2022-014495
オンラインカウンセリングシステムおよびオンラインカウンセリング方法
- 審判番号
- 2022-014495
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-217845外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月14日
- 審決日
- 2023年05月29日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .537-WY (G16H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和2年12月25日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。
1.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記
請求項1には「前記オンラインカウンセリングサーバに患者別に食薬カウンセリング結果をスコア評価とともに、記録する患者別電子カルテデータベースに登録・蓄積しておき」との記載があるが、患者別に食薬カウンセリング結果をスコア評価とともに、オンラインカウンセリングサーバ、患者別電子カルテデータベースのいずれに又は両方に記録するのかが分からず、技術的にも日本語の表現としても記載内容を理解できない。
また、同請求項1には「前記患者別電子カルテデータベースに登録・蓄積されたスコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果をもとに前記食薬ルール群に基づくAI解析を行い、AI解析された前記患者別電子カルテデータベースに登録・蓄積されたスコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果を利用して、前記患者端末に対して前記カウンセリングサーバに登録された食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)を選択的に自動提案する」との記載があるが、「AI解析された前記患者別電子カルテデータベースに登録・蓄積されたスコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果」を具体的にどのように利用して患者端末に対してカウンセリングサーバに登録された食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)を選択的に自動提案しているのか、そのための情報処理を特定することができない。
情報処理システムの発明においては、情報処理の処理内容によって、発明の内容が大きく異なることが出願時の技術常識であり、かかる技術常識を考慮すると、請求項1に係る発明は、上記で指摘した点において構成が十分特定されていないから、請求項1に係る発明を明確に把握することができない。請求項2ないし6についても同様である。
よって、請求項1ないし6に係る発明は、依然として明確でない。
第3 本願発明
本願請求項1~3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明3」という。)は、令和5年4月14日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される、次のとおりの発明である。
「【請求項1】ネットワークを介して、オンラインカウンセリングを受ける患者用の患者端末と、少なくとも薬剤師を含む専門家用の専門家端末と、管理者端末と、オンラインカウンセリングサーバとが接続され、さらに、前記患者端末と、前記専門家端末とを接続して、患者へのオンラインカウンセリングを行うオンラインカウンセリングシステムにおいて、前記管理者端末により、予め食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)の情報をマスター登録しておき、前記オンラインカウンセリングサーバは、続きを表示(全16行)摂取した方が良い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はプラスルール、摂取がNGな食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はマイナスルールとし、スコア評価を付ける食薬ルール群を記憶する手段を有し、少なくとも薬剤師を含む専門家が操作する前記専門家端末が前記患者端末と通信可能に接続され、前記専門家端末は、オンラインカウンセリングサーバに接続して、前記患者端末から入力された患者の症状を分類した後、該分類した症状毎に、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)からなる食薬の前記食薬ルール群に基づく食薬カウンセリングを行い、前記患者の健康診断データを参照して行う前記食薬カウンセリングは、患者の症状を分類し、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)を前記症状毎に前記患者端末から入力されたスコア評価を前記専門家端末に表示させて行い、患者別電子カルテデータベースに患者別に食薬カウンセリング結果をスコア評価結果とともに登録・蓄積しておき、前記スコア評価結果を含む食薬カウンセリング結果をもとに前記食薬ルール群に基づくAI解析を行い、前記AI解析された前記スコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果を利用して、前記管理者端末にマスター登録された食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)の中から評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)からなる食薬を、患者の症状や体質に応じて選択し、食薬レシピとして自動提案すると共に、前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家による検査キットの自動提案を行う、ことを特徴とするオンラインカウンセリング方法。【請求項2】前記食薬カウンセリングは、舌診アプリによる舌診画像又は予め患者から提供された舌診画像を事前問診データとして用いることを特徴とする請求項1に記載のオンラインカウンセリング方法。【請求項3】請求項1又は2に記載のオンラインカウンセリング方法を用いたオンラインカウンセリングシステム。」
第4 原査定についての判断
(1) 令和5年4月14日提出の手続補正書による補正後の請求項1は、「患者別電子カルテデータベースに患者別に食薬カウンセリング結果をスコア評価結果とともに登録・蓄積しておき」と記載されている。
これにより、当該記載では、「食薬カウンセリング結果をスコア評価結果とともに」「患者別電子カルテデータベースに」「登録・蓄積」されることが明確となった。
(2) 令和5年4月14日提出の手続補正書による補正後の請求項1では、「前記オンラインカウンセリングサーバは、
摂取した方が良い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はプラスルール、摂取がNGな食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はマイナスルールとし、スコア評価を付ける食薬ルール群を記憶する手段を有し、」
「 前記専門家端末は、オンラインカウンセリングサーバに接続して、前記患者端末から入力された患者の症状を分類した後、該分類した症状毎に、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)からなる食薬の前記食薬ルール群に基づく食薬カウンセリングを行い、前記患者の健康診断データを参照して行う前記食薬カウンセリングは、患者の症状を分類し、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)を前記症状毎に前記患者端末から入力されたスコア評価を前記専門家端末に表示させて行い、」と記載されている。
これにより、当該記載では、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)をどのように提案しているのか明確となった。
(3) よって、原査定の拒絶の理由1.(明確性)は、いずれも解消した。
(4) 以上から、原査定を維持することはできない。
第5 当審拒絶理由について
1 当審拒絶理由
当審が令和5年3月31日付けで通知した当審拒絶理由(最後)は次のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の請求項1ないし3の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記
(1) 請求項1の「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良いまたはNGかでスコア評価を付ける食薬ルール群を記憶する手段」という記載は、「食薬ルール群」が、「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良い」「でスコア評価を付ける食薬ルール」と、「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取」するのが「NGかでスコア評価を付ける食薬ルール」とを、選択的構成として有しているのか、あるいは、「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良い」ものからなる「食薬ルール」と「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取」するのが「NG」となる「食薬ルール」とを共に含んだ「食薬ルール群」なのかという点で、不明瞭な記載となっている。
請求項2を引用しない、請求項3ないし6も同様に不明瞭な記載となっている。
(2)請求項1の「前記食薬カウンセリン」という記載は、この記載以前に「食薬カウンセリン」という記載がみたらず、不明瞭な記載となっている。(「前記食薬カウンセリング」の誤記と思量される。)
請求項1を引用している請求項2ないし6も同様に不明瞭な記載となっている。
(3)請求項1の「前記患者別電子カルテデータベース」という記載は、この記載以前に「患者別電子カルテデータベース」という記載がみたらず、不明瞭な記載となっている。(「前記」が不要と思量される。)
請求項1を引用している請求項2ないし6も同様に不明瞭な記載となっている。
(4)請求項1の「前記AI解析された前記スコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果を利用して、前記管理者端末にマスター登録された食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)の中から評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)を選択的に自動提案すると共に、前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家の自動提案を行う」という記載は、以下の点で不明瞭となっている。
(4-1)「OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)」と「OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)」と下線部に表記の揺れが見られる。(後者が誤記と思量される。)
(4-2)「評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)を選択的に自動提案する」という記載は、「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良い」と「スコア評価を付ける食薬ルール群」による「評価値が高い」ものが提案されるのか、「患者の症状を分類し、食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)を前記症状毎に前記患者端末から入力されたスコア評価」の「評価値が高い」ものが提案されるのかという点で不明瞭な記載となっている。
(4-3)「前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家の自動提案を行う」という記載は、「専門家」による「自動提案を行う」こととも、「専門家」を提案対象として「自動提案を行う」こと(専門家の紹介)とも解釈可能であり、不明瞭となっている。
2 検討
(1) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良いまたはNGかでスコア評価を付ける食薬ルール群を記憶する手段」という記載を
「摂取した方が良い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はプラスルール、摂取がNGな食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)はマイナスルールとし、スコア評価を付ける食薬ルール群を記憶する手段」と補正した。
これにより、当該記載では、「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取した方が良い」ものからなる「食薬ルール」と「食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)からなる食薬が摂取」するのが「NG」となる「食薬ルール」とを共に含んだ「食薬ルール群」であることが明確になった。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、明確となった。
(2) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「前記食薬カウンセリン」という記載を
「前記食薬カウンセリング」と補正した。
これにより、誤記が解消した。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、誤記が解消した。
(3) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「前記患者別電子カルテデータベース」という記載を、
「患者別電子カルテデータベース」と補正した。
これにより、誤記が解消した。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、誤記が解消した。
(4)請求項1の「前記AI解析された前記スコア評価結果を含む前記食薬カウンセリング結果を利用して、前記管理者端末にマスター登録された食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)の中から評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)を選択的に自動提案すると共に、前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家の自動提案を行う」という記載について
(4-1) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)」という記載を、「OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬の薬)」と補正した。
これにより、表記の揺れが解消した。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、表記の揺れが解消した。
(4-2) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医薬薬)を選択的に自動提案する」という記載を、
「評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)からなる食薬を、患者の症状や体質に応じて選択し、食薬レシピとして自動提案する」と補正した。
これにより、「評価値が高い食材、サプリメント、OTC医薬品(漢方薬、西洋医学の薬)からなる食薬を、患者の症状や体質に応じて選択」することにより「食薬レシピとして自動提案する」ことが明確となった。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、明確となった。
(4-3) 令和5年4月14日に提出された手続補正書により、
補正前の請求項1の「前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家の自動提案を行う」という記載を、
「前記患者毎の電子カルテデータに基づいて定期的な専門家による検査キットの自動提案を行う」と補正した。
これにより、「専門家」によって「自動提案を行う」提案内容が、「検査キット」であることが明確となった。
また、請求項1を引用する請求項2および3についても、同様に、明確となった。
(5) したがって、当審拒絶理由の理由(明確性)は、すべて解消した。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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