商標取消審判
2020-300083
ドルゲス、ドルジェス、デイエス
- 審判番号
- 2020-300083
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-068110
- 登録番号
- 4854197
- 請求日
- 2020年01月30日
- 審決日
- 2022年03月14日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】齋藤 糧三
- 【請求人代理人】雨宮 康仁
- 【被請求人】豊永 美奈
- 【被請求人代理人】藤井 大祐
- 審判長/審判官
- 審判長 平澤 芳行
- 審判官 佐藤 松江
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T131 .1 -Y (Y03)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4854197号商標の商標登録取消審判事件についてされた令和2年11月17日付け審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(令和2年(行ケ)第10151号,令和3年7月29日判決言渡)があったので,さらに審理のうえ,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4854197号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成16年7月23日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として,同17年4月8日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,令和2年2月14日である。
なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成29年(2017年)2月14日ないし令和2年(2020年)2月13日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証(チラシ)について
乙第1号証は,被請求人も自認するように,「平成26年頃に使用していた」ものであって,要証期間に頒布されたものではない。
また,乙第1号証の頒布主体は,「Dolges,Corp.」(ドルジェス・コーポレーション)なる法人であって,自然人たる本件商標権者ではない。
さらに,乙第1号証の頒布主体が法人であることからすれば,乙第1号証の表示は,「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について使用されたものであって,本件商標の指定商品について使用されたものではない。
また,乙第1号証では,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱に,「EX:biargue/the aging care serum cream」の文字及び「DOLGES」の文字との間に図形が一体となって表されており,本件商標(「DOLGES」の文字の下に図形が表されている。)とは,同一でも社会通念上同一でもない。
したがって,乙第1号証は,本件商標の使用証拠たり得ない。
(2)乙第2号証(チラシ)について
被請求人は,本件商標権者が乙第2号証を平成29年頃に使用していたと主張するのみで,それが要証期間に頒布されたことを示す客観的な証拠がない。
また,乙第2号証の頒布主体は,「ドルジェス」なる法人であって,自然人たる本件商標権者ではない。
さらに,乙第2号証の頒布主体が法人であることからすれば,乙第2号証の表示は,「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について使用されたものであって,本件商標の指定商品について使用されたものではない。
また,乙第2号証では,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱に,「DOLGES」の文字及び「EX:biargue/The aging care serum cream」との文字の間に図形が一体となって表されており,本件商標とは,同一でも社会通念上同一でもない。
したがって,乙第2号証は,本件商標の使用証拠たり得ない。
(3)乙第3号証から乙第5号証について
ア 乙第3号証(ウェブページを印刷したもの)について
乙第3号証は,「2020/4/14」の表示から明らかなとおり,要証期間内に表示されたものではない。
また,乙第3号証の図形と「DOLGES」の文字が横並びとなっている表示は,本件商標(「DOLGES」の文字の下に図形が表されている。)とは同一でも社会通念上同一でもない。
さらに,乙第3号証のウェブページの表示主体は,「DOLGES,CORP.」なる法人であって,自然人たる本件商標権者ではない。
加えて,乙第3号証の表示主体が法人であることからすれば,乙第3号証の表示は,「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について使用されたものであって,本件商標の指定商品について使用されたものではない。
したがって,乙第3号証は,本件商標の使用根拠たり得ない。
イ 乙第4号証(決済メール)について
乙第4号証の1及び2には,本件商標が表示されていない。
また,乙第4号証の1は,「2020年3月10日」との記載から明らかなとおり,要証期間内に頒布されたものではない。
したがって,乙第4号証の1及び2は,本件商標の使用証拠たり得ない。
ウ 乙第5号証(納品書)について
乙第5号証の1及び2の頒布主体は,「ドルジェス」なる法人であって,自然人たる本件商標権者ではない。
また,乙第5号証の1及び2の表示主体が法人であることからすれば,乙第5号証の1及び2の表示は,「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について使用されたものであって,本件商標の指定商品について使用されたものではない。
さらに,乙第5号証の1及び2は,その鮮明さからして,実際に頒布されたものの写しではなく,要証期間後,被請求人が本件審判答弁書の作成にあたり新たに印刷して作成したものであること明らかであるから,被請求人の主張に合わせて,商標も日付もいかようにもすることができ,信憑性はなく,証拠としての価値はない。
また,乙第5号証の1は,「2020年3月11日」の記載のとおり,要証期間内に頒布されたものではない。
したがって,乙第5号証の1及び2は,本件商標の使用証拠たり得ない。
(4)乙第6号証(従前のウェブページを印刷したもの)について
乙第6号証の1及び2は,「2020/3/26」との表示及び被請求人が現在公開されていないと認めていることからも明らかなとおり,要証期間内に表示されたものではない。
また,同ウェブページの表示主体は,「ドルジェス」なる法人であって,自然人たる本件商標権者ではない。
さらに,乙第6号証の1及び2の頒布主体が法人であることからすれば,乙第6号証の1及び2の表示は,「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」という役務について使用されたものであって,本件商標の指定商品について使用されたものではない。
加えて,乙第6号証の1では,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱に,「DOLGES」の文字及び「EX:biargue/The aging care serum cream」との文字の間に図形が一体となって表されており,本件商標とは,同一でも社会通念上同一でもない。
さらに,乙第6号証の2では,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱に,「EX:biargue/The aging care serum cream」の文字及び「DOLGES」の文字との間に図形が一体となって表されており,本件商標(「DOLGES」の文字の下に図形が表されている。)とは,同一でも社会通念上同一でもない。
したがって,乙第6号証の1及び2は,本件商標の使用証拠たり得ない。(5)結論
したがって,乙第1号証ないし乙第6号証は,いずれも本件商標の使用証拠たり得ない。
第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,審判事件答弁書,審尋に対する回答書及び弁駁書に対する反論(令和2年9月18日付け)並びに回答書(令和3年12月8日付け)において要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第28号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標権者の開業経緯,営業状況等
ア 本件商標権者は,平成16年頃から「DOLGES.Corp.」(ドルジェス・コーポレーション)の屋号で,美容化粧品の通信販売事業を開始した。
イ 当該事業における主力商品は,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)(乙1。平成26年頃に使用していたチラシ。)であり,本件商標権者は,主にネットの共同購入サイト(「ポンパレ」,「くまポンbyGMO」等)を通じて商品販売しており,年間販売数が1万個を超えることもあった。
平成28年頃から,本件商標権者は,上記商品に加えて美容ミスト「Dolly Skin」の販売を行うようになった(乙2。平成29年頃に使用していたチラシ。)。
ウ なお,「ポンパレ」のサービスの平成29年5月の終了や,本件商標権者の身分関係の変動,豪雨災害などにより,本件商標権者としても,それ以降は積極的な事業拡大までは手が回っていない。
もっとも,本件商標権者は,自社サイト(乙3)等を通じ,Paypalの決済を利用して(乙4,乙5),クチコミ客やリピーターなどに対して,事業を現在も継続しているところであり,現在は,改めて事業拡大を検討している。
(2)本件商標の使用状況
本件商標権者は,本件商標を「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱(乙1,乙2)や納品書(乙5)に,また,別件商標を「Dolly Skin」のラベル(乙2)や納品書(乙5)に,それぞれ現在も使用している。
2 審尋に対する回答及び弁駁書に対する反論
(1)乙第2号証について
乙第2号証(チラシ)の作成主体は,本件商標権者である。
「DOLGES,Corp.」(ドルジェス・コーポレーション)は,本件商標権者が個人事業として美容化粧品の通信販売事業を行う際の屋号である。かつて,本件商標権者は,平成16年(2004年)頃,同人を代表とした同名のアメリカ合衆国デラウェア州法人を設立しており(乙7),一時的には同法人名義の口座を顧客の入金先としていた(乙1)こともあるが,同法人は休眠状態のまま平成27年(2015年)2月3日には閉鎖に至っている。そのため,平成29年(2017年)頃のチラシには同法人名義の口座は記載されていない(乙2)。
なお,現在の事業収入の大半は,Paypalを利用した決済であるところ,その契約主体も本件商標権者個人となっている(乙8)。
また,乙第2号証(チラシ)は,注文があったときに,商品や納品書と一緒に梱包する形で配布しており,このような頒布方法は,平成29年頃から現在まで継続中である。
(2)乙第3号証について
乙第3号証(ウェブサイト)の管理主体は,本件商標権者であり,法人ではない(乙9の1)。
そして,同ウェブサイトは,平成23年(2011年)の開設以降(乙9の2),要証期間を含んで,現在に至るまで電磁的方法により提供されている。
(3)乙第5号証の2について
乙第5号証の2(納品書)の作成主体は,本件商標権者である。この納品書は,商品を顧客に納品する際,乙第2号証(チラシ)と同梱する形で,各顧客に届けられている。
なお,乙第5号証の2の取引と関連して,乙第4号証の1及び2のメールが印刷設定の関係で上部しか印刷されていなかったため,同一メールの印刷されていなかった部分を提出する(乙10の1,乙10の2)。当該部分を見れば,乙第4号証の2のメール記載の取引が,本件商標が表示された「エクスバイアージュ」に関する取引であり,かつ,乙第5号証の2に記載の商品も同商品であること(そもそも,本件商標権者が取り扱っている商品は,「エクスバイアージュ」と「ドリースキン」の2点のみである。)が確認できる。
(4)頒布の証拠
乙第5号証(納品書)記載の追跡番号に関する追跡結果を提出する(乙11の1,乙11の2)。本件商標権者の居住地から,乙第4号証に各記載の顧客住所(千葉県及び愛知県)へ商品が発送されたことが確認できる。
(5)本件商標権者は,顧客への付帯サービスとして美容せっけんを進呈している(乙5)ところ,同せっけんには,別件商標のシールを付して顧客に渡している(乙12)。
なお,要証期間のみならず同期間経過後に関する取引についても,商標の使用の裏付けを行っており,これ以外にも複数,同様の取引があるが,使用の立証は上記で十分であると思料する。
(6)本件商標の使用は,本件商標権者が,個人事業たる化粧品販売業において,自己の商品に本件商標を付して販売しているもので,商標法第2条第3項第1号及び同項第2号の行為に該当する。
3 回答書(令和3年12月8日付け)の要旨
(1)乙第2号証(チラシ)について
本件商標権者がその私的事情から積極的な事業拡大にまでは至っていないこともあり,乙第2号証(チラシ)の在庫も多数残っている状況にある。そのため,本件商標権者において,キャンペーン開始日等の記載内容が古くなってしまっていても,残っている上記チラシを消化してしまいたいとの考えから,当該チラシを商品に同梱するというのは自然である。
(2)乙第3号証(ウェブサイト)について
ログイン履歴の全部(乙18)より,平成23年8月から10月にかけて及び令和2年7月から9月にかけての期間のみならず,当該サイトを開設した平成23年8月以降,要証期間である平成29年2月14日から令和2年2月13日までを含めた現在までの全ての期間の本件商標権者による当該サイトへのログイン履歴が確認できる。もっとも,当該サイトの掲載内容自体は大きく変わっていないため,本件商標権者がログインする必要が生じたのは,掲載内容の軽微な訂正や,顧客からアクセスができないというクレームが入ったときにメンテナンスをする程度であり,ログインの頻度自体は多くなかった。
そして,上記ログイン履歴により,当該サイトが平成23年8月27日に開設され,その後,現在に至るまで継続して運用されていること(すなわち,インターネット上で閲覧できる状態にあること)は優に認められる。
また,令和元年の消費税率引上げを反映した価格変更がない点について,本件商標権者は,上記チラシの記載等に係る価格が税込価格であることや,美容液クリーム「EX:biargue」(エクスバイアージュ)の外装箱にも割引前の価格を「税込」として記載していたこと(乙19の写真番号<3>)のほか,美容液クリームの販売を法人ではなく個人で行うようになってからは,消費税課税事業者(課税売上高1000万円以上)となるほどの売上げもなく,税率の変更をそれほど気にする必要がなかったこと等から,税率引上げの前後を通じて同一の税込価格で販売していたにすぎず,そのような経緯は不自然とはいえない。
当該サイトは,上記チラシと相まって広告として使用されていたものである。
(3)令和2年1月10日から同月12日にかけての取引(乙4の2,乙10の2,乙11の2)について
次のとおり,郵便局の配達状況の記録(乙11の2)も併せ考慮すると,令和2年1月10日から12日にかけての取引が存在したことは明白である。
ア レターパックへの梱包について
レターパックへの梱包状況に関する写真撮影報告書(乙19)から,レターパックに美容液クリームを6個とサービス品の化粧せっけん2個,A4チラシ数枚程度を同梱しても送付が可能なことは,明白である。
イ PayPalでの決済について
乙第4号証の2及び乙第10号証の2に加え,PayPalからのメールに関する写真撮影報告書(乙20)及びPayPalへのログイン状況に関する写真撮影報告書(乙21)によると,乙第4号証の2及び乙第10号証の2の信用性がないという指摘には理由がない。
ウ 本件納品書写し(乙5の2)について
(ア)本件納品書写しには,「追跡番号」の右に続けて「(商品番号)」と記載されている。
本件商標権者は,法人として本件事業を行っていた頃から,個々の発送商品の特定のために,レターパックの追跡番号を用いていた。これは,多数の顧客を取り扱う中で,商品の破損や遅配といったクレームが生じた場合に,当該顧客に対して,納品書に記載された商品番号すなわち追跡番号を言ってもらい,これにより郵便局にクレームを確認するという業務フローを念頭に置いていたからである。このようなフローにおいては,納品書に「追跡番号(商品番号)」や発送日を記載することが,むしろ必要となってくる。
また,本件商標権者の顧客には,メール等によるやり取りではなく,専ら電話で注文する顧客もおり(この場合,郵便局への振込みが先払いでされる。),PayPal決済による顧客管理も全ての顧客に当てはまるわけではない。そのため,これらの顧客を一元的に管理するには,追跡番号(電話での顧客にも発送はレターパックでなされる。)による管理は有用であるという事情もあった。
本件納品書写しについて,レターパックプラスの追跡番号など商品に同梱してしまっては特段意味を持たない情報(発送日,追跡番号等)が顕著に表示されているのが不自然であるとの見方は,「(商品番号)」という記載を看過した,皮相的なものである。
(イ)本件納品書写しにおいて,商品名の記載が漠然としていることも,本件商標権者の取扱商品がクリームとミストの2種類しかないことに鑑みると,特段不自然なものとはいえない。
(ウ)本件納品書写しに,「DollySkin」の文字のような,本件商標権者の屋号でもなく,取引内容とは無縁の表示が顕著に表示されていることについては,本件商標権者において,費用をかけて取得した商標を顧客に直接送付する納品書に利用することは,自然なことである。
第4 当審の判断
1 取引に係る認定事実
(1)本件商標権者が作成したチラシ(乙2。以下「本件チラシ」という。)には,別掲2のとおり,「DOLGES」の文字の下に「D」及び「S」を重なるように組み合わせて円で囲んだ図形(以下「本件使用商標1」という。)を紙製の外装箱に表示した「エクスバイアージュ」と称する「美容クリーム」(以下「本件使用商品」という。)の写真並びに「DollySkin」(ドーリースキン)の名称の「美容ミスト」の写真が掲載され,両商品ともに「¥2,990」の価格,注文先として「http://exbiargue.weebly.com」のアドレス及び担当者として「ドルジェス 【担当】豊永 美奈」の記載がある。
(2)本件商標権者の管理するウェブサイトである「weebly」の「クーポンユーザー様専用サイト」(exbiargue.weebly.com)(乙3[令和2年4月14日印刷]。以下「本件サイト」という。)には,容器側面に「EX:biargue」の文字を表示した本件使用商品(美容クリーム)と思しき商品写真とともに,「D」及び「S」を重ねるように組み合わせて円で囲んだ図形の右側に「DOLGES」の文字を横並びで表してなる商標が表示してあり,「1個(送料無料)2,990円」,「6個(送料無料)17,940円」などの記載がある。
本件サイトと関連する「weebly」のアカウント記録(乙9の2)には,「ログイン履歴」として,平成23年8月から10月にかけて及び令和2年7月から9月にかけてのログイン記録がある。
(3)証拠(乙4の2,乙10の2,乙20,乙23,乙24)によると,<1>本件商標権者が,愛知県在住の特定人(以下「A」という。)から,令和2年1月10日,PayPalで1万7940円の支払を受けたこと及び,<2>同支払を本件商標権者に連絡するPayPalからのメールには,同支払金額について,「エクスバイアージュ6個(送料無料)」「17,940JPY」が,数量「1」であるとの記載があることが認められる。
また,証拠(乙11の2)によると,<3>問い合わせ番号「6271-4993-2452」のレターパックプラスについて,令和2年1月12日に福岡県で引受けがされ,同月13日に愛知県の届け先に届けられたことが認められる。
さらに,証拠(乙5の2,乙28の3)及び被請求人の主張によると,<4>本件商標権者が「6271-4993-2452」と記載されたレターパックプラスの追跡番号シールを所持しており,同シールは,本件納品書写し(乙5の2)と同一内容の納品書の控え(乙28の3)の裏面に貼付されていることが認められる。
(4)本件チラシ(乙2)には,「送料無料」,「美容クリーム(エクスバイアージュ)¥2,990」との記載がある。
また,被請求人が提出する別のチラシ(乙1)には,「特別販売(2,990円&送料無料)」,「感謝を込めて【1個2,990円&送料無料】の特別販売続行中」との記載がある。なお,同チラシには,「EX:biargue(エクスバイアージュ)」について「40,000円(税込)」との記載もある。
さらに,本件サイト(乙3)には,「EX:biargue」との表示がされたクリームの瓶の写真及び「D」及び「S」を重ねるように組み合わせて円で囲んだ図形の右側に「DOLGES」の文字を横並びで表してなる商標の表示の右側に「特別販売キャンペーン」,「1個(送料無料)2,990円」,「6個(送料無料)17,940円」などの記載がある。
以上の各チラシ及び本件サイトの各記載は,上記(3)<2>の事実と整合するもので,上記(3)<2>の事実と併せると,上記(3)<1>のAからの支払が,本件チラシに記載された「美容クリーム(エクスバイアージュ)」(本件使用商品)6個の代金の支払であることを推認させるものである。
(5)ア 本件納品書写し(乙5の2)及びこれと同一内容で上記(3)<4>のとおり裏にレターパックプラスの追跡番号シールが貼付された納品書の控え(乙28の3)の記載内容をみると,「今回の商品配送詳細【無料】」,「【商品名】日本郵便・レターパックプラス(対面でのお受取)」,「【追跡番号(商品番号)】627149932452」との記載のほか,「商品」として「美容クリーム」,「単価」として「¥2,990」,「個数」として「6」,「計」として「¥17,940」,「備考」として「送料無料」の記載があり,宛名欄にはAの氏名の記載がある。そして,本件納品書写し及び上記納品書の控えには,上部に,「DOLGES」の文字の下に「D」及び「S」を重ねるように組み合わせて円で囲んだ図形を配置した商標(以下「本件使用商標2」という。)が表示されている。
イ 上記アの事実に,上記(3)<1>ないし<4>の事実及び上記(4)のとおり推認される事実を併せ考慮すると,本件商標権者が,上記(3)<1>の令和2年1月10日のAからの支払を受けて,本件チラシに記載された「美容クリーム(エクスバイアージュ)」(本件使用商品)6個を発送し,それが同月13日に愛知県在住のAに届けられたという事実が推認され,この推認を覆す事情は認められない。
(6)陳述書(乙25)における本件商標権者の主張によると,本件商標権者が,上記(3)<1>の令和2年1月10日のAからの支払を受けて,本件使用商品(6個)に,本件納品書の写し(乙5の2)の原本及び本件チラシ(乙2)を同封したレターパックプラスを発送し,それが同月13日にAに届けられたという取引(以下「本件取引」という。)の事実が認められる。 これは,上記(3)ないし(5)で指摘した各事実と整合しており,本件取引について述べる部分について,その信用性を否定すべき事情は見受けられない。
2 本件商標の使用について
(1)ア 本件チラシ(乙2)には,本件使用商標1を紙製の外装箱に表示した美容クリームである本件使用商品の写真が掲載されている。本件チラシは,本件商標権者が作成したものである(証拠及び被請求人の主張)。
イ 本件納品書写し(乙5の2)には,前記1(5)アのとおり,本件使用商標2が表示されている。本件納品書写しの原本は,本件商標権者が作成したものである(証拠及び被請求人の主張)。
ウ 本件使用商標1及び本件使用商標2は,本件商標と,社会通念上同一であると認められる。
エ 本件使用商品「美容クリーム」は,本件審判の請求に係る指定商品中,第3類「化粧品」に含まれるものと認められる。
(2)上記(1)の事実及び前記1(6)のとおり認められる本件取引の事実からすると,本件商標権者が,要証期間内である令和2年1月10日から同月13日までの間に,本件商標の指定商品のうち「化粧品」に含まれる本件使用商品について,本件商標の使用(商標法第2条第3項第2号[商品の包装に標章を付したものの譲渡],同項第8号[広告に標章を付して頒布])をしたものと認められる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は,本件チラシが頒布されたことを裏付ける証拠がないと主張するが,前記1(6)のとおり,上記の点は陳述書における本件商標権者の主張により裏付けられているといえる。
(2)請求人は,本件チラシの頒布主体や本件納品書写しに係る頒布主体は法人であると主張するが,前記1(6)のとおり,本件取引の主体は本件商標権者であり,本件チラシの頒布主体及び本件納品書写しの原本の送付主体は本件商標権者であると認められる。
(3)請求人は,本件納品書写しについて,本件納品書写しの鮮明さからすると,後日作成されたものであり,被請求人の主張に合わせて,商標も日付もいかようにもすることができるもので,信用性がないと主張する。
しかし,後日作成することが可能であるという点は,単に可能性を指摘するものにすぎず,そのことから直ちに,本件納品書写しが信用性を欠くものとはいえない。
(4)その他,請求人が主張する点は,いずれも前記1及び2の認定判断を左右するものではない。
4 まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に,日本国内において,本件商標権者がその請求に係る指定商品中「化粧品」に含まれる本件使用商品「美容クリーム」について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したというべきである。
したがって,本件商標の登録は,商標法50条の規定により取り消すべきものとはいえない。
よって,結論のとおり審決する。
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