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特許拒絶査定不服審判

2021-009623

管理装置

審判番号
2021-009623
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-192865外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年07月19日
審決日
2022年05月10日
公報発行日
2022年06月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .161-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条の2
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-192865「管理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日出願公開、特開2019- 67200、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成29年10月2日に出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 2年11月 6日:拒絶理由通知(起案日) 令和 2年12月21日:意見書、手続補正書の提出 令和 3年 4月13日:拒絶査定(原査定)(起案日) 令和 3年 7月19日:審判請求書、手続補正書の提出 第2 原査定の理由の概要 原査定(令和3年4月13日付け拒絶査定)の概要は以下のとおりである。 この出願の請求項1、2に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。 先願5:特願2017-116843号(特開2019-3368号) 第3 本願発明 本願の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、令和3年7月19日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。 【請求項1】 車両の、複数の駐車スペースを有する領域である駐車エリアの前記複数の駐車スペースのうち一の駐車スペースへの入庫、及び前記一の駐車スペースから所定場所への出庫を、前記車両を自走させることによって実施する管理装置であって、 前記車両の前記所定場所での最大待機時間を設定する待機時間設定手段と、 前記車両が前記所定場所に到着してから前記最大待機時間が経過したことを条件に、前記車両を前記所定場所から前記駐車エリアに戻すための走行経路を設定し、前記走行経路に沿って前記車両を自走させる制御手段と、 を備え、 前記待機時間設定手段は、出庫車両の混雑度が高いほど、前記最大待機時間が短くなるように前記最大待機時間を設定する ことを特徴とする管理装置。 【請求項2】 前記待機時間設定手段は、前記所定場所に駐停車している車両の台数に基づいて、前記混雑度を求めることを特徴とする請求項1に記載の管理装置。 第4 先願5と先願発明 1 先願5の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された先願5の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0010】 図1は、実施の形態1に係る駐車場管理装置20およびその周辺の構成を示す説明図である。 【0011】 駐車場管理装置20は、第1の駐車場管理装置21と、第2の駐車場管理装置22と、第3の駐車場管理装置23とにより構成される。駐車場管理装置20の詳細は、後述する。 【0012】 図2は、実施の形態1に係る駐車場管理装置20が設置される駐車場100について説明するための図である。 駐車場100には、駐車エリア101、配車エリア102、配車用通路103、および、駐車位置戻り用通路104等がある。 【0013】 駐車エリア101は、例えば、駐車場100の入口側に設けられる。駐車エリア101は、ユーザが車両10を駐車するためのエリアである。図2に示すように、駐車エリア101の各駐車位置には、駐車位置IDが設定されている。 【0014】 配車エリア102は、例えば、駐車場100の出口側であって、駐車場100に隣接する店舗の出入口付近に設けられる。配車エリア102には、車両10が配車される。ユーザは、配車エリア102に配車された車両10に乗車して、駐車場100の出口から出庫することができる。図2に示すように、配車エリア102の各停車位置には、配車位置IDが設定されている。 【0015】 配車用通路103は、車両10が駐車エリア101から配車エリア102に移動するための通路である。 駐車位置戻り用通路104は、車両10が配車エリア102から駐車エリア101に移動するための通路である。 【0016】 車両10には、自律型自動運転機能が搭載されている。車両10は、例えば、自動車である。車両10は、通信部11(不図示)を備える。通信部11は、信号を送受信する。車両10は、通信部11を介して、駐車場管理装置20と無線通信を行う。車両10は、駐車場管理装置20から信号を受信し、当該信号に従って自動運転を行う。」 「【0021】 第1の駐車場管理装置21は、通信部21a、制御部21b、時刻情報生成部21c、記憶部21d、指令部21e、および演算部21f等を備えて構成されている。」 「【0057】 図6は、車両10が、配車エリア102に到着した際における動作を示すシーケンス図である。 【0058】 第3の駐車場管理装置23は、車両10が配車エリア102に到着したと判定すると、第1の到着通知を、第1の駐車場管理装置21に送信する(ステップST11) 第1の到着通知には、配車エリア102に到着した車両10のナンバープレート番号情報および、当該車両10が停車している位置の配車位置ID等が含まれる。 【0059】 第1の駐車場管理装置21は、第3の駐車場管理装置23から第1の到着通知を受信すると、第2の到着通知を、携帯端末30に送信する(ステップST12)。 第2の到着通知には、車両10が配車エリア102に到着した時刻、および、配車位置ID等が含まれる。車両10が配車エリア102に到着した時刻は、第1の駐車場管理装置21の時刻情報生成部21cが生成する。 【0060】 第1の駐車場管理装置21は、車両10の配車をキャンセルするか否か判定する(ステップST13)。当該判定は、配車キャンセル可否判定という。配車キャンセル可否判定の詳細は、図7のフローチャートを用いて後述する。 【0061】 ステップST13において、第1の駐車場管理装置21は、車両10の配車をキャンセルすると判定した場合、外部である携帯端末30に対して、配車キャンセル通知を送信する(ステップST14)。 配車キャンセル通知には、車両10の配車をキャンセルする旨の情報、および、駐車エリア101における車両10の駐車位置ID等が含まれる。 【0062】 第1の駐車場管理装置21は、車両10に対して、配車キャンセル指示を送信する(ステップST15)。 配車キャンセル指示は、配車エリア102に配車される前に車両10が駐車していた、駐車エリア101における駐車位置(以下、元の駐車位置という)に、車両10を移動させる指示である。配車キャンセル指示には、元の駐車位置の駐車位置ID等が含まれる。 【0063】 上記ステップST13において、第1の駐車場管理装置21が行う、配車キャンセル可否判定処理の詳細について説明する。 図7は、配車キャンセル可否判定処理の動作を示すフローチャートである。 【0064】 ステップST11で示したとおり、第3の駐車場管理装置23は、車両10が配車エリア102に車両10が到着したと判定すると、第1の到着通知を第1の駐車場管理装置21に送信する。時刻情報生成部21cは、第1の到着通知を受信してから経過した時間、すなわち、車両10が配車エリア102に停車している時間(以下、停車時間という)を生成し、停車時間を制御部21bに出力する(ステップST21)。 【0065】 制御部21bは、時刻情報生成部21cから取得した停車時間が、第1の閾値より大きいか否かを判定する(ステップST22)。 制御部21bは、停車時間が、第1の閾値より大きい場合(ステップST22;YES)、ステップST23の処理に進む。なお、ステップST23の処理には進まずに、ステップST25の処理に進むように構成してもよい。 一方、制御部21bは、停車時間が、第1の閾値以下である場合(ステップST22;NO)、ステップST21の処理に戻る。第1の閾値は、例えば、約10分である。 【0066】 制御部21bは、第3の駐車場管理装置23から、配車エリア102に停車している車両10の台数情報を受信する(ステップST23)。 第3の駐車場管理装置23は、配車車両判定処理を行い、当該台数情報を生成する。配車車両判定処理の詳細は、図8のフローチャートを用いて後述する。 制御部21bは、配車エリア102に停車している車両10の台数が、第2の閾値より大きいか否かを判定する(ステップST24)。 制御部21bは、配車エリア102に停車している車両10の台数が、第2の閾値より大きい場合(ステップST24;YES)、配車キャンセルを確定し、その旨を指令部21eに出力する(ステップST25)。指令部21eは、車両10に対して、配車キャンセル指示を送信する。 【0067】 一方、制御部21bは、配車エリア102に停車している車両10の台数が、第2の閾値以下である場合(ステップST24;NO)、ステップST26の処理に進む。第2の閾値は、例えば、2台である。 【0068】 制御部21bは、配車キャンセル要求を受信しているか否か判定する(ステップST26)。ユーザは、携帯端末30の配車アプリケーションを操作し、配車キャンセル要求を、第1の駐車場管理装置21に送信することができる。第1の駐車場管理装置21が受信した配車キャンセル要求は、第1の駐車場管理装置21の記憶部21dに格納される。制御部21bは、配車キャンセル要求が記憶部21dに格納されているか否か確認し、ステップST26の判定を行う。 【0069】 制御部21bは、配車キャンセル要求を受信していると判定した場合(ステップST26;YES)、ステップST25の処理に進み、配車キャンセルを確定する。 一方、制御部21bは、配車キャンセル要求を受信していないと判定した場合(ステップST26;NO)、ステップST27の処理に進む。 【0070】 制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求を受信しているか否か判定する(ステップST27)。ユーザは、携帯端末30の配車アプリケーションを操作し、配車エリア102での停車延長要求を、第1の駐車場管理装置21に送信することができる。第1の駐車場管理装置21が受信した停車延長要求は、第1の駐車場管理装置21の記憶部21dに格納される。制御部21bは、停車延長要求が記憶部21dに格納されているか否かを確認し、ステップST27の判定を行う。 【0071】 制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求を受信していると判定した場合(ステップST27;YES)、ステップST28の処理に進む。 一方、制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求を受信していないと判定した場合(ステップST27;NO)、ステップST25の処理に進み、配車キャンセルを確定する。 【0072】 制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求の受信回数が、第3の閾値より大きいか否かを判定する(ステップST28)。 制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求の受信回数が、第3の閾値より大きいと判定した場合(ステップST28;YES)、ステップST25の処理に進み、配車キャンセルを確定する。 一方、制御部21bは、配車エリア102での停車延長要求の受信回数が、第3の閾値以下であると判定した場合(ステップST28;NO)、ステップST21の処理に戻る。このとき、制御部21bは、時刻情報生成部21cに対し、当該車両10の停車時間をリセットし、再度計測し直すように指示する。 第3の閾値は、例えば2回である。ユーザは、携帯端末30の配車アプリケーションを操作し、配車エリア102での停車延長要求をすることができるが、停車延長要求の回数が所定の回数を超えた場合には、停車延長要求を認めないこととしている。」 「【0079】 図9は、車両10が、配車エリア102への移動を開始する際における動作を示すシーケンス図である。 【0080】 第1の駐車場管理装置21は、車両10に対して、配車指示を送信する(ステップST41)。配車指示は指令部21eが送信する。配車指示は、車両10を、駐車エリア101から配車エリア102に移動させる指示である。配車指示には、配車位置IDが含まれる。」 「【0108】 以上のように、実施の形態1に係る駐車場管理装置20は、自動運転機能が搭載された車両10と無線通信可能に接続され、車両10の自動運転を制御する駐車場管理装置20であって、駐車場100内における駐車エリアから配車エリアに車両10を移動させる配車要求を外部から受信する通信部21aと、通信部21aが配車要求を受信した場合に、車両10を駐車エリアから配車エリアに移動させる配車指示を、車両10に送信する指令部21eと、配車エリアに配車された車両10が、配車エリアに停車している停車時間を時刻情報生成部21cから取得し、停車時間が第1の閾値より大きいか否かを判定する制御部21bとを備え、制御部21bが、停車時間が第1の閾値より大きいと判定した場合、指令部21eは、車両10を配車エリアから駐車エリアに移動させる配車キャンセル指示を、車両10に送信する。これにより、駐車場100における配車エリア102に車両10が留まることによる混雑を解消し、配車エリア102への配車を円滑に実現できる駐車場管理装置20を得ることができる。」 2 先願発明 上記1の段落【0011】及び【0021】より、第1の駐車場管理装置21の制御部21b及び指令部21eは、駐車場管理装置20が備える装置といえるから、上記1の摘記事項からみて、先願明細書等には、「駐車場管理装置20」(以下「駐車場管理装置」という。)について、次の発明(以下「先願発明」という。)が記載されているといえる。 (先願発明) ユーザが車両を駐車するためのエリアである駐車エリア、車両が配車される配車エリア、配車用通路、および、車両が配車エリアから駐車エリアに移動するための通路である駐車位置戻り用通路がある駐車場に設置され、車両に信号を送信して車両の自動運転を制御する駐車場管理装置であって(【0012】-【0016】、【0108】)、 制御部と、指令部を備え(【0021】)、 指令部は、車両に対して、駐車エリアから配車エリアに移動させる指示である配車指示を送信することで、車両を配車エリアに移動させ(【0079】-【0080】、【0108】)、 制御部は、車両が配車エリアに停車している停車時間が第1の閾値より大きいか否かを判定し、停車時間が第1の閾値より大きい場合、配車キャンセルを確定し、その旨を指令部に出力し、指令部は、車両に対して配車キャンセル指示を送信し(【0065】-【0066】、【0108】)、 前記配車キャンセル指示は、配車エリアに配車される前に車両が駐車していた駐車エリアにおける駐車位置に車両を移動させる指示である(【0062】) 駐車場管理装置。 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と先願発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 先願発明の「車両」、「駐車エリア」及び「配車エリア」は、それぞれ本願発明1の「車両」、「駐車エリア」及び「所定場所」に相当する。また、先願発明での駐車エリアにおける車両の駐車位置は、複数の駐車スペースを有する領域である駐車エリアのうちの一の駐車スペースにほかならない。また、先願発明の指令部が、自動運転する「車両に対して、駐車エリアから配車エリアに移動させる指示である配車指示を送信することで、車両を配車エリアに移動させ」ることは、先願発明の「前記一の駐車スペースから所定場所への出庫を、前記車両を自走させることによって実施する」ことに相当する。 そうすると、先願発明の「車両に対して、駐車エリアから配車エリアに移動させる指示である配車指示を送信することで、車両を配車エリアに移動させ」る「指令部」を備える、「ユーザが車両を駐車するためのエリアである駐車エリア、車両が配車される配車エリア、配車用通路、および、車両が配車エリアから駐車エリアに移動するための通路である駐車位置戻り用通路がある駐車場に設置され、車両に信号を送信して車両の自動運転を制御する駐車場管理装置」と、本願発明1の「車両の、複数の駐車スペースを有する領域である駐車エリアの前記複数の駐車スペースのうち一の駐車スペースへの入庫、及び前記一の駐車スペースから所定場所への出庫を、前記車両を自走させることによって実施する管理装置」は、「車両の、複数の駐車スペースを有する領域である駐車エリアの前記複数の駐車スペースのうち一の駐車スペース」「から所定場所への出庫を、前記車両を自走させることによって実施する管理装置」である点で共通する。 イ 先願発明の「第1の閾値」は、車両が配車エリアに停車することができる停車時間の最大値を表すから、本願発明1の「最大待機時間」に相当する。また、先願発明の「車両が配車エリアから駐車エリアに移動するための通路である駐車位置戻り用通路」は、本願発明1の「前記車両を前記所定場所から前記駐車エリアに戻すための走行経路」といえる。 そうすると、先願発明の「車両が配車エリアに停車している停車時間が第1の閾値より大きいか否かを判定し、停車時間が第1の閾値より大きい場合、配車キャンセルを確定し、その旨を指令部に出力」する「制御部」と、「車両に対して配車キャンセル指示を送信」する「指令部」とを合わせたものは、「配車キャンセル指示」が「配車エリアに配車される前に車両が駐車していた駐車エリアにおける駐車位置に車両を移動させる指示である」から、本願発明1の「前記車両が前記所定場所に到着してから前記最大待機時間が経過したことを条件に、前記車両を前記所定場所から前記駐車エリアに戻すための走行経路を設定し、前記走行経路に沿って前記車両を自走させる制御手段」に相当する。 ウ 先願発明の「第1の閾値」は、どの程度の値であるかは自明なものではないから、先願発明に、該「第1の閾値」を設定するための設定手段が備えられていることは明らかであり、当該設定手段は、本願発明1の「前記車両の前記所定場所での最大待機時間を設定する待機時間設定手段」に相当することは明らかである。 エ 上記アないしウより、本願発明1と先願発明とは、以下の一致点及び相違点を有する。 <一致点> 車両の、複数の駐車スペースを有する領域である駐車エリアの前記複数の駐車スペースのうち一の駐車スペースから所定場所への出庫を、前記車両を自走させることによって実施する管理装置であって、 前記車両の前記所定場所での最大待機時間を設定する待機時間設定手段と、 前記車両が前記所定場所に到着してから前記最大待機時間が経過したことを条件に、前記車両を前記所定場所から前記駐車エリアに戻すための走行経路を設定し、前記走行経路に沿って前記車両を自走させる制御手段と、 を備える管理装置。 <相違点1> 車両の入庫について、本願発明1では、駐車エリアの前記複数の駐車スペースのうち一の駐車スペースへの入庫を、車両を自走させることによって実施するのに対し、先願発明では、駐車エリアにユーザが車両を駐車する点。 <相違点2> 本願発明1では、「前記待機時間設定手段は、出庫車両の混雑度が高いほど、前記最大待機時間が短くなるように前記最大待機時間を設定する」のに対し、先願発明では、この点が特定されていない点。 (2)判断 事案に鑑み、上記相違点2が実質的な相違点であるか否かを以下検討する。 本願発明1は、相違点2に係る構成により、「出庫車両の混雑状況に応じた適切な最大待機時間を設定することができる。」という効果を奏するから、相違点2は実質的な相違点といえる。 ところで、先願明細書等の段落【0066】~【0072】(上記第4の1を参照。)には、駐車場管理装置21の制御部21bについて以下の構成も開示されている。 「停車時間が第1の閾値より大きいと判定し(ステップST22;YES)、配車エリア102に停車している車両の台数が第2の閾値以下であると判定し(ステップST24;NO)、配車キャンセル要求を受信せず(ステップST26;NO)、停車延長要求を受信し(ステップST27;YES)、停車延長要求の受信回数が第3の閾値以下であると判定した(ステップST28;NO)場合、当該車両10の停車時間をリセットし、再度計測をし直すように指示する。」(当該構成を、以下、「さらなる構成」という。) これは、配車エリア102に停車している車両の台数が第2の閾値以下、すなわち混雑度が小さいことを条件の1つとして停車時間を延長するもの(出庫車両の混雑度が高いと、結果として待機時間が短くなる)ということはできる。 しかしながら、本願発明1は、待機時間設定手段が、出庫車両の混雑度が高いほど、前記最大待機時間が短くなるように前記最大待機時間を設定するものであって、設定された最大待機時間は、変更されるものではない。 したがって、上記さらなる構成は本願発明1とは異なり、停車時間を延長するか否かの判断が、停車時間が第1の閾値より大きいと判定される毎に行われるものである点で上記相違点2の構成と同一の構成であるということはできず、先願発明として、上記さらなる構成を付加して認定したとしても、上記相違点2は、依然として存在することは明らかである。 したがって、本願発明1は、先願発明と同一ではない。 2 本願発明2について 本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であり、上記1で検討した相違点2に係る構成を有するから、本願発明1と同様の理由により、先願発明と同一ではない。 第6 まとめ 以上のとおり、本願発明1、2は、先願5の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明であるとはいえないから、原査定の理由によって本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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