特許拒絶査定不服審判
2021-011921
端末、無線通信方法、基地局及びシステム
- 審判番号
- 2021-011921
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-517066
- 請求日
- 2021年09月08日
- 審決日
- 2022年06月07日
- 公報発行日
- 2022年08月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社NTTドコモ
- 【請求人代理人】青木 宏義
- 【請求人代理人】天田 昌行
- 【請求人代理人】守屋 芳隆
- 審判長/審判官
- 審判長 廣川 浩
- 審判官 圓道 浩史
- 審判官 國分 直樹
- 分類
- P18 .55 -WY (H04W) / P18 .56 -WY (H04W) / P18 .121-WY (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-517066「端末、無線通信方法、基地局及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月16日国際公開、WO2017/195848、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)5月11日(優先権主張 2016年5月12日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 2月18日 手続補正書の提出
令和 3年 3月 8日付け 拒絶理由通知書
令和 3年 5月11日 手続補正書、意見書の提出
令和 3年 6月 7日付け 拒絶査定
令和 3年 9月 8日 審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年12月 7日 上申書の提出
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年9月8日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含むものであるところ、本件補正前の特許請求の範囲及び本件補正後の特許請求の範囲の記載は、それぞれ以下のとおりである。
(1)本件補正前の特許請求の範囲(令和3年5月11日の手続補正による特許請求の範囲)
「 【請求項1】
上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始することを特徴とする端末。
【請求項2】
上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信するステップと、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御するステップと、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止するステップと、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始するステップと、をさらに有することを特徴する端末の無線通信方法。
【請求項3】
端末に対して、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を送信する送信部と、
前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記制御部は、前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて中止するよう制御し、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて開始するよう制御することを特徴とする基地局。
【請求項4】
端末と基地局とを有するシステムであって、
前記端末は、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始し、
前記基地局は、前記端末に対して、前記上位レイヤシグナリングにより前記構成情報を送信する送信部と、
前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される前記第1の情報に基づいて中止するよう制御し、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される前記第2の情報に基づいて開始するよう制御し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むことを特徴とするシステム。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲(下線は補正箇所を示す。)
「 【請求項1】
上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始し、
前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、送信を開始するための前記第2の情報と、を判断することを特徴とする端末。
【請求項2】
上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信するステップと、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御するステップと、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止するステップと、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始するステップと、
前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を判断するステップと、をさらに有することを特徴する端末の無線通信方法。
【請求項3】
端末に対して、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を送信する送信部と、
前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、
前記制御部は、前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて中止するよう制御し、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて開始するよう制御し、
前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を前記端末が判断するための前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を、前記DL制御チャネルに含むよう制御することを特徴とする基地局。
【請求項4】
端末と基地局とを有するシステムであって、
前記端末は、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むDL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始し、
前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、送信を開始するための前記第2の情報と、を判断し、
前記基地局は、前記端末に対して、前記上位レイヤシグナリングにより前記構成情報を送信する送信部と、
前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される前記第1の情報に基づいて中止するよう制御し、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される前記第2の情報に基づいて開始するよう制御し、
前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を前記端末が判断するための前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を、前記DL制御チャネルに含むよう制御することを特徴とするシステム。」
また、本件補正は、明細書の段落【0012】の補正を含むものであるところ、本件補正前の段落【0012】及び本件補正後の段落【0012】の記載は、それぞれ以下のとおりである。
(3)本件補正前の段落【0012】(令和3年5月11日の手続補正による特許請求の範囲)
「【0012】
本発明の一態様に係る端末は、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始することを特徴とする。」
(4)本件補正後の段落【0012】(下線は補正箇所を示す。)
「【0012】
本発明の一態様に係る端末は、上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始し、前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、送信を開始するための前記第2の情報と、を判断することを特徴とする。」
2 本件補正の適否の判断
(1)請求項2の補正について
本件補正のうち、特許請求の範囲の請求項2についての補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてされたものであるかについて、まず検討する。
本件補正は、本件補正前の請求項2に記載された「端末の無線通信方法」について、「前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を判断するステップ」をさらに有するとの発明特定事項を付加するものである。
当該発明特定事項の補正根拠について、請求人は、審判請求書の(3)(b)において、明細書の段落【0035】、及び【0091】ないし【0094】を挙げるとともに、上申書の「1.」(2)において、明細書の段落【0035】、【0084】、及び【0091】を挙げている。
そこで、当初明細書等の段落【0035】、【0084】、及び【0091】ないし【0094】、並びに関連する【0085】及び【0089】の記載を参酌すると、以下の記載がある(下線は当審で付加した。)。
ア 「【0035】
また、ULデータの制御情報は、例えば、ULデータを送信するユーザ端末の識別情報(例えば、C-RNTI、S-TMSIなど)、当該ULデータに関する情報(例えば、ULデータのデータ量(BSR:Buffer Status Report)、変調方式、トランスポートブロックサイズ(TBS)、符号化率など)、当該ユーザ端末の能力に関する情報、当該ULデータの送信リソースに関する情報(例えば、時間及び周波数リソースのインデックスやオフセットなど)、当該ULデータの再送制御に関する情報(例えば、HARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)、冗長バージョン(RV:Redundancy Version)、新規データ識別子(NDI:New Data Indicator)など)、当該ULデータの繰り返しに関する情報(例えば、繰り返し回数、ホッピングパターン、ホッピングの適用有無)の少なくとも一つを含んでもよい。」
イ 「【0084】
例えば、図8では、1ビットのオフ情報が、下位レイヤシグナリング(DL制御チャネル、L1/L2制御チャネル)によりシグナリングされる、リソースグループ固有の下り制御情報(DCI)に含まれるものとする。ユーザ端末は、上記DLタイミングで、衝突型リソース領域が属するリソースグループの識別情報(RNTI)でマスクされたオフ情報の検出処理(例えば、ブラインド復号など)を行う。
【0085】
図8において、ユーザ端末は、上記DLタイミングで上記オフ情報を検出する場合、直後の衝突型リソース領域が使用できないと判断し、当該衝突型リソース領域を用いた衝突型UL送信を中止する。一方、ユーザ端末は、上記DLタイミングで上記オフ情報を検出しない場合、直後の衝突型リソース領域が使用可能であると判断し、当該衝突型リソース領域を用いた衝突型UL送信を開始する。」
ウ 「【0089】
オン情報がシグナリングされるDLタイミングは、予め定められてもよいし、上位レイヤシグナリング又はシステム情報により設定されてもよい。また、オン情報のシグナリングには、下位レイヤシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング、L1/L2制御チャネル、DL制御チャネル)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング)、ブロードキャスト(例えば、SIB、MIBなどのシステム情報)の少なくとも一つを用いることができる。」
エ 「【0091】
また、オン情報には、オン状態とする衝突型リソース領域における衝突型UL送信の制御情報が含まれてもよい。当該制御情報は、例えば、変調方式、符号化率、トランスポートブロックサイズ、繰り返し数、衝突型リソース領域の無線パラメータ(例えば、サブキャリア間隔、CP長、フレーム構成など、ニューメロロジーともいう)などULグラントに含まれる情報の少なくとも一つを示してもよい。また、第1の態様で述べた衝突型リソース領域を、切り替えるための制御情報を含んでいても良い。ユーザ端末は、当該制御情報に基づいて、衝突型リソース領域におけるULデータの送信を制御する。
【0092】
例えば、図9では、オン情報が、変調方式及び符号化率を示すMCS(Modulation and Coding Scheme)インデックスとともに、リソースグループ固有の下り制御情報(DCI)に含まれるものとする。
【0093】
図9において、ユーザ端末は、上記DLタイミングで、リソースグループの識別情報(RNTI)でマスクされた上記DCIを検出すると、DCIに含まれるオン情報に基づいて、衝突型リソース領域における衝突型UL送信を開始する。また、ユーザ端末は、DCIに含まれるMCSインデックスに基づいて、ULデータに適用する変調方式、符号化率、トランスポートブロックサイズを決定してもよい。
【0094】
図9に示すように、上位レイヤシグナリング又はシステム情報により設定された衝突型リソース領域のオン/オフ制御を、下位レイヤシグナリングを用いて動的に行う場合、非衝突型送信のトラヒック量に応じて、衝突型リソース領域を非衝突型送信に柔軟に利用可能とすることができる。また、オン情報に衝突型UL送信の制御情報を加える場合、衝突型リソース領域におけるULデータの送信をより適切に制御できる。」
上記アないしエの記載に基づいて、以下のことがいえる。
(ア) 上記「イ」の段落【0085】、及び上記「エ」の段落【0093】の記載によれば、当初明細書等に記載された「オフ情報」及び「オン情報」は、本件補正後の請求項2に記載された「前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報」及び「前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報」にそれぞれ含まれる。
しかしながら、上記「ア」ないし「エ」には、DL制御チャネルに含まれるHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記オフ情報と、前記オン情報と、を判断することは記載されていない。
(イ) また、上記「エ」の段落【0091】の、「オン情報には、オン状態とする衝突型リソース領域における衝突型UL送信の制御情報が含まれてもよい。」という記載は、関連する同「エ」の段落【0092】ないし【0094】の記載を考慮すると、変調方式及び符号化率を示すMCSインデックスのような「制御情報」を、オン情報とともに、あるいはオン情報に加えて伝送してもよいことを意味すると解される。
そして、上記「ア」に、ULデータの制御情報はHARQプロセス番号、冗長バージョンを含んでもよいことが記載されていることを参酌すれば、上記「ア」ないし「エ」には、「制御情報」である前記段落【0091】の「衝突型UL送信の制御情報」にHARQプロセス番号、冗長バージョンに関する情報が含まれることまでは記載されているといえるが、上述したように、「制御情報」は、単に、オン情報とともに、あるいはオン情報に加えて伝送される情報として記載されており、「制御情報」がオン情報を判断するための情報である点は何ら記載されていない。すなわち、上記「ア」ないし「エ」には、制御情報に含まれるHARQプロセス番号、冗長バージョンに関する情報に基づいて、オン情報を判断することは記載されていない。また、当該HARQプロセス番号、冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記オフ情報を判断することについても同様である。
(ウ) さらに、上記「ア」ないし「エ」以外の当初明細書等の記載をみても、「前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を判断するステップ」は記載されていない。
したがって、本件補正のうち、請求項2についての補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものでない。
(2)請求項1、及び4の補正、並びに明細書の段落【0012】の補正について
本件補正のうち、特許請求の範囲の請求項1についての補正、及び同請求項4についての補正、並びに明細書の段落【0012】についての補正は、いずれも、「前記DL制御チャネルに含まれる前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、送信を開始するための前記第2の情報と、を判断」するとの発明特定事項を付加するものであるから、上記(1)と同様の理由により、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものでない。
(3)請求項3の補正について
本件補正前の請求項3には、「前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み、前記制御部は、前記端末に対して、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて中止するよう制御し、前記リソースにおける前記ULデータの送信を、前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて開始するよう制御」するとの発明特定事項が含まれていた。
そして、本件補正は、特許請求の範囲の請求項3について、「前記ULデータの送信を中止するための前記第1の情報と、前記ULデータの送信を開始するための前記第2の情報と、を前記端末が判断するための前記HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を、前記DL制御チャネルに含むよう制御」するとの発明特定事項を付加するものである。
そこで検討すると、本件補正により付加される発明特定事項は、「前記DL制御チャネル」が「HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報」以外に「前記第1の情報」と「前記第2の情報」とを端末が判断するための情報を含まないよう基地局が制御するとともに、前記「HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報」を、「前記第1の情報」と「前記第2の情報」とを判断するための情報として処理するよう基地局が端末に対して制御する、という技術的事項を導入するものといえる。
そうすると、本件補正のうち、特許請求の範囲の請求項3についての補正は、上記(1)と同様の理由により、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものでない。
(4)本件補正の適否の判断のまとめ
上記(1)ないし(3)で検討したとおり、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件に違反する。
(5)請求人の主張について
請求人は、令和3年12月7日に提出した上申書において、以下のように主張している。
「つまり、本願明細書には、「上位レイヤシグナリングにより構成される、ULデータ送信用のリソースにおけるULデータの送信をオン状態とする(開始するための)制御情報」(段落【0091】)について記載されていることは明らかであるものと思料いたします。また、当該制御情報には、「HARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)、冗長バージョン(RV:Redundancy Version)」に関する情報が含まれること(段落【0035】)が記載されており、端末が、(HARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)及び冗長バージョン(RV:Redundancy Version)に関する情報を含む)当該制御情報に基づいて、ULデータ送信用のリソースにおけるULデータの送信を制御する(段落【0091】)ことが記載されていることは明らかであるものと思料いたします。」
「つまり、本願明細書には、「DCIにオフ情報が含まれる」ことは記載されているため、本願明細書の段落【0035】及び【0091】の記載も考慮すると、上記の「オン情報」と同様に「オフ情報」につきましても、端末が、DL制御チャネル(に含まれる、HARQプロセス番号(HPN:HARQ Process Number)及び冗長バージョン(RV:Redundancy Version)に関する情報を含むDCI)に基づいて、ULデータ送信用のリソースにおけるULデータの送信を制御する、ことが記載されていることは明らかであるものと思料いたします。」
しかしながら、請求人が主張するように、上記「エ」の段落【0091】の「衝突型UL送信の制御情報」が、上記「ア」の段落【0035】に記載された「HARQプロセス番号」、「冗長バージョン」を含むとしても、上記「ア」ないし「エ」を含む当初明細書等の記載が、当該HARQプロセス番号、冗長バージョンに関する情報に基づいて、前記オン情報と、前記オフ情報と、を判断することを意味するといえないことは、上記(1)で説示したとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明
本件補正は、上記「第2 補正の却下の決定」のとおり、却下された。
したがって、本願の請求項1ないし4に係る発明は、令和3年5月11日の手続補正による特許請求の範囲(前記「第2 補正の却下の決定」の[補正の却下の決定の理由]の「1 本件補正の内容」の(1)を参照。)の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものである。
第4 原査定の理由について
1 原査定の概要
原査定(令和3年6月7日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1ないし4に対して、引用文献1及び3、又は引用文献2及び3
<引用文献等一覧>
1.特表2016-500940号公報
2.特表2013-516921号公報
3.3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Multiplexing and channel coding (Release 13),3GPP TS 36.212,3GPP,2016年 1月 6日,V13.0.0,pp.92-113(周知技術を示す文献)
2 当審の判断
(1)引用文献の記載事項及び引用発明
ア 引用文献1について
原査定の拒絶理由で引用された、特表2016-500940号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。)
「【0081】
セミパーシステントスケジューリング(SPS)は、WTRUが、周期的なDLまたはULリソースが割り振られることが、PDCCHによる、DLの明示的なスケジューリング、またはULリソースのグラントなしで行われ得る、手順であり得る。SPSに対する典型的な使用は、サービス、例えるならボイスオーバインターネットプロトコル(VOIP)である。SPS構成は、WTRUにRRCシグナリングによって、例えば専用化されたリソース構成の部分として送信され得る。SPSがアクティブ化される正確なサブフレームは、DLグラントによりPDCCHによって提供され得るものであり、SPS セル-RNTI(C-RNTI)によってマスクされ得るものであり、そのC-RNTIは、RRC構成メッセージで指定され得るものである。SPS構成の解放もまた、ネットワークによりPDCCHシグナリングによってシグナリングされ得る。加えて、送信するデータが、SPSに基づく割り振りに対して、ある数のサブフレームに対して存在しなかった場合に、UL SPSに対してWTRUは、SPS構成を暗黙に解放することが可能である。」
引用文献1の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「 RRCシグナリングによりSPS構成を受信するWTRUであって、
SPSはWTRUが周期的なULリソースが割り振られる手順であり、
SPS構成の解放は、PDCCHシグナリングによってシグナリングされ、加えて、送信するデータが、SPSに基づく割り振りに対して、ある数のサブフレームに対して存在しなかった場合に、UL SPSに対してWTRUは、SPS構成を暗黙に解放することが可能であり、
SPSがアクティブ化されるサブフレームは、PDCCHによって提供されるWTRU。」
イ 引用文献2について
原査定の拒絶理由で引用された、特表2013-516921号公報(以下、「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。(下線は当審で付した。)
「【0147】
一実施形態では、WTRU102は、CSI報告の送信のためだけの、少なくとも1つのアップリンクリソースの割り当てによって構成され得る。たとえば、RRCのような上位層は、半永続的なアップリンクグラント(semi-persistent uplink grant)(以下、SPS-CSIグラント)を介して、リソースの割り当てを構成することができる。たとえば、WTRU102は、リソースがCSIの送信に対して周期的に利用可能になり得るように、PUSCH送信のための専用のリソースを割り当てられ得る。たとえば、WTRU102は、WTRU102がCSI情報のPUSCHによる送信を実行するのに、PDCCHを用いた動的なスケジューリングが不要であってもよいように、PUSCH送信のための専用のリソースを割り当てられ得る。
【0148】
WTRU102は、少なくとも1つのサービング・セルに対するSPS-CSIグラントにより構成されてもよい。たとえば、構成されたSPS-CSIグラントは、主要セル(Pcell)での送信に適用可能であってよい。たとえば、構成されたSPS-CSIグラントは、構成された二次的なセル(Scell)での送信に適用可能であってよい。ある実施形態では、WTRU102は、たとえば、同じサービング・セル上で(たとえばPcell上で)、Pcellおよび1つもしくは複数のSCell上で、または複数のSCell上で、複数のSPS-CSIグラントにより構成され得る。たとえば、WTRU102は、PcellのPUSCH上の1つまたは複数のリソースブロック(RB)を用いた、周期的に再発生するアップリンク送信リソースを付与され得る。CSI報告に対する期間は、CSI送信のための構成されたグラントの複数の期間と等しくてよく、またはその複数の期間であってよい。WTRU102が有効なSPS-CSIグラントを有し、CSI報告が送信されるべきであるサブフレームでは、WTRU102は、SPS-CSIグラントに基づいてCSI報告を送信することができる。
【0149】
ある実施形態では、WTRU102は、非連続受信(DRX:discontinuous reception)のアクティブ時間の間に、サブフレームに対するCSI報告を送信することができる。DRXは、WTRU102が非連続的にPDCCHを監視できるようにし得る機能または動作モードである。たとえば、DRXが構成されると、WTRU102は、DRXのアクティブ時間の間、PDCCHを監視することができる。WTRU102は、SPS-CSIグラントで規定されるサービング・セルに対する他の動的なグラントおよび/または割り当てに関してWTRU102がPDCCHを監視し得るサブフレームに対するCSI報告を送信することができる。ある実施形態では、WTRU102は、DRXのアクティブ時間に対応し得ないサブフレームに関するCSIを送信することができない。たとえば、DRXが構成され、WTRU102がDRXのアクティブ時間にはない場合、WTRU102はSRSを送信できず、PUCCHでCQI/PMI/RIを報告できない。
【0150】
WTRU102は、RRCのようなレイヤ3のシグナリングによって、SPS-CSIグラントの構成を受信することができる。WTRU102は、グラントが受信されるとすぐに、または所定の遅延の後に、または、SPS-CSIグラントおよび/もしくはCSI報告を有効にし得る次の制御シグナリングが受信された後に、CSIに対して構成されたグラントの利用を開始することができる。たとえば、WTRU102は、WTRU102が周期的なCSI報告のための有効な構成を有する場合、構成されたSPS-CSIグラントを用いることができる。たとえば、WTRU102は、SPS-CSIグラントがアクティベートされると、CSI報告がアクティベートされると、DRXが構成される場合にDRXのアクティブ時間内である場合に、かつ/または、アクティベートされたSCellが少なくとも1つある場合に、構成されたSPS-CSIグラントを用いることができる。
【0151】
WTRU102は、WTRU102が、レイヤ1のシグナリングの受信から得られたインジケーションに基づいて、構成されたSPS-CSIグラントを使用しまたはアクティベートすることができると決定することができる。たとえば、WTRU102は、特定のRNTIによりスクランブルされたDCIに基づいて、構成されたSPS-CSIグラントを使用しまたはアクティベートすることができる。たとえば、DCIの受信のタイミングが、有効であれば構成されたグラントが適用可能なサブフレームと一致する場合、WTRU102は、周期的なCSIがCSIのための構成されたグラントを用いて報告されるべきであるという明示的なインジケーションを含むDCIに基づいて、構成されたSPS-CSIグラントを使用しまたはアクティベートすることができる。たとえば、DCIで受信されるグラントに対応する送信のタイミングが、アクティベートであればCSI送信のための構成されたグラントが適用可能であるサブフレームと一致する場合、WTRU102は、DCIに基づいて、構成されたSPS-CSIグラントを使用しまたはアクティベートすることができる。ある実施形態では、前記DCIの中の非周期的なCSI要求ビットを用いて上記のインジケーションが搬送される。
【0152】
WTRU102は、レイヤ2のシグナリングの受信から得られる構成されたSPS-CSIグラントをWTRU102が使用しまたはアクティベートしてもよいと、決定することができる。たとえば、MAC制御要素を用いて、グラントがアクティベートされてもよいことを示すことができる。WTRU102は、アクティベーションの手順について説明された制御シグナリングと同様の、レイヤ1の制御シグナリングまたはレイヤ2の制御シグナリングの受信から得られる構成されたSPS-CSIグラントの使用をWTRU102が停止してもよい、たとえばそうしたSPS-CSIグラントを非アクティベートしてもよいと、決定することができる。」
引用文献2の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。
(ア) 上記段落【0147】の記載によれば、引用文献2には、CSI報告の送信のためだけの、アップリンクリソースの割り当てによって構成されるWTRUが記載されており、また、RRCは、半永続的なアップリンクグラント(SPS-CSIグラント)を介して、リソースの割り当てを構成することも記載されている。
(イ) 上記段落【0152】の記載によれば、引用文献2には、WTRUは、レイヤ1の制御シグナリングの受信から、SPS-CSIグラントの使用を停止してもよいと決定することが記載されている、といえる。
(ウ) 上記段落【0151】の記載によれば、引用文献2には、WTRUは、レイヤ1のシグナリングの受信から得られたインジケーションに基づいて、SPS-CSIグラントをアクティベートすることができると決定することが記載されている、といえる。
以上を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「 CSI報告の送信のためだけの、アップリンクリソースの割り当てによって構成されるWTRUであって、
RRCは、半永続的なアップリンクグラント(SPS-CSIグラント)を介してリソースの割り当てを構成し、
レイヤ1の制御シグナリングの受信から、SPS-CSIグラントの使用を停止してもよいと決定し、
レイヤ1のシグナリングの受信から得られたインジケーションに基づいて、SPS-CSIグラントをアクティベートすることができると決定するWTRU。」
ウ 引用文献3について
原査定の拒絶理由で引用された、3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Multiplexing and channel coding (Release 13),3GPP TS 36.212,3GPP,2016年 1月 6日,V13.0.0,pp.92-113(以下、「引用文献3」という。)には、以下の記載がある。(下線は当審で付した。)
(ア) 「5.3.3.1.1 Format 0
DCI format 0 is used for the scheduling of PUSCH in one UL cell.
The following information is transmitted by means of the DCI format 0:
- Carrier indicator -- 0 or 3 bits. This field is present according to the definitions in [3].
- Flag for format0/format1A differentiation - 1 bit, where value 0 indicates format 0 and value 1 indicates format 1A
- Frequency hopping flag -- 1 bit as defined in section 8.4 of [3]. This field is used as the MSB of the corresponding resource allocation field for resource allocation type 1.
- Resource block assignment and hopping resource allocation --
[図:0001387160000001.jpg]
bits
- For PUSCH hopping (resource allocation type 0 only):
- NUL_hop MSB bits are used to obtain the value of
[図:0001387160000002.jpg]
as indicated in section 8.4 of [3]
-
[図:0001387160000003.jpg]
bits provide the resource allocation of the first slot in the UL subframe
- For non-hopping PUSCH with resource allocation type 0:
-
[図:0001387160000004.jpg]
bits provide the resource allocation in the UL subframe as defined in section 8.1.1 of [3]
- For non-hopping PUSCH with resource allocation type 1:
- The concatenation of the frequency hopping flag field and the resource block assignment and hopping resource allocation field provides the resource allocation field in the UL subframe as defined in section 8.1.2 of [3]
- Modulation and coding scheme and redundancy version -- 5 bits as defined in section 8.6 of [3]
- New data indicator -- 1 bit
- TPC command for scheduled PUSCH -- 2 bits as defined in section 5.1.1.1 of [3]
- Cyclic shift for DM RS and OCC index -- 3 bits as defined in section 5.5.2.1.1 of [2]
- UL index -- 2 bits as defined in sections 5.1.1.1, 7.2.1, 8 and 8.4 of [3] (this field is present only for TDD operation with uplink-downlink configuration 0)
- Downlink Assignment Index (DAI) -- 2 bits as defined in section 7.3 of [3] (this field is present only for cases with TDD primary cell and either TDD operation with uplink-downlink configurations 1-6 or FDD operation)
- CSI request -- 1, 2 or 3 bits as defined in section 7.2.1 of [3]. The 2-bit field applies to UEs configured with no more than five DL cells and to
- UEs that are configured with more than one DL cell and when the corresponding DCI format is mapped onto the UE specific search space given by the C-RNTI as defined in [3];
- UEs that are configured by higher layers with more than one CSI process and when the corresponding DCI format is mapped onto the UE specific search space given by the C-RNTI as defined in [3];
- UEs that are configured with two CSI measurement sets by higher layers with the parameter csi-MeasSubframeSet, and when the corresponding DCI format is mapped onto the UE specific search space given by the C-RNTI as defined in [3];
the 3-bit field applies to UEs that are configured with more than five DL cells and when the corresponding DCI format is mapped onto the UE specific search space given by the C-RNTI as defined in [3];
otherwise the 1-bit field applies
- SRS request -- 0 or 1 bit. This field can only be present in DCI formats scheduling PUSCH which are mapped onto the UE specific search space given by the C-RNTI as defined in [3]. The interpretation of this field is provided in section 8.2 of [3]
- Resource allocation type -- 1 bit. This field is only present if
[図:0001387160000005.jpg]
. The interpretation of this field is provided in section 8.1 of [3]」(第92ページ第7行ないし第93ページ下から第14行)
(当審訳:5.3.3.1.1 フォーマット0
DCIフォーマット0は、1つのULセルにおけるPUSCHのスケジューリングのために使用される。
以下の情報はDCIフォーマット0の手法により伝送される:
・キャリア指示子 0または3ビット。このフィールドは文献[3]の定義に従い存在する。
・フォーマット0/フォーマット1Aを識別するためのフラグ 文献[3]の8.4節で定義されたとおり1ビット。このフィールドは、リソース割当タイプ1のための対応するリソース割当フィールドのMSBとして使用される。
・リソースブロック割当及びホッピングリソース割当
[図:0001387160000006.jpg]
ビット
・PUSCHホッピングのため(リソース割当タイプ0のみ):
・文献[3]の8.4節に示されたとおり、
[図:0001387160000007.jpg]
の値を取得するためにNUL_hop MSBが使用される。
・
[図:0001387160000008.jpg]
ビットが当該ULサブフレームの第1スロットにおけるリソース割当を提供する。
・リソース割当タイプ0のホッピングしないPUSCHのため:
・文献[3]の8.1.1節で定義されたとおり
[図:0001387160000009.jpg]
ビットが当該ULサブフレームのリソース割当を提供する。
・リソース割当タイプ1のホッピングしないPUSCHのため:
・文献[3]の8.1.2節で定義されたとおり、周波数ホッピングフラグ、リソースブロック割当、及びホッピングリソース割当フィールドの連結が、当該ULサブフレームのリソース割当フィールドを提供する。
・変調及びコーディングスキーム及び冗長バージョン 文献[3]の8.6節で定義されたとおり5ビット
・新データ指示子 1ビット
・スケジュールされたPUSCHのためのTPCコマンド 文献[3]の5.1.1.1節で定義されたとおり2ビット
・DMRSのための巡回シフト及びOCCインデックス 文献[2]の5.5.2.1.1節で定義されたとおり3ビット
・ULインデックス 文献[3]の5.1.1.1節、7.2.1節、8章、及び8.4節で定義されたとおり2ビット(このフィールドは上りリンク-下りリンク構成0を伴うTDD運用のためにのみ存在する。)
・下りリンク割当インデックス(DAI) 文献[3]の7.3節で定義されたとおり2ビット(このフィールドは、TDDプライマリセル、及び上りリンク-下りリンク構成1ないし6を伴うTDD運用、又はFDD運用を伴うケースのためにのみ存在する)
・CSI要求 文献[3]の7.2.1節で定義されたとおり1、2、又は3ビット。前記2ビットフィールドは、5以下のDLセルを伴い構成されたUE、及び以下のUEに適用される。
・2以上のDLセルを伴い構成され、かつ文献[3]で定義されたとおり、対応するDCIフォーマットが、C-RNTIにより与えられたUE固有サーチスペース上にマップされる場合のUE;
・2以上のCSIプロセスを伴い上位層により構成され、かつ文献[3]で定義されたとおり、対応するDCIフォーマットが、C-RNTIにより与えられたUE固有サーチスペース上にマップされる場合のUE;
・2つのCSI測定集合を伴い上位層によりパラメータcsi-MeasSubframeSetとともに構成され、かつ文献[3]で定義されたとおり、対応するDCIフォーマットが、C-RNTIにより与えられたUE固有サーチスペース上にマップされる場合のUE;
前記3ビットフィールドは、6以上のDLセルを伴い構成され、かつ文献[3]で定義されたとおり、対応するDCIフォーマットが、C-RNTIにより与えられたUE固有サーチスペース上にマップされる場合のUEに適用され;
そうでなければ、1ビットフィールドが適用される。
・SRS要求 0又は1ビット。このフィールドは、PUSCHをスケジューリングするDCIフォーマットにおいてのみ存在し得るものであり、当該DCIフォーマットは、文献[3]で定義されたとおり、C-RNTIにより与えられたUE固有サーチスペース上にマップされる。このフィールドの解釈は文献[3]の8.2節で提供されている。
・リソース割当タイプ 1ビット。このフィールドは
[図:0001387160000010.jpg]
の場合のみ存在する。このフィールドの解釈は文献[3]の8.1節で提供されている。)
(イ) 「5.3.3.1.2 Format 1
DCI format 1 is used for the scheduling of one PDSCH codeword in one cell.
The following information is transmitted by means of the DCI format 1:
- Carrier indicator -- 0 or 3 bits. This field is present according to the definitions in [3].
- Resource allocation header (resource allocation type 0 / type 1) -- 1 bit as defined in section 7.1.6 of [3]
If downlink bandwidth is less than or equal to 10 PRBs, there is no resource allocation header and resource allocation type 0 is assumed.
- Resource block assignment:
- For resource allocation type 0 as defined in section 7.1.6.1 of [3]:
-
[図:0001387160000011.jpg]
bits provide the resource allocation
- For resource allocation type 1 as defined in section 7.1.6.2 of [3]:
-
[図:0001387160000012.jpg]
bits of this field are used as a header specific to this resource allocation type to indicate the selected resource blocks subset
- 1 bit indicates a shift of the resource allocation span
-
[図:0001387160000013.jpg]
bits provide the resource allocation
where the value of P depends on the number of DL resource blocks as indicated in section 7.1.6.1 of [3]
- Modulation and coding scheme -- 5 bits as defined in section 7.1.7 of [3]
- HARQ process number -- 3 bits (for cases with FDD primary cell), 4 bits (for cases with TDD primary cell)
- New data indicator -- 1 bit
- Redundancy version -- 2 bits
- TPC command for PUCCH -- 2 bits as defined in section 5.1.2.1 of [3]
- Downlink Assignment Index -- number of bits as specified in Table 5.3.3.1.2-2.
- HARQ-ACK resource offset (this field is present when this format is carried by EPDCCH. This field is not present when this format is carried by PDCCH) -- 2 bits as defined in section 10.1 of [3]. The 2 bits are set to 0 when this format is carried by EPDCCH on a secondary cell, or when this format is carried by EPDCCH on the primary cell scheduling PDSCH on a secondary cell and the UE is configured with PUCCH format 3 for HARQ-ACK feedback.
」(第93ページ下から第10行ないし第94ページ下から第9行)
(当審訳:5.3.3.1.2 フォーマット1
DCIフォーマット1は、1つのセル内の1つのPDSCH符号語のスケジューリングのために使用される。
以下の情報はDCIフォーマット1の手法により伝送される:
・キャリア指示子 0又は3ビット。このフィールドは文献[3]の定義に従い存在する。
・リソース割当ヘッダ(リソース割当タイプ0/タイプ1) 文献[3]の7.1.6節で定義されたとおり1ビット。
下りリンク帯域幅が10PRB以下である場合、リソース割当ヘッダは存在せず、リソース割当タイプ0が仮定される。
・リソースブロック割当:
・リソース割当タイプ0に対して、文献[3]の7.1.6.1節に定義されたとおり:
・
[図:0001387160000014.jpg]
ビットがリソース割当を提供する。
・リソース割当タイプ1に対して、文献[3]の7.1.6.2節に定義されたとおり:
・このフィールドの
[図:0001387160000015.jpg]
ビットが、選択されたリソースブロックサブセットを示すために、このリソース割当タイプに特有のヘッダとして使用される。
・1ビットが、リソース割当範囲のシフトを示す。
・
[図:0001387160000016.jpg]
ビットがリソース割当を提供する。
ここで、文献[3]の7.1.6.1節に示されたとおり、Pの値はDLリソースブロックの数に依存する。
・変調及びコーディングスキーム 文献[3]の7.1.7節で定義されたとおり5ビット
・HARQプロセス番号 3ビット(FDDプライマリセルを伴う場合のため)、4ビット(TDDプライマリセルを伴う場合のため)
・新データ指示子 1ビット
・冗長バージョン-2ビット
・PUCCHのためのTPCコマンド 文献[3]の5.1.2.1節で定義されたとおり2ビット
・下りリンク割当インデックス 表5.3.3.1.2-2で特定されたとおりのビット数
・HARQ-ACKリソースオフセット(このフィールドがEPDCCHにより搬送される場合にこのフィールドは存在する。このフィールドがPDCCHにより搬送される場合にこのフィールドは存在しない。) 文献[3]の10.1節で定義されたとおり2ビット。このフォーマットがセカンダリセル上でEPDCCHにより搬送される場合、あるいはこのフォーマットがセカンダリセル上のPDSCHをスケジューリングする、プライマリセル上のEPDCCHにより搬送され、かつHARQ-ACKフィードバックのためにUEがPUCCHフォーマット3で構成される場合に、当該2ビットは0にセットされる。)
(ウ) 「5.3.3.1.8 Format 4
DCI format 4 is used for the scheduling of PUSCH in one UL cell with multi-antenna port transmission mode,
The following information is transmitted by means of the DCI format 4:
- Carrier indicator -- 0 or 3 bits. The field is present according to the definitions in [3].
- Resource block assignment -
[図:0001387160000017.jpg]
bits, where P is the UL RBG size as defined in section 8.1.2 of [3]
- For resource allocation type 0:
- The
[図:0001387160000018.jpg]
LSBs provide the resource allocation in the UL subframe as defined in section 8.1.1 of [3]
- For resource allocation type 1:
- The
[図:0001387160000019.jpg]
LSBs provide the resource allocation in the UL subframe as defined in section 8.1.2 of [3]
- TPC command for scheduled PUSCH -- 2 bits as defined in section 5.1.1.1 of [3]
- Cyclic shift for DM RS and OCC index -- 3 bits as defined in section 5.5.2.1.1 of [2]
- UL index -- 2 bits as defined in sections 5.1.1.1, 7.2.1, 8 and 8.4 of [3] (this field is present only for TDD operation with uplink-downlink configuration 0)
- Downlink Assignment Index (DAI) -- 2 bits as defined in section 7.3 of [3] (this field is present only for cases with TDD primary cell and either TDD operation with uplink-downlink configurations 1-6 or FDD operation)
- CSI request -- 1, 2 or 3 bits as defined in section 7.2.1 of [3]. The 2-bit field applies to UEs configured with no more than five DL cells and to
- UEs that are configured with more than one DL cell;
- UEs that are configured by higher layers with more than one CSI process;
- UEs that are configured with two CSI measurement sets by higher layers with the parameter csi-MeasSubframeSet;
the 3-bit field applies to UEs that are configured with more than five DL cells;
otherwise the 1-bit field applies
- SRS request -- 2 bits as defined in section 8.2 of [3]
- Resource allocation type -- 1 bit as defined in section 8.1 of [3]
In addition, for transport block 1:
- Modulation and coding scheme and redundancy version -- 5 bits as defined in section 8.6 of [3]
- New data indicator -- 1 bit
In addition, for transport block 2:
- Modulation and coding scheme and redundancy version -- 5 bits as defined in section 8.6 of [3]
- New data indicator -- 1 bit
」(第111ページ第16行ないし第112ページ下から第9行)
(当審訳:5.3.3.1.8 フォーマット4
DCIフォーマット4は、マルチアンテナポート伝送モードを備えた1つのULセル内のPUSCHのスケジューリングのために使用され、
以下の情報はDCIフォーマット4の手法により伝送される:
・キャリア指示子 0又は3ビット。このフィールドは、文献[3]の定義に従い存在する。
・リソースブロック割当
[図:0001387160000020.jpg]
ビットであり、ここで文献[3]の8.1.2節で定義されたとおり、PはUL RGBのサイズである。
・リソース割当タイプ0に対して:
・文献[3]の8.1.1節で定義されたとおり、
[図:0001387160000021.jpg]
LSBビットがULサブフレームのリソース割当を提供する。
・リソース割当タイプ1に対して:
・文献[3]の8.1.2節で定義されたとおり、
[図:0001387160000022.jpg]
LSBビットがULサブフレームのリソース割当を提供する。
・スケジュールされたPUSCHのためのTPCコマンド 文献[3]の5.1.1.1節で定義されたとおり2ビット
・DMRSのための巡回シフト及びOCCインデックス 文献[2]の5.5.2.1.1節で定義されたとおり3ビット
・ULインデックス 文献[3]の5.1.1.1節、7.2.1節、8章、及び8.4節で定義されたとおり2ビット(このフィールドは、上りリンク-下りリンク構成0を伴うTDD運用のためにのみ存在する)
・下りリンク割当インデックス(DAI) 文献[3]の7.3節で定義されたとおり2ビット(このフィールドは、TDDプライマリセル、及び上りリンク-下りリンク構成1ないし6を伴うTDD運用、又はFDD運用を伴うケースのためにのみ存在する。)
・CSI要求 文献[3]の7.2.1節で定義されたとおり1、2、又は3ビット。当該2ビットフィールドは、5以下のDLセルを伴い構成されたUE、及び以下のUEに適用される。
・2以上のDLセルを伴い構成されたUE;
・2以上のCSIプロセスを伴い上位層により構成されたUE;
・2つのCSI測定集合を伴い上位層によりパラメータcsi-MeasSubframeSetとともに構成されたUE;
前記3ビットフィールドは6以上のDLセルを伴い構成されたUEに適用され;
そうでなければ、前記1ビットフィールドが適用される。
・SRS要求 文献[3]の8.2節で定義されたとおり2ビット
・リソース割当タイプ 文献[3]の8.1節で定義されたとおり1ビット
更に、伝送ブロック1に対して:
・変調、コーディングスキーム、及び冗長バージョン 文献[3]の8.6節で定義されたとおり5ビット
・新データ指示子 1ビット
更に、伝送ブロック2に対して:
・変調、コーディングスキーム、及び冗長バージョン 文献[3]の8.6節で定義されたとおり5ビット
・新データ指示子 1ビット)
(エ) 上記(ア)ないし(ウ)によれば、引用文献3には、以下の周知技術が記載されているといえる。
「1つのセル内の1つのPDSCH符号語のスケジューリングのために使用されるDCIフォーマット1の手法により伝送される情報には、HARQプロセス番号、及び冗長バージョンが含まれる。」
(2)対比・判断
ア 本願発明1と引用発明1の対比・判断について
本願発明1と引用発明1とを対比する。
(ア) 引用発明1の「RRCシグナリング」は、本願発明1の「上位レイヤシグナリング」に含まれる。
また、引用発明1の「SPS構成」は、WTRUが周期的なULリソースが割り振られる手順において情報として受信されることが明らかである。
さらに、引用発明1のWTRUは、送信するデータが、SPSに基づく割り振りに対して、ある数のサブフレームに対して存在しなかった場合に、UL SPSに対してSPS構成を暗黙に解放することが可能であるから、UL SPSに対するSPS構成、すなわち周期的なULリソースが割り振られる手順において受信される引用発明1の「SPS構成」は、本願発明1の「ULデータ送信用のリソースに関する構成情報」に含まれるといえる。
そして、引用発明1のWTRUが前記SPS構成を受信する受信部を有することは明らかである。
そうすると、引用発明1は、本願発明1と、「上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部」を有する点で共通する。
(イ) 引用発明1の「PDCCH」は、本願発明1の「DL制御チャネル」に含まれる。
また、引用発明1において、「SPS構成の解放は、PDCCHシグナリングによってシグナリングされ」ることは、周期的なULリソースを割り振られたWTRUが、PDCCHシグナリングによって指示される情報に基づいて、当該ULリソースを解放すること、すなわち、当該ULリソースにおけるULの送信を中止することを意味するといえ、さらに、引用発明1のWTRUは、前記PDCCHシグナリングによって指示される情報に基づいて、ULの送信を中止する制御部を有することが明らかである。
ここで、前記PDCCHシグナリングによって指示される情報は、本願発明1の「DL制御チャネルによって指示される第1の情報」に含まれる。
そうすると、引用発明1は、本願発明1と、「制御部は、DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止」する点で共通する。
(ウ) 移動体通信分野における技術常識によれば、引用発明1において「SPSがアクティブ化されるサブフレームは、PDCCHによって提供される」ことは、周期的なULリソースを割り振られたWTRUが、PDCCHによって提供される、サブフレームをアクティブ化する情報に基づいて、当該サブフレームから当該ULリソースにおけるULデータの送信を開始することを意味するといえ、さらに、引用発明1のWTRUは、前記サブフレームをアクティブ化する情報に基づいて、ULデータの送信を開始する制御部を有する、といえる。
ここで、PDCCHによって提供される、サブフレームをアクティブ化する情報は、本願発明1の「DL制御チャネルによって指示される第2の情報」に含まれる。
そうすると、引用発明1は、本願発明1と、制御部が「前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始する」点で共通する。
(エ) 上記(イ)及び(ウ)を踏まえると、引用発明1は、本願発明1と、「前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部」を有する点で共通する。
(オ) 引用発明1の「WTRU」は、本願発明1の「端末」に含まれる。
(カ) 「DL制御チャネル」について、本願発明1では、「前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」、すなわち「ULデータ送信用のリソース」「における前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」という発明特定事項、及び「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明1では、DL制御チャネルに含まれる「PDCCH」について、ULデータ送信用のリソースにおける前記ULデータの送信を、PDCCHに基づいて制御するものではあるが、前記PDCCHがHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むという発明特定事項は特定されていない点で、引用発明1は本願発明1と相違する。
以上のことから、本願発明1と引用発明1の一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「 上位レイヤシグナリングによりULデータ送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULデータの送信を開始することを特徴とする端末。」
(相違点)
「DL制御チャネル」について、本願発明1では、「前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」、すなわち「ULデータ送信用のリソース」「における前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」という発明特定事項、及び「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明1では、DL制御チャネルに含まれる「PDCCH」について、ULデータ送信用のリソースにおける前記ULデータの送信を、PDCCHに基づいて制御するものではあるが、前記PDCCHがHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むという発明特定事項は特定されていない点。
上記相違点について検討すると、ULデータの送信を制御する基となるDL制御チャネルがHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むことは、引用文献3には記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるともいえない。
したがって、引用発明1に基づいて、上記相違点に係るULデータの送信を制御する基となる「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を採用することは、当業者であっても、引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に想到し得たこととはいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本願発明1と引用発明2の対比・判断について
本願発明1と引用発明2とを対比する。
(ア) 引用発明2において、WTRUは、「CSI報告の送信のためだけの、アップリンクリソースの割り当てによって構成される」ものであり、また、「RRCは、半永続的なアップリンクグラント(SPS-CSIグラント)を介してリソースの割り当てを構成」するものである。
ここで、RRCがWTRUに対してリソース割り当てを構成する際に、WTRUが、RRCシグナリングによりリソースに関する構成情報を受信することは、移動体通信分野における技術常識である。
そうすると、引用発明2のWTRUは、RRCシグナリングにより、SPS-CSIグラントを介して、CSI報告の送信のためだけのアップリンクリソースに関する構成情報を受信する受信部を有する、といえる。また、RRCシグナリングは、本願発明1の「上位レイヤシグナリング」に含まれる。
よって、本願発明1と引用発明2は、「上位レイヤシグナリングによりUL送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部」を有する点で共通し、引用発明2は「UL送信用のリソース」について「ULデータ送信用のリソース」という発明特定事項が特定されていない点で相違する。
(イ) 引用発明2の「レイヤ1の制御シグナリングの受信」は、レイヤ1のダウンリンク(DL)制御チャネルによって伝送される制御情報の受信を意味することが明らかであり、また、レイヤ1のDL制御チャネルによって伝送される制御情報は、本願発明1の「DL制御チャネルによって指示される第1の情報」に含まれるといえる。
また、移動体通信分野における技術常識によれば、引用発明2において「レイヤ1の制御シグナリングの受信から、SPS-CSIグラントの使用を停止してもよいと決定」することは、SPS-CSIグラントを介して、アップリンク(UL)リソースに関する構成情報を受信したWTRUが、前記制御情報に基づいて、当該ULリソースの使用を停止すること、すなわち、当該ULリソースにおけるULの送信を中止することを意味し、さらに、引用発明2のWTRUは、前記制御情報に基づいてULの送信を中止する制御部を有する、といえる。
そうすると、本願発明1と引用発明2は、「制御部は、DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULの送信を中止」する点で共通し、引用発明2は「ULの送信」について「ULデータの送信」という発明特定事項が特定されていない点で相違する。
(ウ) 上記(イ)の検討を踏まえれば、引用発明2の「レイヤ1のシグナリングの受信から得られたインジケーション」は、本願発明1の「DL制御チャネルによって指示される第2の情報」に含まれるといえる。
また、移動体通信分野における技術常識によれば、引用発明2において「インジケーションに基づいて、SPS-CSIグラントをアクティベートすることができると決定する」ことは、SPS-CSIグラントを介して、アップリンク(UL)リソースに関する構成情報を受信したWTRUが、前記インジケーションに基づいて、当該ULリソースを有効化すること、すなわち、当該ULリソースにおけるULの送信を開始することを意味し、さらに、引用発明2のWTRUは、前記インジケーションに基づいてULの送信を開始する制御部を有する、といえる。
そうすると、本願発明1と引用発明2は、制御部が「前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULの送信を開始する」点で共通する点で共通し、引用発明2は「ULの送信」について「ULデータの送信」という発明特定事項が特定されていない点で相違する。
(エ) 上記(イ)及び(ウ)によれば、本願発明1と引用発明2は、「前記リソースにおける前記ULの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部」を有する点で共通し、引用発明2は「ULの送信」について「ULデータの送信」という発明特定事項が特定されていない点で相違する。
(オ) 引用発明2の「WTRU」は、本願発明1の「端末」に含まれる。
(カ) 本願発明1では、「DL制御チャネル」について、「前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」、すなわち「ULデータ送信用のリソース」「における前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」という発明特定事項、及び「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明2では、レイヤ1のDL制御チャネルについて、UL送信用のリソースにおける前記ULの送信を、レイヤ1のDL制御チャネルに基づいて制御するものではあるが、上記(エ)の相違点に加えて、レイヤ1の前記DL制御チャネルがHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むという発明特定事項が特定されていない点で、引用発明2は本願発明1と相違する。
以上のことから、本願発明1と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「 上位レイヤシグナリングによりUL送信用のリソースに関する構成情報を受信する受信部と、
前記リソースにおける前記ULの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記DL制御チャネルによって指示される第1の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULの送信を中止し、
前記DL制御チャネルによって指示される第2の情報に基づいて、前記リソースにおける前記ULの送信を開始することを特徴とする端末。」
(相違点)
本願発明1では、「UL送信用のリソース」について「ULデータ送信用のリソース」という発明特定事項を含み、また、DL制御チャネルに基づいて制御し、第1の情報に基づいて中止し、第2の情報に基づいて開始する「ULの送信」について「ULデータの送信」という発明特定事項を含み、さらに、「DL制御チャネル」について、「前記リソースにおける前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」、すなわち「ULデータ送信用のリソース」「における前記ULデータの送信を、DL制御チャネルに基づいて制御する」という発明特定事項、及び「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明2では、「UL送信用のリソース」について「ULデータ送信用のリソース」という発明特定事項が特定されておらず、また、レイヤ1のDL制御チャネルに基づいて制御し、レイヤ1のDL制御チャネルによって伝送される制御情報に基づいて中止し、レイヤ1のDL制御チャネルの受信から得られたインジケーションに基づいて開始する「ULの送信」について「ULデータの送信」という発明特定事項が特定されておらず、さらに、レイヤ1のDL制御チャネルについて、UL送信用のリソースにおける前記ULの送信を、レイヤ1のDL制御チャネルに基づいて制御するものではあるが、レイヤ1の前記DL制御チャネルがHARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むという発明特定事項が特定されていない点。
上記相違点のうち、ULデータ送信用のリソースにおける前記ULデータの送信を制御する基となる「DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項について、まず検討すると、ULデータの送信を制御する基となるDL制御チャネルにおいて、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含むことは、引用文献3には記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるともいえない。
そうすると、引用発明2に基づいて、ULデータ送信用のリソースにおける前記ULデータの送信を制御する基となる「DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を採用することは、当業者であっても、引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に想到し得たこととはいえない。
したがって、上記相違点のうち、他の発明特定事項について論及するまでもなく、引用発明2において、上記相違点の全ての発明特定事項を含むように構成することは、当業者であっても、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に想到し得たこととはいえない。
以上のとおりであるから、本願発明1は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
ウ 本願発明2について
本願発明2は、「端末」の発明である本願発明1を、「端末の無線通信方法」としたものであって、上記「ア」及び「イ」で検討した(相違点)と同じ「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえず、また、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものともいえない。
エ 本願発明3について
本願発明3は、「端末」の発明である本願発明1と対応する、「基地局」の発明であって、上記「ア」及び「イ」で検討した(相違点)と同じ「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含み」という発明特定事項を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえず、また、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものともいえない。
オ 本願発明4について
本願発明4は、本願発明1と対応する「端末」、及び本願発明3と対応する「基地局」とを有する「システム」の発明であって、上記「ア」及び「イ」で検討した(相違点)と対応する「前記DL制御チャネルは、HARQプロセス番号及び冗長バージョンに関する情報を含む」という発明特定事項を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえず、また、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものともいえない。
3 まとめ
本願発明1ないし4は、上記「2」(2)の「ア」ないし「オ」のとおり、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえず、また、引用発明2及び引用文献3に記載された周知技術に基づいて、容易に発明をすることができたものともいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1ないし4に係る発明は、原査定の理由によって拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-011921