2022-003962
IPV6トンネルのためのセグメントルーティングを確立するための方法
- 審判番号
- 2022-003962
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-501356外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月16日
- 審決日
- 2022年09月27日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 16項目
理 由
第1 手続の経緯
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本願は、2018年(平成30年)6月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年7月14日、インド)を国際出願日とする出願であって、令和3年3月19日付けで拒絶理由通知がされ、令和3年6月29日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年11月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年3月16日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和4年5月30日付けで前置報告がされ、令和4年8月4日に審判請求人から前置報告に対する上申がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和3年11月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-18に係る発明は、以下の引用文献1-2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.KUKREJA NAVIN ET AL,Demonstration of SDN-based orchestration for multi-domain Segment Routing networks,2016 18TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON TRANSPARENT OPTICAL NETWORKS (ICTON),IEEE,2016年07月10日,1-4,https://swan-network.it/download/publication/ICTON-2016.pdf
2.E. Rosen et al,The BGP Tunnel Encapsulation Attribute, draft-ietf-idr-tunnel-encaps-06,The BGP Tunnel Encapsulation Attribute draft-ietf-idr-tunnel-encaps-06,2017年06月14日,1-21,https://tools.ietf.org/pdf/draft-ietf-idr-tunnel-encaps-06.pdf
第3 本願発明
本願請求項1-18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明18」という。)は、令和4年3月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-18に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】パス計算要素(PCE)により、第1のパス計算要素通信プロトコル(PCEP)メッセージを生成するステップであり、前記第1のPCEPメッセージは、明示的経路オブジェクト(ERO)を含み、前記EROは、指示情報及び複数のセグメント識別子(SID)を含み、前記指示情報は、前記SIDのそれぞれがそれぞれパス内のノードのIPv6(Internet Protocol version 6)プレフィックスであることを示すために使用され、前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される、ステップと、前記PCEにより、前記SID及び前記指示情報に従って第1のパス計算クライアント(PCC)から第2のPCCへのIPv6フォワーディングプレーン用セグメントルーティング(SRv6)パスを確立するために、前記第1のPCEPメッセージを前記第1のPCCに送信するステップとを含む方法。」
なお、本願発明2-18の概要は以下のとおりである。
本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明5-8は、それぞれ本願発明1-4のパス計算要素(PCE)による方法を、パス計算クライアント(PCC)による方法に置き換えた発明である。
本願発明9-12は、それぞれ本願発明1-4に対応するPCEの発明であり、本願発明1-4とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明13-16は、それぞれ本願発明5-8に対応するPCCの発明であり、本願発明5-8とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
本願発明17は、本願発明9-12のいずれかと本願発明13-16のいずれかとを含むシステムの発明である。
本願発明18は、本願発明1-8に対応するコンピュータ読み取り可能記憶媒体の発明であり、本願発明1-8とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。
ア 「3.HIERARCHICAL ARCHITECTUREFigure 1(a) shows the architecture of our multi-domain hierarchal SDN-based Segment Routing network. The data-plane layer is at the moment represented by a multi-domain MPLS network (which will be extended to include other layers, such as the optical layer, in future developments). In each domain, an SDN controller provides abstraction and control of data plane. We use standard southbound interfaces; BGP-LS and PCEP of SDN controller to get network topology and to push MPLS SR tunnels. One router in each domain runs BGL-LS speaker and advertises the network topology to the controller, while every router in the network runs Path Computation Client (PCC) to enable tunnel creation and modification using PCEP.」(第2ページ第31行から第38行)
[当審訳]
「3.階層アーキテクチャ図1(a)は、本発明のマルチドメイン階層SDNベースのセグメントルーティングネットワークのアーキテクチャを示す。データプレーン層は、現時点では、マルチドメインMPLSネットワーク(将来の開発では、光層などの他の層を含むように拡張される)によって表される。各ドメインにおいて、SDNコントローラは、データプレーンの抽象化及び制御を提供する。ネットワークトポロジを取得し、MPLS SRトンネルをプッシュするために、SDNコントローラの標準サウスバウンドインタフェース、BGP-LS及びPCEPを使用する。各ドメイン内の1つのルータは、BGL-LSスピーカを実行し、ネットワークトポロジをコントローラに宣伝し、一方、ネットワーク内のすべてのルータは、PCEPを使用してトンネル作成及び修正を可能にするためにパス計算クライアント(PCC)を実行する。」
イ 「5.RESULTSFigure 2(a) presents an example of multi-domain TE using SR. Domain 1 has ECMP policies to maximize network utilization, while domain 2 have strict policies to enable better QoS. There are two servers, each running two different applications. Orchestrator application, based on the input policies, finds suitable SID stack and via PCEP sends that SID path to source router, which encodes the path in each packet from client. Orchestrator encodes the path as an Explicit Route Object (ERO), then using northbound PCEP tunnel-create message, it sends the path to the domain controller of source node. Figure 2(b) shows an example of ERO with prefix SID and adjacent SID. SDN controller uses PCEP protocol messages to push the path to source router creating a Label Switched Path (LSP) tunnel from source to destination. Figure 2(a) depicts the SID stack and traffic path for two applications. Application 1 has SID stack [4,45,56,68] and it takes shortest path from router 1 to router 4, then it follows a strict path crossing router 5, 6 and router 8. Application 2 has SID stack [4,45,57,78] and it also takes shortest path from router 1 to router 4 but in domain 2 it takes a strict path crossing router 5, 7 and router 8. Domain 1 does ECMP for the traffic and evenly distributes the traffic on both paths. In our implementation, we do per-destination ECMP. Traffic for server 1 takes path 1-2-4 and traffic for server 2 takes path 1-3-4. Using static routing or policy-based routing, we can map client’s traffic to different tunnels that Orchestrator creates. Figure 2(c) shows the paths that client’s traffic will take depending on the server and application type.」(第3ページ下から第5行から第4ページ第11行)
[当審訳]
「5.結果図2(a)は、SRを使用するマルチドメインTEの例を示す。ドメイン1は、ネットワーク利用を最大化するためのECMPポリシーを有し、ドメイン2は、より良いQoSを可能にするための厳格なポリシーを有する。2つのサーバがあり、それぞれが2つの異なるアプリケーションを実行する。オーケストレータアプリケーションは、入力ポリシーに基づいて、適切なSIDスタックを見つけ、PCEPを介して、そのSIDパスをソースルータに送信し、ソースルータは、クライアントからの各パケット内のパスを符号化する。オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信する。図2(b)は、EROがプレフィックスSID及び隣接SIDを有する例を示す。SDNコントローラは、PCEPプロトコルメッセージを使用して、パスをソースルータにプッシュし、ソースから宛先へのラベルスイッチパス(LSP)トンネルを作成する。図2(a)は、2つのアプリケーションのSIDスタック及びトラフィック経路を示す。アプリケーション1は、SIDスタック[4,45,56,68]を有し、ルータ1からルータ4への最短経路をとり、次いで、ルータ5 6とルータ8とを横切る厳密な経路をたどる。アプリケーション2は、SIDスタック[4,45,57,78]を有し、ルータ1からルータ4への最短経路も取るが、ドメイン2では、ルータ5、7とルータ8を横切る厳密な経路を取る。ドメイン1は、トラフィックに対してECMPを行い、トラフィックを両方の経路に均等に分配する。本実施形態では、宛先毎のECMPを行う。サーバ1のトラフィックは経路1-2-4をとり、サーバ2のトラフィックは経路1-3-4をとる。静的ルーティング又はポリシーベースのルーティングを使用して、オーケストレータが作成する異なるトンネルにクライアントのトラフィックをマッピングすることができる。図2(c)は、クライアントのトラフィックがサーバ及びアプリケーションのタイプに応じてとる経路を示す。」
ウ 「図1(a)[図:0001389311000001.jpg]」
エ 「図2(a)[図:0001389311000002.jpg]」
オ 「図2(b)[図:0001389311000003.jpg]」
カ 「図2(c)[図:0001389311000004.jpg]」
ここで、上記ア-カの記載から、引用文献1には、「通信に関する方法」が記載されていると認められる。
したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ネットワーク内のすべてのルータは、PCEPを使用してトンネル作成および修正を可能にするためにパス計算クライアント(PCC)を実行し、オーケストレータアプリケーションは、入力ポリシーに基づいて、適切なSIDスタックを見つけ、PCEPを介して、そのSIDパスをソースルータに送信し、ソースルータは、クライアントからの各パケット内のパスを符号化し、オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信し、EROがプレフィックスSID及び隣接SIDを有し、SDNコントローラは、PCEPプロトコルメッセージを使用して、パスをソースルータにプッシュし、ソースから宛先へのラベルスイッチパス(LSP)トンネルを作成することを含む方法。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「3.7. Prefix-SID Sub-TLV[Prefix-SID-Attribute] defines a BGP Path attribute known as the "Prefix-SID Attribute". This attribute is defined to contain a sequence of one or more TLVs, where each TLV is either a "Label-Index" TLV, an "IPv6 SID (Segment Identifier)" TLV, or an "Originator SRGB (Source Routing Global Block)" TLV.」(第20ページ第40行から第46行)
[当審訳]
「3.7 プレフィックスSIDサブTLV[プレフィックスSID属性]は、「プレフィックスSID属性」として知られるBGPパス属性を定義する。この属性は、1つ以上のTLVのシーケンスを含むように定義される。各TLVは、「ラベルインデックス」TLV、「IPv6SID(セグメント識別子)」TLV、又は「発信元SRGB(ソースルーティンググローバルブロック)」のいずれかである。」
3 その他の文献について
また、前置報告書において周知技術を示す文献として引用された引用文献3(A. SGAMBELLURI ET AL,SDN and PCE implementations for segment routing,2015 20TH EUROPEAN CONFERENCE ON NETWORKS AND OPTICAL COMMUNICATIONS,米国,IEEE,2015年06月01日,pages 1-4)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「Fig. 4 shows a Wireshark capture at the SR Controllerdetailing the PCEP session between the Controller (IP address 172.16.101.3) and the PCC (IP address 172.16.101.1). The details of PCRep message are highlighted. In particular the novel SR-ERO subobject specifies the SID type (ST set to 1, IPv4 Node ID) and the flag S is set (i.e., the SID value is null). The loose flag L is not set.」(第4ページ左欄第1行から第7行)
[当審訳]
「図4は、コントローラ(IPアドレス172.16.101.3)とPCC(IPアドレス172.16.101.1)との間のPCEPセッションを詳述するSRコントローラにおけるWiresharkキャプチャを示す。PCRepメッセージの詳細が強調されている。特に、新規のSR-EROサブオブジェクトは、SIDタイプ(STが1に設定され、IPv4ノードID)を指定し、フラグSが設定される(すなわち、SID値がヌルである)。ルーズフラグLはセットされない。」
「図4[図:0001389311000005.jpg]」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明において、「オーケストレータアプリケーションは、入力ポリシーに基づいて、適切なSIDスタックを見つけ、PCEPを介して、そのSIDパスをソースルータに送信」していること、及び「オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信し」ていることから、引用発明の「オーケストレータアプリケーション」及び「オーケストレータ」は、本願発明1の「パス計算要素(PCE)」に相当する。
イ 引用発明において、「オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信し」ていることから、引用発明の「ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージ」は、本願発明1の「第1のパス計算要素通信プロトコル(PCEP)メッセージ」に相当する。
ウ 引用発明において、「オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信し」ていることから、オーケストレータはノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを生成していることは明らかである。
エ 上記ア-ウを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「パス計算要素(PCE)により、第1のパス計算要素通信プロトコル(PCEP)メッセージを生成するステップ」を含む点で一致する。
オ 引用発明において、「オーケストレータは、パスを明示的経路オブジェクト(ERO)として符号化し、次いで、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージを使用して、パスをソースノードのドメインコントローラに送信し」ていることから、ノースバウンドPCEPトンネル作成メッセージは明示的経路オブジェクト(ERO)を含んでいることは明らかである。
カ 引用発明において、「EROがプレフィックスSID及び隣接SIDを有し」ていることから、EPOは複数のセグメント識別子(SID)を含んでいることは明らかである。
キ 上記オ-カを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「前記第1のPCEPメッセージは、明示的経路オブジェクト(ERO)を含み、前記EROは、」「複数のセグメント識別子(SID)を含」む点で一致する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「パス計算要素(PCE)により、第1のパス計算要素通信プロトコル(PCEP)メッセージを生成するステップであり、前記第1のPCEPメッセージは、明示的経路オブジェクト(ERO)を含み、前記EROは、複数のセグメント識別子(SID)を含む方法。」
(相違点1)
本願発明1では「前記EROは、指示情報」を含むのに対し、引用発明では、EROが指示情報を含むのか明確に特定されていない点。
(相違点2)
本願発明1では「前記指示情報は、前記SIDのそれぞれがそれぞれパス内のノードのIPv6(Internet Protocol version 6)プレフィックスであることを示すために使用され」るのに対し、引用発明では、前記SIDのそれぞれがそれぞれパス内のノードのIPv6(Internet Protocol version 6)プレフィックスであることを示す指示情報について特定されていない点。
(相違点3)
本願発明1では「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」のに対し、引用発明では、IPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトについて特定されていない点。
(相違点4)
本願発明1では「前記PCEにより、前記SID及び前記指示情報に従って第1のパス計算クライアント(PCC)から第2のPCCへのIPv6フォワーディングプレーン用セグメントルーティング(SRv6)パスを確立するために、前記第1のPCEPメッセージを前記第1のPCCに送信する」のに対し、引用発明では、ソース(本願発明1の「第1のパス計算クライアント(PCC)」に相当。)から宛先(本願発明1の「第2のPCC」に相当。)へのラベルスイッチパス(LSP)トンネルを作成しているが、前記SID及び前記指示情報に従って第1のパス計算クライアント(PCC)から第2のPCCへのIPv6フォワーディングプレーン用セグメントルーティング(SRv6)パスを確立する構成について特定されていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点3について先に検討する。
引用文献2には、SRv6EROサブオブジェクトについて記載も示唆もない。
また、上記第4の3のとおり、引用文献3には、EROサブオブジェクトにIPv4ノードIDを含む技術的事項が記載されている。しかしながら、引用文献3には、相違点3に係る本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成が記載されているとはいえず、このような構成を示唆する記載もない。
そうすると、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用文献2-3に記載されたものではなく、周知技術であるともいえないから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項から、相違点3に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1、2、4について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
2 本願発明2-4について
本願発明2-4も、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明5-8について
本願発明5-8は、それぞれ本願発明1-4のパス計算要素(PCE)による方法を、パス計算クライアント(PCC)による方法に置き換えた発明であり、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4 本願発明9-12について
本願発明9-12は、それぞれ本願発明1-4に対応するPCEの発明であり、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
5 本願発明13-16について
本願発明13-16は、それぞれ本願発明5-8に対応するPCCの発明であり、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
6 本願発明17について
本願発明17は、本願発明9-12のいずれかと本願発明13-16のいずれかとを含むシステムの発明であり、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
7 本願発明18について
本願発明18は、本願発明1-8に対応するコンピュータ読み取り可能記憶媒体の発明であり、本願発明1の「前記EROは、複数のIPv6用セグメントルーティング(SRv6)明示的経路オブジェクト(ERO)サブオブジェクトを含み、前記複数のSRv6 EROサブオブジェクトのそれぞれは、前記指示情報と、前記複数のSIDのうち1つとを搬送するために使用される」構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-18は、当業者が引用発明及び引用文献2-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-003962