特許拒絶査定不服審判
2022-003174
自動車用マット
- 審判番号
- 2022-003174
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-160173外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月02日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社カクタスコーポレーション
- 【請求人代理人】岸本 忠昭
- 分類
- P18 .121-WZ (B60N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-160173号「自動車用マット」拒絶査定不服審判事件〔令和2年3月5日出願公開、特開2020-32832号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年8月29日の出願であって、令和3年7月30日付けで拒絶理由が通知され、同年9月15日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年1月26日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して、同年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、その後、当審において同年11月30日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和5年1月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、令和5年1月30日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項2】
ミニバンタイプの自動車の前側座席と後側座席との間の後側座席床面の後側右座席床面又は後側左座席床面に敷設される自動車用マットにおいて、
前記後側右座席床面又は前記後側左座席床面に載置されるマット本体を備え、前記マット本体の縦サイズは、前記前側座席に最も近づいた最前位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第1間隔寸法に対応して480~520mmであり、また前記マット本体の横サイズは、前記前側座席から最も離れた最後位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第2間隔寸法に対応し且つ前記後側座席床面の全幅の半分の寸法に対応して600~640mmであることを特徴とするミニバンタイプの自動車用マット。」
第3 当審拒絶理由
当審拒絶理由は、以下の理由を含むものである。
[理由]
この出願の請求項1~3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
[刊行物等一覧]
登録実用新案第3162767号公報(以下「引用文献」という。)
第4 引用文献
1 引用文献に記載された事項
引用文献には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下同様である。)。
「【0001】
本考案は、自動車の座席(運転席や助手席など)の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットに関するものである。
・・・
【0014】
【図1】 本考案の一実施形態に係る自動車用フロアマットの斜視図。
・・・
【0016】
本実施形態に係る自動車用フロアマットMは、図1に示すように、同じ太さの経糸2および緯糸3によって平織りされた織地1と、該織地1の裏面1bに接着された裏材10とを備えている。
【0017】
織地1は、例えば、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状を呈しており、織地1の周縁部は、縁取り4が施されて補強されている。
・・・
【0021】
なお、前記実施形態の場合、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1を織成するようにしたが、大きさおよび形状は図示に限定されるものではなく、自動車の大きさや床面の形状に応じて適宜設計変更可能である。例えば、形状としては、円形、または非円形の織地1を形成するようにしてもよい。
(2)
図1には、以下の内容が記載されている。
【図1】
[図:0001397751000001.jpg]
2 引用発明
上記1から、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「周縁部は縁取り4が施された、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1と、該織地1の裏面1bに接着された裏材10とを備え、自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM。」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア
引用発明の「自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」と、本願発明の「ミニバンタイプの自動車の前側座席と後側座席との間の後側座席床面の後側右座席床面又は後側左座席床面に敷設される自動車用マット」とは、「自動車の床面に敷設される自動車用マット」において共通する。
引用発明の「自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」は、フロアマット本体といえるから、引用発明の「自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」と、本願発明の「前記後側右座席床面又は前記後側左座席床面に載置されるマット本体」とは、「マット本体」において共通する。
引用発明の「自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」と、本願発明の「ミニバンタイプの自動車用マット」とは、「自動車用マット」において共通する。
イ
上記アを踏まえると、引用発明の「周縁部は縁取り4が施された、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1と、該織地1の裏面1bに接着された裏材10とを備え、自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」は、「自動車用フロアマットM」すなわちマット本体が、縦寸法が45cm、横寸法が60cmであり、マット本体は所定の縦サイズ及び所定の横サイズを有するものである。
また、本願発明の「マット本体の縦サイズは」、「480~520mmであり」、「マット本体の横サイズは」、600~640mmである」から、本願発明も、マット本体は所定の縦サイズ及び所定の横サイズを有するものである。
そうすると、引用発明の「周縁部は縁取り4が施された、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1と、該織地1の裏面1bに接着された裏材10とを備え、自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」と、本願発明の「前記マット本体の縦サイズは、前記前側座席に最も近づいた最前位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第1間隔寸法に対応して480~520mmであり、また前記マット本体の横サイズは、前記前側座席から最も離れた最後位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第2間隔寸法に対応し且つ前記後側座席床面の全幅の半分の寸法に対応して600~640mmである」「ミニバンタイプの自動車用マット」とは、「マット本体は所定の縦サイズ及び所定の横サイズを有する、自動車用マット」において共通する。
以上から、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりある。
<一致点>
「自動車の床面に敷設される自動車用マットにおいて、床面に敷設されるマット本体を備え、前記マット本体は所定の縦サイズ及び所定の横サイズを有する、自動車用マット。」
<相違点1>
「マット本体」の縦横「サイズ」について、本願発明では、マット本体の縦サイズは「480~520mmであり」、マット本体の横サイズは「600~640mmである」のに対して、引用発明では、「自動車用フロアマットM」(すなわちマット本体)の縦横サイズは「縦寸法が45cm、横寸法が60cm」である点。
<相違点2>
本願発明では、「ミニバンタイプの」自動車用マットであって、「ミニバンタイプの」自動車の「前側座席と後側座席との間の後側座席床面の後側右座席床面又は後側左座席床面」に敷設される自動車用マットであり、「前記後側右座席床面又は前記後側左座席床面」に載置されるマット本体」であり、マット本体の縦サイズは「前記前側座席に最も近づいた最前位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第1間隔寸法に対応して」おり、マット本体の横サイズは「前記前側座席から最も離れた最後位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第2間隔寸法に対応し且つ前記後側座席床面の全幅の半分の寸法に対応して」いるのに対して、引用発明では、「周縁部は縁取り4が施された、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1と、該織地1の裏面1bに接着された裏材10とを備え、自動車の座席の足元に敷設して使用される自動車用フロアマットM」であるが、「ミニバンタイプの自動車用マット」であるとの特定はされておらず、また、自動車における敷設箇所や敷設箇所とマット本体のサイズとの関係も特定されていない点。
2 判断
(1)相違点1について
引用文献1の【0021】に、「前記実施形態の場合、縦寸法が45cm、横寸法が60cmの平面視矩形状の織地1を織成するようにしたが、大きさおよび形状は図示に限定されるものではなく、自動車の大きさや床面の形状に応じて適宜設計変更可能である。」と記載されていることから、引用発明において、「自動車用フロアマットM」の大きさは自動車の大きさや床面の形状に応じて適宜設定し得るところ、ミニバンタイプの自動車の座席床面の面積の大きさなどに応じて、例えば縦サイズを数cm程度大きくして、縦寸法が48~52cm程度、横寸法が60cm程度の「自動車用フロアマットM」とすることで、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が必要に応じて適宜設定し得たことにすぎない。
(2)相違点2について
ア
本願発明は、「ミニバンタイプの自動車用マット」という「物の発明」であるが、相違点2に係る本願発明の構成は、「自動車用マット」の使い方、あるいは、それをミニバンタイプの自動車に用いた際の所望の作用又は効果などに関するものであって、「物」としての構成を特定するものではない。
なお、請求項2全体を見ても、「マット本体の縦サイズは」「480~520mmであり」、「マット本体の横サイズは」「600~640mmである」という事項のみが、「自動車用マット」という「物」の構成を特定しており、当該事項以外に「自動車用マット」自体の構成は何ら特定されていない。
したがって、相違点2は実質的な相違点ではない。
イ
仮に、相違点2が実質的な相違点であったとしても、引用発明は、「自動車用フロアマット」であって,「ミニバンタイプ」含め種々のタイプの自動車に用いることが当然想定されており(少なくともミニバンタイプの自動車を選定することは当業者であれば適宜なし得たことであり)、また、「自動車用フロアマット」の役割を考慮すれば、相違点1で検討した「自動車用フロアマット」をミニバンタイプの自動車の座席床面にできるだけ隙間なく敷設することができるように、その縦横を対応させることは、当業者であれば普通に試みることである。
そうすると、引用発明の「自動車用フロアマット」を、ミニバンタイプの自動車の前側座席と後側座席との間の後側座席床面の後側右座席床面又は後側左座席床面に敷設される自動車用マットとし、前記後側右座席床面又は前記後側左座席床面に載置されるマット本体であって、マット本体の縦サイズを前記前側座席に最も近づいた最前位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第1間隔寸法に対応させ、マット本体の横サイズを前記前側座席から最も離れた最後位置に位置するときの前記後側座席と前記前側座席との間の第2間隔寸法に対応させ且つ前記後側座席床面の全幅の半分の寸法に対応させるようにすることで、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
(3)作用効果について
本願発明の作用効果は、引用発明から予測できる程度のものであり、格別に顕著なものではない。
3 まとめ
以上から、本願発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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