特許拒絶査定不服審判
2021-011072
アーキテクチャを横断する通信ネットワーク
- 審判番号
- 2021-011072
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-148431外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年08月19日
- 審決日
- 2022年12月20日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ベドロック・オートメーション・プラットフォームズ・インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】山本 修
- 【請求人代理人】宮前 徹
- 【請求人代理人】末松 亮太
- 分類
- P18 .113-WY (H04L) / P18 .121-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-148431「アーキテクチャを横断する通信ネットワーク」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月30日出願公開、特開2020- 17962、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は,平成27年2月9日(パリ条約による優先権主張 2014年2月14日 米国,2014年8月1日 米国)の出願である特願2015-22995号の一部を,令和元年8月13日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
令和元年 9月10日 手続補正書 提出
令和2年 8月19日付け 拒絶理由通知
令和2年11月24日 意見書・手続補正書 提出
令和3年 4月15日付け 拒絶査定(原査定)
令和3年 8月19日 審判請求書・手続補正書 提出
令和4年 5月24日付け 拒絶理由通知(当審拒絶理由)
令和4年11月 4日 意見書・手続補正書 提出
第2 原査定の概要
原査定(令和3年4月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)本願の特許請求の範囲の請求項1-3,5-6,8-10および12-14に係る発明は,以下の引用文献Aに基いて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
A.特開2000-49837号公報
第3 当審拒絶理由の概要
令和4年5月24日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は,次のとおりのものである。
1.(新規性)この出願の下記の請求項1-3,10および12に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項1-3,6,8および10-12に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明に基いて,その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,いずれも特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特開2011-120184号公報
第4 本願発明
本願請求項1ないし8に係る発明(以下,それぞれ,「本願発明1」ないし「本願発明8」という。)は,令和4年11月4日提出の手続補正書によって補正(以下,「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
複数のネットワーク装置(102,104,106)を備える通信ネットワーク・システム(100)であって,
前記複数のネットワーク装置のそれぞれが,第1マルチ・ポート・スイッチ(108a,108c,108e)および第2マルチ・ポート・スイッチ(108b,108d,108f)を少なくとも組み込んでおり,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置への接続と,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置への相互接続と,を含み,
前記第1マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第1マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,前記第2マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第2マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチまたは2ポート・スイッチを含み,
各3ポート・スイッチが,初めのスイッチまたは仲介スイッチの一方であり,前記初めのスイッチがデータ・ソース(110)への接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置(102,104,106)の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供し,
前記通信ネットワーク・システム(100)は,さらに,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第1ネットワーク装置(102)と,
前記第1ネットワーク装置(102)に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)であって,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)を含み,
前記第1ネットワーク装置(102)の前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチと,前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)のそれぞれとの間の接続をそれぞれ介して,前記第1ネットワーク装置(102)に通信可能に接続される,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)と,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)を含んだ第2ネットワーク装置(106)であって,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)に関して並列に配置され,
前記少なくとも仲介ネットワーク装置(104)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのうちの1つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)と,第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチにおける1つのマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)とを介して,前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)に通信可能に結合される,
第2ネットワーク装置(106)と,
を備え,
前記第1ネットワーク装置(102)は,前記複数のネットワーク装置(102,104,106)のうちの前記一のネットワーク装置であり,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104),および前記第2ネットワーク装置(106)は,前記複数のネットワーク装置(102,104,106)のうちの前記異なるネットワーク装置の各々であり,
前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートは,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチに含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第1ネットワーク装置(102)が含む別のマルチ・ポート・スイッチへの接続専用とされる,通信ネットワーク・システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ネットワーク・システムにおいて,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ各々の1つのポートは,前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)内の接続専用とされる,通信ネットワーク・システム。
【請求項3】
前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが2ポート・スイッチである,請求項1または2に記載の通信ネットワーク・システム。
【請求項4】
複数のネットワーク装置(102,104,106)を備える通信ネットワーク・システム(100)であって,
前記複数のネットワーク装置のそれぞれが,第1マルチ・ポート・スイッチ(108a,108c,108e)および第2マルチ・ポート・スイッチ(108b,108d,108f)を少なくとも組み込んでおり,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置への接続と,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置への相互接続と,を含み,
前記第1マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第1マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,前記第2マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第2マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチまたは2ポート・スイッチのいずれかであり,
各3ポート・スイッチが,初めのスイッチまたは仲介スイッチの一方であり,前記初めのスイッチがデータ・ソース(110)への接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置(102,104,106)の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供し,
前記通信ネットワーク・システム(100)は,さらに,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第1ネットワーク装置(102)と,
前記第1ネットワーク装置(102)に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)であって,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)を含み,
前記第1ネットワーク装置(102)の前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチと,前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)のそれぞれとの間の接続をそれぞれ介して,前記第1ネットワーク装置(102)に通信可能に接続される,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)と,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)を含んだ第2ネットワーク装置(106)であって,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)に関して並列に配置され,
前記少なくとも仲介ネットワーク装置(104)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのうちの1つのマルチ・ポート・スイッチ(108c,108d)と,第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチにおける1つのマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)とを介して,前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104)に通信可能に結合される,
第2ネットワーク装置(106)と,
を備え,
前記第1ネットワーク装置(102)は,前記複数のネットワーク装置(102,104,106)のうちの前記一のネットワーク装置であり,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置(104),および前記第2ネットワーク装置(106)は,前記複数のネットワーク装置(102,104,106)のうちの前記異なるネットワーク装置の各々であり,
前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)が3ポート・スイッチであり,
前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートが前記第2ネットワーク装置(106)に含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第2ネットワーク装置(106)が含む別のマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)への接続専用とされる,通信ネットワーク・システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信ネットワーク・システムにおいて,
各2ポート・スイッチが終端スイッチであり,
前記終端スイッチが初めのスイッチまたは仲介スイッチへの接続性を提供し,
前記初めのスイッチがデータ・ソース(110)への接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置(102,104,106)の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供する,通信ネットワーク・システム。
【請求項6】
複数のネットワーク装置(102,104,106)を備える通信ネットワーク・システム(100)であって,
前記複数のネットワーク装置のそれぞれが,第1マルチ・ポート・スイッチ(108a,108c,108e)および第2マルチ・ポート・スイッチ(108b,108d,108f)を少なくとも組み込んでおり,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置への接続と,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置への相互接続と,を含み,
前記第1マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第1マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,前記第2マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第2マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチまたは3ポート・スイッチの一方であり,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,
(a)各4ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の4ポート・スイッチへの接続を含むことと,
(b)各3ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の3ポート・スイッチへの接続を含むことと,
のうちの一方から選択される設定を有し,
各3ポート・スイッチが,初めのスイッチまたは仲介スイッチの一方であり,前記初めのスイッチがデータ・ソース(110)への接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置(102,104,106)の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供する,通信ネットワーク・システム。
【請求項7】
前記複数のネットワーク装置(102,104,106)のそれぞれは,処理モジュール,パワー・モジュール,入出力モジュール,またはフィールド・デバイスの内少なくとも1つを備える,請求項1から6の何れか一項に記載の通信ネットワーク・システム。
【請求項8】
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチの少なくとも1つのマルチ・ポート・スイッチがマルチ・ポート・イーサネット・スイッチ・チップである,請求項1から7の何れか一項に記載の通信ネットワーク・システム。」
第5 引用文献
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
引用文献1には,以下の記載がある。(下線は,当審が付加した。以下同様。)
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,複数の装置間のデータ伝送に関し,特に,高信頼性が要求される交通,電力分野へ適用される装置の間で冗長化されたデータの送受信を行うデータ伝送装置及びデータ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,伝送データの信頼性を向上させる技術として,例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は,サーバ/クライアント型のシステムにおいて伝送パケットに欠落が生じた場合,サーバ側伝送装置はクライアント側伝送装置からの再送要求に応じてパケットを再送するというものである。ここでは,2重化した早系と遅系で構成される2系統でデータ伝送を行っている。
【0003】
また,2重化された伝送路による伝送システムとして,例えば特許文献2に記載の技術がある。この技術は,冗長化された伝送路を切替えて伝送を行うことにより,伝送路の利用効率を上げるものである。ここでは,伝送路の故障検出時の動作については詳細には記述されていないが,異常発生時には再送処理を行い,それでも異常な場合には伝送路異常と判定して伝送路を切替えるものと推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2009-147579号公報
【特許文献2】 特開2004-32354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,上記従来の2重化された伝送路による伝送システムのように,一方の伝送路に障害が発生した場合に伝送路を切替える構成とすると,伝送路上の1箇所の障害のみにしか対応できない。すなわち,同時に双方の伝送路に障害が発生した場合にはデータの伝送が停止してしまう。また,伝送されるデータにエラー発生した場合,再送処理によりデータ回復するので,正確な定周期毎にデータを抜けなく伝送することが困難である。
そこで,本発明は,多重化構成の伝送路に同時に障害が発生した場合であっても,データを適正に伝送することができるデータ伝送装置及びデータ伝送方法を提供することを課題としている。
(中略)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,各制御装置において全系統からデータ受信したか否かを監視することで,各伝送路上の障害の有無を検出することができる。そして,障害発生を検出した場合には,障害発生した箇所から下流側の伝送路上に,正常系統から受信したデータを送出するので,複数系統の伝送路に同時に障害が発生した場合にも対応することができる。したがって,高信頼な伝送システムを構成することができる。」
イ 図1
[図:0001392622000001.jpg]
ウ 「【0014】
以下,本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は本発明の一実施形態を示すシステム構成図である。
図中,符号1はマスタ装置,符号2a~2fは制御装置である。この図1に示すように,マスタ装置1と複数(ここでは6台)の制御装置2a~2fとが,2重化された伝送路系A,Bを介してリング状に接続されている。
マスタ装置1は,各制御装置2a~2fに対する指令を含む伝送データを,伝送路系A及び伝送路系Bに同時に送出する。マスタ装置1から送出した伝送データは,制御装置2a→制御装置2b→制御装置2c→…と順々に伝えられ,最終的にマスタ装置1に戻される。
【0015】
この動作は,伝送路系A,Bそれぞれに対して同様に行う。そのため,制御装置2a~2fは,それぞれの伝送路系から同じ伝送データを2回受信することになる。
なお,制御装置2a~2fはそれぞれ同様の構成を有するため,以下の説明では,制御装置2a~2fを総括して説明する場合には,単に制御装置2と略記する。」
エ 図2
[図:0001392622000002.jpg]
オ 「【0016】
図2は,制御装置2の内部構成を示す図である。
制御装置2は,CPU21,双方向メモリ22,伝送コントローラ23,3ポートスイッチ24,監視タイマ25及び監視タイマ値設定部26により構成されている。ここで,双方向メモリ22,伝送コントローラ23及び3ポートスイッチ24は,各伝送路系A,Bに対応して2つずつ設けられている。そして,各制御装置2の3ポートスイッチ24A,24Bが,それぞれ冗長化された伝送路系A,Bで構成されたネットワークで接続されている。
【0017】
すなわち,制御装置2は双方向通信可能な4つの通信ポートを有し,このうち2つの通信ポートを1組として2系統の通信系統にそれぞれ接続したネットワーク構成となっている。
CPU21は,伝送路系A及びBの双方から正常にデータ受信しているか否かを監視し,何れか一方の系からデータ受信してから所定の監視時間内に,もう一方の系からデータ受信していないと判定した場合には,データ受信していない方の系に対して,正常な系から受信した受信データを送出するデータ監視処理を行う。
【0018】
ここで,CPU21は,双方向メモリ22A及び22Bに対するデータの読み出し及び書き込みが可能となっており,双方向メモリ22A及び22B内のデータを読み出し,監視することで伝送路系A及びBからデータ受信しているか否かを判定可能となっている。また,双方向メモリ22A,22Bにデータを書き込むことで,データを書き込んだ双方向メモリに対応する系に対して,書き込みデータを送出することが可能となっている。なお,このデータ監視処理については後で詳述する。
【0019】
3ポートスイッチ24Aは3つのポートを有し,そのうちの2つのポートは伝送路系Aに接続され,残りの1つのポートは伝送コントローラ23Aに接続されている。
3ポートスイッチ24Aは,伝送路系Aに接続した一方のポートに伝送路系Aを介してデータが入力されると,当該データを,伝送路系Aに接続した他方のポートから送出すると共に,伝送コントローラ23Aへ出力する。
伝送コントローラ23Aは,3ポートスイッチ24Aを介して入力されたデータのエラーチェックを行うと共に,そのデータが自分宛てであるか否かを確認する。そして,データにエラーがない場合には,双方向メモリ22Aへそのデータを書き込む。
【0020】
また,伝送コントローラ23Aは,CPU21が伝送路へ送信するデータを双方向メモリ22Aへ書き込むと,双方向メモリ22Aに書き込まれたデータを順番に読み出し,3ポートスイッチ24Aへ送る。すると3ポートスイッチ24Aは,伝送コントローラ23Aからの送信データを上記ネットワークに接続された2つのポートから出力する。つまり,伝送路の双方向にデータを送出する。
なお,伝送路系Bに対応する双方向メモリ22B,伝送コントローラ23B及び3ポートスイッチ24Bの構成については,上述した伝送路系Aに対応する双方向メモリ22A,伝送コントローラ23A及び3ポートスイッチ24Aと同様であるため,説明を省略する。
【0021】
監視タイマ値設定部26は,制御装置2に割り振られた32ビット長の識別番号の下8ビットに,例えば20μsを乗算することで,自制御装置の監視タイマ値(監視時間)を決定する。この場合であると,20μsから5120μsの間で20μs間隔の監視時間がそれぞれの制御装置2に割り振られることになる。この監視タイマ値は監視タイマ25により監視される。」
(2)引用発明
上記(1)より,特に,下線部に着目すると,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「各制御装置において全系統からデータ受信したか否かを監視することで,各伝送路上の障害の有無を検出することができ,障害発生を検出した場合には,障害発生した箇所から下流側の伝送路上に,正常系統から受信したデータを送出するので,複数系統の伝送路に同時に障害が発生した場合にも対応することができる高信頼な伝送システムであって,
マスタ装置1と複数の制御装置2a~2fとが,2重化された伝送路系A,Bを介してリング状に接続されており,
マスタ装置1は,各制御装置2a~2fに対する指令を含む伝送データを,伝送路系A及び伝送路系Bに同時に送出する。マスタ装置1から送出した伝送データは,制御装置2a→制御装置2b→制御装置2c→…と順々に伝えられ,最終的にマスタ装置1に戻されるものであり,
制御装置2は,CPU21,双方向メモリ22,伝送コントローラ23,3ポートスイッチ24,監視タイマ25及び監視タイマ値設定部26により構成されており,
双方向メモリ22,伝送コントローラ23及び3ポートスイッチ24は,各伝送路系A,Bに対応して2つずつ設けられており,
各制御装置2の3ポートスイッチ24A,24Bが,それぞれ冗長化された伝送路系A,Bで構成されたネットワークで接続されており,
すなわち,制御装置2は双方向通信可能な4つの通信ポートを有し,このうち2つの通信ポートを1組として2系統の通信系統にそれぞれ接続したネットワーク構成となっており,
3ポートスイッチ24Aは3つのポートを有し,そのうちの2つのポートは伝送路系Aに接続され,残りの1つのポートは伝送コントローラ23Aに接続されており,
3ポートスイッチ24Aは,伝送路系Aに接続した一方のポートに伝送路系Aを介してデータが入力されると,当該データを,伝送路系Aに接続した他方のポートから送出すると共に,伝送コントローラ23Aへ出力しており,
伝送コントローラ23Aは,CPU21が伝送路へ送信するデータを双方向メモリ22Aへ書き込むと,双方向メモリ22Aに書き込まれたデータを順番に読み出し,3ポートスイッチ24Aへ送っており,
3ポートスイッチ24Aは,伝送コントローラ23Aからの送信データを上記ネットワークに接続された2つのポートから出力することにより,伝送路の双方向にデータを送出しており,
伝送路系Bに対応する双方向メモリ22B,伝送コントローラ23B及び3ポートスイッチ24Bの構成については,上述した伝送路系Aに対応する双方向メモリ22A,伝送コントローラ23A及び3ポートスイッチ24Aと同様である
伝送システム。」
2 引用文献A
原査定において引用された引用文献Aには,以下の記載がある。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,複数のステーションが挿入され,非同期転送モード(ATM)のようなセル伝送モードを使用してメッセージをセル形式で相互に送信する少なくとも2つの単向性リング伝送線を備える複数のステーション間のデータ転送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ATM伝送は標準プロセスであり,それ自体は周知である。それについて,ここで詳細に説明することはしない。それは,同じサイズの(又は,少数の異なったサイズの1つを有する)セルと呼ばれる短いメッセージを,伝送媒体上で中断されないシーケンスとして送信することを含むと説明すれば十分である。ペイロード・セルと呼ばれるセルは,ソース・ステーションと宛先ステーションの間を伝達される。それらセルは,宛先を示す少なくとも1つのアドレスと,データを入れるペイロードとを含む。空セルと呼ばれるセルは,送信されるべきペイロード・セルが存在しないときに送信される。空セルのヘッダはいかなる宛先も指示せず,それらのペイロードは所定のデータを含む。前記の特徴を有するがATM標準に合致しない伝送モードも,容易に想定することができる。本発明はそのようなシステムに対しても等しく適用される。
【0003】文書EP-A1-0468813は,前記の記述に合致したATM伝送システムの1つの例を説明している。2つのリング線が,ステーションの順序とは反対の方向にデータを送信する。リング線は,セルの伝送に影響を及ぼす障害点を検出する制御情報を含むATMセルを伝達する。更に,リング線は,もし必要であれば,障害表示を第1のステーションから第2のステーションへ伝達する。こうして,2つのステーション(例えば,ステーション2及び4)は,2つのリング線を介して双方向に通信し,1つの線路セグメントはデータをステーション2からステーション4へ伝達し,他の線路セグメントはデータをステーション4からステーション2へ伝達する。例えば,ステーション2が障害点を検出すると,それぞれ障害点の反対側にある2つのステーション,例えばステーション2と3でフォールバック接続がセットアップされ,2つのリングの異常のない部分を使用することによってステーション2と4の間で双方向通信を維持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したような種類のシステムでは,各ステーションはセル及び線路の切り替えを監視する複雑な機器を含むが,これは高コスト,機器故障の危険が更に加わること,及び故障に関連した情報を,関連するステーションの制御ユニットへ伝送する場合の安全性の不足を意味する。
【0005】本発明はこれらの欠点を軽減することを目的とする。」
イ 図1
[図:0001392622000003.jpg]
ウ 「【発明の実施の形態】まず,本発明の1つの実施形態,即ち,本発明に従って複数のステーションの間でデータを転送するシステムを示す図1を参照する。
【0015】示されるシステムは2つの単向性リング伝送線LB1及びLB2を含む。これらのリング伝送線は並行しており,ステーションST1,ST2,ST3,ST4の順序と同じ方向にある。それらは,例えば,155 Mビット/sで動作する光伝送線である。異なった実施形態では,3つ以上の伝送線が存在する。リング線が並行であることと,同じ方向であることとは,必ずしも本発明の必須の要件ではない。
【0016】伝送線は伝送線LB1について分配器REP11,REP21を相互接続し,伝送線LB2についてREP12,REP22を相互接続する。各分配器は伝送線へ挿入される。1つのリング線,例えば伝送線LB1は,最後の分配器(ここではREP21)のダウンストリーム側を,リングへ挿入された一群の分配器の第1の分配器(REP11)のアップストリーム側へ接続して,リングを閉じる。もちろん,分配器の数はリング線当たり2つに制限されない。各分配器は1つ又は複数のステーションST1,ST2,ST3,ST4へアクセスを提供する。従って,分配器REP11はアクセスを2つのステーションST1及びST2へ提供する。各リング線に1つずつの,2つの分配器,例えばREP11及びREP12は,同じグループのステーション,ここではステーションST1及びST2を含むグループにアクセスを提供する。分配器REP21及びREP22にも同様なことが当てはまり,これらはステーションST3及びST4を含むグループにアクセスを提供する。もちろん,もし第3のリング線が存在すれば,その分配器はアクセスを同じグループのステーションに提供する。各グループのステーションの数は2以外でもよい。8つのステーションのグループ及び16のステーションのグループも可能である。
【0017】ステーションは,当技術分野で周知の考慮を払う限り,ATM伝送を使用するのに適したデータ・ビット・レートで他のステーションへデータを送信する必要がある装置又はシステムである。1つのグループのステーションはすべて,ステーションと分配器の間の伝送条件が,送信される信号を劣化させないという意味で,ステーションが接続されている分配器の近くにある。
【0018】各ステーション,例えばステーションST1は,アタッチメント手段MA11,MA12を含む。これらのアタッチメント手段によって,ステーションは,様々なリングにあるそれぞれの分配器,ここではREP11及びREP12へ接続される。更に,それはユーザ装置UT11と双方向で通信するためにユーザ・インタフェース・ユニットIFU1を含む。他のユーザ装置UT21~UT41に供される他のステーションST2~ST4についても,同様のことが当てはまる。
【0019】これまで説明したようなシステムは,ユーザに供されるステーションを介して,ユーザの間でデータを転送するために使用される。例えば,データはユーザ装置UT11からユーザ装置UT41へ送信されることができる。データは,この目的のためにユーザ装置UT11によってステーションST1へ与えられる。データは,ステーションST1で作られリング伝送線LB1,LB2上を送信されるATMセルへ結合される。送信される各セルはリング線の中の1つの上にある空セルにとって代わる。」
エ 図2
[図:0001392622000004.jpg]
オ 「【0026】図1に示されるシステムのステーション・ポートについて,これから図2を参照して説明する。「ステーション・ポート」という表現は,分配器と,分配器によってリング線へアクセスできる一群のステーションとの組み合わせを意味する。従って,図2は,少なくともステーションST1を含む一群のステーションがリング伝送線LB1及びLB2へアクセスできる2つの分配器REP11及びREP12を示す。
【0027】図示されるように,分配器REP11はリング伝送線LB1のアップストリーム側am1へ接続された受信増幅器AR1を含み,受信増幅器AR1の次にはカスケード接続された分流装置DVa,DVb,DV1,DVnが続き,最後の分流装置は,リング伝送線LB1のダウンストリーム側av1へ接続された送信増幅器AE1へ接続される。分流装置DVa,DVb,DVnは透明であると想定され,それらに達する信号に変更を加えることなくアップストリーム側からダウンストリーム側へ渡す。なぜなら,ステーションST1に同類の対応するステーションが装備されていないか,稼動していないからである。分流装置DV1は動作している唯一の分流装置であって,ステーションST1からのコマンドに応答して,リング伝送線LB1のアップストリーム側をステーションST1の受信リンクldrへ,また,ダウンストリーム側を送信リンクldeへ別々に接続する。
【0028】前述したような分配器の存在によって,新しいステーションを導入し,テストし,DVaのような分流装置に接続し,初期設定し,最後に,新しいステーションがデータの送信及び受信準備を整えたとき,分流装置DVaへのコマンドに応答して,後にステーションST1を参照して説明するように,新しいステーションをリング伝送線LB1へ挿入することが可能になる。
【0029】リング線LB2に接続された分配器REP12は分配器REP11と同類のもので,受信増幅器AR2と送信増幅器AE2の間に分流装置(参照符号は付けられていない)を含む。それは分配器REP11と同じ利点を有する。
【0030】関連した分流装置,例えば,分流装置DVaを制御して,相互に独立にコマンド指示されることができる分配器REP11及びREP12の存在によって,新しいステーションが先ず1つのリング線へ挿入され,次に他のリング線へ挿入される。その結果,新しいステーションが双方のリングへ永久的に挿入される前に,システム全体を中断させる危険を冒すことなく新しいステーションをテストすることができる。
【0031】ステーションST1は,各リング線について1つの,アタッチメント手段MA11及びMA12を含む。ステーションが,対応するリング線上で送信すべきデータを有しない場合でも,アタッチメント手段はリングの継続性を保証し,従って,リング線のアップストリーム端とダウンストリーム端とを相互に接続する。更に,アタッチメント手段は,リング線上を循環するセルを送信し,ステーションにアドレスされたセルをリング線から抽出し,リングから除去されたセル又は空セルの代わりとして,リング線に送信セルを挿入する。リング線へのアクセスは,アタッチメント手段MA11,MA12を含む結合器CP1によって実行される。結合器CP1は,図1を参照して説明したように,ユーザ・インタフェース・ユニットIFU1を介してユーザ装置UT11と通信する。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比すると,以下のとおりとなる。
ア 引用発明の「伝送システム」において,「マスタ装置1と複数の制御装置2a~2fとが,2重化された伝送路系A,Bを介してリング状に接続されており,」「制御装置2は双方向通信可能な4つの通信ポートを有し,このうち2つの通信ポートを1組として2系統の通信系統にそれぞれ接続したネットワーク構成となって」いるとされている。
ここで,引用発明の「複数の制御装置2a~2f」は,「2重化された伝送路系A,Bを介して」「リング状に接続されて」おり,「2系統の通信系統にそれぞれ接続したネットワーク構成」を成す装置であるといえるから,引用発明の「複数の制御装置2a~2f」および「伝送システム」は,それぞれ,本願発明1の「複数のネットワーク装置」および「通信ネットワーク・システム」に対応するといえる。
したがって,引用発明の「伝送システム」も,本願発明1と同様に,「複数のネットワーク装置」「を備える通信ネットワーク・システム」「であ」るといえる。
イ 引用発明は,「制御装置2は,CPU21,双方向メモリ22,伝送コントローラ23,3ポートスイッチ24,監視タイマ25及び監視タイマ値設定部26により構成されており,双方向メモリ22,伝送コントローラ23及び3ポートスイッチ24は,各伝送路系A,Bに対応して2つずつ設けられてており,各制御装置2の3ポートスイッチ24A,24Bが,それぞれ冗長化された伝送路系A,Bで構成されたネットワークで接続されている」とされている。
ここで,引用発明の「制御装置2」において,「各伝送路系A,Bに対応して2つずつ設けられて」いる「3ポートスイッチ24A,24B」は,本願発明1の「第1マルチ・ポート・スイッチ」および「第2マルチ・ポート・スイッチ」に相当する。
したがって,本願発明1と引用発明とは,「前記複数のネットワーク装置のそれぞれが,第1マルチ・ポート・スイッチ」「および第2マルチ・ポート・スイッチ」「を少なくとも組み込んで」いる点で共通するといえる。
ウ 引用発明において,「制御装置2は双方向通信可能な4つの通信ポートを有し,このうち2つの通信ポートを1組として2系統の通信系統にそれぞれ接続したネットワーク構成となっており,3ポートスイッチ24Aは3つのポートを有し,そのうちの2つのポートは伝送路系Aに接続され,残りの1つのポートは伝送コントローラ23Aに接続されており,3ポートスイッチ24Aは,伝送路系Aに接続した一方のポートに伝送路系Aを介してデータが入力されると,当該データを,伝送路系Aに接続した他方のポートから送出すると共に,伝送コントローラ23Aへ出力しており,伝送コントローラ23Aは,CPU21が伝送路へ送信するデータを双方向メモリ22Aへ書き込むと,双方向メモリ22Aに書き込まれたデータを順番に読み出し,3ポートスイッチ24Aへ送っており,ポートスイッチ24Aは,伝送コントローラ23Aからの送信データを上記ネットワークに接続された2つのポートから出力することにより,伝送路の双方向にデータを送出しており,伝送路系Bに対応する双方向メモリ22B,伝送コントローラ23B及び3ポートスイッチ24Bの構成については,上述した伝送路系Aに対応する双方向メモリ22A,伝送コントローラ23A及び3ポートスイッチ24Aと同様である」とされている。
ここで,引用発明の特に上記下線部の構成および上記第5の1(1)イの図1ならびに上記第5の1(1)エの図2を踏まえると,例えば制御装置2bが有している「3ポートスイッチ24A」は,「伝送路系Aを介して」,制御装置2aおよび制御装置2cが有している「3ポートスイッチ24A」と相互に接続され,同様に,制御装置2bが有している「3ポートスイッチ24B」は,「伝送路系Bを介して」,制御装置2aおよび制御装置2cが有している「3ポートスイッチ24B」と相互に接続されているといえるから,引用発明の制御装置2bが有している「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」は,本願発明1の「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチ」に相当し,引用発明の制御装置2aが,本願発明1の「該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置」に相当し,引用発明の制御装置2cが,本願発明1の「前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置」に相当するといえる。
したがって,本願発明1と引用発明とは,「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置への接続と,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置への相互接続と,を含」む点で共通するといえる。
また,同様に,本願発明1と引用発明とは,「前記第1マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第1マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,前記第2マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第2マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され」る点でも共通するといえる。
エ 引用発明において,「制御装置2は,CPU21,双方向メモリ22,伝送コントローラ23,3ポートスイッチ24,監視タイマ25及び監視タイマ値設定部26により構成されて」いるとされている。
上記ウで述べたように,引用発明の「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」は,本願発明1の「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチ」に相当する。
したがって,本願発明1の「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチまたは2ポート・スイッチを含み」と,引用発明とは,「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチを含」む点で共通するといえる。
オ 引用発明において,「マスタ装置1と複数の制御装置2a~2fとが,2重化された伝送路系A,Bを介してリング状に接続されており,マスタ装置1は,各制御装置2a~2fに対する指令を含む伝送データを,伝送路系A及び伝送路系Bに同時に送出し,マスタ装置1から送出した伝送データは,制御装置2a→制御装置2b→制御装置2c→…と順々に伝えられ,最終的にマスタ装置1に戻され」るとされている。
ここで,引用発明の「マスタ装置1」から,「各制御装置2a~2fに対する指令を含む伝送データを,伝送路系A及び伝送路系Bに同時に送出し,マスタ装置1から送出した伝送データは,制御装置2a→制御装置2b→制御装置2c→…と順々に伝えられ」おり,引用発明の「マスタ装置1」は,「伝送データ」のデータ・ソースであるといえるから,引用発明の「マスタ装置1」は,本願発明1の「データ・ソース」に相当するといえる。
また,上記第5の1(1)イの図1を踏まえると,引用発明の「マスタ装置1」は,「制御装置2a」と「伝送路系A,Bを介して」「接続されており,」「制御装置2a」の有する「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」が「マスタ装置1」への接続性を提供しているといえるから,引用発明の「制御装置2a」の有する「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」は,本願発明1の「初めのスイッチ」に相当するといえる。
さらに,上記ウで述べたように,制御装置2bが有している「3ポートスイッチ24A」は,「伝送路系Aを介して」,制御装置2aおよび制御装置2cが有している「3ポートスイッチ24A」と相互に接続され,同様に,制御装置2bが有している「3ポートスイッチ24B」は,「伝送路系Bを介して」,制御装置2aおよび制御装置2cが有している「3ポートスイッチ24B」と相互に接続されているといえるから,引用発明の制御装置2bおよび制御装置2cが有している「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」は,本願発明1の「前記複数のネットワーク装置」「の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供する」「仲介スイッチ」に相当するといえる。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「各3ポート・スイッチが,初めのスイッチまたは仲介スイッチの一方であり,前記初めのスイッチがデータ・ソース」「への接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置」「の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供す」る点で共通するといえる。
カ 引用発明の「制御装置2a」は,2つの3ポートスイッチ24(「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」)を備えているから,引用発明の「制御装置2a」は,本願発明1の「少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第1ネットワーク装置」に相当する。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「前記通信ネットワーク・システム」「は,さらに,少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第1ネットワーク装置」「を備え」ている点で共通するといえる。
キ 引用発明の「制御装置2b」は,「制御装置2a」と「伝送路系A,Bを介して」「接続されて」いるから,引用発明の「制御装置2b」は,本願発明1の「前記第1ネットワーク装置」「に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」に相当する。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「前記第1ネットワーク装置」「に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」「を備え」ている点で共通するといえる。
ク 引用発明の「制御装置2b」が備える2つの3ポートスイッチ24(「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」)は,本願発明2の「仲介ネットワーク装置」が「含」んでいる「少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」に相当する。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「前記第1ネットワーク装置に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」が「少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」「を含」む点で共通するといえる。
ケ 引用発明の「制御装置2a」と引用発明の「制御装置2b」とは,「制御装置2a」が備える「3ポートスイッチ24A」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24A」とが伝送路系Aを介して接続されており,同様に,「制御装置2a」が備える「3ポートスイッチ24B」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24B」とが伝送路系Bを介してデータを送信可能に接続されているから,引用発明も,本願発明1と同様に,「前記第1ネットワーク装置」「の前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチと,前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」「のそれぞれとの間の接続をそれぞれ介して,前記第1ネットワーク装置」「に通信可能に接続される」といえる。
コ 引用発明の「制御装置2c」は,2つの3ポートスイッチ24(「3ポートスイッチ24A」および「3ポートスイッチ24B」)備えているから,本願発明2の「少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」「を含んだ第2ネットワーク装置」に相当する。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」「を含んだ第2ネットワーク装置」「を備え」る点で共通するといえる。
サ 引用発明の「制御装置2c」は,「制御装置2b」と「伝送路系A,Bを介して」「接続されて」いるから,引用発明の「制御装置2c」は,本願発明2の「前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」「に関して並列に配置され」た「第2ネットワーク装置」に相当する。
したがって,本願発明1と,引用発明とは,「第2ネットワーク装置」が「前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」「に関して並列に配置され」ている点で共通するといえる。
シ 引用発明の「制御装置2c」と「制御装置2b」とは,「制御装置2c」が備える「3ポートスイッチ24A」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24A」とが伝送路系Aを介して接続されており,同様に,「制御装置2c」が備える「3ポートスイッチ24B」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24B」とが伝送路系Bを介してデータを送信可能に接続されており,引用発明の「制御装置2a」と「制御装置2b」とは,「制御装置2a」が備える「3ポートスイッチ24A」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24A」とが伝送路系Aを介して接続されており,同様に,「制御装置2a」が備える「3ポートスイッチ24B」と,「制御装置2b」が備える「3ポートスイッチ24B」とが伝送路系Bを介してデータを送信可能に接続されているから,引用発明も,本願発明1と同様に,「前記第1ネットワーク装置」「の前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチと,前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチ」「のそれぞれとの間の接続をそれぞれ介して,前記第1ネットワーク装置」「に通信可能に接続される」といえる。
ス 引用発明の「制御装置2a」は,引用発明が備える「制御装置2a~2f」のうちの一つの制御装置であるから,引用発明も,本願発明1と同様に,「前記第1ネットワーク装置」「は,前記複数のネットワーク装置」「のうちの前記一のネットワーク装置であ」るといえる。
セ 引用発明の「制御装置2b」および「制御装置2c」は,引用発明が備える「制御装置2a~2f」のうちの一つの制御装置であるから,引用発明も,本願発明2と同様に,「前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置」「,および前記第2ネットワーク装置」「は,前記複数のネットワーク装置」「のうちの前記異なるネットワーク装置の各々である」といえる。
(2)一致点
本願発明1と,引用発明とは,以下の点で一致する。
「複数のネットワーク装置を備える通信ネットワーク・システムであって,
前記複数のネットワーク装置のそれぞれが,第1マルチ・ポート・スイッチおよび第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでおり,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,該第1および第2マルチ・ポート・スイッチを組み込んでいる一のネットワーク装置への接続と,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置とは異なるネットワーク装置であって,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチを少なくとも組み込んでいる前記異なるネットワーク装置への相互接続と,を含み
前記第1マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第1マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,前記第2マルチ・ポート・スイッチと,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置における第2マルチ・ポート・スイッチとが互いに接続され,
前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチを含み,
各3ポート・スイッチが,初めのスイッチまたは仲介スイッチの一方であり,前記初めのスイッチがデータ・ソースへの接続性を提供し,前記仲介スイッチが前記複数のネットワーク装置の内の2つにおけるマルチ・ポート・スイッチ間の接続性を提供し,
前記通信ネットワーク・システムは,さらに,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第1ネットワーク装置と,
前記第1ネットワーク装置に関して並列に配置される少なくとも1つの仲介ネットワーク装置であって,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含み,
前記第1ネットワーク装置の前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチと,前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれとの間の接続をそれぞれ介して,前記第1ネットワーク装置に通信可能に接続される,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置と,
少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチを含んだ第2ネットワーク装置であって,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置に関して並列に配置され,
前記少なくとも仲介ネットワーク装置における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのうちの1つのマルチ・ポート・スイッチと,第2ネットワーク装置における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチにおける1つのマルチ・ポート・スイッチとを介して,前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置に通信可能に結合される,
第2ネットワーク装置と,
を備え,
前記第1ネットワーク装置は,前記複数のネットワーク装置のうちの前記一のネットワーク装置であり,
前記少なくとも1つの仲介ネットワーク装置および前記第2ネットワーク装置は,前記複数のネットワーク装置のうちの前記異なるネットワーク装置の各々である,
通信ネットワーク・システム。」
(3)相違点
本願発明1と,引用発明とは,以下の点で相違する。
ア 相違点1
本願発明1は,「第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチまたは2ポート・スイッチのいずれかである」のに対し,引用発明は,第1および第2マルチ・ポート・スイッチのそれぞれが,3ポート・スイッチである点。
イ 相違点2
本願発明1は,「前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートは,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチに含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第1ネットワーク装置(102)が含む別のマルチ・ポート・スイッチへの接続専用とされる」との構成を備えているのに対し,引用発明は,このような構成を備えていない点。
(4)相違点について
事案に鑑みて,上記相違点2について,先に検討する。
引用文献1には,「前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートは,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチに含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第1ネットワーク装置(102)が含む別のマルチ・ポート・スイッチへの接続専用とされる」構成について,記載も示唆もなく,当該構成が本願優先日前に周知であったとも認められない。
したがって,引用発明に基づいて,本願発明の相違点2に係る「前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートは,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチに含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第1ネットワーク装置(102)が含む別のマルチ・ポート・スイッチへの接続専用とされる」構成は,当業者が想到し得たものではない。
(5)小括
以上から,相違点1について検討するまでもなく,本願発明1は,引用発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
2 本願発明2~3について
本願発明2ないし3は,いずれも,本願発明1を引用したものであって,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
3 本願発明4について
本願発明4は,本願発明1の相違点2に係る構成と同様の「前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートが前記第2ネットワーク装置(106)に含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第2ネットワーク装置(106)が含む別のマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)への接続専用とされる」という構成を含んでおり,引用文献1に,当該構成は記載も示唆もなく,当該構成が本願優先日前に周知であったとも認められない。
したがって,引用発明に基づいて,本願発明4に係る「前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートが前記第2ネットワーク装置(106)に含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第2ネットワーク装置(106)が含む別のマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)への接続専用とされる」構成は,当業者が想到し得たものではない。
4 本願発明5について
本願発明5は,本願発明1あるいは本願発明4を引用したものであって,本願発明1あるいは本願発明4と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由,あるいは,上記3の本願発明4と同じ理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
5 本願発明6について
本願発明6は,本願発明1の相違点2に係る構成と同様の「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチまたは3ポート・スイッチの一方であり,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,
(a)各4ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の4ポート・スイッチへの接続を含むことと,
(b)各3ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の3ポート・スイッチへの接続を含むことと,
のうちの一方から選択される設定を有し」という構成を含んでおり,引用文献1に,当該構成は記載も示唆もなく,当該構成が本願優先日前に周知であったとも認められない。
したがって,引用発明に基づいて,本願発明6に係る「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチまたは3ポート・スイッチの一方であり,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,
(a)各4ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の4ポート・スイッチへの接続を含むことと,
(b)各3ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の3ポート・スイッチへの接続を含むことと,
のうちの一方から選択される設定を有し」という構成は,当業者が想到し得たものではない。
6 本願発明7,8について
本願発明7および8は,いずれも,本願発明1,本願発明4あるいは本願発明6を引用したものであって,本願発明1,本願発明4あるいは本願発明6と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由,上記3の本願発明4と同じ理由,あるいは,上記5の本願発明6と同じ理由により,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
第7 原査定についての判断
1 本願発明1について
本件補正により,本願発明1は,「前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチであり,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートは,前記第1ネットワーク装置(102)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチに含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第1ネットワーク装置(102)が含む別のマルチ・ポート・スイッチへの接続専用とされる」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は,原査定における引用文献Aには記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明は,当業者であっても,原査定における引用文献Aに基づいて容易に発明できたものではない。
2 本願発明2~3について
本願発明2ないし3は,いずれも,本願発明1を引用したものであって,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由により,原査定において引用された引用文献Aに記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
3 本願発明4について
本件補正により,本願発明4は,本願発明1の相違点2に係る構成と同様の「前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートが前記第2ネットワーク装置(106)に含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第2ネットワーク装置(106)が含む別のマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)への接続専用とされる」という構成を含んでおり,原査定において引用された引用文献Aには,当該構成は記載も示唆もなく,当該構成が本願優先日前に周知であったとも認められない。
したがって,原査定において引用された引用文献Aに記載された事項に基づいて,本願発明4に係る「前記第2ネットワーク装置(106)における前記少なくとも2つのマルチ・ポート・スイッチのそれぞれの1つのポートが前記第2ネットワーク装置(106)に含まれる1つのマルチ・ポート・スイッチとは異なる,前記第2ネットワーク装置(106)が含む別のマルチ・ポート・スイッチ(108e,108f)への接続専用とされる」構成は,当業者が想到し得たものではない。
4 本願発明5について
本願発明5は,本願発明1あるいは本願発明4を引用したものであって,本願発明1あるいは本願発明4と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由,あるいは,上記3の本願発明4と同じ理由により,原査定において引用された引用文献Aに記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
5 本願発明6について
本件補正により,本願発明6は,本願発明1の相違点2に係る構成と同様の「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチまたは3ポート・スイッチの一方であり,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,
(a)各4ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の4ポート・スイッチへの接続を含むことと,
(b)各3ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の3ポート・スイッチへの接続を含むことと,
のうちの一方から選択される設定を有し」という構成を含んでおり,原査定において引用された引用文献Aには,当該構成は記載も示唆もなく,当該構成が本願優先日前に周知であったとも認められない。
したがって,原査定において引用された引用文献Aに記載された事項に基づいて,本願発明6に係る「前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが4ポート・スイッチまたは3ポート・スイッチの一方であり,前記第1および第2マルチ・ポート・スイッチが,
(a)各4ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の4ポート・スイッチへの接続を含むことと,
(b)各3ポート・スイッチが,同一のネットワーク装置によって組み込まれた別の3ポート・スイッチへの接続を含むことと,
のうちの一方から選択される設定を有し」という構成は,当業者が想到し得たものではない。
6 本願発明7,8について
本願発明7および8は,いずれも,本願発明1,本願発明4あるいは本願発明6を引用したものであって,本願発明1,本願発明4あるいは本願発明6と同一の構成を備えるものであるから,上記1の本願発明1と同じ理由,上記3の本願発明4と同じ理由,あるいは,上記5の本願発明6と同じ理由により,原査定において引用された引用文献Aに記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
7 小括
以上から,原査定を維持することはできない。
第8 当審拒絶理由について
当審拒絶理由の概要は上記第3で述べたとおりであり,上記第6で述べたように,本願発明1-8は,いずれも,引用発明と同一ではなく,また,引用発明に基づいて容易に想到し得たものであるともいえない。
したがって,当審拒絶理由は解消した。
第9 むすび
以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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2021-011072