特許拒絶査定不服審判
2022-004179
端末およびサーバ
- 審判番号
- 2022-004179
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-243654外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月18日
- 審決日
- 2022年11月01日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社D4エンタープライズ
- 【請求人代理人】中澤 昭彦
- 分類
- P18 .121-WY (G06F) / P18 .4 -WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第39条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-243654「端末およびサーバ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月20日出願公開、特開2018-200672、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年5月26日に出願した特願2017-104709号の一部を平成29年12月20日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 3月 3日付け :拒絶理由通知
令和 3年 7月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年12月 6日付け :令和 3年 7月15日の手続補正につ
いての補正却下の決定、拒絶査定(原査
定)
令和 4年 3月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和 3年12月 6日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由1(特許法第29条第2項)について
本願請求項1,2,6-8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、本願請求項3に係る発明は、以下の引用文献1-2に記載された発明に基づいて、本願請求項4-6に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基づいて、本願請求項9-11に係る発明は、以下の引用文献4-5に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
理由2(特許法第39条第2項)について
本願請求項3-6に係る発明は、同日出願された特願2017-104709号(特許第6266827号公報)の出願に係る発明と同一と認められ,かつ,下記の出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから,特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2015/0306499号明細書
2.特開2009-188936号公報
3.特表2008-538842号公報
4.特開2010-239991号公報
5.特開2016-185348号公報
6.特願2017-104709号(特許第6266827号公報)
第3 本願発明
本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、令和 4年 3月18日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
端末とサーバーとがネットワークで互いに接続されたコンテンツ体験共有システムに用いられる端末であって、
アプリケーションに対する操作入力データと前記操作入力データを前記アプリケーションへ適用する時間を示す時間データとを含むアプリケーション操作データと、前記アプリケーション操作データに含まれる特定の時間データに設定されたランダムアクセスポイントを示すタグデータとを受信する受信部と、
前記操作入力データを当該操作入力データに対応する時間データの示す時間に前記アプリケーションへ適用する実行部と
を具備し、
前記実行部は、前記ランダムアクセスポイントを選択するユーザ入力をトリガとして前記アプリケーションを前記特定の時間データの示す時間に対応する実行状態まで遷移させ、
前記受信部は、前記タグデータの追加、変更または削除に関して前記端末または当該端末のユーザ毎に与えられた権限を示す権限データをさらに受信し、
前記タグデータの追加、変更または削除に関するユーザ入力が権限を超えている場合、
前記ユーザ入力に応じた要求の生成を拒否する、
端末。
【請求項2】
前記実行部は、前記アプリケーション操作データの現在の実行状態に対応する時間の時間軸上での位置を可視化するシークバーを含む表示データを生成し、
前記シークバーは、前記特定の時間データの示す時間の時間軸上での位置を可視化するGUI(Graphical User Interface)部品を含む、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記受信部は、前記アプリケーション操作データの途中から分岐して前記端末に対するユーザ入力に基づく別のアプリケーション操作データを生成することが許容される分岐可能期間を示す期間データをさらに受信する、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
前記分岐可能期間は、前記端末または当該端末のユーザと他の端末または当該他の端末のユーザとの間で異なるように設定可能である、請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記実行部は、前記アプリケーション操作データを前記アプリケーションへ適用する速度を変更可能である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の端末。」
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
令和 3年12月 6日付けの拒絶査定に引用された引用文献1(米国特許出願公開第2015/0306499号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のため当審にて付与。以下同様。)
「[0022]Techniques are described herein for initiating gameplay of a game at a particular point (the target point) in a previous playing of the game. The state of the game at the target point (the target state) is reproduced by first restoring the game to a reload state. The reload state is a state, in the previous playing of the game, that existed at a reload point that was before the target point. The reload point may be a point at which the map and game objects are initially generated according to game specifications to begin gameplay or a point for which states of game objects have been saved, either during the previous playing of the game or during a replay of the game. Once the reload state is restored, previously-recorded inputs that occurred between the reload point and the target point are replayed to arrive at the target state. Once the target state has been reached, a subsequent playing of the game may begin from the target state, with either the same or different players, and with either the same or different game settings.d」
(当審訳:
[0022]本明細書では、ゲームの以前のプレイにおける特定のポイント(目標ポイント)でゲームのゲームプレイを開始するための技法について説明する。目標ポイントにおけるゲームの状態(目標状態)は、最初にリロード状態に戻すことで再現される。リロード状態は、ゲームの前回のプレイにおいて、目標ポイントよりも前のリロードポイントに存在していた状態である。リロードポイントは、ゲームプレイを開始するためにゲーム仕様に従ってマップおよびゲームオブジェクトが最初に生成されるポイント、またはゲームの以前のプレイ中またはゲームのリプレイ中にゲームオブジェクトの状態が保存されたポイントであり得る。リロード状態が復元されると、リロード点とターゲット点との間で発生した以前に記録された入力が、ターゲット状態に到達するためにリプレイされる。ターゲット状態に到達すると、ゲームのその後のプレイは、同じ又は異なるプレイヤーのいずれかで、及び同じ又は異なるゲーム設定のいずれかで、ターゲット状態から開始することができる。)
「[0036]The techniques described herein may be implemented as method(s) that are performed by physical computing device(s); as one or more non-transitory computer-readable storage media storing instructions which, when executed by computing device(s), cause performance of the method(s); or, as physical computing device(s) that are specially configured with a combination of hardware and software that causes performance of the method(s).」
(当審訳:
[0036]本明細書で説明される技法は、物理的コンピューティングデバイスによって実行される方法として、コンピューティングデバイスによって実行されると方法の実行を引き起こす命令を記憶する1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体として、または方法の実行を引き起こすハードウェアおよびソフトウェアの組合せで特別に構成される物理的コンピューティングデバイスとして実装され得る。)
「[0042]In one embodiment, the capture logic generates the electronic record(s) at least in part by periodically capturing sets of states of game objects. The electronic record(s) may include sets of states captured at different times, and sets of captured participant inputs that occurred between the different times. Each of the captured states may be stored in association with the inputs that occurred before and/or after the captured state, or such an association may be inferred based on a timestamp of the captured state and timestamps of the captured inputs. The electronic record(s) may be stored as a collection of data that is distributed among multiple files or as a single file.」
(当審訳:
[0042]一実施形態では、キャプチャロジックは、ゲームオブジェクトの状態のセットを周期的にキャプチャすることによって少なくとも部分的に電子記録を生成する。電子記録は、異なる時間にキャプチャされた状態のセット、および異なる時間の間に発生したキャプチャされた参加者入力のセットを含み得る。キャプチャされた状態の各々は、キャプチャされた状態の前および/または後に発生した入力に関連付けて記憶され得るか、またはそのような関連付けは、キャプチャされた状態のタイムスタンプおよびキャプチャされた入力のタイムスタンプに基づいて推論され得る。電子記録は、複数のファイル間で分散されるデータの集合として、または単一のファイルとして格納されてもよい。)
「[0050]In one embodiment, the electronic record(s) of a game instance are stored in a repository of electronic records after gameplay during the game instance. The electronic record(s) may be accessible to other candidate participants via a network. Other candidate participants may select the electronic record(s) to start a game from a point in time during the game instance represented by the electronic record(s).
[0051]In another embodiment, interesting points may be labeled by replay logic or other post-capture processing logic. In various embodiments, the capture logic, post-processing logic, or replay logic may detect and flag a time at which participant(s) in the past game instance diverged in score, in minerals, gas, trees, gold, or silver collected, in units produced or killed, or in the development of counter-technology. Examples of counter-technologies include anti-air support against air units, detection against invisible units, ranged units against ranged units, and armor-piercing units against heavily armored units. These flagged events may be detected by the replay logic and graphically indicated to the candidate participants for support the candidate participants' choice of a desirable time to begin subsequent gameplay.」
(当審訳:
[0050]一実施形態では、ゲームインスタンスの電子レコードは、ゲームインスタンス中のゲームプレイ後に電子レコードのリポジトリに記憶される。電子記録は、ネットワークを介して他の候補参加者にアクセス可能であってもよい。他の候補参加者は、電子記録(複数可)によって表されるゲームインスタンス中の時点からゲームを開始するために電子記録(複数可)を選択することができる。
[0051]別の実施形態では、関心ポイントは、リプレイロジックまたは他のキャプチャ後処理ロジックによってラベル付けされ得る。様々な実施形態では、キャプチャロジック、後処理ロジック、またはリプレイロジックは、過去のゲームインスタンスにおける参加者が、スコア、収集されたミネラル、ガス、木、金、または銀、生成または消滅されたユニット、または対抗技術の開発において変異した時間を検出し、フラグを立て得る。対抗技術の例としては、航空ユニットに対する対空支援、不可視ユニットに対する検出、遠距離ユニットに対する遠距離ユニット、及び重装甲ユニットに対する装甲貫通ユニットが挙げられる。これらのフラグ付きイベントは、リプレイロジックによって検出され、次のゲームプレイを開始するための望ましい時間の候補参加者の選択をサポートするために、候補参加者にグラフィカルに示され得る。)
「[0059]FIG. 2 illustrates an example process for replaying inputs before beginning subsequent gameplay. Computing devices performing the example process start in step 200 by accessing electronic record(s) that includes captured participant inputs received during past gameplay and captured states of game objects at particular times during past gameplay. In step 202, the computing devices load at least one of the captured states from the electronic record(s). Then, in step 204, the computing devices simulate gameplay based on the captured participant inputs that were received during past gameplay, optionally displaying the simulated gameplay to candidate participants that may participate in subsequent gameplay. The simulation may also be shown to candidate observers that may watch the subsequent gameplay. In step 206, the computing devices customize game settings and game objects according to preferences of candidate participants of the subsequent gameplay. Finally, in step 208, subsequent gameplay begins where the candidate participants become participants that can manipulate game objects to affect the game state during the subsequent gameplay.」
(当審訳:
[0059]図2は、後続のゲームプレイを開始する前に入力をリプレイするための例示的なプロセスを示す。例示的なプロセスを実行するコンピューティングデバイスは、過去のゲームプレイ中に受信されたキャプチャされた参加者入力と、過去のゲームプレイ中の特定の時間におけるゲームオブジェクトのキャプチャされた状態とを含む電子記録にアクセスすることによって、ステップ200において開始する。ステップ202において、コンピューティングデバイスは、電子記録からキャプチャされた状態のうちの少なくとも1つをロードする。次いで、ステップ204において、コンピューティングデバイスは、過去のゲームプレイ中に受信されたキャプチャされた参加者入力に基づいてゲームプレイをシミュレートし、任意選択で、シミュレートされたゲームプレイを、後続のゲームプレイに参加し得る候補参加者に表示する。シミュレーションはまた、後続のゲームプレイを見ることができる候補観察者に示されてもよい。ステップ206において、コンピューティングデバイスは、後続のゲームプレイの候補参加者の選好に従ってゲーム設定およびゲームオブジェクトをカスタマイズする。最後に、ステップ208において、後続のゲームプレイが始まり、候補参加者が、後続のゲームプレイ中にゲーム状態に影響を及ぼすようにゲームオブジェクトを操作することができる参加者になる。)
「[0067]FIG. 4 illustrates an example interface for selecting to replay an instance of a past game. As shown, a replay file selection interface 402 is shown on display 400. The replay file selection interface presents three options: replay file 404A, replay file 404B, and replay file 404C. A user may select one of the replay files to load and replay by selecting a button such as the respective Load Now button 408A, B, or C. As shown, each replay file includes some descriptive information 406A-C. The descriptive information may provide information such as the names of the participants who competed in the gameplay (shown), the map or virtual world in which the gameplay was conducted, the length of the gameplay, a rating of the gameplay by other users, and/or the date of the gameplay (shown).
[0068]Others may be invited to participate in or observe subsequent gameplay that begins from a target point during replay of past gameplay. The others may be invited by party, channel, as friends, or via a player finder that automatically locates other players of similar skill that are currently interested in similar types of games. When participant(s) for subsequent gameplay have joined and downloaded a replay file, the replay may be played on machines of the participant(s). The target point for a replay game may be specified before display of part or all of a replay of any of the past game instances, or the target point may be specified during or after display of the replay.」
(当審訳:
[0067]図4は、過去のゲームのインスタンスをリプレイすることを選択するための例示的なインターフェースを示す。図示のように、リプレイファイル選択インターフェース402がディスプレイ400上に示されている。
リプレイファイル選択インターフェースは、リプレイファイル404A、リプレイファイル404B、及びリプレイファイル404Cの3つのオプションを提示する。ユーザは、それぞれのLoad Nowボタン408A、B、またはCなどのボタンを選択することによって、ロードおよびリプレイするリプレイファイルのうちの1つを選択することができる。図示のように、各リプレイファイルは、いくつかの記述情報406A~Cを含む。説明情報は、ゲームプレイ(図示)において競争した参加者の名前、ゲームプレイが行われたマップまたは仮想世界、ゲームプレイの長さ、他のユーザによるゲームプレイのレーティング、および/またはゲームプレイ(図示)の日付などの情報を提供することができる。
[0068]他者は、過去のゲームプレイのリプレイ中に目標ポイントから開始する後続のゲームプレイに参加するか、またはそれを観察するように招待され得る。その他は、パーティー、チャネルによって、友人として、または現在同様のタイプのゲームに関心がある同様のスキルの他のプレイヤーを自動的に見つけるプレイヤーファインダーを介して招待され得る。後続のゲームプレイの参加者が参加し、リプレイファイルをダウンロードしたとき、リプレイは参加者のマシン上でプレイされ得る。リプレイゲームの目標ポイントは、過去のゲームインスタンスのリプレイの一部又は全部が表示される前に指定されてもよいし、リプレイの表示中又は表示後に指定されてもよい。)
「図2
[図:0001391873000001.jpg]
」
「図4
[図:0001391873000002.jpg]
」
「図5
[図:0001391873000003.jpg]
」
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ゲームの以前のプレイにおける特定のポイント(目標ポイント)でゲームのゲームプレイを開始するための技法であって、
ターゲット状態に到達すると、ゲームのその後のプレイは、異なるプレイヤーで、同じ又は異なるゲーム設定のいずれかで、ターゲット状態から開始することができ、
技法は、物理的コンピューティングデバイスによって実行され、
電子記録は、異なる時間にキャプチャされた状態のセット、および異なる時間の間に発生したキャプチャされた参加者入力のセットを含み、ネットワークを介して他の候補参加者にアクセス可能であって、他の候補参加者は、電子記録(複数可)によって表されるゲームインスタンス中の時点からゲームを開始するために電子記録(複数可)を選択することができ、
フラグ付きイベントは、リプレイロジックによって検出され、次のゲームプレイを開始するための望ましい時間の候補参加者の選択をサポートするために、候補参加者にグラフィカルに示され、
電子記録にアクセスし、キャプチャされた状態のうちの少なくとも1つをロードし、過去のゲームプレイ中に受信されたキャプチャされた参加者入力に基づいてゲームプレイをシミュレートし、シミュレートされたゲームプレイを、後続のゲームプレイに参加し得る候補参加者に表示し、後続のゲームプレイが始まり、候補参加者が、後続のゲームプレイ中にゲーム状態に影響を及ぼすようにゲームオブジェクトを操作することができる参加者になる、
ゲームプレイを開始するための技法。」
2.引用文献2について
令和 3年12月 6日付けの拒絶査定に引用された引用文献2(特開2009-188936号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献2記載の技術的事項」という。)。
「【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、著作権が付随する一次コンテンツを編集するコンテンツ編集装置において、前記一次コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、取得した前記一次コンテンツに対する編集可能な制約を示す編集制限を取得する編集制限取得手段と、前記編集制限の制約に基づいて前記一次コンテンツから編集可能な部分コンテンツを抽出して、抽出した前記部分コンテンツを表示部に表示する抽出手段と、利用者からの前記一次コンテンツの編集指示を受け付ける入力受付手段と、前記編集指示および前記編集制限の制約に基づいて、前記一次コンテンツを編集して二次コンテンツを生成するコンテンツ編集手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のコンテンツ編集装置において、前記編集制限は、前記一次コンテンツの編集可能な範囲の制約と、前記二次コンテンツの最大長の制約とを含み、前記抽出手段は、前記編集制限を参照して、前記一次コンテンツから前記編集可能な範囲の前記部分コンテンツを抽出し、前記編集制限から前記一次コンテンツの最大長を抽出し、抽出した前記部分コンテンツと前記最大長とを前記表示部に表示することを特徴とする。」
「図4-2
[図:0001391873000004.jpg]
」
3.引用文献3について
令和 3年12月 6日付けの拒絶査定に引用された引用文献3(特表2008-538842号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献3記載の技術的事項」という。)。
「【0040】
別の実施形態では、メタデータ処理ロジック118は、メディアオブジェクト、及びメディアオブジェクトに対するスコアを要求するユーザに関連した位置に基づいて、関心度スコアを計算することができる。例えば、メタデータ処理ロジック118は、メディアオブジェクトに関連した位置が、ユーザの住居に関連しているか(例えば、ユーザの住居と同じ地理的領域又はその付近)、ユーザと所定の関係をもつ別のユーザ(例えば、友人又は家族メンバー)の住居に関連しているか、或いはユーザによりメタデータが指定された(例えば、タグ付けされるか又はお気に入りとされた)メディアオブジェクトのスレッシュホールド数にそれ自身関連付けられた位置に関連している場合には、メディアオブジェクトが特定のユーザにとってより関心があることを指示する。
【0041】
後者のケースでは、例えば、メタデータ処理ロジック118は、特定のユーザに対し、ワシントン記念碑の映像の関心度スコアに、ユーザがワシントンDCエリアに関連した非常に多数の映像をお気に入りとして指定したことを肯定的ファクタとして入れることができる。これは、例えば、映像のポスターにより、又は別のユーザがメタデータを映像に指定するときにタグフィールド又は個別の「位置」フィールドを通して位置を入力することにより、ワシントンエリアを示す位置メタデータが記念碑の映像に関連付けられると仮定する。
【0042】
他の関心度スコア成分は、システム設計者によりセットすることができる。例えば、あるメディアオブジェクトは、猥褻な映像又は競合製品のプロモーションのような不愉快なコンテンツを含んでいるので、望ましからぬものとして処理される。システム設計者は、例えば、それまでに累積されたスコアを、「ブラックリスト」にタグ又は他のメタデータを有するメディアオブジェクトに指定された所定のスコア相殺パーセンテージだけ減少するようにスコア計算を設定することができる。メディアオブジェクトは、2つ以上のブラックリストタグに関連し得るので、スコア相殺値は、それらのタグに関連した最大のスコア相殺となるように選択される。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア.引用発明は「物理的コンピューティングデバイスによって実行」されるものであるから、当該「物理的コンピューティングデバイス」が、本願発明1における「端末」に相当する。
イ.引用発明の「ゲーム」は、本願発明1における「アプリケーション」に相当し、引用発明の「参加者入力」は、「ゲーム」に対する入力であるから、本願発明1における「アプリケーションに対する操作入力データ」に相当する。また、引用発明の「異なる時間にキャプチャされた状態のセット」について、「状態のセット」を異なる時間毎にキャプチャするということから、時間を含むデータであると認められるから、本願発明1における「時間を示す時間データ」に相当する。そして、引用発明の「電子記録」は、「異なる時間にキャプチャされた状態のセット」、及び「参加者入力のセット」を含むことから、本願発明1における「アプリケーションに対する操作入力データと前記操作入力データを前記アプリケーションへ適用する時間を示す時間データとを含むアプリケーション操作データ」に相当する。
ウ.引用発明の「フラグ付きイベント」は、「次のゲームプレイを開始するための望ましい時間の候補参加者の選択をサポートするために、候補参加者にグラフィカルに示され」るものであり、「次のゲームプレイを開始するための望ましい時間」が本願発明1における「特定の時間データ」に相当する。そして、引用発明の「フラグ付きイベント」は、「候補参加者」が選択する為に設定されたものであるから、本願発明1における「前記アプリケーション操作データに含まれる特定の時間データに設定されたランダムアクセスポイントを示すタグデータ」と、「前記アプリケーション操作データに含まれる特定の時間データに設定されたアクセスポイントを示すタグデータ」という点で共通する。
エ.引用発明の「電子記録にアクセスし、キャプチャされた状態のうちの少なくとも1つをロード」することについて、「キャプチャされた状態」とは、上記イを参酌すると、「異なる時間にキャプチャされた状態のセット」のうちの一つであり、グラフィカルに示された「フラグ付きイベント」から選択する事でロードされるものであるから、上記ウを参酌すると、引用発明の「電子記録にアクセスし、キャプチャされた状態のうちの少なくとも1つをロード」することは、本願発明1における「前記ランダムアクセスポイントを選択するユーザ入力」とは、「前記アクセスポイントを選択するユーザ入力」という点で共通する。
オ.引用発明の「過去のゲームプレイ中に受信されたキャプチャされた参加者入力に基づいてゲームプレイをシミュレートし、シミュレートされたゲームプレイを、後続のゲームプレイに参加し得る候補参加者に表示し、後続のゲームプレイが始まり、候補参加者が、後続のゲームプレイ中にゲーム状態に影響を及ぼすようにゲームオブジェクトを操作することができる参加者になる」ことは、ゲームを、選択及びロードした「キャプチャされた状態」を、当該状態時点までの参加者入力に基づいた実行状態をシミュレートして再現した上で、候補参加者に対して表示し、候補参加者が後続のゲームプレイを行えるようにするものであることから、上記イ及びウを参酌すると、本願発明1における「前記ランダムアクセスポイントを選択するユーザ入力をトリガとして前記アプリケーションを前記特定の時間データの示す時間に対応する実行状態まで遷移させる」とは、「前記アクセスポイントを選択するユーザ入力をトリガとして前記アプリケーションを前記特定の時間データの示す時間に対応する実行状態まで遷移させる」点で共通する。
カ.引用発明は、「過去のゲームプレイ中に受信されたキャプチャされた参加者入力に基づいてゲームプレイをシミュレートし、シミュレートされたゲームプレイを、後続のゲームプレイに参加し得る候補参加者に表示し、後続のゲームプレイが始まり、候補参加者が、後続のゲームプレイ中にゲーム状態に影響を及ぼすようにゲームオブジェクトを操作することができる参加者になる」処理を実行する何らかの手段を有する事は自明であり、上記オを参酌すると当該手段は本願発明1における「前記操作入力データを当該操作入力データに対応する時間データの示す時間に前記アプリケーションへ適用する実行部」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「端末であって、
アプリケーションに対する操作入力データと前記操作入力データを前記アプリケーションへ適用する時間を示す時間データとを含むアプリケーション操作データと、前記アプリケーション操作データに含まれる特定の時間データに設定されたアクセスポイントを示すタグデータとを有し、
前記操作入力データを当該操作入力データに対応する時間データの示す時間に前記アプリケーションへ適用する実行部
を具備し、
前記実行部は、前記アクセスポイントを選択するユーザ入力をトリガとして前記アプリケーションを前記特定の時間データの示す時間に対応する実行状態まで遷移させる、
端末。」
(相違点1)
本願発明1の「端末」は、「端末とサーバーとがネットワークで互いに接続されたコンテンツ体験共有システムに用いられる」のに対して、引用発明の「物理的コンピューティングデバイス」は「端末とサーバーとがネットワークで互いに接続されたコンテンツ体験共有システムに用いられる」かは不明である点。
(相違点2)
本願発明1では、「アクセスポイント」が「ランダムアクセスポイント」であるのに対して、引用発明では、「アクセスポイント」がランダムであることが特定されていない点。
(相違点3)
本願発明1は、「受信部」を含むものであるのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。
(相違点4)
本願発明1は、「前記受信部は、前記タグデータの追加、変更または削除に関して前記端末または当該端末のユーザ毎に与えられた権限を示す権限データをさらに受信し、
前記タグデータの追加、変更または削除に関するユーザ入力が権限を超えている場合、
前記ユーザ入力に応じた要求の生成を拒否する」ものであるのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点4について先に検討すると、相違点4に係る本願発明1の「前記受信部は、前記タグデータの追加、変更または削除に関して前記端末または当該端末のユーザ毎に与えられた権限を示す権限データをさらに受信し、前記タグデータの追加、変更または削除に関するユーザ入力が権限を超えている場合、前記ユーザ入力に応じた要求の生成を拒否する」という構成は、引用文献1ないし3には記載も示唆もされておらず、また、本願の出願日前において周知技術であるとも言えない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、及び引用文献2及び3記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-5について
本願発明2-5は、いずれも,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2及び3記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
1.理由1(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1-5は、「前記受信部は、前記タグデータの追加、変更または削除に関して前記端末または当該端末のユーザ毎に与えられた権限を示す権限データをさらに受信し、前記タグデータの追加、変更または削除に関するユーザ入力が権限を超えている場合、前記ユーザ入力に応じた要求の生成を拒否する」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-6に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。
2.理由2(特許法第39条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1-5は、上記第3に示したとおりのものとなっており,同日出願に係る発明とは実質同一ではない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-5は、当業者が引用発明、及び引用文献2及び3記載の技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものではなく、同日出願に係る発明と実質同一でもない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004179