2021-013771
推定装置、推定方法、及び推定プログラム
- 審判番号
- 2021-013771
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-123419外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年10月08日
- 審決日
- 2023年04月13日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .4 -WZ (G01S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第39条、特許法第44条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成27年11月2日に出願された特願2015-216134の一部を、特許法44条1項の規定に基づいて、令和2年7月20日に新たな特許出願としたものであって、その出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。なお、以下、当審において通知した令和4年10月3日付け拒絶理由通知書を「当審拒絶理由通知書」という。
同年 3月18日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月 6日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年 6月14日 :意見書、手続補正書の提出
同年 7月 8日付け:補正の却下の決定
(同月20日 :原査定の謄本の送達)
同年10月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
同年10月 3日付け:拒絶理由通知書
第2 本願発明
本願の請求項1~14に係る発明は、令和4年11月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1から請求項3までの記載は、次のとおりである。以下、請求項1及び請求項2に係る発明を「本件発明1」及び「本件発明2」といい、請求項3に係る発明のうち、請求項2を引用するものを「本件発明3」という。
「【請求項1】第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、続きを表示(全15行)前記取得部は、前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得することを特徴とする推定装置。【請求項2】前記推定部は、前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定することを特徴とする請求項1に記載の推定装置。【請求項3】前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の推定装置。」
第3 当審拒絶理由通知書で通知した拒絶の理由うちの理由2の概要
当審拒絶理由通知書において、理由2として通知した、請求項1から請求項14についての拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
(同日出願)
本願の請求項1~14に係る発明は、同日出願された特願2015-216134号(特許第6738600号公報)の請求項1~19に係る発明と実質同一と認められ、かつ、この出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから、特許法39条2項の規定により特許を受けることができない。
第4 当審の判断
1 特許第6738600号公報の請求項1及び請求項2に係る発明
本願の出願日と同じ日である平成27年11月2日を出願日とする特許第6738600号の請求項1及び請求項2の記載は、次のとおりである。以下、特許第6738600号公報の請求項1及び請求項2に係る発明を、それぞれ「同日発明1」及び「同日発明2」という。
「【請求項1】第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定し、前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、続きを表示(全14行)前記取得部は、前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得することを特徴とする推定装置。【請求項2】第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定し、前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定することを特徴とする推定装置。」
2 本件発明2と同日発明1の対比
(1) 対比分析
以下、本件発明2と同日発明1を対比する。
ア 本件発明2及び同日発明1は、いずれも「推定装置」の発明である点において一致する。
イ 本件発明2及び同日発明1は、「第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部」を備える点において一致する。
ウ 本件発明2は、「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部」を備えているところ、「推定部」が「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ための根拠の一つである「第2タイミング」は、「前記第2情報」による「推定」に基づいて特定されるから、「推定部」が行う「推定」は、少なくとも「前記第2情報」に基づいているといえる。このことを踏まえると、同日発明1は「前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部」を備えているから、本件発明2と同日発明1は、「前記第2情報に基づいて所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部」を備えている点において一致する。
エ 本件発明2及び同日発明1は、「前記取得部は、」「 前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得する」点で一致する。
オ 本件発明2は、「前記推定部は、」「前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定する」ところ、同日発明1は、「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」「推定部」を備えている。したがって、本件発明2と同日発明1は、「前記推定部は、」「前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定する」点において一致する。
カ 前記アからオまでの検討結果をまとめると、本件発明2と同日発明1は、次の(ア)に示す点において一致し、後記の(イ)に示す点において一応の相違があるものと認められる。
(ア) 本件発明2と同日発明1の一致点
「第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第2情報に基づいて所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、前記取得部は、前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得し、前記推定部は、前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定する、推定装置」である点。
(イ) 本件発明2と同日発明1の一応の相違点
前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定し、前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部について、
本件発明2においては、
「 前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」との限定があるのに対して、
同日発明1においてはそのような限定がない点。
(2) 本件発明2と同日発明1の一応の相違点についての検討
以下、本件発明2と同日発明1の一応の相違点(以下「一応の相違点A」という。)について、検討する。
ア 同日発明1は、次の技術事項により特定されている。
「 第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定し、前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、前記取得部は、前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得することを特徴とする推定装置。」
イ 同日発明1の「推定部」は「前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ものであるところ、「前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたイミングを推定」できるためには、前記第2情報に「所定の事象に関する変化」があることが必要であり、この変化を検知することによりタイミングを推定することとなるから、同日発明1も「所定の事象が生じたタイミング」は、「所定の事象に関する変化が検知された」「タイミング」に基づいて推定されることは明らかである。
そうすると、当該「推定部」が「前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ということは、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された(第2)タイミングに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ことを意味するのは、明らかである。
したがって、一応の相違点Aのうち、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミング」「に基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」点は、表現上の差にすぎず、実質的な相違点ではない。
ウ 同日発明1においては、「前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得する」ものであって、「推定部」は「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」ものであるところ、前記イにおける検討と同様に、「第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定すること」は、「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知されたことに基づいて推定することに他ならない。そして、この「所定の事象の発生」は、「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ことの前提となるのである。したがって、同日発明1においても、「推定部」は、「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミング」にも基づいて「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ということができる。
エ(ア)a ここで、本件発明2においては、「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ことに用いるところの、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された」タイミングである「第2タイミング」について、「前記第1タイミングよりも前のタイミングである(第2タイミング)」という更なる限定がある。
b 他方、そのような限定のない同日発明1は、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも後のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ものも含まれるように見えるかもしれない。
(イ) しかし、同日発明1の取得部は「第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する」のであり、通常は、何ら特段の工夫をしなくとも、「所定の事象に関する変化」は「第2情報」の取得により検知されると考えられる。そうすると、同日発明1においても、通常は、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミング」が、「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミング」「よりも前のタイミングである」ことは、明らかである。
(ウ) したがって、「第2のタイミング」について、「前記第1タイミングよりも前のタイミングである」と限定した点は、実質的な相違点ではない。
オ(ア) もっとも、「前記所定の事象」の発生タイミングや第2情報の取得エラーなどにより、たまたま「前記第1タイミングよりも前のタイミング」で「第2のタイミング」が検出できない場合もあるかも知れない。
(イ) しかしながら、「前記第1情報」は「前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い」もの、すなわち「前記第1情報」による「前記所定の事象」の発生の検知は「前記第2情報」による検知よりも確実なものとみなされているのであるから、前記(ア)のような場合に「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミング」を「前記所定の事象が生じたタイミング」の推定に用いないことは、かえって非常識となる。
(ウ) すなわち、たまたま「前記第1タイミングよりも前のタイミング」で「第2のタイミング」が検出できない例外的な場合には、検知精度が高い第1情報の方を信用して用いるようにするのが当然であって、このような例外的な場合にまで「第2のタイミング」における検知を優先するのは、常識的なことではない。
(エ) なお、本件発明2において、「第2のタイミング」について、「前記第1タイミングよりも前のタイミングである」と限定はあるものの、本件発明2においても、その限定により、第1情報と第2情報のいずれが優先されるかを固定して定めるものではない。
(オ) そうすると、本件発明2においては、「第2のタイミング」について、「前記第1タイミングよりも前のタイミングである」と限定はあるものの、本件発明2においても、その限定により、第1情報と第2情報のいずれが優先されるかを固定して定めるのではなく、また、同日発明1においても、通常は、第2情報を優先させ、「第2のタイミング」が「前記第1タイミングよりも前のタイミング」で検出できない例外的な場合には第1情報を優先させるのが常識的であるから、かかる限定は、所定の事象に関する変化が起きた実際のタイミングにより近いと考えられる方を信用して用いるという、当業者の極めて常識的かつ当然の配慮事項を記述しているにすぎず、実質的な相違点とはいえない。
カ 以上検討のとおりであるから、一応の相違点Aの「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」点は、この点の明示の特定がされていなくても、実質的な相違点とはいえないものである。
キ 請求人は、令和4年11月28に提出した意見書において、前記一応の相違点Aにおいて本件発明2は同日発明1と相違する旨主張しているが、以上検討のとおり、当該一応の相違点Aは、実質的な相違点とはいえない。
ク したがって、本件発明2と同日発明1の間には実質的な相違点は認められないから、両者は実質同一の発明である。
(3) 2の小括
以上の検討のとおり、出願日を同一とする本件発明2と同日発明1は、実質的に同一である。そして、同日発明1は特許されているから、協議を行うことができない。したがって、本件発明2は、特許法39条2項の規定により特許を受けることができない。
3 本件発明3と同日発明2の対比
(1) 対比分析
以下、本件発明3と同日発明2を対比する。
ア 本件発明3及び同日発明2は、いずれも「推定装置」の発明である点において一致する。
イ 本件発明3及び同日発明2は、「第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部」を備える点において一致する。
ウ(ア) 同日発明2における「前記第1情報により前記所定の事象が検知されたタイミング」は、本件発明3における「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミング」の表現を変更したものであるから、両者は実質的に同一のものである。また、同日発明2における「前記第2情報により前記所定の事象が検知されたタイミング」と本件発明3における「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミング」も、同様に実質的に同一のものである。
(イ)a 本件発明3は、「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部」を備え、かつ、「前記推定部は、」「前記第1情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定する」ものである。
b 他方、同日発明2においては、「前記推定部は、」「前記第1情報により前記所定の事象が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定する」ものである。
c 前記(ア)の点も踏まえると、本件発明3と同日発明2は、次の点において一致する。
「前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部を備え、前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定する」点。
(ウ) 同日発明2においては、「前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い前記第1情報を取得する」ものであって、「推定部」は「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」ものであるところ、これは、「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ことの前提となるのであるから、同日発明2も、「推定部」は、「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミング」にも基づいて「前記所定の事象が生じたタイミングを推定する」ということができる。
(エ) 前記(ア)から(ウ)までの検討結果をまとめると、本件発明3と同日発明2は、次の点において一致する。
「前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部を備え、前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定する」点。
エ 本件発明3は、「前記推定部は、」「前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定する」ところ、同日発明2は、「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」「推定部」を備えている。したがって、本件発明3と同日発明2は、「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定する推定部」を備えている点において一致する。
オ 前記アからエまでの検討結果をまとめると、本件発明3と同日発明2は、次の(ア)に示す点において一致し、後記の(イ)に示す点において一応の相違があるものと認められる。
(ア) 本件発明3と同日発明2の一致点
「 第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報により推定した所定の事象に関する変化が検知された第1タイミングと、前記第2情報により推定した前記所定の事象に関する変化が検知された第2タイミングであって、前記第1タイミングよりも前のタイミングである第2タイミングとに基づいて、前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、前記推定部は、前記第1情報に基づいて前記所定の事象の発生を推定し、前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象に関する変化が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定する推定装置」である点。
(イ) 本件発明3と同日発明2一応の相違点
取得部が取得する前記第1情報及び前記第2情報について、
本件発明3においては、「前記第1情報」は、「前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い」ことの限定があるのに対して、
同日発明2にはこの限定がない点。
(2) 一応の相違点Bについての検討
以下、本件発明3と同日発明2の一応の相違点(以下「一応の相違点B」という。)について、検討する。
ア 同日発明2は、次の技術事項により特定されている。
「第1情報と、前記第1情報よりも高い頻度で検知される第2情報とを取得する取得部と、前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定し、前記第2情報に基づいて前記所定の事象が生じたタイミングを推定する推定部と、を備え、前記推定部は、前記第1情報により前記所定の事象が検知されたタイミング以前において、前記第2情報により前記所定の事象が検知されたタイミングを前記所定の事象が生じたタイミングとして推定することを特徴とする推定装置。」
イ 同日発明2は、「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」ものであって、前記第2情報に基づいて所定の事象の発生を推定するものではない。ここで、前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも前記第1情報が低いとしたならば、(「前記第2情報」を用いることをせずに)「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」ことは、非常識なことをすることになるから、同日発明2は、「前記第1情報に基づいて所定の事象の発生を推定[する]」以上、同日発明2においても、「前記第1情報」は「前記所定の事象に対する検知精度が前記第2情報よりも高い」ことは、明らかであって、当然のことにすぎない。
したがって、前記一応の相違点Bは、明示の特定がなくても特定されているに等しい事項であって、実質的な相違点とはいえない。
(3) 2の小括
以上の検討のとおり、出願日を同一とする本件発明3と同日発明2は、実質的に同一である。そして、同日発明2は特許されているから、協議を行うことができない。したがって、本件発明3は、特許法39条2項の規定により特許を受けることができない。
第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項2に係る発明及び請求項3に係る発明は、特許法39条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-013771