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特許拒絶査定不服審判

2021-010228

自律走行車両サービスシステム

審判番号
2021-010228
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-534135
請求日
2021年07月30日
審決日
2022年05月10日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ニッサン ノース アメリカ,インク
  • 【請求人代理人】とこしえ特許業務法人
  • 【請求人】ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ジ・アドミニストレーター・オブ・ザ・ナショナル・エアロノーティクス・アンド・スペース・アドミニストレーション
  • 【請求人代理人】とこしえ特許業務法人
審判長/審判官
  • 審判長 水野 治彦
  • 審判官 星名 真幸
  • 審判官 山本 信平
分類
P18 .121-Z (G08G) / P18 .572-Z (G08G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第184条の12第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-534135「自律走行車両サービスシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年6月28日国際公開、WO2018/119417、令和2年1月30日国内公表、特表2020-503612〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)12月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年12月22日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和2年8月21日付け(発送日:同年8月25日)で拒絶の理由が通知され、令和2年11月19日に手続補正書及び意見書が提出され、令和3年3月22日付け(発送日:同年3月30日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされた。これに対し、令和3年7月30日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、その請求と同時に手続補正書が提出が提出されたものである。 第2 令和3年7月30日の手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和3年7月30日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正について (1)本件補正前(令和2年11月19日の手続補正書)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 表示装置と、 自律走行車両から離れた位置にあり、自律走行車両から送信された、自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信するように構成される受信装置と、 前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する送信データを監視し、前記送信データに基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合、前記自律走行車両に関する情報を前記表示装置に表示させ、前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの前記送信データ及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成するようにプログラムされたコントローラを備える自律走行車両サービスシステム。」 (2)そして、本件補正は、上述の本件補正前の特許請求の範囲の記載を、以下のとおり補正するものである(下線は、補正箇所を示すために当審で付与した。)。 「【請求項1】 表示装置と、 自律走行車両から離れた位置にあり、自律走行車両から送信された、自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信するように構成される受信装置と、 前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する送信データを監視し、前記送信データに基づいて、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合、前記表示装置に表示された地図上に前記自律走行車両の位置を表示させ、前記表示装置に表示された車両情報表示領域に前記自律走行車両に関する情報を表示させるようにプログラムされたコントローラを備え、 前記自律走行車両に関する前記情報は、前記自律走行車両のルートの問題を含む自律走行車両サービスシステム。」 2 本件補正の適否 (1)本件補正の内容 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記送信データに基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し」に関して、「前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで」という事項を削除し、「前記自律走行車両に関する情報を前記表示装置に表示させ、前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの前記送信データ及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成するようにプログラムされたコントローラ」に関して、「前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの前記送信データ及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成する」という事項を削除した点を含むものであり、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものとは認められない。 また、本件補正は、同法第17条の2第5項第1号の請求項の削除、同法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正、同法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものとも認められない。 (2)請求人の主張について 請求人は審判請求書において、 「従いまして、上記補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてする補正であり、何ら新規な事項を追加する補正(特許法第184条の12第2項で読み替える特許法第17条の2第3項)ではありません。また上記補正は、いわゆるシフト補正(特許法第17条の2第4項)にも該当しません。また上記補正は、発明特定事項を限定するものであって、その補正前の請求項に記載された発明と補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一のもの、いわゆる限定的減縮(特許法第17条の2第5項第2号)を目的とするものです。」と主張している。 しかし、上述したとおり、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を一部削除するものを含んでおり、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものとは認められないから、請求人の主張は採用することができない。 (3)むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年11月19日の手続補正書により補正がされた特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであって、前記第2〔理由〕1(1)に記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶理由の概要 原査定(令和3年3月22日付け)の拒絶理由(令和2年8月21日付け)の概要は、以下のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1-2、13-15 ・引用文献等 1-2 <引用文献等一覧> 1.特開2016-095851号公報 2.特開2016-205980号公報 3 引用文献 (1)引用文献1 原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-095851号公報(以下「引用文献1」という。)には、「自律的な乗客用の乗り物のためのコンピューティング装置、コンピュータにより実施される方法及びシステム」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。 ア 「【請求項1】 自律的な乗客用の乗り物のためのコンピューティング装置であって、 当該コンピューティング装置の操作を制御するための1つ以上のプロセッサと、 ネットワーク上の遠隔サーバと通信するように構成された通信インタフェースと、 前記1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム指令を記憶するためのメモリと、を具備し、前記1つ以上のプロセッサが、前記メモリに記憶された指令を実行して、 予期せぬドライブ環境を識別し、 前記乗り物に配置された1つ以上のセンサから受信される前記予期せぬドライブ環境に基づく情報を、前記遠隔サーバを用いて遠隔オペレータに対して送信し、 前記遠隔オペレータによって送信された1つ以上の乗り物のシステムに関する命令を受信し、 実行のために前記1つ以上の乗り物のシステムに対して前記命令を送信するように構成された、コンピューティング装置。 【請求項2】 前記予期せぬドライブ環境が、前記乗り物に配置された前記1つ以上のセンサから受信された情報に、少なくとも部分的に基づいて自律的に識別される、請求項1に記載のコンピューティング装置。 【請求項3】 前記1つ以上のセンサから受信された前記情報が、前記予期せぬドライブ環境の乗り物の速度、乗り物の方向、乗り物の加速度、乗り物の回転、乗り物の位置、環境的な天候条件、交通状況、道路事情、及び画像のうちの少なくとも1つに関する、請求項1に記載のコンピューティング装置。」 イ 「【請求項8】 前記1つ以上のセンサから受信された前記情報は、前記予期せぬドライブ環境を識別したときに前記遠隔オペレータに対して送信される、請求項1に記載のコンピューティング装置。」 ウ 「【請求項10】 前記予期せぬドライブ環境に関する付加的な情報は、前記予期せぬドライブ環境にある他の乗り物から受信される、請求項1に記載のコンピューティング装置。」 エ 「【0008】 別の実施態様において、システムであって、乗り物上に配置された1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサと通信するコンピューティング装置であって、コンピューティング装置の動作を制御するための1つ以上のプロセッサと、ネットワーク上の遠隔サーバと通信するように構成された通信インタフェースと、1つ以上のプロセッサによって用いられるデータ及びプログラム命令を保存するためのメモリとを備えるコンピューティング装置とを含み、1つ以上のプロセッサは、メモリ内に保存された命令を実行して、予期せぬドライブ環境を識別し、乗り物に関連する1つ以上のセンサから受信された情報を、遠隔サーバを用いて遠隔オペレータに対して送信し、1つ以上の乗り物のシステムに関する、遠隔オペレータによって送信された命令を受信し、1つ以上の乗り物のシステム上で命令を実行するように構成される、システムを開示する。」 オ 「【0010】 自律的な乗り物を遠隔的に操作するためのコンピュータ装置、システム、及び方法を本明細書に開示する。自律的な乗り物は、自律モードで通常運転することができるか、又は乗り物内の乗員(すなわち乗り物の「ドライバ」)によって操作することができる乗用車であり得る。自律的な乗り物が、自律的操作に適さない、道路工事又は障害物などの予期せぬドライブ環境に遭遇する場合、乗り物のセンサは、画像、レーダー、及びライダーデータなどを含む乗り物及び予期せぬドライブ環境に関するデータを取り込むことができる。取り込まれたデータは、遠隔オペレータに送信することができる。遠隔オペレータは、遠隔的に乗り物を手動で操作することができ、或いは、様々な乗り物のシステムによって実行される自律的な乗り物に対する命令を発行することができる。遠隔操作は、ドライバによる介入なしで行なうことができ、或いは、ドライバは、遠隔操作を承認若しくはリクエストするように要求され得る。帯域幅を節約するために、遠隔オペレータに対して送信されて取り込まれたデータは、取り込まれたデータの限定されたサブセットを送信するなどによって、例えば、遠隔オペレータの情報ニーズに基づいた、遠隔操作を行なうのに必要最小限の情報のみに最適化することができる。最良のQoS又は最高速の通信チャネルを発見するために有効な通信チャネルの検索も用いることができる。予期せぬドライブ環境に関するデータも、同じ予期せぬドライブ環境の他の乗り物から受信することができる。さらに、遠隔オペレータによって選択された経路も、同じ予期せぬ環境における他の自律的な乗り物に対して伝えることができる。 【0011】 図1は、(図2に表現したような)乗り物200に関連するコンピューティング装置100の概略ブロック図である。コンピューティング装置100は、乗り物に実装された、手動操作式、デスクトップ、若しくは他の形式の単一のコンピューティング装置のいずれのタイプにもなり得るし、又は複数のコンピューティング装置から構成されることができる。コンピューティング装置100内の演算処理装置102は、情報を操作若しくは処理できる従来の中央処理装置(CPU)若しくは他の種類のデバイス、又は複数の装置とすることができる。コンピューティング装置100内のメモリ104は、ランダムアクセスメモリ装置(RAM)又は他の適当な種類の記憶装置とすることができる。メモリ104は、バス108を用いてCPU102によってアクセスされるデータ106を含むことができる。 【0012】 また、メモリ104は、オペレーティングシステム110と、インストールされたアプリケーション112とを含むことができ、インストールされたアプリケーション112は、以下に記載されるように、CPU102が乗り物200の遠隔操作を実施することを可能にするプログラム又はアプリを含む。また、コンピューティング装置100は、例えば、メモリカード、フラッシュドライブ、若しくはコンピュータ読み取り可能媒体の他の形式などの、二次記憶装置、追加記憶装置、又は外部記憶装置114を含むことができる。一実施態様において、アプリケーション112は、全体的又は部分的に外部記憶装置114内に保存されるとともに、処理のために必要に応じてメモリ104内にロードされることができる。 【0013】 コンピューティング装置100は、様々な乗り物の機能を制御する1つ以上の乗り物のシステム116と直接的又は間接的に通信することができる。乗り物のシステム116は、コンピューティング装置100を通信すること、又はコンピューティング装置100から情報を受信することをドライバが可能にすることが可能な、1つ以上の乗り物のインタフェース118を含むことができる。乗り物のインタフェース118は、例えば、1つ以上の対話型のディスプレイ、オーディオシステム、音声認識システム、ボタン及び/又はダイヤル、触覚フィードバックシステム、又は情報を入力又は出力するために用いられる他の同様のシステムを含むことができる。他の例示的な乗り物のシステム116は、推進システム120と、ステアリングシステム122と、スタビリティ制御システム124と、ナビゲーションシステム126と、エネルギーシステム128と、例えば乗り物の環境又は娯楽機能などの様々な乗り物の機能を制御することができる他のシステムとを含むことができる。乗り物のインタフェース118は、他の乗り物のシステム116の動作に作用する、コンピューティング装置100に対する命令を発行するためにドライバによって用いられることができる。 【0014】 推進システム120は、エンジン、モータ、トランスミッション、及び/又は乗り物200を運転するために用いられる他の乗り物の制御を制御することができる。ナビゲーションシステム126は、乗り物のためのルート又は方向を確立するために用いることができ、地図を含むことができ、及び/又は最適ルートを判定するために外部若しくは遠隔ソースに接続することができる。スタビリティ制御システム124は、例えば、乗り物の適切な偏揺れ(yaw)を含む、乗り物の安定性を維持するために乗り物のホイールの1つ以上に対してブレーキ又はモータを作動させることができる。エネルギーシステム128は、乗り物のエネルギー利用及びエネルギー貯蔵を制御することができ、エネルギー源は、ガソリン、天然ガス、ディーゼル油、バッテリ、燃料電池、又は同種のもの形式であってもよい。乗り物のシステム116は、特定の乗り物のシステム116によって制御される機能を実施するために用いることが可能な様々なアクチュエータと通信することができる。例えば、推進システム120は、アクチュエータにアクセルペダルの位置に基づいてスロットルプレートの位置を移動させることができる。このように、様々な乗り物のシステム116は、乗り物200のエンジン、モータ、バッテリシステム、アクセル、ブレーキ、ステアリング、トランスミッション、若しくは他のシステムの動作を制御又は作用することができる。 【0015】 また、コンピューティング装置100は、乗り物200及び乗り物のシステム116の性能を示すデータを取り込むことが可能な、1つ以上のセンサ130と直接的又は間接的に通信することができる。センサ130は、方向、速度、アクセル、偏揺などの乗り物200の移動を測定するために用いることができる。センサ130から受信されるデータに基づいて、コンピューティング装置100は、乗り物のシステム116を制御することができる。例示的なセンサ130は、加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は磁力計を含むことができ、その1つ以上は、慣性計測装置(IMU)132で組み合わされることができる。位置センサ134は、乗り物200の位置を判定するために地球投影位置決定衛星システム(GPS)を用いることができる。カメラなどの光学センサ136は、電荷結合素子(CCD)、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)、又は同様の画像取り込み素子を用いて、画像データを取り込むことができ、単一スペクトル画像又はマルチスペクトル画像を取り込むように構成されることができる。(それぞれ無線又は光検出を用いる)レーダーセンサ138及び/又はライダーセンサ139は、乗り物200の近くの物体(例えば他の乗り物など)を識別するのを支援することができる。用いてもよい他の例示的なセンサ130は、気候(例えば、温度計又は気圧計)又は高度(例えば、高度計)の変化を検出することができ、乗り物のシステム116の状態を監視する(例えば、燃料若しくはエネルギー準位、エンジン温度、酸素レベル、タイヤ圧などを監視する)内界センサを含むことができる。センサ130によって検出可能な他の情報のうち、センサ130は、乗り物の速度、乗り物の方向、乗り物の加速度、乗り物の回転、乗り物の位置、環境的な天候条件、トラフィック状況、及び道路事情を検出することができる。 【0016】 コンピューティング装置100は、また、コンピューティング装置100がインターネットなどのネットワーク142上の外部ソースと通信することができる通信インタフェース140を含むことができる。これらの外部ソースは、1つ以上の遠隔サーバ144を含むことができる。 【0017】 図2は、コンピューティング装置100と直接的又は間接的に通信する乗り物200の図的表現である。コンピューティング装置100は、乗り物200内に設置されることができ、又は乗り物200から遠隔的に別の位置に設置されることができる。コンピューティング装置100が乗り物200から遠隔にあれば、乗り物200は、通信インタフェース140を通じてなど、コンピューティング装置100と通信する能力を有することができる。この開示において、乗り物(vehicle)200は、概して自動車(automobile)として記載される点に留意されるべきである。しかしながら、飛行機、ボート、列車などのドライバ又はオペレータによって概して制御された他の乗り物でも開示したシステム及び方法を実施することができるので、乗り物200は、自動車に限定されない。 【0018】 1つ以上のセンサは、図1を参照して説明したセンサ130など、乗り物200上に配置されることができる。例えば、IMU132内に含まれる1つ以上のセンサ130は、例えば推測航法システムにおいて乗り物200及びステアリング角の位置及び方位を推定するためにコンピューティング装置100による使用のための周囲環境の物体に対する速度、アクセル、ホイール回転数、偏揺れ、及び距離の変化を取り込むように構成されることができる。1つ以上のセンサ130は、また、x、y、及びz軸位置の変化、速度、アクセル、回転角、及び乗り物200のナビゲーションルートに隣接する物体に対する乗り物のための回転角レート及び類似データを表現するデータを取り込むことができる。センサ130が推測航法システムのためのデータを取り込む場合、ホイール回転数、変更の走行距離、ステアリング角及びステアリング角速度に関連する情報を取り込むことができる。」 カ 「【0021】 1つ以上の位置センサ134は、複数の衛星からの信号に基づいてグローバル座標における乗り物200の位置を取り込むことができる。複数の衛星は、3次元の三角測量及び時間評価を用いて、乗り物の200の位置及び速度を推定するために用いられることができる。さらに、乗り物200の現状を判定するか、又は乗り物200の環境に関しての乗り物200の位置を判定するために用いることができ得る他のデータ及び/又は信号も、また、1つ以上のセンサ130によって取り込むことができる。」 キ 「【0023】 乗り物200が自律モードで動作している場合、コンピューティング装置100は、センサ130によって取り込まれたデータを解析し、取り込まれたデータに基づいて乗り物のシステム116に関連する命令を発行することができる。例えば、コンピューティング装置100は、光学センサ136によって検出された交通標識のテキストに基づいて、乗り物200が走行している道路上の最大速度制限値を判定することができる。若しくは、コンピューティング装置は、位置センサ134から受信された位置情報と、ローカルに(メモリ104又は外部記憶装置114内などに)格納された又は最大速度制限値を判定するために遠隔のソースから検索された地図データとを用いることができる。一旦コンピューティング装置100が道路上の最大速度制限値を判定すれば、コンピューティング装置は、乗り物のシステム116が最大速度制限値を超えて乗り物200を操作するのを防ぐことができる。別の例として、レーンマーキングの検出によって、コンピューティング装置100は、乗り物のシステム116が適切なレーン内で乗り物200を操作することを保証することができる。 【0024】 正常な操作環境下で、センサ130は、自律モードの乗り物200を操作するためにコンピューティング装置100のために充分な情報を提供することになる、ということが想定される。しかしながら、乗り物200は、時々、例えば、建設区域、道路の真中の障害物、渋滞、又は異常気象など、自律的操作が不適当である、予期せぬドライブ環境に遭遇することになる。さらに、一部の道路パターンは、見通しの悪い交差点、曲がりくねった道がある山岳地帯、又は密集した都市環境など、自律モードにとってあまりにも難易度が高いと見なされるかもしれない。コンピューティング装置100は、センサ130から受信されたデータに基づいて、乗り物200がこのようなドライブ環境にある、ということを検出することができ、又は、このような地帯の位置は、コンピューティング装置100によってアクセス可能な(例えば、メモリ104又は外部記憶装置114内にローカルに保存されるか、又は遠隔のソースからアクセス可能である)地図データ内に難易度が高い環境として保存することができる。加えて、予期せぬドライブ環境の存在は、センサ130によって検出されるような環境情報(例えば、道路、交通信号、交通パターン、など)が、ローカルに又は遠隔的に保存された地図又はデータベースから検索されるような環境に関する予期されたデータとは異なるか否かで、判定されることができる。(また、閾値も、取り込まれたデータと予期されたデータとの間の小さな変動を可能にするために定義することができ、環境内の変化を、このような閾値に対比して測定することができる。)自律モードが賢明でないこれらのあらゆるドライブ環境は、この開示の目的のために(すなわち、ドライブ環境への遭遇が全く予知しないか否かに関係なく)「予期せぬドライブ環境」と見なすことができる。この開示の目的のために、「予期せぬドライブ環境」は、コンピューティング装置100が自律的操作に適していないと判定するあらゆるドライブ環境又は状況を意味する。 【0025】 予期せぬドライブ環境が識別されれば、乗り物200の動作を、遠隔操作モードに切り替えることができる。さらに、乗り物200が、現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート及びリアルタイムの地図データに基づいて、予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということが予測される場合、遠隔操作モードを開始することができる。 【0026】 遠隔操作モードにおいて、乗り物200は、遠隔オペレータによって遠隔的に操作されることができる。一実装例において、ドライバ(すなわち、乗り物200の物理的内部の乗員)に、遠隔操作モードを承認するように促すことができる。別の実装例において、遠隔操作モードは、ドライバによる積極的行動がなくても作動させることができるし、乗り物200がもう自律モードにないということに気づいているドライバがいなくても、目に見えないように実行することができる。 【0027】 一実装例によれば、コンピューティング装置100が、予期せぬドライブ環境の識別に際して遠隔操作モードに入る準備をするとき、コンピューティング装置100は、乗り物の200の移動及び予期せぬドライブ環境に関するセンサ130から情報をリクエストする。この情報は、(ビデオデータを含む)画像データと、位置データと、レーダーデータ及び/又はライダーデータとを含むことができる。別の実施態様例によれば、予期せぬドライブ環境が充分に識別される前でも、環境から付加的な情報を収集するプロセスを、開始することができる。例えば、一旦乗り物200が、期待されるものに比較してドライブ環境のいくつかの変化を経験すると、それらの変化が激しくなく、且つコンピューティング装置100が変化に対してまだ自律的に反応することができ、自律モードで動作し続けることができたとしても、データ収集プロセスは、いずれ訪れる潜在的な予期せぬドライブ環境を見越して、開始することができる。 【0028】 一実装例において、遠隔操作モードのために収集されたデータは、自律モードの間に、センサ130によって取り込まれるのと同じデータになり得る。但し、別の実装例において、異なるデータ又は付加的なデータを収集することができる。例えば、正常な自律的操作のために必要でない又は用いられないものの、遠隔オペレータのために有用になる周囲環境の画像データを取り込むことができるカメラがあってもよい。加えて、自律モードと比較して、同一の又は類似のデータが収集されたとしても、データを体系化し、パッケージ化し、及び/又は、(このようなデータを自律モードの間に通常利用する自律制御システムにではなく、人間によって用いられるために)さらに人間可読形式で示すことができる。 【0029】 次に、遠隔オペレータは、自律的な乗り物200を制御するリクエストのコンタクトをとることができる。遠隔オペレータは、ネットワーク142上のコンピューティング装置100によってコンタクトをとることができる遠隔サーバ144を用いることができる。センサ130によって収集されたデータは、乗り物200を手動的に操作しながらこのようなデータを閲覧できる遠隔オペレータに対して提示することができる。例えば、遠隔オペレータは、乗り物200内又は乗り物上に含まれる光学センサ136を用いて環境を認識するとともに、レーダーセンサ138又はライダーセンサ139を用いて周囲の乗り物の速度に関するデータを認識することができる。1つの実装例において、センサ130は、例えば、光学センサ136を回転、パン撮り、又はズームイン若しくはズームアウトするために遠隔オペレータによって遠隔的に制御されることができる。また、遠隔オペレータは、位置センサ134によって取り込まれた位置データにアクセスすることができる。従って、遠隔オペレータを支援するために、ドライブ環境の他の乗り物又は他の機能又は物体を表わすアイコンとともに、地図上の正確な位置に表示された乗り物200を表わすアイコンにより、環境の地図を遠隔オペレータに対して表示することができる。 【0030】 遠隔オペレータが乗り物200の制御をしている間に、遠隔オペレータは、あたかも運転席から乗り物200を操作するかのように、センサ130によって取り込まれた情報を用いて、ドライブ環境のリアルタイム認識を有して、乗り物のシステム116をリアルタイムで直接操作することができる。別の実施態様例において、遠隔オペレータは、様々な事前に定義された自律的操作(例えば1つのレーン上で移動することなど)を実行するために(コンピューティング装置100によって実行されるアプリケーション112において実施することができる)自律制御システムに対して命令を発行することができる。その後、自律制御システムは、自律モードのままの乗り物200で、選択された操作を自律的に行なうことができる。別の例として、遠隔オペレータは、乗り物をガイドするために自律制御システムが用いているルートを手動的に修正することができる。例えば、遠隔オペレータは、利用可能な迂回ルートのいくつかのオプションを提示されることができる(1つの例として、遠隔オペレータのためのユーザインタフェース及び迂回経路の軌跡をドライブ環境の地図上に重ねることができる)。遠隔オペレータの新たなルートを選択すると、自律制御システムは、その後、新たなルートを用いて、乗り物を自律的に操作し続けることができる。 【0031】 1つの実装例において、遠隔オペレータは、センサ130から受信された画像に基づいて、ドライバが乗り物200自体の内部にいる光景を模倣する、フロントガラスの代わりのモニタをもつシミュレータマシンの内部から、乗り物200を操作することができる。 【0032】 別の実装例において、付近の他の乗り物からの情報は、乗り物200によって取り込まれたデータを補強する可能性があり、遠隔オペレータが乗り物200をガイドするのを支援することができる。例えば、近くの乗り物上で配置されたカメラによって取り込まれた画像情報は、遠隔オペレータを支援することができる場面の異なる光景を提供することができる。別の例として、乗り物200の前方の別の乗り物から受信されたデータは、予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すことができるかもしれない。1つの実装例において、道路の上の(乗り物200を含む)各乗り物は、定期的に又は継続的にその位置データにより遠隔サーバ(例えば遠隔オペレータによって用いられる遠隔サーバ144など)を更新することができる。その後、遠隔オペレータがそのエリア内の乗り物を遠隔的に操作しているとき、遠隔サーバ144は、これらの乗り物からのセンサデータをリクエストすることができる。若しくは、乗り物200自体のコンピューティング装置100は、このような他の乗り物から関連するセンサデータを受信するためにローカルのその場限りの無線接続を用いて、近くの他の乗り物と通信することができ、その後、コンピューティング装置100は、遠隔オペレータによって用いられる遠隔サーバ144に対して、その情報を転送することができる。」 ク 「 [図:0001388927000001.jpg] 」 (2)引用発明 上記記載事項及び図面の図示内容を総合して整理すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 〔引用発明〕 「自律的な乗客用の乗り物200に実装されたコンピューティング装置100と、コンピューティング装置100と通信する遠隔サーバ144を含むシステムにおいて、 コンピューティング装置100は、 乗り物200に配置されたセンサ130から乗り物200の位置データを含む情報を受信し、 乗り物200の前方の別の乗り物から、予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータを受信し、 センサ130から受信された乗り物200の位置データを含む情報に少なくとも部分的に基づいて、予期せぬドライブ環境を識別し、 乗り物200が、現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート及びリアルタイムの地図データに基づいて、予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということが予測される場合、予期せぬドライブ環境を識別し、 予期せぬドライブ環境を識別したときに、センサ130から受信される予期せぬドライブ環境に基づく情報を、遠隔サーバ144を用いて遠隔オペレータに対して送信し、 遠隔オペレータは位置センサ134によって取り込まれた位置データにアクセスすることができ、ドライブ環境の他の乗り物又は他の機能又は物体を表わすアイコンとともに、地図上の正確な位置に表示された乗り物200を表わすアイコンにより、環境の地図を遠隔オペレータに対して表示し、 遠隔オペレータは乗り物200をガイドするために自律制御システムが用いているルートを手動的に修正することができ、利用可能な迂回ルートのいくつかのオプションを提示されることができ、遠隔オペレータのためのユーザインタフェース及び迂回経路の軌跡をドライブ環境の地図上に重ねることができる、システム。」 (3)引用文献1に記載された事項 また、引用文献1の段落【0032】の記載から、引用文献1には次の事項(以下「引用文献1記載事項」という。)も記載されている。 〔引用文献1記載事項〕 「道路の上の(乗り物200を含む)各乗り物は、定期的に又は継続的にその位置データにより遠隔サーバ(例えば遠隔オペレータによって用いられる遠隔サーバ144など)を更新することができ、その後、遠隔オペレータがそのエリア内の乗り物を遠隔的に操作しているとき、遠隔サーバ144は、これらの乗り物からのセンサデータをリクエストすることができ、若しくは、乗り物200自体のコンピューティング装置100は、このような他の乗り物から関連するセンサデータを受信するためにローカルのその場限りの無線接続を用いて、近くの他の乗り物と通信することができ、その後、コンピューティング装置100は、遠隔オペレータによって用いられる遠隔サーバ144に対して、その情報を転送することができること。」 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「自律的な乗客用の乗り物200」は、引用文献1の段落【0017】の記載から、自動車も含んでいるから、本願発明の「自律走行車両」に相当する。 引用発明の「乗り物200の位置データ」、「乗り物の200の現在ルート」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明の「自律走行車両の状態に関するデータ」に相当し、以下同様に、「乗り物200の前方の別の乗り物」及び「他の乗り物」は「第三者」に、「予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータ」は「道路状況に関する情報」に、それぞれ相当する。 引用発明の「自律的な乗客用の乗り物200に実装されたコンピューティング装置100と、コンピューティング装置100と通信する遠隔サーバ144を含むシステム」は、本願発明の「自律走行車両サービスシステム」に相当する。 引用発明の「遠隔サーバ144」は、コンピューティング装置100を実装する乗り物200から離れた位置にあり、コンピューティング装置100と通信する機能及び遠隔オペレータに対して表示を行う機能を有するから、「表示装置」、「受信装置」及び「コントローラ」を備えていることは明らかである。 また、引用発明の「遠隔オペレータは位置センサ134によって取り込まれた位置データにアクセスすることができ、ドライブ環境の他の乗り物又は他の機能又は物体を表わすアイコンとともに、地図上の正確な位置に表示された乗り物200を表わすアイコンにより、環境の地図を遠隔オペレータに対して表示」することは、遠隔操作モードの場合であるから、本願発明の「前記自律走行車両に関する情報を前記表示装置に表示させ」ることに相当する。 さらに、引用発明の「利用可能な迂回ルート」は、遠隔オペレータが乗り物200をガイドするために自律制御システムが用いているルートを手動的に修正する場合に、遠隔オペレータにいくつかのオプションを提示されるものであって、遠隔オペレータのためのユーザインタフェース及び迂回経路の軌跡をドライブ環境の地図上に重ねることができるものであるから、乗り物200の「位置データ」及び表示された「地図データ」に基づいて何らかのコンピュータによって生成されたものであることは明らかであり、遠隔サーバ144によって生成されたものであると解するのが自然である。 そうすると、引用発明の「遠隔オペレータは乗り物200をガイドするために自律制御システムが用いているルートを手動的に修正することができ、利用可能な迂回ルートのいくつかのオプションを提示されることができ、遠隔オペレータのためのユーザインタフェース及び迂回経路の軌跡をドライブ環境の地図上に重ねることができる」ことは、本願発明の「前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの」「前記自律走行車両の状態」「に関する送信データ」「及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成する」ことに相当する。 したがって、引用発明の 「遠隔オペレータは位置センサ134によって取り込まれた位置データにアクセスすることができ、ドライブ環境の他の乗り物又は他の機能又は物体を表わすアイコンとともに、地図上の正確な位置に表示された乗り物200を表わすアイコンにより、環境の地図を遠隔オペレータに対して表示し、 遠隔オペレータは乗り物200をガイドするために自律制御システムが用いているルートを手動的に修正することができ、利用可能な迂回ルートのいくつかのオプションを提示されることができ、遠隔オペレータのためのユーザインタフェース及び迂回経路の軌跡をドライブ環境の地図上に重ねることができる」「遠隔サーバ144」は、本願発明の 「前記自律走行車両に関する情報を前記表示装置に表示させ、前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの」「前記自律走行車両の状態」「に関する送信データ」「及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成するようにプログラムされたコントローラ」に相当する。 引用発明の「乗り物200が」「予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということ」を「予測」することは、本願発明の「自律走行車両が援助を必要とするかを予測すること」に相当する。 また、引用発明の「予期せぬドライブ環境を識別し」は、本願発明の「自律走行車両が援助を必要とするかを判定し」に相当する。 さらに、引用発明の「予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータ」は、乗り物200がいまだに遭遇していない障害物などの予期せぬドライブ環境に関する付加的な環境情報であるから、予期せぬドライブ環境を識別するための「乗り物200が」「予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということ」を「予測」するのに用いられるデータであると解するのが自然である。 そして、引用発明の「乗り物の200の現在ルート」は「乗り物200の位置データ」に基づくものであることは技術常識である。 そうすると、引用発明の「予期せぬドライブ環境を識別」するのを、「乗り物200の位置データを含む情報」、「現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート」及び「予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータ」に基づいて行うことと、本願発明の「前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定」するのを、「前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する送信データ」に基づいて行うこととは、「前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定」するのを、「前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する」「データ」に基づいて行うことの限りで一致する。 したがって、引用発明の 「コンピューティング装置100は、 乗り物200に配置されたセンサ130から乗り物200の位置データを含む情報を受信し、 乗り物200の前方の別の乗り物から、予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータを受信し、 センサ130から受信された乗り物200の位置データを含む情報に少なくとも部分的に基づいて、予期せぬドライブ環境を識別し、 乗り物200が、現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート及びリアルタイムの地図データに基づいて、予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということが予測される場合、予期せぬドライブ環境を識別し、 予期せぬドライブ環境を識別したときに、センサ130から受信される予期せぬドライブ環境に基づく情報を、遠隔サーバ144を用いて遠隔オペレータに対して送信」することと、 本願発明の 「自律走行車両から離れた位置にあり、自律走行車両から送信された、自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信するように構成される受信装置と、 前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する送信データを監視し、前記送信データに基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合」とは、 「自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信」し、 「前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する」データ「を監視し、前記データ「に基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合」との限りで一致する。 よって、両者は、次の点で一致する。 〔一致点〕 「表示装置と、 自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信し、 前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関するデータを監視し、前記データに基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合、 前記自律走行車両に関する情報を前記表示装置に表示させ、前記自律走行車両にルートの更新が必要と判定した場合、前記自律走行車両からの送信データ及び前記表示装置に表示された地図データに基づいて、更新された前記ルートを生成するようにプログラムされたコントローラを備える自律走行車両サービスシステム。」 そして、両者は、以下の点で相違する。 〔相違点〕 「自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信」し、 「前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する」データ「を監視し、前記データ「に基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合」に関して、 本願発明は、 「受信装置」が「自律走行車両から離れた位置にあり、自律走行車両から送信された、自律走行車両の状態に関するデータを受信し、道路状況に関する情報を第三者から受信するように構成され、 「コントローラ」が「前記自律走行車両の状態及び前記道路状況に関する送信データを監視し、前記送信データに基づいて前記自律走行車両が援助を必要とするかを予測することで、前記自律走行車両が援助を必要とするかを判定し、前記自律走行車両が援助を必要とする場合」であるのに対し、 引用発明は、 「自律的な乗客用の乗り物200に実装されたコンピューティング装置100」が「乗り物200に配置されたセンサ130から乗り物200の位置データを含む情報を受信し、 乗り物200の前方の別の乗り物から、予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータを受信し、 センサ130から受信された乗り物200の位置データを含む情報に少なくとも部分的に基づいて、予期せぬドライブ環境を識別し、 乗り物200が、現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート及びリアルタイムの地図データに基づいて、予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということが予測される場合、予期せぬドライブ環境を識別し、 予期せぬドライブ環境を識別したときに、センサ130から受信される予期せぬドライブ環境に基づく情報を、遠隔サーバ144を用いて遠隔オペレータに対して送信」する点。 5 当審の判断 (1)相違点について 上記相違点について検討する。 引用文献1記載事項は、遠隔サーバ144が乗り物200及び他の乗り物の情報を収集して監視するものである。 また、クライアントサーバ型のコンピュータシステムにおいて、機能をクライアント側に配置するか、サーバ側に配置するかは、当業者がコンピュータの処理能力等に応じて適宜選択し得る設計的事項である。 そうすると、引用発明において、「乗り物200に配置されたセンサ130から乗り物200の位置データを含む情報を受信し、乗り物200の前方の別の乗り物から、予期せぬドライブ環境(例えば乗り物200がいまだに遭遇していない障害物など)に関する付加的な環境情報を示すデータを受信し、センサ130から受信された乗り物200の位置データを含む情報に少なくとも部分的に基づいて、予期せぬドライブ環境を識別し、乗り物200が、現在のドライブ環境の乗り物の200の現在ルート及びリアルタイムの地図データに基づいて、予期せぬドライブ環境にすぐに遭遇するかもしれない、ということが予測される場合、予期せぬドライブ環境を識別し、予期せぬドライブ環境を識別したときに」という機能を、遠隔サーバ144に配置することにより、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (2)効果について 本願発明は、全体としてみても、引用発明及び引用文献1記載事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 (3)小括 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献1記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 (4)請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、本願発明が進歩性を有する旨主張している。 しかし、請求人の主張は本件補正がされた特許請求の範囲の請求項1の記載に基づくものであるところ、前記第2で説示したとおり、本件補正は却下されたため、請求人の主張は採用することができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-010228

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