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特許拒絶査定不服審判

2022-008040

紫外線光処理水分配システム及び方法

審判番号
2022-008040
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-130973
請求日
2022年05月30日
審決日
2023年07月18日
公報発行日
2024年01月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ザ・ボーイング・カンパニー
  • 【請求人代理人】園田・小林弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 宮澤 尚之
  • 審判官 金 公彦
  • 審判官 増山 淳子
分類
P18 .113-Z (C02F) / P18 .121-Z (C02F) / P18 .575-Z (C02F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-130973「紫外線光処理水分配システム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月10日出願公開、特開2018- 69224〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年7月4日(パリ条約による優先権主張 2016年8月16日 米国(US))の外国語書面出願であって、同年12月11日に翻訳文提出書が提出され、令和3年4月23日付けで拒絶理由が通知され、それに対して、同年8月2日に意見書の提出及び手続補正がされたが、令和4年1月24日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、同年5月30日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、特許請求の範囲を補正する手続補正がなされたものである。 第2 令和4年5月30日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年5月30日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1) 本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおり補正された(当審注:下線部は補正箇所であり、当審が付与した。)。 「【請求項1】 水入口(108)と水出口(110)との間の水チャネル(106)を画定する水導管(104)を含む、水分配器(102)、 前記水出口(110)から出て行く水の中へ消毒光を間欠的に放射するように構成された、発光体(120)、 前記水チャネル(106)内に配置されたバルブ(112)、及び 前記バルブ(112)と作動可能に連結されたバルブアクチュエータ(116)であって、前記バルブ(112)を選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータ(116)を備え、ここで、前記バルブアクチュエータ(116)が前記発光体(120)にリンクされており、前記バルブアクチュエータ(116)が前記バルブ(112)を開いたときに前記発光体(120)が起動され、前記バルブアクチュエータ(116)が前記バルブ(112)を閉じたときに前記発光体(120)が起動解除される、水分配システム(100)。」 (2) 本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和3年8月2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「【請求項1】 水入口(108)と水出口(110)との間の水チャネル(106)を画定する水導管(104)を含む、水分配器(102)、 前記水出口(110)から出て行く水の中へ消毒光を放射するように構成された、発光体(120)、 前記水チャネル(106)内に配置されたバルブ(112)、及び 前記バルブ(112)と作動可能に連結されたバルブアクチュエータ(116)であって、前記バルブ(112)を選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータ(116)を備え、ここで、前記バルブアクチュエータ(116)が前記発光体(120)にリンクされており、前記バルブアクチュエータ(116)が前記バルブ(112)を開いたときに前記発光体(120)が起動され、前記バルブアクチュエータ(116)が前記バルブ(112)を閉じたときに前記発光体(120)が起動解除される、水分配システム(100)。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「発光体(120)」による「消毒光」の「放射」について、「消毒光」を「間欠的に放射」する限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。 (2) 引用文献の記載事項等(主たる引用文献である引用文献1の記載事項及び同文献に記載された発明(引用発明)並びに周知技術に関する引用文献2~4の記載事項) ア 引用文献1 (ア) 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2012-501835号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下のa~eの記載がある。 a 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 液体、特に水用の出口と、液体にUV光を照射する照射手段とを有する装置であって、前記照射手段が電力の供給を受けるようになっており、前記照射手段が前記出口に配置されるか又は前記出口に一体化されているものにおいて、 前記照射手段(6)が、小さいエネルギー消費量で高い消毒作用を有するものであり、前記照射手段(6)が、電力供給手段(7)によって低電圧で給電されるようになっていることを特徴とする装置。」 b 「【0033】 図2は、本発明に係るエアレータ11の態様の第2の装置を示している。エアレータ11は、ねじ結合部12によって従来の衛生水栓器具13に固着されている。噴流調整器又は混合ノズルとも称されるエアレータは、通常、衛生水栓器具において空気を混合するために利用される。このようなエアレータは、流出する液体噴流に気泡を加えるようになっている。このために、エアレータ11は、細目ストレーナ14を有し、このストレーナ14を液体噴流が通過する。これにより、空気が加えられた液体噴流が得られ、この液体噴流は、僅かな消費量で高い衛生快適さを提供する。エアレータは、衛生水栓器具において一般的に使用されており、エアレータは、大抵、ねじ結合部によって衛生水栓に固着されている。例えば、雌ねじ接続部M22×1又は雄ねじ接続部M24×1のエアレータが普及している。エアレータ11の態様の本発明に係る装置は、エアレータの標準の外寸を有している。」 c 「【0038】 図5は、別のエアレータ21の立体図を示している。このエアレータは、衛生水栓器具に結合するための結合手段を有する。図5において、これらの結合手段は、接続ねじ山12として図示されている。しかしながら、結合手段は、ユニバーサル(汎用)式の連結要素等の別の結合手段とすることもできる。エアレータ21のストレーナ14内にUV発光手段又はUVC放射源16が配置されている。このエアレータ21において電気エネルギーを発生させるために用いられているのが太陽エネルギー変換手段である。エアレータ21の壁体が、太陽電池24を備えている。これらの太陽電池24が、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーがUV発光手段16への給電に用いられている。付加的に、エアレータ21は、支持要素19とホルダ18とによって保持される蓄電池23を有している。この蓄電池23は、太陽電池によって充電され、一時的なエネルギー蓄積に役立つ。エアレータ21に一体化されたこのような太陽電池モジュール又は太陽モジュールによって本発明に係る長寿命の自律型装置が実現されている。太陽エネルギー変換手段を使用することによって、本発明に係る装置21は、局所的な給電条件に左右されない。ここには図示しない水栓、特に飲料水水栓、工業用水水栓及び/又は家庭排水水栓に結合するための手段及び/又は構成によって、旅行者にとって特に有益な装置が実現されている。旅行者は、衛生条件が悪いときにその場で安全な水質を達成するために、(理想的にはユニバーサル式の連結要素付きで実装された)エアレータ21を携行することができる。このような汎用エアレータは、衛生水栓器具にその場で簡単に取付けることができる。 【0039】 UVC放射源16の電源をオンにするためにエアレータ21内に近接スイッチ25が配置されている。誰かがエアレータ21の近傍に来ると、近接スイッチが、UVC放射源16用電力供給回路を閉路する。近接スイッチ25は、付加的に、液体の流れを引き起こすのに使用することができる。このために、水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁が近接スイッチからの信号によって開放又は閉鎖されるようになっている。例えば、エアレータ21から水栓に至る電気接続線及び/又は接点接続部(ここには図示しない)が設けられている。代替的に、水栓内に元々設けられて水栓の開放又は閉鎖に利用される近接スイッチは、UV照射手段用電気回路を閉鎖又は開放するのに使用される。UVC放射源16をエアレータ21の出口2に直接配置することによって付加的に視覚効果が達成される。水は明るい青色で照らされ、このことは、水が消毒されたことを示し、衛生感覚を強めることができる。」 d 「【図2】 [図:0001405253000001.jpg] 」 e 「【図5】 [図:0001405253000002.jpg] 」 (イ) 前記(ア)aの記載によれば、引用文献1には、液体、特に水用の出口と、液体にUV光を照射する照射手段とを有する「装置」が記載されている。 そして、前記(ア)b及びdの記載によれば、前記「装置」の一例は、エアレータの態様の「装置」であって、エアレータは、ねじ結合部によって従来の衛生水栓器具に固着されているものであり、噴流調整器又は混合ノズルとも称されるエアレータは、通常、衛生水栓器具において空気を混合するために利用されるものである。 また、前記(ア)c及びeの記載によれば、別のエアレータの態様の「装置」は、衛生水栓器具に結合するための結合手段を有し、エアレータのストレーナ内にUV発光手段又はUVC放射源が配置され、UVC放射源の電源をオンにするために、エアレータ内に近接スイッチが配置されており、誰かがエアレータの近傍に来ると、近接スイッチがUVC放射源用電力供給回路を閉路するのであるが、近接スイッチは、付加的に、液体の流れを引き起こすのに使用することができ、このために、水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁が近接スイッチからの信号によって開放又は閉鎖されるようになっており、代替的に、水栓内に元々設けられて水栓の開放又は閉鎖に利用される近接スイッチは、UV照射手段用電気回路を閉鎖又は開放するのに使用されるものである。 (ウ) ここで、前記別のエアレータの態様の「装置」に注目すると、引用文献1には、以下の発明が記載されているといえる(以下、「引用発明」という。)。 「液体、特に水用の出口と、液体にUV光を照射する照射手段とを有する装置であって、 エアレータが衛生水栓器具に結合されるものであり、 噴流調整器又は混合ノズルとも称される前記エアレータは、通常、衛生水栓器具において空気を混合するために利用されるものであり、 前記エアレータは、衛生水栓器具に結合するための結合手段を有し、エアレータのストレーナ内にUV発光手段又はUVC放射源が配置され、 UVC放射源の電源をオンにするためにエアレータ内に近接スイッチが配置されており、誰かがエアレータの近傍に来ると、近接スイッチが、UVC放射源用電力供給回路を閉路するのであるが、近接スイッチは、付加的に、液体の流れを引き起こすのに使用することができ、このために、水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁が近接スイッチからの信号によって開放又は閉鎖されるようになっており、代替的に、水栓内に元々設けられて水栓の開放又は閉鎖に利用される近接スイッチは、UV照射手段用電気回路を閉鎖又は開放するのに使用されるものである、前記装置。」 イ 引用文献2 「消毒光を間欠的に放射する」ことについて、本願の優先日当時の周知技術を示すものとして当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特表2009-532200号公報(以下、「引用文献2」という。)には、以下の(ア)~(ウ)の記載がある。 (ア) 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 水などの流体を少なくとも部分的に消毒するための処理装置であって、 処理される流体の流れを輸送するための導管手段(16)と、 前記UV光を前記流体内に放出するための少なくとも1つの紫外(UV)発光ダイオード(LED)(D1~D8)と、 前記LEDを制御するための制御手段(50)と、 を備え、 前記制御手段が予め選ばれたデューティサイクルで前記LEDをパルス化するように構成され、 作動中に前記流体が前記導管手段(16)によって輸送されるときに、前記流体が各LEDの表面上を流れるように、前記または各LEDが配置される、 装置。」 (イ) 「【0013】 LEDをパルス化するように構成された制御手段を設けることにより、該または各LEDを100%未満のデューティサイクルで動作させることが可能になり、よって総電力消費量を低減しながら、連続動作のための最大定格電力以上でLEDを動作させることが可能になり、よって単位消費電力当たりの処理能力が向上する。パルス信号の遷移点中に発生するフーリエ高調波は追加のUV周波数をもたらし、それは分解に著しく貢献するので、パルス信号の使用は処理効率をも著しく改善する。」 (ウ) 「【図1】 [図:0001405253000003.jpg] 」 ウ 引用文献3 「消毒光を間欠的に放射する」ことについて、本願の優先日当時の周知技術を示すものとして当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2010/095707号(以下、「引用文献3」という。)には、以下の(ア)~(ウ)の記載がある。 (ア) 「請求の範囲 [請求項1] 外壁部と、前記外壁部外から原水を流入させる原水流入部と、浄化部と、紫外線光源を持つ紫外線殺菌部と、前記浄化部により浄化され前記紫外線殺菌部により殺菌された浄水を前記外壁部外へ流出させる浄水流出部と、条件検知部と、前記条件検知部の検知に応じ、前記紫外線光源からの紫外線発生を制御する制御部とを有することを特徴とする浄水器。」 (イ) 「[0028] 図1は、本発明の実施の形態に係る浄水器システムの実施例を示すブロック図である。浄水器2は、外部から引き込まれる家庭内水道管4の元栓6から分岐した水道管に原水流入部7が接続されている。なお、図1において番号2は浄水器の外壁部をも意味している。一方、元栓6から分岐した他の水道管は浄水器2に対するバイパスとして直接切換栓8に接続されている。切換栓8は、例えば家庭の台所の流しに設けられており元栓6から直接導かれる原水と浄水器2から導かれる浄水を切換えて出水することができる。図1では上記のように白抜きの矢印で水の流れを示しており、この点は以下でも同様である。なお、切換栓8により浄水器2から出水する操作は手動でも行えるが浄水器2側からの制御でもこれを行うことができる。このとき、切換栓8を手動で操作した場合、その情報は浄水器2側に伝えられる。 [0029] 浄水器2に導かれた原水は水圧計10および流量計12を通って濾過槽14に入る。濾過槽14は比較的大きな水中の不純物を濾過して除去する。濾過槽14を通った水はさらに吸着槽16に入り、分子レベルの不純物が吸着により除去される。吸着槽16を通った水はさらに殺菌装置18の殺菌槽20に入り、ここで微生物の死滅が図られる。 [0030] 殺菌槽20には深紫外LED群22が設けられており、殺菌槽20の水路はこれら深紫外LED群22の間を巡るよう構成されている。この深紫外LED群22はUV-BまたはUV-Cレベルの深紫外線を発生することができる。また、深紫外線を透過させるため、深紫外LED群22を巡る水路は石英ガラスによって構成されている。深紫外LED群22は制御部24によって制御される駆動回路26によって駆動される。 [0031] 駆動回路26による駆動は比較的周波数の低いパルス幅変調制御(以下、「PWM制御」)によっているが、これは後述のように深紫外線のエネルギー量を殺菌対象の水量に応じて変更するのがその目的の一つである。PWM制御のもう一つの目的は、連続点灯による深紫外LEDの過熱を防止して発光効率を上げることにある。つまり、深紫外LEDが点灯してその温度が高まり発光効率が悪くなる前に深紫外LEDをオフしてこれが冷却するのを待ち、再度点灯するという動作を行わせるためにPWM制御を行っている。」 (ウ) 「[図1] [図:0001405253000004.jpg] 」 エ 引用文献4の記載事項 自動水栓について、本願の優先日当時の周知技術を示すものとして当審で新たに引用する、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった特開2012-136868号公報(以下、「引用文献4」という。)には、以下の記載がある。 「【0002】 洗面所やシャワー室において、人体などの対象物の存在をセンサで感知し、水洗用の水や湯の吐水、吐水停止を制御する自動水栓装置が広く使われている。例えば、トイレの洗面台等において、使用者が吐水口となる蛇口に向けて手を延ばすことによって水が流れ出し、逆に手を引くことによって水の流れが止まるよう構成された自動水栓装置が良く知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 そのような自動水栓装置の具体的な動作は、使用者が蛇口などの吐水口付近に設けられたセンサの前に手を差し出すことによってセンサがこれを感知し、センサからの信号に基づいてアクチュエータを動作させて注水バルブを開き、吐水を開始する。この際、注水バルブはセンサが手などの対象物を感知し続ける限りにおいて開いた状態に維持される。そしてセンサが対象物を感知しなくなった時に、再度その信号に基づいてアクチュエータが動作し、注水バルブを閉じて吐水を停止する。このような構成に係る自動水栓装置は、最も単純なロジックで組まれた装置であるといえよう。」 オ 引用文献5の記載事項 「バルブ」と「発光体」の動作のリンクに関して、本願の優先日当時の周知技術を示すものとして原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった実願昭56-126793号(実開昭58-33043号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献5」という。)には、以下の(ア)~(エ)の記載がある。 (ア)「2. 実用新案登録請求の範囲 (1)中空構造の紫外線ランプと、この紫外線ランプの内周に配置され、内部に液体を流通させる透明管とを備えた液体殺菌装置。 ・・・ (4)上記紫外線ランプは、液体開閉バルブと連動させたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項乃至第3項記載の液体殺菌装置。」 (イ)「この考案に係る液体殺菌装置1は、第2図の縦断面図、第3図の横断面図に示すように、特徴として液体殺菌用の紫外線ランプ7を中空構造に形成し、中空部に液体が流通可能となつている。この紫外線ランプ7は電源9に接続され、中空内周には透明管10が外周には紫外線反射ミラー11がそれぞれ配置されている。 ・・・ 次にこの考案の利点、効果について述べる。 上述のように、紫外線ランプ7を中空構造とし、しかもこの中空内周に水道配管13と嵌合可能な透明管10を配設したので、家庭用の蛇口等に直接取付けが可能であり、かつその構造も極めて簡単で安価に製造することができる。 ・・・ 第4図はこの考案の他の実施例を示し、水道配管13中に、この考案の液体殺菌装置1を配設し、他方、水道水の開閉バルブとしてリミツトスイツチ付バルブ14を設置し、液体殺菌装置1と連動させた実施例である。 従つて、通水時にのみ紫外線殺菌が行なわれ省電力化が図られる。」(明細書3ページ2行~5ページ2行) (ウ)「 [図:0001405253000005.jpg] 」 (エ)「 [図:0001405253000006.jpg] 」 (3) 引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア) 本件補正発明における「水分配器」について、本願明細書の段落【0025】には、以下の記載がある。 「【0025】 少なくとも1つの実施形態では、水分配器が蛇口である。蛇口は、例えば、航空機に搭載された洗面所内にあり得る。他の実施形態では、水分配器が、ホース、スピゴット(spigot)、ボトル、タンクなどである。」 そして、前記記載によれば、本件補正発明における「水分配器」として「蛇口」が例示されるものである。 一方、前記(2)ア(ア)dの記載からみれば、引用発明における「衛生水栓器具」も「蛇口」といえるから、引用発明における「衛生水栓器具」は、本件補正発明における「水入口と水出口との間の水チャネルを画定する水導管を含む、水分配器」に相当する。 (イ) 引用発明における「UV発光手段又はUVC放射源」は、液体、特に水用の出口から流出する液体にUV光を照射するものであるから、本件補正発明における「前記水出口から出て行く水の中へ消毒光を」「放射するように構成された、発光体」に相当する。 (ウ) 引用発明における「水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁」は、本件補正発明における「前記水チャネル内に配置されたバルブ」に相当する。 (エ) 引用発明における「衛生水栓器具」及び「UV発光手段又はUVC放射源」を備えた「装置」は、本件補正発明における「水分配システム」に相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。 【一致点】 「水入口と水出口との間の水チャネルを画定する水導管を含む、水分配器、 前記水出口から出て行く水の中へ消毒光を放射するように構成された、発光体、 前記水チャネル内に配置されたバルブを備える、水分配システム。」 【相違点1】 本件補正発明は、「発光体」が「消毒光を間欠的に放射するように構成」されているのに対して、引用発明は、「発光体」が「消毒光を間欠的に放射するように構成」されているか否かが明らかでない点。 【相違点2】 本件補正発明は、「水分配システム」が、「前記バルブと作動可能に連結されたバルブアクチュエータであって、前記バルブを選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータを備え、ここで、前記バルブアクチュエータが前記発光体にリンクされており、前記バルブアクチュエータが前記バルブを開いたときに前記発光体が起動され、前記バルブアクチュエータが前記バルブを閉じたときに前記発光体が起動解除される」ものであるのに対して、引用発明は、「UVC放射源の電源をオンにするためにエアレータ内に近接スイッチが配置されており、誰かがエアレータの近傍に来ると、近接スイッチが、UVC放射源用電力供給回路を閉路するのであるが、近接スイッチは、付加的に、液体の流れを引き起こすのに使用することができ、このために、水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁が近接スイッチからの信号によって開放又は閉鎖されるようになっており、代替的に、水栓内に元々設けられて水栓の開放又は閉鎖に利用される近接スイッチは、UV照射手段用電気回路を閉鎖又は開放するのに使用される」ものである点。 (4) 判断 以下、前記相違点について検討する ア 相違点1について (ア) 始めに、前記相違点1について検討すると、前記(2)イ(ア)の記載によれば、引用文献2には、水などの流体を少なくとも部分的に消毒するための処理装置が記載されており、当該処理装置は、処理される流体の流れを輸送するための導管手段と、前記UV光を前記流体内に放出するための少なくとも1つの紫外(UV)発光ダイオード(LED)と、前記LEDを制御するための制御手段と、を備え、前記制御手段が予め選ばれたデューティサイクルで前記LEDをパルス化するように構成され、作動中に前記流体が前記導管手段によって輸送されるときに、前記流体が各LEDの表面上を流れるように、前記または各LEDが配置されるものである。 そして、前記(2)イ(イ)、(ウ)の記載によれば、前記処理装置は、LEDをパルス化するように構成された制御手段を設けることにより、該または各LEDを100%未満のデューティサイクルで動作させることが可能になり、よって総電力消費量を低減しながら、連続動作のための最大定格電力以上でLEDを動作させることが可能になり、よって単位消費電力当たりの処理能力が向上するものである。 ここで、前記LEDは、水に紫外線、すなわち「消毒光」を放射する「発光体」といえ、パルス化するように構成され、100%未満のデューティサイクルで動作される前記LEDは、「消毒光を間欠的に放射するように構成された」「発光体」といえるものであって、引用文献2には、そのような「発光体」により、総電力消費量を低減しながら、連続動作のための最大定格電力以上でLEDを動作させることが可能になり、よって単位消費電力当たりの処理能力が向上することが記載されているといえる。 また、前記(2)ウ(ア)の記載によれば、引用文献3には浄水器が記載されており、当該浄水器は、外壁部と、前記外壁部外から原水を流入させる原水流入部と、浄化部と、紫外線光源を持つ紫外線殺菌部と、前記浄化部により浄化され前記紫外線殺菌部により殺菌された浄水を前記外壁部外へ流出させる浄水流出部と、条件検知部と、前記条件検知部の検知に応じ、前記紫外線光源からの紫外線発生を制御する制御部とを有するものである。 そして、前記(2)ウ(イ)、(ウ)の記載によれば、前記浄水器の殺菌槽には深紫外LED群が設けられており、殺菌槽の水路はこれら深紫外LED群の間を巡るよう構成されており、深紫外LED群は制御部によって制御される駆動回路によって駆動されるものであり、駆動回路26による駆動は比較的周波数の低いパルス幅変調制御(「PWM制御」)によっているが、これは、深紫外線のエネルギー量を殺菌対象の水量に応じて変更するのがその目的の一つであり、PWM制御のもう一つの目的は、連続点灯による深紫外LEDの過熱を防止して発光効率を上げることにあり、深紫外LEDが点灯してその温度が高まり発光効率が悪くなる前に深紫外LEDをオフしてこれが冷却するのを待ち、再度点灯するという動作を行わせるためにPWM制御を行っているものである。 ここで、前記深紫外LED群は、水に紫外線、すなわち「消毒光」を放射する「発光体」といえ、パルス幅変調制御(「PWM制御」)により制御された前記深紫外LED群は、「消毒光を間欠的に放射するように構成された」「発光体」といえるものであって、引用文献3には、そのような「発光体」により、深紫外線のエネルギー量を殺菌対象の水量に応じて変更でき、また、連続点灯による深紫外LEDの過熱を防止して発光効率を上げることができることが記載されているといえる。 (イ) 前記(ア)によれば、水に「消毒光」を放射する「発光体」を、「消毒光を間欠的に放射するように構成」することは、当業者がよく知る本願の優先日当時の周知技術といえるのであって、そうすることで、総電力消費量を低減しながら連続動作のための最大定格電力以上でLEDを動作させることを可能にして単位消費電力当たりの処理能力を向上させることができる、深紫外線のエネルギー量を殺菌対象の水量に応じて変更できる、連続点灯による深紫外LEDの過熱を防止して発光効率を上げることができる、といった様々な効用をもたらすものである。そして、このような効率化の効用は当業者が普通に期待するところである。 してみれば、引用発明において、「発光体」を、「消毒光を間欠的に放射するように構成」して、前記相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項を有するものとすることは、前記の効用を期待する当業者が、既に認知している前記周知技術に基づいて容易になし得ることである。また、当該発明特定事項の採用による予測できない顕著な効果も見当たらない。 イ 相違点2について (ア) 次に、前記相違点2について検討すると、引用発明が、「UVC放射源の電源をオンにするためにエアレータ内に近接スイッチが配置されており、誰かがエアレータの近傍に来ると、近接スイッチが、UVC放射源用電力供給回路を閉路するのであるが、近接スイッチは、付加的に、液体の流れを引き起こすのに使用することができ、このために、水栓器具において管路を開放又は閉鎖する弁が近接スイッチからの信号によって開放又は閉鎖されるようになって」いること、及び、「代替的に、水栓内に元々設けられて水栓の開放又は閉鎖に利用される近接スイッチは、UV照射手段用電気回路を閉鎖又は開放するのに使用される」ものであることからすれば、引用発明における近接スイッチは、「発光体」にリンクされており、誰かがエアレータの近傍に来て、前記近接スイッチが「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、前記近接スイッチが「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるものといえる。 (イ) ここで、前記(2)エの引用文献4の記載によれば、引用文献4には、人体などの対象物の存在をセンサで感知し、水洗用の水や湯の吐水、吐水停止を制御する自動水栓装置が記載されており、従来の自動水栓装置の具体的な動作は、使用者が蛇口などの吐水口付近に設けられたセンサの前に手を差し出すことによってセンサがこれを感知し、センサからの信号に基づいてアクチュエータを動作させて注水バルブを開き、吐水を開始するものであり、この際、注水バルブはセンサが手などの対象物を感知し続ける限りにおいて開いた状態に維持され、そしてセンサが対象物を感知しなくなった時に、再度その信号に基づいてアクチュエータが動作し、注水バルブを閉じて吐水を停止するものであって、このような自動水栓装置の動作は、本願の優先日当時の周知技術といえるものである。 一方、引用発明は、誰かがエアレータの近傍に来ると作動して、水栓の解放又は閉鎖に利用される近接スイッチを備えるものであるから、これも自動水栓装置といえるものであり、このことと、前記自動水栓における周知技術からみれば、引用発明は、「バルブ」と作動可能に連結されたアクチュエータ、すなわち「バルブアクチュエータ」であって、前記「バルブ」を選択的に開閉するように構成された、近接スイッチにより作動する「バルブアクチュエータ」を有するものと解するのが妥当である。 そうすると、引用発明は、もともと、「バルブ」と作動可能に連結された「バルブアクチュエータ」であって、前記「バルブ」を選択的に開閉するように構成され、近接スイッチにより作動する「バルブアクチュエータ」を有するものといえる。 そして、前記(ア)に記載したとおり、引用発明における近接スイッチが「発光体」にリンクされており、誰かがエアレータの近傍に来て、前記近接スイッチが「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、前記近接スイッチが「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるものといえることからみれば、前記近接スイッチにより作動する「バルブアクチュエータ」もまた、「発光体」にリンクされており、「バルブアクチュエータ」が「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、「バルブアクチュエータ」が「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるものといえる。 (ウ) してみれば、引用発明は、もともと、「前記バルブと作動可能に連結されたバルブアクチュエータであって、前記バルブを選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータを備え、ここで、前記バルブアクチュエータが前記発光体にリンクされており、前記バルブアクチュエータが前記バルブを開いたときに前記発光体が起動され、前記バルブアクチュエータが前記バルブを閉じたときに前記発光体が起動解除される」、との前記相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項を有するものといえるから、前記相違点2は実質的な相違点とはいえない。 (エ) また、仮に、引用発明が、「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるように、「バルブ」と「発光体」の動作がリンクしたものとはいえず、前記相違点2が実質的な相違点であるとしても、以下の理由により、引用発明において前記相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項を有するものとすることは、本願の優先日当時の周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることである。 すなわち、前記(2)オ(ア)の記載によれば、引用文献5には、中空構造の紫外線ランプと、この紫外線ランプの内周に配置され、内部に液体を流通させる透明管とを備えた液体殺菌装置において、前記紫外線ランプを、液体開閉バルブと連動させることが記載されている。 そして、前記(2)オ(イ)~(エ)の記載によれば、前記液体殺菌装置は、水道配管中に前記液体殺菌装置を配設し、他方、水道水の開閉バルブとしてリミツトスイツチ付バルブを設置し、前記液体殺菌装置と連動させることで、通水時のみ紫外線殺菌が行われ、省電力化が図られるものである。 ここで、前記紫外線ランプは、水に紫外線、すなわち「消毒光」を放射する「発光体」といえ、水道水の開閉バルブとしての前記リミツトスイツチ付バルブと前記液体殺菌装置と連動させることで通水時のみ紫外線殺菌を行うことは、「バルブ」を開いたときに前記「発光体」が起動され、「バルブ」を閉じたときに前記「発光体」が駆動解除されるように、「バルブ」と「発光体」の動作をリンクすることを開示しているといえる。 そうすると、「バルブ」を開いたときに、水に「消毒光」を放射する「発光体」が起動され、「バルブ」を閉じたときに当該「発光体」が駆動解除されるように、「バルブ」と「発光体」の動作をリンクすることは、当業者がよく知る本願の優先日当時の周知技術といえるのであって、そうすることで、省電力化が図られる、という効用をもたらすものである。そして、そのような省電力化の効用は当業者が普通に期待するところである。 してみれば、引用発明において、「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるように、「バルブ」と「発光体」の動作をリンクさせることは、前記の効用を期待する当業者が、既に認知している前記周知技術に基づいて容易になし得ることである。 そして、引用発明は、もともと、「前記バルブと作動可能に連結されたバルブアクチュエータであって、前記バルブを選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータを備え」るものといえることは、前記(ウ)に記載したとおりであって、「バルブ」と「発光体」の動作をリンクさせたとき、「バルブアクチュエータ」と「発光体」の動作もまた、リンクするものである。 これらのことからみれば、引用発明において、「水分配システム」を、「前記バルブと作動可能に連結されたバルブアクチュエータであって、前記バルブを選択的に開閉するように構成された、バルブアクチュエータを備え、ここで、前記バルブアクチュエータが前記発光体にリンクされており、前記バルブアクチュエータが前記バルブを開いたときに前記発光体が起動され、前記バルブアクチュエータが前記バルブを閉じたときに前記発光体が起動解除される」ものとして、前記相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項を有するものとすることは、前記周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることである。 更に、前記相違点2が実質的な相違点であると仮定した場合であっても、前記相違点2に係る発明特定事項の採用による顕著な効果は見当たらないし、前記相違点1及び2を総合的に勘案しても、それらの相違点に係る発明特定事項の組合せにより奏する作用効果は、引用発明及び本願の優先日当時の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということもできない。 (オ) したがって、本件補正発明は、引用発明、本願の優先日当時の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5) 請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 請求人の主張の概要は、以下のとおりである。 (ア) 引用文献1は、バルブを操作することにより紫外線を制御すること、すなわち前記相違点2に係る特徴について何ら開示も示唆もしておらず、更に、そのほかの引用文献も当該特徴について何ら開示も示唆もしていないから、令和3年8月2日にした手続補正書により補正された本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明は新規性及び進歩性を有する(令和3年8月2日に提出した意見書【意見の内容】○理由1及び2)。 (イ) 本件補正発明が新規性及び進歩性を有することは令和3年8月2日に提出した意見書に記載したとおりであって、引用文献1では、バルブの操作はUV光の放出を制御しないし、引用文献1では、液体の流れがUV光を制御するスイッチを閉じるが、バルブへのリンクはない。 更に、引用文献1は、「消毒光を間欠的に放射する」、との前記相違点1に係る本件補正発明の特徴について、何ら開示も示唆もしていないから、本件補正発明は新規性及び進歩性を有する(令和4年5月30日に提出した審判請求書【請求の理由】3.(3)○理由1及び2について)。 イ 判断 (ア) 始めに、前記ア(ア)の主張について検討すると、引用発明における近接スイッチが「発光体」にリンクされており、近接スイッチが「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、近接スイッチが「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるものといえることは、前記(4)イ(ア)に記載したとおりであるから、引用文献1には、バルブを操作することにより紫外線を制御することについて開示されているといえる。 また、仮にそうでないとしても、前記(4)イ(エ)に記載したとおり、「バルブ」を開いたときに「発光体」が起動され、「バルブ」を閉じたときに「発光体」が駆動解除されるように、「バルブ」と「発光体」の動作をリンクさせることは、前記の効用を期待する当業者が、既に認知している前記周知技術に基づいて容易になし得ることであるから、引用発明において、バルブを操作することにより紫外線を制御することは、前記周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることであるので、前記ア(ア)の主張は採用できない。 (イ) 次に、前記ア(イ)の主張について検討すると、前記(ア)に記載したのと同様の理由により、引用文献1では、バルブの操作はUV光の放出を制御しているし、UV光を制御するスイッチとバルブがリンクしているといえる。そして、後者のリンクについては、前記周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることでもある。 また、引用発明において、「発光体」を、「消毒光を間欠的に放射するように構成」して、前記相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項を有するものとすることは、前記周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることであることは、前記(4)ア(イ)に記載したとおりであるから、本件補正発明が、前記相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項により進歩性を有するとはいえないので、前記ア(イ)の主張も採用できない。 3 補正の却下の決定のむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明の認定 本件補正は、前記第2に示したとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年8月2日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載されたとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、引用文献1を主たる証拠とした拒絶の理由の概要は、次のとおりである。 1.(新規性)この出願の請求項1~5、7及び8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)この出願の請求項1~5、7及び8に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明及び本願優先日当時の周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特表2012-501835号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]2(2)アに記載したとおりであり、本願の優先日当時の周知技術を開示する引用文献4及び5の記載事項は、前記第2[理由]2(2)エ及び同オに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明の「前記水出口(110)から出て行く水の中へ消毒光を間欠的に放射するように構成された、発光体(120)」の構成から、「間欠的に」という限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明と引用発明とを対比した場合、前記第2[理由]2(3)イの相違点2の点でのみ相違するが、前記相違点2は実質的な相違点とはいえないか、仮にそうでなくても、引用発明を、前記相違点2に係る発明特定事項を有するものとすることは、本願の優先日当時の周知技術に基づいて当業者が容易になし得ることであることは、前記第2[理由]2(4)イに記載したとおりである。 してみれば、本願発明は引用発明といえるか、引用発明及び本願の優先日当時の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明といえるか、引用発明及び本願の優先日当時の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条1項3号に該当し、又は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-008040

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