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特許拒絶査定不服審判

2022-004568

データプロセッシング(DP)アクセラレータのための難読化を用いたデータ伝送

審判番号
2022-004568
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-065882外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年03月29日
審決日
2022年11月18日
公報発行日
2022年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020- 65882「データプロセッシング(DP)アクセラレータのための難読化を用いたデータ伝送」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月18日出願公開、特開2021- 43942、請求項の数(22)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)4月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年9月11日 米国特許商標庁)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 2年 6月19日 :手続補正書の提出 令和 3年 6月25日付け:拒絶理由通知 令和 3年 9月28日 :意見書、手続補正書の提出 令和 3年11月26日付け:拒絶査定(原査定) 令和 4年 3月29日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 4年 7月12日 :前置報告 第2 原査定の概要 原査定(令和3年11月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1ないし22に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載されるような周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (引用文献等一覧) 引用文献1 米国特許第10275851号明細書 引用文献2 米国特許出願公開第2018/0241760号明細書 なお、前置報告では、米国特許出願公開第2019/0220617号明細書(以下、「引用文献3」という。)が周知技術を示す文献として新たに引用されている。(当審注:前置報告では、上記引用文献2が「引用文献3」として、上記引用文献3が「引用文献2」として、それぞれ提示されている。) 第3 本願発明 本願請求項1ないし22に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明22」という。)は、令和4年3月29日に提出された手続補正書に係る手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定される発明であり、そのうち本願発明1及び8は以下のとおりの発明である。 1 本願発明1 「 データを難読化解除する方法であって、前記方法は、 データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから難読化カーネルアルゴリズムを受信するステップであって、前記難読化カーネルアルゴリズムは、リンクを介した前記ホストとの通信データを難読化及び難読化解除するために使用されるステップと、 前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して、前記ホストから受信した、予測リクエストのための難読化されたデータを難読化解除して、1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを取得するステップであって、前記難読化されたデータは、前記ホストが1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを難読化したデータである、ステップと、 前記1つ又は複数のAIモデルを予測入力に適用することにより、予測結果を生成するステップと、 前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して、前記予測結果を難読化するステップと、 難読化された予測結果を、前記リンクを介して前記ホストに送信するステップであって、前記ホストは前記難読化された予測結果を難読化解除することにより前記予測結果を復元するように構成される、ステップと、を含み、 前記ホストと前記データプロセシングアクセラレータとの間の通信は、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)・チャネル又はペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIE)・チャネルを介して行われる、 データを難読化解除する方法。」 2 本願発明8 「 データを難読化する方法であって、前記方法は、 ホストにおいてデータプロセッシング(DP)アクセラレータにより1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを使用してAI予測を実行する予測リクエストを生成するステップであって、ここで、前記予測リクエストは、難読化カーネルアルゴリズムに基づいて前記1つ又は複数のAIモデルを難読化する難読化されたデータを含むステップと、 前記難読化カーネルアルゴリズムと前記予測リクエストを、リンクを介して前記DPアクセラレータに送信するステップであって、前記難読化カーネルアルゴリズムは、前記難読化されたデータを難読化解除し、前記1つ又は複数のAIモデルを取得して予測結果を生成するために用いられ、前記DPアクセラレータは、前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して前記予測結果を難読化し、難読化した予測結果を返送するよう構成される、ステップと、 前記DPアクセラレータからの難読化された予測結果を、前記リンクを介して受信するステップと、 前記難読化された予測結果を難読化解除して、前記予測結果を復元するステップと、を含み、 前記ホストと前記データプロセシングアクセラレータとの間の通信は、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)・チャネル又はペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIE)・チャネルを介して行われる、 データを難読化する方法。」 なお、本願発明2ないし7は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明9ないし14は、本願発明8を減縮した発明であり、本願発明15は、本願発明1に対応する非一時的機械可読媒体の発明であって、本願発明1とはカテゴリ表現が異なるだけの発明であり、本願発明16ないし20は、本願発明15を減縮した発明であり、本願発明21は本願発明1ないし7に対応するコンピュータプログラムの発明であり、本願発明22は本願発明8ないし14に対応するコンピュータプログラムの発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について (1)引用文献1記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(これ以降の下線についても同様。) ア (第1欄24行-40行) 「The processing capabilities of GPU resources are currently being utilized in various applications to accelerate the processing of highly-parallelized computational workloads in various technical fields. In particular, general-purpose computing on GPU (GPGPU) is utilized for high-throughput, accelerated processing of compute kernels for workloads (e.g., vector-based computations, matrix-based computations, etc.) that exhibit data-parallelism. For example, GPUs are used to accelerate data processing in high-performance computing (HPC) and embedded computing systems, for various applications such as financial modeling, scientific research, machine learning (ML), deep learning (DL), data mining, video data transcoding, image analysis, image recognition, virus pattern matching, augmented reality, encryption/decryption, weather forecasting, big data comparisons, and other applications with computational workloads that have an inherently parallel nature.」 (当審訳: GPUの処理能力は、現在、様々な技術分野において、高度に並列化された計算の作業負荷の処理を加速するために様々な用途に利用されている。具体的には、GPU上の汎用計算(GPGPU)は、データ並列性を示す作業負荷(例えば、ベクトルに基づく計算は、マトリックスベースの計算など)のためのコンピュータカーネルの高スループット、高速処理のために利用される。例えば、GPUは、本質的に並列性を有する計算ワークロードを有する高性能コンピューティング(HPC)および埋込型コンピュータシステムにおけるデータ処理を加速し、金融モデリング、科学研究、機械学習(ML)、学習(DL)、データマイニング、データ変換、画像解析、画像認識、パターンマッチング、拡張現実、暗号化/暗号解読、天気予報、ビッグデータ比較、および他の用途などの様々な用途のために使用される。) イ (第1欄56行-第2欄11行) 「For example, in one embodiment, a method comprises: receiving, by a GPU service platform, a service request from a client system for GPU processing services provided by the GPU service platform, wherein the GPU service platform comprises a GPU server node, wherein the GPU server node comprises one or more GPU devices; executing, by the GPU server node, a first GPU processing task associated with the first service request using the one or more GPU devices; performing, by the GPU server node, a GPU checkpointing operation during execution of the first GPU processing task to generate a checkpoint image of a current state of the first GPU processing task; and executing, by the GPU server node, a second GPU processing task associated with a second service request received from a second client system, using the one or more GPU devices; wherein at least a portion of the second GPU processing task is executed by the GPU server node concurrently with performing the GPU checkpointing operation for the first GPU processing task.」 (当審訳: 例えば、一実施形態では、方法は、GPUサービスプラットフォームによって提供されるGPU処理サービスのために、クライアントシステムからサービスリクエストをGPUサービスプラットフォームによって受信することであって、ここでGPUサービスプラットフォームはGPUサーバノードから構成され、GPUサーバノードは1つまたは複数のGPUデバイスから構成される、受信すること;1つまたは複数のGPUデバイスを使用して前記第1のサービスリクエストに関連付けられる第1のGPU処理タスクを、GPUサーバノードによって実行すること;第1のGPU処理タスクの現在の状態のチェックポイントイメージを生成するために、第1のGPU処理タスクの実行中にGPUチェックポインティング操作を、GPUサーバノードによって実行すること;1つまたは複数のGPUデバイスを使用して、第2のクライアントシステムから受信された第2のサービスリクエストに関連した第2のGPU処理タスクを、GPUサーバノードによって、実行することであって、ここで前記第2のGPU処理タスクの少なくとも一部は、前記第1のGPU処理タスクのためにGPUチェックポインティング操作を実行すると同時に、GPUサーバノードによって実行される、実行すること、を含む。) ウ (第20欄11行-23行) 「The computing system 600 comprises a client system 110, a communications network 115, and a GPU service platform 610. The client system 110 and communications network 115 are similar to those elements discussed above in FIG. 1, so a detailed description will not be repeated. The GPU service platform 610 comprises a GPU service controller 620 (e.g., control server), a server cluster 630 (e.g., server farm) comprising a plurality of GPU server nodes 130-1 and 130-2, a service platform network 640, and a data storage system comprising a plurality of data storage nodes 140-1 and 140-2. The GPU service controller 620 comprises a GPU server allocation and scheduling module 622, a request queue 624, and a checkpoint controller 626. 」 (当審訳: コンピューティングシステム600は、クライアントシステム110、通信ネットワーク115、およびGPUサービスプラットフォーム610を含む。クライアントシステム110及び通信ネットワーク115は、図1で上述したものと同様なので、詳細な説明は省略する。GPUサービスプラットフォーム610は、GPUサービスコントローラ620(例えば制御サーバ)、GPUサーバノード130-1および130-2の複数を含むサーバクラスタ630(例えば、サーバーファーム)、サービスプラットフォームネットワーク640、及び複数のデータ記憶ノード140-1および140-2を備えるデータ記憶システムを備える。GPUサービスコントローラ620は、GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622、リクエスト待ち行列624、及びチェックポイント制御部626を備える。) エ (第20欄32行-45行) 「The service platform network 640 is configured to enable network communication between the GPU service controller 620 and the GPU server nodes 130-1 and 130-2 within the server cluster 630. In addition, the service platform network 640 is configured to enable peer-to-peer network communication between the GPU server nodes 130-1 and 130-2 within the server cluster 630. Depending on the network distribution and geographic location of the constituent components and nodes of the GPU service platform 610, the service platform network 640 may comprise, for example, a LAN, a WAN, or a combination of one or more LANs and WANs, as well as other types of communications networks that are commonly used to implement cloud computing platforms.」 (当審訳: サービスプラットフォーム640は、サーバクラスタ630内のGPUサービスコントローラ620およびGPUサーバノード130-1および130-2との間のネットワーク通信を可能にするように構成されている。さらに、サービスプラットフォームネットワーク640は、サーバクラスタ630内のGPUサーバノード130-1および130-2間のピア・ツー・ピア・ネットワーク通信を可能にするように構成されている。構成要素のネットワーク配信および地理的位置、GPUサービスプラットフォーム610のノードに依存して、サービスプラットフォームネットワーク640は、例えば、LAN、WAN、又は1つ以上のLAN及びWANの組合せ、並びに他のタイプのクラウド・コンピューティング・プラットフォームを実装するために一般的に使用される通信ネットワークを含むことができる。) オ (第20欄47行-55行) 「For example, the GPU service controller 620 is configured to receive a service request from the client system 110 for GPU processing services provided by the GPU service platform 610, and then invoke the GPU server allocation and scheduling module 622 to allocate and schedule one or more of the GPU server nodes 130-1 and 130-2 within the GPU server cluster 630 to handle execution of GPU processing tasks associated with the received service request.」 (当審訳: 例えば、GPUサービスコントローラ620は、GPUサービスプラットフォーム610により提供されるGPU処理サービスのために、クライアントシステム110からサービスリクエストを受信するように構成されると、次いでGPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622は、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバクラスタ630内の1つ以上のGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングする。) カ (第22欄39行-45行) 「For a multiple GPU sever node allocation, the GPU server allocation and scheduling module 622 will communicate with each of the allocated GPU server nodes, commanding the allocated GPU server nodes to logically bind together and establish communication links to conduct peer-to-peer communications and workload processing to execute the GPU processing tasks associated with the client request. 」 (当審訳: この多数GPUサーバノード割り当てのために、GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622は、割り当てられたGPUサーバノードの各々と通信し、割り当てられたGPUサーバノードは、論理的に一緒に結合し、ピア・ツー・ピア通信および作業負荷の処理を行うクライアントリクエストに関連付けられたGPU処理タスクを実行するために、通信リンクを確立するように指令する。) キ (第23欄4行-9行) 「When executing the GPU processing tasks, the master GPU server node will coordinate access to all GPU devices and resources accessed across the allocated (logically bound) master and slave GPU server nodes, returning processing results to the client system 110 only through the master GPU server node. 」 (当審訳: GPU処理タスクを実行するときに、マスタGPUサーバノードは、割り当てられた(論理的に結合されている)マスタとスレーブGPUサーバノードにアクセスされたすべてのGPUデバイスおよびリソースへのアクセスを調整し、マスタGPUサーバノードを介してのみ処理結果をクライアントシステム110に返す。) ク (Fig.6) 「 [図:0001391887000001.jpg] 」 (2)引用発明 ア 前記(1)イ及びカより、引用文献1には「GPUサーバノードがGPU処理タスクを実行する方法」が記載されているといえる。 そして、前記(1)ウより、前記(1)イに記載されている「GPUサーバノード」は、「GPUサーバノード130-1および130-2」であるといえる。 したがって、引用文献1には、「GPUサーバノード130-1および130-2がGPU処理タスクを実行する方法」が記載されているといえる。 イ 前記(1)オより、引用文献1には、「GPUサービスコントローラ62」0」が、クライアントシステム110からサービスリクエストを受信すると、「GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622は、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバクラスタ630内の1つ以上のGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングする」ことが記載されている。 ここで、前記(1)ウより、引用文献1には、「GPUサービスコントローラ620」は、「GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622」を備えることが記載されているから、「GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622」が行っている「受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバクラスタ630内の1つ以上のGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングする」ことは、「GPUサービスコントローラ620」が行っていると言い換えることができる。 したがって、引用文献1には、「GPUサービスコントローラ620が、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングするステップ」が記載されているといえる。 ウ 前記(1)イ及びカより、引用文献1においては、「GPUサーバノード」が「GPU処理タスクを実行する」ことが記載されているといえる。 したがって、引用文献1には、「GPUサーバノード130-1および130-2が、GPU処理タスクを実行するステップ」が記載されているといえる。 エ 前記(1)キより、引用文献1においては、マスタGPUサーバノードが処理結果をクライアントシステム110に返すことが記載されているといえる。 ここで、前記(1)カ及びクに記載されたシステム構成によれば、GPUサーバノード130-1および130-2は、処理結果をクライアントシステム110に「直接」送信するものではなく、まず、「GPUサーバノード130-1および130-2が処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信」し、次に、GPUサービスコントローラ620が、当該受信した処理結果をクライアントシステム110に送信しているといえる。 そして、「GPUサーバノード130-1および130-2が処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信」するということは、「GPUサービスコントローラ620は、処理結果を受信するように構成されている」といえる。 したがって、引用文献1には、「GPUサーバノード130-1および130-2が、処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信するステップであって、GPUサービスコントローラ620は前記処理結果を受信するように構成される、ステップ」が記載されているといえる。 オ 前記(1)エより、引用文献1においては、「サービスプラットフォーム640は、サーバクラスタ630内のGPUサービスコントローラ620およびGPUサーバノード130-1および130-2との間のネットワーク通信を可能にするように構成されて」ており、「サービスプラットフォームネットワーク640は、例えば、LAN、WAN、又は1つ以上のLAN及びWANの組合せ、並びに他のタイプのクラウド・コンピューティング・プラットフォームを実装するために一般的に使用される通信ネットワークを含む」ことが記載されているといえる。 したがって、引用文献1には、「GPUサービスコントローラ620とGPUサーバノード130-1および130-2との間の通信は、一般的な通信ネットワークを介して行われる」ことが記載されているといえる。 カ したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 GPUサーバノード130-1および130-2がGPU処理タスクを実行する方法であって、前記方法は、 GPUサービスコントローラ620が、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングするステップと、 GPUサーバノード130-1および130-2が、GPU処理タスクを実行するステップと、 GPUサーバノード130-1および130-2が、処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信するステップであって、GPUサービスコントローラ620は前記処理結果を受信するように構成される、ステップと、を含み、 GPUサービスコントローラ620とGPUサーバノード130-1および130-2との間の通信は、一般的な通信ネットワークを介して行われる、 GPU処理タスクを実行する方法。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「[0023] FIGS. 1A and 1B are block diagrams of a network data obfuscation system between a secure network and an endpoint device according to an example of the present disclosure. …(中略)… Endpoint device 145 may further be configured with an obfuscation driver 150, capable of performing network data obfuscation. …(以下省略)」 (当審訳: [0023] 図1Aおよび1Bは、本開示の一例による、セキュアネットワークとエンドポイントデバイスとの間のネットワークデータ難読化システムのブロック図である。…(中略)… エンドポイントデバイス145は、ネットワークデータの難読化を実行できる難読化ドライバ150でさらに構成され得る。 …(以下省略)) 3 引用文献3について 前置報告において引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「[0018] One interconnect fabric architecture includes the Peripheral Component Interconnect (PCI) Express (PCIe) architecture. A primary goal of PCIe is to enable components and devices from different vendors to inter-operate in an open architecture, spanning multiple market segments; Clients (Desktops and Mobile), Servers (Standard, Rack Scale, and Enterprise), and Embedded and Communication devices. PCI Express is a high performance, general purpose I/O interconnect defined for a wide variety of future computing and communication platforms. …(以下省略)」 (当審訳: [0018] 1つのインターコネクトファブリックアーキテクチャには、Peripheral Component Interconnect (PCI) Express (PCIe) アーキテクチャが含まれる。PCIeの主な目標は、さまざまなベンダーのコンポーネントとデバイス、クライアント (デスクトップおよびモバイル)、サーバ(標準、ラックスケール、およびエンタープライズ)、組み込みおよび通信デバイス、が、複数の市場セグメントにまたがるオープンアーキテクチャで相互運用できるようにすることである。PCI Express は、さまざまな将来のコンピューティングおよび通信プラットフォーム向けに定義された高性能の汎用 I/O 相互接続である。…(以下省略)) 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 ア 後述する相違点を除いて、引用発明の「GPUサービスコントローラ620」及び「GPUサーバノード130-1および130-2」は、それぞれ、本願発明1の「ホスト」及び「データプロセシング(DP)アクセラレータ」に相当する。 イ 前記アを参酌すると、引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2がGPU処理タスクを実行する方法」において「GPU処理タスクを実行する」ことは、何らかのデータを処理することに他ならないから、引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2がGPU処理タスクを実行する方法」と、本願発明1の「データを難読化解除する方法」とは、「データを処理する方法」である点で共通する。 ウ 引用発明の「GPUサービスコントローラ620が、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングするステップ」を「GPUサーバノード130-1および130-2」を主体とした記載に言い換えると、「GPUサーバノード130-1および130-2によって、GPUサービスコントローラ620から受信した、サービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行の割り当てとスケジューリングを取得するステップ」ということができる。そして、「サービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行の割り当てとスケジューリング」は、「サービスリクエストのためのデータ」ということができる。 そうすると、引用発明の「GPUサービスコントローラ620が、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングするステップ」は、「GPUサーバノード130-1および130-2によって、GPUサービスコントローラ620から受信した、サービスリクエストのためのデータを取得するステップ」と言い換えることができる。 そして、引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2」」及び「GPUサービスコントローラ620」は、前記アの通り、本願発明1の「データプロセシング(DP)アクセラレータ」及び「ホスト」に相当するから、引用発明の「GPUサービスコントローラ620が、受信したサービスリクエストに関連付けられたGPU処理タスクの実行を処理すべきGPUサーバノード130-1および130-2を割り当てると共にスケジューリングするステップ」と、本願発明1の「データプロセシング(DP)アクセラレータによって、前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して、前記ホストから受信した、予測リクエストのための難読化されたデータを難読化解除して、1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを取得するステップであって、前記難読化されたデータは、前記ホストが1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを難読化したデータである、ステップ」とは、「データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから受信した、リクエストのためのデータを取得するステップ」という点で共通する。 エ 引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2が、GPU処理タスクを実行するステップ」と「GPUサーバノード130-1および130-2が、処理結果をクライアントシステム110に返すステップ」は、「GPUサーバノード130-1および130-2がGPU処理タスクを実行することで処理結果を生成するステップ」といえる。したがって、引用発明の両ステップと、本願発明1の「前記1つ又は複数のAIモデルを予測入力に適用することにより、予測結果を生成するステップ」とは、「処理結果を生成するステップ」という点で共通する。 オ 前記第4の1(1)カより、「GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622」と「GPUサーバノード」は、「通信リンク」が「確立」されていることと、前記第4の1(1)ウより、「GPUサーバ割当及びスケジューリングモジュール622」は「GPUサービスコントローラ620」に含まれていることから、引用発明において、「GPUサーバノード130-1および130-2」と「GPUサービスコントローラ620」との間は通信のリンクが確立されているといえる。 よって、引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2が、処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信するステップであって、GPUサービスコントローラ620は前記処理結果を受信するように構成される、ステップ」において、前記処理結果は前記通信のリンクを介して送信されているといえる。 したがって、引用発明の「GPUサーバノード130-1および130-2が、処理結果をGPUサービスコントローラ620に送信するステップであって、GPUサービスコントローラ620は前記処理結果を受信するように構成される、ステップ」と本願発明1の「難読化された予測結果を、前記リンクを介して前記ホストに送信するステップであって、前記ホストは前記難読化された予測結果を難読化解除することにより前記予測結果を復元するように構成される、ステップ」とは、「処理結果を、リンクを介して前記ホストに送信するステップであって、前記ホストは前記処理結果を受信するように構成される、ステップ」という点で共通する。 カ 通信ネットワークでは「チャネル」を用いた通信が行われることは本願優先日前の技術常識であるから、引用発明においてGPUサービスコントローラ620とGPUサーバノード130-1および130-2との間の通信が、「一般的な通信ネットワークを介して行われる」ことは、本願発明1のホストとデータプロセシングアクセラレータとの間の通信が、「ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)・チャネル又はペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIE)・チャネルを介して行われる」ことと、通信が「チャネルを介して行われる」という点で共通する。 (2)一致点、相違点 前記(1)より、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 ・一致点 「 データを処理する方法であって、前記方法は、 データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから受信した、リクエストのためのデータを取得するステップと、 処理結果を生成するステップと、 処理結果を、リンクを介して前記ホストに送信するステップであって、前記ホストは前記処理結果を受信するように構成される、ステップと、を含み、 前記ホストと前記データプロセシングアクセラレータとの間の通信は、チャネルを介して行われる、 データを処理する方法。」 ・相違点 (相違点1) 本願発明1は、データを「難読化解除する」方法であるため、「データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから難読化カーネルアルゴリズムを受信するステップであって、前記難読化カーネルアルゴリズムは」、「前記ホストとの通信データを難読化及び難読化解除するために使用されるステップ」、「前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して」、前記ホストから受信した、「予測リクエストのための難読化されたデータを難読化解除して、1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを取得するステップであって、前記難読化されたデータは、前記ホストが1つ又は複数の人工知能(AI)モデルを難読化したデータである、ステップ」、「前記難読化カーネルアルゴリズムを使用して、前記予測結果を難読化するステップ」、「難読化された予測」結果を、前記リンクを介して前記ホストに送信するステップであって、「前記ホストは前記難読化された予測結果を難読化解除することにより前記予測結果を復元するように構成される、ステップ」を備えるのに対して、引用発明は、データを「処理する」方法であるものの、処理の具体的な内容が難読化解除であるとは特定されておらず、難読化ないし難読化解除に関する特定がない点。 (相違点2) 本願発明1においては、「予測」リクエストのためのデータを受信するが、引用文献1には、前記第4の1(1)アにGPUによるデータ処理の一例として「機械学習」や「学習」が挙げられている程度であって、引用発明にはサービスリクエストの具体的内容が「予測リクエスト」であるとは特定されていない点。 (相違点3) 本願発明1においては、ホストとデータプロセシングアクセラレータとの間の通信が「ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)・チャネル又はペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIE)・チャネル」を介して行われるのに対し、引用発明ではそのようなチャネルに関する具体的な特定がない点。 (3)相違点についての判断 相違点1について判断する。 引用文献2には、送受されるデータに対して難読化及び難読化解除を行うことが記載されているといえる。そして、難読化及び難読化解除を行うにあたって、何らかのアルゴリズムを用いることは、本願優先日前における技術常識である。 しかしながら、引用文献1ないし3のいずれにも、本願発明1の「データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから難読化カーネルアルゴリズムを受信するステップ」に対応する事項は記載も示唆もされていないから、仮に、引用発明に、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を適用し得るとしても、本願発明1の相違点1に係る構成には到達しない。 加えて、本願発明1の「データプロセシング(DP)アクセラレータによって、ホストから難読化カーネルアルゴリズムを受信するステップ」が、本願優先日前における周知技術であったとも認められない。 したがって、相違点2及び3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 2 本願発明2ないし7について 本願発明2ないし7は、本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 本願発明8について 本願発明8は、本願発明1の相違点1に係る構成を言い換えた構成である「前記難読化カーネルアルゴリズム…(中略)…を、リンクを介して前記DPアクセラレータに送信するステップ」を含むものであるから、前記1における検討と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 4 本願発明9ないし14について 本願発明9ないし14は、本願発明8の構成を備えるものであるから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 5 本願発明15について 本願発明15は、本願発明1に対応する非一時的機械可読媒体の発明であり、本願発明1の相違点1に係る構成に対応する技術事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 6 本願発明16ないし20について 本願発明16ないし20は、本願発明15の構成を備えるものであるから、本願発明15と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 7 本願発明21について 本願発明21は本願発明1ないし7に対応するコンピュータプログラムの発明であるため、本願発明1の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 8 本願発明22について 本願発明22は本願発明8ないし14に対応するコンピュータプログラムの発明であるため、本願発明8の構成を備えるものであるから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて、引用文献2及び3に記載されるような周知技術を参酌することにより容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明1ないし22は、当業者が引用文献1に記載された発明並びに引用文献2及び3に記載されるような周知技術に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-004568

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