2022-009992
検体検査装置および液面検出センサ
- 審判番号
- 2022-009992
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-232385外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月29日
- 審決日
- 2023年01月30日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本光電工業株式会社
- 【請求人代理人】八田国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-Z (G01F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 手続の経緯
本願は、平成29年12月4日の特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
同年 3月18日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月29日 :原査定の謄本の送達)
同年 6月29日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~15に係る発明は、令和4年1月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次に特定されるとおりである。
「 【請求項1】光を照射する発光部と、前記発光部が照射した前記光を反射する第1の面と、前記第1の面で反射した前記光の光路内で液体を流通させる流路と、続きを表示(全13行)前記流路を透過した前記光を反射する第2の面と、前記第2の面で反射した前記光を受光する受光部と、を有し、前記発光部および前記受光部は基板に配置され、前記第1の面、前記流路および前記第2の面は光路部材に一体的に形成され、前記光路部材と前記基板の間には空間が形成され、前記光路部材には前記第2の面で反射した前記光を集光する集光レンズが備えられ、前記集光レンズで集光された光が受光部へと入射し、前記基板は前記光路部材が形成された筐体に取り付けられ、前記基板には、前記基板を前記筐体に取り付けるための第1の位置決め穴と、第2の位置決め穴が形成され、第1の位置決め穴と、第2の位置決め穴との距離は、前記発光部と前記受光部との距離よりも長いものとなる、検体検査装置。」
第3 原査定の概要
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由は、次のとおりである。
理由2(進歩性欠如)
本願発明は、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
第4 当審の判断
1 引用文献等
(1) 引用文献1
ア 引用文献1の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1(米国特許第5828458号明細書)には、次の事項が記載されている。
なお、日本語訳は合議体による。下線は当審において付した。以下同様である。
(ア) 3欄28~45行
「Referring first to FIG. 1, a turbidity sensor 10 senses the turbidity of a fluid flowing along a flow path 12, from a fluid source 14, such as a pump, to an outlet 16. A test cell 18 along the path 12 includes a light source 20, preferably an LED 21, and at least one detector 22, preferably comprising at least one photodiode 24. The photodiode 24 provides a light intensity output in the form of a current signal that can be converted by an operational amplifier to a voltage signal whose level is related to the light intensity received and inversely related to turbidity. In the preferred embodiment, the detector 22 also includes additional features to provide outputs that refine the sensor output for improving the output responses' correspondence to the turbidity level of the fluid in the flow path 12. The output responses are stored, preferably in RAM or in an EEPROM, or used, for example, in a control process to compare a reference fluid response with a response for a measured level of turbidity.」
<日本語訳>
「最初に図1を参照すると、濁度センサ10は、ポンプなどの流体源14から出口16まで流路12に沿って流れる流体の濁度を感知する。経路12に沿った試験セル18は、光源20、好ましくはLED21と、好ましくは少なくとも一つのフォトダイオード24を含む少なくとも一つの検出器22とを含む。フォトダイオード24は、演算増幅器によって電圧信号に変換することができる電流信号の形態の光強度出力を提供し、電圧信号のレベルは、受け取った光強度に関連し、濁度に反比例する。好ましい実施形態では、検出器22は、流路12内の流体の濁度レベルに対する出力応答の対応を改善するためにセンサ出力を改良する出力を提供する追加の特徴も含む。出力応答は、好ましくはRAM又はEEPROMに記憶されるか、又は、例えば、基準流体応答を濁度の測定レベルに対する応答と比較するための制御プロセスにおいて使用される。」
(イ) 3欄46~53行
「A turbidity sensor 10 constructed in accordance with the present invention can include a test cell chamber 26 having generally cylindrical side wall 28 with an opening 30 that transmits light generated by a source 20 positioned outside the test cell chamber 26. The disclosed test cell 26 defines a flow path portion that is generally circular in cross section and allows fluid to flow through the test cell chamber 26 for evaluation.」
<日本語訳>
「本発明に従って構成された濁度センサ10は、試験セルチャンバ26の外側に配置された光源20によって生成された光を透過する開口部30を有する略円筒形の側壁28を有する試験セルチャンバ26を含むことができる。開示された試験セル26は、断面が略円形である流路部分を画定し、流体が評価のために試験セルチャンバ26を通って流れることを可能にする。」
(ウ) 3欄54~64行
「The illustrated sensor 22 of the preferred embodiment also includes photodiodes 24 and 32 for sensing light at positions separated from the source LED 20. A first photodiode 24 detects light that traverses across the test cell 26 and exits through an opening or unobstructed window 34 in the wall 28. The second photodiode 32 is also outside the test cell and is positioned at a window 36 aligned at an angular position between the LED 21 and the first photodiode 24. The second photodiode 32 detects light that enters the wall of the test cell but is scattered by the suspended material in the fluid.」
<日本語訳>
「好ましい実施形態の図示されたセンサ22は、光源LED20から離れた位置で光を感知するためのフォトダイオード24及び32も含む。第一のフォトダイオード24は、試験セル26を横断し、壁28の開口部又は障害のない窓34を通って出る光を検出する。第二のフォトダイオード32も試験セルの外側にあり、LED21と第一のフォトダイオード24との間の角度位置に位置合わせされた窓36に配置される。第二のフォトダイオード32は、試験セルの壁に入るが、流体中の懸濁物質によって散乱される光を検出する。」
(エ) 10欄3~11行
「Referring now to FIG. 8, another housing 170 is thereshown comprising a tube 172 with a central bore 174, the two being molded in one piece with a housing body 176 and two optical deflectors 178 and 180 that define an optical path across the tube 172. As best shown in FIG. 9, the bottom body 176 includes a recess 182 adapted to receive a circuit board 184. A circuit board 184 is retained in the cavity 182 by tabs 186 engaged in detents in the circuit board to retain the circuit board within the housing cavity.」
<日本語訳>
「ここで図8を参照すると、中央穴174を有する管172を含む別のハウジング170が示されており、この二つが、ハウジング本体176と、管172を横切る光路を画定する二つの光偏向器178及び180と一体的に成形される。図9に最もよく示されるように、底部本体176は、回路基板184を受容するように適合された凹部182を含む。回路基板184は、回路基板の戻り止めに係合して回路基板をハウジングキャビティ内に保持するタブ186によってキャビティ182内に保持される。」
(オ) 10欄12~21行
「The circuit board 184 carries an LED 188 in a position to direct light transmission through the housing to the deflector 178 across the test cell formed by the bore 174 and the tube 172. The optical path through the tube 172 then meets the deflector 180 where the optical path is directed downwardly to a photo detector 190 carried upon the circuit board 184. The important components in the optical path are aligned accurately automatically during construction, for example, by circuit board assembly apparatus and need not be manually aligned later.」
<日本語訳>
「回路基板184は、LED188を、穴174及び管172によって形成された試験セルを横切ってハウジングを通る光透過を偏向器178に向ける位置に担持する。次いで、管172を通る光路は偏向器180に達し、そこで光路は回路基板184上に担持された光検出器190へと下方に向けられる。光路内の重要な構成要素は、例えば回路基板組立装置によって、構築中に自動的に正確に位置合わせされ、後で手動で位置合わせする必要はない。」
(カ) 10欄22~26行
「An aluminum rod 192 is insert molded into the plastic body 176. The aluminum rod 192 is exposed to the cavity 182 for placement of a thermistor 194 in engagement with the aluminum rod for introduction of a temperature responsive signal to the detector circuit on the circuit board 184.」
<日本語訳>
「アルミニウムロッド192は、プラスチック本体176にインサート成形される。アルミニウムロッド192は、回路基板184上の検出器回路に温度応答信号を導入するために、アルミニウムロッドと係合してサーミスタ194を配置するために空洞182に露出される。」
(キ) 10欄40~44行
「Having thus described the present invention, many modifications thereto will become apparent to those skilled in the art to which it pertains without departing from the scope and spirit of the present invention as defined in the appended claims.」
<日本語訳>
「以上のように本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明に対する多くの修正が当業者には明らかになるであろう。」
(ク) 第1図
「[図:0001396148000001.jpg]」
(ケ) 第8図
「[図:0001396148000002.jpg]」
(コ) 第9図
「[図:0001396148000003.jpg]」
イ 引用発明
(ア) 引用文献1から認定した事項
a 前記ア(エ)の摘記事項、引用文献1の第9図から、光偏向器178は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され、LED188が照射した光を反射する反射面を有することが読み取れる。
b 引用文献1の第8図及び第9図から、管172は、光偏向器178で反射した光の光路内で流体を流通させる流路であることが読み取れる。
c 前記ア(エ)の摘記事項、引用文献1の第9図から、光偏向器180は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され、管172を透過した光を反射する反射面を有することが読み取れる。
(イ) 引用発明の認定
前記アにおいて摘記した事項及び前記(ア)において認定した事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「ポンプなどの流体源14から出口16まで流路12に沿って流れる流体の濁度を感知する濁度センサ10であって、経路に沿った試験セルは、LEDと、好ましくは少なくとも一つのフォトダイオードを含む少なくとも一つの検出器とを含み、(前記ア(ア))中央穴174を有する管172を含むハウジング170において、この二つが、ハウジング本体176と、管172を横切る光路を画定する二つの光偏向器178及び180と一体的に成形されるものであり、(前記ア(エ))光偏向器178は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され、LED188が照射した光を反射する反射面を有し、(引用文献1から認定した事項a)管172は、光偏向器178で反射した光の光路内で流体を流通させる流路であり、(引用文献1から認定した事項b)光偏向器180は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され、管172を透過した光を反射する反射面を有し、(引用文献1から認定した事項c)底部本体176は、回路基板184を受容するように適合された凹部182を含み、回路基板184は、回路基板の戻り止めに係合して回路基板をハウジングキャビティ内に保持するタブ186によってキャビティ182内に保持され、(前記ア(エ))回路基板184は、LED188を、穴174及び管172によって形成された試験セルを横切ってハウジングを通る光透過を偏向器178に向ける位置に担持するものであり、管172を通る光路は偏向器180に達し、そこで光路は回路基板184上に担持された光検出器190へと下方に向けられる、(前記ア(オ))濁度センサ10。」
(2) 引用文献5
ア 引用文献5の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用された引用文献5(特開2014-153265号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0012】図1及び図2を参照するに、光学分析装置10は、マイクロ流路20と、配線基板30と、発光素子40と、受光素子50とを有する。光学分析装置10において、マイクロ流路20上には配線基板30が固定され、配線基板30上には発光素子40及び受光素子50が実装されている。【0013】マイクロ流路20は、基体21と、空洞部22と、空洞部23と、被検体流路24と、入出口25a及び25bと、入出口26a及び26bと、入出口27a及び27bと、レンズ部28及び29とを有する。なお、空洞部22及び23は、各々、本発明に係る空洞部及び第2の空洞部の代表的な一例である。又、レンズ部28及び29は、各々、本発明に係るレンズ部及び第2のレンズ部の代表的な一例である。」
「【0020】被検体流路24の一端24aは基体21の厚さ方向(Z方向)に設けられた入出口27aの一端側と連通しており、入出口27aの他端側は基体21の上面において外部に開口している。被検体流路24の他端24bは基体21の厚さ方向(Z方向)に設けられた入出口27bの一端側と連通しており、入出口27bの他端側は基体21の上面において入出口27aとは異なる位置で外部に開口している。被検体流路24内には、非検査時には、例えば、空気が充填されているが、検査時には、被検体が導入される。」
「【0023】光路変換部22cの光導波部24cの一端と対向する位置には、傾斜面22xが設けられている。傾斜面22xは、基体21の外側(上面側)から基体21の一部を透過して入射する光を、光導波部24cに入射する方向に(光導波部24cの一端側に)光路変換(反射)できるように、例えば、Z方向に対して45度傾いて形成されている。光路変換部23cの光導波部24cの他端と対向する位置には、傾斜面23xが設けられている。傾斜面23xは、光導波部24cの他端から基体21の一部を透過して入射する光を基体21の上面側に光路変換(反射)できるように、例えば、Z方向に対して45度傾いて形成されている。」
「【0025】基体21の上面の傾斜面22x上には、基体21の上面から突起するレンズ部28が設けられている。レンズ部28は、例えば、球面の一部分と同様な形状とすることができるが、非球面であっても構わない。又、フレネルレンズであっても構わない。レンズ部28は、基体21の外側(上面側)から入射する光を光路変換部22cの傾斜面22xに集光するために設けられている。【0026】基体21の上面の傾斜面23x上には、基体21の上面から突起するレンズ部29が設けられている。レンズ部29は、例えば、球面の一部分と同様な形状とすることができるが、非球面であっても構わない。又、フレネルレンズであっても構わない。レンズ部29は、光路変換部23cの傾斜面23xにより光路変換されて基体21の外側(上面側)に出射する光を、基体21の外側(上面側)に配置された受光素子50の受光部(図示せず)に集光するために設けられている。レンズ部28及び29を設けることにより、光の利用効率を向上できる。但し、レンズ部28及び29は、必要に応じて設ければよい。」
「【0030】発光素子40は、配線基板30上に実装されている。発光素子40は、発光部から出射された光が、マイクロ流路20の基体21の上面から突出するレンズ部28を介して、マイクロ流路20の基体21内に設けられた空洞部22の傾斜面22xに達する位置に実装されている。発光素子40としては、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:垂直共振器面発光レーザ)やその他の半導体レーザ、発光ダイオード等を用いることができる。【0031】受光素子50は、配線基板30上に実装されている。受光素子50は、マイクロ流路20内の被検体流路24の光導波部24cの他端から出射され空洞部23の傾斜面23xで反射された光を、マイクロ流路20の基体21の上面から突出するレンズ部29を介して、受光できる位置に実装されている。受光素子50としては、例えば、フォトダイオード等を用いることができる。」
「【0037】次に、光学分析装置10による被検体の分析方法について説明する。まず、基体21側に開口されている入出口27a又は入出口27bから、これらに連通する被検体流路24内(少なくとも光導波部24c内)に被検体を導入する。被検体としては、血液や尿等の液体を適宜選択できる。なお、空洞部22及び23には、予め空気が充填されている。【0038】次に、発光素子40を発光させる。発光素子40の発光部から出射された光は、マイクロ流路20の基体21の上面から突出するレンズ部28を介して、マイクロ流路20の基体21内に設けられた空洞部22の傾斜面22xに達する。そして、前述のように、傾斜面22xで反射されて光導波部24cに入射し、光導波部24c内を傾斜面23x側に向かって進行する。そして、傾斜面23xで反射され、レンズ部29を介して、受光素子50に入射する。【0039】この際、光導波部24c内には被検体が導入されているので、被検体に含まれる粒子等により光が減衰し、発光素子40が出射した光の一部のみが受光素子50に入射する。従って、受光素子50に入射した光の光量から(つまり、被検体を透過した透過光の光量から)、例えば被検体の濃度(例えば、ヘモグロビン濃度)を感知することができる。」
「【図1】[図:0001396148000004.jpg]」
「【図2】[図:0001396148000005.jpg]」
イ 周知技術1の認定
引用文献5の記載事項(【0020】、【0037】~【0039】)に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知であったものと認められる(以下「周知技術1」という。)。
[周知技術1]
「流路内に血液や尿等の液体の被検体を導入し、発光素子からの光が被検体を透過した光量を受光素子が検出して、被検体を検査すること。」
ウ 周知技術2の認定
引用文献5の記載事項(【0013】、【0023】、【0026】、【0031】、【0038】)に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知であったものと認められる(以下「周知技術2」という。)。
[周知技術2]
「流路内の被検体を検査するための光が通過する部材に、被検体を透過した光を反射させる反射面を設け、当該反射光を集光させて受光部に入射させる集光レンズを当該部材に設けること。」
(3) 引用文献6
ア 引用文献6の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用された引用文献6(特開2005-107426号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0009】(実施例1)図1(A)は本発明の実施例の要部断面図であり、ここで1は発光部、2は受光部、3は本発明の発光部からの光を反射およびトナーに対応する部分を透過して受光部に導く部材、4は遮光部材、5はトナー収容部の外壁、6は基板である。」
「【0012】図1の発光部1から発光した光は、トナー収容部に設けた導光部材3の斜面10で反射されるが、導光部材3はアクリル等の透明樹脂で作成されているため図1のように45度で入射した光は全反射される。その全反射された光は一度、導光部材3の外部に出てまた導光部材3に入射するそして前記の斜面10に対向した斜面11で再度全反射され受光部2の方向に向かい遮光部材4の開口部を通過して受光部2に入射する。例えば発光部はLED等の発光素子、受光部2はシリコンセンサー等の受光素子である。」
「【0014】上記のような系においてトナー残量を検知する方法は、斜面10で全反射され光が導光部材3から外部に出た部分、図1(A)に示した検知部7の部分に上記のようにトナーがない時には受光部2に発光部1からの光が到達するが、トナーが充填されていると検知部7にトナーが存在しているため発光部1からの光は遮断され受光部2に到達できない。」
「【図1】[図:0001396148000006.jpg]」
イ 周知技術3の認定
引用文献6の記載事項に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知であったものと認められる(以下「周知技術3」という。)。
[周知技術3]
「反射面を有する導光部材と、発光部及び受光部が設けられた基板の間に空間が形成されていること。」
(4) 引用文献7~11
ア 引用文献7の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用された引用文献7(特開2006-234652号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0025】図2(a)に示すように、本発明に係る試料分離装置は、上述のフローセル1を装着する支持部材21を備える。当該支持部材21には、フローセル1の外壁の一部に形成された突部9と符合する位置決め穴22が設けられており、図2(b)に示すように、位置決め穴22にフローセル1の突部9を嵌合させることにより、支持部材21に対するフローセル1の位置が誤差なく定められる。」
「【図2】[図:0001396148000007.jpg]」
イ 引用文献8の記載事項
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原査定の拒絶の理由において引用された引用文献8(特開2005-106526号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0038】前記各支持部材40、41に対する投光手段1の取付けの構成について説明を加えると、図1、図4及び図14に示すように、前記各支持部材40、41の下端部における取付け用の台座部分40a,41aには、水平方向に適宜間隔をあけて横向きに突出する複数の位置決め用突起40b,41bが形成され、ユニット状に設けられた投光手段1に夫々、それらの位置決め用突起40b,41bに対応する位置決め孔が設けられ、各支持部材40、41に対して投光手段1を取付けるときは、図14に示すように、位置決め用突起40b,41bを位置決め孔に嵌め合わせて位置決めした状態でその近くの適宜箇所をボルト止めすることで投光手段1を取り付ける構成となっている。このように投光手段1を各支持部材40、41に取り付けた状態では、各投光手段1の光の照射方向がほぼ水平方向となるようになっている。」
「【図14】[図:0001396148000008.jpg]」
ウ 引用文献9の記載事項
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当審において新たに引用する引用文献9(国際公開第2006/008883号)には、次の事項が記載されている。
「[0027] 本発明の第1実施例における反射形光学式検出器の断面を図1に、図1の検出ユニットの斜視図を図2に示す。図において、41は樹脂をモールドして形成した樹脂成形基板、45は位置決め柱である。その他の符号は従来例と同じであるため説明を省略する。なお、本発明では、立体配線が可能な「樹脂成形基板」と用語を統一して説明する。
「[0035] 発光部5および受光部6は、立体配線が可能な樹脂成形基板41で構成し、発光部5のLED51を樹脂成形基板41の一部に直接配設し、LED51の周辺に円錐台状の反射部57を設けている。反射部57は、LED51を電気接続するための金属配線パターン42(図3参照)で形成している。LED51と金属配線パターン42とは、LED51の底面は導電接着剤にて固定され、LED51の上部は、ボンディングワイヤ9によって他の金属配線パターン42に接続されている(図4参照)。」
「[0046] 位置決め柱45は、樹脂成形基板41と基板3との位置決め固定を精度良く組み立てる場合に基準となる。2箇所の位置決め柱45は、樹脂成形で製造されるため円柱の寸法と二箇所の柱の間隔誤差が5ミクロン程度の精度で製造されている。基板3には、2箇所の穴を準備し、位置決め柱45を挿入し、位置決めして固定する。」
「[0049] 図5は、本発明の第2実施例を示す樹脂成形基板41の斜視図である。図において、46は位置決め穴である。本実施例では位置決め柱45を位置決め穴46に変更したものである。[0050] 位置決め穴46は、2箇所設けてあり基板3とは2本のピン、またはねじにて固定する構成である。[0051] この場合、位置決め柱45のように突出部が無いので、組み立て時に位置決め柱45が折れるなどの不具合が無くなる。」
「[図1][図:0001396148000009.jpg]」
「[図2][図:0001396148000010.jpg]」
「[図3][図:0001396148000011.jpg]」
「[図5][図:0001396148000012.jpg]」
エ 引用文献10の記載事項
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当審において新たに引用する引用文献10(特開2014-228585号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0031】図に示すように、光モジュール1は、ハウジング1A内に、回路基板10と、ガラス基板20と、光路変換器40とを備えている。」
「【0037】ガラス基板20の下面には、光路変換器40を位置決めするための2つの位置決め穴23が形成されている。この位置決め穴23は、ガラス基板20を貫通しておらず、非貫通穴となるように形成されている。位置決め穴23を非貫通穴にすることによって、位置決め穴23の上側に部品(例えば駆動素子32)を搭載したり、その部品への配線を配置したりすることが可能になり、ガラス基板20の上面における部品搭載や配線27の自由度が高くなる。」
「【0039】ガラス基板20の上面には、発光部31が実装されている。また、発光部31を駆動するための駆動素子32も、ガラス基板20の上面(発光部31の搭載面)に実装されている。発光部31と駆動素子32は、貫通ビア21の内側に配置されている。言い換えると、発光部31と駆動素子32は、回路基板10の収容窓12の上側に位置するように、ガラス基板20の上面に実装されている。【0040】発光部31は、光信号と電気信号とを変換する光電変換素子である。ここでは、発光部31として、基板に垂直な光を出射するVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)が採用されている。なお、光電変換素子として、光信号を電気信号に変換する受光部がガラス基板20に実装されても良い。また、発光部と受光部の両方がガラス基板20に実装されても良い。」
「【0043】
光路変換器40は、発光部31から照射された光の光路を変換する光学部品である。また、光路変換器40は、光ファイバ50の一端を支持し、発光部31と光ファイバ50との間の光路を透明基板と共に形成する支持部材としても機能する。光路変換器40は、ガラス基板20に対して位置決めされて取り付けられる部材である。光路変換器40は、回路基板10の下側から収容窓12に挿入されている。
【0044】
光路変換器40は、レンズ部41と、反射部42とを備えている。レンズ部41は、光路変換器40の上面に形成されている。反射部42は、光路変換器40の下面に形成されている。
【0045】
レンズ部41は、光を集束させられるように凸レンズ状に形成された部位である。但し、レンズ部41は、光路変換器40の上面から突出しないように、上面から窪んだ凹部に形成されている。レンズ部41を光路変換器40の上面から窪ませて形成されているので、レンズ部41がガラス基板20の下面に接触してしまうことを回避している。レンズ部41は、発光部31の照射した光を集束させて反射部42に導き、光を光ファイバ50に入射させる。ガラス基板20に受光部が実装されている場合には、レンズ部41は、反射部42から反射された光を受光部に集束させることになる。レンズ部41は、ガラス基板20を挟んで発光部31の発光面31Bと対向している。
【0046】
反射部42は、光を反射させるための部位である。発光部31から照射された光の光軸は上下方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に垂直な方向)であるが、反射部42で反射された光の光軸は前後方向(回路基板10やガラス基板20などの基板に平行な方向)になる。反射部42で反射された光は、光路変換器40に取り付けられた光ファイバ50に入射する。ガラス基板20に受光部が実装されている場合には、反射部42は、光ファイバ50から出射した光を反射してレンズ部41に導き、受光部に集束させることになる。
「【0050】光路変換器40の上面には、ガラス基板20の位置決め穴23に挿入するための2つの位置決めピン43が突出して形成されている。光路変換器40の位置決めピン43がガラス基板20の位置決め穴23に嵌合することによって、光路変換器40のレンズ部41の光軸とガラス基板20に実装された発光部31の光軸との位置合わせが行われる。」
「【図3】[図:0001396148000013.jpg]」
オ 引用文献11の記載事項
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当審において新たに引用する引用文献11(特開2012-109379号公報)には、次の事項が記載されている。
「【0002】光通信用の光モジュール等において、多数の発光素子または受光素子を備えた光素子アレイ部品を光コネクタと光結合させる形態のものがある(例えば、特許文献1参照)。図4(A)は、前記特許文献1に開示の光素子アレイ部品1を、光コネクタフェルール2に光結合させて実装する一例である。光素子アレイ部品1は、半導体基板3に多数の面発光型レーザダイオード等の発光素子または面受光型フォトダイオード等の受光素子が、アレイ状に一体に作り込まれ、樹脂基板4に実装されている。【0003】光コネクタフェルール2には多数の光ファイバ5が挿着され、その両側にガイドピン6が取付けられている。光素子アレイ部品1の樹脂基板4にはガイド孔7が設けられ、光コネクタ側のガイドピン6と嵌合させることにより、位置決めされて結合される。光素子アレイ部品1の半導体基板3に形成された多数の光素子は、透明コンタクト樹脂により保護されていて、各光ファイバ5に接触するように組み付けられ、光結合される。【0004】また、マイクロレンズアレイ等の光学部品を実装するのに、ガイドピンとガイド孔を用いて位置決めすることが知られている(例えば、特許文献2参照)。図4(B)は、前記特許文献2に開示のマイクロレンズアレイで、石英等の透光基板8の一面側に複数のレンズ8aがドライエッチング処理等により形成され、透光基板8の両側にガイド孔9が高精度で形成されている。ガイド孔9にはガイドピンが挿入されて位置決めされるが、ガイド孔9の欠けを防止するために孔の周囲を金属層で保護している。」
「【図4】[図:0001396148000014.jpg]」
カ 周知技術4の認定
引用文献7~11の記載事項に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知であったものと認められる(以下「周知技術4」という。)。
[周知技術4]
「部材の取り付けの際、位置決め穴を利用して位置決めを行うこと。」
キ 技術常識1の認定
引用文献9~11の記載事項に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって技術常識であったものと認められる(以下「技術常識1」という。)。
[技術常識1]
「位置決め穴を基板上の所定距離だけ離れた位置に二つ設けること。」
2 対比・判断
(1) 対比
本願発明と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「LED188」は、本願発明の「光を照射する発光部」に相当する。
イ 引用発明の「光偏向器178」の有する「LED188が照射した光を反射する反射面」は、本願発明の「前記発光部が照射した前記光を反射する第1の面」に相当する。
ウ 引用発明の「管172」は、「光偏向器178で反射した光の光路内で流体を流通させる流路であ[る]」から、本願発明の「前記第1の面で反射した前記光の光路内で液体を流通させる流路」に相当する。
エ 引用発明の「光偏向器180」の有する「管172を透過した光を反射する反射面」は、本願発明の「前記流路を透過した前記光を反射する第2の面」に相当する。
オ 引用発明では、「管172を通る光路は偏向器180に達し、そこで光路は回路基板184上に担持された光検出器190へと下方に向けられる」から、引用発明の「光検出器190」は、本願発明の「前記第2の面で反射した前記光を受光する受光部」に相当する。
カ 引用発明の「回路基板184」は、「LED188」及び「光検出器190」を「担持」しているから、本願発明の「前記発光部および前記受光部」が「配置」された「基板」に相当する。
キ 引用発明では、「光偏向器178は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され」、「光偏向器180は、管172、ハウジング本体176と一体的に形成され」ており、光偏向器178、管172及び光偏向器180は、ハウジング本体176に一体的に形成されているといえる。
ここで、引用発明の「ハウジング本体176」は、本願発明の「光路部材」に相当する。
よって、本願発明と引用発明は、「前記第1の面、前記流路および前記第2の面は光路部材に一体的に形成され[る]」点で一致する。
ク 引用発明では、「底部本体176は、回路基板184を受容するように適合された凹部182を含み、回路基板184は、回路基板の戻り止めに係合して回路基板をハウジングキャビティ内に保持するタブ186によってキャビティ182内に保持され」ているから、回路基板184は、底部本体176(ハウジング本体176)を含むハウジング170に取り付けられているといえる。
ここで、引用発明の「ハウジング170」は、本願発明の「筐体」に相当する。
よって、本願発明と引用発明は、「前記基板は前記光路部材が形成された筐体に取り付けられ」るという点で一致する。
ケ 引用発明の「ポンプなどの流体源14から出口16まで流路12に沿って流れる流体の濁度を感知する濁度センサ10」は、「流体の濁度」を検査しているといえる。
よって、本願発明と引用発明は「検査装置」の発明である点で共通する。
(2) 一致点及び相違点の認定
前記(1)の対比の結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1~4で相違する。
ア 一致点
「 光を照射する発光部と、
前記発光部が照射した前記光を反射する第1の面と、
前記第1の面で反射した前記光の光路内で液体を流通させる流路と、
前記流路を透過した前記光を反射する第2の面と、
前記第2の面で反射した前記光を受光する受光部と、を有し、
前記発光部および前記受光部は基板に配置され、
前記第1の面、前記流路および前記第2の面は光路部材に一体的に形成され、
前記基板は前記光路部材が形成された筐体に取り付けられる、検査装置。
イ 相違点
(ア) 相違点1
本願発明は、「検体検査装置」であるのに対して、
引用発明は、「ポンプなどの流体源14から出口16まで流路12に沿って流れる流体の濁度」の検査装置である点。
(イ) 相違点2
本願発明においては、「前記光路部材には前記第2の面で反射した前記光を集光する集光レンズが備えられ、前記集光レンズで集光された光が受光部へと入射し」ているのに対して、
引用発明においては、ハウジング本体176に光偏向器180で反射した光を集光する集光レンズが設けられているのか明示されておらず、集光レンズで集光された光が光検出器190へと入射しているのか不明である点。
(ウ) 相違点3
本願発明においては、「前記光路部材と前記基板の間には空間が形成され」ているのに対して、
引用発明においては、回路基板184はハウジングキャビティ182内に保持されているものの、LED188及び光検出器190はハウジング本体176に接しており(第9図参照)、当該箇所には空間が形成されているとはいえない点。
(エ) 相違点4
本願発明においては、「前記基板には、前記基板を前記筐体に取り付けるための第1の位置決め穴と、第2の位置決め穴が形成され、第1の位置決め穴と、第2の位置決め穴との距離は、前記発光部と前記受光部との距離よりも長いものとなる」のに対して、
引用発明においては、回路基板184は、回路基板の戻り止めに係合して回路基板をハウジングキャビティ内に保持するタブ186によってキャビティ182内に保持されている点。
(3) 相違点の判断
ア 相違点1について
「流路内に血液や尿等の液体の被検体を導入し、発光素子からの光が被検体を透過した光量を受光素子が検出して、被検体を検査すること」は周知技術であるところ(周知技術1を参照)、引用発明は、光路内で流体を流通させる流路を設け、流体の濁度という液体の属性を検査するものであるから、引用発明に上記周知技術1を適用することにより、「検体検査装置」として構成することは、当業者ならば格別の困難性はない。
よって、相違点1に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
「流路内の被検体を検査するための光が通過する部材に、被検体を透過した光を反射させる反射面を設け、当該反射光を集光させて受光部に入射させる集光レンズを当該部材に設けること」は周知技術である(周知技術2を参照)。
ここで、引用発明の「光検出器190」は「ハウジング本体176」に接しているように見えるものの(第9図参照)、このように接することは必須の構成ではなく、また、引用文献1の10欄40~44行に記載されるように、引用発明に対し、多くの修正を施す余地があると考えられ、「フォトダイオード」(受光素子本体)と「ハウジング本体176」の間には集光レンズ等の光学部材を設ける余地があるというべきである。
よって、引用発明の「ハウジング本体176」に上記周知技術2を適用して、光偏向器180で反射した光を集光する集光レンズをハウジング本体176に設けることにより、相違点2に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点3について
「反射面を有する導光部材と、発光部及び受光部が設けられた基板の間に空間が形成されていること」は周知技術であり(周知技術3を参照)、引用発明において、ハウジング本体176と、LED188及び光検出器190が設けられた回路基板184の間に空間を形成することは、当業者が適宜なし得た設計変更にすぎない。
よって、相違点3に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得たことである。
エ 相違点4について
「部材の取り付けの際、位置決め穴を利用して位置決めを行うこと。」は周知技術であり(周知技術4を参照)、「位置決め穴を基板上の所定距離だけ離れた位置に二つ設けること」は技術常識であるから(技術常識1を参照)、引用発明において、回路基板184に所定距離だけ離れた二つの位置決め穴を設け、これらの位置決め穴を利用して位置決めを行うことにより、回路基板184をハウジング本体176に取り付けるようにすることは当業者ならば格別の困難性はない。
そして、二つの位置決め穴どうしの距離が、発光部と受光部との距離よりも長いものとすることは、基板上の部材の配置から生じる制約や取り付け精度(穴間距離を大きく取ることにより回転方向の位置合わせ精度が向上することは自明である。)等を考慮して、当業者が適宜なし得た設計事項にすぎない。
よって、相違点4に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得たことである。
(4) 総合評価
前記相違点1~4を総合的に勘案しても、本願発明の奏する効果としては、引用発明、周知技術1~4及び技術常識1から当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本願発明は、引用発明、周知技術1~4及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5) 請求人の主張について
ア 請求人の主張の概要
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(ア) 請求人の主張1
引用文献1の10欄18~21行目の「The important components in the optical path are aligned accurately automatically during construction, for example, by circuit board assembly apparatus and need not be manually aligned later.」の記載から、引用文献1の構成では、回路基板をbottom body 176に組付け後、光路内のLED 188、photo detector 190とbottom body 176との位置関係を調整することを想定していない。
(イ) 請求人の主張2
本願発明のように、LED 188、photo detector 190を実装した回路基板184と、光路部材との間に空間を設けた場合、光学素子と本体の間に空気層を設けたことにより、組み立て時の位置関係の調整が空気層を設ける前に比べ困難になるとともに、うまく位置関係を調整できなかった場合、発光側と受光側それぞれの空間距離が広くなることにより、発光側と受光側合わせて2回多く屈折するとともに、屈折によるズレが大きくなることにより、受発光素子の光がずれるために、受光素子の検知精度が本願発明の構成に比べ大きく低下してしまう。
(ウ) 請求人の主張3
引用文献1の第9図及び10欄9~11行目の「A circuit board 184 is retained in the cavity 182 by tabs 186 engaged in detents in the circuit board to retain the circuit board within the housing cavity.」の記載から、回路基板184をハウジングキャビティ内に保持するために、回路基板184内のデテントに係合したタブ186によって組付けてキャビティ182内に保持するものとなるが、このような構成では、本願発明のように、基板を筐体に取り付けるための位置決め穴を回路基板184に設け、回路基板184をネジ止めで固定しようとした際、LED188、photo detector190又はbottom body 176に力が加わり、LED188、photo detector190、bottom body 176等の破損の恐れがあるため、位置決め穴を設ける構造は採用できないものとなるから、回路基板184に位置決め穴を設けLED 188、photo detector 190とbottom body 176との間に空間を設けてそれぞれの位置関係を調整することもできない。
イ 請求人の主張に対する当審の判断
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(ア) 請求人の主張1について
請求人は、引用文献1では、回路基板184をハウジング本体176に組付け後、光路内の各部材の位置関係を調整することを想定していない旨主張しているが、本願発明についてみても、「基板」を「筐体」に取り付けた後の各部材の位置関係を調整することを発明特定事項として含むものではないから、請求人の上記主張により、本願発明の容易想到性の判断が変わることはない。
そもそも、本願発明は、組み付け時の誤差を補正するために、組み付け後に各部材の位置関係を調整することを主題とするものではなく(本願明細書の段落【0047】~【0057】の記載を参照)、請求人の上記主張は、本願発明の主題と無関係のものであるから、請求人の主張1を採用することはできない。
(イ) 請求人の主張2について
引用文献1では、「光路内の重要な構成要素は、例えば回路基板組立装置によって、構築中に自動的に正確に位置合わせされ、後で手動で位置合わせする必要はない。」としているにとどまり(10欄18~21行目)、LED188及び光検出器190を実装した回路基板184と、光路部材との間に空間がないことを積極的に利用して位置合わせが行われることを開示するものではないから、回路基板184と光路部材との間に空気層を設けたとしても、それによって組み立て時の位置関係の調整が困難になると考えるのは適当ではない。
よって、請求人の主張2を採用することはできない。
(ウ) 請求人の主張3について
請求人は、引用文献1では、回路基板184内のデテントに係合したタブ186によって組付けて回路基板184をキャビティ182内に保持するから、位置決め穴を回路基板184に設け、回路基板184をネジ止めで固定しようとした際、LED188、光検出器190又はハウジング本体176に力が加わり、LED188、光検出器190、ハウジング本体176等の破損の恐れがあるため、位置決め穴を設ける構造は採用できない旨主張するが、回路基板184の固定方法としてはネジ止め以外の手法も考えられるところ、本願発明についてみても、「基板」の取り付けをネジ止めで行うことを発明特定事項として含むものではないから、請求人の上記主張により、本願発明の容易想到性の判断が変わることはない。
よって、請求人の主張3を採用することはできない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-009992