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特許拒絶査定不服審判

2021-000766

食品を提供するための方法

審判番号
2021-000766
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-069203外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年01月19日
審決日
2021年12月13日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .1 -WY (G06Q) / P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第2条第1項、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第4号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 69203「食品を提供するための方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月 8日出願公開、特開2020-166778、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 18項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成31年3月29日の出願であって、令和2年5月29日付けで拒絶理由通知がされ、同年7月30日に手続補正がされ、同年10月15日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和3年1月19日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正(以下、「審判請求時補正」という。)がされ、同年9月16日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、同年9月29日に手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和2年10月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1(発明該当性)

本願請求項1-15に記載のものは、全体として自然法則を利用していないものであり、「自然法則を利用した技術的思想の創作」にあたらず、特許法上の「発明」に該当しないから、特許法第29条第1項柱書の規定により特許を受けることができない。

理由3(進歩性)

本願請求項1-12、15に係る発明は、以下の引用文献1,2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2010-070250号公報
引用文献2:特開2004-185522号公報

第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

理由1(サポート要件)

この出願は、特許請求の範囲の請求項1-12に係る発明が、発明の詳細な説明に記載したものでなく、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

理由2(明確性)

この出願は、特許請求の範囲の請求項1-12の記載が明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第4 本件補正について

1 審判請求時補正(令和3年1月19日)

審判請求時補正は、拒絶査定時(令和2年7月30日の手続補正による)の請求項1については、「食品を提供するための方法」を「店舗に設けられた店舗装置を用いて食品を提供するための方法」と補正するとともに、「前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷することと、前記ラベルを前記容器に貼り付けることと、を含んでおり、」という発明特定事項、並びに、拒絶査定時の請求項13に記載の発明特定事項である「前記ラベルを含む画像を、店舗に設置されたディスプレイに表示するステップ」、及び拒絶査定時の請求項14に記載の発明特定事項である「前記ラベルの画像を前記記憶装置に保存するステップ」、「前記記憶装置に保存された過去の注文のラベルを含む画像を、前記ディスプレイに表示するステップ」を追加する補正を行うものであり、当該事項は、当初明細書の段落【0048】、【0059】、【0060】、【0063】に記載されているから、審判請求時補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項及び同第4項に規定する要件に違反するものではない。

なお、上記第2のとおり、請求項13及び請求項14は、拒絶査定において、進歩性の拒絶理由がないとされた請求項である。

2 本件補正(令和3年9月29日)

本件補正は、審判請求時補正により補正された請求項1の「前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップであって、前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷することと、前記ラベルを前記容器に貼り付けることと、を含んでおり、前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付される、ステップ」(下線は当審が付した。以下、同じ。)という記載を、「前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップであって、前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷し、前記ラベルを前記容器に貼り付けること、又は、前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されること、を含むステップ」と補正し、請求項7、8の「前記注文識別情報を前記容器に付するステップは、」という記載を、「前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されることとは、」と補正するものであり、当該事項は、当初明細書の段落【0059】、【0073】に記載されているから、本件補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項及び同第4項に規定する要件に違反するものではない。

そして、本件補正は、当審拒絶理由通知で示した特許請求の範囲の不備に対し、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

第5 本願発明

本願請求項1~12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」、・・・「本願発明12」という。)は、本件補正により補正された、特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
店舗に設けられた店舗装置を用いて食品を提供するための方法において、
消費者からの注文を受け付けるステップと、
前記注文の情報を記憶装置に入力するステップと、
続きを表示(全37行)
前記注文に基づいて食品を密封可能な容器に供給するステップと、
供給された食品を含む容器を密封するステップと、
前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップであって、前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷し、前記ラベルを前記容器に貼り付けること、又は、前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されること、を含むステップと、
前記ラベルを含む画像を、前記店舗に設置されたディスプレイに表示するステップと、
前記ラベルの画像を前記記憶装置に保存するステップと、
前記記憶装置に保存された過去の注文のラベルを含む画像を、前記ディスプレイに表示するステップと、
を備え、
前記容器は、前記店舗において直接的に消費者によって引き取られる、方法。
【請求項2】
前記食品は、飲料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飲料には、加熱滅菌された抽出物が含有されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記食品を前記容器に供給するステップは、
前記加熱滅菌された抽出物に、前記抽出物の原料から抽出された前記原料由来の香り成分を含む香料を加えること、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記容器は、再栓可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記容器が、プラスチックボトルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されることとは、印刷機によって前記注文識別情報を前記容器に直接的に印刷することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されることとは、レーザー加工機によって前記注文識別情報を前記容器に直接的に刻むことを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記注文識別情報は、前記消費者を識別するための文字と、前記注文に対して選択されたしるしと、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記消費者からの前記注文を受け付けるステップは、前記店舗装置が、前記店舗装置外にある外部装置からネットワークを介して前記注文を受け付けることを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記注文識別情報を、前記外部装置に返信するステップ、
を更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記容器を保管するステップを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。」

第6 原査定の理由1(発明該当性)についての当審の判断

1 特許請求の範囲の記載内容

本願発明1~12は、上記第5に記載したとおりのものである。

2 本願明細書の記載内容

本願明細書には、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当審で付した。

(1)発明が解決しようとする課題

「【0007】
食品の消費者は、例えば、購入した食品を店舗で消費せずに、持ち帰る場合がある。この場合、食品を携帯に適した形で提供することができることが望ましい。また、消費者が自分の容器を間違いなく認識できる形で食品を提供することができることが望ましい。これによって、消費者が他の消費者の容器を間違って持ち帰ることを防止することができる。
【0008】
本発明は、食品を携帯に適した形で且つ消費者が自分の容器を間違いなく認識できる形で提供することができる方法を提供することを目的の1つとする。」

(2)課題を解決するための手段

「【0009】
本開示の一態様は、食品を提供するための方法において、消費者からの注文を受け付けるステップと、注文の情報を記憶装置に入力するステップと、注文に基づいて食品を密封可能な容器に供給するステップと、供給された食品を含む容器を密封するステップと、注文を識別することができる注文識別情報を容器に付するステップであって、注文識別情報は、記憶装置に記憶された注文の情報に基づいて出力装置から出力され、出力装置の出力によって容器に付される、ステップと、を備える、方法である。
【0010】
本開示の一態様に係る方法では、注文を受けた後に、食品が容器に供給されて容器が密封される。したがって、食品を携帯に適した形で提供することができる。また、本開示の一態様に係る方法では、記憶装置に記憶された注文の情報に基づいて注文識別情報が出力装置から出力され、当該出力によって注文識別情報が容器に付される。したがって、例えば表示部14に表示された注文識別情報を見て従業員Eが手書きで注文識別情報を容器に付する場合に比して、注文識別情報を正確に容器に付することができる。したがって、消費者が自分の容器を間違いなく認識することができる。
【0011】~【0018】(省略)
【0019】
本開示の一態様に係る方法は、ラベルを含む画像を、店舗に設置されたディスプレイに表示するステップを更に備えてもよい。この場合、例えば、食品の準備の完了通知とともにラベルを含む画像をディスプレイに表示することができ、消費者は、ディスプレイに表示された自分のラベルに基づいて、自分の食品の準備が完了したことを容易に知ることができる。
【0020】
方法は、ラベルの画像を記憶装置に保存するステップと、記憶装置に保存された過去のラベルを含む画像を、ディスプレイに表示するステップと、を更に備えてもよい。この場合、記憶装置に保存された過去の注文のラベルがディスプレイに表示されるため、消費者は、自分のラベルを探す等、食品を購入した後にディスプレイを見て楽しむことができる。したがって、消費者に対して高い満足感を提供することができる。」

(3)発明の効果

「【0022】
本開示の一態様によれば、食品を携帯に適した形で且つ消費者が自分の容器を間違いなく認識できる形で提供することができる方法を提供することが可能となる。」

(4)発明を実施するための形態

「【0025】
図1は、実施形態に係る方法を実施するための例示的なシステムの概念を示す図である。図1を参照して、システム100では、消費者Cが、外部装置10によって、外部から(例えば、通勤中、通学中、移動中、外出中、又は、在宅中に)、店舗50に対して食品を事前に注文することができる。店舗50では、注文に基づいて食品が調製され、調製された食品を含む容器Bが準備される。
【0026】
図2は、店舗の一例を示す図である。図2を参照して、本実施形態では、従業員Eが、注文に基づいて、ディスペンサ2を用いて食品を調製する。他の実施形態では、ディスペンサ2が、注文に基づいて自動的に食品を調製してもよい。また、さらに他の実施形態では、従業員Eが、注文に基づいて、ディスペンサ2を用いずに食品を調製してもよい。食品を含む容器Bは、例えば、消費者Cが容器Bを引き取りに来るまで、ロッカー40等の保管手段に保管されることができる。保管手段は、ロッカー40に限定されず、例えば、区切られた又は区切られていない棚又はベルトコンベア等であってもよい。店舗50には、外部装置10を用いずに店舗50において食品を直接注文するための消費者用の端末5が設けられていてもよい。この場合、例えば、店舗50の前を通りかかった消費者が、端末5を用いて食品を注文することができる。代替的に、従業員Eは、消費者Cから注文を、紙で、口頭で、又は、電話等で受けてもよい。この場合、図3を参照して、従業員Eが、消費者Cからの注文を店舗装置1(詳しくは後述)に入力してもよい。図2に戻り、店舗50には、様々な画像を表示するためのデジタルサイネージ(ディスプレイ)4が設けられている。」
「【0032】
「注文」は、様々な情報を含むことができる。例えば、食品がコーヒー飲料である場合には、注文は、コーヒー飲料のベースドリンクのタイプ(例えば、ブラックコーヒー、カフェラテ、カプチーノ、又は、エスプレッソ等)、コーヒータイプ(ロースティー、又は、フルーティー等)、濃さ(薄い、レギュラー、又は、濃い等)、フレーバータイプ(キャラメル、チョコレート、ミント、又は、フレーバー無し、等)、温度(ホット又はコールド等)、コーヒー飲料の他の特徴、ミルクの有無若しくは種類、砂糖の有無若しくは量、ガムシロップの有無、他の調味料若しくは香料の有無、コーヒー飲料の引き取り希望時刻、消費者を識別するための情報、及び/又は、外部装置10を識別するための情報、等の情報を含んでもよい。また、店舗50がチェーン店である場合には、注文は、店舗名を示す情報を含んでもよい。注文は、他の情報を更に含んでもよい。また、食品がコーヒー飲料以外(例えば、茶飲料(例えば、紅茶又はウーロン茶を含む飲料)、又は、果汁飲料)である場合には、注文は、食品の種類に応じて、他の情報を含むことができる。注文が含む情報は、店舗装置1の記憶部12に記憶される。」
「【0041】
容器Bは、密封可能である。本開示において、「密封可能」とは、例えば、容器Bが逆さまにされたときに又は容器Bが振られたときに、容器Bから食品が漏れないことを意味することができる。また、容器Bは、再栓可能であることができる。例えば、容器Bは、プラスチックボトルであることができる。プラスチックボトルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)又はポリエチレン(PE)のようなプラスチックから構成されることができる。容器Bは、例えば、食品を収容する本体と、本体に設けられた口部を閉じるためのキャップと、を有することができる。容器Bは、プラスチック以外の他の材料(例えば、金属、ガラス、及び/又は、紙)から構成されていてもよい。例えば、容器Bは、紙製の本体と、紙製又はプラスチック製のキャップと、を有していてもよい。また、例えば、容器Bは、ガラス製の本体と、金属製又はプラスチック製のキャップと、を有していてもよい。
【0042】
出力装置3は、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいて、注文識別情報を出力する。本実施形態では、出力装置3は印刷機であり、注文識別情報が示されたラベルLを印刷することができる。ラベルLは、注文識別情報以外の情報も含んでもよい。出力装置3は、インクジェット印刷機又はレーザー印刷機等、ラベルLを印刷可能な様々な印刷機であることができる。出力装置3は、例えば、ディスペンサ2に組み込まれてもよく、又は、ディスペンサ2と別個に設けられてもよい。
続きを表示(全15行)
【0043】
「注文識別情報」は、記憶部12に記憶された個々の注文を識別するために使用可能な様々な情報を含むことができる。例えば、注文識別情報は、消費者を識別するための文字(例えば、名前又はニックネーム等)LTと、注文に対して選択されたしるしMと、を含むことができる。例えば、文字LTは、消費者Cが外部装置10から注文を送信する際に、外部装置10を介して消費者Cによって設定されてもよい。しるしMは、形状、模様若しくは色彩又はこれらの組合せであることができ、システム100において予め複数のパターンが準備されていてもよい。しるしMは、消費者Cが外部装置10から注文を送信する際に、外部装置10を介して消費者Cによって選択されてもよく、又は、システム100内の構成要素(例えば、店舗装置1)によって自動的に選択されてもよい。また、例えば、注文識別情報は、上記のような、記憶部12に記憶された注文が含む情報及び完了通知Nが含む情報の少なくとも1つを含むことができる。また、注文識別情報は、例えば、食品が調製された時刻を含み得る。注文識別情報は、他の情報を含んでもよい。
【0044】(省略)
【0045】
上記のように、本実施形態では、出力装置3は、容器Bに貼り付けられるラベルLを印刷することができる印刷機である。しかしながら、出力装置3は、注文識別情報を容器Bに付することができる様々な装置であることができる。例えば、出力装置3は、注文識別情報を容器Bに直接的に付することができる印刷機であってもよい。この場合、出力装置3は、インクジェット印刷機又はレーザー印刷機等、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいて容器Bに直接的に印刷可能な様々な印刷機であることができる。また、例えば、出力装置3は、注文識別情報を容器Bに直接的に付することができるレーザー加工機であってもよい。この場合、出力装置3は、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいて注文識別情報を容器Bに直接的に刻むことができる。
【0046】
図3を参照して、デジタルサイネージ4は、例えば、注文を受け付けたこと、及び/又は、食品の準備が完了したことをリアルタイムで表示することができる。デジタルサイネージ4は、その他の情報を表示してもよい。デジタルサイネージ4に表示される画像は、動画であってもよく、及び/又は、静止画像であってもよい。
【0047】
図7は、食品の準備が完了したことを通知するための、デジタルサイネージに表示される画像の一例を示す概略的な図である。デジタルサイネージ4は、例えば、注文識別情報が付された容器Bを含む画像を表示してもよい。例えば、デジタルサイネージ4は、従業員Eが食品の準備が完了したことを店舗装置1に入力したときに、図7に示されるように、食品の準備の完了と共にラベルLが貼り付けられた容器Bを含む画像を表示してもよい。代替的に又は追加的に、デジタルサイネージ4は、店舗装置1が注文を受けたときに、注文を受信したことと共に容器Bを含む画像を表示してもよい。なお、ラベルLが表示される場合には、デジタルサイネージ4に表示される画像は、容器Bを含んでもよく、又は、容器Bを含まなくてもよいことに留意されたい。容器Bが表示される場合には、容器Bは、例えば、注文した食品のタイプに応じた色を有していてもよい。
【0048】
図8は、記憶装置に保存された過去の容器を表示するための、デジタルサイネージに表示される画像の一例を示す概略的な図である。システム100では、システム100内の記憶装置(例えば、店舗装置1の記憶部12)が、店舗装置1が注文をうけたときに、注文に関する様々な情報(例えば、ラベルLの画像)を保存するように構成されることができる。したがって、記憶装置は、過去に受けた複数の注文に関する情報を保存することができる。記憶装置に保存された過去の情報に基づいて、デジタルサイネージ4は、例えば、注文識別情報が付された過去の容器Bを含む画像を表示してもよい。例えば、デジタルサイネージ4は、待機時(例えば、食品の準備の完了及び注文の受信を表示していないとき)に、図8に示されるように、記憶装置に保存されたラベルLが貼り付けられた過去の複数の容器Bを含む画像を表示するように構成されていてもよい。したがって、過去に店舗50において食品を購入した経験を有する消費者Cは、デジタルサイネージ4に表示された複数の容器Bの中から自分の容器Bを探す等、食品を購入した後にデジタルサイネージ4を見て楽しむことができる。なお、図8では、過去の複数の容器Bが表示されているが、過去の単一の容器Bのみがデジタルサイネージ4に表示されてもよい。」
「【0054】
図6は、実施形態に係る方法を示すフローチャートである。図6を参照して、本実施形態に係る方法は、店舗装置1が、消費者Cからの注文を受け付けることから始まる(ステップS100)。注文は、外部装置10又は端末5から入力されてもよい。代替的に、従業員Eは、消費者Cから注文を紙で、口頭で、又は、電話等で受けてもよく、消費者Cからの注文を入力部13によって店舗装置1に入力してもよい。続いて、店舗装置1は、受け付けた注文を記憶部12に入力する(ステップS101)。
【0055】
続いて、店舗装置1は、受け付けた注文を従業員Eに対して通知する(ステップS102)。通知は、様々な態様であり得る。例えば、店舗装置1は、新規注文を受け付けたことを表示部14に示してもよい。また、店舗装置1は、新規注文を受け付けたことを音声によって示してもよい。また、店舗装置1は、通知として、又は、通知に加えて、注文が含む情報の少なくとも1つを表示部14に示してもよい。例えば、複数の注文が受け付けられている場合には、店舗装置1は、引き取り希望時刻が早い注文から遅い注文の順番に、注文を表示部14に示してもよい。例えば、コーヒー飲料のタイプに応じて調製時間が異なる場合には、調製時間が表示の順番に考慮されてもよい。例えば、長い調製時間を有するコーヒー飲料の注文は、短い調製時間を有するコーヒー飲料の注文よりも優先されてもよい。表示の順番は、適宜変更されてもよい。
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【0056】
続いて、従業員Eは、コーヒー飲料を調製して、コーヒー飲料を容器Bに供給する(ステップS104)。例えば、従業員Eは、表示部14に示された注文に基づいて、コーヒー飲料を調製してもよい。また、例えば、店舗装置1は、表示部14に示された注文の中から、準備する注文を自動的に選択することによって、又は、従業員Eが入力部13によって選択することによって、出力装置3にラベルLを印刷するように指示を送信するように構成されていてもよい。従業員Eは、印刷されたラベルLに基づいて、コーヒー飲料を調製してもよい。複数の注文が受け付けられている場合には、従業員Eは、店舗装置1に表示された順番にしたがってコーヒー飲料を調製してもよいし、又は、特定の状況には順番は変更されてもよい(例えば、ある注文の消費者が容器Bの準備が完了する前に早めに店舗に到着した場合、等)。
【0057】(省略)
【0058】
続いて、従業員Eは、供給されたコーヒー飲料を含む容器Bを密封する(ステップS106)。例えば、従業員Eは、プラスチックボトルの本体をキャップで閉じる。
【0059】
続いて、注文識別情報を容器Bに付する(ステップS108)。本実施形態では、出力装置3が、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいてラベルLを印刷し、従業員Eが、ラベルLを容器Bに貼り付ける。続いて、従業員Eは、容器Bを保管手段に保管する(ステップS110)。例えば、従業員Eは、ラベルLに印刷された番号のロッカー40に容器Bを入れることができる。以上により、容器Bの準備が終了する。なお、ロッカー40に容器Bを入れる前に消費者Cが店舗50に居る場合(例えば、消費者Cが端末5からコーヒー飲料を注文した場合、従業員Eが消費者Cから受けた注文を店舗装置1に入力した場合、又は、容器Bがロッカー40に保管される前に消費者Cが店舗50に到着した場合)には、従業員Eは、ステップS110を実施せずに、容器Bを直接に消費者Cに手渡してもよいことが理解されよう。
【0060】
続いて、コーヒー飲料の準備が完了したことを従業員Eが入力部13を介して店舗装置1に入力したときに、店舗装置1は、図7に示されるような画像をデジタルサイネージ4に完了通知として表示する(ステップS112)。完了通知がデジタルサイネージ4に表示されたときに消費者Cが店舗50に居る場合(例えば、消費者Cが端末5からコーヒー飲料を注文した場合、従業員Eが消費者Cから受けた注文を店舗装置1に入力した場合、又は、容器Bがロッカー40に保管される前に消費者Cが店舗50に到着した場合)には、消費者Cは、コーヒー飲料の準備が完了したことをデジタルサイネージ4の表示に基づいて知ることができる。
【0061】~【0062】(省略)
【0063】
続いて、デジタルサイネージ4は、待機時に、図8に示されるような画像を表示する(ステップS118)。消費者Cがまだ店舗50に居る場合に、又は、消費者Cが店舗50を再度訪れた場合に、消費者Cは、複数の容器Bの中から過去に自分が注文した容器Bを見つけ出す等、デジタルサイネージ4の表示を楽しむことができる。」
「【0081】
また、例えば、上記の実施形態では、一部のステップが従業員Eによって実施される。しかしながら、従業員Eによって実施されるステップの一部又は全てが、システム100によって自動的に実施されてもよい。例えば、システム100は、容器Bをディスペンサ2にセットするための装置、注文に基づいてディスペンサ2から加熱滅菌されたコーヒー抽出物及び香料を容器Bに自動的に注入するための機構、容器Bのキャップを閉じるための装置、並びに、密封された容器Bを保管手段に入れるための装置の少なくとも1つを更に備えてもよい。」

3 本願発明1について

本願明細書の記載によると、本願発明1について、次のとおり認められる。

(1)技術的課題

食品の消費者が、購入した食品を店舗で消費せずに持ち帰る場合、食品を携帯に適した形で提供することができることが望ましい。また、消費者が自分の容器を間違いなく認識できる形で食品を提供することができることが望ましく、これによって、消費者が他の消費者の容器を間違って持ち帰ることを防止することができる(【0007】)。

そこで、本願発明1は、食品を携帯に適した形で且つ消費者が自分の容器を間違いなく認識できる形で提供することができる方法を提供することを目的とする(【0008】)。

本願発明1は、食品を携帯に適した形で提供することができるという効果を奏する(【0010】)。

また、本願発明1は、例えば表示部に表示された注文識別情報を見て従業員が手書きで注文識別情報を容器に付する場合に比して、注文識別情報を正確に容器に付することができ、消費者が自分の容器を間違いなく認識することができる(【0010】)。

また、本願発明1は、例えば、食品の準備の完了通知とともにラベルを含む画像をディスプレイに表示することができ、消費者が、ディスプレイに表示された自分のラベルに基づいて、自分の食品の準備が完了したことを容易に知ることができる(【0019】)。

さらに、本願発明1は、記憶装置に保存された過去の注文のラベルがディスプレイに表示され、消費者は、自分のラベルを探す等、食品を購入した後にディスプレイを見て楽しむことができるため、消費者に対して高い満足感を提供することができる(【0020】)。

(2)課題を解決するための技術的手段

本願発明1は、上記(1)の課題を解決するための技術的手段として、請求項1に記載の構成を採用した(【0009】、【0010】、【0015】、【0019】、【0020】)。

すなわち、「店舗に設けられた店舗装置を用いて食品を提供するための方法」(構成要件A)であって、

「消費者からの注文を受け付けるステップ」(構成要件B)と、

「前記注文の情報を記憶装置に入力するステップ」(構成要件C)と、

「前記注文に基づいて食品を密封可能な容器に供給するステップ」(構成要件D)と、

「供給された食品を含む容器を密封するステップ」(構成要件E)と、

「前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップであって、前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷し、前記ラベルを前記容器に貼り付けること、又は、前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付されること、を含むステップ」(構成要件F)と、

「前記ラベルを含む画像を、前記店舗に設置されたディスプレイに表示するステップ」(構成要件G)と、

「前記ラベルの画像を前記記憶装置に保存するステップ」(構成要件H)と、

「前記記憶装置に保存された過去の注文のラベルを含む画像を、前記ディスプレイに表示するステップ」(構成要件I)を備え、

「前記容器は、前記店舗において直接的に消費者によって引き取られる」(構成要件J)、という構成を採用した。

このように、本願発明1の「店舗に設けられた店舗装置を用いて食品を提供するための方法」は、構成要件B~Iに規定されたステップを備える構成を、その課題を解決するための手段とするものである。

(3)発明該当性の判断

ア 構成要件B、D、Eについて

本願明細書には、構成要件B、D、Eについて、「店舗装置1が、消費者Cからの注文を受け付ける」と、「受け付けた注文を従業員Eに対して通知」し(【0055】)、「従業員Eは、コーヒー飲料を調製して、コーヒー飲料を容器Bに供給」し(【0056】)、「供給されたコーヒー飲料を含む容器Bを密封する」、「従業員Eは、プラスチックボトルの本体をキャップで閉じる。」(【0058】)ことが記載されているほか、「容器Bは、密封可能である。」(【0041】)ことが記載されている。段落【0081】には、構成要件D~Eのステップについて、システムによって自動的に実施されてもよいことが示唆されているものの、構成要件Bに関する「消費者から注文を受け付ける」こと、構成要件Dに関する「従業員Eは、コーヒー飲料を調製して、コーヒー飲料を容器Bに供給する」こと、構成要件Eに関する「供給されたコーヒー飲料を含む容器Bを密封する」ことは、「従業員E」が行うこととされている。

イ 構成要件C、Fについて

本願発明1の構成要件Cの「記憶装置」が自然法則を利用した技術的手段であり、構成要件Fの「注文識別情報が示されたラベルによって印刷」すること、又は「注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって容器に付される」ことが、「記憶装置」、「出力装置」といった自然法則を利用した技術的手段により行われる構成であることは明らかである。

本願明細書には、構成要件C、Fについて、「店舗装置1は、受け付けた注文を記憶部12に入力する」(【0054】)、「注文識別情報を容器Bに付する」、「出力装置3が、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいてラベルLを印刷し、従業員Eが、ラベルLを容器Bに貼り付ける。」(【0059】)と記載されているほか、「出力装置3は、注文識別情報を容器Bに付することができる様々な装置であることができる。例えば、出力装置3は、注文識別情報を容器Bに直接的に付することができる印刷機であってもよい。この場合、出力装置3は、インクジェット印刷機又はレーザー印刷機等、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいて容器Bに直接的に印刷可能な様々な印刷機であることができる。また、例えば、出力装置3は、注文識別情報を容器Bに直接的に付することができるレーザー加工機であってもよい。この場合、出力装置3は、記憶部12に記憶された注文の情報に基づいて注文識別情報を容器Bに直接的に刻むことができる。」(【0045】)と記載されている。

また、「注文」について、本願明細書には、「注文」は様々な情報を含むことができ、例えば、食品がコーヒー飲料である場合、「コーヒー飲料のベースドリンクのタイプ(例えば、ブラックコーヒー、カフェラテ、カプチーノ、又は、エスプレッソ等)、コーヒータイプ(ロースティー、又は、フルーティー等)、濃さ(薄い、レギュラー、又は、濃い等)、フレーバータイプ(キャラメル、チョコレート、ミント、又は、フレーバー無し、等)、温度(ホット又はコールド等)、コーヒー飲料の他の特徴、ミルクの有無若しくは種類、砂糖の有無若しくは量、ガムシロップの有無、他の調味料若しくは香料の有無、コーヒー飲料の引き取り希望時刻、消費者を識別するための情報」(【0032】)を含むことが例示されている。

そして、本願明細書には、「注文識別情報」は「記憶部12に記憶された個々の注文を識別するために使用可能な様々な情報を含むことができる。」(【0043】)と記載されていることから、本願発明1の構成要件Fにおける「前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップ」は、注文識別情報が印刷されたラベルを容器に貼り付けたり、注文識別情報を容器に直接的に付したりすることによって、消費者の注文内容を識別することができる視認可能な注文識別情報を容器に付するものである。

してみると、本願発明1の構成要件C、Fは、消費者からの注文の自由度が高い場合を想定して、消費者からの多岐にわたる注文内容と注文した消費者とを1対1に対応付ける必要が生じるという認識の下、「消費者が他の消費者の容器を間違って持ち帰ることを防止する」(【0007】)という課題を解決するための「記憶装置」、「出力装置」といった自然法則を利用した技術的手段により行われる構成である。

ウ 構成要件G、H、Iについて

構成要件Gの「ラベルを含む画像をディスプレイに表示する」こと、構成要件Hの「ラベルの画像を記憶装置に保存する」こと、構成要件Iの「過去の注文のラベルを含む画像を、ディスプレイに表示する」ことは、「ディスプレイ」、「記憶装置」といった自然法則を利用した技術的手段により行われる構成であることは明らかである。

本願明細書には、構成要件Gについて、「デジタルサイネージ4は、従業員Eが食品の準備が完了したことを店舗装置1に入力したときに、図7に示されるように、食品の準備の完了と共にラベルLが貼り付けられた容器Bを含む画像を表示してもよい。」(【0047】)、「コーヒー飲料の準備が完了したことを従業員Eが入力部13を介して店舗装置1に入力したときに、店舗装置1は、図7に示されるような画像をデジタルサイネージ4に完了通知として表示する」(【0060】)と記載されており、これにより、「完了通知がデジタルサイネージ4に表示されたときに消費者Cが店舗50に居る場合(例えば、消費者Cが端末5からコーヒー飲料を注文した場合、従業員Eが消費者Cから受けた注文を店舗装置1に入力した場合、又は、容器Bがロッカー40に保管される前に消費者Cが店舗50に到着した場合)には、消費者Cは、コーヒー飲料の準備が完了したことをデジタルサイネージ4の表示に基づいて知ることができる。」(【0060】)という効果を奏することが記載されている。

また、本願明細書には、構成要件H、Iについて、「システム100では、システム100内の記憶装置(例えば、店舗装置1の記憶部12)が、店舗装置1が注文をうけたときに、注文に関する様々な情報(例えば、ラベルLの画像)を保存するように構成されることができる。したがって、記憶装置は、過去に受けた複数の注文に関する情報を保存することができる。記憶装置に保存された過去の情報に基づいて、デジタルサイネージ4は、例えば、注文識別情報が付された過去の容器Bを含む画像を表示してもよい。例えば、デジタルサイネージ4は、待機時(例えば、食品の準備の完了及び注文の受信を表示していないとき)に、図8に示されるように、記憶装置に保存されたラベルLが貼り付けられた過去の複数の容器Bを含む画像を表示するように構成されていてもよい。」(【0048】)、「デジタルサイネージ4は、待機時に、図8に示されるような画像を表示する」(【0063】)と記載されており、これにより、「過去に店舗50において食品を購入した経験を有する消費者Cは、デジタルサイネージ4に表示された複数の容器Bの中から自分の容器Bを探す等、食品を購入した後にデジタルサイネージ4を見て楽しむことができる。」(【0048】)という効果を奏することが記載されている。

してみると、本願発明1の構成要件G、H、Iは、「消費者は、ディスプレイに表示された自分のラベルに基づいて、自分の食品の準備が完了したことを容易に知ることができる。」(【0019】)、「消費者は、自分のラベルを探す等、食品を購入した後にディスプレイを見て楽しむことができる。したがって、消費者に対して高い満足感を提供することができる。」(【0020】)という課題を解決するための「ディスプレイ」、「記憶装置」とった自然法則を利用した技術的手段により行われる構成である。

エ 小括

以上のとおりであるから、本願発明1の「店舗に設けられた店舗装置を用いて食品を提供するための方法」は、その一部に、従業員の行う動作が含まれるが、「消費者が他の消費者の容器を間違って持ち帰ることを防止する」という課題を解決するための構成要件C、Fを技術的手段による構成として備え、「消費者は、ディスプレイに表示された自分のラベルに基づいて、自分の食品の準備が完了したことを容易に知ることができる。」、「消費者は、自分のラベルを探す等、食品を購入した後にディスプレイを見て楽しむことができる。したがって、消費者に対して高い満足感を提供することができる。」という課題を解決するための構成要件G、H、Iを技術的手段による構成として備えるものであるから、全体として「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるといえ、特許法第2条第1項に定義された「発明」に該当するものである。

4 本願発明2~12について

本願発明2~12は、本願発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、本願発明1の構成要件C、F、G、H、Iを備えるから、上記3の理由と同様に上記の「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるといえ、特許法第2条第1項に定義された「発明」に該当するものである。

第7 原査定の理由3(進歩性)についての当審の判断

1 引用文献、引用発明

(1)引用文献1

ア 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は当審で付した。引用文献2についても同様。)

「【0010】
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、樹脂製のカップ容器やボトル容器、缶容器等に飲料を充填・密封して容器入り飲料を製造するための飲料充填システムにおいて、個々の容器にそれぞれ種類や分量、混合比等の異なる飲料を充填し、注文者、消費者の嗜好に対応した容器入り飲料を効率よく正確かつ迅速に充填・製造することができる、少量かつ多種類の注文にも対応可能な飲料充填システムの提供を目的とする。」
「【0014】
以下、本発明に係る飲料充填システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
まず、図1~図9を参照して、本発明の飲料充填システムの第一実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る飲料充填システムの全体構成を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、本実施形態の飲料充填システム1は、複数の容器2を順次搬送し、搬送される複数の各容器2に所定の飲料を注入して封印・出荷するための飲料充填システムである。
【0015】
具体的には、飲料充填システム1は、複数の容器2を順次搬送する容器搬送装置10と、容器搬送装置10により搬送される複数の各容器2に、所定の飲料を注入する飲料供給装置20と、飲料供給装置20を制御して複数の各容器2に所定の飲料を注入させる制御装置30、飲料が注入された複数の各容器2に蓋材3を取り付けて密封する容器シール装置40、密封された容器2を所定の包装単位で包装する包装装置50(図7~8参照)等を備えている。
そして、本実施形態の飲料充填システム1では、複数の各容器2に対応して識別タグ4が備えられ、搬送経路の適所に配設された情報書き込み手段60(リーダライタ装置61、62)によって、各識別タグ4に各容器2に対応する所定の飲料情報が書き込まれるようになっており、この識別タグ4に書き込まれる飲料情報に基づいて、制御装置30が飲料供給装置20を制御して、複数の各容器2に所定の飲料を注入させるようになっている。」
「【0038】
以上のような注文情報が、例えば、注文者Aさんが経営するコンビニエンスストアやスーパー等のコンピュータや自宅のコンピュータ、携帯電話機からインターネットを介して送信され、制御装置30に受信・入力されて記憶手段に記憶される。
また、以上のような注文情報が記載された文書(注文書)がFAXや郵便で制御装置30側に送られ、その注文書の記載内容がオペレータ等によってキーボード入力されたり、スキャナ装置等で読み取られてテキスト変換されて、制御装置30に入力・記憶される。
このようにして、飲料の注文者は、自分の店の売れ筋飲料や好みの飲料を注文情報として細かく指定して注文することができ、少量多種類の注文であっても容易かつ正確に本飲料充填システム1に対して飲料の発注をすることができる。」
「【0061】
[容器入り飲料の製造方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態の飲料充填システムにおける容器入り飲料の製造方法について、図9を参照しつつ説明する。
図9は、本実施形態の飲料充填システムにおける容器入り飲料の製造方法を示すフローチャートである。
続きを表示(全36行)
同図に示すように、まず、データ入力部31を介して、制御装置30に注文者の注文情報が入力される(ステップ901)。
この注文情報の入力は、制御装置30に接続されたキーボードやディスプレイ、スキャナ装置等を介して行われ、また、図4に示したように、制御装置30にネットワーク200を介して外部の情報処理装置100から送信される。
【0062】
この注文情報は、例えば、図5(a)に示すように、注文者(Aさん)単位で入力・記憶され、注文者単位・飲料の種類単位で与えられる識別情報(I-1~I-6)、飲料の種類(コーヒーの濃さ、ミルク及び砂糖の有無と程度)、各飲料の数量を示す情報が含まれ、注文者Aさんが6種類の飲料を合計18個注文し、その内訳として、I-1「コーヒー:濃いめ、ミルク:なし、砂糖:無糖」×2個、I-2「コーヒー:濃いめ、ミルク:なし、砂糖:微糖」×3個、I-3「コーヒー:薄い、ミルク:少なめ、砂糖:微糖」×1個、I-4「コーヒー:濃いめ、ミルク:中、砂糖:無糖」×5個、I-5「コーヒー:濃いめ、ミルク:多め、砂糖:甘め」×4個、I-6「コーヒー:薄い、ミルク:少なめ、砂糖:甘め」×3個、であることを示す注文情報が制御装置30に入力される。
【0063】
次に、制御装置30では、入力された注文情報に基づいて、注文に係る飲料の製造条件を示す製造条件情報が生成される(ステップ902)。
この製造条件情報は、例えば、図5(b)に示すように、注文者(Aさん)単位で生成・記憶され、注文者単位・飲料の種類単位で与えられる識別情報(I-1~I-6)、飲料の種類(コーヒーの濃さ、ミルク及び砂糖の有無と程度)に応じた各飲料タンクの指定と注入分量、各飲料の数量を示す情報が含まれる。
具体的には、図5(b)の例では、注文者Aさんの注文飲料6種類合計18個について、I-1「調合タンク1:180ml、ミルクタンク:なし、糖液タンク:0ml」×2個、I-2「調合タンク1:175ml、ミルクタンク:なし、糖液タンク:5ml」×3個、I-3「調合タンク1:173ml、ミルクタンク:2ml、糖液タンク:5ml」×1個、I-4「調合タンク1:175ml、ミルクタンク:5ml、糖液タンク:0ml」×5個、I-5「調合タンク1:150ml、ミルクタンク:10ml、糖液タンク:20ml」×4個、I-6「調合タンク1:158ml、ミルクタンク:2ml、糖液タンク:20ml」×3個、の製造条件が生成される。
【0064】
次いで、制御装置30は、上記製造条件情報に基づいて飲料供給装置20に制御信号を出力し、また、上記製造条件情報に基づく所定の飲料情報をリーダライタ装置61に出力する。
まず、制御装置30から制御信号が入力された飲料供給装置20は、容器搬送手段10によって搬送されてくる空の容器2に、上記製造条件情報に従った所定の飲料を所定分量だけ注入する(ステップ903)。
また、リーダライタ装置61は、受け台タグ4aに所定の飲料情報を書き込む(ステップ904)。この受け台タグ4aに書き込まれる飲料情報は、各容器2が搭載される受け台11の各列を特定する情報(例えば1列目、2列目等)、各列における各容器2を特定する識別情報(例えば右から1番目、2番目等)、各容器2に注入される飲料の種類及び分量を示す情報、その飲料の注文者を示す識別情報等が書き込まれる。
【0065】
次いで、容器シール装置40は、飲料が注入された各容器2に、識別タグ4(容器タグ4b)を備えた蓋材3を配設し、ヒートシール等によって蓋材3で容器2を密封・封止する(ステップ905)。
その後、リーダライタ装置62が、容器タグ4bに所定の飲料情報を書き込む(ステップ906)。
この容器タグ4bに書き込まれる飲料情報は、対応する受け台タグ4aに書き込まれているのと同様の飲料情報が書き込まれる。
【0066】
また、容器タグ4bに書き込まれる情報には、飲料の注入が正しく行われたか否かの判定結果を含めることができる。すなわち、飲料の注入が終わった各容器の重量を検出し、その重量と当該容器2に注入されるべき飲料の分量を照合することで、各容器2に正しく飲料の注入が行われたか否かを判定することができ、その結果を容器タグ4bに書き込むことができる。
そして、容器タグ4bに飲料情報が書き込まれた密封済みの容器2は、ピックアップ装置41により容器搬送装置10から取り上げられ、包装装置50へと送られる(ステップ907)。
なお、容易重量の照合により不良と判定された容器2は、容器搬送装置10から取り上げられて良品と判定された容器2とは分別され、包装装置50へは送られない。
【0067】
包装装置50に送られた容器2は、まず、容器搬送路51上を搬送されながら、タグ読み取り機52により密封済みの容器2に付された容器タグ4bに書き込まれた飲料情報が読み取られる(ステップ908)。
次いで、タグ読み取り機52で読み取られた飲料情報に含まれる注文者の情報に基づいて分配装置53が駆動制御され、同じ注文者に属する容器2が同じ集合包装装置54に集められるように分配される(ステップ909)。
分配された容器2は、集合包装装置54に集められ、集められた単位で一括して集合包装される(ステップ910)。この集合包装は、例えば、複数の容器2を二次元状に整列させた状態で全体に透明な樹脂フィルム等を被せて包装し、熱溶着等により包装フィルムをシールすることで行われる(図8参照)。
【0068】
最後に、集合包装された集合包装品2aに、所定の出荷情報が書き込まれた出荷製品タグ4cが付される(ステップ911)。
この出荷製品タグ4cに書き込まれる出荷情報は、例えば、集合包装された集合包装品2aの注文者、集合包装品2aに含まれる各容器2の飲料の種類、数量、価格等の情報が含まれる。
これにより、集合包装品2aは出荷可能な状態となる(図8参照)。
【0069】(省略)
【0070】
また、個々の容器に注入すべき飲料情報は、ネットワークを介して制御装置30にダイレクトに注文情報として送信・入力することができるので、例えば、コンビニエンスストア等の販売業者や個人の消費者が、自らの店舗や自宅に居ながらにして注文情報を送信し、本飲料充填システム1に発注することが可能となる。
従って、本実施形態に係る飲料充填システム1によれば、少量かつ多種類の注文にも対応可能となり、注文者、消費者の嗜好の多様性やリアルタイムな売れ筋情報等に対応した容器入り飲料を効率よく正確かつ迅速に製造・供給することが可能となる。」
「【図9】
[図:0001380698000001.jpg]
」

ここで、段落【0068】、【0070】の記載によれば、飲料充填システムによって製造された容器入り飲料は、集合包装された後、コンビニエンスストア等の販売業者や個人の消費者へと出荷されることから、消費者に提供される。

イ 上記アより、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「樹脂製のカップ容器やボトル容器、缶容器等に飲料を充填・密封して容器入り飲料を製造するための飲料充填システムにおいて、個々の容器にそれぞれ種類や分量、混合比等の異なる飲料を充填し、注文者、消費者の嗜好に対応した容器入り飲料を効率よく正確かつ迅速に充填・製造することができる、少量かつ多種類の注文にも対応可能な飲料充填システム(【0010】)における容器入り飲料の製造方法(【0061】、図9)を用いた、容器入り飲料の提供方法であって、
飲料充填システム1は、複数の容器2を順次搬送する容器搬送装置10と、容器搬送装置10により搬送される複数の各容器2に、所定の飲料を注入する飲料供給装置20と、飲料供給装置20を制御して複数の各容器2に所定の飲料を注入させる制御装置30、飲料が注入された複数の各容器2に蓋材3を取り付けて密封する容器シール装置40、密封された容器2を所定の包装単位で包装する包装装置50を備えるほか、複数の各容器2に対応して識別タグ4が備えられ、搬送経路の適所に配設された情報書き込み手段60(リーダライタ装置61、62)によって、各識別タグ4に各容器2に対応する所定の飲料情報が書き込まれ、この識別タグ4に書き込まれる飲料情報に基づいて、制御装置30が飲料供給装置20を制御して、複数の各容器2に所定の飲料を注入させるものであり(【0015】)、
まず、データ入力部31を介して、制御装置30に注文者の注文情報が入力され(ステップ901)(【0061】)、
注文情報が制御装置30に入力されて記憶手段に記憶され(【0038】、【0062】)、
続きを表示(全12行)
制御装置30では、入力された注文情報に基づいて、注文に係る飲料の製造条件を示す製造条件情報が生成され(ステップ902)(【0063】)、上記製造条件情報に基づいて飲料供給装置20に制御信号を出力し、また、上記製造条件情報に基づく所定の飲料情報をリーダライタ装置61に出力し(【0064】)、
制御装置30から制御信号が入力された飲料供給装置20は、容器搬送手段10によって搬送されてくる空の容器2に、上記製造条件情報に従った所定の飲料を所定分量だけ注入し(ステップ903)(【0064】)、
リーダライタ装置61は、受け台タグ4aに、各容器2に注入される飲料の種類及び分量を示す情報、その飲料の注文者を示す識別情報等を含む所定の飲料情報を書き込み(ステップ904)(【0064】)、
容器シール装置40は、飲料が注入された各容器2に、識別タグ4(容器タグ4b)を備えた蓋材3を配設し、ヒートシール等によって蓋材3で容器2を密封・封止し(ステップ905)(【0065】)、
リーダライタ装置62が、容器タグ4bに、対応する受け台タグ4aに書き込まれているのと同様の所定の飲料情報を書き込み(ステップ906)(【0065】)、
容器タグ4bに飲料情報が書き込まれた密封済みの容器2は、ピックアップ装置41により容器搬送装置10から取り上げられ、包装装置50へと送られ(ステップ907)(【0066】)、タグ読み取り機52により容器タグ4bに書き込まれた飲料情報が読み取られると(ステップ908)、読み取られた飲料情報に含まれる注文者の情報に基づいて、同じ注文者に属する容器2が同じ集合包装装置54に集められるように分配され(ステップ909)、集められた単位で一括して集合包装され(ステップ910)(【0067】)、集合包装品2aに、所定の出荷情報が書き込まれた出荷製品タグ4cが付されて(ステップ911)出荷可能な状態となるものであり(【0068】)、
コンビニエンスストア等の販売業者や個人の消費者が、自らの店舗や自宅に居ながらにして注文情報を送信し、本飲料充填システム1に発注することが可能であり、少量かつ多種類の注文にも対応可能となり、注文者、消費者の嗜好の多様性やリアルタイムな売れ筋情報等に対応した容器入り飲料を効率よく正確かつ迅速に製造・供給することを可能とした(【0070】)、
容器入り飲料の提供方法。」

(2)引用文献2

ア 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客に店頭で飲料を提供するための店舗向け飲料サービングシステムに関する。」
「【0050】
本実施の形態のシステムは、図8に示すように、受注端末11と、バーコード発給装置36と、カップ供給装置37と、飲料調製装置38とを備えている。このシステム39において、受注端末11は、バーコード発給装置36、カップ供給装置37及び飲料調製装置38と接続され、バーコード発給装置36は、カップ供給装置37と接続され、そしてカップ供給装置37は、飲料調製装置38と接続されている。以下に、受注端末11、カップ供給装置37、バーコード発給装置36及び飲料調製装置38をこの順番に説明する。」
「【0054】
<バーコード発給装置>
バーコード発給装置36は、図9に示すように、カップ供給装置37に内蔵されており、カップ供給装置37の前面に形成されたスリット40から後記するラベル紙42を排出するように構成されている。このバーコード発給装置36は、図10を併せて参照すると明らかなように、中央演算処理ユニット(CPU3)、コーヒーショップで取り扱うすべての飲料に係る飲料データに対応するバーコードデータを記憶するメモリ(M5)、プリンタP、中央演算処理ユニット(CPU3)と受注端末11(図8参照)との間で飲料情報の仲立ちをするインターフェイス(I/F)及びプリンタPと中央演算処理ユニット(CPU3)との間に配置されるバッファメモリ(BM)を備えている。
【0055】
このバーコード発給装置36は、受注端末11からの飲料データを受け取ったときに、中央演算処理ユニット(CPU3)がその飲料データに対応するバーコードデータをメモリ(M5)から読み出すとともに、プリンタPにそのバーコードデータに基づいてバーコード発給装置36内でロール状に収納されたラベル紙42(図9参照)にバーコードを印刷させるようになっている。
【0056】
また、ラベル紙42には、図11(a)に示すように、バーコード42aに加えて、ステージ番号(ステージNo.)42b、受注番号(受注No.)42c及び例えばカフェラテといった飲料の種類(品名)42dが併せて印刷されている。これらステージ番号42b、受注番号42c及び飲料の種類42dは、中央演算処理ユニット(CPU3)が飲料データに基づいてバーコード42aと同時にプリンタPに印刷させたものである。」
「【0070】
次に、このシステム39の動作について説明する。参照する図面において、図15は、このシステムの動作を示すフローチャートである。なお、前記した第1の実施の形態で使用した受注端末11では、操作者Xが受注端末11の送信キー15bを打ったときに、中央演算処理ユニット(CPU1)が「飲料の種類、飲料の量(カップサイズ)、飲料の冷・温の区別」からなる飲料データを生成するとともに、この飲料データをカップ供給装置12及び飲料調製装置13に送信したのに対し(図7のS3参照)、本実施の形態での受注端末11は、中央演算処理ユニット(CPU1)が、「飲料の種類、飲料の量(カップサイズ)、飲料の温・冷の区別、ステージ番号及び受注番号」からなる飲料データを生成するとともに、この飲料データをカップ供給装置37、バーコード発給装置36及び飲料調製装置38に送信する(図15のステップS3a)点で相違する以外は、第1の実施の形態と同様に動作する。そして、本実施の形態でのカップ供給装置37は、第1の実施の形態のカップ供給装置12と同様に動作する。したがって、以下、主にバーコード発給装置36及び飲料調製装置38の動作について説明する。
【0071】
図15に示すように、S3aのステップで受注端末11から送信された、例えば「カフェラテ、カップサイズL、ステージ番号No.1、受注番号No.105」からなる飲料データを受けたバーコード発給装置36は、中央演算処理ユニット(CPU3)(図10参照)がその飲料データに対応するバーコードデータをメモリ(M5)(図10参照)から読み出すとともに、そのバーコードデータに基づいてバーコード42aを発給する(S14)。発給されたバーコード42aが、ステージ番号42b、受注番号42c及び飲料の種類42dとともにラベル紙42に印刷されて、スリット40(図9参照)から排出されると、バーコード発給装置36の動作は終了する。
続きを表示(全17行)
【0072】
S3aのステップで受注端末11から送信された飲料データを受けた飲料調製装置38(図14参照)は、「カフェラテ、カップサイズL、ホット飲料、ステージ番号No.1、受注番号No.105」からなる飲料データをメモリ(M6)(図14参照)の所定の保存テーブルT1に一時保存する(S15)。
【0073】
その一方で、操作者Y(図1参照)は、バーコード42a等が印刷されたラベル紙42をカップ21のラベル貼付枠21a内に貼り付ける(図12参照)とともに、ラベル紙42に記されている「ステージ番号No.1」に基づいて、飲料調製装置38のステージ番号No.1のカップ配置ステージ43a(図13参照)にカップ21を設置する。
【0074】
そして、カップ21がカップ配置ステージ43aに設置されたことによって、中央演算処理ユニット(CPU4)(図14参照)は、光センサS(図14参照)でバーコード42aに記録された飲料データを読み取る(S16)。バーコード42aから読み取られた「カフェラテ、カップサイズL、ホット飲料、ステージ番号No.1、受注番号No.105」の飲料の属性データは、メモリ(M7)(図14参照)の保存テーブルT2に一時保存される。
【0075】
次に、中央演算処理ユニット(CPU4)は、メモリ(M6)の保存テーブルT1に保存された飲料データとメモリ(M7)の保存テーブルT2に保存された飲料データとを照合する(S17)。そして、中央演算処理ユニット(CPU4)が、保存テーブルT1及び保存テーブルT2に保存されている飲料データが共に「カフェラテ、カップサイズL、ホット飲料、ステージ番号No.1、受注番号No.105」であって、相互に一致することを判断すると(S18)、中央演算処理ユニット(CPU4)が調製機器38d(図14参照)を駆動させることによって、飲料調製装置38は、カフェラテを調製する(S19)とともに、ステージ番号No.1に配置されたカップサイズLのカップ21に所定量のカフェラテを注ぎ込む。
【0076】
そして、さらに中央演算処理ユニット(CPU4)が、飲料データに基づいてカフェラテが受注された順番を参照することによって、顧客Zに飲料を受け渡す順番を受渡番号表示ランプL(図13参照)に表示し(S20)、飲料調製装置38はその動作を終了する。
【0077】(省略)
【0078】
以上のようなシステム39では、第1の実施の形態と同様に、飲料データに基づいてその飲料が飲料調製装置38で調製されるので、操作者Xと操作者Yとの間での調製すべき飲料(注文された飲料)の伝達過誤は避けられるとともに、飲料調製装置38が、受注端末11で受注した順番で飲料を調製していくので、顧客Zが注文した飲料を他の顧客が注文した飲料と取り違えることなく、しかも注文された順番で円滑に顧客Zに受け渡すことができる。」

イ 上記アによると、引用文献2には以下の技術的事項が記載されている。

「顧客に店頭で飲料を提供するための店舗向け飲料サービングシステムであって(【0001】)、
受注端末11と、バーコード発給装置36と、カップ供給装置37と、飲料調製装置38とを備えて、受注端末11は、バーコード発給装置36、カップ供給装置37及び飲料調製装置38と接続され、バーコード発給装置36は、カップ供給装置37と接続され、カップ供給装置37は、飲料調製装置38と接続されており(【0050】)、
バーコード発給装置36は、受注端末11から送信された、例えば「カフェラテ、カップサイズL、ステージ番号No.1、受注番号No.105」からなる飲料データを受けると、その飲料データに対応するバーコードデータをメモリ(M5)から読み出すとともに、そのバーコードデータに基づいてバーコード42aを発給し(S14)、発給されたバーコード42aが、ステージ番号42b、受注番号42c及び飲料の種類42dとともにラベル紙42に印刷されて、スリット40(図9参照)から排出され(【0071】)、
受注端末11から送信された飲料データを受けた飲料調製装置38は、飲料データをメモリ(M6)の所定の保存テーブルT1に一時保存し(S15)(【0072】)、
その一方で、操作者Yは、バーコード42a等が印刷されたラベル紙42をカップ21のラベル貼付枠21a内に貼り付けるとともに、ラベル紙42に記されている「ステージ番号No.1」に基づいて、飲料調製装置38のステージ番号No.1のカップ配置ステージ43aにカップ21を設置し(【0073】)、
カップ21がカップ配置ステージ43aに設置されたことによって、中央演算処理ユニット(CPU4)は、光センサSでバーコード42aに記録された飲料データを読み取り(S16)、バーコード42aから読み取られた「カフェラテ、カップサイズL、ホット飲料、ステージ番号No.1、受注番号No.105」の飲料の属性データを、メモリ(M7)の保存テーブルT2に一時保存し(【0074】)、
保存テーブルT1及び保存テーブルT2に保存されている飲料データが相互に一致することを判断すると(S18)、飲料調製装置38は、カフェラテを調製する(S19)とともに、ステージ番号No.1に配置されたカップサイズLのカップ21に所定量のカフェラテを注ぎ込み(【0075】)、
飲料データに基づいてカフェラテが受注された順番を参照することによって、顧客Zに飲料を受け渡す順番を受渡番号表示ランプLに表示すること(S20)(【0076】)により、顧客Zが注文した飲料を他の顧客が注文した飲料と取り違えることなく、しかも注文された順番で円滑に顧客Zに受け渡すことができる(【0078】)、
店舗向け飲料サービングシステム。」

2 本願発明1について

本願発明1は、上記第4の1のとおり、理由3(進歩性)による拒絶査定の対象となっていない、拒絶査定時の請求項13及び請求項14に記載の発明特定事項である「前記ラベルを含む画像を、前記店舗に設置されたディスプレイに表示するステップ」、「前記ラベルの画像を前記記憶装置に保存するステップ」、「前記記憶装置に保存された過去の注文のラベルを含む画像を、前記ディスプレイに表示するステップ」を備えるものである。

そして、引用発明、引用文献2に記載された技術的事項は、「前記ラベルを含む画像を、前記店舗に設置されたディスプレイに表示するステップ」、「前記ラベルの画像を前記記憶装置に保存するステップ」、「前記記憶装置に保存された過去の注文のラベルを含む画像を、前記ディスプレイに表示するステップ」を開示するものではなく、また、これらのステップは、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得た事項であるともいえない。

したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明2~12について

本願発明2~12は、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第8 当審拒絶理由通知の理由1(サポート要件)及び理由2(明確性)について

当審拒絶理由通知における理由1(サポート要件)は、請求項1の「前記注文を識別することができる視認可能な注文識別情報を前記容器に付するステップであって、前記注文識別情報が示されたラベルを出力装置によって印刷することと、前記ラベルを前記容器に貼り付けることと、を含んでおり、前記注文識別情報は、前記記憶装置に記憶された前記注文の情報に基づいて前記出力装置から出力され、前記出力装置の前記出力によって前記容器に付される、ステップ」という記載に関するものであり、同じく理由2(明確性)は、請求項1の上記記載と、請求項7の「前記注文識別情報を前記容器に付するステップは、印刷機によって前記注文識別情報を前記容器に直接的に印刷することを含む」という記載、及び請求項8の「前記注文識別情報を前記容器に付するステップは、レーザー加工機によって前記注文識別情報を前記容器に直接的に刻むことを含む」という記載に関するものであるところ、本件補正により、請求項1、7、8について、上記第4の2のとおり補正されたことにより、当該拒絶理由は解消した。

第9 むすび

以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-000766

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