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特許拒絶査定不服審判

2022-004604

遊技機

審判番号
2022-004604
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-120312外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年03月30日
審決日
2024年05月29日
公報発行日
2024年06月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-120312「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月29日出願公開、特開2020-175219、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 10項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成27年8月28日に出願した特願2015-169843号の一部を令和2年7月14日に新たな特許出願としたものであって、令和3年2月16日に手続補正書が提出され、同年6月4日付けで拒絶理由通知がされ、同年8月5日に意見書が提出され、令和4年1月20日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年3月30日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、令和5年5月10日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月12日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月21日付けで拒絶理由通知(最後)がされ、令和6年1月24日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和4年1月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献A、Bに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

A.特開2014-176471号公報

B.特開2015-146995号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由(令和5年5月10日付け及び同年11月21日付け)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2015-150447号公報(当審において新たに引用した文献)

第4 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年1月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(補正箇所を示す下線及び分説記号A~Gは、当審で付した。)。

「【請求項1】
A 遊技者の操作手段に対する操作を検出可能な検出手段と、
B 遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知を遊技者にとって
有利な有利状態に制御される期待度に応じた複数の演出態様にて実行可能
続きを表示(全39行)
な促進報知手段と、
C 前記検出手段により遊技者の操作手段に対する操作が検出されたことに
基づいて、前記有利状態に制御されることを示唆する演出として前記促進
報知の演出態様とは関連しない所定演出を実行可能な演出実行手段と、
D 前記検出手段による検出が有効である有効期間を示す有効期間報知を行
う有効期間報知手段と、
E 前記有効期間が終了したときに、前記有効期間の終了を示す終了報知を
行う終了報知手段と、を備え、
D1 前記有効期間報知手段は、有効期間報知として、前記有効期間が満了
するまでの残存期間を示す残存有効期間画像を表示可能であり、
E1 前記終了報知手段は、終了報知として、前記有効期間が満了したとき
に前記残存有効期間画像を前記有効期間の終了を示す有効期間終了画像に
更新して表示可能であるとともに、前記有効期間が満了するまでの間に前
記検出手段により検出がなされたときに前記有効期間終了画像を表示可能
であり、
F 前記有効期間が満了するまでの間に前記検出手段により検出がなされた
ことに基づいて前記有効期間終了画像が表示される場合、該有効期間終了
画像を表示する契機となった前記検出手段による検出に基づいて前記所定
演出が実行されるときに、該所定演出に係る演出画像は、前記有効期間終
了画像と並行して表示され、
C1 前記演出実行手段は、リーチ成立後に特定演出を実行可能であり、
B1 前記促進報知手段は、前記特定演出が実行される前の第1タイミング
と、前記特定演出が実行されているときの第2タイミングと、で前記促進
報知を実行可能であり、
B2 前記促進報知の演出態様として、第1演出態様と、該第1演出態様よ
りも前記有利状態に制御される期待度の高い第2演出態様と、を含み、
B3 前記第1タイミングにおいて、前記第1演出態様の前記促進報知が前
記第2演出態様の前記促進報知よりも高い割合で実行され、
B4 前記第2タイミングにおいて、前記第2演出態様の前記促進報知が前
記第1演出態様の前記促進報知よりも高い割合で実行され、
B5 前記第1演出態様は、操作手段を示す第1促進画像を表示し、操作手
段に対する操作態様を示す第2促進画像を表示しない演出態様であり、
B6 前記第2演出態様は、前記第1促進画像及び前記第2促進画像を表示
する演出態様である、
G ことを特徴とする遊技機。」

第5 引用文献、引用発明等

当審拒絶理由に引用された引用文献1(特開2015-150447号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0034】
図4において、遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、発射制御部200、払出制御部300、演出制御部400、画像音響制御部500、およびランプ制御部600等を備えている。
・・・
【0048】
続きを表示(全26行)
演出制御部400は、CPU401、ROM402、RAM403、およびRTC(リアルタイムクロック)404を備えている。また、演出制御部400は、演出ボタン37および演出キー38が接続され、遊技者が押下する操作に応じて演出ボタン37および演出キー38からそれぞれ出力される操作データを取得する。CPU401は、演出を制御する際の演算処理を行う。ROM402は、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等を記憶している。・・・
【0049】
演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定する。また、演出制御部400は、遊技者によって演出ボタン37または演出キー38が押下操作された場合、当該操作入力や検出結果に応じて演出内容を設定する場合もある。
・・・
【0164】
ステップS1545において、CPU401は、画像音響制御部500等に指示して、第1の操作指示演出を終了させて、後続の演出として、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作がされた場合に予定されている第1のボタン操作適合演出を実行する。具体的には、本実施形態では、第1のボタン操作適合演出として、例えば、複数のリーチ演出のうち、大当りの信頼度が高いことを示すリーチ演出が実行される。ここで、信頼度とは、大当りになる可能性を示すものであり、例えば、信頼度が高い演出は、ハズレ時(変動演出開始コマンドに含まれる設定情報の条件が「ハズレ」である時)に選択される確率が低く設定された演出であるため、当該演出が実行されたときには大当りである確率が高くなる(つまり、信頼度が高い)。一方、信頼度が低い演出は、ハズレ時に選択される確率が高く設定された演出であるため、当該演出が実行されたときには大当りである確率が低くなる(つまり、信頼度が低い)。例えば、本実施形態では、上述の通り、第1の操作指示演出によって、後続する演出の信頼度の変化が煽られており、後続する演出として、信頼度が高い順にリーチA、リーチB、リーチC、リーチDの4種類のリーチ演出が用意されている。なお、リーチ演出の内容はどのようなものであってもよいが、本実施形態では、主人公キャラクタが敵キャラクタと戦い、主人公キャラクタが勝てば大当りを示唆し、主人公キャラクタが負ければハズレを示唆するというリーチ演出が実行される。また、本実施形態では、後続するリーチ演出(リーチA~D)の信頼度を予告する画像として、それぞれ「★」が4~1個点灯された画像が表示されることにより、「★」の数が多いほど、信頼度の高いリーチ演出が実行されることが予告される。また、この信頼度を予告する画像は、リーチ演出が開始されるときにも所定時間表示されることにより、当該リーチ演出の信頼度が示唆される。ここで、本実施形態における第1のボタン操作適合演出としては、例えば、上述のリーチA~Dのリーチ演出のうち最も信頼度が高いリーチAのリーチ演出が実行される。なお、所定条件を満たす演出ボタン37の操作がなされる(ステップS1544でYESと判定される)と、第1の操作可能期間が強制的に終了され、第1の操作指示演出が終了されると共に、ゲージ画像50の表示態様は、全体が赤色(終期態様)に遷移される。すなわち、第1の操作指示演出が終了された時点では、ゲージ画像50の全体は、赤色の表示態様(終期態様)で表示される。その後、処理は図15のステップS1548に移る。
・・・
【0178】
まず、遊技機1の画像表示部6には、演出ボタン37の操作を遊技者に促す演出が行われる前に実行される予め定められた規定時間の操作指示前演出が実行される。具体的には、まず、画像表示部6には、3つの装飾図柄DI・・・が、特別図柄の変動表示に応じて、順次変動表示される。そして、図16(1)に示すように、左装飾図柄DILとして、例えば数字図柄「3」が仮停止表示され、右装飾図柄DIRとして、左装飾図柄DILと同一の数字図柄「3」が仮停止表示されることにより、リーチ状態となる演出が実行される。・・・
【0179】
次に、上記した予め定められた規定時間の操作指示前演出(装飾図柄DIがリーチ状態となる演出)が終了すると、画像表示部6には、操作指示前演出に後続する演出として、演出ボタン37の第1の操作(例えば、演出ボタン37を第1の操作可能期間以内に10回連続押下する操作)を遊技者に促すと同時に、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて変化し得る第1の操作指示演出が実行されると共に、画像表示部6に上述した操作可能期間を示唆するゲージ画像50の表示が開始される。具体的には、第1の操作指示演出として、図16(2)に示すように、「10回連打せよ!」の文字画像と、演出ボタン37を模した画像と、第1の操作指示演出に後続する演出の信頼度を予告する画像(図16(2)の「★」画像)とが画像表示部6に表示され、演出ボタン37が操作されると、当該操作に応じて上記信頼度を予告する画像が変化することを煽る演出が実行される。
【0180】
そして、第1の操作指示演出における操作可能期間である第1の操作可能期間の開始時間となると、時間経過と共に、ゲージ画像50のうち、黄色の表示態様で示される部分が長手方向に減少し(つまり、残余時間が減少し)、ゲージ画像50のうち、赤色の表示態様で示される部分が長手方向に増加する(つまり、経過時間が増加する)ように、ゲージ画像50の表示態様が遷移される。(図16(3)参照)。このようにゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移されることにより、現在の第1の操作可能期間の経過時間およびその残余時間を、遊技者に視認させることができる。
【0181】
次に、第1の操作可能期間(例えば5秒)内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合、後続するリーチ演出の信頼度を予告する画像として例えば「★」の数が4つ表示されて、第1の操作指示演出が終了される(第1の操作可能期間が強制的に終了される)と共に、ゲージ画像50は、全体が赤色(終期態様)である表示態様に遷移される(図16(4)参照)。そして、画像表示部6には、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合に予定されている第1のボタン操作適合演出として、リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」4つ)に対応した、大当りの信頼度が高いことを示すリーチAのリーチ演出が開始される(図16(5)参照)。なお、このとき、リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」4つ)は、リーチAの演出が開始されてから所定時間、画像表示部6に表示される、また、ゲージ画像50は、終期態様のまま継続して画像表示部6に表示されている。
【0182】
一方、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知されず、第1の操作可能期間が終了した場合、後続するリーチ演出の信頼度を予告する画像として例えば「★」の数が1つ表示されて、第1の操作指示演出が終了されると共に、ゲージ画像50は、全体が赤色(終期態様)である表示態様に遷移される(図16(6)参照)。そして、画像表示部6には、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作がなされなかった場合(演出ボタン37の連打回数が10回未満の場合)に予定されている第1のボタン操作不適合演出として、リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」1つ)に対応した、大当りの信頼度が低いことを示すリーチDのリーチ演出が開始される(図16(7)参照)。なお、このとき、リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」1つ)は、リーチDの演出が開始されてから所定時間、画像表示部6に表示される、また、ゲージ画像50は、終期態様のまま継続して画像表示部6に表示されている。
・・・
【0184】
次に、第1のボタン操作適合演出または第1のボタン不適合演出(例えば、リーチA演出またはリーチD演出)が開始されてから予め定められた規定時間経過すると、時間経過と共に、ゲージ画像50のうち、赤色の表示態様で示される部分が長手方向に減少し、ゲージ画像50のうち、黄色の表示態様で示される部分が長手方向に増加する(図17(1)、(2)参照)。このように、ゲージ画像50が画像表示部6に継続して表示され、さらに時間経過と共に、ゲージ画像50の表示態様が、赤色(終期態様)から黄色(始期態様)に長手方向に遷移されることにより、演出ボタン37の操作可能期間が徐々に回復(復活)していることが示唆される。このことにより、再度演出ボタン37等の操作を促す演出が開始されるタイミングを遊技者に示唆することができる。
【0185】
次に、ゲージ画像50全体の表示態様が、赤色(終期態様)から黄色(初期態様)に遷移されると(図17(3)、(4)参照)、画像表示部6には、演出ボタン37の第2の操作を遊技者に促すと同時に、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて変化し得る第2の操作指示演出が実行される(図17(5)参照)。具体的には、図17(5)に示すように、「10回連打してメーターを上げろ!」との文字画像と、演出ボタン37を模した画像と、上述した大当りの信頼度を示唆する画像である大当り期待メーター画像とが、画像表示部6に表示され、演出ボタン37が操作されると、当該操作に応じて上記信頼度を示す大当り期待メーター画像が変化することを煽る演出が実行される。」
「【図16】 【図17】
[図:0001410600000001.jpg]
」
「【図18】
[図:0001410600000002.jpg]
」

上記【図16】(5)からは、第1の操作指示演出に後続するリーチAのリーチ演出が、赤色(終期態様)に遷移したゲージ画像50と同時に画像表示部6に表示されること(認定事項1)が見て取れる。

以上から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(符号a等は、分説するために当審にて付した。)。

(引用発明)

a 遊技機1の制御装置は、メイン制御部100、演出制御部400を備え(【0034】)、演出制御部400は、メイン制御部100から送られる特別図柄抽選結果等を示すデータに基づいて、演出内容を設定し、また、遊技者によって演出ボタン37が押下操作された場合、当該検出結果に応じて演出内容を設定する場合もあり(【0049】)、

b リーチ状態となる演出が実行されると(【0178】)、画像表示部6には、演出ボタン37の操作を遊技者に促すと同時に、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて変化し得る第1の操作指示演出が実行されると共に、画像表示部6に第1の操作可能期間を示唆するゲージ画像50の表示が開始され、具体的には、第1の操作指示演出として、「10回連打せよ!」の文字画像と、演出ボタン37を模した画像と、第1の操作指示演出に後続する演出の信頼度を予告する画像(「★」画像)とが画像表示部6に表示され(【0179】)、後続する演出として、信頼度が高い順にリーチA、リーチB、リーチC、リーチDの4種類のリーチ演出が用意されており、それぞれ「★」が4~1個点灯された画像が表示されることにより、「★」の数が多いほど、信頼度の高いリーチ演出が実行されることが予告され(【0164】)、

c 第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合、第1の操作可能期間が強制的に終了されると共に、ゲージ画像50は、全体が赤色(終期態様)である表示態様に遷移され、そして、画像表示部6には、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合に予定されている第1のボタン操作適合演出として、リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」4つ)に対応した、大当りの信頼度が高いことを示すリーチAのリーチ演出が開始され(【0181】)、リーチAのリーチ演出が、赤色(終期態様)に遷移したゲージ画像50と同時に画像表示部6に表示され(認定事項1)、

d 第1の操作指示演出における操作可能期間である第1の操作可能期間の開始時間となると、ゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移されることにより、現在の第1の操作可能期間の経過時間およびその残余時間を、遊技者に視認させることができ(【0180】)、

e リーチA演出が開始されてから予め定められた規定時間経過すると、時間経過と共に、ゲージ画像50のうち、赤色の表示態様で示される部分が長手方向に減少し、ゲージ画像50のうち、黄色の表示態様で示される部分が長手方向に増加し(【0184】)、ゲージ画像50全体の表示態様が、赤色(終期態様)から黄色(初期態様)に遷移されると、画像表示部6には、演出ボタン37の第2の操作を遊技者に促すと同時に、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて変化し得る第2の操作指示演出、具体的には、「10回連打してメーターを上げろ!」との文字画像と、演出ボタン37を模した画像と、大当りの信頼度を示唆する画像である大当り期待メーター画像とが、画像表示部6に表示され、演出ボタン37が操作されると、当該操作に応じて上記信頼度を示す大当り期待メーター画像が変化することを煽る演出が実行される(【0185】)、

f 遊技機1(【0034】)。

第6 対比・判断

1 本願発明について

(1)対比

本願発明と引用発明とを対比する。

ア 構成Aについて

引用発明の構成aによれば、「演出制御部400」は「遊技者によって演出ボタン37が押下操作された場合、当該検出結果に応じて演出内容を設定する場合もあ」るところ、引用発明が、「検出結果」を得るのに必要な「遊技者の操作手段に対する操作を検出可能な検出手段」を備えることは自明である。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Aに相当する構成を備える。

イ 構成Bについて

引用発明の構成bによれば、「第1の操作指示演出」では、「「10回連打せよ!」の文字画像と、演出ボタン37を模した画像と」が「画像表示部6に表示され」るところ、上記両画像が画像表示部6に表示されることは、本願発明の構成Bの「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」をすることに相当する。

そして、引用発明の構成bによれば、上記両画像は、「後続する演出の信頼度を予告する画像」とともに画像表示部6に表示されるところ、「後続する演出の信頼度」を「予告」することが、「遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度」を予告することを意味することを踏まえれば、引用発明において、上記両画像(「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」)が、「後続する演出の信頼度を予告する画像」とともに画像表示部6に表示されることは、本願発明の構成Bにおいて、「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」を「遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度に応じた」「演出態様にて実行可能」であることに相当する。

したがって、引用発明と本願発明の構成Bとは、「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知を遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度に応じた」「演出態様にて実行可能な促進報知手段」を備える点で共通する。

ウ 構成Cについて

引用発明の構成cによれば、「第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合、」「リーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」4つ)に対応した、大当りの信頼度が高いことを示すリーチAのリーチ演出が開始され」るところ、引用発明における「リーチAのリーチ演出」は、「大当りの信頼度が高いことを示す」ものであるから、本願発明の構成Cの「前記有利状態に制御されることを示唆する演出」に相当するといえ、また、「リーチAのリーチ演出」は、上記イで検討した引用発明の構成bにおける両画像(「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」)の演出態様とは関連しないから、本願発明の構成Cにおける「前記促進報知の演出態様とは関連しない所定演出」に相当するといえる。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Cに相当する構成を備える。

エ 構成Dについて

引用発明の構成dによれば、「第1の操作指示演出における操作可能期間である第1の操作可能期間の開始時間となると、ゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移される」ところ、黄色(始期態様)と赤色(終期態様)を合わせた期間は、本願発明の構成Dにおける「前記検出手段による検出が有効である有効期間」に相当する。

そうすると、引用発明における「ゲージ画像50」を表示する手段は、本願発明の構成Dにおける「前記検出手段による検出が有効である有効期間を示す有効期間報知を行う有効期間報知手段」に相当するといえる。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Dに相当する構成を備える。

オ 構成Eについて

引用発明の構成dによれば、「ゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移される」ところ、「ゲージ画像50」の表示態様が「赤色(終期態様)」となることは、本願発明の構成Eにおける「前記有効期間の終了を示す終了報知」に相当する。

そうすると、引用発明における「ゲージ画像50」を表示する手段は、本願発明の構成Eにおける「前記有効期間が終了したときに、前記有効期間の終了を示す終了報知を行う終了報知手段」に相当するといえる。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Eに相当する構成を備える。

カ 構成D1について

引用発明の構成dによれば、「ゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移される」ことにより、「残余時間を、遊技者に視認させることができ」るところ、「残余期間」は、本願発明の構成D1における「前記有効期間が満了するまでの残存期間」に相当する。

そうすると、引用発明における「ゲージ画像50」は、本願発明の構成D1における「前記有効期間が満了するまでの残存期間を示す残存有効期間画像」に相当するといえる。

したがって、引用発明は、本願発明の構成D1に相当する構成を備える。

キ 構成E1について

引用発明の構成dによれば、「ゲージ画像50の表示態様が、時間経過と共に、黄色(始期態様)から赤色(終期態様)に長手方向に遷移される」ところ、「ゲージ画像50」の表示態様が、それまでの「黄色(始期態様)」と「赤色(終期態様)」がともに視認できた状態から、「赤色(終期態様)」の状態となることは、本願発明の構成E1における「前記有効期間が満了したときに前記残存有効期間画像を前記有効期間の終了を示す有効期間終了画像に更新し」たことに相当する。

また、引用発明の構成cにおいて、「第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合、」「第1の操作可能期間が強制的に終了されると共に、ゲージ画像50は、全体が赤色(終期態様)である表示態様に遷移され」ることは、本願発明の構成E1における「前記有効期間が満了するまでの間に前記検出手段により検出がなされたときに前記有効期間終了画像を表示可能」であることに相当する。

したがって、引用発明は、本願発明の構成E1に相当する構成を備える。

ク 構成Fについて

引用発明の構成cによれば、「第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合、第1の操作可能期間が強制的に終了されると共に、ゲージ画像50は、全体が赤色(終期態様)である表示態様に遷移され」るところ、「全体が赤色(終期態様)に遷移したゲージ画像50」(「有効期間終了画像」)を表示する契機となった「所定条件を満たす演出ボタン37の操作」(「前記検出手段による検出」)に基づく「リーチAのリーチ演出」(「所定演出」)と「全体が赤色(終期態様)に遷移したゲージ画像50」(「有効期間終了画像」)とが「同時に画像表示部6に表示され」ることは、一般に「リーチ演出」には何らかの「演出画像」が含まれることを踏まえると、本願発明の構成Fにおける「該所定演出に係る演出画像は、前記有効期間終了画像と並行して表示され」ることに相当する。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Fに相当する構成を備える。

ケ 構成C1について

引用発明の構成bの「リーチA」は、「リーチA、リーチB、リーチC、リーチDの4種類のリーチ演出」のうち最も「信頼度が高い」ものであるところ、構成bより、「リーチA」は、「リーチ状態となる演出が実行され」た後に実行されるから、「リーチA」は、本願発明の構成C1の「リーチ成立後に」「実行可能であ」る「特定演出」に相当する。

したがって、引用発明は、本願発明の構成C1に相当する構成を備える。

コ 構成B1について

上記イより、引用発明の構成bの「第1の操作指示演出」は、本願発明の構成Bの「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」をすることに相当する。

引用発明の構成eの「画像表示部6には、演出ボタン37の第2の操作を遊技者に促すと同時に、遊技者による演出ボタン37の操作に応じて変化し得る第2の操作指示演出」も、本願発明の構成Bの「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」をすることに相当する。

引用発明の「第1の操作指示演出」は、引用発明の構成eの「リーチA演出」の前に実行されるものであり、引用発明の「第2の操作指示演出」は、「リーチA演出」のときに実行されるから、「第1の操作指示演出」が実行されるタイミング、「第2の操作指示演出」が実行されるタイミングは、それぞれ、本願発明の構成B1の「前記特定演出が実行される前の第1タイミング」、「前記特定演出が実行されているときの第2タイミング」に相当する。

したがって、引用発明は、本願発明の構成B1に相当する構成を備える。

サ 構成B3、B4について

引用発明の構成bの「第1の操作指示演出」は、「「10回連打せよ!」の文字画像と、演出ボタン37を模した画像と」が「画像表示部6に表示され」るところ、上記両画像が画像表示部6に表示されることは、本願発明の構成B3、B4の「第1演出態様」に対応するものといえる。

引用発明の構成eの「第2の操作指示演出」は、「「10回連打してメーターを上げろ!」との文字画像と、演出ボタン37を模した画像と、大当りの信頼度を示唆する画像である大当り期待メーター画像と」が「画像表示部6に表示され」るところ、上記画像が画像表示部6に表示されることは、本願発明の構成B3、B4の「第2演出態様」に対応するものといえる。

そして、引用発明の「第1の操作指示演出」は、「リーチA演出」の前(第1タイミング)に実行され、引用発明の「第2の操作指示演出」は、「リーチA演出」のとき(第2タイミング)に実行されるから、引用発明は、本願発明の構成B3、B4に相当する構成を備える。

シ 構成Gについて

引用発明の構成fの「遊技機1」は、本願発明の構成Gの「遊技機」に相当する。

したがって、引用発明は、本願発明の構成Gに相当する構成を備える。

上記ア~シにおける検討を踏まえると、本願発明と引用発明とは、以下の相違点で相違し、その余の点で一致する。

【相違点1】(構成B)

「遊技者の操作手段に対する操作を促すための促進報知」について、本願発明では、「遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度に応じた「複数」の演出態様にて実行可能」であるのに対し、引用発明では、「「10回連打せよ!」の文字画像と、演出ボタン37を模した画像」を画像表示部6に表示(「促進報知」)する際に、「★」画像、すなわち「★」1個の信頼度の演出が後続することを予告するものの、「★」1個以外の信頼度の演出が後続することを示す演出態様にて実行可能であるのか、すなわち、期待度に応じた「複数」の演出態様にて実行可能であるのか明らかでない点。

【相違点2】(構成B2、B5、B6)

特定演出が実行される前の第1タイミングと、前記特定演出が実行されているときの第2タイミングとで実行可能である促進報知の演出態様について、本願発明は、「第1演出態様と、該第1演出態様よりも前記有利状態に制御される期待度の高い第2演出態様と、を含」(構成B2)み、「前記第1演出態様は、操作手段を示す第1促進画像を表示し、操作手段に対する操作態様を示す第2促進画像を表示しない演出態様であり、」「前記第2演出態様は、前記第1促進画像及び前記第2促進画像を表示する演出態様である」(構成B5、B6)との構成を有するのに対し、引用発明は、「第1の操作指示演出」(第1演出態様)と「第2の操作指示演出」(第2演出態様)とが、上記構成B2及び構成B5、B6で特定される関係を有していない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討する。

相違点2に係る本願発明の構成は、特定演出が実行される前の第1タイミングと、前記特定演出が実行されているときの第2タイミングとで実行可能である促進報知の演出態様について、第1演出態様と、該第1演出態様よりも有利状態に制御される期待度の高い第2演出態様とを含んでおり、前記第1演出態様は、操作手段を示す第1促進画像を表示し、操作手段に対する操作態様を示す第2促進画像を表示しない演出態様であり、前記第2演出態様は、前記第1促進画像及び前記第2促進画像を表示する演出態様であるものであるところ、引用発明の「第1の操作指示演出」(第1演出態様)において、「10回連打せよ!」の文字画像(「第2促進画像」に相当)と演出ボタン37を模した画像(「第1促進画像」に相当)とを表示しているのは(構成b)、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作が検知された場合に、予定されている第1のボタン操作適合演出、すなわちリーチ演出の信頼度を予告する画像(「★」4つ)に対応した、大当りの信頼度が高いことを示すリーチAのリーチ演出が開始されるようにするためであるから(構成c)、引用発明の「第1の操作指示演出」において、「10回連打せよ!」の文字画像を表示しないようにすることは、第1の操作可能期間内に所定条件を満たす演出ボタン37の操作がなされる可能性を大きく減少させ、所期のゲーム性が大きく損なわれることとなるから、仮に、相違点2に係る本願発明の構成が本件遡及日前において公知又は周知技術であるとしても、引用発明において採用する動機付けはない。

したがって、本願発明は、相違点1を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定について

令和6年1月24日付けの手続補正により、本願発明は、上記相違点2に係る構成を有するものとなっており、当該構成は、引用文献1、引用文献A、Bのいずれにも記載されておらず、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献A、Bに基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-004604

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