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特許拒絶査定不服審判

2021-012394

遊技機

審判番号
2021-012394
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-155330外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年09月15日
審決日
2022年04月20日
公報発行日
2022年05月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (A63F) / P18 .121-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-155330「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年3月7日出願公開、特開2019-33787、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、平成29年8月10日の出願であって、令和3年1月28日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月1日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年6月17日付け(送達日:同年同月29日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年9月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、引用文献1に記載された発明からその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.特開2000-84182号公報

第3 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年9月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める(当審判合議体にて、分説のために記号AからGを付した。)。

「A 始動条件の成立により、遊技者に遊技利益を付与するか否かの判定を行う判定手段と、
B 複数種類の演出図柄を含む1または複数の図柄配列について、所定の停止位置に停止表示させる演出図柄と、前記停止位置における前記演出図柄の仮停止表示および可変表示の少なくとも一方とを含む、前記演出図柄の停止表示前の変動表示態様を、前記判定の結果に基づいて決定する演出図柄決定手段と、
C 前記演出図柄決定手段が決定した変動表示態様で前記演出図柄を表示した後に、いずれかの演出図柄を前記停止位置に停止表示させる演出図柄表示手段と、
D 前記停止位置に仮停止表示または停止表示される前記演出図柄を示唆する示唆演出の実行有無を決定する示唆演出決定手段と、
E 前記示唆演出の実行が決定された場合に、前記示唆演出を、前記演出図柄の仮停止表示前または停止表示前に実行する示唆演出実行手段と、
を備え、
F リーチ態様による前記演出図柄の仮停止表示または停止表示と、前記示唆演出とが所定期間内に複数回繰り返し実行される際に、先の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類と、後の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類が異なる
G 遊技機。」

第4 引用文献、引用発明等

1.引用文献1

原査定において引用され、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(特開2000-84182号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審判合議体において付した。以下同様。)。

「【0020】図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1の遊技盤には、遊技領域3が形成されている。パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル28が設けられており、この打球操作ハンドル28を遊技者が操作することにより、上皿29内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール2の間を通って遊技領域3内に導かれる。」

「【0073】図6は、C_YOKの抽出値に基づいた予告図柄数等の決定率を予告図柄数判定値別に示す図である。
・・・
【0075】図6を参照して、予告図柄数判定値1が設定されている場合、すなわち、可変表示結果をハズレ(リーチなし)とすることが決定されている場合には予告図柄数=0の決定率が最も高く(15/50)、予告図柄数が多いものほど決定率が低くなる。たとえば、予告図柄数=5の決定率は1/50である。
【0076】一方、予告図柄数判定値3が設定されている場合、すなわち、可変表示結果を大当りとすることが決定されている場合には予告図柄数=5の決定率が最も高く(15/50)、予告図柄数が少ないものほど決定率が低くなる。たとえば、予告図柄数=0の決定率は0/50である。
【0077】また、予告図柄数判定値2が設定されている場合、すなわち、ハズレリーチとすることが決定されている場合には予告図柄数=2の決定率が最も高い(15/50)。そして、予告図柄数=2を境にして決定率が低くなっている。たとえば、予告図柄数=0の決定率は5/50であり、予告図柄数=5の決定率は1/50である。」

「【0088】次に、基本回路45が実行する遊技制御の内容を説明する。図10は、遊技制御のメインプログラムの処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS(以下、単にSという)1によりクロックモニタ制御レジスタをクロックモニタイネーブルに設定する処理がなされる。次に、S2により、スタックポインタのアドレス(00FFH)を設定する処理がなされる。」

「【0100】次に、SA3に進み、始動入賞があったか否かの判断がなされる。SA3により始動入賞があったと判断された場合は、SA4に進み、プロセスフラグのデータが「1」だけ加算された後、この特別図柄変動待ち処理が終了する。このようにプロセスフラグのデータが「1」加算されたことにより、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に大当り判定処理が実行される。一方、SA3により始動入賞がなかったと判断された場合は、そのままこの特別図柄変動待ち処理が終了する。このようにプロセスフラグが加算されない場合は、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に再びこの特別図柄変動待ち処理が実行される。
【0101】次に、前述したS19の大当り判定処理の内容を説明する。図13は、大当り判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0102】まず、ステップSB(以下、単にSBという)1により、現在が確率変動(確変)中であるか否かの判断がなされる。SB1により確率変動中であると判断された場合は、SB2に進み、大当り判定値として高確率判定値を設定する処理がなされる。これにより、確率変動時の大当り判定値が設定される。その後、後述するSB4に進む。一方、SB1により確率変動中ではないと判断された場合は、SB3に進み、大当り判定値として低確率判定値を設定する処理がなされる。これにより、通常時の大当り判定値が設定される。その後、SB4に進む。
【0103】SB4では、大当りを発生させるか否かの判断がなされる。具体的には、入賞記憶用バンクのバンク0に格納されたC_HITの抽出値が、SB2またはSB3により設定された大当り判定値と一致するか否かを判断し、一致する場合に大当りを発生させることを事前決定するのである。
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【0104】より具体的には、始動入賞に応じたC_HIT、C_KHITのそれぞれの抽出値は、最大4つずつ記憶されるが、最も古いタイミングでの抽出値が入賞記憶用バンクのバンク0に記憶され、後続する始動入賞に応じて、バンク1,2,3の順に抽出値が記憶されていく。そして、入賞記憶用バンクのバンク0~3のうちのバンク0に記憶されている抽出値が、各種制御に用いられる。バンク0のデータの使用が済むと、バンク0の記憶データがクリアされるとともに、バンク1,2,3のそれぞれの記憶データが、1バンクずつバンク0に向けてシフトされる。そして、そのような大当りの判定とデータのシフトとが繰返し実行されることにより、始動入賞記憶に応じた各種の制御が行なわれる。
【0105】SB4により大当りを発生させないと判断された場合は、後述するSB7に進む。SB4により大当りを発生させると判断された場合は、SB5に進み、大当りフラグを設定する処理がなされる。ここで、大当りフラグとは、大当り状態に移行させる必要のあることまたは大当り状態にあることを示すために用いられるフラグである。
【0106】SB5の後、SB6に進み、入賞記憶用バンクのバンク0に格納されたC_KHITの抽出値に基づいて大当り発生時における特別図柄の停止図柄を設定する処理がなされる。大当り発生時には、左,中、右の特別図柄がC_KHITの抽出値に基づいて同じ図柄に揃えられて停止表示される。SB6の後、SB7に進み、プロセスフラグのデータが「1」だけ加算され、その後、この大当り判定処理が終了する。このようにプロセスフラグのデータが「1」加算されたことにより、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に特別図柄停止図柄設定処理が実行される。
・・・
【0113】次に、前述したS21の停止図柄予告設定処理の内容を説明する。図15は、停止図柄予告設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0114】まず、ステップSN(以下、単にSNという)1により、一旦、予告図柄数判定値1が設定される。前述したように、予告図柄数判定値1は、可変表示結果をハズレ(リーチなし)とすることが決定されている場合に設定される判定値である。次に、SN2に進み、大当りフラグが設定されているか否かをチェックすることにより、大当り発生の事前決定がなされているか否かの判断がなされる。SN2により大当り発生の事前決定がなされていると判断された場合はSN3に進み、SN1で設定された予告図柄数判定値1に代えて予告図柄数判定値3が設定される。その後、後述するSN6に進む。一方、可変表示結果をハズレとすることが決定されていると判断された場合にはSN4に進む。SN4では、リーチを成立させることが決定されているか否かが判断される。リーチを成立させることが決定されていると判断された場合にはSN5に進み、SN1で設定された予告図柄数判定値1に代えて予告図柄数判定値2が設定される。その後、後述するSN6に進む。一方、リーチを成立させないことが決定されていると判断された場合にはSN1で設定された予告図柄数判定値1がそのまま維持される。
【0115】次に、SN6では、SN1、SN3、またはSN5で設定された予告図柄数判定値に応じた予告図柄数決定用テーブルが参照されて、すでに抽出されているC_YOKの値に基づいた予告図柄数が設定される。次にSN7に進む。SN7では、プロセスフラグのデータが「1」だけ加算され、その後、この停止図柄予告設定処理が終了する。プロセスフラグのデータが「1」加算されたことにより、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に予告図柄設定処理が実行される。
【0116】次に、前述したS22の予告図柄設定処理の内容を説明する。図16は、予告図柄設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0117】まず、ステップSO(以下、単にSOという)1により、C_YOKの抽出値に基づいて予告図柄データW_YOKを設定する処理がなされる。次に、SO2に進み、予告図柄の1つとして、一旦、大当り図柄が設定される。次に、SO3に進み、可変表示結果を大当りとすることが決定されているか否かが判断される。可変表示結果をハズレとすることが決定されていると判断された場合にはSO4に進み、SO2の設定がクリアされた上で、予告図柄の1つがハズレ図柄に設定される。次にSO7に進み、予告図柄データが減算更新(-1)される。次にSO8に進み、予告図柄データが0となったか否かが判断される。予告図柄データが0になっていない場合には、まだ、予告図柄データ相当の予告図柄の設定がされていないために前記SO4に移行し、再度、予告図柄の1つがハズレ図柄に設定され、SO7で予告図柄データが減算更新(-1)される。その後、SO4、SO7、SO8の処理が繰返し実行されて予告図柄データが0になった場合にはSO8でYESの判断がなされてSO9に進む。SO9では、プロセスフラグのデータが「1」だけ加算され、その後、この予告図柄設定処理が終了する。プロセスフラグのデータが「1」加算されたことにより、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に全図柄変動中処理が実行される。
【0118】一方、SO3で可変表示結果を大当りとすることが決定されていると判断された場合にはSO5に進み、全ての予告図柄を大当り図柄とすべきか否かが判断される。C_OYOKの抽出値が0、24、49のうちのいずれかの値である場合には、全ての予告図柄を大当り図柄とすべきであると判断される。そして、この場合にはSO6に進み、全ての予告図柄が大当り図柄に設定される。一方、SO5でNOの判断がなされた場合には前記SO4の処理が実行されることなく前記SO7に進む。そして、SO7で予告図柄データが減算更新(-1)される。このため、予告図柄の1つとしてSO2で設定された大当り図柄がクリアされることはない。その後、SO8に進み、予告図柄データが0となったか否かが判断される。予告図柄データが0になっていない場合には、まだ、予告図柄データ相当の予告図柄の設定がされていないために前記SO4に移行し、予告図柄の1つがハズレ図柄に設定され、SO7で予告図柄データが減算更新(-1)される。その後、SO4、SO7、SO8の処理を繰返し実行して予告図柄データが0になった場合には前記SO8でYESの判断がなされて前記SO9に進む。このため、可変表示結果を大当りとすることが決定されているが全ての予告図柄を大当り図柄にしない場合(SO5でNO)場合であって、かつ、予告図柄数が複数に設定されている場合には、予告図柄の1つが大当り図柄に設定され(SO2)、残りの予告図柄がハズレ図柄に設定される(SO4)。
【0119】次に、前述したS23の全図柄変動中処理の内容を説明する。図17は、全図柄変動中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0120】まず、ステップSP(以下、単にSPという)1により、特別図柄を変動中(可変表示中)の状態に制御するための全図柄変動中プロセスデータのアドレスが設定される。次に、SP2に進み、SP1で指定されたアドレスに基づいたプロセスデータが設定される。次に、SP3では、プロセスデータ/タイマ処理が実行される。これにより、先に設定されたプロセスデータに基づいて、特別図柄を変動中の状態にするためのプロセスの制御が行なわれる。プロセスデータ/タイマ処理の処理内容については、図20を用いて後述する。次に、SP5に進み、プロセスデータ/タイマ処理により実行されている全図柄変動中のプロセスが終了したか否かの判断がなされる。具体的には、後述するSD5によりプロセス継続中のデータが設定されているか否かの判断を行ない、そのデータが設定されている場合に、プロセスが継続中であると判断する。
【0121】SP5によりプロセスが終了していないと判断された場合は、この全図柄変動中処理が終了する。この場合には、プロセスフラグのデータが更新されないため、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に全図柄変動中処理が繰返し実行される。一方、SP5によりプロセスが終了していると判断された場合は、SP6に進み、特別図柄プロセスフラグが第1第2停止図柄停止処理に移行させるための値に設定される。その後、この全図柄変動中処理が終了する。
【0122】次に、前述したS24で実行される第1第2停止図柄停止処理の内容を説明する。図18は、第1第2停止図柄停止処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0123】まず、ステップSQ(以下、単にSQという)1により、特別図柄を左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)の順に停止させるためのプロセスデータである第1第2停止図柄停止プロセスデータのアドレスを設定する処理がなされる。次に、SQ2に進み、SQ1で設定されたアドレスに基づいて特別図柄を停止させるためのプロセスデータを設定する処理がなされる。
【0124】次にSQ3に進み、プロセスデータ/タイマ処理が実行される。これにより、SQ2により設定されたプロセスデータに基づいて、特別図柄の停止に関するプロセスの制御が行なわれる。プロセスデータ/タイマ処理の処理内容については、図20を用いて後述する。次に、SQ5に進み、プロセスデータ/タイマ処理により実行されている特別図柄の停止に関するプロセスが終了したか否かの判断がなされる。具体的には、後述するSD5によりプロセス継続中のデータが設定されているか否かの判断を行ない、そのデータが設定されている場合に、プロセスが継続中であると判断する。
【0125】SQ5によりプロセスが終了していないと判断された場合は、この第1第2停止図柄停止処理が終了する。この場合には、プロセスフラグのデータが更新されないので、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に第1第2停止図柄停止処理が繰返し実行される。一方、SQ5によりプロセスが終了したと判断された場合は、SQ6に進み、プロセスフラグのデータを最終停止図柄停止処理を実行するためのデータに設定する処理がなされる。その後、第1第2停止図柄停止処理が終了する。
【0126】次に、前述したS25で実行される最終停止図柄停止処理の内容を説明する。図19は、最終停止図柄停止処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0127】まず、ステップSR(以下、単にSRという)1により、予告図柄データW_YOKに対応する最終停止図柄停止プロセスデータ(図9参照)のアドレスが算出され、設定される。次に、SR2に進み、SR1で設定されたアドレスに基づいて特別図柄を停止させるための最終停止図柄停止プロセスデータが設定される。
【0128】次にSR3に進み、プロセスデータ/タイマ処理が実行される。これにより、SR4により設定されたプロセスデータに基づいて、最終停止図柄の停止に関するプロセスの制御が行なわれる。このプロセスの制御が行なわれることにより、予告図柄数が複数設定されている場合には、最終停止図柄の再変動がなされるとともに予告図柄の表示を順次取消す表示が画像表示部5でなされる。プロセスデータ/タイマ処理の処理内容については、図20を用いて後述する。次に、SR4に進み、プロセスデータ/タイマ処理により実行されている特別図柄の停止に関するプロセスが終了したか否かの判断がなされる。具体的には、後述するSD5によりプロセス継続中のデータが設定されているか否かの判断を行ない、そのデータが設定されている場合に、プロセスが継続中であると判断する。
【0129】SR4によりプロセスが終了していないと判断された場合は、この最終停止図柄停止処理が終了する。この場合には、プロセスフラグのデータが更新されないので、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に最終停止図柄停止処理が繰返し実行される。一方、SR4によりプロセスが終了したと判断された場合は、SR5に進み、プロセスフラグのデータを特別図柄変動待ち処理を実行するためのデータに設定する処理がなされる。
【0130】次に、SR6に進み、前述した大当りフラグが設定されているか否かをチェックすることにより、大当りを発生させることが事前決定されているか否かの判断がなされる。大当りを発生させることが事前決定されていないと判断された場合には、処理が終了する。一方、大当りを発生させることが事前決定されていると判断された場合にはSR7に進み、プロセスフラグのデータを大当り処理を実行するためのデータに設定する処理がなされる。SR7によるプロセスフラグのデータの設定が行なわれた場合には、前述したSR5において設定されたプロセスフラグは無効となる。したがって、大当りを発生させることが事前決定されている場合には、大当り処理を実行するためのプロセスフラグのデータが設定されたことにより、次回の特別図柄プロセス処理の実行時に大当り処理が実行される。SR7の後、最終停止図柄停止処理が終了する。」
「【0145】図23および図24は、可変表示装置4の画像表示部5で行なわれる可変表示の内容を示す図である。図23および図24を参照して、図柄予告の表示手順1について時系列で説明する。
【0146】可変表示装置4に表示された左可変表示部5L、中可変表示部5C、右可変表示部5Rで特別図柄の一斉変動が開始された後、第1停止図柄(左図柄)、第2停止図柄(右図柄)の順に可変表示が終了して左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに所定の特別図柄が停止表示される。この時点で停止表示された図柄が同一の場合には、リーチが成立してリーチ表示状態となる。図23(a)に示す画像表示部5には、特別図柄「7」によってリーチが成立した状態が表示されている。なお、中可変表示部5C内に示された複数のラインは、その可変表示部でライン方向に複数種類の特別図柄がスクロールして可変表示がなされていることを示すものである。
【0147】リーチが成立すると、画像表示部5の中央に表示された人物キャラクタ500が中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補をいくつか(1~5個)予告する動作が表示される。これにより、画像表示部5には予告図柄501が表示される。図23(a)では、予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」が表示されている。
【0148】次に、リーチの成立から所定時間が経過すると、中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、図23(b)に示すように、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「A」が停止表示される。
【0149】その後、図23(c)の矢印で示すように、停止表示されたハズレ図柄と同一の予告図柄「A」が画像表示領域外に移動する表示がなされ、その予告図柄が消去される。そして、予告図柄が消去されるのと同時に、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始される。第3停止図柄(最終停止図柄)の候補として表示された4つの予告図柄のうち、ハズレ図柄の1つが取消されることで、遊技者の大当りに対する期待感が高められる。また、予告図柄が消去される表示がなされたタイミングで再変動が開始されるために、予告が取消されたことおよび予告が取消されたことに起因して再変動が開始されことを遊技者が容易に理解できる。
【0150】次に、所定時間が経過すると、中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、図23(d)に示すように、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「Q」が停止表示される。その後、図23(e)の矢印で示すように、停止表示されたハズレ図柄と同一の予告図柄「Q」が画像表示領域外に移動する表示がなされ、その予告図柄が消去される。そして、予告図柄が消去されるのと同時に、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始される。このようにして、第3停止図柄(最終停止図柄)の候補として表示された予告図柄のうち、ハズレ図柄が順次取消される表示が繰返し行なわれる(図23(f)、図23(g))。このように、複数種類の予告図柄のうちハズレ図柄が優先的に導出表示され、ハズレ図柄が導出表示される毎にハズレ図柄に対応する予告図柄が順次消去されていくために、再変動が繰返し行わてることで予告図柄として大当り図柄のみが残るようになり、大当りとなる確率が除々に高まるような印象を遊技者に与えることができ、これにより、遊技者の期待感を段階的に高めていくことができる。
【0151】やがて、図23(g)に示すように残された予告図柄が大当り図柄「7」のみとなり、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始される。その後、図23(h)に示すように残された予告図柄と同一の大当り図柄「7」が中可変表示部5に停止して、表示結果が確定する。」
「【図23】
[図:0001383964000001.jpg]
」

2.引用発明

したがって、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(分節のために記号アからオを付した。)。

「ア 始動入賞があったと判断された場合は(【0100】)、入賞記憶用バンクに格納されたC_HITの抽出値が、大当り判定値と一致するか否かを判断し、一致する場合に大当りを発生させることを事前決定し(【0103】)、大当りを発生させると判断された場合は、大当りフラグを設定する処理がなされ(【0105】)、
イ 入賞記憶用バンクに格納されたC_KHITの抽出値に基づいて大当り発生時における特別図柄の停止図柄を設定する処理がなされ(【0106】)、設定された予告図柄数判定値に応じた予告図柄数決定用テーブルが参照されて、すでに抽出されているC_YOKの値に基づいた予告図柄数が設定され(【0115】)、ハズレリーチとすることが決定されている場合には予告図柄数=0の決定率は5/50であり(【0077】)、可変表示結果を大当りとすることが決定されているが全ての予告図柄を大当り図柄にしない場合であって、かつ、予告図柄数が複数に設定されている場合には、予告図柄の1つが大当り図柄に設定され、残りの予告図柄がハズレ図柄に設定され(【0118】)、
ウ 変動中の状態の特別図柄を左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)の順に停止させ(【0120】、【0123】)、予告図柄数が複数設定されている場合には、最終停止図柄の再変動がなされるとともに予告図柄の表示を順次取消す表示が画像表示部5でなされ(【0128】)、プロセスが終了したと判断された場合は(【0129】)、最終停止図柄停止処理を終了する(【0130】)遊技制御を実行する基本回路45(【0088】)を備え、
エ 可変表示装置4に表示された左可変表示部5L、中可変表示部5C、右可変表示部5Rで特別図柄の一斉変動が開始された後、第1停止図柄(左図柄)、第2停止図柄(右図柄)の順に可変表示が終了して左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに特別図柄「7」が停止表示されてリーチが成立した状態が表示され(【0146】)、リーチが成立すると、画像表示部5の中央に表示された人物キャラクタ500が中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補を予告する動作が表示され、予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」が表示され(【0147】)、リーチの成立から所定時間が経過すると、中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「A」が停止表示され(【0148】)、その後、停止表示されたハズレ図柄と同一の予告図柄「A」が画像表示領域外に移動する表示がなされ、その予告図柄が消去されるのと同時に、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始され(【0149】)、次に、所定時間が経過すると、中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「Q」が停止表示され、停止表示されたハズレ図柄と同一の予告図柄「Q」が画像表示領域外に移動する表示がなされ、その予告図柄が消去されるのと同時に、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始され、このようにして、第3停止図柄(最終停止図柄)の候補として表示された予告図柄のうち、ハズレ図柄が順次取消される表示が繰返し行なわれ(【0150】)、やがて、残された予告図柄が大当り図柄「7」のみとなり、中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始され、残された予告図柄と同一の大当り図柄「7」が中可変表示部5に停止して、表示結果が確定する(【0151】)可変表示が行われる(【0145】)
オ パチンコ遊技機1(【0020】)。」

第5 対比・判断

1.対比

本願発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

(1)構成Aについて

引用発明の構成アの「始動入賞があったと判断された場合は、入賞記憶用バンクに格納されたC_HITの抽出値が、大当り判定値と一致するか否かを判断」することは、それぞれ本願発明の構成Aの「始動条件の成立により、遊技者に遊技利益を付与するか否かの判定を行う」ことに相当する。

そして、引用発明の構成アに係る制御は、構成ウより、「基本回路45」によって「実行」されることから、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Aの「判定手段」に相当する機能を有する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Aに相当する構成を備える。

(2)構成Bについて

引用発明の構成エの「大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」」は、「中可変表示部5C」に「停止表示」することから、本願発明の構成Bの「複数種類の演出図柄」に相当し、引用発明の構成エの「可変表示装置4に表示された左可変表示部5L、中可変表示部5C、右可変表示部5R」は、本願発明の構成Bの「1または複数の図柄配列」に相当する。また、引用発明の構成エの「大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」」が「停止表示」する位置は、本願発明の構成Bの「所定の停止位置」に相当する。

引用発明の構成イの「入賞記憶用バンクに格納されたC_KHITの抽出値に基づいて大当り発生時における特別図柄の停止図柄を設定する処理がなされ」ることは、本願発明の構成Bの「所定の停止位置に停止表示させる演出図柄」を「前記判定の結果に基づいて決定する」ことに相当する。

引用発明の「予告図柄の1つが大当り図柄に設定され、残りの予告図柄がハズレ図柄に設定され」(構成イ)、「変動中の状態の特別図柄を左図柄(第1停止図柄)、右図柄(第2停止図柄)の順に停止させ、」「最終停止図柄の再変動がなされるとともに予告図柄の表示を順次取消す表示が画像表示部5でなされ、プロセスが終了したと判断された場合は、最終停止図柄停止処理を終了する」(構成ウ)と決定することは、本願発明の構成Bの「前記停止位置における前記演出図柄の仮停止表示および可変表示の少なくとも一方とを含む、前記演出図柄の停止表示前の変動表示態様を、前記判定の結果に基づいて決定する」ことに相当する。

そして、引用発明の構成イ、ウに係る制御は、「基本回路45」によって「実行」されることから、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Bの「演出図柄決定手段」に相当する機能を有する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Bに相当する構成を備える。

(3)構成Cについて

上記(2)より、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Bの「演出図柄決定手段」に相当し、引用発明の構成エに係る「可変表示」の制御は、構成イ、ウを踏まえると、「基本回路45」が「実行」を決定したものであることは明らかである。

引用発明の構成エの「特別図柄の一斉変動が開始された後、第1停止図柄(左図柄)、第2停止図柄(右図柄)の順に可変表示が終了して左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに特別図柄「7」が停止表示されてリーチが成立した状態が表示され」、「中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「A」が停止表示され、」「中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始され、次に、所定時間が経過すると、中可変表示部5Cにおける可変表示が終了して、予告図柄のうちの1つのハズレ図柄「Q」が停止表示され、」「中可変表示部5Cで特別図柄の再変動が開始され」、「やがて、」「大当り図柄「7」が中可変表示部5に停止」することは、本願発明の構成Cの「変動表示態様で前記演出図柄を表示した後に、いずれかの演出図柄を前記停止位置に停止表示させる」ことに相当する。

そして、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Cの「演出図柄表示手段」に相当する機能を有する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Cに相当する構成を備える。

(4)構成Dについて

引用発明の構成エの「画像表示部5の中央に表示された人物キャラクタ500が中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補を予告する」際に「表示」される「予告図柄501」は、本願発明の構成Dの「前記停止位置に仮停止表示または停止表示される前記演出図柄を示唆する示唆演出」に相当する。

引用発明の構成イの「設定された予告図柄数判定値に応じた予告図柄数決定用テーブルが参照されて、すでに抽出されているC_YOKの値に基づいた予告図柄数が設定され、ハズレリーチとすることが決定されている場合には予告図柄数=0の決定率は5/50であり、可変表示結果を大当りとすることが決定されているが全ての予告図柄を大当り図柄にしない場合であって、かつ、予告図柄数が複数に設定されている場合には、予告図柄の1つが大当り図柄に設定され、残りの予告図柄がハズレ図柄に設定され」ることは、本願発明の構成Dの「示唆演出の実行有無を決定する」ことに相当する。

引用発明の構成イ、エに係る制御は、上記(2)で説示したとおり、「基本回路45」が「実行」を決定することは明らかであることから、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Dの「示唆演出決定手段」に相当する機能を有する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Dに相当する構成を備える。

(5)構成Eについて

引用発明の構成イの「設定された予告図柄数判定値に応じた予告図柄数決定用テーブルが参照されて、すでに抽出されているC_YOKの値に基づいた予告図柄数が設定され、」「可変表示結果を大当りとすることが決定されているが全ての予告図柄を大当り図柄にしない場合であって、かつ、予告図柄数が複数に設定されている場合には、予告図柄の1つが大当り図柄に設定され、残りの予告図柄がハズレ図柄に設定され」ることは、本願発明の構成Eの「前記示唆演出の実行が決定された場合」に相当する。

引用発明の構成エの「画像表示部5の中央に表示された人物キャラクタ500が中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補を予告する動作」として「予告図柄501」を「表示」することは、本願発明の構成Eの「前記示唆演出を、前記演出図柄の仮停止表示前または停止表示前に実行する」ことに相当する。

引用発明の構成エの「可変表示」は、上記(2)で説示したとおり、「基本回路45」が「実行」することは明らかであることから、引用発明の「基本回路45」は、本願発明の構成Eの「示唆演出実行手段」に相当する機能を有する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Eに相当する構成を備える。

(6)構成Fについて

引用発明の構成エの「左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに特別図柄「7」が停止表示されてリーチが成立した状態が表示され」ることは、本願発明の構成Fの「リーチ態様による前記演出図柄の仮停止表示または停止表示」に相当する。

上記(4)で説示したとおり、引用発明の構成エの「画像表示部5の中央に表示された人物キャラクタ500が中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補を予告する」の際に「表示」される「予告図柄501」は、本願発明の構成Fの「前記示唆演出」に相当する。そして、引用発明の構成エは、「予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」が表示され」た状態から、「中可変表示部5Cに」「停止表示」した「ハズレ図柄が順次取消され」、「やがて、残された予告図柄が大当り図柄「7」のみとな」ることから、引用発明の構成エの「可変表示」中に、「予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」、「A」が表示され」ること、「予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄「Q」、「F」」「が表示され」ること、「予告図柄501として、大当り図柄「7」、ハズレ図柄」「「F」」「が表示され」ること、「予告図柄501として、大当り図柄「7」」「が表示され」ることは、本願発明の構成Fの「前記示唆演出」「が所定期間内に複数回繰り返し実行される」ことに相当する。

してみると、引用発明は、本願発明の構成Fと、「前記示唆演出」「が所定期間内に複数回繰り返し実行される」点で共通する。

(7)構成Gについて

引用発明の構成オの「パチンコ遊技機1」は、本願発明の構成Gの「遊技機」に相当する。

したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)

「A 始動条件の成立により、遊技者に遊技利益を付与するか否かの判定を行う判定手段と、
B 複数種類の演出図柄を含む1または複数の図柄配列について、所定の停止位置に停止表示させる演出図柄と、前記停止位置における前記演出図柄の仮停止表示および可変表示の少なくとも一方とを含む、前記演出図柄の停止表示前の変動表示態様を、前記判定の結果に基づいて決定する演出図柄決定手段と、
C 前記演出図柄決定手段が決定した変動表示態様で前記演出図柄を表示した後に、いずれかの演出図柄を前記停止位置に停止表示させる演出図柄表示手段と、
D 前記停止位置に仮停止表示または停止表示される前記演出図柄を示唆する示唆演出の実行有無を決定する示唆演出決定手段と、
E 前記示唆演出の実行が決定された場合に、前記示唆演出を、前記演出図柄の仮停止表示前または停止表示前に実行する示唆演出実行手段と、
を備え、
F’前記示唆演出が所定期間内に複数回繰り返し実行される
G 遊技機。」

(相違点)

・相違点1(構成F)

本願発明は、「リーチ態様による前記演出図柄の仮停止表示または停止表示」も「所定期間内に複数回繰り返し実行され」、「先の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類と、後の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類が異なる」のに対し、引用発明は、「左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに特別図柄」「が停止表示されてリーチが成立した状態」となるのは1回のみであって、「左可変表示部5Lおよび右可変表示部5R」の「特別図柄の再変動」は行われず、「停止表示され」る「特別図柄」は「7」から変更されない点。

2.相違点についての判断

引用発明は、「左可変表示部5Lおよび右可変表示部5Rに特別図柄」「が停止表示されてリーチが成立した状態」となると、それ以降は「左可変表示部5Lおよび右可変表示部5R」の「特別図柄の再変動」は行われないことから、本願発明のように、「先の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類と、後の仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類が異なる」ものではなく、そのように構成することが当業者にとって容易に想到し得たとは認められない。そして、引用発明の「予告図柄501」は、「中可変表示部5Cに停止表示される第3停止図柄(最終停止図柄)の候補を予告する」ものであって、本願発明のように、「仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類」を「示唆する」ものではなく、そのように構成することが当業者にとって容易に想到し得たとは認められない。

また、本願発明の「リーチ態様による前記演出図柄の仮停止表示または停止表示と、前記示唆演出とが所定期間内に複数回繰り返し実行される際」に、「前記示唆演出」が、「仮停止表示または停止表示で表示する前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類」を「示唆する」という点が、本願出願前において技術常識や周知技術であったとも認められない。

本願発明は、上記相違点1に係る本願発明の構成を備えることにより、「演出効果を向上して遊技の興趣を向上することができる。」(【0010】)、「通常は、偶数の数字が記された演出図柄がリーチ態様で表示されると遊技者の遊技意欲が減退する傾向にある。しかしながら、示唆表示が実行される際には、先読み演出が続くほど演出図柄が減っていくので、仮に偶数図柄がリーチ態様で表示されたとしても、遊技者の遊技意欲が減退することを防止することができる。」(【0417】)という格別の効果を奏するものである。

してみると、技術常識や周知技術を参酌しても、引用発明に基いて、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとは認められない。

したがって、本願発明は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について

審判請求時の補正により、本願発明は、「先の」及び「後の仮停止表示または停止表示で表示する」「前記演出図柄の種類」が、「前記リーチ態様を成立させる前記演出図柄の種類」と特定されており、拒絶査定において引用された引用文献1には記載されておらず、前記第5の2.で説示したとおり、当業者であっても引用文献1に基いて、容易に発明できたものとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-012394

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