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商標拒絶査定不服審判

2021-017081

メディカルヒーリング

審判番号
2021-017081
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-011579
請求日
2021年12月10日
審決日
2022年11月07日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】山田 充宏
  • 【請求人代理人】原田 貴史
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .13 -Z (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-11579拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年2月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 4月13日付け:拒絶理由通知 令和3年 4月22日 :刊行物等提出書 令和3年 4月26日 :意見書の提出 令和3年 9月 8日付け:拒絶査定 令和3年12月10日 :審判請求書、手続補足書の提出 2 本願商標 本願商標は、「Medical Healing」の文字を標準文字で表してなり、第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営,文化又は教育のための展示会の企画・運営,技芸・スポーツ又は知識の教授,研修会の手配及び管理,セミナーの企画・運営又は開催,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,コンサートの企画又は運営,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),パーティの企画,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の予約,興行におけるチケットの手配,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,録音済み記録媒体の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「Medical Healing」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字の表音を片仮名表記したものと容易に認識、理解される「メディカルヒーリング」の文字が、エネルギーを調整することで体調不良を改善することを指す語として普通に用いられており、これに関する講習が行われている実情も認められる。 こうした実情を踏まえると、本願商標は、全体として「エネルギーを調整することで体調不良を改善すること」ほどの意味合いを、理解、認識させる。 そうすると、本願商標を、その指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「エネルギーを調整することで体調不良を改善すること」を内容とした役務であることを認識するにとどまるから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審においてした審尋 当審において、審判長は、請求人に対し、令和4年8月29日付けで、別掲1及び別掲2に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。 5 審尋に対する請求人の意見の要点 請求人は、前記4の審尋に対し、令和4年10月6日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張した。 (1)審尋において、本願商標の語義より「医療・医学の癒し」との理解を提示している。「医療・医学」といえば、正確な定義はさておき、需要者又は取引者間では、近代西洋医学を指すものと解されている。一方、別掲で提示している本願商標の解釈は「代替医療の施術方法」としている。代替医療とは、一般に西洋医学以外の健康食品・サプリメント、鍼灸、マッサージ、整体等の施術であると解されている。そうすると、語義での解釈と別掲を踏まえての解釈に矛盾が生じ、論理の飛躍といえ、上記のような解釈は妥当ではない。 (2)別掲1(1)記載のウェブサイトには、「メディカルヒーリング」がいったいどういった施術、癒しなのか、何ら記載されておらず、ただ「メディカルヒーリング」の語を用いているに過ぎない。別掲1(6)のウェブサイトには、令和4年9月30日時点では、審尋において言及されたような表記は一切ない。別掲1(3)記載のウェブサイトには、「メディカルヒーリング(代替療法)」と記載されているものの、実際はアロマセラピーの役務を提供している。別掲1(5)記載のウェブサイトは、具体的に代替医療なのか、記載が曖昧で、審尋の解釈が導き出される根拠としては薄弱である。同様に、別掲2(2)(3)及び(5)でも、実際に提供している内容はそれぞれ全く異なっている。別掲1(2)記載のウェブサイトには「トータルメディカルヒーリングコース」と、別掲1(4)記載のウェブサイトには「メディカルヒーリングエステ」という語が用いられ、また、別掲2(1)では、「HITメディカルヒーリングスクール」又は「ハートインタッチ・メディカルヒーリングスクール」と、別掲2(4)では「おうちメディカルヒーリング」と銘打っており、本願商標と同一又は類似の商標として用いられているとは言い難い。 (3)別掲資料から、審尋で提示された字義通りの解釈も、「代替医療としての施術方法」という解釈も想起し得ず、「メディカルヒーリング」の商標が用いられているとしても、その解釈は多様であり、実際に提供している役務も全く異なっているといえる。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について ア 商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。 そうすると、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該指定役務に使用されていることを要しないと解される(知財高裁令和3年(行ケ)10100号 令和4年5月19日判決言渡)。 以上を前提に、本願商標と、その指定役務との関係における同号該当性について検討する。 イ 本願商標は、前記2のとおり、「Medical Healing」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「Medical」の文字は「医学の、医療の」の意味を、「Healing」の文字は「治療(法)(の)、癒やし(の)」の意味を有する語(いずれも「ジーニアス英和辞典 第5版」(株式会社大修館書店)から引用。)として、それぞれ我が国において広く親しまれているものであり、両文字の語義を結合した構成からは、「医療・医学の癒やし(治療)」程の意味合いを容易に理解させるものである。 ウ 職権による調査によれば、神経科クリニックや整骨院鍼灸院、訪問看護やエステサロンなど、患者を治療又は客に施術する各種分野において、「Medical Healing」の文字を片仮名で表記した「メディカルヒーリング」の文字は、代替医療の施術方法を表す語として、「心身の不調を整え癒やす施術」程の意味合いで多数使用されている実情が認められる(別掲1参照)。 また、本願の指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,研修会の手配及び管理,セミナーの企画・運営又は開催」を取り扱う業界において、「メディカルヒーリング」に関する講座、講習が設けられ、「メディカルヒーリング」に関する知識の教授等が、実際に行われていることがうかがえる(別掲2参照)。 そして、知識の教授及びセミナーの企画等の役務は、一般に、提供される内容が役務の提供に当たり表示される等の実情があることに加え、当該役務を提供する業界においては、講義内容に関するテキスト、問題集及びDVD等が制作・販売されている実情があること、及び講義内容をオンラインで提供する実情があることは、経験則上明らかであるといえる。 エ 以上のとおり、その構成から「医療・医学の癒やし(治療)」程の意味合いを理解させる「Medical Healing」の文字を片仮名で表記した「メディカルヒーリング」の文字は、患者を治療又は客に施術する各種分野において、辞書上の意味から転じて、代替医療の施術方法を表す語として使用されている例が複数あること、また、知識の教授やセミナーの企画等を行う業界において、「メディカルヒーリング」を内容とする知識の教授やセミナーの企画等が行われている例が複数あることが認められる。このような実情からすれば、「Medical Healing」の文字からなる本願商標をその指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,研修会の手配及び管理,セミナーの企画・運営又は開催,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作」に使用するときは、その役務が、代替医療の施術方法である「メディカルヒーリング」を内容とするものであることを、取引者、需要者が認識するにとどまるものというのが相当である。 したがって、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「医療・医学」といえば、近代西洋医学を指すものと解されるが、代替医療とは、一般に西洋医学以外の健康食品・サプリメント、鍼灸、マッサージ、整体等の施術であると解されていることから、語義を踏まえての本願商標の解釈と別掲を踏まえての解釈に矛盾が生じ、妥当ではない旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう役務の質に該当するか否かの判断は、当該商標の構成態様とその指定役務とに基づき、当該商標が使用される役務の取引の実情などを考慮し、取引者、需要者がどのように認識するかを基準として、個別具体的に判断されるべきものである。そして、本願商標を構成する「Medical」の文字を片仮名で表記した「メディカル」の文字は、「ヒーリング」の文字との組合せにより、患者を治療又は客に施術する各種分野において、辞書上の意味から転じて、代替医療の施術方法を表す語として使用されている取引の実情があること、また、当該実情は知識の教授やセミナーの企画等を行う業界においても異なるものではないこと、上記(1)のとおりであるから、当該取引の実情に加えて、本願商標を構成する各語の意味やその言語構成を総合的に勘案した上で、本願の指定役務分野の取引者、需要者は、本願商標を役務の質(内容)を表示してなるものと認識するにとどまると認定、判断したものである。 イ 請求人は、「メディカルヒーリング」の文字が用いられている場合においても、その解釈は多様であること、また、その使用例中、「メディカルヒーリングエステ」、「HITメディカルヒーリングスクール」、「ハートインタッチ・メディカルヒーリングスクール」等については、本願商標と同一又は類似の商標として用いられているとは言い難い旨主張する。 しかしながら、「メディカルヒーリング」の文字を用いて提供される各種施術、あるいは知識の教授等の内容について子細にみれば、提供者により、その方法や内容において異なる点があるとはいえるものの、患者を治療又は客に施術する各種分野や、知識の教授やセミナーの企画等を行う業界において、「メディカルヒーリング」の文字は、代替医療の施術方法を総称する語として使用されていることに変わりはない。そして、本願商標は、別掲1及び別掲2のとおりの実情からすれば、その第41類の指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,研修会の手配及び管理,セミナーの企画・運営又は開催,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作」に使用された場合には、これに接する取引者、需要者によって、代替医療の施術方法を表示するものとして一般に認識されるものであり、将来を含め、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであると認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他役務の識別力を欠くものというべきである。 さらに、請求人は「メディカルヒーリング」の文字に他の文字が付加されている用例について、本願商標と同一又は類似の商標として用いられているとは言い難い旨主張するが、別掲1及び別掲2に示した用例は、「メディカルヒーリング」の文字がどのような意味合いをもって、どの程度使用されているかについての実情を示すものであって、その用例中に、例えば「HIT」、「ハートインタッチ」のように、役務の出所を示す表示を「メディカルヒーリング」の文字に付加した例や、「エステ」のように、指定役務との関係において、役務の出所識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものを付加した例が含まれているとしても、そのことが本願商標に係る商標法第3条第1項第3号該当性の判断に影響を与えるものとはいえない。 ウ 請求人は、「○○ヒーリング」の構成からなる過去の商標登録の存在を挙げ、本願商標も登録を認められるべき旨主張する。 しかしながら、請求人が挙げる既登録例に係る商標は、本願商標とは異なる構成からなるものであり、本件とは事案を異にするものであるから、その既登録例があることにより、本願商標についてした上記認定、判断が左右されることはない。 エ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-017081

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