができる。
[0065] このとき、カバー層130は、電極パターン120が他の部品とショートするのを防ぐことができるように絶縁性を有する材料で形成することができる。また、カバー層130は、電極パターン120で発生した熱によって破壊されるのを防ぐことができるように、耐熱性および熱硬化性を有する材料で形成することができる。)
カ「
[図:0001401445000007.jpg]
」
([0069] このような保護層140は、所定の厚さで塗布されるコーティング層であっても、別々の部材が取り付けられた形態であってもよい。したがって、本発明の一実施形態に係るシガレット型電子タバコ装置用発熱ヒータ100は、前記支持体110が脆性の強いセラミック材質からなるとしても、外部に露出する支持体110の露出面が前記保護層140を介して保護されることにより、外力による支持体110の損傷を未然に防止することができる。また、保護層140は、電源印加時に電極パターン120を介して発生した熱が外部に放出されるのを遮断することができる。)
キ 図1「
[図:0001401445000008.jpg]
」
ク 図6「
[図:0001401445000009.jpg]
」
ケ 図7「
[図:0001401445000010.jpg]
」
コ 図6、7に図示された内容から、ヒータ100は、内側から順に、カバー層130、電極パターン120、支持体110、センサ部150、基板152、保護層140、を備えるといえる。
サ 段落[0034]、[0042]、[0046]、[0069]より、支持体110及び基板152がセラミック材料で構成されるといえる。そして、セラミック材料が電気絶縁性を有することが技術常識であることに鑑みれば、支持体110及び基板152は、電気絶縁性を有するセラミック材料で構成されるものと認められる。
(2)引用文献2記載事項
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上記(1)を総合すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献2記載事項]
「シガレット10を加熱して喫煙のための蒸気を生成するシガレット型電子タバコ装置用発熱ヒータ100において、ヒータ100は、内側から順に、絶縁性を有するカバー層130と、電源印加時に熱を発生させる発熱体の役割を果たす電極パターン120と、電気絶縁性を有するセラミック材質からなる支持体110と、基板152の一面に導電性部材が所定のパターンで形成されたセンサ部150と、電気絶縁性を有するセラミック材質からなる基板152と、保護層140と、を備えること。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「喫煙材を備える物品」と、本願発明1の「シガレット」とは、「加熱によりエアロゾルを生成する物品」という限りにおいて一致する。
引用発明の「加熱素子110」、「交流磁場」、「コイル122」、「エアロゾルを生成する装置100」は、本願発明1の「ヒータ組立体」、「交番磁場」、「コイル」、「エアロゾル生成装置」に相当する。
そして、引用発明の「喫煙材を備える物品を加熱する加熱素子110と、加熱素子110に交流磁場を印加するコイル122とを含む、エアロゾルを生成する装置100」と、本願発明1の「シガレットを加熱するためのヒータ組立体と、前記ヒータ組立体に交番磁場を印加するコイルとを含むエアロゾル生成装置」とは、「加熱によりエアロゾルを生成する物品を加熱するためのヒータ組立体と、前記ヒータ組立体に交番磁場を印加するコイルとを含むエアロゾル生成装置」という限りにおいて一致する。
引用発明の「変動磁場」、「サセプタ」は、本願発明1の「外部磁場」「サセプタ(susceptor)物質」に相当する。
そして、引用発明の「喫煙材を備える物品の少なくとも一部分を受け入れる加熱領域113を備え、変動磁場を受けたときサセプタとして働き、加熱領域113の周りに延在して全体又は実質的に全体が加熱材からなる細長い管状の加熱部材114」と、本願発明1の「少なくとも一部が外部磁場によって発熱するサセプタ(susceptor)物質で形成され、内部に前記シガレットを収容するための収容空間が形成される円筒状を有する発熱層」とは、「少なくとも一部が外部磁場によって発熱するサセプタ(susceptor)物質で形成され、内部に加熱によりエアロゾルを生成する物品を収容するための収容空間が形成される円筒状を有する発熱層」という限りにおいて一致する。
引用発明の「コイル122は、加熱素子110の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在し、加熱素子110及び加熱領域113を取り囲む」ことと、本願発明1の「前記コイルは、前記絶縁層の外側面に沿って巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置され」ることとは、「前記コイルは、巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置され」るという限りにおいて一致する。
よって、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。
[一致点]
「加熱によりエアロゾルを生成する物品を加熱するためのヒータ組立体と、前記ヒータ組立体に交番磁場を印加するコイルとを含むエアロゾル生成装置において、前記ヒータ組立体は、少なくとも一部が外部磁場によって発熱するサセプタ(susceptor)物質で形成され、内部に前記加熱によりエアロゾルを生成する物質を収容するための収容空間が形成される円筒状を有する発熱層と、を含み、前記コイルは、巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置される、エアロゾル生成装置。」
[相違点1]
「加熱によりエアロゾルを生成する物品」に関して、本願発明1は、「シガレット」であるのに対して、引用発明は、「喫煙材を備える物品」であり、「シガレット」であるか不明な点。
[相違点2]
本願発明1は、「前記発熱層の外側面の少なくとも一部を取り囲む絶縁層と、前記絶縁層の内部に埋め込まれ(embed)、前記発熱層の温度を測定するために用いられるセンサーパターンと、を含」むのに対し、引用発明は、「エアロゾルを生成する装置100は、加熱領域113の温度を検知するための温度センサ126を有」する点。
[相違点3]
「前記コイルは、巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置され」ることに関して、本願発明1は、「前記コイルは、前記絶縁層の外側面に沿って巻線されて前記エアロゾル生成装置の長手方向に延び、前記ヒータ組立体に対応する位置に配置され」るのに対し、引用発明は、「コイル122は、加熱素子110の長手方向軸と実質的に一致する長手方向軸に沿って延在し、加熱素子110及び加熱領域113を取り囲む」ものであって、「絶縁層」について不明な点。
[相違点4]
本願発明1は、「前記絶縁層は、前記センサーパターンの内側面を支持する第1絶縁層と、前記センサーパターンの外側面を取り囲む第2絶縁層と、を含む」のに対し、引用発明は、そのような構成を有しない点。
(2)判断
事案に鑑み、まず、相違点2について検討する。
引用発明は、サセプタである加熱部材114を誘導加熱方式により加熱するものであるのに対し、引用文献2記載事項は、電極パターン120に電源を印加し熱を発生させる、すなわち抵抗加熱方式により加熱するものであって、両者の加熱方式及びその具体的構成は異なるものである。
更に、引用発明の温度センサ126は、加熱部材114の内側であって喫煙材を備える物品が挿入される加熱領域113の温度を測定するもの(段落【0064】)であるのに対し、引用文献2記載事項のセンサ部150は、支持体110を介して電極パターン120の発熱温度を測定するもの(段落[0043]、図7)である。
そうしてみると、引用発明と引用文献2記載事項とは、発熱体の発熱方式及び温度センサによる測定対象のいずれも異なるものであるから、引用発明に引用文献2記載事項を組み合わせる動機は見い出せない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本願発明2-11について
本願発明2-11は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1について検討した理由と同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本願発明12について
本願発明12は、実質的に、本願発明1のカテゴリを「方法」としたものであると認められるので、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 小括
以上のとおりであるから、本願発明1-12は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-018184