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特許拒絶査定不服審判

2022-016863

ドレンポンプ用詰り抑制制御装置、空気調和機、及びドレンポンプ用詰り抑制制御方法

審判番号
2022-016863
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-022059外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月21日
審決日
2023年06月19日
公報発行日
2023年07月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (F24F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 22059「ドレンポンプ用詰り抑制制御装置、空気調和機、及びドレンポンプ用詰り抑制制御方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月22日出願公開、特開2019-138546、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件に係る出願は、平成30年2月9日の出願であって、令和3年8月25日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月26日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、同年12月16日付けで最後の拒絶理由通知がされ、令和4年2月21日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、当該手続補正は、同年7月15日付けで補正の却下の決定がされるとともに同日付で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされた。

これに対し、同年10月21日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。

第2 本件補正の適否について

1. 本件補正の内容

(1)本件補正後の特許請求の範囲

本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出する順流制御が行われるドレンポンプに適用されるドレンポンプ用詰り抑制制御装置であって、
前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得部と、
前記取得部にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定部と、
続きを表示(全22行)
前記判定部により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除及び分解する逆流制御を行う逆流制御部と、
を備え、
前記判定部は、前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定し、
前記逆流制御部は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻るドレンポンプ用詰り抑制制御装置。
【請求項2】
所定期間内において前記逆流制御の実施回数が所定回数に達した場合に、前記ドレンポンプを停止させる停止部を備える請求項1に記載のドレンポンプ用詰り抑制制御装置。
【請求項3】
ドレンポンプと、
請求項1または請求項2に記載のドレンポンプ用詰り抑制制御装置と、
を備える空気調和機。
【請求項4】
ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出する順流制御が行われるドレンポンプに適用されるドレンポンプ用詰り抑制制御方法であって、
前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得工程と、
前記取得工程にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除及び分解する逆流制御を行う逆流制御工程と、
を有し、
前記判定工程は、前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定し、
前記逆流制御工程は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻るドレンポンプ用詰り抑制制御方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の特許請求の範囲の記載は、令和3年10月26日に手続補正した特許請求の範囲の記載によって特定される次のとおりである。

「【請求項1】
ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出するドレンポンプに適用されるドレンポンプ用詰り抑制制御装置であって、
前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得部と、
前記取得部にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定部と、
続きを表示(全22行)
前記判定部により前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの吐出口から吸引口へ逆流させる逆流制御を行う逆流制御部と、
を備え、
前記判定部は、前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生していると判定するドレンポンプ用詰り抑制制御装置。
【請求項2】
前記逆流制御部は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させる請求項1に記載のドレンポンプ用詰り抑制制御装置。
【請求項3】
所定期間内において前記逆流制御の実施回数が所定回数に達した場合に、前記ドレンポンプを停止させる停止部を備える請求項2に記載のドレンポンプ用詰り抑制制御装置。
【請求項4】
ドレンポンプと、
請求項1から3のいずれか1項に記載のドレンポンプ用詰り抑制制御装置と、
を備える空気調和機。
【請求項5】
ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出するドレンポンプに適用されるドレンポンプ用詰り抑制制御方法であって、
前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得工程と、
前記取得工程にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの吐出口から吸引口へ逆流させる逆流制御を行う逆流制御工程と、
を有し、
前記判定工程は、前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの吸引口に詰りが発生していると判定するドレンポンプ用詰り抑制制御方法。」

2.本件補正の目的及び新規事項の追加の有無について

(1)請求項1について

本件補正は、補正前の請求項1におけるドレンポンプについて「順流制御が行われる」こと、ドレンポンプの吸引口及び吐出口が「前記」のものであること、「逆流制御」が「前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除及び分解す」るためのものであること及び「前記逆流制御工程は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻る」ものであることを特定するものであるから、これらの補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

「順流制御」については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の段落【0023】に記載されている。

また「逆流制御」については、当初明細書等に「ドレンポンプの吸引口がスライム等により塞がれた場合であっても、スライム等を自動的に排除及び分解することが可能となる」(【0009】)こと、「ドレン水の逆流によって吸引口7を詰まらせていた物体(例えばスライム)は、ドレンポンプ4の吸引口7からドレンパン3側へ押し出すことができる」(【0032】)こと、「逆流制御部13は、逆流制御を開始後、所定時間経過後に逆流制御を終了させ・・・逆流制御の終了後は、ドレンポンプ4は、通常の制御に戻り、ドレン水を吸引口7から吸引して吐出口8より排出する(順流制御)」(【0034】)ことが記載されているから、これらの補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

(2)請求項4について

本件補正は、補正前の請求項5を請求項4とするとともに、補正前の請求項5におけるドレンポンプについて「順流制御が行われる」こと、ドレンポンプの吸引口及び吐出口が「前記」のものであること、「逆流制御」が「前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除及び分解す」るためのものであること及び「前記逆流制御工程は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻る」ものであることを特定するものであるから、これら補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

そして請求項1と同様に、「順流制御」及び「逆流制御」については、当初明細書等の【0009】、【0032】、【0034】に記載されているから、これらの補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。

以上のとおり、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むから、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

3.独立特許要件について

3-1 本願発明について

本願の請求項1~4に係る発明(以下、「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される、上記第2の1.(1)のとおりである。

3-2 引用文献に記載された事項及び引用発明

(1)引用文献等一覧

引用文献1:特開2013-2719号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2014/0109938号明細書
引用文献3:特開平9-103620号公報

(2)引用文献1に記載された事項及び引用発明

原査定で引用され、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである(以下同様。)。

ア「【技術分野】

【0001】

本発明は、空気調和機に関し、特に、ドレンポンプの詰まりの検知に関するものである。」

イ「【0008】

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ドレンポンプの異常を早期に検知して、ドレンポンプの詰まりを起因とした不具合を抑制することが可能な空気調和機を提供することを目的とする。」

ウ「【0018】

以下に、本発明の一実施形態について、図1~図4を参照しながら説明する。

図1は、本発明の実施形態に係る空気調和機の概略構成図である。この空気調和機は、分離型の空気調和機であり、空気調和機を構成している室内機1内に、送風機(図示せず)と、送風機の外周を取り囲むようにして配置されている熱交換器2と、熱交換器2の下方であって、熱交換器2から滴下するドレン水が貯留するドレンパン3と、ドレンパン3内のドレン水をドレン配管(排水経路)4へと排出するドレンポンプ5と、ドレンポンプ5を駆動するモータ(電動機)6と、モータ6の運転を制御する制御装置(制御手段)とを備えている。

なお、図1において、熱交換器2は略長方形状で1つ示されているが、本実施形態の空気調和機の室内機1を上方視した場合には、一体に繋がって送風機を取り囲んで配置されている。

【0019】

ドレンポンプ5は、遠心ポンプであり、ポンプハウジング8内に回転羽根(図示せず)が収容されており、ポンプハウジング8の下部に形成されてドレン水を吸引する吸込口9と、吸引したドレン水を吐出する吐出口10とを有している。さらに、ドレンポンプ5には、回転羽根を駆動するモータ6が接続されている。ドレンポンプ5は、このモータ6が回転羽根を駆動することによって生じる遠心力により吸込口9からドレン水を吸い上げて、吐出口10からドレン水を吐出する。ドレンポンプ5の吐出口10にはドレン配管4が接続されており、室内機1外にドレン水を排出するようになっている。」

エ「【0021】

制御装置は、図2に示すように、直流電源25から過電流検知回路(過電流検知部)22、モータ出力回路23を経てモータ6に電流が供給されている。制御装置は、モータ6の運転制御を行うマイクロコンピュータ(制御部)21と、モータ6の過電流を検知する過電流検知回路22と、マイクロコンピュータ21からの出力信号に基づいてモータ6に出力電流を送信するモータ出力回路23と、後述する過電流検知スイッチオン信号に基づいて、モータ6への電流供給を即座に遮断する遮断信号をモータ出力回路23へと出力する強制停止回路(遮断部)24とを備えている。

また、制御装置は、過電流検知回路22が過電流を検知した回数を数えるカウンタ部(図示せず)と、タイマー部(図示せず)とを有している。」

オ「【0027】

図3に示すように、吸引するドレン水の粘度が大きくなるほど、すなわち吸引側の抵抗が大きくなるほどドレンポンプ5のモータ6の電流値が高くなり、ドレンポンプ5の回転数が低下する。この吸引側の抵抗の変化する様子は、ドレンポンプ5の吸込口9の詰まり具合と同様な傾向であることが一般的に知られており、ドレンポンプ5の吸込口9の詰まり具合が増すほどモータ6の電流値が増してドレンポンプ5の回転数が低下する。」

カ「【0030】

このようにして運転を行っているドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合には、モータ6は駆動しているが、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態になる。ドレンポンプ5がロック状態になった際(吸入側の抵抗が大きくなった際)には、図3に示したようにモータ6の電流値が上昇する。このように、モータ6の電流値が上昇して600mAの電流値がモータ6から出力された際には、制御装置に設けられている過電流検知回路22がその電流値600mAを過電流(以下、「第1回目の過電流」という。)として検知する。第1回目の過電流を検知した過電流検知回路22は、過電流検知信号をマイクロコンピュータ21へと送信する。また、制御装置に設けられているカウンタ部が、過電流検知回路22が第1回目の過電流を検知することによって第1回目の過電流検知をカウントする。

【0031】

過電流検知信号を受信したマイクロコンピュータ21は、ドレンポンプ5の運転を即時停止すると共に、例えばドレンポンプ5が停止してから10秒間停止状態を維持する出力信号をモータ出力回路23へと送信する。ドレンポンプ5を停止する出力信号を受信したモータ出力回路23は、モータ6への供給電流を即時に停止する。

【0032】

このようにモータ6への供給電流が即時停止されることによって、ドレンポンプ5の運転が即座に停止する。ドレンポンプ5の運転が即座に停止するため、ドレン排水管4内に残留していたドレン水が一気にドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3へと逆流する逆流現象が生じる。その際、ドレン水がドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3に一気に逆流することによって、吸込口9の詰まりが解消される。

【0033】

ドレンポンプ5の運転を停止してから約10秒経過後、マイクロコンピュータ21は、ドレンポンプ5の運転を再始動(ポンプオン)する出力信号をモータ出力回路23へと送信する。モータ出力回路23は、ポンプオンの出力信号を受けて、モータ6へと前述した2段階に渡る電流値を送信する。これにより、ドレンポンプ5の運転が再始動される。」

キ「【図1】

[図:0001399204000001.jpg]

」

ク「【図3】

[図:0001399204000002.jpg]

」

ケ 【図1】から、ドレン配管4は、ドレンポンプ5の吐出口10に接続され上方に延びるものであることが看取できる。

以上の事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「ドレン水が貯留するドレンパン3と、ドレンパン3内のドレン水を吸引する吸込口9と、吸引したドレン水を吐出する吐出口10に接続され上方に延びるドレン配管4へと排出するドレンポンプ5のモータ6を制御する制御装置であって、
モータ6の過電流を検知する過電流検知回路22と、
モータ6の運転制御を行うマイクロコンピュータ21であって、過電流検知信号を受信したときドレンポンプ5の運転を即時停止するマイクロコンピュータ21と、
ドレンポンプ5の運転が即座に停止すると、ドレン排水管4内に残留していたドレン水が一気にドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3へと逆流する逆流現象が生じ、ドレン水がドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3に一気に逆流することによって、吸込口9の詰まりを解消し、
運転を行っているドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合には、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態になり、モータ6の電流値が上昇して過電流検知回路22がその電流値600mAを過電流として検知し、過電流検知信号を受信したマイクロコンピュータ21はドレンポンプ5の運転を即時停止し、
ドレンポンプ5の運転を停止してから約10秒経過後、ドレンポンプ5の運転を再始動(ポンプオン)する制御装置。」

(3)引用文献2に記載された事項

原査定で引用され、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2には、次の事項が記載されている。

ア「BACKGROUND OF THE INVENTION

[0001]A dishwasher is a domestic appliance into which dishes and other cooking and eating wares (e.g., plates, bowls, glasses, flatware, pots, pans, bowls, etc.) are placed to be washed. The dishwasher may include a filter system to remove soils from liquid circulated onto the dishes.」

(当審訳)

「発明の背景
食器洗い機は、食器やその他の調理器具や食器 (皿、ボウル、グラス、カトラリー、鍋、フライパン、ボウルなど) を入れて洗う家庭用電化製品です。 食器洗い機は、食器の上に循環される液体から汚れを除去するためのフィルターシステムを含むことができる。」

イ「[0058]Determining the degree of clogging of the filter 474 may be done in any suitable manner. For example, the degree of clogging of the filter 474 may include determining a pressure output of the recirculation pump 460. For example, a pressure sensor may be capable of providing an output indicative of the pressure of the liquid output by the recirculation pump 460. Alternative clogging sensors may be used for determining a degree of clogging may include a motor torque sensor, flow meter, etc. While the liquid is being recirculated, the filter 474 may begin to clog with soil particles. This clogging causes the outlet pressure from the recirculation pump 460 to decrease as the clogging of the passages of the filter 474 hinders the movement of the liquid into an inlet of the recirculation pump 460. As the filter 474 clogs the motor torque and motor current decrease.」

(当審訳)

「フィルタ474の目詰まりの程度を決定することは、任意の適切な方法で行うことができる。 例えば、フィルタ474の目詰まりの程度は、再循環ポンプ460の圧力出力を決定することを含むことができる。例えば、圧力センサは、再循環ポンプ460による液体出力の圧力を示す出力を提供することができる。 目詰まりの程度を決定するために、代替の目詰まりセンサーを使用することができ、モータートルクセンサー、流量計などを含むことができる。この詰まりは、フィルタ474の通路の詰まりが再循環ポンプ460の入口への液体の移動を妨げるので、再循環ポンプ460からの出口圧力を低下させる。フィルタ474が詰まると、モータトルクおよびモータ電流が減少する。」

(4)引用文献3に記載された事項

原査定で引用され、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3には、次の事項が記載されている。

ア「【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は風呂装置に係り、特に浴槽内の湯を強制的に循環させつつ濾過、殺菌等の清浄化処理すると同時に入浴温度に保温し、浴槽湯を絶えず清浄かつ適温に保ち24時間何時でも好みの時に入浴できるようにしたいわゆる24時間風呂装置に関するものである。」

イ「【0061】運転中の循環ポンプ6の特性は図11に示す通りであり、管路が目詰まり等により負荷が増し流量が減ると流量ー回転数特性曲線に示されるように循環ポンプ6の回転数は増す。

【0062】したがって、運転中の循環ポンプ6の回転数Rxを検出し、この回転数Rxと管路に目詰まりがなく負荷が小であつた運転開始時の回転数である初期回転数と比較すれば目詰まりや水不足の管路の異常を判別できる。」

ウ「【0070】S24で水不足でないと判別された場合には、S26で運転中の回転数Rxが高速運転中の目詰まりの回転数であるRh+d2より大であるか否かにより目詰まりを判別し、目詰まりと判別された場合にはS27で表示パネルの複数の表示ランプ27の内の目詰まりランプを点灯する。

・・・

【0073】S28で水不足でないと判別された場合には、S30で運転中の回転数Rxが低速運転中の目詰まりの回転数であるRl+d3より大であるか否かにより目詰まりを判別し、目詰まりと判別された場合にはS31で表示パネルの複数の表示ランプ27の内の目詰まりランプを点灯する。」

3-3 当審の判断

(1)本願発明1について

ア 対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

引用発明の「ドレン水」、「ドレンパン3」、「吸込口9」、「吐出口10」、「上方に延びるドレン配管4」、「ドレンポンプ5」は、それぞれ本願発明1の「ドレン水」、「ドレンパン」、「吸引口」、「吐出口」、「上方に延びる配管」、「ドレンポンプ」に相当する。

してみると、引用発明の「ドレン水が貯留するドレンパン3と、ドレンパン3内のドレン水を吸引する吸込口9と、吸引したドレン水を吐出する吐出口10に接続され上方に延びるドレン配管4へと排出するドレンポンプ5のモータを制御する」ことは、本願発明1の「ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出する順流制御が行われるドレンポンプに適用される」ことに相当する。

引用発明の「モータ6の過電流」は、「ドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合には、モータ6は駆動しているが、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態になる。ドレンポンプ5がロック状態になった際(吸入側の抵抗が大きくなった際)には、図3に示したようにモータ6の電流値が上昇する。このように、モータ6の電流値が上昇して600mAの電流値がモータ6から出力された際には、制御装置に設けられている過電流検知回路22がその電流値600mAを過電流(以下、「第1回目の過電流」という。)として検知する。」(【0030】)のであるから、本願発明1の「前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数」に相当する。

してみると、引用発明の「モータ6の過電流を検知する過電流検知回路22」は、本願発明1の「前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得部」に相当する。

引用発明の「過電流検知信号を受信したときドレンポンプ5の運転を即時停止するマイクロコンピュータ21」は、上記のとおり、「ドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合には、モータ6は駆動しているが、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態」になった際、「過電流検知回路22がその電流値600mAを過電流(以下、「第1回目の過電流」という。)として検知」(【0030】)し、当該「過電流検知」の信号を受信したとき「ドレンポンプ5の運転を即時停止する」するのであるから、ドレンポンプ5の吸込口9が詰まったか否かを判定しているものといえる。

してみると、引用発明の「モータ6の運転制御を行うマイクロコンピュータ21であって、過電流検知信号を受信したときドレンポンプ5の運転を即時停止するマイクロコンピュータ21」は、機能ブロックとして、本願発明1の「前記取得部にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定部」に相当する。

引用発明の「ドレンポンプ5の運転が即座に停止する」ことは、ドレンポンプ5の運転の即時停止が「ドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合」に行われるものであるから、本願発明1の「前記判定部により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合」に相当する。

また、引用発明の「ドレン排水管4内に残留していたドレン水が一気にドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3へと逆流する逆流現象が生じ、ドレン水がドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3に一気に逆流することによって、吸込口9の詰まりを解消」することは、本願発明1の「前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除」することに相当する。

してみると、引用発明の「ドレンポンプ5の運転が即座に停止すると、ドレン排水管4内に残留していたドレン水が一気にドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3へと逆流する逆流現象が生じ、ドレン水がドレンポンプ5の吐出口10から吸込口9を経てドレンパン3に一気に逆流することによって、吸込口9の詰まりを解消」することは、機能ブロックとして、「前記判定部により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除する逆流制御を行う逆流制御部」の限りにおいて、本願発明1の「前記判定部により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除及び分解する逆流制御を行う逆流制御部」と一致する。

引用発明の「ドレンポンプ5の運転を停止してから約10秒経過後、ドレンポンプ5の運転を再始動(ポンプオン)する」ことは、本願発明1の「前記逆流制御部は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻る」ことに相当する。

してみると、引用発明の「制御装置」は、「ドレンポンプ用詰り抑制制御装置」に相当する。

以上のことから、本願発明1と引用発明とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

<一致点>

「ドレンパンに貯留するドレン水を吸引口から吸引し、上方に延びる配管に接続された吐出口より排出する順流制御が行われるドレンポンプに適用されるドレンポンプ用詰り抑制制御装置であって、
前記ドレンポンプの運転状態に係る情報である前記ドレンポンプの駆動電流または前記ドレンポンプの回転数の少なくともいずれか1つを取得する取得部と、
前記取得部にて取得した情報に基づいて、前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定された場合に、前記配管に貯留しているドレン水を前記ドレンポンプの前記吐出口から前記吸引口へ逆流させ、前記吸引口を塞ぐ物体を前記ドレンパン側へ押し出し前記吸引口から排除する逆流制御を行う逆流制御部と、
を備え、
前記逆流制御部は、前記逆流制御を開始後、所定時間経過後に前記逆流制御を終了させ、前記順流制御に戻るドレンポンプ用詰り抑制制御装置。」

<相違点1>

「逆流制御」に関して、本願発明1は、吸引口を塞ぐ物体を「分解」するのに対して、引用発明は、分解するか否か不明な点。

<相違点2>

本願発明1は、「前記判定部は、前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定」するのに対して、引用発明は、「運転を行っているドレンポンプ5の吸込口9が詰まった場合には、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態になり、モータ6の電流値が上昇して過電流検知回路22がその電流値600mAを過電流として検知し、過電流検知信号を受信したマイクロコンピュータ21はドレンポンプ5の運転を即時停止」する点。

イ 当審の判断

事案に鑑みて、相違点2から検討する。

3-2(3)、(4)に摘記したとおり、引用文献2には、食器洗い機のフィルターシステムについて、「フィルタ474の通路の詰まりが再循環ポンプ460の入口への液体の移動を妨げるので、再循環ポンプ460からの出口圧力を低下させる。フィルタ474が詰まると、モータトルクおよびモータ電流が減少する。」ことが記載されており、引用文献3には、風呂装置について、「循環ポンプ6の回転数Rxを検出」して「運転中の回転数Rxが高速運転中の目詰まりの回転数であるRh+d2より大であるか否かにより目詰まりを判別し、目詰まりと判別」すること及び「運転中の回転数Rxが低速運転中の目詰まりの回転数であるRl+d3より大であるか否かにより目詰まりを判別」することが記載されている。

しかしながら、引用発明は、ドレンポンプ5の回転羽根が回転しなくなるロック状態となり、ドレンポンプ5を駆動するモータ6の電流値が急上昇する過電流が発生することで、ドレンポンプ5の吸込口9が詰まったことを検知するものであって、引用文献2の食器洗い機の再循環ポンプ460のモータ電流の減少を検知する技術や、引用文献3の風呂装置の再循環ポンプ6の回転数Rxの上昇を検知する技術とは、技術分野が異なり、共通する課題や機能作用が存在するものともいえないから、引用発明に引用文献2や引用文献3に記載された技術を組み合わせる動機付けが存在すると認めることはできない。

してみると、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2又は3に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許出願の際独立して特許を受けることができる発明ということができる。

(2)本願発明4について

本願発明4は、本願発明1の「制御装置」を「制御方法」としたものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2又は3に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許出願の際独立して特許を受けることができる発明ということができる。

4.小括

以上のとおり、本願発明1及び本願発明4は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するから、本件補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。

第4 原査定について

1.原査定の概要

原査定の概要は、次のとおりである。

この出願の請求項1~5に係る発明は、上記第3の3.3-2(1)の引用文献1~3に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

2.原査定についての当審の判断

本願発明1は、「前記ドレンポンプの駆動電流が減少する、または、前記ドレンポンプの回転数が上昇すると前記ドレンポンプの前記吸引口に詰りが発生していると判定する」という発明特定事項を有するものであって、上記第3の3.3-3で論じたとおり、当業者であっても拒絶査定において引用された引用文献1~3に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

また、本願発明2、3は、本願発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても拒絶査定において引用された引用文献1~3に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

本願発明4は、本願発明1の「制御装置」を「制御方法」としたカテゴリー違いの発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても拒絶査定において引用された引用文献1~3に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

したがって、原査定の理由は、維持することができない。

第5 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-016863

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