商標取消審判
2020-670039
アイキュウバッズ
- 審判番号
- 2020-670039
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 1352108
- 請求日
- 2020年09月03日
- 審決日
- 2021年08月26日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】安克創新有限公司
- 【請求人代理人】TRY国際特許業務法人
- 【被請求人】Nuheara IP Pty Ltd
- 【被請求人代理人】岩瀬 ひとみ
- 【被請求人代理人】宇梶 暁貴
- 【被請求人代理人】大坂 尚輝
- 審判長/審判官
- 審判長 齋藤 貴博
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 岩崎 安子
- 分類
- T131 .5 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法53条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第53条第1項、商標法第53条、商標法第2条第3項第8号、商標法第3条第1項第5号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の国際登録第1352108号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
第1 本件商標
本件国際登録第1352108号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「IQbuds」の文字を横書きにした構成よりなり、2017年(平成29年)4月10日に国際商標登録出願、第9類「Apparatus for recording, transmission or reproduction of sound or images; audio equipment and instruments; headphones; earphones (other than hearing aids for the deaf); computer software; application software.」を指定商品として、平成30年1月12日に設定登録されたものである。
第2 請求人が引用する商標
請求人が、引用する商標は次のとおりであり、以下、これらをまとめて「引用商標等」という。
1 登録第5690926号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成26年2月21日
設定登録日:平成26年8月1日
指定商品 :第9類「充電器,充電式電池,携帯型電子情報端末用充電器,携帯型電子情報端末用充電式電池,携帯通信端末装置」
2 引用使用商標
商標の構成:別掲3のとおり
使用商品 :携帯情報端末(スマートフォン、タブレットを含む。)用充電器(以下、単に「携帯情報端末用充電器」又は「請求人使用商品」という。)
第3 請求人の主張
請求人は、商標法第53条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第68号証を提出した。
1 本件使用商標の使用状況
ブレシードジャパン株式会社(旧社名:バリュートレード株式会社:以下、「ブレシードジャパン社」という。)及び株式会社エミライ(以下、「エミライ社」という。)は、指定商品「earphones(other than hearing aids for the deaf)(参考訳:イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」の広告を内容とする情報に本件使用商標1(別掲4)又は本件使用商標2(別掲5)を付して電磁的方法により提供する行為を行っている(甲3、甲4)。
したがって、ブレシードジャパン社及びエミライ社は、上記広告の内容からして商標法第2条第3項第8号の使用をしているものであるから、本件商標の通常使用権者とうかがえる。
2 出所の混同
一般に、商標法第53条第1項の「混同を生ずる」とは「混同を生ずるおそれ」で足りるものと解されている。そこで、本件について、上記通常使用権者による本件使用商標1及び2(以下これらをまとめて「本件使用商標」という。)の使用によって請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるか否かについて以下に検討する。
(1)周知性
請求人(この日本法人を含めて単に「請求人」という。)は以下の理由により使用商品の分野で広く認識されていることがわかる(甲6~23)。
ア 請求人は、権威ある新聞や雑誌等、様々な媒体で何度も紹介され、他の著名企業とも提携する等して需要者に触れる機会が多いこと
イ 請求人は、米国・日本・欧州のEC市場において、スマートフォン・タブレット関連製品でトップクラスの販売実績を誇っていること
ウ 「Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー」と銘打った請求人に関する書籍が販売されていること
エ Google LLC(グーグル社)の出身者が請求人を設立したことから請求人が注目を集めていること
オ 請求人は日本全国に直営店を多数設けていること
そうすると、周知である請求人により提供される使用商品に係る引用商標等も自ずと注目されることになる。これを踏まえて、引用商標等が付された商品(以下、「請求人商品」という。)について説明する。甲第24号証ないし甲第61号証によると、以下の事実が理解できる。
カ 請求人商品、その包装又はその広告には引用商標等が表示されていること
キ 引用商標等ないし「IQ」の文字とともに請求人商品を紹介するインターネット記事が多数存在すること
ク 引用商標等が、充電速度が速い独自の技術を使用していることを示す表示であること
ケ 上記インターネット記事の中には「IQ」に注目した上で、「IQ」を目立たせる写真を掲載しているものが相当数存在すること
コ 上記インターネット記事の中には、請求人商品を高く評価するものや、人気商品である旨記載するものが相当数存在すること
サ 請求人商品は2014年から販売が開始されており、その販売台数は2014年から2019年までで少なくとも7,331,751台であること
シ 請求人商品のインターネット上での広告費用は2014年から2019年までで少なくとも約4250万円であること
ス 請求人商品の中には、著名商標「au」や「ポケモン」とコラボレーションした商品もあること
以上によると、請求人は引用商標等が付された商品を相当数販売しており、これに関する広告宣伝も積極的に行っている。需要者にとって充電速度の速さは「携帯情報端末用充電器」の購入決定のために極めて重要な関心事であることからすると上記クの技術に関連する表示は需要者の記憶に残りやすく、上記ケのような写真は需要者に「IQ」を印象付けるというべきである。
そして、この種の商品については、インターネット上での商品紹介(評価)記事を見た上で商品購入を決定する需要者も少なくないところ、上記キ、ケ、及びコのような記事を見る需要者が多数存在し得ることは否定できない。さらに、上記スのとおり著名商標とコラボレーションすることにより、引用商標等の認知度が高まる。
これらを総合的に考慮すると、引用商標等は請求人使用商品の出所表示として需要者に広く認識されているというべきである。
(2)商標の類似性
本件使用商標は、「IQ」の部分を「buds」の部分とは異なる書体、文字種(大文字小文字)及び色彩で目立つように表記されている。このため、「IQ」の部分は、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない。また、本件使用商標の「IQ」の部分は周知な引用商標等「IQ」と同一綴りであり、強く支配的な印象を与える。一方、「○○buds」は、イヤホンの分野で多数の者に使用される語である(甲62~甲68:「Surface EarBuds」、「Pixel Buds」、「Galaxy Buds」、「Echo Buds」、「Zipbuds」、「yurbuds」等)。この例から理解できるとおり、需要者は「○○」の部分で商品の出所を区別しているため、「buds」の自他商品識別力は低い。
したがって、「IQbuds」のうち「IQ」の部分を抽出して類否判断されるべきである。
引用商標等は、「IQ」の文字と雷のような図形(「雷図形」)を組み合わせたものである。「IQ」の文字は雷図形に比べて大きく表記されており、「IQ」の文字とは視覚上分離して認識され得る。また、雷図形は充電に関連した観念を想起させ、本件指定商品の分野において識別力が強いとまではいえない。一方、「IQ」は、本来的に「知能指数」を意味する語として認識されており、かつ、上記のとおり引用商標等は周知であるため、「IQ」は、雷図形に比べて強く支配的な印象を与えるというべきである。そうすると、需要者は「IQ」の文字のみを記憶し取引するおそれがある。この点、実際に、需要者が「IQ」の文字のみに着目し請求人の商品の解説をしている事実があること(甲37、甲38、甲43、甲45、甲47、甲48及び甲52)からも肯定できる。
したがって、引用商標等は、「IQ」の部分を抽出して類否判断されるべきである。
そこで、本件使用商標と引用商標等とを比較すると、両商標は要部において「IQ」の綴りを共通にするため外観が近似し、称呼がともに「アイキュー」であり共通し、観念上は「知能指数」及び請求人の商標を想起させる。さらに、エミライ社は、わざわざ引用使用商標と同系色を本件使用商標2の「IQ」の部分及びウェブページの至る所に使用し(甲4)、これにより引用使用商標に近い印象を与えると評価できる。
よって、本件商標と引用商標等とは、相紛らわしい類似の商標である。
(3)商品の関連性
本件使用商標の使用商品「イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」(以下、「本件使用商品」という。)は、請求人使用商品と、類似群コードが共通するため類似するものと推定されており、実質的に見ても、両商品は、いずれもスマートフォンに用いることのできる商品であるため用途が共通する。また、スマートフォンショップ等で販売されているため商品の販売場所が共通し、さらに、スマートフォンの充電器を購入する者がスマートフォンに利用するイヤホンを購入することもあるため、商品の需要者の範囲が共通する。
したがって、両商品は類似し強い関連性を有するというべきである。
(4)混同のおそれ
以上により、引用商標等は周知であり、本件使用商標と引用商標等は類似し、本件使用商品と請求人使用商品は強い関連性を有し、また、本件使用商標2の使用は、その色彩によって引用使用商標に近い印象を与える。
したがって、通常使用権者による本件使用商標の使用によって、当該商標に係る商品は請求人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
第4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書及び令和3年3月15日付け上申書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第19号証(枝番号あり。)を提出した。なお、被請求人が、答弁書において提出した乙第10号証を乙第10号証の1、上申書において提出した乙第10号証の1ないし9を、乙第10号証の2ないし10、とそれぞれ読み替える。
1 商標法第53条第1項について
商標法第53条の審判請求が成立するためには、少なくとも専用使用権者又は通常使用権者による商標の使用により(i)商品の品質若しくは役務の質の誤認を生ずること、又は(ii)当該使用により、他人の業務に係る商品と混同を生ずることが必要である。
この点、請求人が本件商標に係る商標権の通常使用権者と主張するブレシードジャパン社及びエミライ社(以下、被請求人を含め「被請求人ら」という。)の本件使用商標が使用される商品と、請求人が使用する引用商標等が使用される商品とは大きく異なるため、当該使用は、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずることはない。ゆえに本件商標は、上記(i)を満たさない。また、本件使用商標と引用商標等とは非類似の商標であり、また、本件使用商標が使用される商品と引用商標等が使用される商品とは強い関連性があるとはいえず、さらに、引用商標等が請求人の業務に係る商品を示すものとして周知であるとはいえないことから、本件使用商標の使用によって、被請求人の業務に係る商品が請求人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれはない。ゆえに本件商標は、上記(ii)を満たさない。
2 出所の混同について
(1)引用商標等の周知性
請求人は、引用商標等を、急速充電技術である「PowerIQ」が使用されていることを示すために、充電器のUSBポート付近に付すなどして使用しており(甲40、甲46、甲55)、請求人は、引用商標等を自己の業務に係る商品を、他人の業務に係る商品と区別させるために使用しているというより、請求人の業務に係る「PowerIQ」技術が使用された充電器のUSBポートと、その技術に対応していないUSBポートとを識別するために使用しているといえる(甲40、甲46、甲55)。このような使用態様は、引用商標等自体が自他商品等識別標識としての機能を発揮しているとはいい難い。
したがって、請求人の当該使用態様であれば、需要者は、引用商標等を急速充電対応であるか否かの識別標識として認識しているにすぎないといえ、請求人の業務に係る商品を示すものと需要者に認識され、周知の程度に至っているとする請求人の主張は失当であるといわざるを得ない。
なお、仮に請求人自体が、本件商品分野の需要者の間で知られていたとしても、そのことと引用商標等の周知性とは直接の関係はない。特に、請求人の日本国外のEC市場における販売実績は本件とは無関係であり、また請求人の事業を紹介する書籍の発行はその著者や発行者とのコラボレーションの関係でいかようにでもなることであり、請求人の設立者が有名な会社の元従業員であったことも本件とは全く関係が無いことである(甲6~甲61)。請求人の商品の宣伝等に関する証拠(甲24~甲61)の多くは請求人の商品自体に言及するものであり、「PowerIQ」などの表示は見受けられるところ、請求人が本件商標が取り消される根拠として引用した引用商標等(雷図形付きもの)が表示されていないものが多い。
そうすると、甲第24号証ないし同第61号証によって引用商標等の周知性を立証することはできないことは明らかである。
(2)本件使用商標と引用商標等の類似性について
ア 「IQ」の自他商品等識別力
原則として、ローマ字の1字又は2字からなる商標は、商標法第3条第1項第5号にいう「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章」に該当するとされていることから、「IQ」の2文字からなる商標は、原則として自他商品等識別力を有しない。それゆえ、実際に「IQ」が目立つように表示されている態様からなる登録商標と引用商標との併存登録が多数認められている。商標中の「IQ」の文字に自他商品等識別力があったと仮定すると、請求人の引用商標は第三者の商標に類似するとして拒絶されていたはずである。また、仮に請求人の主張するとおりに引用商標が周知に至っているため引用商標の構成から「IQ」の部分のみを抽出して類否判断がなされるべきであったとするならば、2018年や2020年に登録された商標(乙5、乙6)は拒絶されるべきであったはずである。しかし、実際にはそれらの商標は登録に至っていることからも、請求人の主張が失当であることは明らかである。
イ 本件使用商標について
本件使用商標は、「IQbuds」のローマ字からなり、各文字が同じ大きさで間隔なく一連にまとまりのよい構成であり、外観上、無理なく一体の商標と認識し得るものである。また、かかる構成文字に相応して生ずる称呼も、格別冗長なものではなく、「アイキューバッズ」と一連の称呼をもって取引に資されるものである。さらに、「IQbuds」の語は、その外観上及び称呼上の一体性から、全体をもって特定の観念を生じない造語と認識されるのが自然である。
この点、請求人は、本件使用商標の構成中「IQ」部分が異なる書体、文字種(大文字小文字)及び色彩で表記されていることから、「IQ」部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではない、と主張する。しかしながら、上記アで述べた併存登録例を踏まえると、本件使用商標の構成中の一部の書体や文字種・色彩が他と異なっているとしても、本件使用商標は商標全体として一体不可分のものと考えるのが妥当である。実際に、本件使用商標全体のまとまりの良い構成を考慮すると、それに接する取引者又は需要者が本件使用商標を「アイキュー」とのみ略称・認識することは極めて不自然である。
また、請求人は、「buds」部分はイヤホンの分野において自他商品等識別力が低いことから、本件使用商標中の「IQ」部分が需要者に強く支配的な印象を与える、と主張する。しかし、上記アで言及したとおり、「IQ」の文字自体には自他商品等識別力はなく、仮に請求人の主張するように「buds」部分の自他商品等識別力が低いとするならば、本件使用商標は、全体として一体不可分の商標と看取されるとするのが自然である。
ウ 引用商標等について
引用商標等は、「IQ」と思しき文字をデザイン化した図形及び雷のような図形とが、円に囲まれた構成で一体として認識できる態様で使用されていて(甲5)、このうち「IQ」の文字自体には自他商品等識別力が認められないため、引用商標等は、「IQ」の文字に施された独特な図案化の部分と雷図形とが一体として認識され、それにより、外観上の自他商品等識別標識としての機能を発揮しているものである。また、引用商標等は、その独特な図案化が施された「IQ」の図形によって自他商品等識別標識としての機能を発揮するものであるため、特定の観念は生じないものである。
エ 本件使用商標と引用商標等との対比
本件使用商標と引用商標等とは、「buds」の文字の有無という顕著な差異を有していることから、外観上相紛れるおそれはなく、また、本件使用商標の「IQ」部分は、引用商標等の「IQ」部分のデザインと顕著に異なるため、本件使用商標と引用商標等は、外観上、充分に区別が可能である。さらに、本件使用商標は、「アイキューバッズ」の称呼のみが生じるものであり、図形及び図案化部分のみから自他商品等識別力を発揮し得る引用商標等とは、称呼上、比較できない。加えて、本件使用商標は、全体として特定の観念の生じない造語と認識されるものであるから、両商標は観念上充分に区別し得るものである。
オ 本件使用商標の周知性について
本件使用商標は、イヤホンの分野において被請求人の業務に係る商品を示すものとして関連需要者に知られている状況にある(乙8~乙18)。
被請求人は、日本の市場において2016年から現在に至るまで本件使用商標を使用するイヤホン「IQbuds」を販売しており、5500を超える家電量販店に卸売可能な総輸入代理店として、ブレシードジャパン社と契約を締結している。特に令和2年(2020年)から、被請求人はシンガポールにあるAiaPac Holdings Private Limitedに日本向けの「IQbuds」製品を販売するようになり、これまでに1,280個販売し、その製品の全てがプレシードジャパン社及びエミライ社を通じて、日本の市場に流通している(甲10の10~甲10の18)。
本件使用商標が使用された商品「IQbuds」シリーズは、集音機能付きイヤホンとして需要者の間で非常に多くの注目を集めており、特に、可聴域が狭まってきた中・高齢年者向けのイヤホンとして、他のイヤホンとは一線を画している。これらを総合的に検討すれば、本件使用商標を使用した商品の需要者は特に可聴域が狭まってきた中・高年層であることは明確であり、このような需要者層において、本件使用商標は、被請求人らの使用商品である集音機能付きイヤホンの出所表示として需要者に広く認識されているというべきである。
このことを踏まえると、本件使用商標が使用された商品と引用商標等が使用された商品との間で出所の混同が生じるおそれは到底考えられない。
力 小括
以上より、本件使用商標と引用商標等は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であり、取引者又は需要者の間で両者の商品に関する出所の混同が生じるおそれはない。
(3)本件使用商標と引用商標等が使用される商品の関連性について
本件使用商標は、イヤホンに使用しているものであり、引用商標等は、モバイル端末への充電器に使用しているものであり、確かに、両商品の類似群コードは共通するため、審査において類似と推定する運用ではある。しかしながら、実際には、本件使用商標が使用されるイヤホンは、一般的な音声の再生機能に加え、難聴者用補聴器ではないものの、イヤホン使用者の聴力を測定し、その使用者の聞きづらい部分をイヤホン本体が補正する機能を備えており、集音器としての用途が注目される態様で使用されるものである(甲3、甲4)。一方、引用商標等は、モバイル端末への充電を用途とする充電器に使用されるものであり、被請求人らの使用商品と請求人の使用商品とは大きく異なる。また、本件使用商標が使用されるイヤホンは、主に聴力に衰えを感じている中・高年層をメインターゲットにしていることから(乙19)、一般的なモバイル端末用充電器の需要者とはその範囲が異なる。
したがって、本件使用商標が使用される商品と引用商標等が使用される商品とは強い関連性があるとする請求人の主張は失当である。
(4)商品の品質若しくは役務の質の誤認を生ずる蓋然性について
上記(3)で言及したように、本件使用商標と引用商標等が使用される商品は互いに関連性に乏しい。したがって、被請求人らの本件使用商標の使用による、商品の品質若しくは役務の質の誤認を生ずる蓋然性は極めて低い。
(5)本件使用商標と引用商標等が使用する商品との混同の蓋然性について
上記(2)で言及したように、本件使用商標と引用商標等は類似しないものであり、かつ、上記(3)で言及したように、本件使用商標が使用される商品と引用商標等が使用される商品とは、互いに関連性が乏しく、さらに、引用商標等が請求人の業務に係る商品を示すものとして周知であるともいえないことから、被請求人らが本件使用商標を、その使用商標の態様をもって使用した行為により、請求人の業務に係る商品と混同を生じさせる蓋然性は極めて低い。
(6)商標法第53条に規定する取消審判について
商標法第53条第1項における取消審判事件においては、一般公衆や一般需要者の観点から、実際に使用商標と引用商標等とが類似するか否か、また、使用商標と引用商標等とが使用される商品について、専用使用権者又は通常使用権者による不当な使用により、実際に商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものか否かが判断されるべきである。この点、上述した商標・商品の類似性、被請求人らの実際の使用行為の態様、互いの商標の周知性の程度から、本条が問題とする不当性がうかがえる余地はなく、それによる商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品と混同の蓋然性も極めて低いといえ、請求人による本件商標の本条への該当性の主張は失当であるといわざるを得ない。
3 まとめ
以上により、本件商標は、商標法第53条第1項の要件を充足するものではないから、本件審判請求は成り立たない。
第5 当審の判断
商標法第53条第1項においては、「専用使用権者又は通常使用権者が指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であって商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。ただし、当該商標権者がその事実を知らなかった場合において、相当の注意をしていたときは、この限りでない。」と規定されているところ、請求人は、ブレシードジャパン社及びエミライ社が本件商標の通常使用権者であるとした上で、同人の本件商標に類似する本件使用商標の使用によって、請求人の業務に係る役務との間で誤認、混同を生じているというべきである旨主張するので、両社による本件使用商標の使用が上記規定に該当するものであるか否かについて、以下検討する。
1 使用権者について
ブレシードジャパン社はバリュートレード株式会社であった当時、PRTIMESのプレスリリースにおいて、本件商標権者の商品であるイヤホンとともに本件使用商標1(別掲4)を表示させていた(甲3)。また、本件商標権者である、ニューヒアラ(NUHEARE)の公式サイトにおいて、イヤホンとともに本件使用商標2(別掲5)が表示されていて、総輸入元としてエミライ社が表示されている(甲4)。
そして、本件商標権者である被請求人は、ブレシードジャパン社及びエミライ社が本件商標の通常使用権者であることを否定していないことに加えて、ブレシードジャパン社と総輸入代理店契約を締結していること、シンガポールの企業を通じて、ブレシードジャパン社及びエミライ社に対してイヤホン「IQbuds」を販売していることなどを述べている。
そうすると、ブレシードジャパン社及びエミライ社は、本件商標の使用について黙示の許諾があったといっても不自然ではなく、本件商標の通常使用権者と認めることができる。
2 使用商標について
請求人の主張する使用商標は、PRTIMESのプレスリリースにおけるウェブサイトにおいて、ブレシードジャパン社の記事及びイヤホンの画像とともに表示されている「IQbuds」の文字からなる本件使用商標1であり、また、本件商標権者である、ニューヒアラ(NUHEARE)の公式サイトにおいて、総輸入元エミライ社の表示及びイヤホンの画像とともに表示されている「IQbuds」の文字からなる本件使用商標2である(甲3、甲4)。
3 本件使用商標の使用に係る商品について
本件使用商標1及び本件使用商標2は、ともに商品「イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」(本件使用商品)に使用されている(甲3、甲4、乙19)。
そして、本件商標の指定商品には、「earphones(other than hearing aids for the deaf)」(参考訳:イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)が含まれるものであるから、本件使用商標は、本件商標の指定商品と同一の商品について使用しているものと認められる。
4 本件商標と本件使用商標の類否について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり「IQbuds」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、大文字、小文字の差異はあるものの、書体、文字の太さ及び文字の間隔をほぼ同じにして外観上まとまりよく表されているといえるものであって、これより生じる「アイキューバッズ」の称呼も全体で7音と無理なく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標を構成する「buds」の文字が、イヤホンの分野における使用が散見される様子はうかがえるとしても(甲62~甲68)、「buds」の文字が直接的にイヤホンの品質等を表示するものであるとか、需要者にイヤホンの品質等を表示する語として認識させるといったような事実までは見当たらないものであるから、これらの証拠から、「buds」の文字が、イヤホンとの関係において、自他商品を識別する機能を果たし得ないとまでいうことはできない。
一方、「IQ」の文字部分が、イヤホンとの関係において、看者に対して強い印象を与えるという事情は、請求人提出の証拠からは見いだせない。 そうすると、本件商標は、その指定商品中「イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」との関係においても同様に「IQ」の文字部分を分離して抽出することは許されないというべきであり、その構成全体をもって看取、把握されるというべきであるから、その構成文字に相応して「アイキューバッズ」の一連の称呼のみを生じ、「IQbuds」の文字は辞書等に採録のない語であるから特定の観念は生じない。
(2)本件使用商標について
本件使用商標1は、別掲4のとおり、「IQbuds」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「IQ」の文字には赤の色彩が、かつ、「Q」の文字にはわずかにデザインが、それぞれ施されている。
また、本件使用商標2は、別掲5のとおり、「IQbuds」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「IQ」の文字には青の色彩が、かつ、「Q」の文字にはわずかにデザインが、それぞれ施されている。
そうすると、本件使用商標1と本件使用商標2は、色彩の違いはあるものの、ともに構成各文字はほぼ同じ間隔で表されているものである。
そして、本件使用商標を構成する「IQbuds」の文字は、本件商標と同じ構成文字からなるものであるから、上記(1)と同様に、「イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」(本件使用商品)との関係において、「buds」の文字が、自他商品を識別する機能を果たし得ないということはなく、また、「IQ」の文字部分が、看者に対して強い印象を与えるということもできないというべきであるから、たとえ「IQ」の文字部分が着色されているとしても、これを分離して抽出することは許されないというべきである。
したがって、本件使用商標は、その構成全体をもって看取、把握されるというべきであるから、その構成文字に相応して「アイキューバッズ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念は生じない。
(3)本件商標と本件使用商標の類否について
本件商標と本件使用商標とは、「IQ」の文字における着色やデザイン化の違いはあるとしても、いずれも、「IQbuds」の文字から構成されるものであるから、外観において類似し、さらに、両者から生じる「アイキューバッズ」の称呼を同一にするものである。
そして、両者は特定の観念は生じないことから観念においては比較することはできないものの、外観及び称呼を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両者は類似の商標である。
したがって、本件使用商標は、本件商標に類似する商標である。
5 小括
上記1ないし4より、本件商標の通常使用権者は、本件商標の指定商品と同一の商品について、本件商標に類似する本件使用商標を使用しているものと認められる。
6 商品の品質の誤認又は他人の業務に係る商品との混同について
次に本件商標と類似する本件使用商標の使用が商品の品質の誤認又は他人の業務に係る商品との混同を生ずるかについて検討する。
(1)商品の品質の誤認について
本件使用商標は、上記3のとおり、本件商標の指定商品と同一の商品である「イヤホン(難聴者用補聴器を除く。)」に使用しているものであって、本件使用商標は、特定の観念を生じないものであるから、本件使用商品との関係において、商品の品質を表すものでない以上、本件使用商標を本件使用商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるものではない。
また、両当事者が提出した証拠から、本件使用商標を、本件商標権者の商品より劣悪な商品に使用して需要者の期待を裏切ったというような事実は見当たらない。
したがって、本件使用商標は、その使用により、商品の品質の誤認を生ずることはないというべきである。
(2)他人(請求人)の業務に係る商品との混同について
ア 引用商標等の周知性について
(ア)請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば、以下のとおりである。
a 請求人は、Google LLC(米国)出身者が中国で創業し、2011年頃に誕生した(甲15)スマートフォン充電器などの携帯端末の周辺機器を販売する企業(甲7、甲8)であって、充電器やケーブルなど約150種類の製品を世界40カ国で販売し、売上の大半はアマゾンなどのネットを通じた販売である(甲8)。
b 他方、我が国では、2013年に請求人グループによる日本法人が設立され(甲15)、2018年に初の直営店が大阪にオープンし(甲16)、その後、2020年6月頃までに、約20店舗(甲17~甲23)がオープンしている。
c 引用商標等は、請求人使用商品の本体や包装箱等に使用されている(甲5、甲24~甲28、甲36、甲40、甲43~甲48、甲51~甲55)。
d 請求人使用商品は、2014年から2020年にかけて、PR TIMESのプレスリリース、NIKKEI STYLE、東洋経済オンラインにおいて、商品の性能やキャラクターとのコラボ商品について紹介されている(甲25~甲35)。
e 上記以外のインターネット記事やブログ等においても、請求人使用商品が紹介されている(甲36~甲55)。
f 2014年から2019年にかけて請求人商品は、少なくとも7,331,751台が販売されたとするが、これの証左となるものは、社内記録の写しとされる、年と販売台数の項目のみからなるエクセル表である(請求人の主張、甲56)。
g 請求人商品のインターネット上での広告費用は2014年から2019年までで少なくとも約4250万円であるとされるところ、請求人(日本法人)と広告業者との電子メールの中で「10,000,000円」の表示は見受けられるものの、これ以外の金額を社内記録の写し(翻訳)等から確認することはできず、また、広告手法や広告掲載期間についても明らかにされていない(請求人の主張、甲57~甲61)。
h ブレシードジャパン社が本件使用商標を本件使用商品に使用されていたことを示すプレスリリース(甲3)の掲載日は、2018年(平成30年)4月27日、上記プレスリリース及びエミライ社が作成した我が国における本件商標権者の公式サイト(甲4)の印刷日は、いずれも2020年(令和2年)9月8日である(以下「ブレシードジャパン社及びエミライ社に係るプレスリリース又はウェブサイト」という。)。
(イ)上記(ア)の事実によれば、以下のとおりである。
請求人は、引用商標等を付した請求人使用商品を、インターネットによる通信販売を活用しながら、我が国のほかにも世界各国で販売していることがうかがえる。そして、我が国においては、日本法人により、2018年頃から請求人使用商品を取り扱う直営店がオープンし、その後、業態が異なる店舗の展開などもおこなわれ、また、請求人使用商品は、インターネットを通じたニュースやブログ記事などによって、商品情報が紹介されていることが認められる。
しかしながら、請求人が主張する請求人商品の販売台数及び広告費用を、我が国における請求人使用商品の販売台数及び広告費用に置き換えたとしても、販売台数は社内記録の写しによる単なるエクセル表でしかないことから販売実績が明らかでなく、また、広告費用は社内記録の写しから詳細が明らかにされていないことから、いずれの証拠も客観性に乏しい上に、さらに広告業者に広告の依頼をしたことはうかがえるとしても、広告手法や広告期間等の広告実績についても把握することはできない。
また、請求人使用商品が、請求人のホームページに掲載されていることは確認できるとしても、インターネットによるニュース記事及び個人のブログ等において掲載又は紹介されている記事をすべてみても、これらを2014年から2020年にかけての7年間における年平均に換算すると、約7、8件の紹介等にとどまるものであるから、掲載回数が決して多いとはいえないことに加えて、このうち、引用商標等が確認できるのはわずか19件であることからすれば、引用商標等が需要者の目に触れる機会は限られ、記憶に残り易いとはいい難いものである。
以上からすると、請求人から提出された証拠からは、ブレシードジャパン社及びエミライ社に係るプレスリリース又はウェブサイトが掲載又は印刷された平成30年4月27日ないし令和2年9月8日において、引用商標等が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
イ 本件使用商標と引用商標等の類似性の程度について
(ア)本件使用商標について
本件使用商標は、上記4(2)のとおり、その構成文字に相応して「アイキューバッズ」の一連の称呼のみを生じ、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標等について
a 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、中央にややデザイン化された「IQ」の文字とその左に幾何図形を配した構成からなるところ、両者は観念的なつながりもないことから、視覚上分離して中央の「IQ」の文字を捉え、これより「アイキュー」の称呼及び広く知られた「知能指数」ほどの観念を生じるものである。
b 引用使用商標について
引用使用商標は、別掲3のとおり、水色の円形内に、引用商標と同様に、中央にややデザイン化された「IQ」の文字とその左に配した幾何図形を白抜きで表した構成からなるところ、全体として観念的なつながりもないことから、視覚上分離して、中央の「IQ」の文字を捉え、これより「アイキュー」の称呼及び広く知られた「知能指数」ほどの観念を生じるものである。
(ウ)本件使用商標と引用商標等の類似性の程度について
本件使用商標と引用商標等の外観についてみるに、「buds」の文字や図形の有無等の相違から、両者は明確に判別することができ、また、本件使用商標から生じる「アイキューバッズ」の称呼と引用商標から生じる「アイキュー」の称呼とは語尾の「バッズ」の有無により明瞭に聴別することができ、さらに、本件使用商標は、特定の観念を生じないのに対して、引用商標等は、「IQ」の文字から「知能指数」ほどの観念を生じるものであるから、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件使用商標と引用商標等とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはないものであるから、本件使用商標と引用商標等は、非類似のものであって別異のものというべきである。
ウ 出所の混同のおそれについて
引用商標等は、上記アのとおり、平成30年4月27日ないし令和2年9月8日において、請求人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず、また、本件使用商標は、上記イのとおり、引用商標等とは非類似のものであって別異のものである。
そうすると、本件使用商品と請求人使用商品との関連性について検討するまでもなく、平成30年4月27日ないし令和2年9月8日において、本件商標の通常使用権者が、本件使用商標を本件使用商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標等を連想、想起することはないというべきであり、本件使用商標は、その取引者、需要者をして、本件使用商品を請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
7 請求人の主張について
(1)請求人は、引用使用商標が周知な請求人によって提供されること、引用商標等が充電速度が速い独自の技術であることを示していて需要者の記憶に残りやすく印象付けること、インターネット上での商品を紹介する記事を見る需要者は多数存在すること、著名商標とコラボレーションすることなどにより、引用商標等は、需要者の間に広く認識されている旨主張する。
しかしながら、請求人の周知性が引用商標等の周知性とどのような関連性があるのか具体的な証拠は何ら示されていないこと、引用商標等の構成から直ちに商品の技術に関連する表示と理解されるとは認め難い上に、商品には請求人のブランド「Anker」の表示も見受けられること、上記6(2)ア(イ)のとおり、決して多いとはいえない商品の紹介記事をもってして、需要者が多数存在することを推し量ることはできないことなどからすれば、上記6(2)の判断を覆すことにはならず、著名商標とのコラボレーションの事実があるとしても、それは上記判断に何の影響も及ぼさないというべきである。
(2)請求人は、本件使用商品と請求人使用商品とは、類似群コードが共通すること、両商品はいずれもスマートフォンに関連する商品であることから、用途、販売場所、需要者の範囲が共通し、強い関連性を有する旨主張する。
しかしながら、本件使用商品は、一般的な音声の再生機能に加え、需要者の聞きづらい部分をイヤホン本体が補正する機能を備えた集音機としての用途でもって使用されるものであり(甲3、甲4)、一方、請求人使用商品は、モバイル端末への充電を用途とするものであるから、用途が異なること明らかであり、通常、流通経路も異なると考えられる。そして、請求人は、請求人使用商品の需要者の範囲及び販売場所については、述べるにとどまり具体的な証拠はなく、被請求人も販売場所については同様である。
そうすると、両商品は、明らかに用途や流通経路が異なる上に、需要者の範囲や販売場所における共通性を見いだすことはできないことからすれば、類似群コードが共通することをもって、両商品は強い関連性があるとはいえない。
(3)したがって、請求人のいずれの主張も採用できない。
8 むすび
以上のとおり、ブレシードジャパン社及びエミライ社による本件使用商標の使用は、専用使用権者又は通常使用権者が指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であって商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第53条第1項の規定により、その登録を取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-670039