2021-008182
アライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法
- 審判番号
- 2021-008182
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-133873外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月22日
- 審決日
- 2022年05月09日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成28年7月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和3年6月22日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年6月22日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「ウエハレベルテストで用いるためにウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法であって、前記アライメント用光学測定素子は、テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成るグレーティングカプラと、該グレーティングカプラの前記テーパ状部分の先端に直接的に結合された反射器と、を含み、続きを表示(全12行)前記グレーティングカプラは、入射光を前記カプラグレーティングによって回折して第1の導波光として前記コアに沿って伝搬し、該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光を、前記第1の導波光とは逆向きに前記コアに沿って第2の導波光として伝搬し、該第2の導波光を前記カプラグレーティングによって回折して前記入射光とは逆向きに出射光として放射する、ように配置されており、前記光プローブのアライメント方法は、前記光プローブを前記アライメント用光学測定素子の前記グレーティングカプラに接近させる工程と、前記光プローブからの出射光を前記グレーティングカプラに入射光として入力する工程と、前記反射器からの反射光を前記グレーティングカプラからの出射光として前記光プローブで受光する工程と、受光した光の光強度を光検出器で測定する工程と、前記光強度の測定値が最大になるよう、前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程を含むことを特徴とする、光プローブのアライメント方法。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和2年10月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「ウエハレベルテストで用いるためにウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法であって、前記アライメント用光学測定素子は、グレーティングカプラと、該グレーティングカプラに直接的に結合された反射器と、続きを表示(全13行)を含み、前記グレーティングカプラは、入射光を回折して第1の導波光として伝搬し、該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光を、前記第1の導波光とは逆向きに第2の導波光として伝搬し、該第2の導波光を回折して前記入射光とは逆向きに出射光として放射する、ように配置されており、前記光プローブのアライメント方法は、前記光プローブを前記アライメント用光学測定素子の前記グレーティングカプラに接近させる工程と、前記光プローブからの出射光を前記グレーティングカプラに入射光として入力する工程と、前記反射器からの反射光を前記グレーティングカプラからの出射光として前記光プローブで受光する工程と、受光した光の光強度を光検出器で測定する工程と、前記光強度の測定値が最大になるよう、前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程を含むことを特徴とする、光プローブのアライメント方法。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「グレーティングカプラ」について「テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成る」と限定を付加すると共に、入射光の回折を「前記カプラグレーグレーティングによって」と限定し、第1の導波光としての伝搬を「前記コアに沿って」と限定し、第2導波光としての伝搬を「前記コアに沿って」と限定し、第2導波光の回折を「前記カプラグレーティングによって」と限定するものである。また、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「反射器」について「(該グレーティングカプラ)の前記テーパ部分の先端(に直接的に結合された)」と限定を付加するものである。そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2015/0355421号明細書(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は当審で付した。以下同じ。)
a 「1. An optical alignment structure comprising:a light carrying structure configured to receive an input optical light from an external optical source; anda light redirection mechanism coupled to the light carrying structure;wherein the light redirection mechanism is configured to receive the input optical light from the light carrying structure; andwherein the light redirection mechanism is further configured to redirect the input optical light back to the light carrying structure, the redirected input optical light configured to be detected by a detector for alignment of the optical alignment structure with the external optical source.」
(当審訳:1.外部光源からの入力光を受け取るように構成された光搬送構造、及び前記光搬送構造体に結合された光方向転換機構を備える、光アライメント構造であって、
前記光方向転換機構は、前記光搬送構造から前記入力光を受け取るように構成され、
前記光方向転換機構は、前記入力光を前記光搬送構造に戻すように、さらに構成され、
方向転換された入力光は、外部光源と光アライメント構造とのアライメントを検出できるように設定されている検出器によって検出されるように構成されている、光アライメント構造。)
b 「2. The optical alignment structure according to claim 1,wherein the light carrying structure is configured to carry the input optical light from the external optical source in a first direction;wherein the light redirection mechanism is configured to redirect the input optical light back to the light carrying structure in a second direction substantially opposite the first direction.」
(当審訳:2.前記光搬送構造は、前記外部光源からの入力光を第1の方向に搬送するように構成されており、前記光方向転換機構は、前記入力光を、前記第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に、前記光搬送構造に戻すように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の光アライメント構造。)
c 「7. The optical alignment structure according to claim 1,wherein the light carrying structure comprises an optical coupler.」
(当審訳:7.前記光搬送構造は、光カプラから構成されることを特徴とする、請求項1に記載の光アライメント構造。)
d 「19. A method of determining information about alignment of an alignment fiber to an optical alignment structure, the method comprising:coupling an input optical light to the optical alignment structure;detecting the input optical light redirected by the optical alignment structure; anddetermining information about alignment of the alignment fiber to the optical alignment structure based on the input optical light redirected by the optical alignment structure.」
(当審訳:19.光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定する方法であって、該方法は、以下を含む、方法。
入力光を光アライメント構造に結合するステップと
前記光アライメント構造によって方向転換された入力光を検出すること;及び
前記光アライメント構造によって方向転換された入力光に基づいて、前記光アライメント構造に対する前記アライメントファイバの位置合わせに関する情報を決定するステップと)
e 「[0005] In various embodiments, an optical alignment structure may be provided. The optical alignment structure may include a light carrying structure configured to receive an input optical light from an external light source. The optical alignment structure may further include a light redirection mechanism coupled to the light carrying structure. The light redirection mechanism may be configured to receive the input optical light from the light carrying structure. The light redirection mechanism may be further configured to redirect the input optical light back to the light carrying structure, the redirected input optical light configured to be detected by a detector for alignment of the optical alignment structure with the external optical source.」
(当審訳:様々な実施形態において、光アライメント構造が提供され得る。光アライメント構造は、外部光源から入力光を受け取るように構成された光搬送構造を含んでもよい。光アライメント構造は、光搬送構造に結合された光方向転換機構を更に含んでもよい。光方向転換機構は、光搬送構造から入力光を受け取るように構成されてもよい。光方向転換機構は、入力光を光搬送構造に戻すようにさらに構成されてもよく、方向転換された入力光は、光アライメント構造の外部光源とのアライメントのために検出器によって検出されるように構成されてもよい。)
f 「[0006] In various embodiments, a method of determining information about alignment of an alignment fiber to an optical alignment structure may be provided. The method may include coupling an input optical light to the optical alignment structure. The method may also include detecting the input optical light redirected by the optical alignment structure. The method may further include determining information about alignment of the alignment fiber to the optical alignment structure based on the input optical light redirected by the optical alignment structure.」
(当審訳:様々な実施形態において、光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定する方法が提供されてもよい。本方法は、入力光を光アライメント構造に結合することを含んでもよい。本方法はまた、光アライメント構造によって方向転換された入力光を検出することを含んでもよい。本方法は、光アライメント構造によって方向転換された入力光に基づいて、光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定することを更に含んでもよい。)
g 「[0029] Silicon photonics packaging with fiber assembly follows two approaches: (1) lateral coupling (in plane) and (2) vertical coupling (out of plane) using grating coupler.」
(当審訳:シリコンフォトニクスとファイバアッセンブリのパッケージングは、2つのアプローチで行われています。(1)横方向カップリング(面内)と(2)グレーティングカプラを用いた垂直カップリング(面外)である。)
h 「[0030] Grating couplers may offer advantages such as compatibility with planar processing, the possibility for wafer-level testing, and relatively large alignment tolerances. However, the issues with mechanical stability and reliability while preserving at least partially the compactness of the underlying devices may become a drawback for such out of plane packaging approach.」
(当審訳:グレーティングカプラは、プレーナープロセスとの互換性、ウェハレベルテストの可能性、比較的大きなアライメント公差などの利点を提供することができる。しかし、少なくとも部分的に基礎となるデバイスのコンパクト性を維持しながら、機械的安定性と信頼性の問題は、このような面外パッケージングアプローチの欠点となる可能性がある。)
i 「[0037] FIG. 3 shows a schematic 300 of an optical alignment structure according to various embodiments. The optical alignment structure may include a light carrying structure 302 configured to receive an input optical light from an external light source. The optical alignment structure may further include a light redirection mechanism 304 coupled to the light carrying structure 302. The light redirection mechanism 304 may be configured to receive the input optical light from the light carrying structure 302. The light redirection mechanism 304 may be further configured to redirect the input optical light back to the light carrying structure 302, the redirected input optical light configured to be detected by a detector for alignment of the optical alignment structure with the external optical source.」
(当審訳:図3は、様々な実施形態による光アライメント構造の概略図300である。光アライメント構造は、外部光源から入力光を受け取るように構成された光搬送構造302を含んでもよい。光アライメント構造は、光搬送構造302に結合された光方向転換機構304を更に含んでもよい。光方向転換機構304は、光搬送構造302から入力光を受け取るように構成されてもよい。光方向転換機構304は、入力光を光搬送構造302に戻すようにさらに構成されてもよく、方向転換された入力光は、外部光源との光アライメント構造体のアライメントのために検出器によって検出されるように構成されている。)
j 「[0084] The predetermined distance between the device waveguide 758 and the light carrying structure 702 of the optical alignment structure 750 may be fixed. The predetermined distance between the device waveguide 758 and the light carrying structure 702 of the further optical alignment structure 754 may be fixed. The optical device structure 752, the optical alignment structure 750 and the further optical alignment structure 754 may be formed on a substrate 760 such as a silicon-on-insulator (SOI) substrate. In various embodiments, the optical alignment structure 750 and the further optical alignment structure 754 may be on opposite sides of the optical device structure 752. The optical alignment structure 750 may be lateral to the optical device structure 752. The further optical alignment structure 754 may be lateral to the optical device structure 752. The predetermined distance may be equal to the further predetermined distance.」
(当審訳:デバイス導波路758と光学アライメント構造750の光搬送構造702との間の所定距離は、固定されていてもよい。デバイス導波路758と更なる光学アライメント構造754の光搬送構造702との間の所定の距離は、固定されてもよい。光デバイス構造752、光位置合わせ構造750及び更なる光アライメント構造754は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板などの基板760上に形成されてもよい。様々な実施形態において、光学アライメント構造750及び更なる光学アライメント構造754は、光学デバイス構造752の反対側にあってもよい。光学アライメント構造750は、光学デバイス構造752に対して横方向であってもよい。更なる光学アライメント構造754は、光学デバイス構造752に対して横方向であってもよい。所定距離は、さらなる所定距離と等しくてもよい。)
k 「[0085] A method of forming an optical alignment assembly may be provided according to various embodiments. The method may include forming the optical device structure 752 on a substrate 760. The method may further include forming the optical alignment structure 750 on the substrate 760. The method may further include forming the optical alignment structure 750 on the substrate 760. In various embodiments, the optical alignment structure 750 and the further optical alignment structure 754 may be formed using the same mask layer as the optical device structure or parts of the optical device structure (e.g. the waveguides). In various embodiments, forming the optical alignment structures 750, 754 may not affect the fabrication process. In other words, forming the optical alignment structures 750, 754 may not require additional processing steps. In various embodiments, the footprint of the optical alignment structures 750, 754 may be small. In various embodiments, the optical alignment structures 750, 754 may not affect fabrication costs.」
(当審訳:様々な実施形態に従って、光学アライメントアセンブリを形成する方法が提供され得る。本方法は、基板760上に光学デバイス構造752を形成することを含んでもよい。本方法は、基板760上に光学アライメント構造750を形成することを更に含んでもよい。本方法は、基板760上に光学アライメント構造750を形成することをさらに含んでもよい。様々な実施形態において、光学アライメント構造750及びさらなる光学アライメント構造754は、光学デバイス構造又は光学デバイス構造の一部(例えば導波路)と同じマスク層を用いて形成されてもよい。様々な実施形態において、光学アライメント構造750、754を形成することは、製造工程に影響を与えないことがある。言い換えれば、光学アライメント構造750、754を形成することは、追加の処理ステップを必要としない場合がある。様々な実施形態において、光学アライメント構造750、754のフットプリントは、小さくてもよい。様々な実施形態において、光学アライメント構造750、754は、製造コストに影響を与えなくてもよい。)
l 「[0104] The method may further include moving the alignment fiber until the detected input optical light redirected by the optical alignment structure is above a predetermined intensity. The method may additionally include determining a position of the alignment fiber when the detected input optical light redirected by the optical alignment structure is above the predetermined intensity. The method may also include aligning a main optical fiber to the device optical structure (or a part of the device optical structure) based on the position of the alignment fiber and the predetermined distance.」
(当審訳:本方法は、光アライメント構造によって方向転換され検出された入力光が、所定の強度以上になるまで、アライメントファイバを移動させることをさらに含んでもよい。本方法は、光アライメント構造によって方向転換され検出された入力光が、所定の強度以上であるときに、アライメントファイバの位置を決定することをさらに含んでもよい。本方法は、さらに、アライメントファイバの位置と所定の距離とに基づいて、主光ファイバを装置光学構造(又は装置光学構造の一部)に位置合わせすることを含んでもよい。)
「図3[図:0001385885000001.jpg]」
「図9[図:0001385885000002.jpg]」
(イ)「アライメントファイバ」から「光アライメント構造」へのアプローチとして、グレーティングカプラを用いた垂直カップリングがあることを踏まえると、引用発明の「光搬送構造」が備える「光カプラ」として、「グレーティングカプラ」が記載されていると認められる。(上記(ア)a、c及びg)
(ウ)以上より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお参考までに、引用発明の認定に用いた引用文献1の記載等に係る段落番号等を括弧内に付してある。
<引用発明>
「光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定する方法であって、(上記(ア)d)光アライメント構造は、基板上に形成され、(上記(ア)k)光アライメント構造は、外部光源からの入力光を受け取るように構成された光搬送構造と、光搬送構造に結合された光方向転換機構を備え、続きを表示(全15行)光搬送構造は、光カプラから構成され、光カプラは、グレーティングカプラであり、(上記(イ))光搬送構造は、外部光源からの入力光を第1の方向に搬送するように構成されており、光方向転換機構は、光搬送構造から入力光を受け取るように構成され、光方向転換機構は、入力光を、第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に、光搬送構造に戻すように構成され、方向転換された入力光は、外部光源と光アライメント構造とのアライメントを検出できるように設定されている検出器によって検出されるように構成されており、(上記(ア)a~c)入力光を光アライメント構造に結合するステップと、光アライメント構造によって方向転換された入力光を検出し、光アライメント構造によって方向転換された入力光に基づいて、光アライメント構造に対するアライメントファイバの位置合わせに関する情報を決定するステップとを含み、(上記(ア)d)光アライメント構造によって方向転換され検出された入力光が、所定の強度以上になるまで、アライメントファイバを移動させ、所定の強度以上であるときに、アライメントファイバの位置を決定する、(上記(ア)l)光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定する方法。」
イ 引用文献2
(ア)同じく原査定に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった米国特許出願公開第2015/0309261号明細書(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「[0039] FIG. 2 is a close-up view of the grating-coupler assembly 70 of PIC system 6, with fiber end 62 of fiber 60 residing adjacent grating coupler 30. An example SOI substrate 20 includes a silicon substrate 23, a silicon-dioxide (SiO2) layer 25 atop the silicon substrate, and silicon waveguide 40 atop the SiO2 layer. The grating coupler 30 is formed in a portion of a silicon layer 41 that also defines silicon waveguide 40. FIGS. 3A and 3B are top-down views that show example configurations wherein grating coupler 30 and silicon waveguide 40 are optically connected via a tapered section 42.」
(当審訳:図2は、PICシステム6のグレーティング-カプラアセンブリ70のクローズアップ図であり、ファイバ60のファイバ端62がグレーティングカプラ30に隣接して存在する。例示的なSOI基板20は、シリコン基板23と、シリコン基板の上の二酸化シリコン(SiO2)層25と、SiO2層の上のシリコン導波路40とを含む。グレーティングカプラ30は、シリコン導波路40を画定するシリコン層41の一部に形成されている。図3A及び図3Bは、グレーティングカプラ30とシリコン導波路40とがテーパ部42を介して光学的に接続された構成例を示すトップダウン図である。」
「図2[図:0001385885000003.jpg]」
「図3A及び図3B[図:0001385885000004.jpg][図:0001385885000005.jpg]」
(イ)図3Aより、シリコン導波路40に接続される構成として、グレーティングカプラ30及びテーパ部42よりなる構造がみてとれ、ファイバ60からのガイド光66は、当該構造をもってシリコン導波路40にカップリングするものと解される。
そうすると、引用文献2には、ファイバからの光を光導波路に接続する、「グレーティング及びテーパ部を有する光カプラ」が記載されていると認められる。
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを以下に対比する。
(ア)本件補正発明の「ウエハレベルテストで用いるためにウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法」について
引用発明は、「光アライメント構造に対するアライメントファイバのアライメントに関する情報を決定する方法」であって、引用発明の「光アライメント構造」は、「基板上に形成され」ている。
してみると、引用発明の「光アライメント構造」、「アライメントファイバ」及び「基板」は、それぞれ本件補正発明の「アライメント用光学測定素子」、「光プローブ」及び「ウエハ」に相当し、本件補正発明と引用発明とは、「ウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法」である点で一致するといえる。
(イ)本件補正発明の「テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成るグレーティングカプラ」について
本件補正発明の「グレーティングカプラ」は、「入射光を前記カプラグレーティングによって回折して第1の導波光として前記コアに沿って伝搬し」ている。
他方、引用発明の「光搬送構造」は、「外部光源からの入力光を受け取るように構成され」、「外部光源からの入力光を第1の方向に搬送するように構成されており」、「グレーティングカプラ」である「光カプラ」から構成されている。
してみると、引用発明の「光搬送構造」及び「光カプラ」は、それぞれ本件補正発明の「グレーティングカプラ」及び「カプラグレーティング」に相当し、引用発明は、「カプラグレーティングを有するグレーティングカプラ」を備える点で、本件補正発明と一致するといえる。
(ウ)本件補正発明の「該グレーティングカプラの前記テーパ状部分の先端に直接的に結合された反射器」について
本件補正発明では、「該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光」と特定されているので、本件補正発明の「反射器」は、「第1の導波光」を反射するものと解される。
他方、引用発明の「光方向転換機構」は、「光搬送構造から入力光を受け取るように構成され」、「入力光を、第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に、光搬送構造に戻すように構成され」ている。
したがって、引用発明の「反射器」は、本件補正発明の「反射器」に相当し、引用発明は、「該グレーティングカプラ」「に結合された反射器」を備える点で、本件補正発明と一致するといえる。
(エ)本件補正発明の「前記グレーティングカプラは、入射光を前記カプラグレーティングによって回折して第1の導波光として前記コアに沿って伝搬し、該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光を、前記第1の導波光とは逆向きに前記コアに沿って第2の導波光として伝搬し、該第2の導波光を前記カプラグレーティングによって回折して前記入射光とは逆向きに出射光として放射する、ように配置されており」について
引用発明の「光搬送構造」は、「グレーティングカプラ」である「光カプラ」から構成され、「外部光源からの入力光を第1の方向に搬送するように構成されており」、「光方向転換機構は、入力光を、第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に、光搬送構造に戻すように構成され」ている。そして、引用発明では、「方向転換された入力光は、外部光源と光アライメント構造とのアライメントを検出できるように設定されている検出器によって検出されるように構成されて」いるところ、「光搬送構造」が、「グレーティングカプラ」である「光カプラ」から構成されていることを踏まえれば、「第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に、光搬送構造に戻」された光は、「グレーティングカプラ」である「光カプラ」により回折して、入力光とは逆向きに出射されるものと解される。
してみると、引用発明は、「前記グレーティングカプラは、入射光を前記カプラグレーティングによって回折して第1の導波光として」「伝搬し、該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光を、前記第1の導波光とは逆向きに」「第2の導波光として伝搬し、該第2の導波光を前記カプラグレーティングによって回折して前記入射光とは逆向きに出射光として放射する、ように配置されて」いる点で、本件補正発明と一致するといえる。
(オ)本件補正発明の「前記光プローブを前記アライメント用光学測定素子の前記グレーティングカプラに接近させる工程」及び「前記光プローブからの出射光を前記グレーティングカプラに入射光として入力する工程」について
引用発明の「入力光を光アライメント構造に結合するステップ」は、「アライメントファイバ」からの出射光を「光アライメント構造」の「光搬送構造(光カプラ)」に「結合する」ステップであると理解できるから、その「結合」に際して、「アライメントファイバ」は、「光搬送構造(光カプラ)」に結合するよう、近づけられるものと解される。そして、「結合」した状態において、「入力光」は、「アライメントファイバ」から出射され、「光搬送構造(光カプラ)」に「結合」しているのであるから、「光搬送構造(光カプラ)」に入射光として入力しているものと理解できる。
したがって、引用発明は、本件補正発明の「前記光プローブを前記アライメント用光学測定素子の前記グレーティングカプラに接近させる工程」及び「前記光プローブからの出射光を前記グレーティングカプラに入射光として入力する工程」を備えるといえる。
(カ)本件補正発明の「前記反射器からの反射光を前記グレーティングカプラからの出射光として前記光プローブで受光する工程」について
引用発明は、「光アライメント構造によって方向転換された入力光を検出し」ており、上記(エ)に説示のとおり、引用発明が備える構成を踏まえると、本件補正発明の「前記反射器からの反射光を前記グレーティングカプラからの出射光として前記光プローブで受光する工程」を備えるといえる。
(キ)本件補正発明の「受光した光の光強度を光検出器で測定する工程」について
引用発明は、「光アライメント構造によって方向転換された入力光を検出し」ているので、本件補正発明の「受光した光の光強度を光検出器で測定する工程」を備えるといえる。
(ク)本件補正発明の「前記光強度の測定値が最大になるよう、前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程」について
引用発明は、「光アライメント構造によって方向転換され検出された入力光が、所定の強度以上になるまで、アライメントファイバを移動させ、所定の強度以上であるときに、アライメントファイバの位置を決定する」ので、「前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程」を備える点で、本件補正発明と一致するといえる。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「ウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法であって、前記アライメント用光学測定素子は、カプラグレーティングを備えるグレーティングカプラと、該グレーティングカプラに結合された反射器と、を含み、続きを表示(全12行)前記グレーティングカプラは、入射光を前記カプラグレーティングによって回折して第1の導波光として伝搬し、該第1の導波光が前記反射器で反射された反射光を、前記第1の導波光とは逆向きに第2の導波光として伝搬し、該第2の導波光を前記カプラグレーティングによって回折して前記入射光とは逆向きに出射光として放射する、ように配置されており、前記光プローブのアライメント方法は、前記光プローブを前記アライメント用光学測定素子の前記グレーティングカプラに接近させる工程と、前記光プローブからの出射光を前記グレーティングカプラに入射光として入力する工程と、前記反射器からの反射光を前記グレーティングカプラからの出射光として前記光プローブで受光する工程と、受光した光の光強度を光検出器で測定する工程と、前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程を含むことを特徴とする、光プローブのアライメント方法。」
<相違点>
・相違点1
「ウエハ上に形成されたアライメント用光学測定素子を用いた光プローブのアライメント方法」について、本件補正発明は、「ウエハレベルテストで用いるため」であるのに対し、引用発明にその用途は特定されていない点。
・相違点2
グレーティングカプラにつき、本件補正発明は、「テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成」り、カプラグレーティングによって回折した第1の導波光としての伝搬を「コアに沿う」こととし、第1の導波光が反射器で反射された反射光の第1の導波光とは逆向きの第2の導波光としての伝搬を「コアに沿う」こととしたのに対し、引用発明は、そもそも、「テーパ状部分を持つコア」を備えるか否かが不明である点。
・相違点3
反射器につき、本件補正発明は、「該グレーティングカプラの前記テーパ状部分の先端に直接的に結合された」、のに対し、引用発明では、「テーパ状部分を持つコア」を備えるか否か不明であるため、「前記テーパ状部分の先端に直接的に結合された」とはいえない点。
・相違点4
「前記ウエハに対する前記光プローブの相対位置を調節する工程」について、本件補正発明は、「前記光強度の測定値が最大になるよう」行っているのに対し、引用発明では、「検出された入力光」が「所定の強度以上である」ように行っている点。
(4)判断
以下、各相違点について検討する。
ア 相違点1について
上記第2の2(2)ア(ア)の[0030]に記載のとおり、引用文献1には、「グレーティングカプラ」を「ウエハレベルテスト」へ適用することへの示唆がなされているので、引用発明を「ウエハレベルテスト」のために用いることは、当業者であれば、容易に想起し得たことである。
イ 相違点2について
上記第2の2(2)イ(イ)のとおり、引用文献2には、「グレーティング及びテーパ部を有する光カプラ」が記載されており、光導波路に光学的に接続するように、テーパ部を有する光カプラは格別のものではない。
そして、引用発明の「光カプラ」は、「光搬送構造から入力光を受け取るように構成され」た「光方向転換機構」に光学的に接続されるものであり、引用文献2に記載された「光カプラ」と同等の機能を有するものであるから、引用発明の「光カプラ」を引用文献2に記載された「光カプラ」に置き換えることは、当業者が適宜なし得たことといえる。
したがって、引用発明の「光カプラ」を、引用文献2に記載された「グレーティング及びテーパ部を有する」ものとして構成し、相違点2に係る「テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成」るものとすることは、当業者であれば容易になし得ることであり、そうすると、「入力光」は、グレーティングによって回折されて、「テーパ部に沿って」第1の方向に搬送されることとなり、「光方向転換機構により第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に方向転換され光搬送構造に戻すように構成された入力光」は、「テーパ部に沿って」第2の方向に搬送され、グレーティングによって回折されて出力されるものとなるから、上記相違点2に係る「カプラグレーティングによって回折した第1の導波光としての伝搬を「コアに沿う」こととし、第1の導波光が反射器で反射された反射光の第1の導波光とは逆向きの第2の導波光としての伝搬を「コアに沿う」こととした」との構成は、必然的に満たされることとなる。
よって、上記相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点3について
上記イのとおり、引用発明の「光カプラ」を、「グレーティング及びテーパ部を有する」ものとして構成することは、当業者が容易になし得たことであるところ、「テーパ部」の幅広の側にグレーティングが形成されていることを踏まえると、「テーパ部」の幅狭の側に「光方向転換機構」が結合されることになると解されるので、上記相違点3に係る「該グレーティングカプラの前記テーパ状部分の先端に」「結合された」との構成は、満たされているといえる。
そして、上記相違点3に係る「直接的に」との特定は、令和2年10月22日提出の手続補正書にて補正された事項であり、同日提出の意見書によれば、その補正の根拠は、図4~図6であるところ、図4及び図5を見るに、グレーティングカプラと反射器のうち光を反射する機能を奏する箇所(グレーティング、ループミラー)との間には光導波路が見てとれるので、本件補正発明の「反射器」は「光導波路」を有するものを含んでいると解されるから、上記「直接的に」との特定もまた、引用発明に引用文献2に記載された事項を適用することにより必然的に満たされるものと解され、仮に、「直接的に」との特定が、必然的に満たされるとまでは言えないとしても、光導波路を介するか否かは、当業者が所望によりなし得ることであるから、「直接的に結合」するよう構成することは、当業者が適宜なし得る設計的な事項である。
エ 相違点4について
引用発明では、「光アライメント構造によって方向転換され検出された入力光が、所定の強度以上になるまで、アライメントファイバを移動させ、所定の強度以上であるときに、アライメントファイバの位置を決定する」ものであるところ、「検出された入力光」が最大強度であるときに、「アライメントファイバ」の位置が最適化されていることは明らかである。
したがって、引用発明において、「所定の強度以上」に替えて「最大強度」に設定することは、当業者であれば、容易になし得たことである。
オ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
カ 審判請求人の主張
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審判請求人は、審判請求書にて、「グレーティングカプラと反射器とは直接的に結合されていること」を、主たる相違点として主張している。
しかしながら、上記第2の2(4)ウに説示のとおりであるから、請求人の主張は、上記判断を左右するものではない。
キ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年6月22日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年10月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「グレーティングカプラ」に係る「テーパ状部分を持つコアとカプラグレーティングとから成る」との限定事項を削除し、当該特定事項に関連した「の前記テーパ状部分の先端」、「前記カプラグレーティングによって」及び「前記コアに沿って」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-008182