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特許拒絶査定不服審判

2022-012220

遊技機

審判番号
2022-012220
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-076236外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月05日
審決日
2023年03月14日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 76236「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月24日出願公開、特開2019-180892〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 14項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成30年4月11日に出願した特許出願(特願2018-76236)であって、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和 3年 3月 2日付け:拒絶理由通知書

同年 5月 7日 :意見書、手続補正書の提出

同年10月28日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年12月16日 :意見書、手続補正書の提出
令和 4年 4月20日付け:令和3年12月16日に提出された手続 補正書による補正についての補正の却下

の決定

同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

同年 5月10日 :原査定の謄本の送達

同年 8月 5日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和4年8月5日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年8月5日にされた手続補正を却下する。

[理由]

1 本件補正について

令和4年8月5日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年5月7日にされた手続補正により補正された請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の請求項1の記載に補正するものである(下線は、補正箇所を明示するために当審合議体が付した。以下同様。)。

(本件補正前:令和3年5月7日にされた手続補正)

「【請求項1】
遊技媒体を遊技領域に発射可能な遊技機において、
通常状態を含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
遊技の進行状況を示す所定情報に基づき遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、
続きを表示(全11行)
前記遊技機外部に対して出力するための試験信号を生成する信号生成手段と、
遊技媒体の入賞に基づいて遊技媒体を付与する付与手段と、
前記通常状態における、前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能な表示手段と、を備え、
前記算出手段は、前記所定情報を用いて前記通常状態を特定可能であり、
前記遊技制御手段は、特定の制御命令を含む制御命令を実行可能であり、
前記信号生成手段は、試験信号を生成するときに、前記特定の制御命令は実行しない、遊技機。」

(本件補正後:令和4年8月5日にされた手続補正)

「【請求項1】
遊技媒体を遊技領域に発射可能な遊技機において、
通常状態を含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
遊技の進行状況を示す所定情報に基づき遊技の進行を制御可能であって、遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能な遊技制御手段と、
続きを表示(全14行)
前記遊技機外部に対して出力するための試験信号を生成する信号生成手段と、
遊技媒体の入賞に基づいて遊技媒体を付与する付与手段と、
前記通常状態における、前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能であって、前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を表示可能な表示手段と、を備え、
前記算出手段は、前記所定情報を用いて前記通常状態を特定可能であり、
前記遊技制御手段は、特定の制御命令を含む制御命令を実行可能であり、
前記信号生成手段は、試験信号を生成するときに、前記特定の制御命令は実行せず、
前記特定の制御命令は、予め設定された上位アドレスおよび指定された下位アドレスによりアドレスを特定して、当該アドレスに対応した処理を行う命令であり、
前記上位アドレスには、前記遊技制御手段によって制御される前記遊技の進行に係わるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかが格納されている特定領域を示す特定値が設定され、
前記信号生成手段によって前記試験信号が生成される際に実行されるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかは、前記特定領域とは異なる非特定領域に格納されている、遊技機。」

2 補正の適否

(1) 本件補正

本件補正は、令和3年5月7日に提出された手続補正書によって補正された、本件補正前の請求項1について、「遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、」としていたところを、「遊技制御手段」が「遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御」することも「可能」であることを限定して、「遊技の進行を制御可能であって、遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能な遊技制御手段と、」とするとともに、「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能な表示手段と、」としていたところを、「表示手段」が「前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を表示」することも「可能」であることを限定して、「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能であって、前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を表示可能な表示手段と、」とし、さらに、「特定の制御命令」が、「予め設定された上位アドレスおよび指定された下位アドレスによりアドレスを特定して、当該アドレスに対応した処理を行う命令であり、前記上位アドレスには、前記遊技制御手段によって制御される前記遊技の進行に係わるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかが格納されている特定領域を示す特定値が設定され」るものであるとした限定を加えるとともに、「前記信号生成手段」による「試験信号」の「生成」について、「前記信号生成手段によって前記試験信号が生成される際に実行されるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかは、前記特定領域とは異なる非特定領域に格納されている」としたことを限定したものである。

(2) 補正目的

前記(1)のとおり、本件補正は、本件補正前の発明特定事項に限定を加えることを含むものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

(3) 新規事項

本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0050】、【0193】、【0279】、【0387】、【0444】~【0447】、【0450】~【0451】、【0455】及び【0457】~【0459】の記載からみて、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 本件補正発明の独立特許要件についての検討

上記2(2)のとおり、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1) 本件補正発明

本件補正発明を次のとおりのものと認定する(記号A~Lは、分説のため当審合議体が付した。)。

「【請求項1】
A 遊技媒体を遊技領域に発射可能な遊技機において、
B 通常状態を含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
C 遊技の進行状況を示す所定情報に基づき遊技の進行を制御可能であって、遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能な遊技制御手段と、
続きを表示(全15行)
D 前記遊技機外部に対して出力するための試験信号を生成する信号生成手段と、
E 遊技媒体の入賞に基づいて遊技媒体を付与する付与手段と、
F 前記通常状態における、前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する算出手段と、
G 前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能であって、前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を表示可能な表示手段と、を備え、
H 前記算出手段は、前記所定情報を用いて前記通常状態を特定可能であり、
I 前記遊技制御手段は、特定の制御命令を含む制御命令を実行可能であり、
J1 前記信号生成手段は、試験信号を生成するときに、前記特定の制御命令は実行せず、
J2 前記特定の制御命令は、予め設定された上位アドレスおよび指定された下位アドレスによりアドレスを特定して、当該アドレスに対応した処理を行う命令であり、
J3 前記上位アドレスには、前記遊技制御手段によって制御される前記遊技の進行に係わるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかが格納されている特定領域を示す特定値が設定され、
K 前記信号生成手段によって前記試験信号が生成される際に実行されるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかは、前記特定領域とは異なる非特定領域に格納されている、
L 遊技機。」

(2) 先願1

令和4年4月20日付けの補正の却下の決定における独立特許要件違反の理由に引用文献等1として引用された、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願日後に出願公開された特願2017-236153(特開2019-103539)(出願日:平成29年12月8日、出願公開日:令和1年6月27日、出願人:株式会社平和、発明者:久保田智裕 外3名)(以下「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願1明細書等」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同じ。)。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア) 「【0036】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
(中略)
【0040】
続きを表示(全25行)
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
(中略)
【0046】
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。
性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLED201~204を備えている。
【0047】
性能表示モニタ200(ベース表示装置)は、ベースを表示する。また、性能表示モニタ200は、設定の値(設定値)を表示する。
(中略)
【0057】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)又は潜伏確変状態(高確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
(中略)
【0081】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行(内容)を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
(中略)
【0083】
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える装置であり、パチンコ機1に備えられたRAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(中略)
【0106】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM(RAM)98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。」
(イ) 「【0136】
図7は、主制御CPU72が用いるメモリ領域のメモリマップを示す図である。
主制御CPU72が用いるメモリ領域は、ROM74に割り当てられたメモリ領域(0000H~2FFFH)と、RAM76に割り当てられたメモリ領域(F000H~F3FFH)とを含んでいる。
【0137】
続きを表示(全52行)
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムコード(プログラム)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムコードは、遊技の実行に必要となる(遊技の進行を制御するための)第1情報である。
【0138】
アドレス0000H~0BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムコード(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード(特別情報)が格納されている。
【0139】
アドレス0C00H~0FFFHの領域は、未使用の領域である。
【0140】
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)は、使用領域のプログラムデータ(データ)を格納可能な領域である。使用領域のプログラムデータは、遊技の実行に必要となる第1情報である。
アドレス1000H~1BFFHの領域(第1領域)には、使用領域のプログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
【0141】
アドレス1C00H~1FFFHの領域は、未使用の領域である。
【0142】
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)は、領域外のプログラムコード・プログラムデータを格納可能な領域である。領域外のプログラムコード・プログラムデータは、遊技の実行に必要とならない(例えば、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタに関連する処理に関する)第2情報である。
アドレス2000H~2FFFHの領域(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
(中略)
【0147】
このように、本実施形態のROM74及びRAM76(記憶手段)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)を格納可能な使用領域(第1領域)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)を格納可能な領域外(第2領域)を有する。
【0148】
ここで、使用領域とは、遊技の進行を制御するために使用可能な容量が遊技機規則で定められている領域であり、領域外とは、使用可能な容量の計算に含めない領域である。
【0149】
主制御装置70(主制御CPU72)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)及び遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)に基づいてパチンコ機1(遊技機)を制御する(制御手段)。
【0150】
使用領域(第1領域)には、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの一部の情報である特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)が格納されている。
【0151】
領域外(第2領域)には、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)のうちの残りの情報である非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)が格納されている。
【0152】
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で異なる情報であり、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)は、遊技の内容が異なる複数種類の機種における各機種で共通する情報である。
【0153】
このため、遊技機の仕様を変更する場合には、特別プログラムコード・特別プログラムデータを変更する必要がある。一方、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータは、遊技機の仕様を変更する場合であっても、変更する必要がない。
【0154】
特別プログラムコード・特別プログラムデータ(特別情報)には、ベースを算出する処理のうち、遊技状態に基づいてベースを算出するか否かを判定する判定処理、及び、賞球数の値を確認する確認処理のうち少なくとも一方の処理に関する情報が含まれている。判定処理又は確認処理のいずれかは、非特別プログラムコード・非特別プログラムデータ(非特別情報)としてもよい。
【0155】
本実施形態では、主制御CPU72の性能上、同一の命令(プログラムコード)を使用する場合であっても、使用領域で使用する場合と、領域外で使用する場合とで処理速度が異なることがある。例えば、使用領域ではLDQ命令(特殊ロード命令)を使用する場合、処理速度は速くなるが、領域外でLDQ命令を使用する場合、処理速度は速くならない。このため、領域外では処理速度が遅いLD命令(通常ロード命令)を使わざるを得ない。この理由は、LDQ命令を領域外で使用する場合、スタックポインタ、Qレジスタの退避、再設定、復帰処理を追加する必要があるため、処理速度がかえって遅くなってしまうからである。
このため、本実施形態では、領域外に関する処理を実行する場合よりも、使用領域に関する処理を実行する場合の方が処理速度が速い。
【0156】
主制御CPU72は、使用領域(第1領域)に格納されているプログラムコード・プログラムデータを用いることにより(実行することにより)、遊技の実行に必要となる使用領域の処理(第1処理)を実行することができる(第1処理実行手段)。
【0157】
また、主制御CPU72は、領域外(第2領域)に格納されているプログラムコード・プログラムデータを用いることにより(実行することにより)、遊技の実行に必要とならない領域外の処理(第2処理)を実行することができる(第2処理実行手段)。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
【0158】
図8は、設定値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/199」である。
【0159】
設定値が「1」~「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/32」である。」
(ウ) 「【0278】
ステップS145:主制御CPU72は、性能表示モニタ集計除算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。この処理では、主制御CPU72は、性能表示モニタ200に表示するベースを算出する処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、除算タスクを利用することにより、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出する(ベース算出手段)。なお、処理の詳細は、後述する。
(中略)
【0332】
ステップS215:主制御CPU72は、試験信号管理処理を実行する。この処理は、領域外の処理とすることができる。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。」
(エ) 「【0647】
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当りの種類が「15ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「15ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当りの種類が「3ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、サブコマンド送信処理において演出制御装置124に送信される。」
(オ) 「【0787】
ステップS633:主制御CPU72は、遊技状態が特定の遊技状態であるか否かを確認する。特定の遊技状態であるか否かを判断している理由は、特定の遊技状態では、ベースの計算の基礎となる発射球数A及び獲得球数をカウントしないためである。
【0788】
ここで、特定の遊技状態には、(1)大当り中、(2)時短中、(3)右打ち指示中のうち少なくとも1つの状態を含ませることができる。また、「(3)右打ち指示中」を含ませている理由は、特定の遊技状態に「小当りラッシュ状態中(第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回しを採用しつつ、第2特別図柄の変動により小当りが頻繁に発生する状態中、つまり、高確率非時間短縮状態)」を含ませ、「潜伏確変中(高確率非時間短縮状態中)」を含ませないためである。
続きを表示(全35行)
【0789】
その結果、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS634を実行する。一方、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS635を実行する。
【0790】
ステップS634:主制御CPU72は、発射球数A(通常アウト加算数)に「0」を設定し、獲得球数(通常賞球加算数)に「0」を設定する処理を実行する。そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図22)に復帰する。
【0791】
ステップS635:主制御CPU72は、発射球数B(総アウト加算数)の値を、発射球数A(通常アウト加算数)にコピー(代入)する処理を実行する。
【0792】
ステップS636:主制御CPU72は、入賞口へ入賞した遊技球による賞球数の合計を、獲得球数(通常賞球加算数)に設定する処理を実行する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は使用領域に格納されている賞球数データに基づいて決定する。賞球対象のスイッチ及び賞球数は機種によって異なることがあるため、本処理は、機種に依存する処理である。
ここで、大入賞口については、大当り中がベースの計算から除外されているため、賞球数を算定する必要はないが、通常時の小当り中の賞球数をベースに含めたい場合には、大入賞口についても賞球数を算定することができる。
【0793】
なお、「獲得球数」、「発射球数A」及び「発射球数B」は、いずれもRAM76の使用領域に格納されている変数である。
そして、この処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図22)に復帰する。
(中略)
【0798】
図65は、性能表示モニタ制御処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
(中略)
【0805】
ステップS644:主制御CPU72は、球数加算処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、使用領域の処理として実行される「加算数算定処理」で算定した発射球数A(通常アウト加算数)、発射球数B(総アウト加算数)及び獲得球数(通常賞球加算数)を、RAM76の領域外に配置されている各種カウンタに加算する処理を実行する。
【0806】
具体的には、主制御CPU72は、通常アウト数(通常アウトカウンタ)に発射球数A(通常アウト加算数)を加算する処理、総アウト数(総アウトカウンタ)に発射球数B(総アウト加算数)を加算する処理、通常賞球数(通常賞球数カウンタ)に獲得球数(通常賞球加算数)を加算する処理等を実行する。なお、処理の詳細は、後述する。
【0807】
ステップS646:主制御CPU72は、性能表示モニタ表示処理を実行する。この処理は、領域外の処理である。具体的には、主制御CPU72は、性能表示モニタ200の点滅、表示内容変更、表示データの設定を行う。表示内容は、例えば、「0.3秒点灯、0.3秒点灯又は消灯(点滅時)」を8回繰り返すと(合計4.8秒が経過すると)、変更される。切り替える内容は、「現在計測中のベース」と「前回の6万発分の区間のベース」である。
【0808】
そして、8回目の「点灯又は消灯」となるタイミング(表示開始から4.5秒経過時点)で、除算タスク(除算処理)の開始を設定する。以後、メインループ処理から呼び出される性能表示モニタ集計除算処理を通じて除算タスクが実行される。除算タスクでの計算は、遅くとも表示内容が変更となるタイミング(表示開始から4.8秒後、除算タスク開始から0.3秒後)には終了する処理となる。
【0809】
また、この処理において、主制御CPU72は、ベースの値に基づいて、性能表示モニタ200に含まれるLEDを点灯制御するためのコモン出力用データを生成する処理を実行する。
【0810】
例えば、「現在の区間のベースが30%」である場合、主制御CPU72は、コモン0,1バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「bL.」に対応するデータをセットし、コモン2,3バッファにコモン出力用データ(表示データ)として「30」に対応するデータをセットする処理を実行する。
【0811】
ステップS648:主制御CPU72は、スタックポインタ及び全レジスタを復帰する処理を実行する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、タイマ割込み処理(図22)に復帰する。」

(カ) 【図7】

「
[図:0001398056000001.jpg]
」

(キ) 【図63】

「
[図:0001398056000002.jpg]
」

イ 先願発明1

前記アの記載事項を総合すると、先願1には、以下の発明(以下「先願発明1」という。)が記載されていると認められる(符号a~lは、本件補正発明の分説A~Lに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。

(先願発明1)

「a 遊技領域8aに向けて遊技球を発射することができるパチンコ機1において(【0036】、【0040】)、
c 遊技の進行(内容)を制御する機能を有した主制御装置70を備え(【0081】)、主制御装置70(主制御CPU72)、すなわち主制御CPU72は、設定(特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える設定変更装置300を動作させ(【0083】)、
b、d、h 主制御CPU72は、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等)を表す各種の試験信号を生成して、これらをポート出力要求バッファに格納し、外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができるようにする、試験信号管理処理を実行し(【0332】)、
e、f、g 主制御CPU72は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出し(【0278】)、性能表示モニタ200は、ベースを表示し、また、設定の値(設定値)を表示し(【0047】)、ベースの計算の基礎となる発射球数A及び獲得球数を、大当り中、時短中、右打ち指示中のうち少なくとも1つの状態を含む特定の遊技状態ではカウントしないために、主制御CPU72は、遊技状態が特定の遊技状態であるか否かを確認し(【0787】、【0788】)、遊技状態が特定の遊技状態であることを確認できない場合に(【0789】)、発射球数A、獲得球数の処理を実行することとし(【0791】、【0792】)、
i、j1、k 使用領域のプログラムコードは、遊技の進行を制御するためのもので、遊技の実行に必要となる第1情報であり、使用領域のプログラムデータは、遊技の実行に必要となる第1情報であり、領域外のプログラムコード・プログラムデータは、遊技機規則で定める試験を行うための処理に関するもので、遊技の実行に必要とならない第2情報であり、ROM74及びRAM76(記憶手段)は、遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)を格納可能な使用領域(第1領域)、及び、遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)を格納可能な領域外(第2領域)を有し(【0137】、【0140】、【0142】、【0147】)、使用領域では処理速度が速くなるLDQ命令を使用し、領域外でLDQ命令を使用する場合、処理速度は速くならないため、領域外では処理速度が遅いLD命令を使い(【0155】)、
l パチンコ機1(【0036】)。」

(3) 周知技術

ア 周知例1

日本遊技機工業組合が、先願1の出願日前である2017年10月5日に組合員へ配付した「設定を搭載したぱちんこ遊技機の電源投入時動作(案)」(以下「周知例1」という。)には、次の(ア)~(イ)が開示されている。

(ア) 第1ページの「<前回の電源断が通常遊技中の場合、且つ復旧時にRWMが正常>」の表

「
[図:0001398056000003.jpg]
」

(イ) 第2ページの「<前回の電源断が設定変更中の場合、且つ復旧時にRWMが正常>」の「(パターン2)」の表

「
[図:0001398056000004.jpg]
」

前記(ア)の表には、「前回の電源断が通常遊技中の場合、且つ復旧時にRWMが正常」で、電源投入時に「設定キー」が「OFF」又は「RWMクリアスイッチ」が「OFF」であるときに、「モニタは性能表示」することが開示されており、また、上記(イ)の表には、「前回の電源断が設定変更中の場合、且つ復旧時にRWMが正常」で、電源投入時に「設定キー」が「OFF」又は「RWMクリアスイッチ」が「OFF」であるときに、「モニタはエラーコードを表示」することが開示されている。そして、上記した「「前回の電源断が設定変更中の場合、且つ復旧時にRWMが正常」で、電源投入時に「設定キー」が「OFF」又は「RWMクリアスイッチ」が「OFF」であるとき」は、「設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合」と言い換えることができるから、周知例1には「モニタが、性能表示を行うとともに、設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合に、エラーコードの表示を行う」技術が開示されていると認められる。

イ 周知技術1

上記したように、周知例1は、先願1の出願日前である2017年10月5日に組合員に配付されているから、周知例1に開示された「モニタが性能表示とエラーコードの表示を行う」技術は、先願1の出願日前における、遊技機分野の周知技術である(以下「周知技術1」という。)。

(4) 技術常識

「LDQ命令」が、特定領域に格納される予め設定された上位アドレスと、指定された下位アドレスにより、アドレスを特定するものであることは、先願1の出願日前の、遊技機を含めた電子機器分野における信号処理の技術常識であると認められ(以下「技術常識1」という。)、例えば、特開2014-100484号公報の【0028】、特開2017-23850号公報の【0293】等にも記載されるとおりである。

(5) 対比

ア 構成A、構成Lについて

先願発明1の構成aにおける「遊技領域8a」、「遊技球」、「発射することができる」、「パチンコ機1」は、それぞれ、本件補正発明の構成A又は構成Lの「遊技領域」、「遊技媒体」、「発射可能な」、「遊技機」に相当する。

そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成A、構成Lを備えたものである。

イ 構成B、構成Dについて

先願発明1の構成b、d、hにおいて、「ポート出力要求バッファに格納し、外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができるよう」にした「各種の試験信号」は、本件補正発明の構成Dの「遊技機外部に対して出力するため」の「試験信号」に相当し、また、先願発明1の「主制御CPU72」が、上記「各種の試験信号」(試験信号)を「生成する」ために、本件補正発明の構成Dの「信号生成手段」の機能を有することは明らかであるから、先願発明1は、本件補正発明の構成Dを備えたものであるといえる。

次に、先願発明1の構成b、d、hにおいて、「主制御CPU72」が、「内部状態を試験する」ための「各種の試験信号」(試験信号)を「生成」するにあたって、「内部状態」として「普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等」が例示されるところ、「大当り中」が例示に含まれることからみて、先願発明1が、少なくとも「大当り中」でない内部状態、すなわち、本件補正発明の構成Bの「通常状態」に相当する内部状態を備えることは明らかであり、当該内部状態と上記「大当り中」とを合わせた、本件補正発明の構成Bの「通常状態を含む複数種類の遊技状態」に相当する遊技状態を、先願発明1は備えていることになる。また、当該「通常状態を含む複数種類の遊技状態」に制御するために、先願発明1の「主制御CPU72」が、本件補正発明の構成Bの「状態制御手段」の機能を有することは明らかである。そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Bを備えたものであるといえる。

ウ 構成Cについて

先願発明1の構成cにおける「遊技の進行(内容)を制御する機能を有し」た「主制御装置70」は、本件補正発明の「遊技の進行を制御可能」である「遊技制御手段」に相当する。

また、先願発明1の構成cにおいて、「主制御装置70(主制御CPU72)、すなわち主制御CPU72」(遊技制御手段)が「設定(特別図柄抽選の当選確率に関する設定)を切り替える設定変更装置30を動作させ」ることは、本件補正発明において、「遊技制御手段」が「遊技者にとって有利な遊技状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能」であることに相当する。

上記「主制御装置70」(遊技制御手段)の「遊技の進行(内容)」(遊技の進行)の制御について検討する。前記イで述べたように、先願発明1の「主制御CPU72」が「内部状態を試験する」ための「各種の試験信号」(試験信号)を「生成」するにあたって、「内部状態」として「普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、発射位置指定状態、大当り中、小当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中等」が例示されるところ、ここで、いかなる「内部状態」とするかを決定する基となる「情報」が存在することは明らかであり、当該「情報」は、それを基に決定される「内部状態」の上記の例示から見て、本件補正発明の「遊技の進行状況を示す所定情報」に相当するといえる。そして、上記「遊技の進行(内容)」(遊技の進行)の制御が、その時点の「内部状態」を反映することは技術常識であるから、上記「遊技の進行(内容)」(遊技の進行)の制御は、「内部状態」を決定する基となる当該「情報」(遊技の進行状況を示す所定情報)に「基づ」いて行われるということができる。

そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Cを備えたものであるといえる。

エ 構成E、構成F、構成Gについて

先願発明1の構成e、f、gにおいて、「遊技球」(遊技媒体)が「各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球する」こと、「賞球」が「払い出される」ことは、それぞれ、本件補正発明の構成Eにおける、「入賞」、「遊技媒体」を「付与」することに相当し、また、先願発明1が、「賞球」が「払い出される」こと(遊技媒体の付与)のために、本件補正発明の構成Eの「付与手段」に相当する手段を有することは明らかである。そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Eを備えたものであるといえる。

続いて、先願発明1の構成e、f、gにおいて、「ベース」の「算出」は、「ベースの計算の基礎となる発射球数A及び獲得球数を、大当り中、時短中、右打ち指示中のうち少なくとも1つの状態を含む特定の遊技状態ではカウントしないために、主制御CPU72は、遊技状態が特定の遊技状態であるか否かを確認し」、「遊技状態が特定の遊技状態であることを確認できない場合」に、「発射球数A、獲得球数の処理を実行することとし」ているのであるから、上記「特定の遊技状態であることを確認できない場合」、すなわち、前記イにおける検討を踏まえると、「通常状態」において行われるものであるということができる。そして、先願発明1で、「遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチで検出された遊技球の数)で除算することによりベースを算出」することは、前段及び前記アにおける検討を踏まえると、本件補正発明の構成Fの「遊技領域に発射された遊技媒体数に対する」「付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する」ことに相当し、また、ベースの算出を行う「主制御CPU72」が、本件補正発明の構成Fの「算出手段」としての機能を有することも明らかである。そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Fを備えたものであるといえる。

次に、先願発明1の構成e、f、gにおける「性能表示モニタ200」は、「ベースを表示」するものであるから、前段における検討を踏まえると、本件補正発明の構成Gの「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能」な「表示手段」に相当し、先願発明1は、本件補正発明の構成Gのうち、「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能な表示手段」を備えたものであるといえる。そして、当該「性能表示モニタ200」(表示手段)には、「ベース」以外に「設定の値(設定値)」も表示されるから、「前記特定情報ではない情報」も「表示可能」であるといえる。

オ 構成Hについて

前記ウで検討した、いかなる「内部状態」とするかを決定する基になる「情報」(遊技の進行状況を示す所定情報)が、前記エで検討した「主制御CPU72」(算出手段)が「ベースを算出」(特定情報を算出)するのに「用い」る遊技状態の情報と相反すること(例えば、一方の情報に基づくと「大当り中」だが、他方の情報に基づくと「大当り中」でない等)は考えられず、両者が同じもの若しくは同じ情報に基づくものであることは明らかである。また、同じく前記エの検討を踏まえると、「ベース」(特定情報)の「算出」は、「通常状態」において行われるものである。

そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Hを備えたものであるといえる。

カ 構成I、構成J1~J3、構成Kについて

先願発明1の構成i、j1、kにおける、「遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)」が「格納可能」な「使用領域(第1領域)」で使用する「LDQ命令」は、本件補正発明の構成Iの、「遊技制御手段」が実行する「特定の制御命令」に相当する。そうすると、先願発明1は、本件補正発明の構成Iを備えたものである。

そして、前記(4)で「技術常識1」として説明したように、「LDQ命令」が、「特定領域に格納される予め設定された上位アドレスと、指定された下位アドレスにより、アドレスを特定するものである」ことは、先願1の出願日前の、遊技機を含めた電子機器分野における信号処理の技術常識であり、当該技術常識を踏まえると、先願発明1の「LDQ命令」(特定の制御命令)が、本件補正発明の構成J2及び構成J3で特定された事項を備えたものであることは明らかである。

次に、先願発明1の構成i、j1、kでは、「領域外のプログラムコード・プログラムデータは、遊技機規則で定める試験を行うための処理に関するもので、遊技の実行に必要とならない第2情報であ」って、「領域外では処理速度が遅いLD命令を使い」とされ、「使用領域で・・・LDQ命令を使用」することと区別されている。言い換えると、先願発明1は、「遊技機規則で定める試験を行うための処理」、すなわち本件補正発明の構成J1における「試験信号を生成する」ときには、「LDQ命令」(特定の制御命令)とは異なる「LD命令」を実行するものであるから、先願発明1は本件補正発明の構成J1を備えているといえる。

続いて、先願発明1の構成i、j1、kで、「遊技の実行に必要とならないプログラムコード・プログラムデータ(第2情報)を格納可能な領域外(第2領域)」は、「遊技の実行に必要となるプログラムコード・プログラムデータ(第1情報)を格納可能な使用領域(第1領域)」と区別されていることから、前段における検討を踏まえると、先願発明1は、本件補正発明の構成J3の「試験信号が生成される際に実行されるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかは、前記特定領域とは異なる」「領域に格納される」構成を備えているといえる。

キ 一致点・相違点

前記ア~カより、先願発明1と本件補正発明との一致点、相違点は以下のとおりである。

<一致点>

「A 遊技媒体を遊技領域に発射可能な遊技機において、
B 通常状態を含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
C 遊技の進行状況を示す所定情報に基づき遊技の進行を制御可能であって、遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能な遊技制御手段と、
D 前記遊技機外部に対して出力するための試験信号を生成する信号生成手段と、
続きを表示(全14行)
E 遊技媒体の入賞に基づいて遊技媒体を付与する付与手段と、
F 前記通常状態における、前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する算出手段と、
G’ 前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能な表示手段と、を備え、
H 前記算出手段は、前記所定情報を用いて前記通常状態を特定可能であり、
I 前記遊技制御手段は、特定の制御命令を含む制御命令を実行可能であり、
J1 前記信号生成手段は、試験信号を生成するときに、前記特定の制御命令は実行せず、
J2 前記特定の制御命令は、予め設定された上位アドレスおよび指定された下位アドレスによりアドレスを特定して、当該アドレスに対応した処理を行う命令であり、
J3 前記上位アドレスには、前記遊技制御手段によって制御される前記遊技の進行に係わるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかが格納されている特定領域を示す特定値が設定され、
K 前記信号生成手段によって前記試験信号が生成される際に実行されるプログラムおよび当該プログラムに用いられるデータのいずれかは、前記特定領域とは異なる非特定領域に格納されている、
L 遊技機。」

<相違点> (構成G)

本件補正発明は、「表示手段」に、「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報」に加えて「前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示」が表示可能であるのに対し、先願発明1は、「表示手段」に、「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報」に加えて「前記特定情報ではない情報」が表示可能ではあるが、当該「前記特定情報ではない情報」には、「前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示」が含まれない点で、一応相違する。

(6) 当審合議体の判断

前記(3)イで周知技術1として挙げたように、「モニタが、性能表示を行うとともに、設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合に、エラーコードの表示を行う」技術は、先願1の出願日前における遊技機分野の周知技術である。

上記周知技術1の「モニタ」は、本件補正発明の「表示手段」に相当し、また、本件補正発明の「当該復旧に対応する表示」が、「前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合」に表示されるものであって、発明の詳細な説明の「電断から復帰しことの報知(エラー報知)」(【0277】)に対応すると認められるから、上記周知技術1の「エラーコードの表示」は、本件補正発明の「当該復旧に対応する表示」に相当するといえる。

そして、先願発明1における「前記特定情報ではない情報」として、上記周知技術1としての「設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合」の「エラーコードの表示」(当該復旧に対応する表示)を加えることは、単なる周知技術の付加に過ぎず、また、当該付加により、新たな効果が奏されるものでもない。

そうすると、本件補正発明と先願発明1とは実質的に同一である。

(7) 請求人の主張について

請求人は審判請求書において、次の主張をしている。

「(3) 拒絶理由について
(中略)
さらに、補正後の本願発明は、遊技者にとって有利な有利状態に制御される確率に関する設定値の設定を行うことが可能な設定状態に制御可能な遊技制御手段(構成B)と、前記通常状態において前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記通常状態において前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合を特定する特定情報を算出する算出手段(構成C)と、前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能であって、前記設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を表示可能な表示手段(構成D)とを備えます。
審査官殿は、令和4年4月20日付起案の補正の却下の決定において、先願1(特願2017-236153号)に基づいて、本願発明は、特許法第29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないと判断されています。
先願1には、設定値バッファには設定値が格納されており、設定変更中に電源断してRAMクリア起動した場合であっても設定変更中の状態を継続させるために、設定値バッファはRAMクリア起動時であってもクリアしない点が記載されている(段落[0183])ものの、先願1には、設定変更中に電源断が発生し、この電源断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を、通常状態におけるベース(遊技球が各入賞口に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数で除算することにより算出されたもの)を表示可能な性能表示モニタ200で表示可能であること(上記構成Dに相当)は記載されていません。
本願発明は、設定状態において電断が発生し、当該電断から復旧した場合に当該復旧に対応する表示を、通常状態において付与手段により付与された遊技媒体数の割合を特定する特定情報を表示する表示手段を用いて行う(上記構成D)ことで、遊技場の店員等が設定状態において新たな設定値を設定(設定変更)しようとしている状態において電断が発生し、当該電断から復旧したような場合に、店員等は設定値の設定状態において発生した電断から復帰したことを認識することができ、これにより設定値の再確認・再設定を促すことができます。さらに、特定情報を表示する表示手段を活用して復旧に対応する表示を行わせることで、復旧に対応する表示を行わせるための表示手段を新たに設ける必要がないため、部材共通化により遊技機の機器コストを低減させることができます。これらの効果は、上記構成Dを備えない先願1に記載の発明から奏することはありません。
以上のことから、本願発明は、先願1に記載された発明と実質的に同一ではなく、特許法第29条の2の規定に基づき、特許出願の際独立して特許を受けることができないものではないものと思料致します。
(後略)」

しかし、「モニタが、性能表示を行うとともに、設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合に、エラーコードの表示を行う」技術が、先願1の出願日前における遊技機分野の周知技術(周知技術1)であって、先願発明1における「前記特定情報ではない情報」として、上記周知技術1としての「設定変更中に電断が発生し、当該電断から復旧した場合」の「エラーコードの表示」(当該復旧に対応する表示)を加えることが、単なる周知技術の付加に過ぎないことは、前記(6)で述べたとおりである。

よって、請求人の主張を採用することはできない。

(8) まとめ

以上のとおり、本件補正発明は、先願発明1と同一の発明である。

また、本件出願の発明者が先願1の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願1の出願人とが同一でもない。

よって、本件補正発明は、特許法29条の2の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 補正の却下の決定についてのむすび

したがって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は前記第2のとおり却下されたので、この出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年5月7日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1の記載は次のとおりである(記号AA~LLは、分説のため当審合議体が付した。以下、AA等を付した事項を「構成AA」等という。)。

(本願発明)

「【請求項1】
AA 遊技媒体を遊技領域に発射可能な遊技機において、
BB 通常状態を含む複数種類の遊技状態のうちのいずれかに制御可能な状態制御手段と、
CC 遊技の進行状況を示す所定情報に基づき遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、
続きを表示(全12行)
DD 前記遊技機外部に対して出力するための試験信号を生成する信号生成手段と、
EE 遊技媒体の入賞に基づいて遊技媒体を付与する付与手段と、
FF 前記通常状態における、前記遊技領域に発射された遊技媒体数に対する、前記付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する算出手段と、
GG 前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能な表示手段と、を備え、
HH 前記算出手段は、前記所定情報を用いて前記通常状態を特定可能であり、
II 前記遊技制御手段は、特定の制御命令を含む制御命令を実行可能であり、
JJ1 前記信号生成手段は、試験信号を生成するときに、前記特定の制御命令は実行しない、
LL 遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要

原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。

1.(拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法29条の2の規定により、特許を受けることができない。

2.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。

3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(拡大先願)について

・請求項1

・引用文献等1

●理由2(新規性)、理由3(進歩性)について

・請求項1

・引用文献等2

●理由3(進歩性)について

・請求項1

・引用文献等2-3

<引用文献等一覧>

1.特願2017-221553号(特開2019-88728号)

2.特開2017-225773号公報

3.特開2016-123464号公報

3 先願2

(1) 先願2の記載事項

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原査定の拒絶の理由に引用文献等1として引用された、本願の出願日前の特許出願であって、本願の出願日後に出願公開された特願2017-221553(特開2019-88728)(出願日:平成29年11月17日、出願公開日:令和1年6月13日、出願人:サミー株式会社、発明者:山本和典 外3名)(以下「先願2」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願2明細書等」という。)には、「遊技機」(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同じ。)。

ア 「【0043】
次に、図3を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口A10(第2主遊技始動口B10)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御基板Mと、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置SG上での各種演出に係る表示制御等を行う演出制御手段(サブメイン制御部)SMと、主に演出表示を実行するサブサブ制御部SSと、所定のエラー発生時に点灯してエラー発生を報知するエラーランプSS3と、賞球タンクKT、賞球レールKR及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンクKTから供給される遊技球を上球皿D20へ払い出す賞球払出ユニットKE10等を備える賞球払出装置(セット基盤)KEと、賞球払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、払出に係るエラーの発生状況を表示(例えば、7セグ表示)するエラー表示器KH3と、所定のエラーを解除するためのエラー解除スイッチKH3aと、上球皿D20の遊技球(貯留球)を遊技領域D30へ1球ずつ発射する発射装置D42と、発射装置D42の発射動作を制御する発射制御基板D40と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源供給ユニットEと、ぱちんこ遊技機の電源をオン・オフするスイッチである電源スイッチEa等が、前枠ユニットD14裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
(中略)
【0051】
次に、同図下段の、遊技球の流路イメージ図を参照し、遊技に供される遊技球の流路について説明する。本実施形態における遊技機においては、遊技領域D30内に発射された遊技球は、各入球口{第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口P10、アウト口C80}のいずれかに入球し、各入球口に対応する入球センサを通過して遊技機内(遊技機枠D内)に誘導される。ここで、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球については、不正検出の為に設けられた第1主遊技始動口確認センサA11s2を通過する。その後、遊技機内に誘導されたすべての遊技球は、総排出確認センサC90sを通過して遊技機外に排出されることとなるのである。尚、本例では特に図示していないが、入球確認用のスイッチ{各入球口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口)に入球した遊技球が通過するスイッチであって、各入球口への入球を検出するためのスイッチとは異なる一又は複数のスイッチ}を有しているものとする。
(中略)
【0053】
まず、主制御基板Mは、遊技用の情報の取得を制御する遊技用情報制御手段MJと、遊技の内容を決定するための遊技内容決定手段MNと、特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る遊技進行手段MPと、遊技状態等に係る情報を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段MBと、遊技機が検知したエラーや不正行為に関する処理を司る不正検知情報管理手段ME(及び、エラー検知や不正検知に係る情報を一時記憶するための不正関連情報一時記憶手段MEb)と、各種入球口への入球状況を計測する、又は、各種入球口への入球状況に係る表示を実行する処理を司るメンテナンスモード制御手段MOと、遊技周辺機器側(特に、サブメイン制御部SM側)に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、16R大当り、8R大当り、4R大当り、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}を送信するための情報送信制御手段MT(及び未送信コマンドを蓄積するコマンド送信用バッファMT10)と、遊技に係る情報を、外部中継端子板Gを介してホールコンピュータHCに出力する外部信号出力制御手段MGと、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御基板KHを制御する賞球払出決定手段MHと、を有している。」
イ 「【0072】
次に、遊技状態一時記憶手段MBは、第1主遊技(第1主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)及び第2主遊技(第2主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cと、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hと、特別遊技における現在の遊技状態(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数、特別遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bと、特定遊技における現在の遊技状態(例えば、時短の残り回数、特定遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bと、を有している。」
ウ 「【0094】
次に、図8は、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、同図(a)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源投入後、初期設定を行った後(不図示であるが、レジスタの初期化や入出力ポートの設定等を行う)、ステップ1002で、主制御基板Mは、RAMクリアボタンの入力ポートを確認し、電源供給ユニットEのリセットボタン(RAMクリアボタン)が操作されたか否か、即ち、遊技場の管理者等によって意図的にRAMの内容をクリアさせる操作が行われたか否かを判定する。ステップ1002でYesの場合、ステップ1004で、主制御基板Mは、主制御基板M側のRAM内容(例えば、遊技状態一時記憶手段MB内の情報等)を全てクリアする。次に、ステップ1006で、情報送信制御手段MTは、主制御基板MのRAMをクリアしたことを示すラムクリア情報(コマンド)をサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。他方、ステップ1002でNoの場合は、ステップ1012で、主制御基板Mは、主制御基板MにおけるRAM内に記憶(バックアップ)されている電断時の各種情報コマンドを取得し、ステップ1014で、取得した各種情報コマンドをサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。次に、ステップ1016で、主制御基板Mは、同図(b)によって示される主制御基板M側のメイン処理に係る実行定時割り込み(例えば、約1.5ms毎のハードウエア割り込みを契機とするが、本例では、当該割り込み周期をTとする)を許可し{その結果、当該実行定時割り込みタイミング到達時には、同図(b)が実行されることとなる}、ステップ1018の処理に移行する。尚、ステップ1018後は、次の定時割り込みタイミングに到達するまで、主制御基板Mは、各種乱数更新処理(例えば、乱数カウンタのインクリメント処理)を繰り返し実行することとなる。」
エ 「【0149】
次に、図23は、図21におけるステップ1450のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリアを参照し、主遊技確変フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値を参照し、当該カウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップ1454でYesの場合、ステップ1456で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cのカウンタ値を1減算(デクリメント)する。次に、ステップ1458で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値を参照し、当該カウンタ値(残り時短回数)が0であるか否かを判定する。ステップ1458でYesの場合、ステップ1460及びステップ1462で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技時短フラグ及び補助遊技時短フラグをオフにし、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。尚、ステップ1452、ステップ1454又はステップ1458でNoの場合にも、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
【0150】
次に、図24は、図8におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、役物連続作動装置作動フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1503で、条件判定手段MP31は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1503でYesの場合、ステップ1504で、特別遊技制御手段MP30は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)をオフにする。次に、ステップ1508で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値をクリアして、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。尚、ステップ1502又はステップ1503でNoの場合にも、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。」
オ 「【0240】
(第2実施形態)
尚、本実施形態においては、主遊技始動口と一般入賞口との入球比率により、遊技釘の向き(遊技釘の状態)が正常であるか否かを判定可能に構成したが、遊技釘の状態が正常であるか否かを判定する態様はこれには限定されない。そこで、本実施形態とは異なる遊技釘の状態を判定する構成を、第2実施形態とし、以下、本実施形態との相違点についてのみ、詳述する。
【0241】
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次に、図53は、第2実施形態に係る、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ2250(第2)及びステップ2300(第2)であり、即ち、ステップ1600で前述した特別遊技制御処理を実行した後、ステップ2250(第2)で、主制御基板Mは、後述するベース判定処理を実行する。次に、ステップ2300(第2)で、主制御基板Mは、後述するメンテナンスモード実行処理を実行し、ステップ1900に移行する。
【0242】
次に、図54は、第2実施形態における図9のステップ2500のサブルーチンに係る、排出球検出処理のフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ2509‐1(第2)~ステップ2509‐3(第2)であり、即ち、ステップ2508で、総排出球確認手段MJ11‐C90は、総排出確認数カウンタMJ11c‐90のカウンタ値に1を加算(インクリメント)する。次に、ステップ2509‐1(第2)で、総排出球確認手段MJ11‐C90は、現在の遊技状態が非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であるか否かを判定する。ステップ2509‐1(第2)でYesの場合、ステップ2509‐2(第2)で、総排出球確認手段MJ11‐C90は、現在特別遊技の実行中ではない(条件装置作動フラグがオフである)か否かを判定する。ステップ2509‐2(第2)でYesの場合、ステップ2509‐3(第2)で、総排出球確認手段MJ11‐C90は、通常時総排出確認数カウンタMJ11c‐C91{非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であり、且つ、特別遊技の実行中でない(条件装置作動フラグがオフである)場合に、総排出確認センサC90sが検出した遊技球数を計測するカウンタ}のカウンタ値に1を加算(インクリメント)し、次の処理(ステップ2600の処理)に移行する。尚、ステップ2509(第2)又はステップ2509‐2(第2)でNoの場合にも、次の処理(ステップ2600の処理)に移行する。このように、第2実施形態においては、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であって、且つ、特別遊技の実行中でない(条件装置作動フラグがオフである)場合に、総排出確認センサC90sが遊技球の入球を検出すると通常時排出確認数カウンタ値に1を加算するよう構成されている。
【0243】
次に、図55は、第2実施形態における図9のステップ2700のサブルーチンに係る、賞球数決定処理のフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ2706‐1(第2)~ステップ2706‐3(第2)、ステップ2716‐1(第2)~ステップ2716‐3(第2)、及び、ステップ2736‐1(第2)~ステップ2736‐3(第2)についてであり、即ち、ステップ2704で、賞球払出決定手段MHは、賞球数カウンタMHcのカウンタ値に、第1主遊技始動口に係る賞球払出数(本例では、3球)を加算する。次に、ステップ2706‐1(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在の遊技状態が非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であるか否かを判定する。ステップ2706‐1(第2)でYesの場合、ステップ2706‐2(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在特別遊技の実行中ではない(条件装置作動フラグがオフである)か否かを判定する。ステップ2706‐2(第2)でYesの場合、ステップ2706‐3(第2)で、賞球払出決定手段MHは、通常時賞球数カウンタMHc‐2(非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であり、且つ、特別遊技の実行中でない(条件装置作動フラグがオフである)場合に払い出される賞球払出数を計測するためのカウンタ)のカウンタ値に第1主遊技始動口に係る賞球払出数(本例では、3球)を加算し、ステップ2708に移行する。尚、ステップ2706‐1(第2)又はステップ2706‐2(第2)でNoの場合にも、ステップ2708に移行する。
【0244】
また、ステップ2714で、賞球払出決定手段MHは、賞球数カウンタMHcのカウンタ値に、第2主遊技始動口に係る賞球払出数(3)を加算する。次に、ステップ2716‐1(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在の遊技状態が非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であるか否かを判定する。ステップ2716‐1(第2)でYesの場合、ステップ2716‐2(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在特別遊技の実行中ではない(条件装置作動フラグがオフである)か否かを判定する。ステップ2716‐2(第2)でYesの場合、ステップ2716‐3(第2)で、賞球払出決定手段MHは、通常時賞球数カウンタMHc‐2のカウンタ値に第2主遊技始動口に係る賞球払出数(本例では、3球)を加算し、ステップ2718に移行する。尚、ステップ2716‐1(第2)又はステップ2716‐2(第2)でNoの場合にも、ステップ2718に移行する。
【0245】
また、ステップ2734で賞球数カウンタ値に一般入賞口に係る賞球払出数(本例では、10球)を加算した後、ステップ2736‐1(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在の遊技状態が非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であるか否かを判定する。ステップ2736‐1(第2)でYesの場合、ステップ2736‐2(第2)で、賞球払出決定手段MHは、現在特別遊技の実行中ではない(条件装置作動フラグがオフである)か否かを判定する。ステップ2736‐2(第2)でYesの場合、ステップ2736‐3(第2)で、賞球払出決定手段MHは、通常時賞球数カウンタMHc‐2のカウンタ値に一般入賞口に係る賞球払出数(本例では、10球)を加算し、ステップ2738に移行する。尚、ステップ2736‐1(第2)又はステップ2736‐2(第2)でNoの場合にも、ステップ2738に移行する。
【0246】
次に、図56は、第2実施形態における図53のステップ2250(第2)のサブルーチンに係る、ベース判定処理のフローチャートである。まず、ステップ2252で、メンテナンスモード制御手段MOは、ベース値として、「通常時賞球数カウンタ値÷通常時総排出確認数カウンタ値×100」を算出する。ここで、ベース値とは、特別遊技に当選していない状況において、発射した遊技球100球に対する、払い出される賞球払出数の期待値であり、即ち、遊技球の発射球数に対する賞球払出数の割合となっている。本実施形態においては、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況に限定してベース値を算出している。また、発射されたすべての遊技球は総排出確認センサC90sを通過するよう構成されているため、「発射されたすべての遊技球=総排出確認数カウンタ値」となり、「非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)であり、且つ、特別遊技の実行中でない(条件装置作動フラグがオフである)場合に発射されたすべての遊技球=通常時総排出確認数カウンタ値」となっている。次に、ステップ2254で、メンテナンスモード制御手段MOは、ステップ2252で算出したベース値を現在のベース値として上書きして、一時記憶し、次の処理{ステップ2300(第2)}に移行する。このように、本実施形態においては、通常時総排出確認数カウンタ値と通常時賞球数カウンタ値とに基づいて、ベース値を算出し、随時更新するよう構成されている。尚、ベース値の算出方法はこれには限定されず、所定の期間が経過した毎に算出するよう構成してもよい(そのような構成例は後述することとなる)。」
カ 「【0280】
次に、内蔵RAMは、主として遊技の進行に基づく情報を格納する領域(使用領域と称することがある)である第1RAM領域と、主としてエラー関連等の遊技の正常な進行とは異なる処理に基づく情報を格納する領域(使用領域外と称することがある)である第2RAM領域と、を有しており、「F000H」から「F189H」までの空間に割り当てられている第1作業領域と、「F1ECH」から「F1FFH」までの空間に割り当てられている第1スタックエリアとを総称して、第1RAM領域としており、「F210H」から「F22EH」までの空間に割り当てられている第2作業領域と、「F3ECH」から「F3FFH」までの空間に割り当てられている第2スタックエリアとを総称して、第2RAM領域としている。尚、第1RAM領域における「F1ECH」から「F1FFH」までの空間には、第1ROM・RAM領域に係るプログラムが内部的にデータを保存しておく必要がある場合使用される第1スタックエリアが割り当てられ、第2RAM領域における「F3ECH」から「F3FFH」までの空間には、第2ROM・RAM領域に係るプログラムが内部的にデータを保存しておく必要がある場合使用される第2スタックエリアが割り当てられている(但し、各領域のバイト数はあくまでも一例である)。尚、第1スタックエリアが第1RAM領域に含まれず、且つ、第2スタックエリアが第2RAM領域に含まれないよう構成してもよく、そのように構成した場合には、例えば、「F000H」から「F189H」までの空間には第1RAM領域が割り当てられ、「F210H」から「F22EH」までの空間には第2RAM領域が割り当てられることとなる。尚、第1RAM領域は、第2RAM領域よりも容量が大きくなるよう構成されている。
【0281】
尚、第1RAM領域には、第1作業領域(使用領域の作業領域と称することがある)が含まれていればよく、第1作業領域の先頭アドレスから第1スタックエリアの最終アドレスまでを第1RAM領域と称してもよい。また、第2RAM領域には、第2作業領域(使用領域外の作業領域と称することがある)が含まれていればよく、第2作業領域の先頭アドレスから第2スタックエリアの最終アドレスまでを第2RAM領域と称してもよい。
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【0282】
尚、内蔵RAM内に複数の未使用領域を備えるよう構成しているが、これらの複数の未使用領域はそれぞれ所定数(例えば、16バイト)以上となるよう構成してもよいし、第1スタックエリアと第2作業領域との間が少なくとも所定数(例えば、16バイト)以上となるよう構成してもよいし、反対に、未使用領域を設けず構成してもよい。
【0283】
次に、図68は、第2実施形態からの変更例3における、主制御基板M側のメインフローチャートである。第2実施形態からの変更点は、ステップ1030(第2変3)~ステップ1032(第2変3)である。
【0284】
<第1ROM・RAM領域における処理>
まず、タイマ割り込み時処理が開始し、第1ROM・RAM領域における処理としてステップ2000~ステップ1600の処理を実行した後、ステップ1030(第2変3)で、主制御基板Mは、第2ROM・RAM領域の処理の呼び出しを実行する。
【0285】
<第2ROM・RAM領域における処理>
次に、ステップ2250(第2)で、主制御基板Mは、前述したベース判定処理を実行する。次に、ステップ2300(第2)で、主制御基板Mは、前述したメンテナンスモード実行処理を実行する。次に、ステップ1032(第2変3)で、主制御基板Mは、第1ROM・RAM領域の呼び出し元に復帰し、以降第1ROM・RAM領域における処理としてステップ1900~ステップ1990を実行することとなる。
【0286】
以上のように構成することで、第2実施形態からの変更例3に係る遊技機によれば、第1ROM領域と第2ROM領域とを設け、且つ、第1RAM領域と第2RAM領域とを設けるよう構成し、ベース値を算出する処理とベース値を表示する処理とを第2ROM・RAM領域における処理にて実行するよう構成することにより、主制御基板Mにおける第1ROM・RAM領域にて使用するデータ容量を削減することができることとなる。」
キ 「【0568】
(第13実施形態)
本実施形態においては、入球に係る情報を入球状態表示装置に表示し得るよう構成すると共に、入球に係る情報の生成・表示等の処理を主制御基板にて実行するよう構成したが、入球に係る情報の生成・表示等の処理に関する構成は本実施形態のものには限定されない。そこで、入球に係る情報の生成・表示等の処理に関する構成として、第13実施形態として詳述する。
【0569】
はじめに、図153は、第13実施形態に係る、ぱちんこ遊技機の背面側における構造を示す図の一例である。第13実施形態においては、第8実施形態と同様に入球状態表示装置J10が主制御基板M上に設けられているが、入球状態表示装置J10の構成は、第8実施形態とは異なり、4桁の8セグメント表示器が横一列に整列されて取り付けられており、総アウト個数による区間情報やベース比率等を表示可能に構成されている。尚、同図における入球状態表示装置J10は、主制御基板Mの遊技機の裏側方向の面に設けられており、遊技場側が所持している鍵で扉ユニットD18を解錠して扉ユニットD18を開放し、扉ユニットD18(遊技盤)の裏面に取り付けられた基板類を確認する必要があるので、遊技者は確認することができないよう構成されている。」
ク 「【0575】
<第2ROM・RAM領域における処理>
ステップ1992‐1(第13)で、主制御基板Mは、スタックポインタの退避並びにスタックエリアの切り替えを行い、第2スタックエリアを使用するための設定を行う。次に、ステップ1992‐2(第13)で、主制御基板Mは、第1ROM・RAM領域における処理で使用したレジスタの値を第2スタックエリアへ退避させる。次に、ステップ1992‐3(第13)で、主制御基板Mは、第1ROM・RAM領域における処理で使用された第1RAM領域やレジスタの値から外部出力するための信号を作成して出力する試験信号出力処理(試験信号については後述する)を実行する。次に、ステップ1992‐4(第13)で、主制御基板Mは、第1ROM・RAM領域における処理で使用された第1RAM領域やレジスタの値を参照して、現在の遊技状態を判別するための第2領域遊技状態検査処理を実行する。次に、ステップ8650(第13)で、主制御基板Mは、SW(スイッチ)集計処理を実行する。次に、ステップ1992‐6(第13)で、主制御基板Mは、第2領域のRAMを参照するために後述するレジスタQに「F2H」をセットするレジスタ設定処理を行う。次に、ステップ8000(第13)で、主制御基板Mは、後述する入球状態表示装置演算処理を実行する。次に、ステップ7000(第13)で、主制御基板Mは、後述する入球状態表示装置表示制御処理を実行する。次に、ステップ1992‐7(第13)で、主制御基板Mは、第1ROM・RAM領域における処理で使用したレジスタの値を第2スタックエリアから復帰する。尚、ステップ1992‐6(第13)でレジスタQの値が「F2H」となっているが、ステップ1992‐2(第13)で全てのレジスタの値が退避されているため、ステップ1992‐7(第13)の処理でレジスタQの値も復帰する(「F0H」がセットされる)。次に、ステップ1992‐8(第13)で、主制御基板Mは、スタックポインタの復帰並びにスタックエリアの切り替え行い、第1スタックエリアを使用するための設定を行う。なお、第1領域のRAMや第1領域の処理で使用したレジスタの値を参照することが多い処理(例えば、試験信号出力処理、第2領域遊技状態検査処理、SW集計処理等)をレジスタQの値を変更する前に配置し、第2領域のRAMや第2領域の処理で使用したレジスタの値を参照することが多い処理(例えば、入球状態表示装置演算処理、入球状態表示装置表示制御処理等)をレジスタQの値を変更した後に配置し、後述するLDQ命令の使用頻度により、処理の簡易迅速化を図ることが可能となっている。」
ケ 「【0580】
次に、図156は、第13実施形態における、試験信号出力処理で出力され得る試験信号の一覧である。各信号についての説明は省略する。試験信号出力処理では、出力する信号データを作成するため、第1ROM・RAM領域における処理で使用された第1RAM領域やレジスタの値を使用する。例えば、第1主遊技図柄高確率状態信号、第1主遊技図柄変動時間短縮状態信号、第2主遊技図柄高確率状態信号、第2主遊技図柄変動時間短縮状態信号、普通図柄高確率状態信号、普通図柄変動時間短縮状態信号、普通電動役物開放延長状態信号、等を出力するために、第1ROM・RAM領域における処理で使用された第1RAM領域やレジスタの値を用いることが例示できる。尚、試験信号とは、型式試験の際に用いられる信号であり、主制御基板Mに設けられた型式試験専用の端子から専用の冶具を用いることで遊技機外部へ出力可能となる信号である。」
コ 「【0625】
ここで、図174は主制御基板Mがケースに収容された状態及び、設定操作部周辺の断面を示したものである。図174に示すように主制御基板Mには、CPUMCが主制御基板Mの右上に設けられ、中央上部には出玉試験等を実施する際にのみ取り付けられる試験端子TSの搭載領域が形成され、主制御基板Mの右下部には既述した入球状態表示装置J10が設けられている。また、主制御基板Mの左上部には設定変更用の操作部並びに設定値表示装置が設けられている。本実施例においては上述のようにCPU、試験端子、入球状態表示装置J10、設定変更用の操作部並びに設定値表示装置が平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置され、また、入球状態表示装置J10と設定値表示装置との誤認を抑止できるように所定以上(例えば30mm以上)の間隔が設けられている。なお、本例においては図174における左側が遊技機枠を開放する際の自由端となっており、設定変更用の操作部並びに設定値表示装置を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示装置J10については遊技機枠を開放する際の回転軸側に配置することで遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用の操作部並びに設定値表示装置を主制御基板の正面視右側(遊技枠の回転軸側)に形成すればよい。ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用の操作部にアクセスできないように設定変更用の操作部に対応する部分に開閉蓋SKCを設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用の操作部が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用の操作部並びに設定値表示装置に関して図174の下図(関連部分の部分断面図)も参照しつつ説明する。」
サ 「
[図:0001398056000005.jpg]
」

(2) 先願発明2

前記(1)の記載事項を総合すると、先願2には、本実施形態等の記載を援用した第13実施形態として、以下の発明(以下「先願発明2」という。)が記載されていると認められる(符号aa~llは、当審合議体が、本願発明で分説AA~LLに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。

「aa 遊技球を遊技領域D30内に発射する遊技機において(【0051】)、

cc 主制御基板Mは、特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る遊技進行手段MPを有し(【0053】)、

dd 主制御基板Mは、外部出力するための信号を作成して出力する試験信号出力処理を実行し(【0575】)、

ee 各入賞口への入賞に応じて遊技球を払い出す賞球払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと(【0043】)、

bb、ff、hh ベース判定処理で、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況に限定して、特別遊技に当選していない状況における遊技球の発射球数に対する賞球払出数の割合であるベース値として、「通常時賞球数カウンタ値÷通常時総排出確認数カウンタ値×100」を算出し(【0246】)、

gg 主制御基板M上に設けられている入球状態表示装置J10は、総アウト個数による区間情報やベース比率等を表示可能に構成され(【0569】)、

ll 遊技機(【0051】)。

4 対比

本願発明と先願発明2を分説に沿って対比する。

(1) 構成AA、構成LLについて

先願発明2の構成aa又は構成llにおける「遊技領域D30」、「遊技球」、「発射」、「遊技機」は、それぞれ、本願発明の構成AA又は構成LLの「遊技領域」、「遊技媒体」、「発射」、「遊技機」に相当する。

そうすると、先願発明2は、本願発明の構成AA、構成LLを備えたものである。

(2) 構成DDについて

先願発明2の構成ddにおいて、「外部出力するための信号を作成して出力する試験信号出力処理を実行」して出力される「信号」は、本願発明の構成DDの「遊技機外部に対して出力するため」に「生成」する「試験信号」に相当し、また、先願発明2の「主制御基板M」が、上記「信号」(試験信号)を「生成」するために、本願発明の構成DDの「信号生成手段」の機能を有することは明らかであるから、先願発明2は、本願発明の構成DDを備えたものであるといえる。

(3) 構成EEについて

先願発明2の構成eeにおける、「入賞」、「遊技球を払い出す」ことは、それぞれ、本願発明の構成EEにおける、「入賞」、「遊技媒体」を「付与」することに相当し、また、先願発明2が、「遊技球を払い出す」こと(遊技媒体の付与)のために、本願発明の構成EEの「付与手段」に相当する手段を有することは明らかである。

そうすると、先願発明2は、本願発明の構成EEを備えたものであるといえる。

(4) 構成BB、構成FFについて

先願発明2の構成bb、ff、hhにおいて、「非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況に限定して、特別遊技に当選していない状況における遊技球の発射球数に対する賞球払出数の割合であるベース値として、「通常時賞球数カウンタ値÷通常時総排出確認数カウンタ値×100」を算出」することは、前記(3)の検討も踏まえると、本願発明の構成FFの「通常状態における」「遊技領域に発射された遊技媒体数に対する」「付与手段により付与された遊技媒体数の割合に関する特定情報を算出する」ことに相当する。そして、当該「算出」のために、先願発明2が、本願発明の構成FFの「算出手段」に相当する手段を有することは明らかである。そうすると、先願発明2は、本願発明の構成FFを備えたものであるといえる。

続いて、先願発明2の構成bb、ff、hhにおける「非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況」(通常状態)が、「確率変動遊技状態」又は「時間短縮遊技状態」の存在を前提としていることは明らかであるから、先願発明2は、本願発明の構成BBの「通常状態を含む複数種類の遊技状態」を備えているといえる。そして、当該「通常状態を含む複数種類の遊技状態」の「制御」のために、先願発明2が、本願発明の構成BBの「状態制御手段」に相当する手段を有することは明らかである。そうすると、先願発明2は、本願発明の構成BBを備えたものであるといえる。

(5) 構成CC、構成HHについて

先願発明2の構成ccにおける「特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る」「遊技進行手段MP」は、本願発明の「遊技の進行を制御可能」である「遊技制御手段」に相当する。

上記「遊技進行手段MP」(遊技制御手段)の「遊技の進行」(遊技の進行)について検討する。前記(4)で述べたように、先願発明2の、「ベース値」を「算出」する「限定」された「状況」として、「非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況」(通常状態)が示されるところ、ここで、いかなる遊技状態とするかを決定する基となる「情報」が存在することは明らかであり、当該「情報」は、上で示された遊技状態の種類から見て、本願発明の「遊技の進行状況を示す所定情報」に相当するといえる。そして、上記「遊技の進行」(遊技の進行)が、その時点の遊技状態を反映することは技術常識であるから、上記「遊技の進行」(遊技の進行)は、遊技状態を決定する基となる当該「情報」(遊技の進行状況を示す所定情報)に「基づ」いて行われるものであるということができる。そうすると、先願発明2は、本願発明の構成CCを備えたものであるといえる。

そして、このとき、「非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態(主遊技確変フラグがオフ且つ主遊技時短フラグがオフ)である状況」(通常状態)の特定に、いかなる遊技状態とするかを決定する基となる当該「情報」(遊技の進行状況を示す所定情報)を「用いて」いることは明らかであるから、先願発明2は、本願発明の構成HHを備えたものであるといえる。

(6) 構成GGについて

先願発明2の構成ggにおける「入球状態表示装置J10」は、「ベース比率等を表示可能」であるから、前記(4)における検討を踏まえると、本願発明の構成GGの「前記算出手段により算出された、前記通常状態における前記特定情報を表示可能」な「表示手段」に相当し、先願発明2は、本願発明の構成GGを備えたものであるといえる。

(7) 構成II、構成JJ1について

試験信号を生成する信号生成手段が、試験には関係のない、遊技の進行にのみ用いる何らかの制御命令(特定の制御命令)を実行することがないことは当然の技術事項であり、先願発明2は、本願発明の構成II及びJJ1を備えたものであるといえる。

5 当審合議体の判断

前記4からみて、本願発明と先願発明2とは相違するところがない。

6 まとめ

以上のとおり、本願発明は、先願発明2と同一の発明である。

また、本件出願の発明者が先願2の発明者と同一ではなく、また本件の出願の時に、本件の出願人と先願2の出願人とが同一でもない。

よって、本願発明は、特許法29条の2の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法29条の2の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-012220

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