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特許拒絶査定不服審判

2021-015686

照明装置、生体移動検出システム、生体移動検出方法、プログラム、および記録媒体

審判番号
2021-015686
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-038060
請求日
2021年11月16日
審決日
2023年03月28日
公報発行日
2023年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社ホタルクス
  • 【請求人代理人】辻丸 光一郎
  • 【請求人代理人】松縄 正登
審判長/審判官
  • 審判長 角田 慎治
  • 審判官 赤穂 美香
  • 審判官 丸山 高政
分類
P18 .121-WY (G08B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 38060「照明装置、生体移動検出システム、生体移動検出方法、プログラム、および記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月12日出願公開、特開2019-153094、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年3月2日の出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和3年 6月 1日付け 拒絶理由通知書 令和3年 8月 2日 意見書、手続補正書の提出 令和3年 8月23日付け 拒絶査定(原査定) 令和3年11月16日 審判請求書、手続補正書の提出 令和4年 7月28日付け 拒絶理由通知書 令和4年 9月13日 意見書、手続補正書の提出 令和5年 1月13日付け 拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書 令和5年 3月 1日 意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 本願請求項1~5に係る発明は、以下の引用文献A~Iに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特開2017-98180号公報 B.登録実用新案第3205042号公報 C.特開2015-56103号公報 D.特開2014-182409号公報(周知技術を示す文献) E.特開2006-86991号公報(周知技術を示す文献) F.特開2015-60530号公報(周知技術を示す文献) G.特開2014-217453号公報(周知技術を示す文献) H.特開2017-199550号公報(周知技術を示す文献) I.特開2011-34760号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由(最後の拒絶理由)の概要は次のとおりである。 本願請求項1~4に係る発明は、以下の引用文献1~6に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2017-98180号公報(拒絶査定時の引用文献A) 2.特開2018-28837号公報(当審において新たに引用した文献) 3.特開2017-111506号公報(当審において新たに引用した文献) 4.特開2004-182409号公報(拒絶査定時の引用文献D) 5.特開2006-86991号公報(拒絶査定時の引用文献E) 6.特開2015-60530号公報(拒絶査定時の引用文献F) 第4 令和5年3月1日付けの手続補正書による補正(以下、「本件補正」という)について 本件補正は、請求項1の「検出制御部」に「断続的な検出を行える」及び「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という発明特定事項を付加するものであるから、本件補正の目的は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮に該当する。 そして、本件補正の「断続的な検出を行える」及び「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という事項は、当初明細書の段落【0037】及び【0043】に記載されているから、本件補正は特許法17条の2第3項の規定を満たす。 また、本件補正が特許法17条の2第4項の規定を満たすことは明らかである。 さらに、「第5 本願発明」から「第9 むすび」までに示すとおりであるから、本件補正後の各請求項に係る発明は独立して特許を受けることができるものであり、本件補正は特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定を満たす。 以上によれば、本件補正は適法になされたものである。 第5 本願発明 本願請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、令和5年3月1日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1~4は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 照明装置本体を有し、 前記照明装置本体は、 LEDまたは有機ELからなる光源を有する照明部と、 人感センサまたはカメラからなり前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する検出部と、 前記検出部による検出の開始と停止とを制御し、かつ、任意の時間間隔で、前記検出部による検出を開始し、検出開始から任意の時間経過時に、前記検出部による検出を停止することにより断続的な検出を行える、検出制御部と、 前記検出部で検出された検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析する処理部と、 通信モジュールを有し、前記通信モジュールを介して外部端末と接続し、前記処理部で得られた分析データを、前記外部端末に送信する出力部と、を有し、 前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである、ことを特徴とする照明装置。 【請求項2】 さらに、無線通信部を有し、 前記無線通信部は、前記検出部で検出された前記検出データを、前記処理部に送信し、前記処理部は、前記検出データを受信し、前記分析を行う、請求項1記載の照明装置。 【請求項3】 前記処理部は、さらに、生体の有無および生体の移動の有無について、経時的な変化を分析し、 変化がない場合、前記照明装置が設置された住戸の居住者の安否確認が必要であるとの判断結果を、前記分析データとして、通信回線網を介して、前記外部端末に送信し、 変化がある場合、前記居住者の安否確認が不要であるとの判断結果を、前記分析データとして、前記通信回線網を介して、前記外部端末に送信する、請求項1または2に記載の照明装置。 【請求項4】 さらに、スピーカからなるアラート部を有し、 前記出力部は、前記外部端末に情報を送信し、前記外部端末からの情報を受信する、送受信部であり、 前記出力部が前記外部端末から送信されたアラート情報を受信すると、前記アラート部は、アラートを発信する、請求項1または2に記載の照明装置。」 第6 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定及び当審拒絶理由(最後の拒絶理由)に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。以下、同様。)。 「【0021】 図1は、本実施の形態において、被介護者が生活する居室8に設置された照明装置1を概念的に示す図である。図1を参照して、居室8には、被介護者のベッドの他、テレビ81などの電気機器が配置されている。居室8の天井に、居室8内の空間(特定空間)を照明可能な照明装置1が設置されている。照明装置1は、多機能照明装置であって、その基本となる照明機能の他に、被介護者の見守り機能および機器制御機能を有している。このような照明装置1の構成および動作について、以下に説明する。」 「【0023】 照明装置1は、居室8内を撮影するカメラ11と、音声を入力するマイク12と、居室8内の照度を検出する照度検出手段を構成する複数の照度センサ13a~13dと、居室8内における人の存在を感知する人感センサ14と、居室8を照らす照明手段を構成する複数の発光ユニット15a~15dと、居室8内の電気機器に対しリモコン信号を無線送信する赤外線発光部16aと、赤外線受光部16bと、制御装置17とを備える。 【0024】 カメラ11、マイク12、照度センサ13a~13d、人感センサ14、赤外線発光部16a、および赤外線受光部16bは、たとえば、天井に固定されたケーシング10の表面に取り付けられる。ケーシング10は、発光ユニット15a~15dを内蔵し、照明装置1の外郭を形成する。制御装置17は、ケーシング10の内部に設けられている。 【0025】 発光ユニット15a~15dは、互いに異なる方向を照射する。図3は、発光ユニット15a~15dの配置例を模式的に示す図である。本実施の形態では、4つの発光ユニット15a~15dによって360°照射可能となっている。つまり、発光ユニット15a~15dによって居室8内の空間全体を照明することができる。この場合、平面視において、居室8内の空間は、照明装置1を中心として、発光ユニット15a~15dの照射方向に対応する4つの領域8a~8dに分割される。各発光ユニットは、たとえば、輝度および発光色を変更可能な複 数のLEDチップで構成された発光体である。」 「【0027】 制御装置17は、制御部20と、画像認識部21と、音声認識部22と、記憶部23と、通信部24と、音声を出力するスピーカ25と、計時部26とを含む。制御部20は、たとえばマイコン(マイクロコンピュータ)により構成され、各種演算処理を行う。 【0028】 画像認識部21は、カメラ11から得られる画像の輝度情報に基づいて、被介護者を認識する。本実施の形態では、画像認識部21は、画像データの輝度勾配を検出し、その検出結果に基づいて被介護者の姿勢(立位、座位、臥位、など)を判定する。より具体的には、画像認識部21は、立位、座位、臥位それぞれの識別器を含む。各識別器において、取り込んだカメラ画像から、規定の大きさのウィンドウ毎に輝度勾配を示す特徴量を算出し、算出した特徴量を予め登録しておいた学習データと比較し、一致度を示すスコアを制御部20に出力する。これにより、制御部20は、時間軸に沿って、それぞれの識別器が出力するスコアを得ることができる。なお、このような姿勢判定は、HOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量とサポートベクトルマシンとを用いて行うことができる。」 「【0031】 制御部20は、制御装置17に含まれる各部21~26と、照度センサ13a~13dと、人感センサ14と、発光ユニット15a~15dと、赤外線発光部16aと、赤外線受光部16bと電気的に接続されている。図2に示されるように、制御部20は、その機能として、照明制御部31と、見守り制御部32と、リモコン制御部33とを有している。」 「【0033】 見守り制御部32は、画像認識部21による認識結果、すなわち被介護者の姿勢判定結果に基づいて、被介護者を見守り、被介護者が危険状態に陥った可能性、すなわち危険可能性の有無を判定する。また、危険可能性を検出した場合にその旨報知する処理を実行する。 【0034】 「危険状態」は、意識喪失状態、あるいは、苦しくて動けない状態を示す。意識喪失などは、転倒動作を伴うことが多い。そのため、本実施の形態では、見守り制御部32は、危険動作として、転倒を検出する。」 「【0037】 そこで、見守り制御部32は、転倒を検出した場合、最終姿勢である臥位の保持時間に基づいて、被介護者の危険可能性の有無を判定する。すなわち、本実施の形態では、画像認識部21が、カメラ画像から被介護者の姿勢をリアルタイムで認識し、見守り制御部32が、姿勢の遷移および保持時間をリアルタイムに解析することで、被介護者の危険可能性を判定する。 【0038】 見守り制御部32は、危険可能性ありと判定した場合に、通信部24を介して、居室8外の監視装置5(図1)に、危険可能性が検出されたことを示す情報(以下「危険情報」という)を送信する。本実施の形態では、通信部24が、危険可能性が検出されたことを報知する報知手段として機能する。監視装置5において危険情報が受信されることで、介護者は、被介護者に対し危険可能性が検出されたことを知ることができる。なお、危険情報は、少なくとも、危険動作の検出日時と、危険動作の種別(この場合「転倒」)とを含み、危険動作が起こった場所(居室8)の識別情報などをさらに含んでもよい。」 「【0063】 また、本実施の形態では、照明装置1に搭載された画像認識部21の機能を専用のハードウェアで実現している。そのため、被介護者の映像を監視装置5に送り続けるのではなく、危険可能性ありと判定した場合にのみ、監視装置5に通報することができる。したがって、被介護者のプライバシーを保護することができるとともに、画像処理を外部リソース(クラウドサーバなど)に頼らず実行できるため、運用コストを低減することができる。」 「【0070】 また、本実施の形態においては、危険動作として「転倒」を判定したが、他の危険動作として「うずくまり」を判定してもよい。うずくまりは、立位、座位、臥位とは異なる特定姿勢の識別器を用い、たとえば立位から特定姿勢への遷移があった場合に、うずくまりを判定することができる。うずくまりが所定時間以上継続していた場合には、苦しくて動けない危険状態を推定できる。さらに他の危険動作として、ベッドや階段からの「転落」などを判定可能としてもよい。」 したがって、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「居室8の天井に設置されている、居室8内の空間を照明可能な照明装置1であって(【0021】) 照明装置1は、居室8内を撮影するカメラ11と、音声を入力するマイク12と、居室8内の照度を検出する照度検出手段を構成する複数の照度センサ13a~13dと、居室8内における人の存在を感知する人感センサ14と、居室8を照らす照明手段を構成する複数の発光ユニット15a~15dと、制御装置17とを備え(【0023】)、 ケーシング10は、発光ユニット15a~15dを内蔵し、照明装置1の外郭を形成し(【0024】)、 各発光ユニットは、輝度および発光色を変更可能な複数のLEDチップで構成された発光体であり(【0025】)、 制御装置17は、制御部20と、画像認識部21と、音声認識部22と、記憶部23と、通信部24と、音声を出力するスピーカ25と、計時部26とを含み(【0027】)、 画像認識部21は、カメラ11から得られる画像の輝度情報に基づいて、被介護者を認識し、より具体的には、画像認識部21は、立位、座位、臥位それぞれの識別器を含み、各識別器において、カメラ画像から、輝度勾配を示す特徴量を算出し、算出した特徴量を予め登録しておいた学習データと比較し、一致度を示すスコアを制御部20に出力し、これにより、制御部20は、時間軸に沿って、それぞれの識別器が出力するスコアを得ることができ(【0028】)、 制御部20は、その機能として、照明制御部31と、見守り制御部32と、リモコン制御部33とを有しており(【0031】) 見守り制御部32は、画像認識部21による認識結果、すなわち被介護者の姿勢判定結果に基づいて、被介護者を見守り、被介護者が危険状態に陥った可能性、すなわち危険可能性の有無を判定し、 危険可能性を検出した場合にその旨報知する処理を実行し(【0033】)、 見守り制御部32は、危険動作として、転倒を検出し(【0034】)、 見守り制御部32が、姿勢の遷移および保持時間をリアルタイムに解析することで、被介護者の危険可能性を判定し(【0037】)、 見守り制御部32は、危険可能性ありと判定した場合に、通信部24を介して、居室8外の監視装置5に、危険可能性が検出されたことを示す情報(危険情報)を送信し(【0038】)、 被介護者の映像を監視装置5に送り続けるのではなく、危険可能性ありと判定した場合にのみ、監視装置5に通報することができ、 被介護者のプライバシーを保護することができるとともに、画像処理を外部リソースに頼らず実行できるため、運用コストを低減することができ(【0063】)、 他の危険動作として、ベッドや階段からの「転落」などを判定可能としてもよい(【0070】) 照明装置1。」 2.引用文献2~6について (1)引用文献2 当審拒絶理由(最後の拒絶理由)に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0015】 図1は静止状態監視装置の斜視図を,図2は静止状態監視装置の電気的構成を示すブロック図を,それぞれ示している。図3は静止状態監視装置を含む見守りシステムの全体構成を示すブロック図である。 【0016】 静止状態監視装置1は赤外線センサ2およびカメラ3を備え,後述するように,赤外線センサ2によって人の動きが所定時間にわたって検知されなかったときに上記カメラ3を駆動して撮影を実行するように動作する。静止状態監視装置1は外部接続端子4を備え,外部接続端子4に接続される電源ケーブル(図示略)から動作に必要な電力が供給される。 【0017】 静止状態監視装置1は直方体状の筐体を備え,筐体の前面(正面)に,上述した赤外線センサ2およびカメラ3が取り付けられている。筐体内には静止状態監視装置1の全体的な動作を制御するCPU10が実装された回路基板(図示略)が格納されている。CPU10には,上述した赤外線センサ2およびカメラ3に加えて,ネットワークを通じてデータを送受信する通信装置11,オペレーティングシステム・プログラム,静止状態監視装置1に固有の端末識別番号,後述する検出時間データ,監視時間帯データおよび動作制御プログラムを記憶するメモリ12,ならびに秒,分,時,曜日,日,月および年を計時するクロック13が接続されている。」 「【0025】 図5に示す稼働状況確認画面50が用いられて監視時間帯および検出時間が設定される。監視時間帯は静止状態監視装置1の稼働時間帯であり,検出時間は静止状態監視装置1によって人の動きが検知されなかったと判断される時間(時間幅)である。監視時間帯および検出時間を表すデータは,静止状態監視装置1に固有の端末識別番号およびログインIDに関連づけられてサーバ・コンピュータ20が備える記憶装置21(ユーザ情報テーブル)に記憶されるとともに,サーバ・コンピュータ20から静止状態監視装置1に送信され,静止状態監視装置1が備えるメモリ12に記憶される。静止状態監視装置1が稼働する稼働時間帯に代えて,静止状態監視装置1を稼働させない時間帯(未監視時間帯)を設定するようにしてもよい。」 「【0029】 はじめに静止状態監視装置1が備えるクロック13で計時されている現在時刻が,メモリ12に記憶されている監視時間帯内の時刻であるかどうかが確認される(ステップ61)。現在時刻が監視時間帯外であれば静止状態監視装置1は稼働せずスタンバイ状態となる(ステップ61でNO)。 【0030】 現在時刻が監視時間帯内であると(ステップ61でYES ),メモリ12に設けられるカウンタiが初期化(リセット)され(ステップ62),一定時間(たとえば1秒)間隔の赤外線センサ2の検出信号の出力確認が開始される(ステップ63)。」 「【0037】 たとえば検出時間が180分に設定され,監視時間帯が6:00~23:00に設定されている静止状態監視装置1が居間に設置されているとする。毎日朝6時に起床して居間に現れる高齢者が朝9時を過ぎても居間に現れないと,居間の様子がカメラ3によって撮影され,画像データが電子メールによって携帯端末装置30に送信される。また,日中居間で過ごすことが多い高齢者が居間で体調を崩して動けなくなったとすると,動かなくなってから180分経過後に居間の様子が撮影され,画像データが電子メールによって携帯端末装置30に送信される。このように,独居している高齢者を遠隔的かつ簡便に見守ることができる。また,常時監視するまたは人の動きを検知したときに撮影をするものではないので,高齢者のプライバシーを確保することができ,高齢者の負担も少ない。」 上記記載から、引用文献2には次の技術的事項が記載されているものと認められる。 「見守りシステムにおいて(【0015】)、 静止状態監視装置1は赤外線センサ2およびカメラ3を備え、 赤外線センサ2によって人の動きが所定時間にわたって検知されなかったときに上記カメラ3を駆動して撮影を実行するように動作し(【0016】)、 静止状態監視装置1は直方体状の筐体を備え、 筐体内には静止状態監視装置1の全体的な動作を制御するCPU10が実装された回路基板が格納されており(【0017】)、 監視時間帯は静止状態監視装置1の稼働時間帯であり(【0025】)、 現在時刻が監視時間帯外であれば静止状態監視装置1は稼働せずスタンバイ状態となり(【0029】)、 現在時刻が監視時間帯内であると、一定時間間隔の赤外線センサ2の検出信号の出力確認が開始され(【0030】)、 常時監視するまたは人の動きを検知したときに撮影をするものではないので、高齢者のプライバシーを確保することができ、高齢者の負担も少ないこと(【0037】)。」 (2)引用文献3 当審拒絶理由(最後の拒絶理由)に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0022】 本実施形態に係る見守りシステム100では、インターネットINにそれぞれ接続されたカメラCM及びサーバーSV、並びに、見守り人A,B,C,・・・が所有するインターネットINに接続された通信端末11,12,13、・・・、を用いて見守り対象者TGの見守りを行う。通信端末11,12,13、・・・は、携帯型の通信端末(携帯電話、スマートホン、タブレット等とすることが望ましい。なお、本実施形態において、「見守り人」は、見守り対象者TGの保護者や親族、見守り対象者TGの捜索に協力してくれるボランティアや警察、近所の人等の見守り対象者の捜索を行う人を意味する語として用いる。」 「【0030】 運用開始すると、見守りシステム100の利用者がカメラCMをオンして、見守りを開始する。カメラCMは、常時オンされていてもよいし、利用者が不在になる際、利用者が寝る際、等の、利用者が見守り対象者TGを見守ることが難しくなる離れる特定のタイミングで、利用者がスイッチをオンして利用する構成としてもよい。むろん、特定の時間帯に自動的にオンする構成としてもよい。また、見守り人A,B,C,・・・(特に、見守り対象者TGの保護者)が同行して外出する場合は、スイッチをオフにする。」 上記記載から、引用文献3には次の技術的事項が記載されているものと認められる。 「見守りシステム100において、 インターネットINにそれぞれ接続されたカメラCM及びサーバーSV、並び に、見守り人が所有するインターネットINに接続された通信端末を用いて見守り対象者TGの見守りを行い、 カメラCMは、常時オンされていてもよいし、 特定の時間帯に自動的にオンする構成としてもよいこと。」 (3)引用文献4~6 原査定及び当審拒絶理由(最後の拒絶理由)に引用された引用文献4(【0020】)及び引用文献5(【0020】)には、センシングした情報をブルートゥース等の各種無線規格により無線伝送することが記載されている。 また、原査定及び当審拒絶理由(最後の拒絶理由)に引用された引用文献6(【0051】~【0054】)には、監視システムまたは見守りシステムにおいて、異常がない時は正常である旨通知し、異常がある時は異常である旨通知したり、通常の行動が検知できずセンサーデータに変化がない場合に異常と判定したり、監視者または見守り者から呼びかけ音声を発信したりすることが記載されている。 第7 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 「照明装置本体を有し、」について 引用発明においては、「ケーシング10は、発光ユニット15a~15dを内蔵」する(【0024】)ことから、「内蔵」の「発光ユニット15a~15d」を含む「ケーシング10」は、本願発明1の「照明装置本体」に相当する。 イ 「LEDまたは有機ELからなる光源を有する照明部と、」について 引用発明においては、「各発光ユニットは、輝度および発光色を変更可能な複数のLEDチップで構成された発光体」である(【0025】)ことから、引用発明の「発光ユニット」は、本願発明1の「LEDまたは有機ELからなる光源」に相当する。 そして、引用発明の「居室8を照らす照明手段」は、「複数の発光ユニット15a~15d」から構成される(【0023】)ことから、本願発明1の「LEDまたは有機ELからなる光源を有する照明部」に相当する。 ウ 「人感センサまたはカメラからなり前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する検出部と、」について 引用発明の「人感センサ14」及び「カメラ11」は、それぞれ本願発明1の「人感センサ」及び「カメラ」に相当する。 また、引用発明の「居室8内の空間」は、「ケーシング10」が設置された空間であるから、上記アを踏まえると、本願発明1の「前記照明装置本体が設置された空間」に相当する。 そして、引用発明においては、「居室8内における人の存在を感知する人感センサ14」及び「居室8内を撮影するカメラ11」を備え、さらに、「画像認識部21は、カメラ11から得られる画像の輝度情報に基づいて、被介護者を認識」するものであり、引用発明の「居室8内における人の存在を感知する」こと、及び居室8内の「被介護者を認識」するために「居室8内を撮影する」ことは、いずれも本願発明1の「前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する」ことに相当する。 よって、引用発明の「人感センサ14」及び「カメラ11」からなる装置は、本願発明1の「人感センサまたはカメラからなり前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する検出部」に相当する。 エ 「前記検出部による検出の開始と停止とを制御し、かつ、任意の時間間隔で、前記検出部による検出を開始し、検出開始から任意の時間経過時に、前記検出部による検出を停止することにより断続的な検出を行える、検出制御部と、」について 引用発明においては、「前記検出部による検出の開始と停止とを制御し、かつ、任意の時間間隔で、前記検出部による検出を開始し、検出開始から任意の時間経過時に、前記検出部による検出を停止するにより断続的な検出を行える、検出制御部」は特定されていない。 オ 「前記検出部で検出された検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析する処理部と、」について (ア)引用発明の「カメラ11から得られる画像の輝度情報」及び「画像データの輝度勾配」は、上記ウを踏まえると、本願発明1の「前記検出部で検出された検出データ」に相当する。 また、引用発明の「被介護者」は、明らかに本願発明1の「生体」に相当する。 よって、引用発明の「画像認識部21」は、「カメラ11から得られる画像の輝度情報に基づいて、被介護者を認識」することから、本願発明1の「前記検出部で検出された検出データに基づいて、前記空間における生体の有無」「を分析する処理部」に相当する。 (イ)引用発明においては、「画像認識部21は、画像データの輝度勾配を検出し、その検出結に基づいて被介護者の姿勢(立位、座位、臥位、など)を判定し、」その判定結果によって「制御部20は、時間軸に沿って、それぞれの識別器が出力するスコアを得ることができ」(【0028】)るから、引用発明の「画像認識部21」及び「制御部20」は、時間の経過に伴う被介護者の姿勢の変化を分析することができる。加えて、引用発明は、「見守り制御部32が、姿勢の遷移および保持時間をリアルタイムに解析することで、被介護者の危険可能性を判定」(【0037】)するから、引用発明の「見守り制御部32」は、被介護者の姿勢の変化を解析する。 加えて、引用発明は、「見守り制御部32は、画像認識部21による認識結果、すなわち被介護者の姿勢判定結果に基づいて、被介護者を見守り、被介護者が危険状態に陥った可能性、すなわち危険可能性の有無を判定」(【0033】)するものであり、「見守り制御部32は、危険動作として、転倒を検出し」(【0034】)、また、「他の危険動作として、ベッドや階段からの「転落」などを判定可能としてもよい」(【0070】)ことから、引用発明の「画像認識部21」と「見守り制御部32」は、被介護者の転倒又は転落という、被介護者の移動を伴う動作を認識する。 よって、引用発明の「制御部20」、「画像認識部21」及び「見守り制御部32」は、生体である被介護者の移動の有無を分析するものといえるから、本願発明1の「前記検出部で検出された検出データに基づいて、」「生体の移動の有無を分析する処理部」に相当する。 (ウ)前記(ア)及び(イ)によれば、引用発明の「制御部20」、「画像認識部21」及び「見守り制御部32」は、本願発明1の「前記検出部で検出された検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析する処理部」に相当する。 カ 「通信モジュールを有し、前記通信モジュールを介して外部端末と接続し、前記処理部で得られた分析データを、前記外部端末に送信する出力部と、」について 引用発明においては、「見守り制御部32は、危険可能性ありと判定した場合に、通信部24を介して、居室8外の監視装置5に、危険可能性が検出されたことを示す情報(危険情報)を送信する」(【0038】)ことから、引用発明の「危険可能性が検出されたことを示す情報」は、上記オを踏まえると、本願発明1の「前記処理部で得られた分析データ」に相当する。 また、引用発明の「通信部24」は、「通信部24を介して、居室8外の監視装置5に、危険可能性が検出されたことを示す情報(危険情報)を送信する」(【0038】)ことから、居室外の監視装置5と接続するための通信手段(本願発明1の「通信モジュール」に相当)を有するものと認められる。 そして、引用発明の「居室外の監視装置5」は、本願発明1の「外部端末」に相当する。 よって、引用発明の上記「通信手段」を有する「通信部24」は、本願発明1の「通信モジュールを有し、前記通信モジュールを介して外部端末と接続し、前記処理部で得られた分析データを、前記外部端末に送信する出力部」に相当する。 キ 「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである、」について 引用発明においては、「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」点は特定されていない。 ク 「照明装置」について 引用発明の「照明装置1」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「照明装置」に相当する。 以上のことから、本願発明1と引用発明とは、 「照明装置本体を有し、 前記照明装置本体は、 LEDまたは有機ELからなる光源を有する照明部と、 人感センサまたはカメラからなり前記照明装置本体が設置された空間における生体情報を検出する検出部と、 前記検出部で検出された検出データに基づいて、前記空間における生体の有無および生体の移動の有無を分析する処理部と、 通信モジュールを有し、前記通信モジュールを介して外部端末と接続し、前記処理部で得られた分析データを、前記外部端末に送信する出力部と、を有する、 ことを特徴とする照明装置。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本願発明1は、前記検出部による検出の開始と停止とを制御し、かつ、任意の時間間隔で、前記検出部による検出を開始し、検出開始から任意の時間経過時に、前記検出部による検出を停止することにより断続的な検出を行える、検出制御部」を有するのに対して、引用発明では、そのような構成は特定されていない点。 (相違点2) 本願発明1は、「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである、」のに対して、引用発明では、そのような構成は特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、相違点2に係る本願発明1の「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という構成は、上記引用文献1~6には記載されていない。 また、引用発明は、被介護者の映像を監視装置5に送り続けるのではなく、危険可能性ありと判定した場合にのみ、監視装置5に通報することができ、被介護者のプライバシーを保護することができるとともに、画像処理を外部リソースに頼らず実行できるため、運用コストを低減することができ(【0063】)るものであるから、引用発明において、「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という構成を採用することには阻害要因があるといえる。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2~6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2~4について 本願発明2~4も、本願発明1の「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2~6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第8 原査定についての判断 令和5年3月1日付けの補正により、補正後の請求項1~4は、「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という技術的事項を有するものとなった。当該「前記断続的な検出は、前記検出部により生体情報を検出する工程、前記処理部により生体の有無および生体の移動の有無を分析する工程、および、前記出力部により前記分析データを前記外部端末に送信する工程、の少なくとも3つの工程を、前記任意の時間間隔で断続的に繰り返し行うものである」という構成は、原査定における引用文献A(引用文献1)、B、C、D~F(引用文献4~6)及びG~Iには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1~4は、当業者であっても、原査定における引用文献A~Iに基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-015686

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