2021-013715
情報端末、プログラム及び情報提供システム
- 審判番号
- 2021-013715
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-150827外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年10月08日
- 審決日
- 2022年11月25日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B61L) / P18 .575-WZ (B61L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は,令和2年9月8日の出願であって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
第2 令和4年8月16日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年8月16日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおり補正された(下線部は,補正箇所である。)。
「出発駅及び到着駅を示す旅程情報の入力を受け付ける入力受付部と,位置と混雑度とが関連付けられた混雑情報を受信する混雑情報受信部と,前記出発駅から前記到着駅までの経路と鉄道の利用時刻とに関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第1画面と,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に表示部に表示させる表示制御部と,を備え,前記入力受付部は,前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け,前記表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示し,前記第1画面において示される前記混雑度と前記第2画面において示される前記混雑度とは,複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される共通の前記混雑情報を用いて表示される,情報端末。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の,令和3年5月26日の手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「出発駅及び到着駅を示す旅程情報の入力を受け付ける入力受付部と,位置と混雑度とが関連付けられた混雑情報を受信する混雑情報受信部と,前記出発駅から前記到着駅までの経路に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第1画面と,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に表示部に表示させる表示制御部と,を備え,前記第1画面において示される前記混雑度と前記第2画面において示される前記混雑度とは,複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される共通の前記混雑情報を用いて表示される,情報端末。」
(3)補正の目的
上記補正は,補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1画面」に示す「混雑情報に基づく混雑度」について,「鉄道の利用時刻」と関連付けて示すとの限定を付加し,「入力受付部」について,「前記入力受付部は,前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」るとの限定を付加し,「表示制御部」について「前記表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示」するとの限定を付加するものであって,補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2 補正の適否
本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献
ア 引用文献1
引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は,当審が付加した。以下同様。)。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は,情報処理システム,情報処理プログラム,情報処理装置,および情報処理方法に関する。【背景技術】続きを表示(全17行)【0002】従来,パソコンやスマートフォン等の電子機器のユーザが設定した探索条件に基づいて経路探索を行い,その結果を電子機器に表示する経路探索システムが広く利用されている。この経路探索システムには,交通機関の混雑状況を考慮して経路探索を行うものがある。【0003】従来の経路探索システムの一つとして,交通機関の混雑状況に応じて乗換時間を含んだ交通経路を探索する交通経路案内システムが知られている(特許文献1)。【先行技術文献】【特許文献】【0004】【特許文献1】 特開2007-183880号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】しかしながら,従来の経路探索システムは,混雑する駅を利用する経路を提供することがあり,ユーザに対して適切な経路を提供できない場合があった。本発明は,混雑する駅の利用を回避する代替経路をユーザに提供することができる情報処理システム,情報処理プログラム,情報処理装置,および情報処理方法を提供する。」
(イ)図1
[図:0001393636000001.jpg]
(ウ)「【0010】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1について説明する。本実施形態に係る情報処理システム1は,モバイル端末(スマートフォン,携帯電話,タブレット端末等)やパソコン等の電子機器の使用者(以下,単に「ユーザ」ともいう)に対して経路を提供するシステムである。【0011】続きを表示(全91行)情報処理システム1は,図1に示すように,端末装置2と,サーバ3とを備えている。端末装置2とサーバ3とは,インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。ネットワークとは,有線回線および無線回線のいずれでもよく,回線の種類や形態は問わない。なお,端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は,コンピュータにより実現される。【0012】端末装置2は,経路を探索するためにユーザが使用するものであり,例えば,スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である。なお,端末装置2は,デスクトップ型のパソコンであってもよい。【0013】端末装置2は,図1に示すように,通信部21と,制御部22と,入力部23と,出力部24とを有する。まず,端末装置2の構成要素のうち,制御部22以外の構成要素,即ち,通信部21,入力部23および出力部24について説明する。【0014】通信部21は,ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。【0015】入力部23は,ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり,例えばモバイル端末におけるタッチパネルやマイクロフォン,デスクトップ型のパソコンにおけるキーボード,タッチパッドもしくはダイヤルボタンであってもよい。【0016】出力部24は,端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり,例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段である。具体的には,出力部24は,ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や,後述する移動経路情報などを表示する。あるいは,出力部24は移動経路情報などを音声で出力するスピーカであってもよい。【0017】なお,出力部24は,ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば,出力部24は,端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に,映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし,外部に接続される印刷装置にデータを出力するものであってもよいし,端末装置2内もしくは外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。【0018】次に,端末装置2の制御部22について説明する。制御部22は,図1に示すように,探索条件取得部221と,情報提示部222とを有する。これら各部は,端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。【0019】探索条件取得部221は,経路探索用の探索条件を取得する。探索条件は,出発地および目的地のうち少なくともいずれか一方を含む。出発地や目的地は,鉄道駅に限られず,例えば,バスの停留所,水上バスの乗降船場,空港,港,自宅,会社,あるいは,GPSやWifi測位等の測位手段によって検出された現在位置などであってもよい。【0020】探索条件は,出発地や目的地の他,経由地(鉄道の場合は乗換駅や通過駅等),使用路線,出発時刻,到着時刻等を含んでもよい。【0021】探索条件取得部221は,入力部23を介して探索条件を取得する他,入力部23を介さずに探索条件の少なくとも一部を取得してもよい。例えば,出発地として,端末装置2が有する測位手段(図示せず)から現在位置を取得してもよいし,出発時刻として,端末装置2が有する計時手段(図示せず)もしくは外部のサーバから現在時刻を取得してもよいし,目的地や到着時刻等の情報をスケジューラアプリから取得してもよい。【0022】情報提示部222は,移動経路等に関する各種情報を,出力部24を介してユーザに提示する。【0023】なお,出力部24が映像表示手段である場合,情報提示部222は,提示すべき情報を映像信号に変換して出力部24に出力し,出力部24が音声出力手段である場合には,情報提示部222は,提示すべき情報を音声信号に変換して出力部24に出力する。【0024】次に,サーバ3について説明する。図1に示すように,サーバ3は,通信部31と,制御部32と,記憶部33とを有する。制御部32について説明する前に,通信部31および記憶部33について説明する。【0025】通信部31は,ネットワークを介して端末装置2と,サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。【0026】記憶部33は,例えばハードディスク等の固定型データストレージであり,後述の各種データベースを格納する。なお,記憶部33は,必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく,ネットワークを介してサーバ3と通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。【0027】記憶部33は,経路ネットワークデータベース331と,混雑情報データベース332とを有する。【0028】経路ネットワークデータベース331は,経路探索用のデータベースであり,経路ネットワーク情報として,例えば地図情報,および交通ネットワーク情報を含む。地図情報は,全国または各地方の道路地図などの地図データを含み,地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(施設情報,注記情報,記号情報等)を含んでよい。交通ネットワーク情報は,鉄道やバスや船舶(例えば水上バスやフェリー)等の交通網や道路網を規定する情報である。交通網の種類としては,交通機関の路線情報,時刻表情報,料金情報等を含む。道路網の情報は,例えば交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと,結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。【0029】混雑情報データベース332は,駅の混雑状況を示す混雑情報のデータベースである。ここで,駅とは,移動手段(交通機関)が乗客を乗り降りさせるために停留する場所を意味し,例えば,移動手段が鉄道の場合には鉄道駅,移動手段がバスの場合には停留所,移動手段が船舶の場合には港(乗降船場),移動手段が飛行機の場合には空港,移動手段がタクシーの場合はタクシー乗り場である。【0030】混雑情報は,駅の混雑状況を示すものであり,後述する混雑情報取得部322が選択的に取得し得るものであれば,その具体的な態様は特に限定されない。例えば混雑情報は,駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報および駅の将来の混雑状況を示す予測情報の少なくとも一方であってもよい。例えば,リアルタイム情報および予測情報の両方を用いることで,ユーザが駅に到着した時点での混雑状況をより正確に判断することができる。【0031】具体的には,リアルタイム情報は,例えば鉄道駅における駅や電車の混み具合のレベルをユーザからの投稿を元に示す電車混雑リポート情報であってもよい。また,駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数,駅の公式発表データ等であってもよい。また,予測情報は,上記各リアルタイム情報,駅の周囲のイベント情報,駅を検索した地点検索ログ,駅を出発地とした経路検索ログ等から推定する任意時点での駅の混雑状況に関する情報であってもよい。【0032】なお,イベント情報は,イベントの開催場所(地図上の座標),開催時間(例えば,開始時刻,終了時刻),規模(例えば,参加人数や会場面積),混雑するイベントか否かを示すフラグなどを含む情報であってもよい。【0033】混雑情報には,駅の混雑状況だけでなく,駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよい。【0034】混雑情報の少なくとも一部(例えば,駅の公式発表データ等)は,混雑情報データベース332ではなく,外部サーバのデータベースが管理するものであってもよい。【0035】次に,サーバ3の制御部32について説明する。制御部32は,図1に示すように,利用駅候補抽出部321と,混雑情報取得部322と,代替経路取得部323とを有する。これら各部は,サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよい。【0036】利用駅候補抽出部321は,探索条件や現在位置等に基づいて,ユーザが利用する可能性のある駅(以下,単に「利用駅候補」ともいう)を抽出する。【0037】利用駅候補は,例えば,現在位置の最寄駅や,現在位置もしくは最寄駅を中心とした所定距離の半径の円形領域内に存在する駅,ユーザが端末装置2を用いて指定した駅等であってもよい。利用駅候補は,探索条件に含まれる出発地や経由地等であってもよい。利用駅候補が探索条件に含まれる場合,利用駅候補抽出部321は,探索条件に基づいて利用駅候補を抽出してもよい。【0038】利用駅候補の個数は限定されず,単数および複数のいずれであってもよい。例えば利用駅候補は,出発駅および乗換駅の双方を含んでもよく,また,乗換駅の個数は,単数および複数のいずれであってもよい。【0039】混雑情報取得部322は,利用駅候補抽出部321が抽出した利用駅候補の混雑情報を取得する。【0040】混雑情報取得部322は,混雑情報データベース332内の各駅の混雑情報のうち,例えば利用駅候補と同一の座標に対応付けられた混雑情報や,利用駅候補と同一の識別情報や経路ネットワーク情報に対応付けられた駅の混雑情報を,利用駅候補の混雑情報として取得してもよい。利用駅候補の混雑情報は,リアルタイム情報および予測情報のいずれであってもよい。また,混雑情報取得部322は,探索条件等に基づいて利用駅候補の利用時刻を考慮し,利用時刻に適合した時刻に対応する混雑情報を混雑情報データベース332から取得してもよい。【0041】また,混雑情報取得部322は,現在位置(出発地)から利用駅候補までの混雑情報を取得してもよい。【0042】代替経路取得部323は,利用駅候補が混雑する場合は,代替経路を取得する。一方,代替経路取得部323は,利用駅候補が混雑しない場合は,代替経路を取得しなくてもよい。【0043】ここで,代替経路とは,代替利用駅を利用する経路を示す移動経路情報である。代替利用駅とは,混雑する利用駅候補(以下,「混雑駅」ともいう)に代替可能な駅である。【0044】例えば,本実施形態において,代替利用駅は,現在位置の周辺の駅であって混雑駅の移動手段である第1移動手段とは異なる第2移動手段の駅であり,代替経路は,当該第2移動手段の駅を利用する経路である。現在位置の周辺とは,現在位置の周囲の所定の領域内の位置であれば特に限定されず,例えば,現在位置を中心とした所定距離の半径(例えば,半径500m等)を有する円形領域内の位置や,現在位置から徒歩で所定時間内に到達できる領域内の位置等であってもよい。【0045】なお,代替利用駅は,出発地の周辺の第2移動手段の駅であってもよい。出発地の具体的な態様は特に限定されず,例えば出発駅等であってもよい。出発地の周辺は,現在位置の周辺と同様に,出発地の周囲の所定の領域内の位置であってもよい。【0046】また,代替利用駅は,混雑駅の周辺の第2移動手段の駅であってもよい。混雑駅の周辺は,現在位置の周辺と同様に,混雑駅の周囲の所定の領域内の位置であってもよい。【0047】なお,混雑情報がそれ自体で混雑の発生を示す情報である場合(すなわち,混雑が発生していないと取得されない情報である場合)がある。この場合には,代替経路取得部323は,混雑情報取得部322による混雑情報の取得を契機として,混雑の有無を判定せず直ちに代替経路を取得してもよい。一方,混雑情報が,混雑の有無を示す情報や混雑の有無の判定に利用可能な情報である場合がある。この場合には,代替経路取得部323は,混雑情報に基づいて利用駅候補の混雑の有無を判定したうえで,混雑が発生していると判断した場合に,代替経路を取得してよい。【0048】代替経路取得部323は,代替経路だけでなく,利用駅候補を利用する移動経路(通常のコスト計算に基づいた移動経路)を取得してもよい。利用駅候補を利用する移動経路は,混雑の有無を問わなくてよい。【0049】サーバ3の通信部31は,代替経路取得部323が取得した代替経路を端末装置2に送信する。これにより,端末装置2の情報提示部222は,代替経路を出力することができる。【0050】ここで,もし,駅の混雑状況を駅における所要時間のコストに反映させて経路探索を行う場合,混雑する駅のコストが上昇したために,別の駅を利用する経路が探索される可能性はある。しかるに,そのようなコスト計算による経路探索では,混雑する駅の利用を回避する経路を高い確度で取得できるとは限らない。なぜならば,コスト計算においては,所要時間以外にも,運賃,乗換回数など種々の要素が考慮され得るからである。【0051】これに対して,代替経路取得部323によれば,代替利用駅が存在する場合には,この代替利用駅を利用する代替経路を確実に取得してユーザに提供できる。具体的には,第1移動手段の混雑駅の利用を回避する第2移動手段の代替経路を提供することができる。より具体的には,混雑情報がリアルタイム情報である場合には,ユーザの現在位置の近くの混雑駅の利用回避に有効な代替経路を提供することができる。また,混雑情報が予測情報である場合には,ユーザの現在位置から遠距離の混雑駅または将来的な混雑駅の利用回避にも有効な代替経路を提供することができる。なお,混雑情報としての予測情報に基づいて当初の経路探索時は混雑駅でないと判断された利用駅候補が,不意に発生した交通機関の遅延等によって,実際に利用駅候補に赴いたタイミングで混雑駅になっている場合がある。しかるに,この場合には,再探索によって混雑駅の周辺の第2移動手段の駅を代替利用駅とした代替経路を探すことで,不意に発生した混雑に速やかに対応することができる。【0052】また,サーバ3の通信部31は,端末装置2の情報提示部222において混雑駅を利用する移動経路の情報(以下,「混雑経路」ともいう)と代替経路とを識別可能および/または比較可能に出力し得るように,代替経路とともに混雑経路を送信してよい。これにより,情報提示部222は,混雑経路と代替経路とを識別可能および/または比較可能に出力できる。このようにして出力された混雑経路および代替経路によれば,ユーザは,代替経路の利用の是非を容易に判断し得る。【0053】なお,代替経路取得部323は,代替経路,および利用駅候補を利用する移動経路(混雑経路となるものを含む)を,例えば,経路探索の結果や予め探索済みの経路(例えば,履歴や予め登録済みの経路であるMyルート等)に基づいて取得してよい。代替経路,および利用駅候補を利用する移動経路を経路探索の結果によって取得する場合,当該経路探索は,代替経路取得部323およびその他の経路探索手段(例えば外部サーバ等)のいずれが行ってもよい。代替経路を探索する場合,その過程で代替利用駅を抽出することになるが,代替利用駅の抽出は,現在地の最寄の利用駅候補の抽出と同様のロジックで行ってもよい。一方,代替経路,および利用駅候補を利用する移動経路を予め探索済みの経路に基づいて取得する場合,予め探索済みの経路は,サーバ3の記憶部33およびその他の記憶手段(例えば外部サーバの記憶部等)のいずれに記憶されていてもよい。【0054】また,利用駅候補を利用する移動経路が予め探索済みの経路に基づいて取得された場合,利用駅候補抽出部321は,当該移動経路中の出発駅を抽出し,混雑情報取得部322は,該出発駅の混雑情報を取得してもよい。そして,代替経路取得部323は,該混雑情報が混雑を示すもの否かを判定し,該混雑情報が混雑を示すものであると判定されると,代替経路を探索してもよい。」
(エ)図2
[図:0001393636000002.jpg]
(オ)「【0055】次に,図2および図3を参照して,上記の構成を有する情報処理システム1の処理動作の一例について説明する。【0056】まず,図2に示すように,端末装置2の探索条件取得部221が,経路探索用の探索条件を取得する(ステップS21)。そして,端末装置2の通信部21が当該探索条件をサーバ3に送信し(ステップS22),サーバ3の通信部31が当該探索条件を受信する(ステップS31)。【0057】次に,サーバ3の利用駅候補抽出部321が,ステップS31において受信された探索条件に基づいて,利用駅候補を抽出する(ステップS32)。そして,サーバ3の代替経路取得部323が,ステップS32において抽出された利用駅候補(第1移動手段)を利用する経路を探索する(ステップS33)。なお,利用駅候補を利用する経路は,該利用駅候補が混雑駅である場合には,混雑経路となる。次に,サーバ3の混雑情報取得部322が,利用駅候補の混雑情報を取得する(ステップS34)。」
(カ)図3
[図:0001393636000003.jpg]
(キ)「【0058】次に,図3に示すように,サーバ3の代替経路取得部323が,ステップS34において取得された混雑情報に基づいて,利用駅候補が混雑しているか否かを判定する(ステップS35)。【0059】例えば,混雑情報が電車混雑リポート情報である場合,電車混雑リポート情報が示す利用駅候補でのレベルが,「乗れない」に相当するレベルであれば,混雑有りと判定し,該レベルよりも低いレベルであれば,混雑無しと判定してもよい。また,混雑情報が駅またはその周辺の端末プローブ情報の数である場合,この数が閾値を超えるのであれば,混雑有りと判定し,閾値以下であれば,混雑無しと判定してもよい。また,混雑情報がイベント情報である場合,利用駅候補の周囲で大きなイベントが開催されているのであれば,混雑有りと判定し,開催されていないのであれば,混雑無しと判定してもよい。また,混雑情報が地点/経路検索ログである場合,検索数が閾値を超えるのであれば,混雑有りと判定し,閾値以下であれば,混雑無しと判定してもよい。【0060】そして,利用駅候補が混雑している場合には(ステップS35:Yes),代替経路取得部323が,第2移動手段の駅を利用する代替経路を探索して取得する(ステップS361)。一方,利用駅候補が混雑していない場合には(ステップS35:No),代替経路取得部323は,代替経路を探索しない。【0061】なお,ステップS35の判定は,ステップS32とステップS33の間すなわち,経路探索前に行ってもよい。」
(ク)図4
[図:0001393636000004.jpg]
(ケ)「【0062】ここで,図4は,ステップS361の実行によって取得される経路の一例を模式的に示す経路図である。図4に示すように,本実施形態においては,利用駅候補としての現在位置の最寄駅が,第1移動手段の混雑駅である場合,混雑経路R1と,第2移動手段を利用する代替経路R2とを取得することができる。【0063】具体的には,図4の混雑経路R1は,現在位置から目的地である第1移動手段の到着駅Gまで移動する経路である。より具体的には,混雑経路R1は,現在位置から第1移動手段の混雑駅Sまでの徒歩ルートR11と,混雑駅Sから目的地Gまで第1移動手段を利用するルートR12とによって構成されている。【0064】また,図4の代替経路R2は,現在位置から目的地Gまでの第2移動手段を利用した経路である。より具体的には,代替経路R2は,現在位置周辺の代替利用駅S’までの徒歩ルートR21と,代替利用駅S’から目的地Gに最寄りの第2移動手段の到着駅G’まで第2移動手段を利用するルートR22と,当該到着駅G’から目的地Gまでの徒歩ルートR23とによって構成されている。【0065】次に,図3に示すように,サーバ3の通信部31が,代替経路取得部323の経路探索結果を端末装置2に送信する(ステップS37)。このとき,代替経路が取得されている場合(ステップS361を経た場合)には,通信部31は,代替経路と混雑経路とを端末装置2に送信する。一方,代替経路が取得されていない場合(ステップS361を経ていない場合)には,通信部31は,第1移動手段の最寄駅(混雑駅ではない)を利用する経路のみを端末装置2に送信する。【0066】次に,端末装置2の通信部21は,ステップS37において送信された経路探索結果を受信する(ステップS23)。そして,端末装置2の情報提示部222は,当該経路探索結果を,出力部24を介してユーザに提示する。」
(コ)図5
[図:0001393636000005.jpg]
(サ)「【0067】ここで,図5は,ステップS24において提示される端末装置2の表示画面(経路探索結果の表示画面)の第2の例である。図5の表示画面では,第1移動手段としての電車と,徒歩とを利用した混雑経路R1と,第2移動手段としての水上バスと,徒歩とを利用した代替経路R2とが,簡易一覧表示の態様で識別可能かつ比較可能に表示されている。【0068】具体的には,図5の混雑経路R1は,「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示されているので,ユーザは,混雑経路R1を一目で識別することができる。なお,図5の混雑経路R1は,徒歩および電車のイラストが表示されているので,ユーザは,混雑経路R1が電車を利用する経路であることを一目で把握することができる。【0069】一方,図5の代替経路R2は,「混雑回避」と表示されているので,ユーザは,代替経路R2を一目で識別することができる。なお,図5の代替経路R2は,徒歩および船のイラストが表示されているので,ユーザは,代替経路R2が水上バスを利用する経路であることを一目で把握することができる。【0070】また,図5の混雑経路R1,代替経路R2は,出発地から目的地までの所要時間と,混雑状況に応じた遅延時間とが表示されているので,ユーザは,両経路の実質的な所要時間を容易に比較することができる。その他,ユーザは,運賃,乗換の有無なども比較することができる。」
(シ)引用発明
上記(ア)~(サ)より,特に,下線部に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「混雑する駅の利用を回避する代替経路をユーザに提供することができる情報処理システムであって,端末装置2と,サーバ3とを備えており,端末装置2とサーバ3とは,インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている情報処理システム1において,端末装置2は,経路を探索するためにユーザが使用するものであり,例えば,スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末であり,端末装置2は,通信部21と,制御部22と,入力部23と,出力部24とを有しており,続きを表示(全25行)通信部21は,ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースであり,入力部23は,ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり,出力部24は,端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり,例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段であり,制御部22は,探索条件取得部221と,情報提示部222とを有しており,これら各部は,端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよく,探索条件取得部221は,経路探索用の探索条件を取得しており,探索条件は,出発地および目的地を含んでおり,出発地や目的地は,鉄道駅に限られず,例えば,バスの停留所,水上バスの乗降船場,空港,港,自宅,会社,あるいは,GPSやWifi測位等の測位手段によって検出された現在位置などであってもよく,情報提示部222は,移動経路等に関する各種情報を,出力部24を介してユーザに提示しており,サーバ3は,通信部31と,制御部32と,記憶部33とを有しており,通信部31は,ネットワークを介して端末装置2と,サーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースであり,記憶部33は,経路ネットワークデータベース331と,混雑情報データベース332とを有しており,経路ネットワークデータベース331は,経路探索用のデータベースであり,経路ネットワーク情報として,例えば地図情報,および交通ネットワーク情報を含んでおり,混雑情報データベース332は,駅の混雑状況を示す混雑情報のデータベースであり,混雑情報は,駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報および駅の将来の混雑状況を示す予測情報の少なくとも一方であってもよく,リアルタイム情報および予測情報の両方を用いることで,ユーザが駅に到着した時点での混雑状況をより正確に判断することができ,リアルタイム情報は,例えば鉄道駅における駅や電車の混み具合のレベルをユーザからの投稿を元に示す電車混雑リポート情報であってもよく,また,駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数,駅の公式発表データ等であってもよく,混雑情報には,駅の混雑状況だけでなく,駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよく,サーバ3の制御部32は,利用駅候補抽出部321と,混雑情報取得部322と,代替経路取得部323とを有しており,混雑情報取得部322は,利用駅候補抽出部321が抽出した利用駅候補の混雑情報を取得しており,混雑情報取得部322は,現在位置(出発地)から利用駅候補までの混雑情報を取得してもよい,情報処理システム1の処理動作において,端末装置2の探索条件取得部221が,経路探索用の探索条件を取得して,端末装置2の通信部21が当該探索条件をサーバ3に送信し,サーバ3の通信部31が当該探索条件を受信し,サーバ3の利用駅候補抽出部321が,受信された探索条件に基づいて,利用駅候補を抽出し,サーバ3の混雑情報取得部322が,利用駅候補の混雑情報を取得し,サーバ3の通信部31が,経路探索結果を端末装置2に送信し,端末装置2の通信部21は,経路探索結果を受信し,端末装置2の情報提示部222は,当該経路探索結果を,出力部24を介してユーザに提示しており,端末装置2の表示画面(経路探索結果の表示画面)の例では,第1移動手段としての電車と,徒歩とを利用した混雑経路R1と,第2移動手段としての水上バスと,徒歩とを利用した代替経路R2とが,簡易一覧表示の態様で識別可能かつ比較可能に表示されており,混雑経路R1は,「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示されているので,ユーザは,混雑経路R1を一目で識別することができる情報処理システム。」
(3)対比
ア 対比
本件補正発明は,「情報端末」の発明であり,引用発明(情報処理システム)における「端末装置2」が,本件補正発明の「情報端末」に対応するから,以下では,引用発明(情報処理システム)における「端末装置2」と,本件補正発明とを対比する。
(ア)引用発明において,「端末装置2は,経路を探索するためにユーザが使用するものであり,例えば,スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末であり,端末装置2は,通信部21と,制御部22と,入力部23と,出力部24とを有しており,」「入力部23は,ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり,」「制御部22は,探索条件取得部221と,情報提示部222とを有しており,」「探索条件取得部221は,経路探索用の探索条件を取得しており,探索条件は,出発地および目的地を含んでおり,出発地や目的地は,鉄道駅に限ら」ないとされている。
ここで,引用発明の「経路探索用の」「探索条件は,出発地および目的地を含んでおり,出発地や目的地は,鉄道駅に限ら」ないから,出発地や目的地として,すくなくとも鉄道駅が予定されているといえる。この場合,引用発明の「探索条件」の「出発地」としての「鉄道駅」は,本件補正発明の「出発駅」に相当し,引用発明の「探索条件」の「目的地」としての「鉄道駅」は,本件補正発明の「到着駅」に相当する。
そして,引用発明において,「探索条件」の「出発地」および「目的地」をいずれも「鉄道駅」とした「探索条件」は,本件補正発明の「出発駅及び到着駅を示す旅程情報」に相当する。
また,引用発明の「ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであ」る「入力部23」は,本件補正発明の「情報の入力を受け付ける入力受付部」に相当するといえる。
したがって,本件補正発明と,引用発明とは,「出発駅及び到着駅を示す旅程情報の入力を受け付ける入力受付部」「を備え」る点で共通しているといえる。
(イ)引用発明において,「サーバ3」が「有して」いる「混雑情報データベース332は,駅の混雑状況を示す混雑情報のデータベースであり,混雑情報は,駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報および駅の将来の混雑状況を示す予測情報の少なくとも一方であってもよ」いとされており,「端末装置2」の「通信部21は,ネットワークを介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースであり,」「端末装置2の通信部21は,経路探索結果を受信し,端末装置2の情報提示部222は,当該経路探索結果を,出力部24を介してユーザに提示しており,端末装置2の表示画面(経路探索結果の表示画面)の例では,第1移動手段としての電車と,徒歩とを利用した混雑経路R1と,第2移動手段としての水上バスと,徒歩とを利用した代替経路R2とが,簡易一覧表示の態様で識別可能かつ比較可能に表示されており,混雑経路R1は,「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示されている」とされている。
ここで,引用発明の「端末装置2」の「通信部21」は,「サーバ3」から「経路探索結果を受信し」ており,「経路探索結果」には,「「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間」のような「駅の」「混雑状況を示す」「混雑情報」が含まれているから,引用発明の「端末装置2」の「通信部21」も,本件補正発明と同様に「混雑情報を受信」しているといえる。
したがって,本件補正発明の「位置と混雑度とが関連付けられた混雑情報を受信する混雑情報受信部」と,引用発明の「端末装置2」の「通信部21」とは,「混雑情報を受信する混雑情報受信部」「を有し」ている点で共通するといえる。
しかし,本件補正発明の「混雑情報」は「位置と混雑度とが関連付けられた」ものであるのに対して,引用発明の「混雑情報」は,「「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間」のような「駅の」「混雑状況を示す」ものである点で相違している。
(ウ)引用発明において,「端末装置2は,(中略)制御部22と,(中略)出力部24とを有しており,」「出力部24は,端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインターフェースであり,例えば液晶ディスプレイ等の映像表示手段であり,」「制御部22は,(中略)情報提示部222とを有しており,これら各部は,端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよく,」「端末装置2の情報提示部222は,当該経路探索結果を,出力部24を介してユーザに提示しており,端末装置2の表示画面(経路探索結果の表示画面)の例では,(中略)混雑経路R1と,(中略)代替経路R2とが,簡易一覧表示の態様で識別可能かつ比較可能に表示されており,混雑経路R1は,「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示されている」とされている。
ここで,引用発明において,「探索条件」の「出発地」および「目的地」をいずれも「鉄道駅」とした場合の「混雑経路R1」,「「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間が表示され」た「表示画面(経路探索結果の表示画面)」,「液晶ディスプレイ等の映像表示手段であ」ある「出力部24」は,それぞれ,本件補正発明の「前記出発駅から前記到着駅までの経路」,「混雑情報」「を示す第1画面」,「表示部」に対応する。
したがって,本件補正発明の「前記出発駅から前記到着駅までの経路に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第1画面と,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に表示部に表示させる表示制御部」と,引用発明の「情報提示部222とを有し」た「制御部22」とは,「前記出発駅から前記到着駅までの経路に関連付けて前記混雑情報」「を示す第1画面」「を」「表示部に表示させる表示制御部」である点で共通するといえる。
しかし,本件補正発明の「第1画面」には,混雑情報に基づく混雑度」が鉄道の利用時刻に関連付けて表示されているのに対して,引用発明の「第1画面」には,「「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間」のような「駅の」「混雑状況を示す」ものが表示されており,鉄道の利用時刻に関連付けていない点で相違している。
また,本件補正発明の「表示制御部」は,「第1画面と,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に」「表示」しているのに対して,引用発明の「表示制御部」は,「地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面」を表示していない点で相違している。
さらに,本件補正発明では,「入力受付部」が,「前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」るものであり,「表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示し」ているのに対し,引用発明では,「入力受付部」が,「前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」ておらず,「表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示し」ていない点で相違している。
(エ)引用発明において,「混雑情報は,駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報および駅の将来の混雑状況を示す予測情報の少なくとも一方であってもよく,リアルタイム情報および予測情報の両方を用いることで,ユーザが駅に到着した時点での混雑状況をより正確に判断することができ,リアルタイム情報は,例えば鉄道駅における駅や電車の混み具合のレベルをユーザからの投稿を元に示す電車混雑リポート情報であってもよく,また,駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数,駅の公式発表データ等であってもよ」いとされている。
ここで,引用発明における「混雑情報」(その内の「リアルタイム情報」)として,「駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」が例示されているところ,引用発明の「駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」は,本件補正発明の「複数のエリア内の携帯端末の数」に相当するから,引用発明の「駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」に基づいて定められる「混雑情報」は,本件補正発明の「複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される」「混雑情報」であるといえる。
したがって,本件補正発明の「前記第1画面において示される前記混雑度と前記第2画面において示される前記混雑度とは,複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される共通の前記混雑情報を用いて表示される」と引用発明の「混雑情報」とは,「前記第1画面において示される前記混雑」情報「は,複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される」「前記混雑情報を用いて表示される」ものである点で共通するといえる。
しかし,本件補正発明では,「混雑情報を用いて表示」する際に,「第1画面」と「第2画面」とで,「共通の前記混雑情報を用いて表示」しているのに対して,引用発明では,「第2画面」を表示していない点で相違している。
イ 一致点および相違点
本件補正発明と,引用発明とは,以下(ア)の点で一致し,以下(イ)の点で相違する。
(ア)一致点
「出発駅及び到着駅を示す旅程情報の入力を受け付ける入力受付部と,混雑情報を受信する混雑情報受信部と,前記出発駅から前記到着駅までの経路に関連付けて前記混雑情報を示す第1画面を表示部に表示させる表示制御部と,を備え,前記第1画面において示される前記混雑情報は,複数のエリア内の携帯端末の数に基づいて特定される前記混雑情報を用いて表示される,情報端末。」
(イ)相違点
a <相違点1>
本件補正発明の「第1画面」には,混雑情報に基づく混雑度」が鉄道の利用時刻に関連付けて表示されているのに対して,引用発明の「第1画面」には,「「駅混30分」等の混雑状況に応じた遅延時間」のような「駅の」「混雑状況を示す」ものが表示されており,鉄道の利用時刻に関連付けていない点。
b <相違点2>
本件補正発明の「表示制御部」は,「第1画面と,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に」「表示」しているのに対して,引用発明の「表示制御部」は,「地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面」を表示していない点。
c <相違点3>
本件補正発明では,「入力受付部」が,「前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」るものであり,「表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示し」ているのに対し,引用発明では,「入力受付部」が,「前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」ておらず,「表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示し」ていない点。
d <相違点4>
本件補正発明では,「混雑情報を用いて表示」する際に,「第1画面」と「第2画面」とで,「共通の前記混雑情報を用いて表示」しているのに対して,引用発明では,「第2画面」を表示していない点。
(4)判断
以下,相違点について検討する。
ア <相違点1>について
経路探索技術の分野において,駅などの混雑情報として,駅構内の位置における混雑度を用いる技術は,本願出願前に周知の技術であった(例えば,引用文献2の段落0013および図5ならびに図6等を参照されたい。)。
また,経路探索技術の分野において,駅などの混雑情報を表示する際に,鉄道の利用時刻とに関連付けて表示する技術も,本願出願前に周知の技術であった(例えば,原査定の引用文献7の以下の記載等を参照されたい。)。
[図:0001393636000006.jpg]
スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末である引用発明の端末装置2において,ユーザの操作性や利便性を考慮して,様々な周知技術の適用を試みながら画面に表示する情報を検討することは,当該技術分野における当業者が行う通常の創作活動の範囲内であり,また,当該周知技術を引用発明に適用するに際して特段の阻害要因も認められないから,引用発明において当該周知技術を採用することに格別の困難性は認められない。
したがって,引用発明において,混雑情報として,位置における混雑度を用いる当該周知技術を採用して,「混雑情報」を「位置と混雑度とが関連付けられた」ものとし,「混雑情報」として「混雑度」を「鉄道の利用時刻とに関連付けて」表示する本件補正発明の<相違点1>に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。
イ <相違点2>について
引用発明において,「混雑情報には,駅の混雑状況だけでなく,駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよく」との開示がある。
引用文献3には,混雑情報として,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する技術が記載されている。
[図:0001393636000007.jpg]
引用発明の上記「混雑情報には,駅の混雑状況だけでなく,駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよ」いとの示唆に基づいて,「駅周辺の領域の混雑状況を示す情報」表示する際に,引用文献3に記載されているように,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する構成を採用することは,経路探索技術の分野における当業者が行う通常の創作活動の範囲内であり,また,当該公知技術を引用発明に適用するに際して特段の阻害要因も認められないから,引用発明において当該公知技術を採用することに格別の困難性は認められない。
したがって,引用発明において,引用文献3に記載の,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する技術を採用して,地図に関連付けて前記混雑情報に基づく混雑度を示す第2画面とを切り替え可能に表示部に表示させる本件補正発明の<相違点2>に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。
ウ <相違点3>について
経路探索技術の分野において,経路探索結果画面に,切り替え操作を受け付けるリンクを設けて,当該リンクをタップすることで,経路地図画面表示に切り替えて,経路探索結果の経路を出発駅および到着駅まで含めてすべて地図上に表示する技術は,本願出願前に周知の技術であった(例えば,当審拒絶理由の引用文献5(原査定の引用文献6)の段落0074-0075,図8および図13(「ヒートマップを見る」リンクLk3)等を参照されたい。)。
[図:0001393636000008.jpg]
また,上記イで述べたように,引用文献3には,混雑情報として,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する技術が記載されている。
[図:0001393636000009.jpg]
引用発明の「混雑情報には,駅の混雑状況だけでなく,駅の周辺の領域の混雑状況を示す情報が含まれていてもよ」いとの示唆に基づいて,「駅周辺の領域の混雑状況を示す情報」表示する際に,引用文献3に記載されているように,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する構成を採用し,上記周知技術のように、経路探索結果画面に,切り替え操作を受け付けるリンクを設けて,当該リンクをタップすることで,経路地図画面表示に切り替えて,経路探索結果の経路を出発駅および到着駅まで含めてすべて地図上に表示する構成とすることは,経路探索技術の分野における当業者が行う通常の創作活動の範囲内であり,また,当該公知技術および上記周知技術を引用発明に適用するに際して特段の阻害要因も認められないから,引用発明において当該公知技術および上記周知技術を採用することに格別の困難性は認められない。
したがって,引用発明において,引用文献3に記載の技術及び上記周知技術を採用して,「入力受付部」が,「前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」るものであり,「表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示」させる本件補正発明の<相違点3>に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。
エ <相違点4>について
引用発明において,「駅の現在の混雑状況を示すリアルタイム情報」として,「駅またはその周辺において使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」が例示されている。
上記例示から,駅周辺の混雑情報として,「使用中の端末装置2から取得される該端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」が示唆されているといえる。
したがって,駅構内の混雑情報と同様に,駅周辺の混雑情報も「端末装置2の位置等を示す端末プローブ情報の数」に基づいて特定し,「混雑情報を用いて表示」する際に,「第1画面」と「第2画面」とで,「共通の前記混雑情報を用いて表示」する本件補正発明の<相違点4>に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものである。
オ 小括
以上から,本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は,当業者にとって,容易に想到し得たものであるから,特許法第29条第2項に基づいて,特許を受けることができない。
カ 請求人の主張について
請求人は,令和4年8月16日提出の意見書において,引用文献3に記載された一番右側の画面ではルート上の混雑情報を地図上において表示する点が開示されているものの,第1画面を表示中に、第2画面への切替操作を入力受付部が受け付けた場合に、第1画面に表示されている出発駅から到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示するという構成が引用文献3には記載も示唆もされていない旨主張している。
しかし,上記ウで述べたように,引用文献3には,混雑情報として,地図上に(駅周辺を含めた)ルート上の混雑情報を表示する画面をスマートフォンの表示部に切り替え表示する技術が記載されており,経路探索技術の分野において,経路探索結果画面に,切り替え操作を受け付けるリンクを設けて,当該リンクをタップすることで,経路地図画面表示に切り替えて,経路探索結果の経路を出発駅および到着駅まで含めてすべて地図上に表示する技術は,本願出願前に周知の技術であった(例えば,当審拒絶理由の引用文献5(原査定の引用文献6)から,当業者であれば,引用発明において,引用文献3に記載の技術及び上記周知技術を採用して,第1画面を表示中に、第2画面への切替操作を入力受付部が受け付けた場合に、第1画面に表示されている出発駅から到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示するという構成を想到し得たものであり,請求人の上記主張は採用できない。
3 本件補正についてのむすび
以上から,本件補正は,特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので,同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年8月16日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,令和3年5月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,前記第2[補正の却下の決定の理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 当審拒絶理由の概要
令和4年6月14日付けで当審が通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の理由1は概ね,次のとおりのものである。
本願の特許請求の範囲の請求項1ないし6,9および10に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2ならびに3に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,
本願の特許請求の範囲の請求項7および8に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明,及び,引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項に基づいて,特許を受けることができない。
1.特開2016-080665号公報(原査定の引用文献2)
2.特開2006-244069号公報(周知例)
3.『NAVITIME』にて「混雑エリアマップ」を提供開始,日本,
株式会社ナビタイムジャパン,2020年 6月18日,
[URL:
https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202006/18_5260.html]
(原査定の引用文献1)
4.Yahoo! MAP,「混雑レーダー」の混雑状況の表示を最短2時間前から
最短20分前にアップデート,日本,ヤフー株式会社,
2020年 5月25日,
[URL:https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2020/05/25b/]
(原査定の引用文献5,周知例)
5.特開2017-33440号公報(原査定の引用文献6,周知例)
3 引用文献
当審拒絶理由で引用された引用文献1ないし3及びその記載事項は,前記第2の[補正の却下の決定の理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は,前記第2の[補正の却下の決定の理由]2で検討した本件補正発明から,発明を特定するために必要な事項である「第1画面」に示す「混雑情報に基づく混雑度」について,「鉄道の利用時刻」と関連付けて示すとの限定事項を削除し,「入力受付部」について,「前記入力受付部は,前記第1画面と前記第2画面とを切り替えるための切替操作を更に受け付け」るとの限定事項を削除し,「表示制御部」について「前記表示制御部は,前記第1画面を表示中に前記第2画面への切替操作を前記入力受付部が受け付けた場合に,前記第1画面に表示されている前記出発駅から前記到着駅までの経路が全て含まれる範囲の地図の混雑度を示す第2画面を表示」するとの限定事項を削除したものである。
そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が,前記第2の[補正の却下の決定の理由]2(3),(4)に記載したとおり,引用発明および引用文献2ならびに3に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,引用発明および引用文献2ならびに3に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-013715