実用新案無効審判
2021-400003
経編人工芝
- 審判番号
- 2021-400003
- 法域
- 実用新案
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 実願2019-001525
- 登録番号
- 3222141
- 請求日
- 2021年05月24日
- 審決日
- 2023年03月23日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】江蘇共創人造草坪股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】幸谷 泰造
- 【請求人代理人】廣瀬 峰太郎
- 【請求人代理人】瀬戸 麻希
- 【請求人代理人】坪内 康治
- 【被請求人】青島青禾人造草坪股▲フン▼有限公司
- 【被請求人代理人】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 居島 一仁
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 前川 慎喜
- 分類
- U1114.121-Y (E01C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 実用新案法第3条第2項、実用新案法第14条の2第1項、実用新案法第37条第1項第2号、実用新案法第41条、特許法第169条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第3222141号実用新案「経編人工芝」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件は、請求人が、被請求人が実用新案登録権者である実用新案登録第3222141号(以下「本件実用新案登録」という。請求項の数は8である。)の実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし8に係る実用新案登録を無効とすることを求める事案であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。
平成31年 4月26日 :出願(実願2019-1525号)
令和 元年 6月19日 :設定登録
令和 3年 5月24日 :審判請求書提出(差出日)
令和 3年 7月12日付け:手続補正指令書(方式)
令和 3年 9月 9日 :手続補正書(方式)提出(請求人)
令和 4年 1月21日 :審判事件答弁書提出
令和 4年 1月21日 :実用新案法第14条の2第1項の訂正に
係る訂正書提出
令和 4年 4月 4日 :審判事件弁駁書提出
令和 4年 4月28日 ;上申書提出(請求人)
令和 4年 5月25日 :審判事件答弁書(2)提出
令和 4年10月14日付け:審尋
令和 4年11月15日 :回答書提出(請求人)
令和 4年11月18日 :回答書提出(請求人)
令和 4年11月18日 :上申書提出(請求人)
令和 5年 2月10日 :上申書提出(被請求人)
令和 5年 2月20日 :書面審理通知(起案日)
上記の令和4年4月28日に請求人が提出した上申書及び令和5年2月10日に被請求人が提出した上申書は、共に本件審理について書面審理を希望するものである。
以下、上記の審判請求書(令和3年5月24日差出の審判請求書は、令和3年9月9日提出の手続補正書(方式)により補正されている。よって、以下、審判請求書は、該手続補正書により補正された審判請求書をいう。)、令和4年4月4日付け審判事件弁駁書、令和4年11月15日付け回答書、令和4年11月18日付け回答書、令和4年11月18日付け上申書は、それぞれ請求書、弁駁書、回答書、回答書(2)、上申書(2)といい、令和4年1月21日付け審判事件答弁書、令和4年5月25日付け審判事件答弁書(2)は、それぞれ答弁書、答弁書(2)ということがある。
第2 本件考案について
1 本件考案
本件実用新案登録の請求項1ないし8に係る考案(以下、それぞれ請求項の番号により「本件考案1」等といい、全体の考案を「本件考案」という。)は、上記の令和4年1月21日提出の訂正書により訂正(以下「本件訂正」という。)訂正された実用新案登録請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(なお、分説記号A等は、請求人の主張に基づいて被請求人が付したものである。)
「【請求項1】
A.経編人工芝であって、
B.編み基材下地(10)と、
C.前記編み基材下地(10)の一側に設置された芝糸層(20)とを含み、
B.前記編み基材下地(10)は、
D.少なくとも1本の基材下地繊維と
E.少なくとも1本の芝糸繊維を含む
F.織糸経編を複数本経編してなり、
C.前記芝糸層(20)の芝糸は、
G.経編された前記編み基材下地(10)において、前記芝糸繊維が前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングされた芝糸ループが、
H.切断されたものである
A.ことを特徴とする経編人工芝。
【請求項2】
前記編み下地(10)の前記芝糸層(20)に対向する一側に設置されて、前記芝糸層(20)を前記編み下地(10)に固着する裏面接着剤層(30)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。
【請求項3】
前記裏面接着剤層(30)はEVAラテックス層であることを特徴とする請求項2に記載の経編人工芝。
【請求項4】
前記芝糸繊維は、ストレートヤーン及び/又は捲縮ヤーン及び/又はスプリットヤーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。
【請求項5】
少なくとも2本の前記芝糸繊維は異なる断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。
【請求項6】
少なくとも2本の前記芝糸繊維は異なる色を有することを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。
【請求項7】
少なくとも2本の前記芝糸繊維は異なるデニールを有することを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。
【請求項8】
前記芝糸層(20)の芝糸の高さが同じでありまたは異なることを特徴とする請求項1に記載の経編人工芝。」
2 訂正について
(1)令和4年1月21日に提出された訂正書による請求項1に係る訂正(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。
(訂正前)
「経編人工芝であって、編み基材下地(10)と、前記編み基材下地(10)の一側に設置された芝糸層(20)とを含み、前記編み基材下地(10)は、少なくとも1本の基材下地繊維と少なくとも1本の芝糸繊維を含む織糸経編を複数本経編してなり、前記芝糸層(20)の芝糸は、前記編み基材下地(10)を経編するときに、前記芝糸繊維を前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングして芝糸ループを形成した後に、前記芝糸ループを切断することによって形成されることを特徴とする経編人工芝。」
(訂正後)
「経編人工芝であって、編み基材下地(10)と、前記編み基材下地(10)の一側に設置された芝糸層(20)とを含み、
前記編み基材下地(10)は、少なくとも1本の基材下地繊維と少なくとも1本の芝糸繊維を含む織糸経編を複数本経編してなり、
前記芝糸層(20)の芝糸は、経編された前記編み基材下地(10)において、前記芝糸繊維が前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングされた芝糸ループが、切断されたものであることを特徴とする経編人工芝。」(下線は、訂正個所を示す。)
(2)本件訂正について、請求人は上申書(2)の2頁1~下から4行において、旧請求項1は「経編するとき」、「形成した後」という時間的経過を表現した限定が入っていたところ、新請求項1では、時間的経過を削除した構成に限定したということになり、かかる訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明に当たらず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものである旨、主張しており、この点について以下検討する。
ア 本件訂正は、上記(1)のとおり訂正し、答弁書において、旧請求項1を「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」に該当しないように訂正したものであり、表現が変更されているのみであって、技術的な構成要素の特徴は何ら変更されていない旨、説明している。
イ 上記のとおり、「芝糸」について、訂正前に、「編み基材下地(10)を経編するときに、前記芝糸繊維を前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングして芝糸ループを形成した後に前記芝糸ループを切断することによって形成される」ものであって、この下線のとおり経時的な動作・行為で表現され、不明確な記載であったところ、訂正後は、「経編された前記編み基材下地(10)において、前記芝糸繊維が前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングされた芝糸ループが、切断されたもの」とすることにより、上記の経時的な表現を用いずに表現を変えて記載されたものであるから、上記本件訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記(1)のとおり、訂正の前後において表現が変わっているものの、その構成要件の実質的な削除や変更等は認められず、それらの文言も訂正の前後で対応しているから、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、新規事項を追加するものでもない。
以上のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
第3 請求人の主張
請求人は、登録第3222141号実用新案の実用新案登録請求の範囲の請求項1から請求項8に各請求項に記載された考案についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、請求書、弁駁書、回答書、回答書(2)及び上申書(2)において、おおむね以下のとおり主張するとともに、証拠方法として以下の甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
1 無効理由の概要
本件考案1ないし8は、甲1考案、甲第2号証ないし甲第4号証の記載事項に基いて、その考案の属する分野における通常の知識を有する者が実用新案登録出願前に、きわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであり、実用新案法第37条第1項第2号に該当し、本件登録実用新案は無効とすべきである。
(請求書16頁23~28行)
<証拠方法>
提出された証拠は、以下のとおりである。
甲第1号証:特開2008-69626号公報
甲第2号証:実願平4-78325号(実開平6-42987号)
のCD-ROM
甲第3号証:特開平6-146155号公報
甲第4号証:中国実用新案第204417960号明細書
甲第5号証:特許第4465692号公報
甲第6号証:特開平6-33347号公報
以下、「甲第1号証」等を、その番号により「甲1」等ということがある。
2 具体的な理由
(1)各甲号証の記載
ア 甲1
(ア)甲1の段落[0018]、[0024]、[0025]、「0028」、[0033]、[0035]及び図3の記載によれば、甲1には、以下の考案(以下「甲1考案」という。)が記載されている。
「A1.合成芝カバーであって、
B1.シート状基板(パッド)10、12と、
C1.シート状基板の一側に設置された葉状部分18とを含み、
C1.シート状基板は、
D1.少なくとも1本のスレッド、ヤーン又は繊維による出発原料と
E1.少なくとも1本のヤーン構成物14を含む
F1.編成織物の形態で製造され、
C1.葉状部分は、
G1.全体的にU字形構成を有し、シート状基板に植え付けられ、基板の真下を通っているループ部分と、
H1.及び基板の上方に垂直に延び、芝生の葉を模倣している2つの葉状部分とを備えた一種の房を構成し、
I1.シート状基板の葉状部分に対向する一側に設置されて、
J1.葉状部をシート状基板に固着する層12をさらに含む。」
(請求書9頁18行~10頁30行)
(イ)甲1の[0025]の、
「例えば、パッド10は、下記の形態で製造することができる:
- 単純な織物(よこ糸及びたて糸を提供する)
- 編成織物
- 場合により、よこ糸キルティングを使用して安定化された非織物、即ち、フェルト。」との記載は、上段がよこ糸及びたて糸を使用する織物で下段が基本的には糸を使用しない非織物であるので、中段の「編成織物」は、よこ糸又はたて糸のいずれか一方を使用する編物と理解する方が自然であると思料する。また、「製造することができる」と記載されているので、「編物」の製造について示す「編成」の方が「織物」よりも優先して理解するべきと思料する。さらに、[0024]に、「「パッド」という用語は、本明細書においては、下記に示すように、結合されたスレッド、ヤーン又は繊維を出発原料として得られるシート状材料を意味する」と記載されているので、「編成織物」の「織物」はシート状材料としての編物であっても良いはずである。
(回答書(1)1頁下から3行~2頁10行)
イ 甲2
甲2の段落[0008]~[0010]、[0012]の記載によれば、甲2には、以下の考案(以下「甲2考案」という。)が記載されている。
「A2.人工芝生であって、
B2.基布1と、
C2.基布1の表面に形成された芝生部2とを含み、
B2.基布は、
D2.少なくとも1本の経糸と
E2.少なくとも1本の緯糸を含む
F2.メッシュ状の織物であり、
C2.芝生部は、
G2.基布にパイル糸をタフティンングして形成され、
H2.基布の上方に垂直に延び、芝生の葉を模倣している2つの芝生部を構成する。」
(請求書10頁下から4行~11頁25行)
ウ 甲3
甲3の段落[0012]、[0015]、[0017]の記載によれば、甲3には以下の考案(以下「甲3考案」という。)が記載されている。
「A3.人工芝であって、
B3.平織物等で構成された第1基布12と、
C3.第1基布の一側に設置されたパイル糸14とを含み、
B3.第1基布は、
D3.少なくとも1本の縦糸と
E3.少なくとも1本の横糸を含む
F3.平織物であり、
C3.パイル糸は、
G3.第1基布には第2基布側からパイル糸がタフティングにより植設され、
H3.パイル糸が第1基布の上方に延びて人工芝を構成し、
I3.第1基布の下方に設置されて、
J3.パイル糸を第1基布に固着する第2基布をさらに含み、
O3.少なくとも縦糸と横糸とは、たとえば500デニールと1000デニールのように、異なるデニールを有する。」
(請求書11頁27行~12頁27行)
エ 甲4
甲4の段落[0011]、[0016]、[0048]、[0049]及び図3の記載によれば、甲4には以下の考案(以下「甲4考案」という。)が記載されている。
「A4.人工芝生繊維タフトであって、
B4.底布層と、
C4.底布層に接続され、かつ底布層から伸びた人工芝繊維を含み、
I4.底布層の人工芝繊維との反対側に接続されて、
J4.人工芝繊維を底布層に固着する粘着剤層をさらに含み、
M4.人工芝繊維が少なくとも二種類の断面形状を有する人工芝繊維を含み、
N4.人工芝繊維が少なくとも二種類の色の人工芝繊維を含む。」
(請求書12頁29行~13頁12行)
オ 甲5
甲5には、カットパイルが基布より突き出たパイル布帛で形成される人工芝生に関する技術が開示され、その[0015]には、「人工芝生のべースとなるパイル布帛は」、「編成(ラッシエルパイル経編地、パイル緯編地)」「によるものであってもよい」と記載されている。
(弁駁書2頁下から5行~3頁1行)
カ 甲6
甲6には、その[0001]に「経編地を特に人工芝生用として編成するため」と記載されている経編機に関する技術が開示され、[0002]には「パイル糸により」「連結編成」した「二面式経編地を編成後、パイル糸の連結個所の中間部分を切断することにより、二枚のカットパイル経編地とすることは周知である。」と記載され、[0003]には、「又、前記カットパイル経編地を人工芝生などに使用することもよく知られており、実際に製品化がなされている。」と記載されている。
(弁駁書3頁2~9行)
(2)本件考案1について
ア 本件訂正前の本件考案1に対して
本件考案1は、
「(C.前記芝糸層(20)の芝糸は、)
G.前記編み基材下地(20)を経編するときに、前記芝糸繊維を前記編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で前記編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングして芝糸ループを形成した後に
H.前記芝糸ループを切断することによって形成される」であるが、
甲1考案は、
「(C1.葉状部分は、)
G1.全体的にU字形構成を有し、シート状基板に植え付けられ、基板の真下を通っているループ部分と、
H1.及び基板の上方に垂直に延び、芝生の葉を模倣している2つの葉状部分とを備えた一種の房を構成」する点を備えていない様に見える点で相違する。
そこで、この相違点について検討するに、G.の「ルーピング」とG1の「U字形構成」は実質的に同等であり、H1のように「2つの葉状部分」を備えるには、Hのような「切断」もなされるはずである。
したがって、本件考案1は、甲1考案から当業者がきわめて容易に推考し得るものである。
(請求書14頁1~17行)
イ 本件訂正後の本件考案1
本件考案1が周知技術に過ぎないことは、甲5及び甲6で裏付けられる。
(弁駁書2頁下から7~6行)
第4 被請求人の主張
被請求人は、本審判請求は成り立たない、審判請求費用は請求人の負担とする、との審決を求めて、以下のとおり主張している(答弁書、答弁書(2)参照。)。
1 請求人の主張に対する反論
(1)甲1考案について
請求人は、「「編成織物」とは「編物」であり、「経編」を含むことは明らかである。」と主張していますが、「編成織物」は、技術用語としては不明確ですが、文字の構成から考慮すれば、「編成された織物」、すなわち「織物」の一種と理解するのが日本語として通常の理解方法であって、「編物」の一種と理解することは困難であります。したがって、甲1には、A.が記載されていません。
また、甲1考案は、基布にU字状のパイルをタフティングする製造方法が記載されており、本件考案1のC.、G.及びH.は記載されていないことは明白です。
請求人は、「「ルーピング」と「U字形構成」は実質的に同等であり、2つの葉状部分を備えるには、「切断」もなされるはずである。」と主張しています。
しかし、甲1考案のループ16は、基板10、12の真下にあり、パイルを基板に固定するものであり、「切断」されることはなく、U字形ヤーン構成物14は、2つの葉状部分18が垂直に伸びており、「切断」する必要はありません。
(答弁書7頁21行~8頁20行)
(2)甲2について
甲2の基布は「織物」であって、「編物」である「経編(たてあみ)」でないことは明らかです。
甲2には、本件考案1のG.、H.は記載されていません。
(答弁書9頁2~17行)
(3)甲3について
甲3の基布は「織物」または「不織布」であって「編物」である「経編(たてあみ)」でないことは明らかです。
甲3には、本件考案1のC.、G.及びH.は記載されていません。
(答弁書9頁19行~10頁7行)
(4)甲6について
甲6考案は、人工芝の製造方法において、一対の人工芝の下地を向かい合わせた状態で、両面にパイル糸を連結し、連結されているパイル糸を切断することにより、芝糸を形成する技術です。ここで、一対の人工芝の下地をパイル糸で連結されるためには、パイル糸にある程度のテンションが掛けておく必要があるので、パイル糸はループ状の弛みを有していません。
従いまして、連結したパイル糸を中間部分で切断すると、各々の芝生面に形成され芝糸は長さが同じとなります。
それに対して、本件考案1では、ループ状の弛みを形成して、そのループの1か所を切断してるため、2本形成される芝糸の長さを異ならせることができるのです。
(答弁書(2)5頁下から9行~6頁1行)
第5 当審の判断
1 各甲号証の記載
(1)甲1
ア 甲1には、次の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。)
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、合成(すなわち「人工」)芝カバーに関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って本発明の主な目的は、上述した点、即ち、糸状構成物を基板に固定すること、及び、シート状基板による合成芝カバーを安定化することの双方の点で、既存の合成芝カバーを改善することである。」
(ウ)「【0024】
「パッド」という用語は、本明細書においては、下記に示すように、結合されたスレッド、ヤーン又は繊維を出発原料として得られるシート状材料を意味する:
- パッド10が以下に述べる通常の使用状態で引き裂かれることがないように、張力に対する機械的な耐性についての品質が材料の層10に付与されており、そして、
- いずれの場合においても、以下に更に詳述する更なるコーティング層12(及び場合によっては網20)にパッド10を強固に固定することができるように、スレッド、ヤーン又は繊維間に空間が存在する。
【0025】
例えば、パッド10は、下記の形態で製造することができる:
- 単純な織物(よこ糸及びたて糸を提供する)
- 編成織物
- 場合により、よこ糸キルティングを使用して安定化された非織物、即ち、フェルト。」
(エ)「【0028】
図2は、上述したように、層12にパッド10を結合することを示している。
層12は、熱可塑性(従って熱溶融性)材料によって構成されており、典型的には、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン系材料によって構成されている。」
(オ)「【0033】
次に、このようにして得られた結合積層材料(パッド10及び層12、場合により網20を含む)が、図3に概略的に示されている方法(それ自体は公知である)に従って、合成芝カバーを構成するための積層基板として使用される。」
(カ)「【0035】
この設備によって、全体的にU字形構成を有するヤーン構成物14が、シート状基板10、12(及び場合によっては20)に植え付けられる。構成物の各々は、基本的に、基板10、12の真下を通っているループ部分16、及び基板10、12の上方に垂直に伸び、芝生の葉を模倣している2つの葉状部分18を備えた一種の房を構成している。」
(キ)図3は以下のとおり。
「
[図:0001401722000001.jpg]
」
イ 上記アからみて、甲1には次の考案(以下「甲1考案」という。)が記載されているものと認める。
「結合されたスレッド、ヤーン又は繊維を出発原料として得られるシート状材料を意味するパッド10と、
シート状基板10、12に植え付けられる、全体的にU字形構成を有するヤーン構成物14と、
からなる、合成芝カバーであって、
パッド10は、
単純な織物(よこ糸及びたて糸を提供する)、
編成織物、
よこ糸キルティングを使用して安定化された非織物、即ち、フェルト、
の形態で製造することができ、
層12にパッド10を結合し、
層12は、熱可塑性(従って熱溶融性)材料によって構成されており、
構成物の各々は、基板10、12の真下を通っているループ部分16、及び基板10、12の上方に垂直に伸び、芝生の葉を模倣している2つの葉状部分18を備えた一種の房を構成している、
合成芝カバー。」
(2)甲2
ア 甲2には、次の記載がある。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、建物の玄関やバルコニー、屋上あるいは庭やゴルフ練習場、パターゴルフ場などのスポーツサーフェイスなどに敷設される人工芝生に関するものである。」
(イ)「【0007】
次に、前記基布の表面にタフティングにより設けられる芝生部はナイロンからなるパイル糸あるいはポリプロピレンからなるパイル糸あるいは塩化ビニルからなるパイル糸あるいは塩化ビニリデンからなるパイル糸などによって構成される。
【0008】
さらに、前記基布の裏面に設けられるバッキング樹脂層は塩化ビニル樹脂あるいはSBR(スチレン・ブチレンラバー)あるいはウレタン樹脂などの樹脂を主成分とする材料により構成され、これらの樹脂と添加物との割合により柔軟なバッキング樹脂層を得ることができる。バッキング樹脂層の主成分として塩化ビニル樹脂を用いる場合は塩化ビニル樹脂100部に対して、可塑材としてメチルエチルケトン50~100部と、充填材として炭酸カルシウムあるいはタルク0~100部を混ぜ合わせる。またバッキング樹脂層の主成分としてSBR(スチレン・ブチレンラバー)を用いる場合は充填材として炭酸カルシウムあるいはタルク0~200部を混ぜ合わせる。さらにバッキング樹脂層の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合は充填材として炭酸カルシウムあるいはタルク0~150部を混ぜ合わせる。前記可塑材や充填材の量によりバッキング樹脂層の柔軟性が決定される。また、このような材料からなるバッキング樹脂は液状で基布の裏面に塗布され、その後、100~150℃の温度で加熱乾燥されて前記基布の表面にタフティングにより設けられる芝生部が基布から外れようとするのを防止するバッキング樹脂層となる。詳しくは基布の裏面に塗布されたバッキング樹脂は基布がメッシュ状であることから基布の表面側に浸透して基布の表面にもバッキング樹脂層が形成される。
【0009】
図1および図2に本考案による人工芝生の一例を示し、1は経、緯ともに5%~30%の伸縮性を有する基布で、この基布1にパイル糸をタフティングして基布の表面に芝生部2を形成してあり、基布1から芝生部2のパイル糸の抜け落ちを防止するために基布1の裏面には柔軟なバッキング樹脂層3を設けてある。
【0010】
基布は伸縮性を有し、またバッキング樹脂層は柔軟性を有することから、敷設面に凹凸があっても人工芝生をその凹凸に沿わせることができ、敷設作業を容易に行うことができる。」
(3)甲3
ア 甲3には、次の記載がある。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は基布上に多数の合成樹脂性のパイルを植設して構成される人工芝およびその製造法に関し、特に詳しく言うと、基布に植設されたパイルをバッキング材を用いることなく基布に固定した人工芝の構造およびその製造法に関する。」
(イ)「【0012】図1はこの発明による人工芝の一実施例を示しており、基布11は従来の裏打ち基布と同様に、例えばポリプロピレンの平織物等で構成された第1基布12と、この第1基布12の裏面に位置し、少なくともその一部が第1基布の融点より低い融点の例えばポリプロピレンやポリエチレン繊維で作られた不織布等で構成された第2基布13とで構成されている。基布11には第2基布13側から、ナイロンやポリプロピレン等の合成樹脂から作られたスプリットヤーンやモノフィラメントヤーンで構成されたパイル14がタフティングにより植設されている。これらパイル14は、熱により溶解された第2基布13により第1基布12の裏面に固定されている。なお、第1基布12と第2基布13とは、パイル14をタフティングする前に予め一体化させておりても、パイル14をタフティングする時にパイル14によりあたかも縫い合わされるようにして一体化してもよい。」
(ウ)「【0015】この実施例の具体的な例を挙げると、第1基布12は縦糸を500デニールで、1インチ当たり24本のポリプロピレンを使用し、横糸を1000デニールで、1インチ当たり15本のポリプロピレンを使用した平織物で構成し、第2基布13は上述した商品名「EP繊維」の不織布で構成した。この「EP繊維」は、6~7デニールで、1平方m当たり100gで、低融点樹脂の融点は110℃、高融点樹脂の融点は140℃である。パイル14は融点が160℃のポリプロピレンを使用した。加熱手段25により100~130℃に加熱したところ、第2基布13の低融点樹脂は溶解して、第1基布12のパイル14の植設部に浸透し、パイル14は強固に固定されていた。また第2基布13の高融点樹脂は融解されずに残り、融解された低融点樹脂により第1基布12の裏面に固着しパイル14の固定を一層確実にした。」
(エ)「【0017】
【発明の効果】以上のようにこの発明の人工芝は、基布をその上面に位置する合成樹脂製の第1基布と、この第1基布の下面に位置し、少なくとも第1基布よりもその融点が低い合成樹脂で作られ、熱融着によりパイルを第1基布に固着する第2基布とから構成しているので、第2基布を熱融解するだけで簡単にパイルを第1基布に固定することができ、従来の人工芝に比べて極めて簡単に製造することができ、安価に提供することができる。また、請求項2に記載のように第1基布の上面にも第2基布と同様な材料で構成された第3基布を更に設けてもよく、これによりパイルは第1基布の上下面で一層確実強固に固定することができる。」
(4)甲4
ア 甲4には、次の記載がある(訳文は、請求人による。)。
(ア)「
[図:0001401722000002.jpg]
」
(訳文)「本考案の高迫真性人工芝生は異なる芝高さと異なる葉幅を有し、階層感がはっきりしているとともに、異なる色を持つことができるだけではなく、季節の移り変わりによって、季節に応じた色の人工芝を加えて、天然芝により近くするようにできる。」
(イ)「
[図:0001401722000003.jpg]
」
(訳文)「その中の符号の説明:
1 粘着剤層
2 底布層
31 第一階層の人工芝生繊維タフト
32 第二階層の人工芝生繊維タフト
33 第三階層の人工芝生繊維タフト
34 第四階層の人工芝生繊維タフト」
(ウ)「
[図:0001401722000004.jpg]
」
(訳文)
「・・・人工芝生の製造:
上記人工芝生繊維をもろよりしてから、行ピッチ3/8インチのタフティング機で、芝高さ50mm、ステッチレート14針/10cmで、人工芝生半製品としてタフティングして、粘着剤を塗布してから、オーブン上部の温度を150℃、オーブン下部を110℃として、最終的に図3に示すような人工芝生を得る:第一層のエメラルドグリーンの人工芝繊維の高さが38mmで、葉幅が1.5mmであり、第二層のオリーブグリーンの人工芝繊維の高さが43mmで、葉幅が1.2mmであり、第三層のオリーブグリーンの人工芝繊維の高さが46mmで、葉幅が0.9mmであり、第四層のエメラルドグリーンの人工芝繊維の高さが50mmで、葉幅が0.5cmである。
このような人工芝生によれば、貯水温度低減型人工芝繊維、形状が天然芝とより似たV形人工芝繊維、成長により幅が一様ではなく高さも揃わない人工芝繊維を組み合わせたことになり、機能性がより強く、階層感がよりはっきりしており、模擬性能がよりよくなる。」
(5)甲5
ア 甲5には、次の記載がある。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成繊維モノフイラメントに成る複数個のパイル片によって構成されたカットパイルが基布から突き出ている人工芝生に関するものである。」
(イ)「【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る人工芝生15は、単糸繊度が50~1500デニールのカットパイル11が基布12より突き出たパイル布帛のパイル面に発泡塗料13が付与されており、その発泡塗料13の発泡皮膜によってパイル片14の表裏が被覆されており、隣合うカットパイルの一部のパイル片14とパイル片14の一部が発泡塗料13の発泡皮膜によって接合されてパイル層全体が立体的網状構造を形成していることを特徴とするものである。」
(ウ)「【0015】
・・・人工芝生のベースとなるパイル布帛は、タフテイング(タフテッドパイル布帛)、織成(モケット、タオル、ウイルトンパイル織地)、編成(ラッシエルパイル経編地、パイル緯編地)、ニードルパンチングの何れによるものであってもよい。」
(6)甲6
ア 甲6には、次の記載がある。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として二面式経編地を特に人工芝生用として編成するために、パイル糸用としての太糸を好適に編成するための複列針床経編機における筬運動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前後二列の編針列を有し、該編針列に対し前部筬、後部筬及びこれらの筬に挾まれる中間筬を備えてなる複列針床経編機を用い、前部筬の地糸により前部側基布を、後部筬の地糸により後部側基布を編成するとともに、中間筬のパイル糸により前記両基布を連結編成して二面式経編地を編成後、パイル糸の連結個所の中間部分を切断することにより、二枚のカットパイル経編地とすることは周知である。
【0003】又、前記カットパイル経編地を人工芝生などに使用することも良く知られており、実際に製品化がなされている。この人工芝生においては、パイルの立毛性が問題となっており、本出願人も、この立毛性を高める新規なパイルの立毛構造に関し、特願平4-139795号において提案している。」
(イ)図3は以下のとおり。
「【図3】
[図:0001401722000005.jpg]
」
2 本件考案1について
(1)対比
本件考案1と甲1考案を対比する。
ア 本件考案1の「経編人工芝」と甲1考案の「合成芝カバー」とは、「人工芝」において共通する。
甲1考案の「パッド10」と「層12」を合わせたもの、「シート状基板10、12」又は「基板10、12」は、本件考案1の「編み基材下地(10)」に相当し、同じく「ヤーン構造物14」は「芝葉繊維」に相当する。
また、甲1考案の「ヤーン構成物14」について、「構成物の各々は、基板10、12の上方に垂直に伸び」ていることから、「ヤーン構成物14」は、基板10、12の上方に設置されているといえる。
よって、「基板10、12」の上方に設置された各「ヤーン構成物14」を合わせたものは、本件考案1の「前記編み基材下地(10)の一側に設置された芝糸層(20)」に相当する。
イ 甲1考案において、「パッド10」は、「結合されたスレッド、ヤーン又は繊維を出発原料としてシート状を意味する」ものであるから、甲1考案の「パッド10」の「スレッド、ヤーン又は繊維」は、本件考案1の「編み基材下地(10)は」「少なくとも1本の基材下地繊維」を「含む」ことに相当する。
甲1考案の「ヤーン構成物14」は、「シート状基板10、12に植え付けられる」ものであるが、「構成物の各々は、基板10、12の真下を通っているループ部分16」を備えており、「層12にパッド10を結合し、層12は、熱可塑性(従って熱溶融性)材料によって構成されて」いるものでもあるから、甲1考案の「ヤーン構成物14」の「基板10、12の真下を通っているループ部分16」は、「パッド10」が備えるものではない。よって、甲1考案は、本件考案1の「芝糸繊維」に相当する構成を備えるものの、「編み基材下地(10)」に含まれるものではない。
ウ 以上を総合すると、本件考案1と甲1考案とは、
「人工芝であって、
編み基材下地(10)と、
前記編み基材下地(10)の一側に設置された芝糸層(20)とを含み、
前記編み基材下地(10)は、
少なくとも1本の基材下地繊維を含む、
人工芝。」
で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
本件考案1は、編み基材下地(10)が、少なくとも1本の基材下地繊維と少なくとも1本の芝糸繊維を含む織糸経編を複数本経編してなる、経編人工芝であるのに対し、甲1考案のパッド10は、織糸経編を複数本経編したものではなく、そのため、合成芝カバーは、経編ではない点。
(相違点2)
芝糸層の芝糸について、本件考案1は、芝糸繊維が編み基材下地(10)の芝糸層(20)側で編み基材下地(10)から離れた方向へルーピングされた芝糸ループが、切断されたものであるのに対し、甲1考案は、シート状基板10に植え付けられる、全体的にU字形構成を有するヤーン構成物14であって、構成物の各々は、基板10の真下を通っているループ部分16、及び基板10の上方に垂直に伸び、芝生の葉を模している2つの葉状部分18を備えた一種の房を構成している点。
(2)判断
上記相違点1、2について検討する。
ア 相違点1
甲1考案のパッド10は、パッド10の繊維で製造しているものの、ヤーン構成物14のループ部分16は、該パッド10の製造に用いられているものではない。
ここで、甲6をみると、中間筏のパイル糸(本件考案の「芝糸繊維」に相当。)及び前部筏の地糸(同「基材下地繊維」に相当。)と後部筏の地糸(同「基材下地繊維」に相当。)により二面式経編地(同「編み基材下地(10)」に相当。)を編成するものが記載されている。しかしながら、甲6の該編成は、前部筏の地糸により前部側基布と、後部筏の地糸により後部側基布を編成し、中間筏のパイル糸により両基布を連結編成する複列針床経編機を用いるものであるから、ヤーン構成物14のループ部分16を、該パッド10の製造に用いていない甲1考案に対して、甲6考案に記載の上記複列針床経編機を用いる動機付けはないから、甲1考案のパッド10の製造に際して、パッド10の繊維に加えて、ヤーン構成物14のループ部分16を用い、経編されたものとすることは、当業者がきわめて容易になし得たこととはいえない。
また、本件考案1は、本件明細書の段落【0012】に記載されているとおりの「芝糸層の芝糸を経編方式で編み下地と編み合わせるので、芝糸層の芝糸の耐引抜性能を向上でき、そのため、経編人工芝は破損しにくい。」との作用効果を奏するものであるところ、甲6記載の事項からは、そのような顕著な作用効果を把握することもできない。
よって、甲6記載の事項に基づいて、相違点1に係る本件考案1の構成とすることは当業者がきわめて容易に想到し得たことではない。
なお、請求人が経編地の周知例と主張する甲5には、「基布12」が「経編地」であることは例示されているものの、本件考案1の「編み基材下地(10)」のような「少なくとも1本の芝糸繊維を含む織糸経編を複数本経編してなる」ものではない。
イ 相違点2について
甲6には、パイル糸に関し、前部筏の地糸により前部側基布と、後部筏の地糸により後部側基布を編成し、中間筏のパイル糸により両基布を連結編成するものであって、該中間筏のパイル糸を切断することにより二枚のカットパイル経編地とすることが記載されているものの、このパイル糸は、切断前は前部筏と後部筏を連結するものであるから、ルーピングされたものではない。よって、甲6記載のパイル糸は、ルーピングされたものを切断したものではない。
したがって、甲6記載の事項に基いて、上記相違点2に係る本件考案1の構成とすることは、当業者がきわめて容易になしえたことではない。
ウ 小括
上記相違点1及び2の構成は、上記で検討した甲1、甲5、甲6以外に、甲2~甲4にも記載も示唆もされていないから、本件考案1は、甲1考案、甲2~甲6に記載の事項に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。
3 本件考案2ないし8について
本件考案2ないし8は、本件考案1の構成を全て含み、さらに限定を加えた考案であるから、上記2で検討した理由と同じ理由により、本件考案1は、甲1考案、甲2~甲6に記載の事項に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおり、本件考案1ないし8に係る実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではないから、請求人の主張する無効理由及び証拠によって、本件考案1ないし8に係る実用新案登録を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、実用新案法第41条の規定において準用する特許法第169条第2項の規定によりさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-400003