2022-005604
精製大豆油の製造方法、精製大豆油、及び精製大豆油のコク風味向上方法
- 審判番号
- 2022-005604
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-020960外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年04月14日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日清オイリオグループ株式会社
- 分類
- P18 .121-Z (C11B) / P18 .113-Z (C11B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年2月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
(なお、指定期間内に請求人からの応答はなかった。)
第2 本願発明
本願の請求項1~3に係る発明は、令和4年4月14日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載されたとおりのものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】精製大豆油において、トリグリセリドを構成する脂肪酸中のトランス脂肪酸量が0.5質量%以下であり、全トコフェロール量が1050ppm以上であり、ロビボンド比色計におけるY+10R値が15~40である、精製大豆油。」
第3 原査定の拒絶理由の概要
原査定には「この出願については、令和3年7月29日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものです。」と記載されている。
そして、令和3年7月29日付け拒絶理由通知書に記載した理由は、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、また引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるか、引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、また特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載事項
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前記引用文献1には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】脱臭工程を含む食用油脂の製造方法において、前記脱臭工程を、バッチ式またはトレイ型半連続式脱臭装置を用いて真空度10hPa以下で脱臭温度200℃以上で行ない、その際にトランス脂肪酸生成量を0.5質量%以下に抑制し、かつ脱臭工程前の原料油脂に含有されるトコフェロール類を脱臭工程後に80%以上残存させるように、前記脱臭温度、脱臭時間および前記脱臭温度での水蒸気吹込量の油に対する質量比率を調整することを特徴とする食用油脂の製造方法。【請求項2】上記調整が、上記脱臭温度をT℃で示し、上記脱臭時間をM分で示し、前記脱臭温度での水蒸気吹込量の油に対する質量比率をS質量%で示すとき、T、M、Sの変数を含む下記の数1および数2の式で示される関係を満足する調整である請求項1に記載の食用油脂の製造方法。[図:0001410612000001.jpg]」
「【請求項6】食用油脂が、大豆油、なたね油、コーン油、コメ油、綿実油、ヒマワリ油およびサフラワー油からなる群から選ばれる1種以上の食用油脂である請求項1~5のいずれかに記載の食用油脂の製造方法。」
「【0019】そこで、本願の各請求項に係る発明(以下、本願発明という。)は、上記した問題を解決し、トランス脂肪酸の生成量を従来の精製油脂における生成量よりも充分に低減すると共に、風味や酸化安定性に影響を及ぼす不純物を充分に除去し、しかも酸化安定性や風味安定性を向上させた食用油の製造方法とすることを課題としている。」
「【0045】脱臭時の温度は200~240℃がよく、さらには210~240℃が好ましく、215~235℃が最も適している。脱臭温度が高いと酸価や色調は良くなるが、トランス脂肪酸の生成量が多くなり、トコフェロール類を代表とする、天然の抗酸化物質の含有量が減少する。トランス脂肪酸の生成量は、210~220℃を変曲点として、それ以上の温度では指数曲線的に増加する。」
「【0047】脱臭工程中は、真空度を10hPa以下に維持しておく必要がある。水蒸気の吹込量を多くすると、脂肪酸をはじめとする油脂中の不純物が多く除去され、指標としての酸価が低下する。しかしながら、トコフェロール類をはじめとする油脂中の酸化防止成分も除去されやすくなるので、脱臭時間や脱臭温度とのバランスをとることが重要となる。よって、脱臭時間は、10~100分の間で脱臭温度と脱臭温度での水蒸気吹込量対油比率に関連させて、前記した数1、2の2つの式をいずれも満足するように調整する。【0048】続きを表示(全15行)数1の式は、トランス脂肪酸の生成量に関するものであり、発明者らの詳細な検討によりトランス脂肪酸の生成量は指数関数的に表すことができ、第一には脱臭温度に依存することを示しており、次に脱臭時間に依存して増加することをも示している。【0049】また、水蒸気吹込量対油比率に関しては、トランス脂肪酸の生成を抑制する方向に働くことを示している。このことを別に言い換えると、脱臭時間を長くすることは脱臭温度を高くすることと同じであり、水蒸気吹込量対油比率を上げることは脱臭温度を下げることと同様の効果をもたらす。【0050】水蒸気吹込量対油比率を多くすると酸価や色調は良くなり、しかもトランス脂肪酸の生成量も抑えることができる。例えば、脱臭時間50分で水蒸気吹込量対油比率1質量%の時に対し、水蒸気吹込量対油比率2質量%とすると脱臭温度を5℃低下させるのと同様の効果となる。脱臭温度を215~235℃、脱臭時間を20~60分、脱臭温度と脱臭温度での水蒸気吹込量対油比率を2~6%として数1の式の左項が0.2~2となるようにバランスをとることが最も好ましい。【0051】数2で示される式は、脱臭工程前の原料油脂に含有される主にトコフェロール類の天然酸化防止成分を脱臭工程後に80%以上残存させるようにする脱臭効果に関するものであり、これについても第一に脱臭温度に依存しつつ、脱臭時間と水蒸気吹込量対油比率も影響を及ぼす。脱臭時間を長くすると、酸価の低下や色調の淡色化が進み、脱臭直後の油の品質は向上するが、トコフェロール類をはじめとする天然の酸化防止成分の除去も進行し、含有量が減少する。【0052】また、水蒸気吹込量対油比率を上げることも同様の現象となる。逆に、脱臭時間を短くすると、酸価の低下が少なくなって色調が悪化するので、脱臭温度での水蒸気吹込量対油比率を多くする必要がある。よって、酸価の低下と色の淡色化を満足させつつ、脱臭油の風味・酸化安定性を向上させるには数2で示される式で示すような特定の範囲とするのである。」
「【0055】例えば、大豆油は脱臭前の原料油ではトコフェロール類が1000~1200ppm程度含有されているが、250℃、60分の脱臭では20%以上が失われることとなる。本願の発明によれば、トコフェロール類を80%以上残存させることが可能となる。【0056】本願発明の製造方法による油脂は、風味や酸化安定性が良好であるので、炒め油やフライ用に使用できる。また、トランス脂肪酸を低減したものの、まだ十分でなかった従来のマーガリン類をはじめとする各種加工油脂製品に使用することで、トランス脂肪酸を極限に近いところまで低減することができる。続きを表示(全18行)【0057】以下の実施例及び比較例にて使用した原料油および作製した油脂について、酸価は基準油脂分析試験法2.3.1-1996で測定し、色調は、基準油脂分析試験法2.2.1.1-1996、脂肪酸組成は基準油脂分析試験法暫15-2003にて行ない、トランス脂肪酸含有量は、基準油脂分析試験法暫17-2007、トコフェロール含量は、基準油脂分析試験法2.4.10-1996にて分析を行なった。尚、色調は、10R+Yの数値として表した。【0058】[実施例1~4]図1に模式的に示した構造の脱臭装置を用い、脱臭前原料油脂Oとして、脱色大豆油1kgを2L容量のガラス製水蒸気蒸留フラスコ1に投入し、バッチ式脱臭を行なった。その際に水蒸気は、水蒸気発生器2で蒸留水WをヒータHで加熱して発生したものをフラスコ1の底部まで延びるガラス管3で供給し、その量は蒸留水2の減量をもって計測して脱臭時の水蒸気吹込量とした。【0059】フラスコ1には真空ポンプPを、氷水トラップ4を経由して接続して減圧状態とし、フラスコ1内の真空度はマノメータ5にて測定した。フラスコ1内の加熱はマントルヒータ6で行ない、脱臭温度に達するまでの加熱時間は34分であった。温度計7で測定される脱臭温度は220℃、225℃、230℃、235℃として、脱臭時間は50分とし、脱臭時の水蒸気吹込量対油比率は1%を目標に行ない、試験中の真空度は3hPaを維持した。なお、図1中の符号8はゴム管、9はコックである。【0060】原料の脱色油および得られた脱臭油の酸価、色調、トランス脂肪酸含量、トコフェロール含量、風味評価を表1中に示すと共に、数1、2に示した式の左項の値を同表中に示した。なお、脱色大豆油の脂肪酸組成におけるジエン脂肪酸(C18-2)は57.0%、トリエン脂肪酸(C18-3)は7.3%であり、数3の式における左項の値は130であった。【0061】表中の脱臭油の風味は、下記の基準に従って評価した。○ 異味異臭なく良好△ 僅かに原料特有の味がする× 不快な味があり、食するのに不適」
「【0072】[実施例8~10]実施例1の製造方法で用いた脱色大豆油における脱臭温度と脱臭時の水蒸気吹込量対油比率を表3に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして脱臭を行なった。【0073】原料の脱色油および得られた脱臭油の評価として、酸価、色調、トランス脂肪酸含量、トコフェロール含量、風味評価を示すと共に、数1、2に示した式の左項の値を表3中に示した。【0074】【表3】[図:0001410612000002.jpg]【0075】表3に示す結果から明らかなように、脱臭温度が低い場合でも脱臭時間と水蒸気吹込量対油比率を増やすことで、実施例8~10の製造方法で得られた油脂は、トランス脂肪酸の生成量を低く抑えながらも酸価、色調、風味も良好であり、トコフェロールの残存量も80%以上であった。」
2 技術常識を示す文献の記載事項
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当審が、本願出願前の技術常識を示す文献として提示する、特開2017-48309号公報(前置報告書における引用文献2)には、次の記載がある。
「【0002】一般に植物油中に含まれるトコフェロールは、油糧原料中に含まれるトコフェロールが、植物油に溶出したものである。これらのトコフェロールは、抗酸化成分として、植物油の酸化安定性を高め、あるいは栄養成分として有用である。植物油は、油糧原料の種子・果実から油を取り出す採油工程(製油工程)と、採油工程で得られた粗油(原油)を精製する精製工程によって得られる。採油工程は、採油のための前処理工程(準備工程)と実際に採油を行う工程からなる。精製工程では、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の各工程を経て精製油(製品)となる。この時、主に脱臭工程(減圧水蒸気蒸留)において、トコフェロールの一部は蒸留により脱臭留出物として除去され、精製油が得られる。また、脱臭留出物は、トコフェロールの原料として用いられ、トコフェロールが分離・精製されて抗酸化剤、あるいは栄養成分として用いられる(特許文献1参照)。」
「【0007】従来は大豆油のトコフェロール量を増加させようとすると、脱臭工程の条件を制御させるしかなく、例えば、マイルドな脱臭条件で精製を行うとトコフェロールは精製油中に多く残存するが、十分な脱臭が行われず、風味等に悪影響を及ぼすことがあった。また、脱臭留出物が少なくなるため、トコフェロール原料が減少する問題があった。そこで、更に精製大豆油中のトコフェロール量やトコフェロール原料を増加させるために、大豆油の粗油中のトコフェロール量を増加させることが求められていた。」
「【0024】〔比較例1~2、及び実施例1~2〕精選したORD大豆を流動層乾燥機にて加熱処理を行い、さらに粗砕処理、圧扁処理を行い、抽出原料とした。抽出原料をヘキサンにて抽出し、ヘキサンを除去して粗油を得た。【0025】続きを表示(全14行)〔比較例3、実施例3〕精選したORD大豆を粗砕処理し、ロータリーキルンにて加熱処理を行い、さらに圧扁処理を行い、抽出原料とした。抽出原料をヘキサンにて抽出し、ヘキサンを除去して粗油を得た。【0026】〔実施例4~5〕精選したORD大豆を流動層乾燥機にて加熱処理を行い、さらに粗砕処理を行った。得られた粗砕大豆をロータリーキルンにて加熱処理を行い、その後、圧扁処理を行い、抽出原料とした。抽出原料をヘキサンにて抽出し、ヘキサンを除去して粗油を得た。【0027】【表1】[図:0001410612000003.jpg]【0028】表1に示される通り、実施例1~5の大豆油(粗油)は、比較例1~3の大豆油(粗油)に比べて、トコフェロールが多く含まれている。このことから、実施例1~5は、高濃度のトコフェロールを含む大豆油を製造することができることが確認でき、さらに、この粗油を用いると脱臭留物量も多くなり、トコフェロールの生産量が多くなる。」
3 引用文献1に記載された発明
引用文献1の【0057】~【0059】を参照しつつ、【0072】~【0074】の実施例8に着目すると、引用文献1には、以下の発明(「引用発明」ともいう。)が記載されているといえる。
(引用発明)
脱色大豆油を脱臭して得られた、酸価0.14、色調(10R+Y)24、トランス脂肪酸含量0.20%、トランス脂肪酸生成量0.08%、トコフェロール含量977ppm、トコフェロール残存量89%である、脱臭油。
第5 対比・判断
1 本願発明と引用発明との対比
引用発明の「脱色大豆油を脱臭して得られた」「脱臭油」は、本願発明1の「精製大豆油」に相当する。
引用発明の「トランス脂肪酸含量0.20%」は、本願発明1の「トリグリセリドを構成する脂肪酸中のトランス脂肪酸量が0.5質量%以下であり」を充足する。
引用発明の「色調(10R+Y)24」は、本願発明1の「ロビボンド比色計におけるY+10R値が15~40である」を充足する。
以上より、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「精製大豆油において、トリグリセリドを構成する脂肪酸中のトランス脂肪酸量が0.5質量%以下であり、ロビボンド比色計におけるY+10R値が15~40である、精製大豆油。」
(相違点)
全トコフェロール量について、本願発明1は、「1050ppm以上であり」と特定するのに対し、引用発明は、977ppmである点。
2 判断
前記相違点について検討する。
引用文献1には、【0051】に「数2で示される式は、脱臭工程前の原料油脂に含有される主にトコフェロール類の天然酸化防止成分を脱臭工程後に80%以上残存させるようにする脱臭効果に関するものであり」と記載されていることから、トコフェロール類を80%以上残存させることが好ましいといえ、【0055】に「例えば、大豆油は脱臭前の原料油ではトコフェロール類が1000~1200ppm程度含有されているが、250℃、60分の脱臭では20%以上が失われることとなる。本願の発明によれば、トコフェロール類を80%以上残存させることが可能となる。」として、脱臭前の原料油にトコフェロール類が1000~1200ppm程度含まれることが記載されている。
そして、技術常識を示す文献(特開2017-48309号公報)に、「トコフェロールは、抗酸化成分として、植物油の酸化安定性を高め、あるいは栄養成分として有用である。」(【0002】)、「更に精製大豆油中のトコフェロール量やトコフェロール原料を増加させるために、大豆油の粗油中のトコフェロール量を増加させることが求められていた。」(【0007】)と記載されているように、トコフェロールは抗酸化成分及び栄養成分として有用であり、精製大豆油中のトコフェロール量を増加させることは、当該技術分野における周知の技術事項である。
そうすると、引用発明において、精製大豆油中のトコフェロール量を増加させるため、脱臭前の原料油(脱色大豆油)のトコフェロール量を、1100ppmから含有範囲の上限にあたる1200ppm程度に増加させたり、トコフェロール量が1200ppm程度である原料油(脱色大豆油)を選択することは、当業者が容易になし得たことである。そして、その増加や選択をすると、引用発明の脱臭条件は、トコフェロールが89%程度は残存するものといえるから、脱臭前の原料油のトコフェロール量を1200ppmとすることにより、脱臭油中のトコフェロール量が1068ppm(1200ppm×0.89)となって、相違点に係る特定事項を充足するものと認められる。
また、本願明細書の【0026】~【0034】には、実施例及び比較例により、本願発明が、コク風味が良好であり、雑味、加熱臭が許容範囲である効果を奏することが記載されているが、比較例では、Y+10R値が15~40の範囲から外れることで当該効果を奏しないことが記載されており、Y+10R値が24である引用発明は、本願発明同様の効果を奏するものといえるので、本願発明が引用発明と比較して顕著な効果を奏するとは認められない。
3 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書において、「引用文献1は「全トコフェロール量が1050ppm以上」と「ロビボンド比色計におけるY+10R値が15~40」の両方を満たす精製大豆油が存在しない点で本願発明と異なります。」とし、「なお、引用文献1の表1、3、5、6から、トコフェロール含量1100ppm、色調62の脱色大豆油を脱臭した場合、脱臭温度が高くなるに従って、トコフェロール含量、色調ともに、低下することがわかります。しかしながら、引用文献1は、「真空度10hPa以下で脱臭温度200℃以上」(引用文献1の請求項1)で脱臭工程を行うものであり、同範囲より低い脱臭温度である比較例1でさえ、トコフェロール含量が1000ppm未満であり、「精製大豆油の全トコフェロール量が1050ppm以上」である本願発明を容易に発明できるものではありません。」と主張している。
しかしながら、前記2で検討のとおり、引用文献1には、脱臭前の大豆油はトコフェロール類を1000~1200ppm程度含有するものであることが記載され、また精製大豆油中のトコフェロール量を増加させることは周知の技術事項であって、その動機付けがあることから、引用発明において、脱臭前の大豆油中のトコフェロール量を1200ppm程度とすることは、当業者が容易になし得たことであり、また脱臭前の大豆油中のトコフェロール量を1200ppmとすることにより、精製大豆油中のトコフェロール量を1068ppmに増加させることができるといえる。さらに、引用文献1の実施例及び比較例は、脱臭前の大豆油のトコフェロール量が1100ppmである場合に、脱臭後のトコフェロール含量が1000ppm未満であることを示しているに過ぎず、脱臭前の大豆油のトコフェロール量が異なる場合やその他の条件が異なる場合にも、「精製大豆油の全トコフェロール量が1050ppm以上」とすることが不可能であるとか、そのことを阻害する要因があるということもできない。よって、前記審判請求人の主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明、並びに引用文献1に記載された事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-005604