2021-007824
穀粒品質測定器
- 審判番号
- 2021-007824
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-168619外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年06月15日
- 審決日
- 2021年11月26日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (B65G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 9項目
第1 手続の経緯
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本件に係る出願は、平成28年 8月30日の出願であって、令和 2年 2月20日付けで拒絶理由通知がされ、同年 4月24日に意見書及び手続補正書が提出され、令和 2年 9月24日付けで最後の拒絶理由通知がされ、同年11月30日に意見書及び手続補正書が提出され、令和 3年 3月 3日付けで、上記令和 2年11月30日にした手続補正について補正の却下の決定がなされるとともに拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年 6月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、同年10月14日に上申書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の請求項1-4に係る発明は、以下の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・請求項1-4について
・請求項1-4について
第3 令和 3年 6月15日にした手続補正について
1. 令和 3年 6月15日にした手続補正(以下、「本件補正」という。)について
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
【請求項1】
筐体上部の投入口から供給される穀粒を、前記投入口の下方に配設したシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給し、前記シュートの下部から放出された穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する穀粒品質測定器であって、
前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得ることを特徴とする穀粒品質測定器。
【請求項2】
前記各整列板が互いに直角状態で連設されると共に、前記上流側の整列板と下流側の整列板とが前記間隙を有して連設されていることを特徴とする請求項1に記載の穀粒品質測定器。
【請求項3】
前記各整列板が表面処理されたことを特徴とする請求項1または2に記載の穀粒品質測定器。
【請求項4】
前記投入口の底部開口にシャッタが開閉可能に配設され、該シャッタが開放された際に所定量の前記穀粒が傾斜した最上位の前記整列板上に供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の穀粒品質測定器。
2.本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲の記載は、令和 2年 4月24日に手続補正された特許請求の範囲の記載によって特定される次のとおりである。
【請求項1】
筐体上部の投入口から供給される穀粒を、前記投入口の下方に配設したシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給し、前記シュートの下部から放出された穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する穀粒品質測定器であって、
前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されることを特徴とする穀粒品質測定器。
【請求項2】
前記各整列板が互いに直角状態で連設されると共に、前記上流側の整列板と下流側の整列板とが前記間隙を有して連設されていることを特徴とする請求項1に記載の穀粒品質測定器。
【請求項3】
前記各整列板が表面処理されると共に、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の穀粒品質測定器。
【請求項4】
前記投入口の底部開口にシャッタが開閉可能に配設され、該シャッタが開放された際に所定量の前記穀粒が傾斜した最上位の前記整列板上に供給されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の穀粒品質測定器。
3.本件補正の適否
本件補正は、請求項1の「整列板」について、「前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得る」と発明特定事項を限定するものあるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものである。
当該整列板の構成は、願書に最初に添付した明細書の段落【0026】~【0027】に「・・・整列板10a~10dの傾斜角度や間隙11a、11b寸法を所定に設定することで試料の流下速度を均一にできて、試料の品質判定精度を十分に高めることが可能になる。・・・一対の整列板10a、10b及び10c、10dで所定容積の穀粒収容凹部を形成できると共に、最上流側の整列板10aに落下して跳ね返った穀粒を下流側の整列板10b~10dで確実に受け止めつつ、間隙11a、11bを通過させることができ、各整列板10a~10dにおける試料の流下量を均一化することができる。」と記載されるとともに、段落【0028】に「また、整列板10a~10dの最上流側の間隙11aの寸法t1が下流側の間隙11bの寸法t2、t3より大きく設定されているため、試料を上流側から下流側に向けてスムーズに流下させることができて、シュート13の各流下溝13b内に試料を一粒ずつ確実に流通(流下)させることができる。」と記載されているから、当該補正は願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。
また、請求項3から「前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されていること」を削除する補正は、請求項3が引用する請求項1が「前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させる」と発明特定事項を限定するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものである。
そして、当該補正は、新規事項を追加するものではないことが明らかであるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。
ここで、補正後の請求項1-4に係る発明は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないので、以下、検討する。
4.独立特許要件について
4-1 本願発明1-4について
本願の請求項1-4に係る発明(以下、「本願発明1」―「本願発明4」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される、上記第3の1.のとおりである。
4-2 引用文献に記載された事項及び引用発明
(1)引用文献2に記載された事項及び引用発明2について
引用文献2には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米や麦などの穀粒中に混入する異色粒やガラスなどの無機異物を除去する色彩選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記色彩選別機は、落下中の穀粒に可視光域と近赤外光域の光線を照射し、その透過・反射光を利用して穀粒中に混入する異色粒や無機異物を除去するものであり、特開平9-304182号などで開示されている。
【0003】前記色彩選別機には、可視光センサーと近赤外光センサーとを有するセンサー部とバックグランドとが設けられ、前記センサー部とバックグランドとは穀粒の落下軌跡中の光学検出位置を挟んだ状態で対向して配設されている。また、前記バックグランドと落下中の穀粒とを照射するハロゲンランプ及び蛍光灯も設けられている。
【0004】前記バックグランドから反射される光、すなわち、前記可視光センサーと近赤外光センサーとに入射される光は、良品の原料と同じ明るさになるように調整される。」
イ「【0014】図1は、本発明の色彩選別機の全体を示す縦断面図である。図1において、フレーム1内の一側上部には原料タンク2を設け、該原料タンク2の下端には振動供給樋3を接続し、更に該振動供給樋3の下部にはバイブレーターなどからなる振動発生装置4が設けられている。そして、前記振動供給樋3は、傾斜して設けたシュート5に連絡している。該シュート5の下端は、一対の光学検出手段6,6の間に臨ませ、更に、シュート5の下方には該シュート5の下端から落下する良品粒を受け入れる筒状の良品受樋7を設けている。該良品受樋7の下端には穀粒を排出する搬送手段8が連絡されている。
【0015】前記シュート5の下端から良品受樋7内に落下する落下軌跡付近には、原料粒子中に混入された不良品である異色粒や無機異物を除去する噴射ノズル9が設けられている。該噴射ノズル9には、エアー管10を介してエアーコンプレッサ(図示せず)に接続されている。前記噴射ノズル9の下方には、不良品を排出する不良品排出口11を設け、該不良品排出口11は不良品を排出する搬送手段12に連絡している。前記フレーム1の上部にはコントロールボックス13及び操作パネル14が設けられ、前記コントロールボックス13内には後述する信号処理手段24が設けられている。」
ウ「【0023】前記原料タンク2に供給された原料粒子は、前記振動発生装置4が発生させる振動を受けながら振動供給樋3からシュート5に送られる。そして、原料粒子は、前記シュート5を流下し、該シュート5の下端から一定の落下軌跡を描きながら落下する。前記センサー部17,18は、光学検出位置Fでの原料粒子からの反射・透過光を受光すると共に、原料粒子と同じ明るさに設定されたバックグランド19,20のバックグランド光を受光する。受光した光量値は、図示しないI/V変換器によって電圧値にされた後、前記増幅器25に送られて一定のレベルまで増幅され、更に、比較器26に送られる。該比較器26では、バックグランド光の光量に応じた電圧値と前記光学検出位置Fの原料粒子からの光量に応じた電圧値とを比較し、その電圧差が前記設定器27から入力されるしきい値(電圧値)よりも大きい場合、前記ワンショット回路28に信号を送る。該ワンショット回路28では、前記噴射ノズル9を噴射させる時間が設定された後、前記デレー回路29で所定の遅れ時間の設定が行われ、更に、前記バルブドライブ回路30が噴射ノズル9を作動させる信号を噴射ノズル9に送る。そして、該噴射ノズル9からの噴風によって電圧差を生じさせた原料粒子(異色粒や無機異物などの不良品)は除去される。」
エ「【図1】
[図:0001380898000001.jpg]
」
オ「【図2】
[図:0001380898000002.jpg]
」
カ 摘記事項エには、原料タンク2内に、フレーム1の垂直面に対して所定角度傾斜した板が上下方向に3枚設けられ、上流側の板及び下流側の板は、互いに交差する方向に配設され、上流側の板の原料粒子の流下する下端と下流側の板の原料粒子が流下する面との間に原料粒子が通過可能な間隙を形成しつつ連設されていることが看取できる。
摘記事項ア~オ及び認定事項カから、引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。
(引用発明2)
フレーム1内の一側上部には原料タンク2を設け、前記原料タンク2に供給された原料粒子は、原料タンク2の下端に接続された前記振動発生装置4が発生させる振動を受ける振動供給樋3からシュート5に送られ、該シュート5の下端は、一対の光学検出手段6,6の間に臨ませ、
光学検出手段6,6が検出したバックグランド光の光量に応じた電圧値と原料粒子からの光量に応じた電圧値とを比較し、その電圧差がしきい値(電圧値)よりも大きい場合、電圧差を生じさせた原料粒子(異色粒や無機異物などの不良品)は除去される色彩選別機であって、
原料タンク2内に、フレーム1の垂直面に対して所定角度傾斜した板が上下方向に3枚設けられ、上流側の板及び下流側の板は、互いに交差する方向に配設され、上流側の板の原料粒子の流下する下端と下流側の板の原料粒子が流下する面との間に原料粒子が通過可能な間隙を形成しつつ連設されている色彩選別機。
(2)引用文献3に記載された事項
ア「技術分野
[0001] 本発明は、粒状物を貯蔵する粒状物の貯蔵装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、サイロやホッパーなどの貯蔵装置において、損傷しやすい貯蔵物に対して作用する圧力を低減させる構成が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
・・・」
イ「発明が解決しようとする課題
[0004] しかしながら、特許文献1に記載のらせん仕切板を設ける構成では、傾斜角が小さい緩斜面ではせらん仕切板上に貯蔵物が滞留し、途中で閉塞するおそれがある。また、傾斜角が大きい急斜面では貯蔵物が落下する速度が次第に速くなり、貯蔵物に加わる衝撃が大きくなり、貯蔵物が破損したり、固結したり、架橋したりするなどの不都合を生じるおそれがある。
また、特許文献2に記載のスピード抑制装置を有するスパイラルシュートを設ける構成では、回動する構成を設けることで、構造が複雑となり、製造および保守管理が煩雑となるおそれがある。また、スパイラルシュートの傾斜角が小さい緩斜面ではせらん仕切板上に貯蔵物が滞留、特に貯蔵物が穀物や樹脂ペレットなどの比較的に軽量な貯蔵物ではスピード抑制装置の位置で滞留し易い。このため、スパイラルシュートから滞留する貯蔵物が溢れて落下し、落下の衝撃で貯蔵物が損傷するなどの不都合を生じるおそれがある。さらに、貯蔵物の貯蔵量が増えると、スパイラルシュート上にも貯留しスピード抑制装置の位置でも搬送流路を開いたままの状態で滞留することとなる。このため、スピード抑制装置とスパイラルシュートとの間に貯蔵物が挟まり、貯蔵物を排出した際でもスピード抑制装置が元の搬送流路を閉じる状態に戻らなくなり、スピード抑制の機能が損なわれるおそれがある。
[0005] 本発明の目的は、粒状物を損傷することなく良好に貯蔵できる粒状物の貯蔵装置を提供することにある。」
ウ「[0031] (貯蔵)
貯蔵部7は、搬送部6で搬送された水添石油樹脂ペレットを適宜取り出し可能に貯蔵する。
この貯蔵部7は、図5に示すように、複数の貯蔵ホッパー71と、搬送部6のバケットコンベヤ65で搬送された水添石油樹脂ペレットを所定の貯蔵ホッパー71に投入する図示しない切替部と、を備えている。
[0032] 貯蔵ホッパー71は、例えば内周面が円筒状で底部が鉛直方向の下方に従って縮径して形成されている。貯蔵ホッパー71の上部には、上部に切替部から投下される水添石油樹脂ペレットが投入される図示しない投入口が、周縁近傍で直径方向に位置して一対開口形成されている。また、貯蔵ホッパー71の下端には貯蔵する水添石油樹脂ペレットを排出する図示しない排出バルブにて開閉される排出口が開口形成されている。
また、貯蔵ホッパー71内には、図6~8に示す流路である溝状傾斜流路72が貯蔵ホッパー71の直径方向にそれぞれ位置して一対配設されている。
なお、貯蔵ホッパー71は、円筒形状に限らず、角柱状など、適宜形状に設計できる。
[0033] 溝状傾斜流路72は、貯蔵ホッパー71の投入口から投入された水添石油樹脂ペレットを斜め下方へ流し、水添石油樹脂ペレットの破損を抑制する。この溝状傾斜流路72は、貯蔵ホッパー71の内周面に貯蔵ホッパー71の投入口から底部に亘って設けられた図示しない支持部材と、この支持部材に鉛直方向に複数配置された溝状傾斜流路部材72Bとを備えている。
支持部材は、図6に示すような取付金具72A1を備えて構成されている。取付金具72A1は、鋼板にて断面L字状に折曲形成され、貯蔵ホッパー71の内周面に所定間隔で複数突設されている。支持部材は、図7~9に示すように、複数の上下に隣接する溝状傾斜流路部材72Bのそれぞれが水添石油樹脂ペレットの流下する方向を反転する状態に、複数反対方向に取り付ける。
[0034] 溝状傾斜流路部材72Bは、図10に示すように、例えばステンレス鋼板などにて形成され、水添石油樹脂ペレットを斜め下方へ流す溝状構造を形成する部材である。
溝状傾斜流路部材72Bは、水添石油樹脂ペレットが崩れ落ちない安息角である37°より大きい角度で傾斜する傾斜板72B1と、この傾斜板72B1の両側に上方に向けて折曲形成された側板72B2と、傾斜板72B1の一端側である上側に位置する端部に上方に向けて折曲形成された減速手段としての板状部材72B3と、を有し、溝状構造を形成する。
なお、溝状傾斜流路部材72Bは、ステンレス鋼板に限らず、表面処理された鋼板など、各種材料にて形成できる。」
エ「[図5]
[図:0001380898000003.jpg]
」
オ「[図6]
[図:0001380898000004.jpg]
」
カ「[図7]~[図9]
[図:0001380898000005.jpg]
」
キ「[図10]
[図:0001380898000006.jpg]
」
(3)新たに引用する引用文献
当審が新たに引用する実願昭60-15005号(実開昭61-132304号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。
ア「この考案の一実施例を第1図に示す。図において、1は角筒状のホッパー本体であり、下部にテーパ面2を介して幅狭に絞られたビス出口3を有する。なお、ホッパー本体1は円筒状としてもよい。ビス出口3の側壁に蓋出入開口4が形成され、開閉蓋5が水平に進退開閉自在に設けられている。開閉蓋5はエアーシリンダ等の開閉シリンダ6に連結されている。ホッパー本体1および開閉シリンダ6は、架台(図示せず)に設置されている。ホッパー本体1の対面する一対の内壁面に、邪魔板7A,7Bが下向きに傾斜して設けられている。対向する内壁面の邪魔板7A,7Bは交互に上下にずらせて配置してある。また、下方の邪魔板7A,7Bほど長く形成してある。」(明細書第3ページ第12行~第4ページ第5行)
イ「第1図
[図:0001380898000007.jpg]
」
(4)引用文献1に記載された事項及び引用発明1について
引用文献1には、以下の事項が記載されている。
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩により選別する色彩選別機に関するものである。」
イ「【0024】
本発明の実施の形態における色彩選別機は、穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物を原料として、良品と不良品或いは原料に混入する異物等を色彩により選別することができるものである。
【0025】
本発明の実施の形態における色彩選別機1は、背面側に位置し原料を揚粒するための昇降部2と、該昇降部2の前面側に位置し原料を選別するための光学選別部3と、該光学選別部3の下方に位置し選別後の原料を前記昇降部2に返還するための振動コンベア4を備えるものである。」
ウ「【0027】
光学選別部3は、色彩選別機1の正面視幅方向に広がる状態で落下する複数の原料を検出する光学検出部32と、該光学検出部32の検出の結果、不良品や異物と判別されるものをエアーにより除去するエジェクター33とを備え、前記幅方向に一次選別部と二次選別部が並んで配置されるものである。なお、一次選別部と二次選別部はシュート面を除いて略同様の構造である。」
エ「【0029】
図2に示すように、上記色彩選別機1において、投入ホッパ8に投入された原料は、第1バケットコンベア5により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給される。
【0030】
第1シュート24上を流下する原料は、一次選別部において検出され、検出の結果、良品と判定された原料(以下、「一次良品」という。)は、一次選別部の下方に対応して設けられる第1排出樋16から、前記振動コンベアトラフ40の第1樋401上に落下する。また、不良品と判定された原料(以下、「一次不良品」という。)は、エジェクター33により弾かれて、一次選別部の下方に対応して設けられる第2排出樋17から、前記振動コンベアトラフ40の第2樋402上に落下する。」
オ「【0067】
ところで、上記本実施の形態における色彩選別機には、図14に示すように、原料が投入ホッパ8に投入されるのに先立って当該原料に混入する微細粉塵等を分離除去する風力選別機200を設けることができる。
【0068】
当該風力選別機200は、原料に混入する微細粉塵等を分離除去する分離部210と、該分離部210において分離除去した微細粉塵等を機外に排出する排出部230から構成されている。
【0069】
分離部210は、上部に原料投入口211が形成され、下部が清粒排出口212として開放された箱状の機枠213からなるものであって、当該機枠213の内部には、複数の流穀板214~221が順次互い違いに配設され、ジグザグ状の落下通路が形成されている。そして、上記機枠213の清粒排出口212が投入ホッパ8上に位置するよう配置されている。
【0070】
また、機枠213の内部において、流穀板214の下部には、シャッタ機構222が流穀板215との隙間を閉じる方向に常時付勢された状態で配設されており、これにより当該隙間における原料の通過量を制限し、原料が扁平な状態となって落下するよう構成されている。」
カ「【図2】
[図:0001380898000008.jpg]
」
キ「【図4】
[図:0001380898000009.jpg]
」
ク「【図14】
[図:0001380898000010.jpg]
」
摘記事項ア~クから、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
(引用発明1)
上部に原料投入口211が形成され、下部が清粒排出口212として開放された箱状の機枠213からなるものであって、当該機枠213の内部には、複数の流穀板214~221が順次互い違いに配設され、ジグザグ状の落下通路が形成され、上記機枠213の清粒排出口212が投入ホッパ8上に位置するよう配置されており、機枠213の内部において、流穀板214の下部には、シャッタ機構222が流穀板215との隙間を閉じる方向に常時付勢された状態で配設されており、これにより当該隙間における原料の通過量を制限し、原料が扁平な状態となって落下するよう構成され、
投入ホッパ8に投入された原料は、第1バケットコンベア5により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給され、 第1シュート24上を流下する原料は、一次選別部において検出され、検出の結果、良品と判定された原料(以下、「一次良品」という。)は、一次選別部の下方に対応して設けられる第1排出樋16から、前記振動コンベアトラフ40の第1樋401上に落下する色彩選別機1。
4-3 対比・判断
(1)引用発明2を主引用発明とする場合について
ア 本願発明1について
(ア)対比
本願発明1と引用発明2とを対比する。
引用発明2の「フレーム1内の一側上部」、「原料タンク2」は、本願発明1の「筐体上部」、「投入口」、に相当する。
引用発明2の「原料粒子」は、引用文献2の段落【0001】の記載から、本願発明1の「穀粒」に相当するものといえる。
引用発明2の「原料タンクの下端」、「シュート5」は、本願発明1の「投入口の下方」、「シュート」に相当する。
してみると、引用発明2の「フレーム1内の一側上部には原料タンク2を設け、前記原料タンク2に供給された原料粒子は、原料タンク2の下端に接続された前記振動発生装置4が発生させる振動を受ける振動供給樋3からシュート5に送られ」は、「筐体上部の投入口から供給される穀粒を、投入口の下方に配設されたシュートの上部に供給」する限りにおいて、本願発明1の「筐体上部の投入口から供給される穀粒を、投入口の下方に配設されたシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給」することと一致する。
そして、引用発明2の「シュート5の下端」、「一対の光学検出手段6,6」は、本願発明1の「シュートの下部」、「撮像装置」に相当する。
そして、引用発明2の「光学検出手段6,6が検出したバックグランド光の光量に応じた電圧値と原料粒子からの光量に応じた電圧値とを比較し、その電圧差がしきい値(電圧値)よりも大きい場合、電圧差を生じさせた原料粒子(異色粒や無機異物などの不良品)は除去される」ことは、本願発明1の「穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する」ことに相当する。
してみると、本願発明1と引用発明2とは、以下の一致点で一致し相違点で相違する。
(一致点)
筐体上部の投入口から供給される穀粒を、前記投入口の下方に配設したシュートの上部に供給し、前記シュートの下部から放出された穀粒を撮像装置にて撮像して品質測定する穀粒品質測定器。
(相違点1)
本願発明1では、穀粒が「穀粒供給装置を介して」シュートに供給されるのに対して、引用発明2では、「前記振動発生装置4が発生させる振動を受ける振動供給樋3」からシュート5に供給される点。
(相違点2)
本願発明1では、「前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに 、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得る」のに対して、引用発明2では、「原料タンク2内に、フレーム1の垂直面に対して所定角度傾斜した板が上下方向に3枚設けられ、上流側の板及び下流側の板は、互いに交差する方向に配設され、上流側の板の原料粒子の流下する下端と下流側の板の原料粒子が流下する面との間に原料粒子が通過可能な間隙を形成しつつ連設されている」点。
(イ)当審の判断
上記相違点1、2について検討すると、引用発明2では、上記相違点1に示したとおり、穀粒は、前記振動発生装置4が発生させる振動を受ける振動供給樋3からシュート5に供給されるものであって、当該振動供給桶3によって穀粒が一定量ずつシュート5に供給されるものと解される。
そして、振動供給桶3によって穀粒が一定量ずつシュート5に供給されるのであるから、「原料タンク2内に、フレーム1の垂直面に対して所定角度傾斜した板が上下方向に3枚設けられ、上流側の板及び下流側の板は、互いに交差する方向に配設され、上流側の板の原料粒子の流下する下端と下流側の板の原料粒子が流下する面との間に原料粒子が通過可能な間隙を形成しつつ連設されている」としても、当該原料タンク2内の板は、穀粒を一定量ずつシュート5に供給する機能を備えるものではないし、引用発明2から振動供給桶4を排除する動機付けもない。
してみると、引用文献3及び引用文献4について論じるまでもなく、本願発明1は、引用発明2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本願発明2-4について
本願発明2-4も、本願発明1の「シュートの上部に穀粒供給装置を介して」穀粒を供給するものであって、「前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに 、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得ること」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)引用発明1を主引用発明とする場合について
本願発明1と引用発明1とを対比すると、少なくとも、本願発明1は「穀粒」を、「前記投入口の下方に配設したシュートの上部に穀粒供給装置を介して供給」するものであって、当該穀粒供給装置は「穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得る」ものであるのに対して、引用発明1は、そもそも、「投入ホッパ8に投入された原料は、第1バケットコンベア5により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給され」るものである点で相違する。
そして、引用発明1において、「複数の流穀板214~221が順次互い違いに配設され、ジグザグ状の落下通路が形成され、上記機枠213の清粒排出口212が投入ホッパ8上に位置するよう配置」されていたとしても、当該「複数の流穀板214~221」は、第1シュート24に原料を供給する量を一定量とする機能を有しないことは明らかであり、引用発明1から「第1バケットコンベア5により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給」する構成を排除する動機付けもない。
してみると、その余について論じるまでもなく、本願発明1は、引用発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明2-4についても同様である。
5.小括
以上のとおりであるから、本願発明1-4は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明ではなく、その他の拒絶理由も発見できないから、特許出願の際独立して特許を受けることができる発明であるので、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合する。
第4 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-4は、「シュートの上部に穀粒供給装置を介して」穀粒を供給するものであって、「前記穀粒供給装置は、前記投入口の下部に配設され前記筐体の垂直面に対して所定角度傾斜した整列板を上下方向に複数枚備え、上流側の整列板及び下流側の整列板は、互いに交差する方向に配設され、前記上流側の整列板の前記穀粒の流下する下端と前記下流側の整列板の前記穀粒が流下する面との間に前記穀粒が通過可能な間隙を形成しつつ連設されるとともに、前記投入口から供給された穀粒が、前記上流側の整列板から前記下流側の整列板に順次に流下しつつ各整列板間に形成された前記間隙を介して各整列板を上流側から下流側に向けて順に流下して前記シュートに供給されるように構成され、前記各整列板間の最上流側の間隙が下流側の間隙より大きく設定されて下流側の間隙を通過した前記穀粒を前記シュートに流下させるとともに 、前記穀粒の流下量及び流下速度が均一になるように前記整列板の傾斜角度及び前記間隙寸法を所定に設定し得ること」という発明特定事項を備えるものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用発明1、2に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-007824