特許拒絶査定不服審判
2021-016434
IPv6 TCP/IPネットワークを介する高度な大規模データ伝送および致命的輻輳回避
- 審判番号
- 2021-016434
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-101136外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年12月01日
- 審決日
- 2022年09月06日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コネクティヴィティ・システムズ・インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】山本 修
- 【請求人代理人】宮前 徹
- 【請求人代理人】松尾 淳一
- 【請求人代理人】大牧 綾子
- 分類
- P18 .537-WY (H04L) / P18 .121-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-101136「IPv6 TCP/IPネットワークを介する高度な大規模データ伝送および致命的輻輳回避」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月30日出願公開、特開2017-212734、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年5月22日(パリ条約による優先権主張2016年5月23日、米国)の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和3年 1月25日付け:拒絶理由通知書
令和3年 4月26日: 意見書、手続補正書の提出
令和3年 8月 4付け: 拒絶査定
令和3年12月 1日: 審判請求書、手続補正書の提出
令和4年 5月25日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由」という。)
令和4年 7月 1日: 意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年8月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
理由2 (新規性)本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由3 (進歩性)本願請求項1-2に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.米国特許第07103025号明細書
第3 当審拒絶理由の概要
理由1 (明確性)この出願は、特許請求の範囲の請求項1-2の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項1には「前記ソースホストから前記宛先ホストへ識別された前記少なくとも1つの失われた断片のみを送信するステップ」が記載されているが、当該ステップが不明りょうである。請求項2についても同様である。
第4 本願発明
本願請求項1-2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発
明2」という。)は、令和4年7月1日付けの手続補正で補正された特許請
求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
パケット交換ネットワークにおける輻輳回避の方法であって、
断片化されたデータグラムの1つまたは複数の受信された断片を宛先ホストで受信するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、前記1つまたは複数の受信された断片および1つまたは複数の失われた断片を含む合計数の断片に断片化された、ステップと、
前記断片化されたデータグラムを識別する識別値、および、
前記1つまたは複数の失われた断片を識別するビットマップ
を備える断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、複数のビットを含むビットマップで表され、前記ビットマップにおいて、アクティブビットは受信確認されていないデータグラムを表し、非アクティブビットは受信確認されているデータグラムを表す、構築するステップと、
前記断片化データ損失エラーメッセージをソースホストに送信するステップと、
前記ソースホストにおいて、前記断片化データ損失エラーメッセージから、前記アクティブビットに対応する前記少なくとも1つの失われた断片を識別するステップと、
前記ソースホストから前記宛先ホストへ、前記断片化されたデータグラムの識別された前記1つまたは複数の失われた断片のみと、前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップとを備える、限定再送を送信するステップであって、前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す、送信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
パケット交換ネットワークにおける輻輳回避の方法であって、
宛先ホストで伝送タイマーを初期化するステップと、
断片化されたデータグラムの最初の受信された断片を前記宛先ホストで受信するステップと、
前記最初の受信された断片を受信したときに前記伝送タイマーを始動するステップと、
断片化されたデータグラムの少なくとも1つの受信された断片を前記宛先ホストで受信するステップであって、前記少なくとも1つの受信された断片が、前記最初の受信された断片を含み、前記断片化されたデータグラムが、前記少なくとも1つの受信された断片および少なくとも1つの失われた断片を含む合計数の断片に断片化された、ステップと、
前記伝送タイマーで伝送時間をインクリメントするステップと、
インクリメントした前記伝送時間が、伝送タイムアウト時間よりも短い場合に、
前記断片化されたデータグラムを識別する識別値、および、
前記少なくとも1つの失われた断片を識別するビットマップ
を備える断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、複数のビットを備える前記ビットマップで表され、前記ビットマップにおいて、アクティブビットは受信確認されていないデータグラムを表し、非アクティブビットは受信確認されているデータグラムを表す、構築するステップと、
前記断片化データ損失エラーメッセージをソースホストに送信するステップと、
前記ソースホストにおいて、前記断片化データ損失エラーメッセージから、前記アクティブビットに対応する前記少なくとも1つの失われた断片を識別するステップと、
前記ソースホストから前記宛先ホストへ前記断片化されたデータグラムの識別された前記少なくとも1つの失われた断片のみと、前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップとを備える、限定再送を送信するステップであって、前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記識別された前記少なくとも1つの失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す、送信するステップと、
前記断片化されたデータグラムの全ての断片が、前記伝送タイムアウト時間の前に受信されるように、前記宛先ホストにおいて前記識別された少なくとも1つの失われた断片を受信するステップと、
を含む、方法。」
第5 引用文献、引用発明
1 引用文献1
原査定において引用された引用文献1には、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。訳は当審訳。以下同様。)。
(1) 1欄58行-2欄8行
「In accordance with one embodiment of the present invention, a method and system for efficient utilization of transmission resources in a wireless network includes requesting retransmission of an unsuccessfully received radio frame up to an allowed number of times. In response to at least unsuccessfully receiving the frame after the allowed number of retransmissions, a signal is generated for transmission to a device transmitting the frame. The signal is operable to prevent the device from transmitting a set of remaining frames for the packet. More specifically, in accordance with a particular embodiment of the present invention, the radio frames may each identify their corresponding packet. In this embodiment, the signal generated for transmission to the device transmitting the frame identifies the packet. The transmitting device drops the remaining frames of the identified packet in response to receipt of the signal. In another embodiment, the signal may be a bit map of frames received successfully and/or unsuccessfully.」
(訳:
本発明の一実施形態によれば、無線ネットワーク内の送信資源の効率的な利用のための方法およびシステムは、許容される回数まで、正常に受信されなかった無線フレームの再送を要求することを含む。少なくとも許容された回数以上、再送信されたフレームの受信に失敗したことに応答して、フレームの送信機に送信される信号が生成される。この信号によって、パケットの残りのフレーム群を送信させないように動作可能である。より具体的には、本発明の特定の実施形態によれば、無線フレームはそれぞれ、対応するパケットを識別することができる。この実施形態では、フレームの送信機に送信するために生成された信号は、パケットを識別する。送信装置は、この信号の受信に応答して、識別されたパケットの残りのフレームを破棄する。他の実施形態では、信号は、受信に、成功及び/又は失敗した、フレームのビットマップであってもよい。)
(2) 5欄17-50行
「In accordance with one embodiment of the present invention, the RLP sender adds packet identification information into each radio frame. This allows the RLP receiver to use in-band information to identify a radio frame as belonging to a particular packet, to determine a position of the radio frame in the packet, to determine a received number of radio frames for the packet and to determine the packet of a radio frame having fatal transmission errors. In a particular embodiment, each radio frame includes a packet identifier and a frame identifier within the packet. The packet identifier may be a unique TCP and/or IP identifier or a specified packet identifier. The frame identifier may be a number of the frame for the packet. It will be understood that related radio frames from a common packet and/or the position of the frame in a packet may be otherwise suitably indicated by a transmitting device and/or determined by a receiving device without departing from the scope of the present invention. For example, a combination of identifiers and counters may be used by the receiving device. In addition, a control channel or other out-of-band signaling may also be used to communicate packet and frame identification information. Further, the transmitter may maintain a map of sequence frame numbers belonging to particular packets or otherwise track the relationship between frames and packets. In this embodiment, the receiver may provide a bitmap of received transmissions and/or dropped sequence numbers to the transmitter which uses the information to determine whether the remaining frames should be dropped or transmitted. The bit map of received frames may identify recently received frames, frames received within a defined period of time and/or frames corresponding to the packet of the dropped frame. Additionally and/or alternatively, the bit map may identify frames requiring retransmission.」
(訳:
本発明の一実施形態によれば、RLP(無線リンクプロトコル)送信機は、パケット識別情報を、各無線フレームに付加する。これにより、RLP受信機は、帯域内情報を使用して、無線フレームが属する特定のパケットを特定し、パケットにおける無線フレームの位置を決定し、そのパケットについて受信した無線フレームの数を決定して、回復不能な誤りが生じた無線フレームのパケットを決定する。特定の実施形態では、各無線フレームは、パケット識別子と、パケット内のフレームの識別子を含む。パケット識別子は、ユニークなTCP/IP識別子又は特定のパケット識別子であってもよい。フレーム識別子は、そのパケットにおけるフレームの番号であってもよい。共通のパケットからの関連する無線フレーム、及び/又は、パケット内のフレームの位置は、本発明の範囲から逸脱することなく、送信デバイスによって示される、及び/又は、受信装置によって決定し得ることが理解されるであろう。例えば、識別子とカウンタとの組合せが、受信装置によって使用できる。加えて、制御チャネルなどの帯域外シグナリングが、パケットおよびフレームの識別情報を伝達するために使用できる。さらに、送信機は、特定のパケットに属するシーケンス番号のマップを維持するか、あるいは、フレームとパケットとの関係を追跡することができる。この実施形態では、受信機は、受信された伝送のビットマップ、及び/又は、破棄されたシーケンス番号を、送信機に伝送することができ、送信機はこの情報を利用して、残りのフレームを破棄すべきか、又は、送信すべきかどうかを決定することができる。受信されたフレームのビットマップは、最近受信されたフレーム、所定の期間内に受信されたフレーム、及び/又は、破棄されたフレームのパケットに対応するフレームを識別してもよい。追加的に、及び/又は、代替的に、ビットマップは、再送信を要求するフレームを識別してもよい。)
(3) 6欄1-16行
「Referring to FIG. 3, radio frames 120 are transmitted over the wireless link 38 between the BTS 30 and the mobile device 36. Each frame 120 includes an identifier 124 identifying the packet to which the radio frame 120 belongs and the number of the frame 120 within a set of frames 122 comprising data for the packet. As previously described, the identifier 124 may be generated by the RLP sender and extracted by the RLP receiver and thereby utilized for controlling frame transmissions and retransmissions. In particular, the receiving device may dynamically update a number of retransmissions on a per frame basis to more efficiently utilize wireless transmission resources. In addition or alternatively, the receiving device may signal the transmitting device to prevent transmission of radio frames for a packet to be discarded due to previous frame transmission errors.」
(訳:
図3を参照すると、無線フレーム120は、基地局30とモバイルデバイス36との間で無線リンク38を介して送信される。各フレーム120は、フレーム120が属するパケットを識別する識別子124と、そのパケットを構成するデータを含むフレーム122群におけるフレーム番号120とを含む。前述したように、識別子124は、RLP送信機によって生成され、RLP受信機によって抽出され、それによって、フレームの送信および再送信の制御に利用できる。特に、受信装置は、無線送信資源をより効率的に利用するために、フレーム毎に再送回数を動的に更新することができる。付加的に、又は、代替的に、受信機は、前のフレームの伝送誤りに起因して破棄されるパケットに対する無線フレームの送信を防止するために、送信装置に信号を送ってもよい。)
(4) 6欄17-64行
「FIGS. 4 and 5 illustrate a method for dynamically controlling frame retransmissions over a wireless link in accordance with one embodiment of the present invention. In particular, FIG. 4 illustrates operation of the transmitting device for an information stream while FIG. 5 illustrates operation of the receiving device for the information stream. The BTSs 30 and the mobile devices 36 are each a receiving device and a transmitting device for a two-way communication connection.
Referring to FIG. 4, a method for transmitting radio frames for a packet over the wireless link 38 begins at step 200 in which a packet is received for transmission over the wireless link 38. Next, at step 202, the packet is segmented into a number of segments and encapsulated into radio frames 120 for transmission over the wireless link 38.
Proceeding to step 204, packet identification information 124 is added to the radio frames 120. The packet identification information 124 may be added to the radio frames 120 during or after generation of the frames 120 and may be an extension. The frames include sequence numbers or other suitable identification.At step 206, the radio frame 120 is transmitted over the wireless link 38.
At decisional step 208, the transmitting device determines whether the receiving device has requested retransmission of the frame 120 due to transmission errors. If the receiving device requests retransmission of the frame 120, the Yes branch of decisional step 208 leads to step 210. At step 210, the RLP layer 104 retransmits the frame 120. Step 210 returns to decisional step 208 in which the transmitting device again determines whether the receiving device has requested retransmission. Accordingly, the transmitting device will retransmit a frame 120 when and as often as requested to do so by the receiving device.
If the receiving device does not request retransmission of the frame 120, the No branch of decisional step 208 leads to decisional step 212. At decisional step 212, if additional frames 120 remain to be transmitted for the packet, the No branch returns to step 206 in which the next frame 120 is transmitted over the wireless link 38. After all the frames 120 of the packet have been transmitted over the wireless link 38 and retransmitted as requested, the Yes branch of decisional step 212 leads to the end of the process. It will be understood that the transmitting device may continuously transmit frames 120, without waiting for retransmit instructions and retransmit frames 120 as such instructions are received. Accordingly, frames 120 for a same or different packet may be transmitted between an initial transmission and a retransmission of a frame.」
(訳:
図4及び図5は、本発明の一実施形態による、無線リンクを介したフレーム再送信を動的に制御する方法を示す図である。具体的には、図4は、情報ストリームの送信機の動作を示す一方、図5は、情報ストリームの受信機の動作を示している。基地局30とモバイル装置36とは、それぞれ、双方向通信接続における受信機と送信機である。
図4を参照すると、無線リンク38を介してパケットの無線フレームを送信するための方法は、ステップ200から開始され、ここで、無線リンク38を介して送信されるパケットが受信される。次に、ステップ202において、パケットは、複数のセグメントに分割されて、無線リンク38を介して伝送するために無線フレーム120内にカプセル化される。
ステップ204に進むと、パケット識別情報124が、無線フレーム120に付加される。パケット識別情報124は、フレーム120の生成中に、又は、生成後に、無線フレーム120に付加することができ、拡張であってもよい。フレームは、シーケンス番号その他の適切な識別子を含む。ステップ206において、無線フレーム120は、無線リンク38を介して送信される。
判断ステップ208において、送信機は、受信機が、送信エラーによるフレーム120の再送を要求しているか否かを判断する。受信機がフレーム120の再送信を要求している場合、判断ステップ208から「Yes」に分岐して、ステップ210に至り、このステップにおいて、RLPレイヤ104は、フレーム120を再送信する。ステップ210から、判断ステップ208に戻り、ここで送信機は、再び、受信機が再送を要求しているか否かを判断する。これによって、送信機は、受信機がそのように要求しているときにはその都度、フレーム120を再送信する。
受信機が、フレーム120の再送信を要求していない場合、判断ステップ208から「No」に分岐して、判断ステップ212に至る。判断ステップ212において、そのパケットについて送信されるべきフレームがまだ残っている場合には、「No」の分岐から、ステップ206に戻り、そこで、次のフレーム120が、無線リンク38を介して送信される。パケットの全てのフレーム120が、無線リンク38を介して送信されて、要求に応じて再送信された後、判断ステップ212から「イエス」に分岐して、プロセスの終了に至る。送信機は、再送信指示を待つことなくフレーム120を連続的に送信してよく、再送信指示が受信されるのに応じて、フレームを再送信できることが理解されよう。したがって、あるフレームの送信と再送信との間に、同じ又は異なるパケットのフレーム120が送信されてもよい。)
(5) [図4]
「
[図:0001388216000001.jpg]
」
(6) 6欄65行-8欄19行
「Referring to FIG. 5, a method for receiving radio frames 120 and dynamically controlling radio frame 120 retransmissions over the wireless link 38 begins at step 250 in which a radio frame 120 including a packet identifier 124 and sequence number is received by the receiving device. Next, at step 252, the receiving device determines whether a transmission error has occurred. In one embodiment, a transmission error has occurred if a frame between the received frame and a previously received frame has not been received, which is determined based on sequence numbers of the received frames. A transmission error has also occurred if a retransmit timer for a previous retransmit request has expired without receipt of the requested frame. If a transmission error has occurred, the Yes branch of decisional step 252 leads to step 254.
・・・(中略)・・・
Proceeding to decisional step 258, the RLP layer 104 determines whether to request retransmission of the non-received frame 120. If the number of previous retransmissions is less than the allowed number of retransmissions, the Yes branch of decisional step 258 leads to step 260 at which the RLP layer 104 requests retransmission of the frame 120 from the transmitting device. At this step, a retransmit counter for the non-received frame may be initialized and/or decremented to track the number of retransmissions and the retransmit timer reset. A retransmit request for a frame is unsuccessful if the frame is not received prior to expiration of the timer. Step 260 returns to step 250 in which a next frame 120 is received and processed. If the non-received frame 120 has been retransmitted the allowed number of times at decisional step 258, no further retransmission of the frame is requested despite unsuccessful reception of the frame. In this case, the No branch of decisional step 258 leads to decisional step 262 for determination and processing of any remaining frames.」
(訳:
図5を参照すると、無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法は、ステップ250から開始され、ここで、パケット識別子124と、シーケンス番号とを含む無線フレーム120が受信機によって受信される。次に、ステップ252で、受信機は、伝送エラーが発生したか否かを判断する。一実施形態では、受信したフレームと前回に受信したフレームとの間のフレームが受信されていない場合、伝送エラーが発生しており、これは、受信したフレームのシーケンス番号によって判断される。以前の再送要求に対する再送タイマが、要求されたフレームを受信するより前に満了した場合にも、伝送エラーが発生している。送信エラーが発生した場合、判断ステップ252の「YES」の分岐から、ステップ254に至る。
・・・(中略)・・・
判断ステップ258へ進むと、RLP層104は、未受信のフレーム120の再送信を要求するか否かを判断する。これまでの再送回数が、再送信が許容される回数より少ない場合、判断ステップ258から「Yes」に分岐して、ステップ260において、RLP層104は、送信機にフレーム120の再送信を要求する。このステップにおいて、再送信の回数と、再送信タイマのリセットとを追跡するために、未受信フレームのための再送信カウンタが初期化及び/又はデクリメントされる。タイマが満了するまで、フレームが受信されなかった場合、フレーム再送信の要求は不成功となる。ステップ260からステップ250に戻ると、次のフレーム120が受信されて処理される。未受信のフレーム120が、判定ステップ258において、許容される回数だけ再送されている場合、前記フレームの受信に失敗しているにもかかわらず、更にそのフレームの再伝送を要求することはない。この場合、判断ステップ258から「No」に分岐して、任意の残りのフレームの判定と処理のための判断ステップ262へ進む。)
(7) [図5]
「
[図:0001388216000002.jpg]
」
2 引用発明
よって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開
示されているものと認められる。
「無線ネットワーク内の送信資源の効率的な利用のための方法は、許容される回数まで、正常に受信されなかった無線フレームの再送を要求することを含み、
RLP(無線リンクプロトコル)送信機は、パケット識別情報を、各無線フレームに付加し、これにより、RLP受信機は、帯域内情報を使用して、無線フレームが属する特定のパケットを特定し、パケットにおける無線フレームの位置を決定し、そのパケットについて受信した無線フレームの数を決定して、回復不能な誤りが生じた無線フレームのパケットを決定し、
各無線フレームは、パケット識別子と、パケット内のフレームの識別子を含み、パケット識別子は、ユニークなTCP/IP識別子又は特定のパケット識別子であって、
受信機は、受信された伝送のビットマップ、及び/又は、破棄されたシーケンス番号を、送信機に伝送することができ、送信機はこの情報を利用して、残りのフレームを破棄すべきか、又は、送信すべきかどうかを決定することができ、受信されたフレームのビットマップは、最近受信されたフレーム、所定の期間内に受信されたフレーム、及び/又は、破棄されたフレームのパケットに対応するフレームを識別してもよく、追加的に、及び/又は、代替的に、ビットマップは、再送信を要求するフレームを識別してもよく、
各フレーム120は、フレーム120が属するパケットを識別する識別子124と、そのパケットを構成するデータを含むフレーム122群におけるフレーム番号120とを含み、識別子124は、RLP送信機によって生成され、RLP受信機によって抽出され、それによって、フレームの送信および再送信の制御に利用でき、
無線リンク38を介してパケットの無線フレームを送信するための方法は、ステップ200から開始され、ここで、無線リンク38を介して送信されるパケットが受信され、
ステップ202において、パケットは、複数のセグメントに分割されて、無線リンク38を介して伝送するために無線フレーム120内にカプセル化され、
ステップ204に進むと、パケット識別情報124が、無線フレーム120に付加され、フレームは、シーケンス番号その他の適切な識別子を含み、
ステップ206において、無線フレーム120は、無線リンク38を介して送信され、
判断ステップ208において、送信機は、受信機が、送信エラーによるフレーム120の再送を要求しているか否かを判断し、
受信機がフレーム120の再送信を要求している場合、ステップ210において、RLPレイヤ104は、フレーム120を再送信し、
無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法は、ステップ250から開始され、ここで、パケット識別子124と、シーケンス番号とを含む無線フレーム120が受信機によって受信され、
ステップ252で、受信機は、伝送エラーが発生したか否かを判断し、
ステップ260において、RLP層104は、送信機にフレーム120の再送信を要求する、
無線ネットワーク内の送信資源の効率的な利用のための方法。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「パケットは、複数のセグメントに分割され、無線リンク38を介して伝送するために無線フレーム120内にカプセル化され」る、「無線ネットワーク内の送信資源の効率的な利用のための方法」は、本願発明1の「パケット交換ネットワークにおける輻輳回避の方法」と、「パケット交換ネットワークにおけるトラフィック制御の方法」である点で共通するといえる。
イ 引用発明の「無線ネットワーク」における「RLP(無線リンクプロトコル)送信機」と「RLP受信機」とは、それぞれ、本願発明1の「ソースホスト」と「宛先ホスト」とに相当する。
引用発明の送信機側で実行される「無線リンク38を介してパケットの無線フレームを送信するための方法」の「ステップ202において、パケットは、複数のセグメントに分割されて、無線リンク38を介して伝送するために無線フレーム120内にカプセル化され」ているから、引用発明の「無線フレーム120」は、本願発明1の「断片化されたデータグラムの1つまたは複数の受信された断片」に相当する。
よって、引用発明の受信機側で実行される「無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法」のうちの「ステップ250」は、「パケット識別子124と、シーケンス番号とを含む無線フレーム120が受信機によって受信され」るステップであって、「無線フレーム」には「正常に受信されなかった無線フレーム」が含まれ得るから、本願発明1の「断片化されたデータグラムの1つまたは複数の受信された断片を宛先ホストで受信するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、前記1つまたは複数の受信された断片および1つまたは複数の失われた断片を含む合計数の断片に断片化された、ステップ」に相当する。
ウ 「断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップ」について
(ア) 「ユニークなTCP/IP識別子又は特定のパケット識別子であ」る、引用発明の「パケット識別子」は、本願発明1の「前記断片化されたデータグラムを識別する識別値」に相当する。
(イ) 引用発明は「受信機は、受信された伝送のビットマップ、及び/又は、破棄されたシーケンス番号を、送信機に伝送することができ」るから、引用発明の受信機側で実行される「無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法」のうちの「ステップ260」で、「RLP層104は、送信機にフレーム120の再送信を要求する」ことには、具体的には、「ビットマップ」の送信によって再送信の要求を行う場合が含まれている。
そして、引用発明の「ビットマップ」は、「受信機は、受信された伝送のビットマップ、及び/又は、破棄されたシーケンス番号を、送信機に伝送することができ、送信機はこの情報を利用して、残りのフレームを破棄すべきか、又は、送信すべきかどうかを決定することができ、受信されたフレームのビットマップは、最近受信されたフレーム、所定の期間内に受信されたフレーム、及び/又は、破棄されたフレームのパケットに対応するフレームを識別してもよく、追加的に、及び/又は、代替的に、ビットマップは、再送信を要求するフレームを識別してもよ」いから、本願発明1の「前記1つまたは複数の失われた断片を識別するビットマップ」に相当する。
引用発明の「ステップ260」で、「受信機は、受信された伝送のビットマップ、及び/又は、破棄されたシーケンス番号を、送信機に伝送する」こと、すなわち、受信機から送信機に「ビットマップ」を伝送する前提として、受信機において、「ビットマップ」が構築されていることは明らかであるといえる。
(ウ) 引用発明の「ステップ260」で再送信を要求するために「ビットマップ」を構築して、送信する場合、「ビットマップ」のみを単独で送信しても、送信側では、どの「パケット」の「フレーム」を再送信すべきかを直ちに特定できないことが明らかである。
そして、引用発明の「パケット識別子124」について、「識別子124は、RLP送信機によって生成され、RLP受信機によって抽出され、それによって、フレームの送信および再送信の制御に利用でき」る旨が開示されていることを考慮すると、引用発明において、「ビットマップ」を構築して送信する際、「ビットマップ」が対応する「パケット」を特定する「パケット識別子」も、同時に構築されて、送信されていると理解するのが自然である。
(エ) 上記(ア)-(ウ)を参照すると、引用発明は、受信機側で実行される「無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法」のうちの「ステップ260」において、「ビットマップ」を用いて、「送信機にフレーム120の再送信を要求する」ことの前提として、本願発明1の「前記断片化されたデータグラムを識別する識別値、および、
前記1つまたは複数の失われた断片を識別するビットマップ
を備える断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、複数のビットを含むビットマップで表され、前記ビットマップにおいて、アクティブビットは受信確認されていないデータグラムを表し、非アクティブビットは受信確認されているデータグラムを表す、構築するステップ」と、「前記断片化されたデータグラムを識別する識別値、および、
前記1つまたは複数の失われた断片を識別するビットマップ
を備える断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、複数のビットを含むビットマップで表される、構築するステップ」である点で共通する「構築するステップ」を含んでいるといえる。
エ 上記ウを参照すると、引用発明の受信機側で実行される「無線フレーム120を受信し、無線リンク38上で無線フレーム120の再送信を動的に制御する方法」のうちの「ステップ260」において、「ビットマップ」を用いて、「送信機にフレーム120の再送信を要求する」ことは、本願発明1の「前記断片化データ損失エラーメッセージをソースホストに送信するステップ」に相当する。
オ 引用発明の送信機側で実行される「無線リンク38を介してパケットの無線フレームを送信するための方法」の「ステップ210」は、「RLPレイヤ104は、フレーム120を再送信」するステップであるから、本願発明1の「前記ソースホストから前記宛先ホストへ、前記断片化されたデータグラムの識別された前記1つまたは複数の失われた断片のみと、前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップとを備える、限定再送を送信するステップであって、前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す、送信するステップ」と、「前記ソースホストから前記宛先ホストへ、前記断片化されたデータグラムの識別された前記1つまたは複数の失われた断片のみ、を備える、限定再送を送信するステップである、送信するステップ」である点で共通するといえる。
カ よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりである
といえる。
[一致点]
「パケット交換ネットワークにおけるトラフィック制御の方法であって、
断片化されたデータグラムの1つまたは複数の受信された断片を宛先ホストで受信するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、前記1つまたは複数の受信された断片および1つまたは複数の失われた断片を含む合計数の断片に断片化された、ステップと、
前記断片化されたデータグラムを識別する識別値、および、
前記1つまたは複数の失われた断片を識別するビットマップを備える断片化データ損失エラーメッセージを構築するステップであって、前記断片化されたデータグラムは、複数のビットを含むビットマップで表される、構築するステップと、
前記断片化データ損失エラーメッセージをソースホストに送信するステップと、
前記ソースホストにおいて、前記断片化データ損失エラーメッセージから、前記アクティブビットに対応する前記少なくとも1つの失われた断片を識別するステップと、
前記ソースホストから前記宛先ホストへ、前記断片化されたデータグラムの識別された前記1つまたは複数の失われた断片のみ、を備える、限定再送を送信するステップである、送信するステップと
を含む、方法」
[相違点1]
「トラフィック制御の方法」として、本願発明1は、「輻輳回避の方法」に係るのに対して、引用発明は、「送信資源の効率的な利用のための方法」に係る点。
[相違点2]
「ビットマップ」について、本願発明1では、「前記ビットマップにおいて、アクティブビットは受信確認されていないデータグラムを表し、非アクティブビットは受信確認されているデータグラムを表す」のに対して、引用発明では、「ビットマップ」の具体的構成が特定されていない点。
[相違点3]
本願発明1は、「1つまたは複数の失われた断片のみ」を再送信する際に、「前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップ」を送信し、「前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す」ことが特定されているのに対して、引用発明では、再送信する際に、所定の構成の「前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップ」を送信することが特定されていない点。
(2) 当審の判断
事案に鑑みて、上記[相違点3]について、先に検討する。
本願発明1の上記[相違点3]に係る、「1つまたは複数の失われた断片のみ」を再送信する際に、「前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップ」を送信し、「前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す」ことについては、上記引用文献1には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
よって、当業者といえども、引用文献1に記載された技術的事項から、本願発明1の上記[相違点3]に係る構成を容易に想到することはできない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 請求項2について
本願発明2も、本願発明1の上記[相違点3]に係る、「1つまたは複数の失われた断片のみ」を再送信する際に、「前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップ」を送信し、「前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す」ことと、実質的に同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用文献1に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第7 当審拒絶理由の理由1(明確性)について
令和4年7月1日付けの補正により、補正後の請求項1において、「前記ソースホストから前記宛先ホストへ、前記断片化されたデータグラムの識別された前記1つまたは複数の失われた断片のみと、前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップとを備える、限定再送を送信するステップであって、前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す、送信するステップ」と補正された。
また、請求項2についても、同様に補正された。
したがって、請求項1-2の「失われた断片のみを送信するステップ」の記載が不明確であることに基づく、当審拒絶理由の理由1は解消した。
第8 原査定についての判断
令和4年7月1日付けの補正により、補正後の請求項1-2は、本願発明1の上記[相違点3]に係る、「1つまたは複数の失われた断片のみ」を再送信する際に、「前記断片化データ損失エラーメッセージの前記ビットマップをミラーリングする再送信ビットマップ」を送信し、「前記再送信ビットマップのアクティブビットは前記限定再送の前記1つまたは複数の識別された失われた断片を表し、前記再送信ビットマップの非アクティブビットは前記受信確認されているデータグラムを表す」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献1には記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1-2は、当業者であっても、原査定における引用文献1に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-016434