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特許拒絶査定不服審判

2021-000291

遊技機

審判番号
2021-000291
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-197156外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年01月08日
審決日
2022年03月01日
公報発行日
2022年04月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (A63F) / P18 .121-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-197156号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月19日出願公開、特開2019-155063号、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 12項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成30年3月7日(以下、「遡及日」という。)に出願された特願2018-41309号(以下、「原出願」という。)の一部を同年10月19日に特願2018-197156号として新たに特許出願したものであって、令和1年6月17日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月11日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月6日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年1月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月22日付けで拒絶の理由(最後)が通知され、同年6月26日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月16日付けで、同年6月26日提出の手続補正書でした補正が却下されるとともに拒絶査定がされ、これに対し、令和3年1月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和2年11月16日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要

1 令和2年11月16日付けの補正の却下の決定の概要は以下のとおりである。

令和2年6月26日提出の手続補正書でした補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。

よって、この補正は同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により、却下する。

2 原査定(令和2年11月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について

・請求項 1-5

・引用文献等 1

●理由2(進歩性)について

・請求項 6-7

・引用文献等 1-2

<引用文献等一覧>

1.「ドラゴンギャル~双龍の闘い~」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2015年7月号,株式会社プラントビア,2015年5月21日,p.54-58

2.特開2017-221423号公報

第3 令和3年1月8日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)について

1 補正の内容

本件補正により、令和2年1月15日提出の手続補正書の特許請求の範囲における、

「【請求項1】
所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段と、
変動表示している識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段と、
前記第1表示手段に特定態様で識別情報が停止表示された場合に、遊技者に遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段と、
続きを表示(全59行)
遊技者が識別情報を停止表示させるために操作する停止操作手段と、
前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段への操作態様とに基づいた態様で、前記第1表示手段における識別情報を停止表示する制御を実行可能な停止表示制御手段と、
所定遊技状態と、特定遊技状態と、特別遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて更新表示を実行可能な値であって、当該特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報を表示可能な第2表示手段と、
前記特定遊技状態及び前記特別遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が、再遊技を示す再遊技抽選結果とは異なる特定抽選結果である場合、前記特定態様で識別情報を前記第1表示手段に停止表示させるための前記停止操作手段の操作に関する情報である特定操作情報を報知可能な報知手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を前記所定遊技状態に制御することが可能であり、
前記特定遊技状態において、所定の移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特別遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2表示手段は、
所定の更新停止条件が成立した場合、所定の更新開始条件が成立するまで、前記特定値の更新表示を停止することが可能であり、
前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段と、
変動表示している識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段と、
前記第1表示手段に特定態様で識別情報が停止表示された場合に、遊技者に遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段と、
遊技者が識別情報を停止表示させるために操作する停止操作手段と、
前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段への操作態様とに基づいた態様で、前記第1表示手段における識別情報を停止表示する制御を実行可能な停止表示制御手段と、
所定遊技状態と、特定遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて更新表示を実行可能な値であって、当該特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報を表示可能な第2表示手段と、
前記特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が、再遊技を示す再遊技抽選結果とは異なる特定抽選結果である場合、前記特定態様で識別情報を前記第1表示手段に停止表示させるための前記停止操作手段の操作に関する情報である特定操作情報を報知可能な報知手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を前記所定遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2表示手段は、
所定の更新停止条件が成立した場合、所定の更新開始条件が成立するまで、前記特定値の更新表示を停止することが可能であり、
前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能であり、
前記所定の更新停止条件は、
前記特定値の更新表示を停止中の状態と、前記特定値の更新表示を非停止中の状態と、
において、成立する確率が同一である条件である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記第2表示手段は、
前記特定値の更新表示を停止中において、前記更新情報の一部が視認可能となるように、前記更新停止情報を当該更新情報の前方に重ねて表示することが可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2表示手段は、
前記所定の更新停止条件が成立したことを報知する報知情報を表示した後に、前記更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能である
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の更新停止条件は、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な抽選結果である場合に成立可能な条件である
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定遊技状態に制御されている期間を含む有利期間において遊技が実行された回数である遊技回数を計数可能な計数手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記計数手段により計数された遊技回数が所定回数に到達した場合に、所定の状態である場合には、当該所定の状態が終了した後に、遊技状態を特別遊技状態に制御することが可能であり、
前記報知手段は、
前記特別遊技状態において、前記特定操作情報を報知可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項7】
前記所定の状態は、
所定の演出が実行されている状態である
ことを特徴とする請求項6に記載の遊技機。」

は、令和3年1月8日に提出された手続補正書の特許請求の範囲における、

「【請求項1】
所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段と、
変動表示している識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段と、
前記第1表示手段に特定態様で識別情報が停止表示された場合に、遊技者に遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段と、
続きを表示(全38行)
遊技者が識別情報を停止表示させるために操作する停止操作手段と、
前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段への操作態様とに基づいた態様で、前記第1表示手段における識別情報を停止表示する制御を実行可能な停止表示制御手段と、
所定遊技状態と、特定遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて更新表示を実行可能な値であって、当該特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報を表示可能な第2表示手段と、
前記特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が、再遊技を示す再遊技抽選結果とは異なる特定抽選結果である場合、前記特定態様で識別情報を前記第1表示手段に停止表示させるための前記停止操作手段の操作に関する情報である特定操作情報を報知可能な報知手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を前記所定遊技状態に制御することが可能であり、
前記第2表示手段は、
所定の更新停止条件が成立した場合、所定の更新開始条件が成立するまで、前記特定値の更新表示を停止することが可能であり、
前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能であり、
前記所定の更新停止条件は、
前記特定値の更新表示を停止中の状態と、前記特定値の更新表示を非停止中の状態と、において、成立する確率が同一である条件であり、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第2表示手段は、
前記特定値の更新表示を停止中において、前記更新情報の一部が視認可能となるように、前記更新停止情報を当該更新情報の前方に重ねて表示することが可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2表示手段は、
前記所定の更新停止条件が成立したことを報知する報知情報を表示した後に、前記更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定遊技状態に制御されている期間を含む有利期間において遊技が実行された回数である遊技回数を計数可能な計数手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記計数手段により計数された遊技回数が所定回数に到達した場合に、所定の状態である場合には、当該所定の状態が終了した後に、遊技状態を特別遊技状態に制御することが可能であり、
前記報知手段は、
前記特別遊技状態において、前記特定操作情報を報知可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の状態は、
所定の演出が実行されている状態である
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。」

に補正がされた(下線は、特許請求の範囲の補正箇所を明示するために当審で付した。)。

2 補正の適否について

本件補正のうち特許請求の範囲に対してされた補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~7のうち請求項1及び請求項5を削除する補正を含んでおり、当該補正は特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当する。

また、本件補正のうち特許請求の範囲に対してされた補正は、本件補正前において他の請求項を引用しないいわゆる独立形式で記載されていた請求項2に対して、本件補正前の請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「所定の更新停止条件」について、本件補正前の請求項5の「前記抽選手段による抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である」ものに限定したうえで、特許請求の範囲の請求項2~4、6~7をそれぞれ請求項1~3、4~5に繰り上げる補正を含んでいる。そして、本件補正前の特許請求の範囲の請求項2に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、当該補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そして、本件補正は、本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項5等の記載に基づいたものであり、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

また、下記「第4 新規性及び進歩性について」及び「第5 むすび」にて説示のように、本件補正後の請求項1-5に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるもの(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するもの)である。

第4 新規性及び進歩性について

1 本願発明

本願の請求項1-5に係る発明(そのうち、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、令和3年1月8日に提出された手続補正書の特許請求の範囲における請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり、そのうち本願発明は以下のとおりのものである(A~Lは、当審で分説して付与した。)。

(本願発明)

「【請求項1】
A 所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段と、
B 変動表示している識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段と、
C 前記第1表示手段に特定態様で識別情報が停止表示された場合に、遊技者に遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段と、
続きを表示(全19行)
D 遊技者が識別情報を停止表示させるために操作する停止操作手段と、
E 前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段への操作態様とに基づいた態様で、前記第1表示手段における識別情報を停止表示する制御を実行可能な停止表示制御手段と、
F 所定遊技状態と、特定遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
G 前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて更新表示を実行可能な値であって、当該特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報を表示可能な第2表示手段と、
H 前記特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が、再遊技を示す再遊技抽選結果とは異なる特定抽選結果である場合、前記特定態様で識別情報を前記第1表示手段に停止表示させるための前記停止操作手段の操作に関する情報である特定操作情報を報知可能な報知手段と、
を備え、
I 前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を前記所定遊技状態に制御することが可能であり、
J 前記第2表示手段は、
J1 所定の更新停止条件が成立した場合、所定の更新開始条件が成立するまで、前記特定値の更新表示を停止することが可能であり、
J2 前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能であり、
K 前記所定の更新停止条件は、
K1 前記特定値の更新表示を停止中の状態と、前記特定値の更新表示を非停止中の状態と、において、成立する確率が同一である条件であり、
K2 前記抽選手段による抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である
L ことを特徴とする遊技機。」

2 引用文献に記載された事項

(1) 引用文献

これに対して、遡及日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物であって、原査定の拒絶の理由に引用された「ドラゴンギャル~双龍の闘い~」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2015年7月号,株式会社プラントビア,2015年5月21日,p.54-58,(以下、「引用文献」という。)には、「ドラゴンギャル~双龍の闘い~」のパチスロ機に関し、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した)。

ア 「ドラゴンギャル 双龍の闘い」(54ページ中段)

イ 「レア小役の停止形&小役確率」「弱チェリー」(当審注:チェリーはチェリーの図柄。以下同じ。)「強チェリー」「中段チェリー」「弱スイカ」(当審注:スイカはスイカの図柄。以下同じ。)「強スイカ」「チャンス目A」「チャンス目B」「バトル目(例)」(54ページ左下)

ウ 「ゲームの流れ」「通常時→レア小役成立 AT直当たり抽選+周期短縮抽選→AT「双龍乱舞」」「通常時→レア小役成立→2種のCZでAT突入を目指せ!→AT「双龍乱舞」」「大量上乗せのチャンスは多数! 功夫バトルは毎ゲーム上乗せのチャンス!」(54ページ右下)

エ 「AT中はさまざまな上乗せポイントが存在」「ゲーム数直乗せ」「功夫バトル」「覚醒RUSH」「金の卵チャンス」「七揃い」「継続バトル勝利で次セット継続」「この他に、宝玉高確「天ステージ」や、上乗せ高確ゾーン「黄金龍同行中」が存在。」(56ページ右上)

オ 「功夫バトル中は毎ゲーム上乗せのチャンス!」「主にAT中のレア小役成立で突入する上乗せバトル」「バトル中はATゲーム数の減算がストップ。最大の特徴は、決着以外にもさまざまなアクション成功で上乗せする点だ。」「1~3G1セットのバトルを敗北するまで繰り返す!」「基本的な動きは下記の3パターン 1(当審注:1は丸囲いされた1)攻撃順決定 味方が先制なら上乗せ 2(当審注:2は丸囲いされた2)挑発 挑発成功で上乗せ 3(当審注:3は丸囲いされた3)攻防 味方攻撃ヒットで上乗せ」・・・

「各セットのループ率はシナリオで管理」「5戦目までのループ率をシナリオで決定」「バトル中ループ率50~95% ループ率はシナリオで管理。最も良いシナリオなら、全戦95%ループといったものもある。バトル突入時は高ループのシナリオに期待しよう。」(57ページ右上~中段)

カ 「液晶とリールの間にある「双龍変化」ランプは、数ゲーム連続で点灯すればチャンス。通常時はMCや雲上ステージ、AT中はバトルなどの前兆中に点灯しやすい。また下部液晶に変化があれば、レア小役や前兆の期待度がアップするぞ。」(58ページ下段)

キ 54ページ右上の図から、パチスロ機が看取される。

ク 54ページ左下の図より、それぞれ21の図柄を有する右リール、中リール、左リールを備えた態様が看取されるとともに、54ページ右上及び左下より、右リール、中リール、左リールが、それぞれ上段、中段、下段の3つの図柄がパチスロ機の中央部に表示された態様が看取される。

ケ 54ページ右下の図より、「AT「双龍乱舞」」において、表示中の画面の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示される態様が看取される。

なお、54ページ右下の図より、「AT「双龍乱舞」」において、表示中の画面の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示されているか不鮮明であったとしても、パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」において、「AT」中の左上表示が「残り○○G」(○○は数字)であることは、

https://www.youtube.com/watch?v=FVwao8rOGX0

にみられるように明らかである。

コ 57ページ右上の図より、功夫バトルにおいては「功夫バトル」と画面の中央に表示されるとともに表示中の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示される態様が看取される。

なお、57ページ右上の図より、「功夫バトル」において、表示中の画面の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示されているか不鮮明であったとしても、パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」(構成l)において、「功夫バトル」中の左上表示が「残り○○G」(○○は数字)であることは、

https://www.youtube.com/watch?v=FVwao8rOGX0

にみられるように明らかである。

サ 57ページ右上の図より、「1(当審注:1は丸囲いされた1)攻撃順決定」「2(当審注:2は丸囲いされた2)挑発」及び「3(当審注:3は丸囲いされた3)攻防」において、「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされて、「○○」(数字)の表示が見えなくなる態様が看取される。

なお、57ページ右上の図より、「功夫バトル」において、「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされているか不鮮明であったとしても、パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」において、「功夫バトル」中に、「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされていることは、

https://www.youtube.com/watch?v=FVwao8rOGX0

にみられるように明らかである。

シ 上記ア及びキから、「パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」」との事項が導かれる(54ページ右上及び中段)。

ス 上記イの記載より、「レア小役の停止形は、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、弱スイカ、強スイカ、チャンス目A、チャンス目B、バトル目である」との事項が導かれる(54ページ左下)。

セ 上記ウの、「ゲームの流れ」「通常時→レア小役成立 AT直当たり抽選+周期短縮抽選→AT「双龍乱舞」」「通常時→レア小役成立→2種のCZでAT突入を目指せ!→AT「双龍乱舞」」(54ページ右下)との記載から、ゲームの流れとして、通常時、2種のCZ、AT「双龍乱舞」を有するとの事項が導かれる。

ソ 上記エの「AT中はさまざまな上乗せポイントが存在」「ゲーム数直乗せ」「功夫バトル」「覚醒RUSH」「金の卵チャンス」「七揃い」「継続バトル勝利で次セット継続」「この他に、宝玉高確「天ステージ」や、上乗せ高確ゾーン「黄金龍同行中」が存在。」との記載(56ページ右上)から、「AT中は功夫バトル、覚醒RUSHを含む上乗せポイントが存在」するとの事項が導かれる。

タ 上記オの「功夫バトル中は毎ゲーム上乗せのチャンス!」「主にAT中のレア小役成立で突入する上乗せバトル」との記載(57ページ右上~中段)から、「功夫バトルは、主にAT中のレア小役成立で突入する上乗せバトルであ」るとの事項が導かれる。

チ 上記オの「功夫バトル中は毎ゲーム上乗せのチャンス!」「バトル中はATゲーム数の減算がストップ。」との記載(57ページ右上~中段)から、「功夫バトル中はATゲーム数の減算がストップする」との事項が導かれる。

ツ 上記オの「功夫バトル中は毎ゲーム上乗せのチャンス!」・・・「1~3G1セットのバトルを敗北するまで繰り返す!」・・・「各セットのループ率はシナリオで管理」「5戦目までのループ率をシナリオで決定」「バトル中ループ率50~95%」との記載(57ページ右上~中段)から、

「功夫バトルは1~3G1セットのバトルを敗北するまで繰り返し、
5戦目までのループ率はシナリオで管理され、バトル中ループ率は50~95%である」との事項が導かれる。

テ 上記オの「功夫バトル中は毎ゲーム上乗せのチャンス」・・・「基本的な動きは下記の3パターン 1(当審注:1は丸囲いされた1)攻撃順決定 味方が先制なら上乗せ 2(当審注:2は丸囲いされた2)挑発 挑発成功で上乗せ 3(当審注:3は丸囲いされた3)攻防 味方攻撃ヒットで上乗せ」との記載(57ページ右上~中段)及び上記サの「1(当審注:1は丸囲いされた1)攻撃順決定」「2(当審注:2は丸囲いされた2)挑発」及び「3(当審注:3は丸囲いされた3)攻防」において、「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされて、「○○」(数字)の表示が見えなくなる態様(57ページ右上)より、

「功夫バトルにおいて「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされて、「○○」(数字)の表示が見えなくなる」との事項が導かれる。

ト 上記カの「液晶とリールの問にある「双龍変化」ランプは、数ゲーム連続で点灯すればチャンス。・・・また下部液晶に変化があれば、レア小役や前兆の期待度がアップするぞ。」との記載(58ページ下段)から、「液晶と下部液晶を備える」との事項が導かれる。

そして、上記記載事項(ア)~(カ)、図面から看取される事項(キ)~(サ)及び(ア)~(サ)から導かれる事項(シ)~(ト)を総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(b~lは、本願発明の構成B~Lに対応させて当審にて付与した。また、引用文献における引用箇所を付した。)。

(引用発明)

「b それぞれ21の図柄を有する右リール、中リール、左リールを備え(上記ク(54ページ左下))、
右リール、中リール、左リールは、それぞれ上段、中段、下段の3つの図柄がパチスロ機の中央部に表示され(上記ク(54ページ右上、左下))、
f ゲームの流れとして、通常時、2種のCZ、AT「双龍乱舞」を有し(上記セ(54ページ右下))、
gij 液晶と下部液晶を備え(上記ト(58ページ下段))、
続きを表示(全14行)
AT「双龍乱舞」において、表示中の画面の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示され(上記ケ(54ページ右下)、
AT中は功夫バトル、覚醒RUSHを含むさまざまな上乗せポイントが存在し(上記ソ(56ページ右上))、
功夫バトルは、主にAT中のレア小役成立で突入する上乗せバトルであり(上記タ(57ページ右上~中段))、
功夫バトルにおいては「功夫バトル」と画面の中央に表示されるとともに表示中の左上に「残り○○G」(○○は数字)と表示され(上記コ(57ページ右上))、
功夫バトル中はATゲーム数の減算がストップし(上記チ(57ページ右上~中段))、
功夫バトルは1~3G1セットのバトルを敗北するまで繰り返し(上記ツ(57ページ右上~中段))、
5戦目までのループ率はシナリオで管理され、バトル中ループ率は50~95%であり(上記ツ(57ページ右上~中段))、
功夫バトルにおいて「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされて、「○○」(数字)の表示が見えなくなり(上記テ(57ページ右上))、
kk2 レア小役の停止形は、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、弱スイカ、強スイカ、チャンス目A、チャンス目B、バトル目である(上記ス(54ページ左下))、
l パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」(上記シ(54ページ右上及び中段))。」

3 対比及び判断

(1) 対比

本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する(対比の見出しとしての(b)~(l)は、引用発明の分説構成と対応させた。)。

(b) 引用発明の構成bの「図柄」は本願発明の構成Bの「識別情報」に相当するとともに、引用発明の構成bの「右リール、中リール、左リール」の「上段、中段、下段の3つの図柄」を「表示」する「中央部」は、本願発明の構成Bの「識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段」に相当する。

してみると、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する構成を有するものである。

(f) 引用発明の構成fの「通常時」及び「2種のCZ」は本願発明の構成Fの「所定遊技状態」に相当するとともに、引用発明の構成fの「AT「双龍乱舞」」は本願発明の構成Fの「特定遊技状態」に相当する。

そして、引用発明のパチスロ機(構成l参照)において、「通常時」及び「2種のCZ」(所定遊技状態)と「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)に「制御」するための「制御手段」を備えていることは明らかであり、当該「制御手段」は本願発明における「遊技状態制御手段」に相当するものである。

してみると、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当する構成を有するものである。

(g) 引用発明の構成gijの「AT「双龍乱舞」」が、「液晶と下部液晶」のいずれかに表示されることは明らかであることから、引用発明の構成gijの「液晶と下部液晶」のうち、「AT「双龍乱舞」」が表示されるものは本願発明の構成Gの「第2表示手段」に相当する。

また、引用発明の構成gijの「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」が「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)の「残り」の数であることは明らかであり、引用発明の構成gijの「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」は、本願発明の構成Gの「特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報」に相当する。

そして、引用発明の構成gijの「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」(特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報)が「液晶と下部液晶」のいずれか(第2表示手段)に「表示可能」とされることは明らかである。

してみると、引用発明の構成gijは、本願発明の構成Gに相当する構成を有するものである。

(i) 引用発明の構成gijにおいて「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」が「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)の「残り」の数であることが明らかであることは、上記(g)にて説示のとおりである。

そうすると、引用発明の構成gijの「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の数字(特定値)が0(終了値)になれば、「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)が終了するように制御されることは明らかであるといえる。

そして、引用発明のパチスロ機(構成l参照)において、「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)に「制御」するための「制御手段」(遊技状態制御手段)を備えていることが明らかであることは上記(f)にて説示のとおりであって、引用発明の構成gijの「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の数字(特定値)が0(終了値)になって、「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)が終了するように制御することを「制御手段」(遊技状態制御手段)が行うこともまた明らかである。

してみると、引用発明の構成gijは、本願発明の構成Iと、「前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を」「制御することが可能であ」る点で共通する。

(j)(j1) 引用発明の構成gijにおいて「功夫バトル中はATゲーム数の減算がストップ」するのだから、その結果として、「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の更新も「ストップ」(停止)することは明らかであるといえる。

また、引用発明の構成gijでは「AT中のレア小役成立」によって「功夫バトル」に「突入する」ことが可能であり、「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の更新が停止することは上記説示のとおり明らかなことであるから、引用発明の構成gijの「AT中のレア小役」が「成立」することは本願発明の構成J1の「所定の更新停止条件が成立」することに相当する。

また、引用発明の構成gijでは、「功夫バトルは1~3G1セットのバトルを敗北するまで繰り返し、」「5戦目までのループ率はシナリオで管理され」るのだから、「管理され」た「シナリオ」によって「バトル」が「敗北」して「功夫バトル」の「繰り返し」が終了することが可能となり、「功夫バトル中」の「ATゲーム数の減算」の「ストップ」(本願発明の「特定値の更新表示」の「停止」に相当)も終了することが可能となっていることは明らかである。

してみると、引用発明の構成gijにおける「バトル」が「敗北」する際の「シナリオ」は、本願発明の構成J1の「所定の更新開始条件が成立」することに相当する。

してみると、引用発明の構成gijは、本願発明の構成J、J1に相当する構成を有するものである。

(j)(j2) 引用発明の構成gijの「緑の「停止中」との表示」は、本願発明の構成J2の「特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報」に相当する。

また、引用発明において「功夫バトル中」は、「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の更新も「ストップ」(停止)することは明らかであることは上記(j)(j1)にて説示のとおりであるから、引用発明の構成gijの「功夫バトルにおいて「残り○○G」表示における「○○」(数字)部分に緑の「停止中」との表示がされ」ることは、本願発明の構成J2の「特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を」「表示することが可能であ」ることに相当する。

してみると、引用発明の構成gijは、本願発明の構成J、J2と、「特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を」「表示することが可能であ」る点で共通する。

(k)(k2) 引用発明の構成gijにおいて「AT中のレア小役」が「成立」することが本願発明の「所定の更新停止条件が成立」することに相当することは上記(j)(j1)にて説示のとおりである。そして、「役」の「成立」には「表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な」「抽選結果」に当選することが必要であることが技術常識である。そうすると、引用発明のkk2において、「レア小役」である「弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、弱スイカ、強スイカ、チャンス目A、チャンス目B、バトル目」に当選することは、本願発明の構成K2の「前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果」に相当する。してみると、引用発明の「レア小役」である「弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、弱スイカ、強スイカ、チャンス目A、チャンス目B、バトル目」が「成立」することは、本願発明の構成K、K2と、

「前記所定の更新停止条件は、」「抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である」点で共通する。

(l) 引用発明の構成lの「パチスロ機「ドラゴンギャル 双龍の闘い」」は本願発明の構成Lの「遊技機」に相当する。

してみると、引用発明の構成lは、本願発明の構成Lに相当する構成を有するものである。

そうすると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)

「B 変動表示している識別情報を停止表示することが可能な第1表示手段と、
F 所定遊技状態と、特定遊技状態と、を含む複数の遊技状態のうち、何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
G 前記特定遊技状態において、遊技の進行に応じて更新表示を実行可能な値であって、当該特定遊技状態の制御に関する値である特定値を含む更新情報を表示可能な第2表示手段と、
を備え、
続きを表示(全12行)
I′前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を制御することが可能であり、
J 前記第2表示手段は、
J1 所定の更新停止条件が成立した場合、所定の更新開始条件が成立するまで、前記特定値の更新表示を停止することが可能であり、
J2′前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を表示することが可能であり、
K 前記所定の更新停止条件は、
K2′抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である
L 遊技機。」

(相違点1)(構成A)

本願発明では「所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段」「を備え」ているのに対し、引用発明ではそのような抽選手段を備えているのか不明である点。

(相違点2)(構成C)

本願発明では「前記第1表示手段に特定態様で識別情報が停止表示された場合に、遊技者に遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段」「を備え」ているのに対し、引用発明ではそのような遊技価値付与手段を備えているのか不明である点。

(相違点3)(構成D)

本願発明では「遊技者が識別情報を停止表示させるために操作する停止操作手段」「を備え」ているのに対し、引用発明ではそのような停止操作手段を備えているのか不明である点。

(相違点4)(構成E)

本願発明では「前記抽選手段による抽選結果と前記停止操作手段への操作態様とに基づいた態様で、前記第1表示手段における識別情報を停止表示する制御を実行可能な停止表示制御手段」「を備え」ているのに対し、引用発明ではそのような停止表示制御手段を備えているのか不明である点。

(相違点5)(構成H)

本願発明では「特定遊技状態において、前記抽選手段による抽選結果が、再遊技を示す再遊技抽選結果とは異なる特定抽選結果である場合、前記特定態様で識別情報を前記第1表示手段に停止表示させるための前記停止操作手段の操作に関する情報である特定操作情報を報知可能な報知手段」「を備え」るのに対し、引用発明はそのような報知手段を備えているのか不明である点。

(相違点6)(構成I)

本願発明では「前記特定遊技状態において、前記第2表示手段に表示されている前記特定値が終了値になった場合、遊技状態を前記所定遊技状態に制御することが可能であ」るのに対し、引用発明は「液晶と下部液晶」のいずれか(第2表示手段)に表示されている「残り○○G」表示における「○○」(数字)(特定値)が終了値になった場合に、「通常時」及び「2種のCZ」(所定遊技状態)に制御するものであるか不明である点。

(相違点7)(構成J2)

本願発明では「前記特定値の更新表示を停止中において、前記特定値の更新表示を停止することに関する情報である更新停止情報を、前記更新情報の前方に重ねて表示することが可能であ」るのに対し、引用発明は「緑の「停止中」との表示」(更新停止情報)を、「功夫バトルにおいて」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」(更新情報)の前方に重ねて表示するものであるかどうか不明である点。

(相違点8)(構成K、K1)

本願発明では「前記所定の更新停止条件は、」「前記特定値の更新表示を停止中の状態と、前記特定値の更新表示を非停止中の状態と、において、成立する確率が同一である条件であ」るのに対し、引用発明において「AT中のレア小役」の「成立」(所定の更新停止条件)がそのような条件であるか不明である点。

(相違点9)(構成K、K2)

本願発明では、「前記所定の更新停止条件は、」「前記抽選手段による抽選結果が、前記第1表示手段に特別態様で識別情報を停止表示させることが可能な特別抽選結果である場合に成立可能な条件である」のに対し、引用発明は抽選結果が「所定の条件が成立したことに基づいて、遊技に関する抽選を行う抽選手段」(構成A)による抽選結果かどうか不明である点。

2 当審の判断

上記相違点1-9のうち、事案に鑑み、相違点8について検討する。

引用発明において、「功夫バトル中」は「ATゲーム数の減算」の「ストップ」(本願発明の「特定値の更新表示」の「停止」に相当)した状態(上記(j)(j1)参照)である。

一方、「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」が「AT「双龍乱舞」」(特定遊技状態)の「残り」の数であることは明らかである(上記(g)参照)ことから、「AT「双龍乱舞」」のうち「功夫バトル中」以外の状態においては、「AT「双龍乱舞」で」「表示され」る「「残り○○G」(○○は数字)」の数字(特定値)の更新表示が非停止中の状態となっていることは明らかであるといえる。

しかし、引用発明は、「AT「双龍乱舞」」のうち、「功夫バトル中」(「特定値の更新表示」の「停止」した状態)と、「AT「双龍乱舞」」のうち「功夫バトル中」以外の状態(「特定値の更新表示が非停止中の状態)とで、「レア小役」(所定の更新停止条件)の「成立する確率」を「同一」とする構成を有していない。また、「AT「双龍乱舞」」のうち、「功夫バトル中」(「特定値の更新表示」の「停止」した状態)と、「AT「双龍乱舞」」のうち「功夫バトル中」以外の状態(「特定値の更新表示が非停止中の状態)とで、「レア小役」(所定の更新停止条件)の「成立する確率」を「同一」とすることは遡及日前における周知の技術ということもできない。

なお、本件補正後の本願の請求項1が、本件補正前の請求項2に対して、本件補正前の請求項5に記載した事項を追加して限定したものであることは上記「第3 令和3年1月8日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)について」「2 補正の適否について」にて説示のとおりであるから、上記相違点の検討に際し、本件補正前の請求項6及び7に対してのみ提示された引用文献2については、検討を要しない。

そして、本願発明は、上記相違点8に係る構成を備えることで、更新表示が停止表示されているか否かで有利・不利な状況を生じさせることがない(審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(2)本願発明の説明 (a)請求項1」参照)という作用効果を奏するものといえる。

したがって、本願発明は、他の相違点を検討するまでもなく、引用発明とはいえない。また、本願発明は、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものであるともいえない。

また、本願の請求項1に係る発明(本願発明)が、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえないのだから、請求項1に係る発明と同一の構成を備え、さらに他の構成を付加した請求項2-5に係る発明も同様に、引用発明とはいえず、また、当業者が引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第5 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-000291

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