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特許拒絶査定不服審判

2021-000175

ARプラットフォームシステム、方法およびプログラム

審判番号
2021-000175
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-066434
請求日
2021年01月06日
審決日
2022年02月24日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社三井住友銀行
  • 【請求人代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
  • 【請求人】株式会社日本総合研究所
  • 【請求人代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 田中 秀人
  • 審判官 金子 秀彦
  • 審判官 山澤 宏
分類
P18 .537-WZ (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 66434「ARプラットフォームシステム、方法およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月 8日出願公開、特開2020-166555〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は,平成31年3月29日の出願であって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。 令和2年 5月12日:拒絶理由(起案日) 令和2年 7月 8日:意見書 令和2年 7月 8日:手続補正書 令和2年10月14日:拒絶査定(起案日) 令和3年 1月 6日:審判請求 令和3年 1月 6日:手続補正書 令和3年 3月11日:前置報告書 令和3年 4月20日:上申書 令和3年 9月30日:拒絶理由(起案日) 令和3年11月22日:意見書 令和3年11月22日:手続補正書 第2 本願発明 令和3年11月22日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には,以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストと、前記情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データとを受信し、 前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、 前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し、 前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成して、送信し、 前記第1のAR表示情報に対する前記情報利用者による評価情報を含む第2のリクエストを受信した場合、受信した前記第2のリクエストに基づいて、前記評価情報に従う第2のAR表示情報を作成して、送信するように構成されたプロセッサを備えた、システム。」 (以下「本願発明」という。) 第3 当審の拒絶理由通知書の概要 当審の拒絶の理由である,令和3年9月30日付け拒絶理由通知の理由は,概略,次のとおりである。 1.(サポート要件)本件出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ●理由1(サポート要件)について (1) 請求項1には,「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し」と記載されている。 明細書の段落0015には,ARデバイス100が撮像した画像データ(請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データ」に対応),および,ARデバイス100に入力された質問等(請求項1の「前記情報利用者の所望情報」に対応)を含むリクエスト(請求項1の「第1のリクエスト」に対応)を受信することが記載されている。(以下,「記載1」という。) また,明細書の段落0048-0049には,ARデバイス100によって撮像された画像(請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データ」に対応)およびIT業界の人を探すという内容(請求項1の「前記情報利用者の所望情報」に対応)を含むリクエスト(請求項1の「第1のリクエスト」に対応)を受信することが記載されている。(以下,「記載2」という。) また,明細書の段落0066には,情報利用者の視野画像データ(請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データ」に対応)を受信することが記載されている。(以下,「記載3」という。) また,明細書の段落0074には,ARデバイス100が撮像した情報利用者の視野画像データ(請求項1の情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データ」に対応),および,購入したい商品情報(請求項1の「前記情報利用者の所望情報」に対応)を含むリクエスト(請求項1の「第1のリクエスト」に対応)を受信することが記載されている。(以下,「記載4」という。) 明細書の段落0026,0067,0074には,視野画像データに対して画像認識を実行することが記載されている。(以下,「記載5」という。) しかしながら,記載1には,「画像データ」が「リクエスト」に含まれること,及び,「画像データ」および「質問等」を含む「リクエスト」に含まれる「画像データ」に対して画像認識を実行して,画像情報を認識することは,記載されていない。 また,記載2には,「画像」および「IT業界の人を探すという内容」を含む「リクエスト」に含まれる「画像」に対して画像認識を実行して,画像情報を認識することは,記載されていない。 また,記載3には,「視野画像データ」がリクエストに含まれること,及び,「視野画像データ」および所望情報を含むリクエストに含まれる「視野画像データ」に対して画像認識を実行して,画像情報を認識することは,記載されていない。 また,記載4には,「視野画像データ」が「リクエスト」に含まれること,及び,「視野画像データ」及び「商品情報」を含む「リクエスト」に含まれる「視野画像データ」に対して画像認識を実行して,画像情報を認識することは,記載されていない。 また,記載5には,「視野画像データ」がリクエストに含まれること,及び,「視野画像データ」および所望情報を含むリクエストに含まれる「視野画像データ」に対して画像認識を実行して,画像情報を認識することは,記載されていない。 よって,記載1-記載5には, 請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリ クエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して,画像情報を認識」することは記載されていない。 ・・・(略)・・・ (2) 請求項1には,「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し」と記載されている。 明細書の段落0027-0028,0068には,「視野画像データ」に対して画像認識を実行して,認識した「文字情報等のキーワード」(請求項1の「画像情報」に対応)に基づいて,「中華料理」(請求項1の「嗜好情報」に対応)を抽出することが記載されている。(以下,「記載6」という。) しかしながら,記載1-6には,「視野画像データ」がリクエストに含まれること,及び,「視野画像データ」および所望情報を含むリクエストに含まれる「視野画像データ」に対して画像認識を実行して,認識した「文字情報等のキーワード」に基づいて,「中華料理」を抽出することは記載されていない。 よって,記載1-6には,請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出」することは記載されていない。 ・・・(略)・・・ (3) 請求項1には,「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し、前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成し」と記載されている。 明細書の段落0029,0050には,「リクエストに含まれるキーワード」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載7」という。) 明細書の段落0030,0068には,「中華料理」(請求項1の「嗜好情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載8」という。) 明細書の段落0059には,「初対面の人または迷子」の「位置情報」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載9」という。) 明細書の段落0060には,「語学の会話スキルを有している特定の人」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載10」という。) 明細書の段落0061には,「空席情報」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載11」という。) 明細書の段落0069には,「嗜好情報」(請求項1の「嗜好情報」に対応)および「位置情報」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載12」という。) 明細書の段落0072には,「感情」(請求項1の「嗜好情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載13」という。) 明細書の段落0073には,「視線の偏り」(請求項1の「嗜好情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載14」という。) 明細書の段落0074には,「購入したい商品」の「取り扱いがある店舗」( 請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載15」という。) 明細書の段落0075には,「第三者が勧める飲食店の情報,商品」(請求項1の「所望情報」に対応)に基づいて,「AR表示情報」を作成することが記載されている。(以下,「記載16」という。) しかしながら,記載1-16には,視野画像データおよび所望情報を含むリクエストに含まれる視野画像データに対して画像認識を実行して,認識した画像情報に基づいて,嗜好情報を抽出し,そのような嗜好情報および所望情報に基づいて,第1のAR表示情報を作成することは記載されていない。 よって,記載1-16には,請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し,前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成」することは記載されていない。 ・・・(略)・・・ (4) 請求項1には,「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し、前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成して、送信し、前記第1のAR表示情報に対する前記情報利用者による評価情報を含む第2のリクエストを受信した場合、受信した前記第2のリクエストに基づいて、前記評価情報に従う第2のAR表示情報を作成して、送信する」と記載されている。 段落0033には,「嗜好情報」に基づいて,第1の「AR表示情報」を作成して,送信し,「嗜好に合っているか否か」,「情報量または表示情報が適切か」(請求項1の「評価情報」に相当)を含む第2のリクエストを受信した場合,受信した前記第2のリクエストに基づいて,前記「嗜好に合っているか否か」, 「情報量または表示情報が適切か」に従う第2の「AR表示情報」を作成して,送信することが記載されている。(以下,「記載17」という。) しかしながら,記載1-17には,視野画像データおよび所望情報を含むリクエストに含まれる視野画像データに対して画像認識を実行して,認識した画像情報に基づいて,嗜好情報を抽出し,前記嗜好情報および所望情報に基づいて,第1のAR表示情報を作成して,送信し,前記第1のAR表示情報に対する前記情報利用者による,そのような評価情報を含む第2のリクエストを受信することは記載されていない。 よって,記載1-17には,請求項1の「情報利用者の視野の全部または一部を撮像した視野画像データおよび前記情報利用者の所望情報を含む第1のリクエストを受信し、前記視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識し、前記画像情報に基づいて、前記情報利用者の嗜好情報を抽出し、前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成して、送信し、前記第1のAR表示情報に対する前記情報利用者による評価情報を含む第2のリクエストを受信」することは記載されていない。 ・・・(略)・・・ したがって,請求項1に係る発明は,発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。 また,請求項1を引用する請求項2-4も,請求項1のカテゴリー違いの請求項である請求項5も,請求項5を引用する請求項6も,(1)―(4)の不備を含むものである。 ・・・(略)・・・ 第4 本願の発明の詳細な説明の記載 上記「第3 当審の拒絶理由通知書の概要」「1.」「●理由1(サポート要件)について」の(3)に関して,本願発明は,「前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成」する構成(以下,「本願構成A」という。)を備えるものである。そして,本願の発明の詳細な説明の記載には,本願構成Aに関する記載として,以下の記載がある。(下線は当審で付与した。以下同じ。) 「【0015】 情報利用者デバイス110は、ARデバイス100が撮像した画像データ、およびARデバイス100に入力されたリクエスト等の情報をプラットフォーム140に送信できる。リクエストは、例えば情報利用者を識別する任意の情報(例えば、ID)、情報提供者の属性、商品・サービス情報、在庫状況、サービス提供状況、質問等を含み、文字列、数字列等の形式は問わない。情報利用者デバイス110はまた、リクエストに応答して表示されたAR画像の閲覧履歴、視聴時間等をプラットフォーム140に送信してもよい。」 「【0026】 プラットフォーム140は、画像認識部141によって、情報利用者の視野を撮像した視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識できる。認識された画像情報は、例えば人物、物体等を識別でき、店舗の看板、ロゴ等から識別した文字情報、色彩情報等を含み得る。画像認識は、任意の画像処理アルゴリズム、認識技術等を使用して実施され得る。 【0027】 プラットフォーム140は、嗜好情報抽出部142によって、情報利用者の嗜好情報を抽出できる。嗜好情報の抽出は、画像情報に含まれる文字情報等のキーワードを使用して、属性情報DB145から取得する。嗜好情報の抽出はまた、画像情報に含まれる文字情報等を使用した部分一致検索や類語検索を行うことによって、属性情報DB145から嗜好関連情報を抽出してもよい。嗜好関連情報は、例えば画像情報に店舗の看板から抽出した文字情報に「中華料理」が含まれる場合、他の中華料理店、「四川」や「広東」等のキーワードで抽出した飲食店の情報が含まれ得る。 【0028】 嗜好情報の抽出は、情報利用者の視野を撮像した視野画像データから特定の特徴(容姿、行動、物体)が現れる頻度、視野内に占める範囲、および/または情報利用者の眼を撮像した画像情報から得られる視線の偏り等に基づいて抽出されてもよい。視線の偏りは、例えば情報利用者の焦点、同じ対象物を注視する時間、視点の流れ等を分析することにより取得し得る。プラットフォーム140は、情報利用者の嗜好情報、嗜好関連情報を必要に応じて加工し、外部システム130に送信してもよい。 【0029】 プラットフォーム140は、表示情報作成部143によって、ARデバイス100に表示するためのAR表示情報を作成することができる。AR表示情報は、例えば情報利用者デバイス110から受信したリクエストに含まれるキーワードを使用して、属性情報DB145、情報公開対象者DB146、位置情報DB147等の検索結果から作成され得る。検索結果は、例えばリクエストに合致する情報提供者のリスト、詳細情報、情報提供者の位置情報等とすることができる。AR表示情報は、例えば特定の情報提供者の位置、方角、距離をタグ、記号、メッセージ等により表示する情報等が含まれ得る。AR表示情報は、例えば任意の表示対象物の一部または全部についてタグ付け、色付け、枠、太字、スポットライト等の任意の形式で強調表示が行われてもよい。 【0030】 AR表示情報は、属性情報DB145から取得した嗜好情報、嗜好関連情報から作成されてもよい。AR表示情報は、例えば嗜好情報に「中華料理A」の店舗が含まれている場合、「中華料理A」、および嗜好関連情報として抽出した「中華料理B」や「四川料理C」等の店舗情報を含めてもよい。AR表示情報は、情報利用者の嗜好情報と、外部システム130から取得した広告情報またはスクレイピングにより取得した広告情報等とをマッチングさせて作成されてもよい。AR表示情報は、例えば嗜好情報に「猫」が含まれている場合、ペットショップが運営する外部システム130から取得したペット用の新商品の広告情報等を含めてもよい。AR表示情報は、嗜好情報または嗜好関連情報に合致する表示対象物について、任意の形式で強調表示が行われてもよい。」 「【0045】 図4は、本発明の一実施形態に係る能動的なAR表示処理フローを例示する図である。図4は、例えば懇親会、ネットワーキングイベント等において、情報利用者が情報提供者を探す場合について説明する。プラットフォーム140は、情報提供者から受信した提供情報を属性情報DB145、情報公開対象者情報を情報公開対象者DB146、および位置情報をそれぞれデータベースに記憶しているものとする。また、位置情報はリアルタイムで取得して位置情報DB147を更新できるものとする。提供情報は、例えば情報提供者がIT業界において特定の技能を有するという情報を含み得る。位置情報は、例えば懇親会、ネットワーキングイベント等において、VPSにより取得された情報提供者の会場内の位置情報とすることができる。 【0046】 S401:情報利用者デバイス110は、任意の無線技術によって、情報利用者が装着しているARデバイス100との相互通信を確立する。 【0047】 S402:情報利用者デバイス110は、ARデバイス100を装着している情報利用者を識別する。情報利用者の識別は、パスワード認証、虹彩認証、声紋認証等を含む生体認証等により行うことができ、所定の時間間隔で行われてもよい。 【0048】 S403:ARデバイス100は、音声、ジェスチャー等を介して、情報利用者からリクエストの入力を受け付ける。入力されたリクエストは、情報利用者デバイス110に送信される。ここでは、リクエストに「会場内で特定の話題を持つ人(例えば、IT業界の人)を探す」という内容が含まれているものとする。 【0049】 S404:情報利用者デバイス110は、リクエストをプラットフォーム140に送信する。リクエストは任意の加工が行われてもよく、時間情報、ARデバイス100によって撮像された画像等を併せて送信してもよい。 【0050】 S405:プラットフォーム140は、情報利用者デバイス110から受信したリクエストに基づいて、AR表示情報を作成する。AR表示情報は、リクエストに含まれるキーワードを使用して、属性情報DB145、情報公開対象者DB146、位置情報DB147等の検索結果から作成され得る。検索結果は、例えば会場内のIT業界の人のリスト、人数や割合等の情報が得られる。プラットフォーム140は、情報公開対象者情報として情報利用者に閲覧制限がある場合、制限のある提供情報を検索条件または検索結果から除外してもよい。 【0051】 S406:プラットフォーム140は、AR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。AR表示情報は、例えば会場内のIT業界の人のリスト、人数等をメッセージ形式で表示する情報等が含まれ得る。 【0052】 S407:情報利用者デバイス110は、プラットフォーム140から受信したAR表示情報に基づいて、ARデバイス100を制御する。ARデバイス100は、情報利用者の視野内でARを表示する。 【0053】 S408:ARデバイス100は、音声、ジェスチャー等を介して、情報利用者からリクエストの入力を受け付ける。入力されたリクエストは、情報利用者デバイス110に送信される。リクエストは、例えばARデバイス100に表示されたIT業界の人のリストの中から、特定の人の位置を知るという内容が含まれているものとする。 【0054】 S409:情報利用者デバイス110は、リクエストをプラットフォーム140に送信する。リクエストは任意の加工が行われてもよく、時間情報、ARデバイス100によって撮像された画像等を併せて送信してもよい。 【0055】 S410:プラットフォーム140は、情報利用者デバイス110から受信したリクエストに基づいて、AR表示情報を作成する。AR表示情報は、リクエストに含まれる特定の人の氏名・名称等を使用して、属性情報DB145、情報公開対象者DB146、位置情報DB147等の検索結果から作成され得る。プラットフォーム140は、情報提供者デバイス120に位置情報の取得要求を送信して、情報提供者の最新の位置情報を取得してもよい。 【0056】 S411:プラットフォーム140は、AR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。AR表示情報は、例えば特定の情報提供者の位置を強調表示する情報、位置、方角、距離をタグ、記号、メッセージ等により表示する情報等が含まれ得る。位置の強調表示は、例えば情報提供者のタグ付け、色付け、枠、スポットライト等の任意の形式で行われてもよい。 【0057】 S412:情報利用者デバイス110は、プラットフォーム140から受信したAR表示情報に基づいて、ARデバイス100を制御する。ARデバイス100は、情報利用者の視野内でARを表示する。 【0058】 このようにすることで、情報利用者が知りたい情報(特定の人を探すこと等)をリアルタイムで表示できる。情報利用者は、距離や遮蔽物等によって目視では確認困難な場合であっても、情報提供者の位置を知ることができる。上記の実施形態において、リクエストの入力(S403、S408)は2回行われているが、少なくとも1回行わればよい。ARデバイス100はまた、情報利用者の視野内に情報提供者が現れた場合、視野画像データをプラットフォーム140に送信してもよい。プラットフォーム140は、視野画像データに対して画像認識を実行して、情報提供者の顔認識結果を情報利用者にフィードバックしてもよい。フィードバックによって、情報利用者は、情報提供者を位置情報と顔認識により確認することができる。」 「【図4】 [図:0001383678000001.jpg] 」 「【0059】 別の実施形態において、情報利用者は、例えば初対面の人または迷子等の情報提供者を探すことができる。情報提供者デバイス120は、情報利用者の公開鍵および位置情報をプラットフォーム140に送信する。情報利用者デバイス110は、情報利用者の秘密鍵をプラットフォーム140に送信する。公開鍵と秘密鍵は、情報利用者のみに情報提供者の位置情報を提供するために使用されるものであり、情報利用者が識別できる任意の情報で代替してもよい。プラットフォーム140は、情報利用者の視野の少なくとも一部において情報提供者の位置を強調表示する内容を含むAR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。情報利用者デバイス110は、プラットフォーム140から受信したAR表示情報に基づいて、情報提供者の位置を強調表示するようにARデバイス100を制御する。」 「【0060】 別の実施形態において、情報利用者は、外国語案内やボランティアを行う情報提供者を探すことができる。プラットフォーム140は、例えば語学(英語、中国語、韓国語等)の会話スキルを有しているという提供情報を情報提供者デバイス120から受信し、属性情報DB145に記憶する。ARデバイス100は、語学の会話スキルを有している特定の人を探すというリクエストの入力を受け付け、情報利用者デバイス110を介してプラットフォーム140に送信する。プラットフォーム140は、リクエストに基づいて属性情報DB145および位置情報DB147を検索し、語学の会話スキルを有している特定の人の位置を強調表示する内容を含むAR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。情報利用者デバイス110は、プラットフォーム140から受信したAR表示情報に基づいて、情報提供者の位置を強調表示するようにARデバイス100を制御する。」 「【0061】 別の実施形態において、情報利用者は、特定の建物、店舗を探すことができる。リクエストは、例えば情報利用者が繁華街にいる場合において、居酒屋の空席状況、提供する酒類(銘柄)を検索する等の内容を含んでもよい。プラットフォーム140は、APIを介して、外部企業システムからリアルタイムで居酒屋の空席状況等を取得する。空席状況等は、属性情報DB145の検索および/またはスクレイピングにより取得されてもよい。プラットフォーム140は、検索結果を含めてAR表示情報を作成し、情報利用者デバイス110に送信する。プラットフォーム140は、さらに居酒屋等の予約を行うリクエストを受信してもよい。プラットフォーム140は、リクエストに基づいて、外部企業システム(予約サイト、居酒屋チェーンのWebサイト等)に対して、APIを介する予約を行ってもよい。プラットフォーム140は、予約が完了したメッセージ、店舗までの道案内等を含めてAR表示情報を作成してもよい。」 「【0062】 図5は、本発明の一実施形態に係る受動的なAR表示処理フローを例示する図である。図5は、例えば情報利用者が街中を歩いている場合であって、目的地までの間に特定の目的または用事がない場合について説明する。 【0063】 S501:情報利用者デバイス110は、任意の無線技術によって、情報利用者が装着しているARデバイス100との相互通信を確立する。 【0064】 S502:情報利用者デバイス110は、ARデバイス100を装着している情報利用者を識別する。情報利用者の識別は、パスワード認証、虹彩認証、声紋認証等を含む生体認証等により行うことができ、所定の時間間隔で行われてもよい。 【0065】 S503:ARデバイス100は、情報利用者の視野の一部または全部を撮像する。ARデバイス100は、例えば所定の時間間隔で情報利用者の視野を撮像することによって、情報利用者が無意識に見ている人、物体等の視野画像データを取得できる。撮像された視野画像データは、情報利用者デバイス110に送信される。 【0066】 S504:情報利用者デバイス110は、情報利用者の視野画像データをプラットフォーム140に送信する。画像は任意の加工が行われてもよく、画像処理フィルタを利用して抽出した特徴量のみ送信されてもよく、時間情報、情報利用者の眼等を撮像した画像等を併せて送信してもよい。 【0067】 S505:プラットフォーム140は、情報利用者デバイス110から受信した視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識する。 【0068】 S506:プラットフォーム140は、情報利用者の嗜好情報を抽出する。嗜好情報の抽出は、画像情報に含まれる文字情報等のキーワードを使用して、属性情報DB145から取得する。嗜好情報の抽出はまた、画像情報に含まれる文字情報等を使用した部分一致検索や類語検索を行うことによって、属性情報DB145から嗜好関連情報を抽出してもよい。嗜好関連情報は、例えば画像情報に店舗の看板から抽出した文字情報に「中華料理」が含まれる場合、他の中華料理店、「四川」や「広東」等のキーワードで抽出した飲食店の情報が含まれ得る。 【0069】 S507:プラットフォーム140は、情報利用者の嗜好情報に基づいて、AR表示情報を作成する。情報利用者の位置情報が取得できる場合、プラットフォーム140は近隣の店舗情報を優先して表示するようにAR表示情報を作成してもよい。 【0070】 S508:プラットフォーム140は、AR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。 【0071】 S509:情報利用者デバイス110は、プラットフォーム140から受信したAR表示情報に基づいて、ARデバイス100を制御する。ARデバイス100は、情報利用者の視野内でARを表示する。 【0072】 このようにすることで、ARを目視する情報利用者が見たい/知りたいと推定される情報をリアルタイムで表示できる。プラットフォーム140はまた、任意的に情報利用者の感情の分析を行ってもよい。プラットフォーム140は、分析された感情にさらに基づいて嗜好情報を抽出してもよい。分析された感情は、閲覧履歴DB148に対する優先度付けの情報として使用されてもよく、AR表示情報として情報利用者デバイス110に送信されてもよい。このようにすることで、情報利用者が無意識の内に嗜好情報の抽出を補完し、より潜在的なニーズに沿ったAR表示情報を情報利用者に提供できる。」 「【図5】 [図:0001383678000002.jpg] 」 「【0073】 別の実施形態において、嗜好情報の抽出は、認識された画像情報から特定の特徴(容姿、行動、物体)が現れる頻度、視野内に占める範囲、および/または情報利用者の眼を撮像した画像から得られる視線の偏り等に基づいて抽出されてもよい。プラットフォーム140は、例えば嗜好情報に「猫」が含まれている場合、「猫」をキーワードに属性情報DB145を検索して、ペットショップの店舗情報、猫に関するグッズ販売の店舗情報、動物病院の情報等を含めて、AR表示情報を作成してもよい。」 「【0074】 別の実施形態において、情報利用者は、ARデバイス100および情報利用者デバイス110を使用して、購入したい商品情報(例えば、特定の輸入食品)が含まれるリクエストを予めプラットフォーム140に送信してもよい。プラットフォーム140は、ARデバイス100が撮像した情報利用者の視野画像データに対して画像認識を実行して、画像情報を認識する。プラットフォーム140は、リクエストに含まれる商品情報と画像情報とをマッチングする。プラットフォーム140は、画像情報に特定の輸入食品を取り扱う店舗の外観が含まれる場合、取り扱いがある店舗を強調表示する内容を含むAR表示情報を作成する。プラットフォーム140はまた、特定の輸入食品を取り扱う他の店舗情報、価格情報、在庫情報等をAR表示情報に含めてもよい。このようにすることで、情報利用者は、購入したい商品情報を取り扱う店舗を事前に調べる必要がなく、情報利用者の行動範囲において店舗が存在すればAR表示情報により通知を受けることができる。」 「【0075】 別の実施形態において、プラットフォーム140は、情報利用者とは異なる第三者(例えば、知人、親族等)が使用するデバイスから、AR表示情報に任意の情報を含めるための追加リクエストを受信してもよい。追加リクエストは、例えば情報利用者が特定の地域、施設に移動したとき、第三者が勧める飲食店の情報、商品等をAR表示情報に含む内容とすることができる。このようにすることで、情報利用者は、特定の地域、施設を初めて訪れるような場合であっても、AR表示情報に含まれる第三者からのガイドに従って行動できる。追加リクエストは、第三者から情報利用者に対して、購入を依頼する商品(例えば、日用品)の情報としてもよい。プラットフォーム140は、情報利用者が日用品を販売するスーパーマーケット等に近づいたとき、AR表示情報に日用品を含めて作成することによって、情報利用者の買い忘れ等を防止することができる。」 「【0077】 説明のため各処理を分けて記載したが、各処理を統合、連携させ、それぞれが有する処理の一部または全部を他方が行うように実装されてもよい。」 第5 判断 1 当審の判断 本願構成Aが,上記第4に引用した本願発明の詳細な説明に記載されているか検討する。 (1)上記第4で引用した段落【0015】には,「例えば情報利用者を識別する任意の情報(例えば、ID)、情報提供者の属性、商品・サービス情報、在庫状況、サービス提供状況、質問等」を含む「リクエスト」(本願発明の「所望情報」を含む「第1のリクエスト」に相当)および「ARデバイス100が撮像した画像データ」をプラットフォーム140(本願発明の「システム」に相当)に送信できることが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (2)上記第4で引用した段落【0029】には,プラットフォーム140が「キーワード」を含む「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」(本願発明の「第1のAR表示情報」に相当)を作成することが記載され,段落【0030】には,プラットフォーム140が「嗜好情報」(本願発明の「嗜好情報」に相当)に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されており,プラットフォーム140が,「嗜好情報」または「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することは記載されていると認められるものの,「嗜好情報」および「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成するという本願構成Aは記載されていない。 (3)上記第4で引用した段落【0048】,【0049】,【0053】,及び【0054】には,能動的な実施例として,「会場内で特定の話題を持つ人(例えば,IT業界の人)」という内容を含む「リクエスト」(本願発明の「所望情報」を含む「第1のリクエスト」に相当)がプラットフォーム140に送信されることが記載され,段落【0050】及び【0055】には,プラットフォーム140が当該「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されている。また,同段落【0049】及び【0054】には,当該「リクエスト」と併せてARデバイス100によって撮像された画像をプラットフォーム140に送信してもよいことが記載され,段落【0058】には,情報利用者の視野内に情報提供者が現れた場合,視野画像データをプラットフォーム140に送信し,プラットフォーム140が当該視野画像データに対して画像認識処理を実行して,情報提供者の顔認識結果を情報利用者にフィードバックしてもよいことも記載されている。しかしながら,プラットフォーム140が「嗜好情報」および「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成するという本願構成Aは記載されていない。 (4)上記第4で引用した段落【0059】には,情報利用者の秘密鍵をプラットフォーム140に送信すること,およびプラットフォーム140が情報利用者の視野の少なくとも一部において情報提供者の位置を強調表示する内容を含む「AR表示情報」を送信することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (5)上記第4で引用した段落【0060】には,語学の会話スキルを有している特定の人を探すという「リクエスト」をプラットフォーム140に送信し,プラットフォーム140は当該「リクエスト」に基づいて,語学の会話スキルを有している特定の人の位置を強調表示する内容を含む「AR表示情報」を送信することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (6)上記第4で引用した段落【0061】には,プラットフォーム140が,居酒屋の空席状況,提供する酒類(銘柄)を検索する等の内容を含む「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成すること,また,プラットフォーム140が,居酒屋等の予約を行う「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (7)上記第4で引用した段落【0062】~【0069】には,受動的な実施例として,プラットフォーム140が,情報利用者デバイス110から受信した視野画像データに対して画像認識を実行して認識された画像情報から「嗜好情報」を抽出し,当該「嗜好情報」に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (8)上記第4で引用した段落【0073】には,プラットフォーム140が,抽出された「嗜好情報」に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (9)上記第4で引用した段落【0074】には,購入したい商品情報が含まれる「リクエスト」をプラットフォーム140に送信すること,プラットフォーム140が,ARデバイス100が撮像した情報利用者の視野画像データに対して画像認識を実行して画像情報を認識すること,およびプラットフォーム140が,「リクエスト」に含まれる商品情報と画像情報とをマッチングして,画像情報に当該商品情報を取り扱う店舗の外観が含まれる場合,取り扱いがある店舗を強調表示する内容を含む「AR表示情報」を作成することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (10)上記第4で引用した段落【0075】には,情報利用者とは異なる第三者が使用するデバイスから送信された「追加リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (11)上記第4で引用した段落【0077】には,発明の詳細な説明に記載された各処理を統合等させても良いことが記載されている。しかしながら,本願構成Aは記載されていない。 (12)以上,(1)~(11)で検討したとおり,本願発明の詳細な説明には,「嗜好情報」または「所望情報を含むリクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することは記載されていると認められるものの,「嗜好情報」および「所望情報を含むリクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成するという本願構成Aは記載されていない。 2 審判請求人の主張の検討 (1)令和3年4月20日付け上申書における主張について 令和3年3月11日付け前置報告書において,上記本願構成Aに関して, 「『嗜好情報』と『情報利用者の所望情報』の両者に基づいて第1のAR表示情報を作成することは、発明の詳細な説明には記載されていない。」 旨報告されたのに対して, ア 審判請求人は,同年4月20日付け上申書において, 「同システムは、嗜好情報および情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成して、送信します(段落[0029]~[0030]、[0050]~[0051]、[0069]~[0070]、[0074])。段落[0029]~[0030]、[0074]には、プラットフォーム140が、リクエストおよび嗜好情報に基づいてAR表示情報を生成し得ることが開示されています。このため、本願明細書全体の記載を考慮すると、プラットフォーム140が、リクエストおよび嗜好情報に基づいてAR表示情報を生成し得ることは本願明細書によってサポートされているものと思料します。」 と主張している。 しかし,上記1の(2),(3),(7),および(9)で検討したとおり,審判請求人が挙げている各段落には,「嗜好情報」または「リクエストに含まれる所望情報」に基づいて「AR表示情報」を作成することは記載されているが,本願構成Aは記載されていない。 よって,審判請求人の主張は採用できない。 イ また,審判請求人は,同上申書において, 「本願発明は、明細書に開示されている複数の実施形態を技術的に可能な組み合わせとした発明であると思料します。本願明細書には、図4および図5の実施形態を組み合わせることが技術的にできないこと(阻害要因)は開示も示唆もされておりません。むしろ、段落[0077]には『説明のため各処理を分けて記載したが、各処理を統合、連携させ、それぞれが有する処理の一部または全部を他方が行うように実装されてもよい。』と記載されており、本願明細書全体の記載を考慮すると、図4および図5の実施形態を組み合わせることは技術的に可能であることが開示されていると思料します。」 と主張している。 しかし,審判請求人が挙げる段落【0077】には,各処理を統合等させても良いことが包括的に記載されているに過ぎず,当該記載をもって各処理のあらゆる組み合わせが記載されていることになるわけではないことは明らかであり,また,各処理を組み合わせることが技術的にできたとしても,当該各処理をどのように組み合わせるかについての具体的記載が当該記載をもって省略できるものではない。してみると,図4,図5および発明の詳細な記載における関連する記載には,上記1(3)および(7)で検討したとおり,プラットフォーム140が,「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成する能動的な実施形態と,「嗜好情報」に基づいて「AR表示情報」を作成する受動的な実施形態とが別々に記載されており,当該能動的な実施形態と,当該受動的な実施形態とをどのように組み合わせるのかについては何ら具体的に記載されておらず,また,技術常識であるとも言えないから,段落【0077】の記載をもって,本願構成Aが,発明の詳細な説明に記載されているとは認められない。 よって,審判請求人の主張は採用できない。 (2)令和3年11月22日付け意見書における主張 審判請求人は,令和3年11月22日付け意見書において, 「本願発明では、『前記嗜好情報および前記情報利用者の所望情報に基づいて、第1のAR表示情報を作成して、送信し、』と記載されていますが、この発明特定事項は、段落[0029]の『プラットフォーム140は、表示情報作成部143によって、ARデバイス100に表示するためのAR表示情報を作成することができる。AR表示情報は、例えば情報利用者デバイス110から受信したリクエストに含まれるキーワードを使用して、属性情報DB145、情報公開対象者DB146、位置情報DB147等の検索結果から作成され得る。』という記載、段落[0030]の『AR表示情報は、属性情報DB145から取得した嗜好情報、嗜好関連情報から作成されてもよい。』という記載、および段落[0051]の『プラットフォーム140は、AR表示情報を情報利用者デバイス110に送信する。』によってサポートされています。」と主張している。 しかし,上記1(2)および(3)で検討したとおり,プラットフォーム140が「嗜好情報」または「リクエストに含まれる所望情報」に基づいて「AR表示情報」を作成することは記載されているが,プラットフォーム140が「嗜好情報」および「リクエスト」に基づいて「AR表示情報」を作成することは記載されていない。 よって,審判請求人の主張は採用できない。 第6 むすび 以上のことから,この出願は,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。 よって,結論のとおり審決する。

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2021-000175

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