2021-006107
容器搬送コンベヤ
- 審判番号
- 2021-006107
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-194671外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年05月13日
- 審決日
- 2022年03月30日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (B65G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
この出願(以下「本願」という。)は、2016年(平成28年) 9月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
同年 8月12日 :意見書の提出
同年12月 1日 :意見書、手続補正書の提出
同年 5月13日 :審判請求書の提出
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願の請求項1~3に係る発明は、以下の引用文献1、2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
第3 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和2年12月 1日にした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
【請求項1】
マグネットに吸着可能な底を有する容器を搬送する容器搬送コンベヤにおいて、
搬送する容器の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有する昇降コンベヤと、
前記昇降コンベヤの前記水平区間へ容器を受け渡す受け渡しコンベヤとを備え、
前記昇降コンベヤの搬送面にマグネットを所定間隔で配置し、
前記受け渡しコンベヤと前記昇降コンベヤの前記水平区間との間に、受け渡される容器の底と係合して容器を持ち上げて、容器の移動を規制する規制部材を設け、
容器の搬送方向前方を、前記規制部材により持ち上げるとともに、前記昇降コンベヤの搬送面上に延出させている間に、容器の搬送方向前方箇所を昇降コンベヤのマグネットにより吸着して当該容器を搬送する
ことを特徴とする容器搬送コンベヤ。
【請求項2】
前記規制部材が、ローラであることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送コンベヤ。
【請求項3】
前記マグネットが容器の底に複数個吸着されるように前記マグネットが配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器搬送コンベヤ。
第4 引用文献等に記載された事項及び引用発明
1.引用文献1について
引用文献1には、以下の事項が記載されている。
ア「(1)は1つの無端帯状体(2)を構成する複数個の帯素体で、該各帯素体(1)の表面に偏平吸着面(3)を持つ電磁石(4)を装着してある。」(公報第1頁左下欄第19行~右下欄第1行)
イ「前記無端帯状体(2)の吸着部分はスプロケットホイール(9)(9)間であって、帯状体(2)が回転すると給電レール(7a)(7b)の長さの範囲内において電磁石(4)は逐次磁化され、長大な吸着帯が形成され磁性貨物(16)を水平面以外のどのような状態の面においても強力に吸着させ乍ら連続搬送させることができる。即ち本発明による前記無端帯状体(2)を例えば第4図から第6図に示すような状態に設置して磁性貨物(16)を搬送できるのであり、第4図に示すものは急斜面に、第5図に示すものは垂直面に、第6図に示すものは背面〔吸着面がコンベヤーの下側になるようにする〕及び垂直面に前記電磁石(4)を備えた無端帯状体(2)を設置しており、いずれも具体例共水平面部には普通の非吸着式コンベヤー(13)を設けてある。該コンベヤー(13)と本発明のコンベヤーとの間には受け渡し用テーブル(17)を設け、図外のロボットアームその他の適当な自動送り装置によって磁性貨物(16)を一方のコンベヤーから他方のコンベヤーに受け渡しするのである。」(公報第2頁左上欄第4行~右上欄第2行)
ウ「前記貨物(16)は箱全体が磁性物体で構成されなくとも良く、非磁性物体からなる箱の周りを鋼バンドで締めたものでも本発明のコンベヤーに載せることができる。」(公報第2頁右上欄第9~12行)
エ「前記給電レール(7a)(7b)を通過した帯素体(1)の電磁石(4)は急速に磁力を消失する故、貨物(16)の隣接コンベヤーへの受け渡し及び帯素体(1)の巻き取りには何等の低抗を与えない。」(公報第2頁右上欄第13~16行)
オ「第1図
[図:0001383840000001.jpg]
」
カ「第2図
[図:0001383840000002.jpg]
」
キ「第3図
[図:0001383840000003.jpg]
」
ク「第4図
[図:0001383840000004.jpg]
」
ケ 摘記事項ウと摘記事項オの第1図から、磁性貨物16は、全体が磁性物体で構成された箱であり、磁性貨物16は電磁石4に吸着可能な底を有すると認められる。
コ 摘記事項イと摘記事項クの第4図から、無端帯状体2は、搬送する箱である磁性貨物16の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有すると認められる。
サ 摘記事項アと摘記事項キの第3図から、電磁石4は、無端帯状体2の搬送面に所定間隔で配置されていると認められる。
してみると、上記ア~クの摘記事項及び上記ケ~サの認定事項から、引用文献1には、次の発明が記載されているものといえる(以下、「引用発明」という。)。
<引用発明>
電磁石4に吸着可能な底を有する全体が磁性物体で構成された箱である磁性貨物16を搬送する無端帯状体2及び非吸着式コンベヤー13において、
搬送する箱である磁性貨物16の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有する無端帯状体2と、
無端帯状体2の水平区間へ箱である磁性貨物16を受け渡す非吸着式コンベヤー13とを設け、
無端帯状体2の搬送面に電磁石4を所定間隔で配置した、
無端帯状体2及び非吸着式コンベヤー13。
2.引用文献2について
引用文献2には、以下の事項が記載されている。
ア「10は周囲に複数の所定長さの突起11が設けられた軸で、スプロケツト2の先方のバーチエンコンベヤ1の環状内部に配置されている。そして、コンベヤ1のチエン12に支持されたバー7と7の間に突起11が嵌合し、各バー7の移動に従つて軸10は回転する。ここで、突起11はバー7と7の間に完全に嵌合した時、コンベヤ1の物品搬送面A上へ突出するようにその長さは定められている。そして、軸10に対向してコンベヤ1の環状外部に物品渡し板3が配置され、その渡し板3の他端にベルトコンベヤ4が接続されている。
このように構成することにより、コンベヤ1によつて搬送されてきた缶6は、コンベヤ1の先端において軸10の突起11により缶6の先端部分が搬送面Aから高さhだけ持ち上げられ、その後、前方に配置された渡し板3上へ載せられるので、従来のように、搬送缶6が渡し板3に引掛つたり、あるいは、コンベヤバー7と渡し板3に挟まれたりすることなく、確実に次のベルトコンベヤ4へ載替えることができる。」(明細書第2頁第15行~第3頁第14行)
イ「第4図
[図:0001383840000005.jpg]
」
ウ「第5図
[図:0001383840000006.jpg]
」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「電磁石4」は、本願発明1の「マグネット」に相当し、引用発明の「箱である磁性貨物16」は、本願発明1の「容器」に相当し、引用発明の「電磁石4に吸着可能な底を有する全体が磁性物体で構成された箱である磁性貨物16」は、本願発明1の「マグネットに吸着可能な底を有する容器」に相当する。
引用発明の「無端帯状体2及び非吸着式コンベヤー13」は、「箱である磁性貨物16」を「搬送する」装置であるため、本願発明1の「容器搬送コンベヤ」に相当する。
引用発明の「搬送する箱である磁性貨物16の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有する無端帯状体2」は、「水平区間と昇降区間」を有し、「箱である磁性貨物16」を「搬送する」装置であるため、本願発明1の「搬送する容器の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有する昇降コンベヤ」に相当する。
引用発明の「無端帯状体2の水平区間へ箱である磁性貨物16を受け渡す非吸着式コンベヤー13」は、本願発明1の「前記昇降コンベヤの前記水平区間へ容器を受け渡す受け渡しコンベヤ」に相当する。
引用発明の「無端帯状体2の搬送面に電磁石4を所定間隔で配置」することは、本願発明1の「前記昇降コンベヤの搬送面にマグネットを所定間隔で配置」することに相当する。
してみると、本願発明1と引用発明とは、
「マグネットに吸着可能な底を有する容器を搬送する容器搬送コンベヤにおいて、搬送する容器の底を支持する搬送面に水平区間と昇降区間とを有する昇降コンベヤと、前記昇降コンベヤの前記水平区間へ容器を受け渡す受け渡しコンベヤとを備え、前記昇降コンベヤの搬送面にマグネットを所定間隔で配置した、容器搬送コンベヤ。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
本願発明1では、「前記受け渡しコンベヤと前記昇降コンベヤの前記水平区間との間に、受け渡される容器の底と係合して容器を持ち上げて、容器の移動を規制する規制部材を設け、容器の搬送方向前方を、前記規制部材により持ち上げるとともに、前記昇降コンベヤの搬送面上に延出させている間に、容器の搬送方向前方箇所を昇降コンベヤのマグネットにより吸着して当該容器を搬送する」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えない点。
(2)当審の判断
上記相違点について検討すると、引用文献2には、上記第4 2.の摘記事項ア~ウから、搬送缶6が物品渡し板3に引っ掛かること等を防止するため、バーチエンコンベヤ1とベルトコンベヤ4との間に、載替える搬送缶6の底と当接して搬送缶6を持ち上げる軸10の突起11を配置し、搬送缶6の搬送方向前方を、軸10の突起11により持ち上げるとともに、物品渡し板3上に延出させる事項が記載されているが、搬送缶6の搬送方向前方をベルトコンベヤ4の搬送面上に延出させるものではないから、「容器の搬送方向前方を、前記規制部材により持ち上げるとともに、前記昇降コンベヤの搬送面上に延出させている間に、容器の搬送方向前方箇所を昇降コンベヤのマグネットにより吸着して当該容器を搬送する」という構成は、上記引用文献1及び2のいずれにも記載されておらず、本願の出願前に周知技術であったとも技術常識であったともいえない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2.本願発明2、3について
本願発明2、3も、本願発明1の「容器の搬送方向前方を、前記規制部材により持ち上げるとともに、前記昇降コンベヤの搬送面上に延出させている間に、容器の搬送方向前方箇所を昇降コンベヤのマグネットにより吸着して当該容器を搬送する」と同一の発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
3.小括 したがって、本願発明1ないし3は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明とはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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