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特許拒絶査定不服審判

2020-016559

映像監視システム、映像処理方法および映像処理プログラム

審判番号
2020-016559
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-075386外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年12月01日
審決日
2021年11月30日
公報発行日
2022年01月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06T)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019- 75386「映像監視システム、映像処理方法および映像処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月31日出願公開、特開2019-192227、請求項の数(17)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)6月25日(優先権主張 平成25年6月28日)を国際出願日とする出願である特願2015-524069号の一部を平成29年6月16日に新たな出願とした特願2017-118616号の一部を平成31年4月11日に新たな出願としたものであって、令和2年6月9日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年7月30日に手続補正がされ、令和2年8月25日付けで拒絶査定がされたものである。これに対し、令和2年12月1日に本件審判の請求がされ、同時に手続補正がされた。 第2 拒絶査定の概要 令和2年8月25日付け拒絶査定の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1-17に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1 特開2001-016579号公報 引用文献2 特開2002-032751号公報 引用文献3 特開2000-057349号公報 引用文献4 特開2012-205097号公報(周知技術を示す文献) 引用文献5 特開2011-028689号公報(周知技術を示す文献) 引用文献6 特開2004-295923号公報(周知技術を示す文献) 引用文献7 特開2000-099743号公報(周知技術を示す文献) 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 審判請求時の補正は、特許請求の範囲についてするものであり、この補正により、補正前の請求項1-17は、それぞれ、補正後に請求項1-17に補正された。 このうち、請求項1に係る補正は、補正前の「前記カテゴリ設定画面において、前記異なるカテゴリの名称と、前記映像上で前記異なるカテゴリの物体に対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域との入力を、オペレータの操作により受け付ける入力手段」を、補正後に「前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域と、前記異なるカテゴリの名称との入力を、オペレータの操作により前記カテゴリ設定画面において受け付ける入力手段」とし、さらに、「前記注目領域は、前記検出手段が検出した物体のカテゴリとは別のカテゴリの物体を示す領域である、」を付加するものであり、この補正は、当初明細書又は図面の段落【0038】-【0040】、【図7A】、【図7B】、【図8】の記載に基づいて請求項1を限定するものである。 また、独立形式の請求項8、13は、システムに関する請求項1の発明のカテゴリを方法、プログラムとしたものであり、さらに、請求項2-7、9-12、14-17は、それぞれ、請求項1、8、13を引用するものであって、これらの請求項に係る補正は請求項1と同様に請求項を限定するものである。 したがって、審判請求時の補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項を追加するものではなく、シフト補正をするものでもない。 そして、後述の「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-17に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願の請求項1-17に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」-「本願発明17」という。)は、審判請求時の補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-17に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。なお、請求項1の記号(A)~(F)は、当審により付与したものである。 「【請求項1】 (A)カメラで撮影された映像に基づいて特定のカテゴリの物体を検出し、検出の結果を出力する検出手段と、 (B)前記映像と共に、前記映像に含まれる物体のカテゴリのうち設定済みのカテゴリとは異なるカテゴリを設定するためのカテゴリ設定画面を表示させる表示制御手段と、 (C)前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域と、前記異なるカテゴリの名称との入力を、オペレータの操作により前記カテゴリ設定画面において受け付ける入力手段と、 (D)前記カテゴリ設定画面に対する前記オペレータの操作に応じて設定された前記異なるカテゴリの名称を、前記映像に含まれる画像と共に学習用データとして蓄積する学習用データ蓄積手段と、 を備え、 (E)前記注目領域は、前記検出手段が検出した物体のカテゴリとは別のカテゴリの物体を示す領域である、 (F)映像処理システム。 【請求項2】 前記入力手段は、前記カテゴリ設定画面において、前記異なるカテゴリの種別を設定するための入力を前記オペレータの操作により受け付ける、請求項1に記載の映像処理システム。 【請求項3】 前記表示制御手段は、少なくとも1つのカテゴリ候補を含むカテゴリ情報選択画面を表示させ、 前記入力手段は、前記カテゴリ情報選択画面において、前記映像の中の物体を示すカテゴリとして前記カテゴリ候補のうちから1つのカテゴリ候補を選択するための入力を、前記オペレータの操作により受け付け、 前記学習用データ蓄積手段は、前記選択されたカテゴリ候補を前記学習用データとして蓄積する、 請求項1または2に記載の映像処理システム。 【請求項4】 前記学習用データ蓄積手段は、前記異なるカテゴリの物体に対応する前記注目領域を、前記異なるカテゴリの名称と共に前記学習用データとして蓄積し、 前記検出手段は、前記異なるカテゴリの物体を示す前記注目領域および前記異なるカテゴリの名称を学習した結果を用いて検出を実行する、 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像処理システム。 【請求項5】 前記検出手段は、前記学習用データ蓄積手段に蓄積された前記学習用データを用いた学習処理の後、前記検出を実行する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像処理システム。 【請求項6】 前記表示制御手段は、前記映像の中から検出されたカテゴリの示す物体が存在する数の時系列変化を示すカテゴリ情報バーを表示させる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の映像処理システム。 【請求項7】 前記検出手段は、 前記異なるカテゴリの物体を検出するために必要な情報が入力された場合であって、 前記異なるカテゴリにフィットする既定のアルゴリズムが無い場合に、前記異なるカテゴリの物体を検出するための、前記既定のアルゴリズムと異なるアルゴリズムを生成することで前記学習処理を実行し、 前記生成された異なるアルゴリズムによって前記映像を解析することで、前記異なるカテゴリの物体を検出する、 請求項5に記載の映像処理システム。 【請求項8】 カメラで撮影された映像に基づいて特定のカテゴリの物体を検出して、検出の結果を出力し、 前記映像と共に、前記映像に含まれる物体のカテゴリのうち設定済みのカテゴリとは異なるカテゴリを設定するためのカテゴリ設定画面を表示し、 前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域と、前記異なるカテゴリの名称との入力を、オペレータの操作により前記カテゴリ設定画面において受け付け、 前記カテゴリ設定画面に対する前記オペレータの操作に応じて設定された前記異なるカテゴリの名称を、前記映像に含まれる画像と共に学習用データとして蓄積する、 映像処理方法であって、 前記注目領域は、検出した前記物体のカテゴリとは別のカテゴリの物体を示す領域である、 映像処理方法。 【請求項9】 前記異なるカテゴリを設定する際に、前記カテゴリ設定画面において、前記異なるカテゴリの種別を設定するための入力を前記オペレータから受け付ける、 請求項8に記載の映像処理方法。 【請求項10】 前記学習用データとして蓄積する際に、 少なくとも1つのカテゴリ候補を含むカテゴリ情報選択画面を表示し、 前記カテゴリ情報選択画面において、前記映像の中の物体を示すカテゴリとして前記カテゴリ候補のうちから1つのカテゴリ候補を選択するための入力を、前記オペレータの操作により受け付ける、 請求項8または9に記載の映像処理方法。 【請求項11】 前記特定のカテゴリの物体の検出は、蓄積された前記学習用データを用いた学習処理の後に実行される、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の映像処理方法。 【請求項12】 前記異なるカテゴリの物体を検出するために必要な情報が入力された場合であって、前記異なるカテゴリにフィットする既定のアルゴリズムが無い場合に、前記異なるカテゴリの物体を検出するための、前記既定のアルゴリズムと異なるアルゴリズムを生成することで前記学習処理を実行し、 前記生成された異なるアルゴリズムによって前記映像を解析することで、前記異なるカテゴリの物体を検出する、 請求項11に記載の映像処理方法。 【請求項13】 カメラで撮影された映像に基づいて特定のカテゴリの物体を検出し、検出の結果を出力する検出処理と、 前記映像と共に、前記映像に含まれる物体のカテゴリのうち設定済みのカテゴリとは異なるカテゴリを設定するためのカテゴリ設定画面を表示させる表示制御処理と、 前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域と、前記異なるカテゴリの名称との入力を、オペレータの操作により前記カテゴリ設定画面において受け付ける入力処理と、 前記カテゴリ設定画面に対する前記オペレータの操作に応じて設定された前記異なるカテゴリの名称を、前記映像に含まれる画像と共に学習用データとして蓄積する学習用データ蓄積処理と、 をコンピュータに実行させる映像処理プログラムであって、 前記注目領域は、前記検出処理で検出した物体のカテゴリとは別のカテゴリの物体を示す領域である、 映像処理プログラム。 【請求項14】 前記入力処理は、前記カテゴリ設定画面において、前記異なるカテゴリの種別を設定するための入力を前記オペレータの操作により受け付ける処理を含む、請求項13に記載の映像処理プログラム。 【請求項15】 前記表示制御処理は、少なくとも1つのカテゴリ候補を含むカテゴリ情報選択画面を表示させる処理を含み、 前記入力処理は、前記カテゴリ情報選択画面において、前記映像の中の物体を示すカテゴリとして前記カテゴリ候補のうちから1つのカテゴリ候補を選択するための入力を、前記オペレータの操作により受け付ける処理を含み、 前記学習用データ蓄積処理は、前記選択されたカテゴリ候補を前記学習用データとして蓄積する処理を含む、 請求項13または14に記載の映像処理プログラム。 【請求項16】 前記検出処理は、前記学習用データ蓄積処理において蓄積された前記学習用データを用いた学習処理の後、前記検出を実行する処理である、請求項13乃至15のいずれか1項に記載の映像処理プログラム。 【請求項17】 前記検出処理は、 前記異なるカテゴリの物体を検出するために必要な情報が入力された場合であって、前記異なるカテゴリにフィットする既定のアルゴリズムが無い場合に、前記異なるカテゴリの物体を検出するための、前記既定のアルゴリズムと異なるアルゴリズムを生成することで前記学習処理を実行し、 前記生成された異なるアルゴリズムによって前記映像を解析することで、前記異なるカテゴリの物体を検出する処理である、 請求項16に記載の映像処理プログラム。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0012】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。 【0013】 (第1の実施形態) 第1の実施形態では、マンションや家庭の玄関などに設置されたテレビカメラ付きインターホンなどで留守中に来訪者の伝言や画像を記録したり、在宅中でも来訪者の名前や予め登録したカテゴリに属するかどうかなどを表示することでスムーズな対応を可能にする来訪者監視装置について説明する。 【0014】 図1は、本実施形態にかかる来訪者監視装置の構成例を示したもので、画像入力部1と音声入力部2と人物検知部3と情報抽出部4と記憶部5とモニタ部6とユーザ情報入力部7とから構成される。 【0015】 画像入力部1は、例えばビデオカメラ等の監視カメラにて取得された画像を入力するためのものである。音声入力部2は、例えばインターホンのマイク等から取得された音声を入力するためのものである。 【0016】 人物検知部3は、例えば、呼鈴やブザーなどの来訪者が自発的に来訪を知らせるもの、もしくは、カメラ等から取得された画像から変化を検出して人物を検知するもの、ノックや呼びかけなどの物理的な動作を検出するもの等、特に限定しない。 【0017】 情報抽出部4は、入力された画像もしくは音声から記録あるいは認識に必要な情報を抽出するものである。 【0018】 記憶部5は、辞書情報や抽出された画像情報、録音された音声情報などを記憶する磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体から構成されている。 【0019】 モニタ部6は、ディスプレイ装置、スピーカなどから構成され、抽出された各種情報やカメラやマイクからの直接入力された信号を表示するためのものである。 【0020】 ユーザ情報入力部7は、来訪者の氏名やカテゴリを入力あるいは修正したり、記録情報の検索や整理を行うものである。 【0021】 図2は、情報抽出部4の構成例を示したもので、顔検出部8と辞書生成部9と顔認識部10と記録用画像決定部11とから構成される。 【0022】 顔検出部8は、入力された画像から人物の顔領域を検出する。例えば、予め作成した顔領域のテンプレートを利用して画像中で該テンプレートとの相関値が最も高い領域を切り出す。 【0023】 辞書生成部9は、切り出した複数枚の顔領域画像から顔認識用の辞書を作成するようになっている。例えば、顔認識を従来からある部分空間法を用いて行う場合には、従来と同様、顔領域画像から瞳や鼻孔特徴点などの特徴点を検出し、検出された特徴点を利用して顔領域の正規化を行う。正規化をされた画像情報を特徴空間内の特徴ベクトルに変換し、それらの特徴ベクトルから部分空間を生成し、それを顔認識用の辞書とする。そして、その部分空間をカテゴリに分類して記憶部5に顔認識用の辞書として登録する。 【0024】 但し、この操作(辞書の新規登録)は、当該来訪者が予め登録されたいずれのカテゴリにも属さない場合であり、属する場合においては当該カテゴリの辞書更新を行うのが望ましい。この辞書更新の操作を行う場合、辞書として保存するものは部分空間のみならず該部分空間の固有値や相関行列といった統計情報も同時に保存しておくことが望ましい。そして、辞書更新の際には、当該来訪者の顔領域画像から抽出された特徴量を基に、当該部分空間の統計情報を更新すればよい。 【0025】 顔認識部10では、予め登録したカテゴリに属するかどうかを入力画像系列と各カテゴリの辞書との類似度を計算する(例えば、各部分空間における特徴ベクトルの内積を求める等、従来からある手法でもよい)ことにより判定する。登録されたどのカテゴリにも属さない場合には先に述べた辞書を作成しておく。 【0026】 記録用画像決定部11では、画像入力部1から動画像が入力する度に、その入力画像系列から最も当該来訪者の特徴を表す画像を選別して、それを記憶部5に記憶する。選別方法は具体的には、入力画像系列の複数の画像フレームから当該来訪者の辞書との類似度が最も高い画像を選ぶ。入力された動画をそのまま記憶部5に記憶しておくのでは、記憶容量が多く必要であるし、例えばその中で一枚だけ残しておく場合にどの画像を残すかをユーザが選ぶのも面倒である。また、機械的に選ぶと顔が正しく写ってなかったりする可能性が大きい。しかし、入力画像系列中の画像が辞書にあるカテゴリのいずれにも属さないもの(いずれかのカテゴリに属すると判定するには類似度が低すぎるもの)であっても、そのうちの最も類似度が高い1枚のみを選定して記憶部5に記憶しておけば、上記問題は解決できるであろう。 【0027】 次に、留守中に来訪者がやってきた場合を想定して、図1の来訪者対応装置の動作例を説明する。 【0028】 ユーザは、予め留守状態であることをセットしておく。このときユーザは在宅していても差し支えない。この操作は、通常の留守番電話と同様であってもよい。来訪者がユーザ宅の玄関先に設定されたカメラ前にきて、呼鈴を鳴らすか、あるいは、集合住宅の場合は部屋番号を入力すると、その動作をトリガーとしてカメラから入力された画像とマイクから入力された音声とをそれぞれ画像入力部1、音声入力部2にて取り込みを開始し、室内に設置されたモニタ部6に表示する。 【0029】 一方、情報抽出部4では、まず、顔検出部8で入力された画像から人物の顔領域を検出し、辞書生成部9を経て抽出された特徴ベクトルと記憶部5に記憶されている顔認識用の辞書を参照して、顔認識部10で画像入力部1から入力した画像から来訪者の顔を認識し、例えば、当該来訪者のカテゴリを判定する。そして、認識結果としてのカテゴリ名をモニタ部6にカメラから取り込まれた画像とともに表示する。 【0030】 カテゴリ名は予め登録されており、個人名に限らない。例えば、新聞集金、宅配、郵便配達などは毎度同じ人物が来る確率が高く、その個人名には意味がないので、個人名でないカテゴリ名、例えば、この場合、「新聞集金」「宅配」「郵便配達」といったカテゴリ名でこれら認識結果を分類することも可能である。同様に、特に分類する必要のないカテゴリに対しては、「不審者」というカテゴリ名であってもよいし、。 【0031】 また、あらかじめ登録したカテゴリに属さない場合には、前述のように、入力画像系列から辞書を生成する。属する場合には、前述のように、既に存在する辞書を更新する。ただし、分類されたカテゴリが誤っていた場合に、ユーザが後で修正ができるように、当該来訪者のみの辞書も作成し、当該カテゴリのもとの辞書も消さずに保存しておくことが望ましい。 【0032】 記録用画像決定部11では、画像入力部1からの入力画像系列の中で作成された辞書との類似度が最も高い画像一枚を選別する。カテゴリの認識された画像およびカテゴリの認識されなかった画像であっても、その一枚のみを保存する。辞書は動画から生成するが、画像は一枚のみ残すことにより、記憶容量を節約する。さらなる記憶容量の削減のためには、顔領域のみを切り出した画像のみを残してもよい。 【0033】 また、音声入力部1から入力した来訪者の音声メッセージを顔画像、認識結果と共に記憶部5に記録する。 【0034】 メッセージはキーワードスポットにより、キーワードを音声認識により認識し、その結果を残すことで、後に新たな辞書登録へのカテゴリ名づけが容易になる。それを簡単にするために例えば、「お名前をどうぞ」などといったプロンプトを音声もしくは文字情報として出すことも有効である。 【0035】 ユーザは帰宅時等、好きな時に伝言の確認を行なう。その際認識されたカテゴリの修正や、新たなカテゴリ名の入力、いらないメッセージの削除を行なう。 【0036】 ユーザが在宅しているが、来訪者を確認してから応対したい場合にも、モニタに画像が表示され、認識結果も表示されるため、応対したい来訪者の場合だけに応対することが可能となる。このとき、同じ会いたくない来訪者があった時にいちいちその顔を覚えなくてもカテゴリ名のみで対応できるので便利である。」 以上の記載事項(特に、下線部)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、記号a~qは当審により付与した。 [引用発明] a 来訪者監視装置であって、 b 画像入力部1と音声入力部2と人物検知部3と情報抽出部4と記憶部5とモニタ部6とユーザ情報入力部7とから構成され、 c 画像入力部1は、監視カメラにて取得された画像を入力し、 d 情報抽出部4は、入力された画像もしくは音声から記録あるいは認識に必要な情報を抽出し、 e 記憶部5は、辞書情報や抽出された画像情報、録音された音声情報などを記憶する記録媒体から構成され、 f モニタ部6は、ディスプレイ装置、スピーカなどから構成され、抽出された各種情報やカメラやマイクからの直接入力された信号を表示し、 g ユーザ情報入力部7は、来訪者の氏名やカテゴリを入力あるいは修正し、 h 情報抽出部4は、顔検出部8と辞書生成部9と顔認識部10と記録用画像決定部11とから構成され、 i 顔検出部8は、入力された画像から人物の顔領域を検出し、 j 辞書生成部9は、切り出した複数枚の顔領域画像から顔認識用の辞書を作成し、カテゴリに分類して記憶部5に顔認識用の辞書として登録し、 k 顔認識部10では、予め登録したカテゴリに属するかどうかを入力画像系列と各カテゴリの辞書との類似度を計算することにより判定し、 l 記録用画像決定部11では、画像入力部1から動画像が入力する度に、その入力画像系列から最も当該来訪者の特徴を表す画像を選別して、それを記憶部5に記憶し、 m 留守中に来訪者がやってきた場合を想定し、 n ユーザは、予め留守状態であることをセットしておき、来訪者がユーザ宅の玄関先に設定されたカメラ前にきて、呼鈴を鳴らすか、あるいは、集合住宅の場合は部屋番号を入力すると、その動作をトリガーとしてカメラから入力された画像とマイクから入力された音声とをそれぞれ画像入力部1、音声入力部2にて取り込みを開始し、室内に設置されたモニタ部6に表示し、 o 一方、情報抽出部4では、まず、顔検出部8で入力された画像から人物の顔領域を検出し、辞書生成部9を経て抽出された特徴ベクトルと記憶部5に記憶されている顔認識用の辞書を参照して、顔認識部10で画像入力部1から入力した画像から来訪者の顔を認識し、例えば、当該来訪者のカテゴリを判定し、そして、認識結果としてのカテゴリ名をモニタ部6にカメラから取り込まれた画像とともに表示し、 p カテゴリ名は予め登録されており、個人名に限らず、「新聞集金」「宅配」「郵便配達」といったカテゴリ名でこれら認識結果を分類することも可能であり、同様に、特に分類する必要のないカテゴリに対しては、「不審者」というカテゴリ名であってもよく、 q ユーザは帰宅時等、好きな時に伝言の確認を行ない、その際認識されたカテゴリの修正や、新たなカテゴリ名の入力、いらないメッセージの削除を行なう、 a 来訪者監視装置。 2.引用文献2について 拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献2の段落[0060]~[0098]及び図1、図3の記載によれば、引用文献2には、学習型画像分類において、学習工程で、分類対象の切り出し領域あるいは画像と分類カテゴリ名とのセットを教師信号として付与して画像分類の学習を行い、分類工程で、分類対象とする画像を入力し、領域分割した領域または画像にカテゴリ名を付与する技術が記載されている。 3.引用文献3について 拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献3の段落[0017]~[0022]、[0032]~[0034]、[0041]及び図2、図4、図6、図7の記載によれば、引用文献3には、半導体製造プロセスにおける欠陥画像の分類において、教示データ作成ステップで、教示用欠陥画像を登録する場合、教示用欠陥画像に対応するカテゴリが表示されたカテゴリ一覧表にあるか否かを調べ、ある場合には、一覧表から選択してカテゴリを付与し、無い場合には、新しいカテゴリをカテゴリ一覧表に追加設定する技術が記載されている。 4.その他の文献について 拒絶査定において周知技術を示す文献として引用された引用文献4の段落[0067]及び図5、引用文献5の段落[0066]及び図11、引用文献6の段落[0025]及び図6、7、引用文献7の段落[0070]-[0075]及び図13-16には、映像上で、特定のカテゴリの物体が検出されたフレーム区間を、カテゴリ毎に存在するフレームを示すバーで表示する技術が記載されている。 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 事案に鑑みて、まず、本願発明1が備える、 「(C)前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域と、前記異なるカテゴリの名称との入力を、オペレータの操作により前記カテゴリ設定画面において受け付ける入力手段」 (ただし、「前記映像」、「前記異なるカテゴリ」、「前記カテゴリ設定画面」とは、「(A)カメラで撮影された映像に基づいて特定のカテゴリの物体を検出し、検出の結果を出力する検出手段と、(B)前記映像と共に、前記映像に含まれる物体のカテゴリのうち設定済みのカテゴリとは異なるカテゴリを設定するためのカテゴリ設定画面を表示させる表示制御手段」の「映像」、「異なるカテゴリ」、「カテゴリ設定画面」である。) について検討する。 引用発明のpによれば、引用発明では、予め登録されたカテゴリ名として、個人名、新聞集金、宅配、郵便配達などがあり、また、g、qによれば、ユーザ情報入力部7により、新たなカテゴリ名を入力することができる。 引用発明の「新たなカテゴリ名」は、予め登録されたカテゴリ名ではない新たなカテゴリ名であるから、本願発明1の、設定済みのカテゴリとは異なる「前記異なるカテゴリの名称」に相当し、また、引用発明の「ユーザ情報入力部7」は、この新たなカテゴリ名を入力する手段である。 したがって、本願発明1と引用発明とは、少なくとも、「前記異なるカテゴリの名称の入力を、オペレータの操作により受け付ける入力手段」を備える点では共通する。 しかしながら、この「入力手段」が、本願発明1は、「前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域」を「異なるカテゴリの名称」と共に入力するものであるのに対し、引用発明は、そうではない点で両者は少なくとも相違する。 (2)判断 上記相違点について検討する。 本願発明1における「前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域」とは、異なるカテゴリに対応する注目領域である。この注目領域に関連して、本件明細書の段落0040には、「図8は、このような新規カテゴリ情報設定画面801の具体例を示す図である。この新規カテゴリ情報設定画面801では、例として、カテゴリ情報名入力欄811とカテゴリ情報種別選択欄813の他に、そのカテゴリ情報に含まれる映像を検出するために注目すべき領域を指定する領域指定用グラフィックオブジェクト812が用意されている。」と記載されており、このカテゴリ情報に含まれる映像を検出するために注目すべき領域が、本願発明1の「注目領域」に対応付けられるものである。 これに対し、引用発明のi、jによれば、引用発明は、入力された画像から人物の顔領域を検出し、顔領域画像から顔認識用の辞書を作成してカテゴリに分類し登録するものであるから、カテゴリとして、予め登録した個人名や新聞集金、宅配、郵便配達などとは異なる新たなカテゴリ名を入力する場合でも、その新たなカテゴリ名は、顔領域画像から顔認識用の辞書を作成してカテゴリに分類し登録することができるようなカテゴリ名に限られる。 したがって、そのような新たなカテゴリ名に対応する注目すべき画像の領域は顔領域しかなく、引用発明において、新たなカテゴリに対応する注目領域を入力する必要は全くない。 よって、引用発明において、入力手段であるユーザ情報入力部7に、本願発明1のような「前記映像上においてオペレータの操作により表示される矩形領域である領域指定用グラフィックオブジェクトであって、前記異なるカテゴリに対応する領域を指定するための領域指定用グラフィックオブジェクトによって指定される注目領域」も入力するように構成する動機はない。 引用文献2は、分類対象とする画像を領域分割した領域にカテゴリ名を付与する技術ではあるが、この技術を引用発明に適用する動機付けとなる事項はない。 また、引用文献3-7をみても、引用発明において、上記のように構成する動機付けとなる事項は見当たらない。 したがって、本願発明1は、本願発明1の(C)以外の発明特定事項について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2-7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 2.本願発明2-17について 独立形式の請求項8、13は、システムに関する請求項1の発明のカテゴリを方法、プログラムとしたものであり、また、請求項2-7、9-12、14-17は、それぞれ、請求項1、8、13を引用し、さらに発明特定事項を付加するものであるから、請求項2-17の何れの請求項も引用文献1に記載された発明と対比すると、本願発明1と同様の相違点を有する。 したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明2-17は、引用発明及び引用文献2-7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 第7 むすび 以上のとおり、拒絶査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-016559

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