2020-014236
自動分析装置
- 審判番号
- 2020-014236
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-017559外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月09日
- 審決日
- 2021年03月03日
- 公報発行日
- 2021年04月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社日立ハイテク
- 【請求人代理人】特許業務法人開知国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (G01N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成28年2月1日の出願であって、令和元年11月26日付けで拒絶理由が通知され、令和2年3月10日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月8日付けで拒絶査定されたところ、同年10月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和2年7月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし6に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、令和2年10月9日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりである。
「 【請求項1】試料が収容された試料容器が配置されるサンプラユニットと、反応容器内に収容された試料を分析する光度計を有する複数の分析ユニットと、上記サンプラユニットから上記試料が収容された試料容器が供給され、供給された上記試料容器を上記複数の分析ユニットに搬送する搬送ラインと、上記サンプラユニット、上記複数の分析ユニット、及び上記搬送ラインの動作を制御し、上記サンプラユニット及び上記複数の分析ユニットとネットワークで接続された動作制御部と、を備え、上記動作制御部及び上記サンプラユニットに動作電力が供給されると、上記サンプラユニットは、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記サンプラユニットにアドレスを割り付け、上記サンプラユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合はサンプラユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを上記サンプラユニットに割り付けて(当審注:「割り付 けて」は誤記である)、上記サンプラユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から上記サンプラユニット起動完了信号が出力されると、上記複数の分析ユニットのいずれかに給電開始信号を発行し、上記複数の分析ユニットのうちの上記給電開始信号が発行された分析ユニットは、上記サンプラユニットから上記給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行し、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットとは異なる他の一つの分析ユニットは、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットから給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行することを特徴とする自動分析装置。」
本願発明2ないし6は、本願発明1を減縮した発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。以下同じ。)
(引1ア)
「【発明の効果】【0022】本発明では、ネットワークの各所に点在する複数の分析装置のネットワークアドレスが集中管理され、各分析装置のネットワーク設定が自動的に行われる。これにより、以下のような効果が得られる。・システム構築時や分析装置の追加設置時に必要なネットワーク設定作業が省力化されるとともに、設定ミス等の人的エラーが発生しなくなる。・いずれかの分析装置のネットワーク設定が不明になった場合でも、その装置を容易にネットワークに再接続させることができる。・特定の分析装置には必ず特定のネットワークアドレスが割り当てられるため、分析装置のネットワークアドレスが勝手に変更されてしまうことによるトラブルが回避される。」
(引1イ)
「【発明を実施するための最良の形態】【0023】図1に本発明に係る分析装置管理システムの一実施形態の概略構成を示す。本実施形態の分析装置管理システム(以下、本システムと呼ぶ)は、ルータ2を介して隣接する2つのサブネットワーク4及び6を含んでいる。第1のサブネットワーク4には、2台の分析装置10及び12、アドレス管理サーバ14及び管理端末16が接続されており、第2のサブネットワークには別の分析装置18が接続されている。ネットワーク内の通信プロトコルはTCP/IPである。【0024】続きを表示(全15行)アドレス管理サーバ14は、第1のサブネットワーク4に接続されたコンピュータであり、その上で所定のプログラムを実行することによりソフトウェア的に構成された機能部であるWebサーバ20、データ管理部22及びDHCPサーバ24を備えている。また、アドレス管理サーバ14はハードディスクや半導体メモリ等から成る記憶装置26を備えており、ここに分析装置アドレステーブル28が作成されている。分析装置アドレステーブル28(以下、アドレステーブル28と呼ぶ)の構成を図2に示す。本実施形態のアドレステーブル28は、装置名、MACアドレス、製造番号、IPアドレス及び状態を示す情報を保存するためのデータベースであって、装置名、MACアドレス及び製造番号が、それぞれ本発明の装置識別子に相当する。なお、装置名、MACアドレス及び製造番号は全てが必要ではなく、分析装置毎にいずれか1つの情報があれば本システムは正常に動作する。【0025】一方、分析装置10、12及び18ではそれぞれDHCPクライアント30、32及び34が搭載されており、管理端末16にはWebブラウザ36が搭載されている。また、ルータ2にはDHCPブロードキャストパケットを中継するDHCPリレーエージェント機能が実装されている。【0026】各分析装置のIPアドレスの設定手順は以下の通りである。なお、以下の説明では、分析装置10及び18には製造番号送出機能が実装されており、また、分析装置18には装置名が付与されているものとする。【0027】(1)第1の分析装置10のアドレス設定 第1の分析装置10を起動すると、DHCPクライアント30が分析装置10の製造番号送出機能を利用して製造番号(12345678)を取得し、その製造番号をクライアントIDとして付加したアドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信する。このメッセージはサブネットワーク4に接続された全てのノードに届くから、当然にアドレス管理サーバ14にも届く。アドレス管理サーバ14では、DHCPサーバ24が前記メッセージを受け取り、その中にクライアントIDが含まれているかどうか調べる。先に述べたように、この例ではクライアントIDとして製造番号(12345678)が指定されている。そこで、DHCPサーバ24は、その製造番号に対応するIPアドレス(192.168.1.1)をアドレステーブル28から取得し、DHCPクライアント30に通知する。この通知を受け取ったDHCPクライアント30は、アドレス使用通知をDHCPサーバ24に送信するとともに、前記IPアドレスを用いて分析装置10のネットワーク設定を行う。アドレス使用通知を受け取ったDHCPサーバ24は、アドレステーブルにおける前記IPアドレスの「状態」を「未使用」から「使用中」に書き換える。【0028】(2)第2の分析装置12のアドレス設定 第2の分析装置12を起動すると、DHCPクライアント32がアドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信する。このメッセージは、第1の分析装置10の場合で説明したように、DHCPサーバ24により受け取られる。前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、その中にクライアントIDが含まれているかどうか調べる。ところが、この例ではクライアントIDは指定されていない。そこで、DHCPサーバ24は、アドレス割り当て要求メッセージに必ず含まれる情報であるMACアドレスを取得し、それに対応するIPアドレス(192.168.1.2)をアドレステーブル28から取得してDHCPクライアント32に通知する。その後の処理は、第1の分析装置10の場合と基本的に同様である。【0029】(3)第3の分析装置18のアドレス設定 第3の分析装置18を起動すると、DHCPクライアント34が分析装置18の装置名(GCMS1)をクライアントIDとして付加したアドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信する。通常、ブロードキャストパケットはルータ2によりブロックされるため、第1のサブネットワーク4には届かない。しかし、先に述べたように、ルータ2にはDHCPリレーエージェント機能がある。従って、前記メッセージのパケットは、ルータ2により中継される形でアドレス管理サーバ14のDHCPサーバ24に届けられる。前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、その中にクライアントIDが含まれているかどうか調べる。先に述べたように、この例ではクライアントIDとして装置名(GCMS1)が指定されている。そこで、DHCPサーバ24は、その装置名に対応するIPアドレス(192.168.2.1)をアドレステーブル28から取得し、ルータ2経由でDHCPクライアント34に通知する。その後の処理は、DHCPサーバ24とDHCPクライアント34との間の通信が全てルータ2による中継される形となることを除き、基本的には第1の分析装置10の場合と同様である。」
(引1ウ)図1
(引1エ)図2
(2)引用文献1に記載された発明
ア 図1の分析装置管理システムは、(引1イ)の【0023】、【0024】の記載によれば、「ネットワークには、複数の分析装置の他に、アドレス管理サーバ14及び管理端末16が接続されており、アドレス管理サーバ14は、Webサーバ20、データ管理部22及びDHCPサーバ24を備え、また、アドレス管理サーバ14は記憶装置26を備えている」ことが読み取れる。
また、図1の分析装置管理システムは、(引1イ)の【0026】~【0029】の記載によれば、「分析装置を起動すると、分析装置のDHCPクライアントが、装置識別子を付加したアドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信し、このメッセージは、DHCPサーバ24により受け取られ、前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、その中にある装置識別子を取得し、それに対応するIPアドレスをアドレステーブル28から取得してDHCPクライアントに通知し、この通知を受け取ったDHCPクライアントは、アドレス使用通知をDHCPサーバ24に送信するとともに、前記IPアドレスを用いて分析装置のネットワーク設定を行う」ことが読み取れる。
イ したがって、上記アを含む上記(1)の記載事項及び図面から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「 ネットワークの各所に点在する複数の分析装置のネットワークアドレスを集中管理し、各分析装置のネットワーク設定を自動的に行う分析装置管理システムであって、ネットワークには、複数の分析装置の他に、アドレス管理サーバ14及び管理端末16が接続されており、アドレス管理サーバ14は、Webサーバ20、データ管理部22及びDHCPサーバ24を備え、また、アドレス管理サーバ14は記憶装置26を備えており、ここに分析装置アドレステーブル28が作成されており、アドレステーブル28は、装置名、MACアドレス、製造番号、IPアドレス及び状態を示す情報を保存するためのデータベースであって、装置名、MACアドレス及び製造番号が、それぞれ装置識別子に相当し、分析装置を起動すると、分析装置のDHCPクライアントが、装置識別子を付加したアドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信し、このメッセージは、DHCPサーバ24により受け取られ、前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、その中にある装置識別子を取得し、それに対応するIPアドレスをアドレステーブル28から取得してDHCPクライアントに通知し、この通知を受け取ったDHCPクライアントは、アドレス使用通知をDHCPサーバ24に送信するとともに、前記IPアドレスを用いて分析装置のネットワーク設定を行う、分析装置管理システム。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(引2ア)
「【0012】図1には、本発明に係る検体前処理システムの好適な実施形態が示されている。図1に示される検体前処理システムは、電源ライン10、ホストコントローラ12、複数の分注装置14,16,18等を有している。【0013】電源ライン10はいわゆる商用電源ラインであって、2本の電力線間には交流100Vが印加されている。ホストコントローラ12は、本実施形態において、電源管理部として機能し、システム全体の起動時点において起動指令を発生する。また、ホストコントローラ12は複数の分注装置14,16,18についての起動不良を判定する機能を有する。電源ライン10上には、電流値をモニタリングするためのカレントトランスとしての電流センサ32が設けられている。つまり、電源ライン10を流れる電流の電流値は電流センサ32によってモニタリングすることが可能である。【0014】複数の分注装置14,16,18は本実施形態において互いに同一の構成を有している。もちろん、互いに異なる構成を有していてもよい。各分注装置14,16,18は、電源ユニット(パワーサプライユニット)20,22,24と、ユニットコントローラ26,28,30とを有している。電源ユニット20,22,24は電源ライン10から電力供給を受けており、装置内において必要となる複数のDC電圧を生成している。また電源ユニット20,22,24によりユニットコントローラ26,28,30が電力の供給を受けている。ユニットコントローラ26,28,30は分注動作の制御を行っているものである。なお、各分注装置は、血液や尿等のサンプル(親検体)を吸引して、複数の子検体を生成する分注処理を実行する装置である。【0015】ホストコントローラ12から起動信号が与えられると、電源ユニット20が最初に起動動作を実行し、分注装置14の起動が完了した後に電源ユニット20から電源ユニット22に対して起動指令が与えられる。そして、この動作が分注装置16及び分注装置18においても同様に実行される。すなわち、ホストコントローラ12を上流として、複数の電源ユニット20,22,24が起動リレーを遂行しており、このように複数の分注装置14,16,18の起動タイミングをそれぞれ時間的にシフトさせることにより、電源ライン10に対して瞬時に大きな負荷が集中して発生することが回避されている。例えば、それぞれの分注装置14,16,18は大型の分注装置であり、システム全体としては例えば5分あるいは10分程度の時間をもって立ち上がり動作が完了することになる。ちなみに、電源ユニット24は、分注装置18の立ち上がり完了時点で確認信号をホストコントローラ12に対して出力している。ホストコントローラ12はその確認信号の受領が一定期間内に発生した場合にはシステム全体として正常に起動動作が完了したことを判定する。その一方において、そのような判定と並行して電流値のモニタリングも行われており、電流値の観点からも起動不良が判定されている。これについて図2を用いて説明する。」
(引2イ)図1
(2)引用文献2に記載された技術事項
したがって、上記(1)の記載事項及び図面から、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる。
「 電源ライン10、ホストコントローラ12、複数の分注装置14,16,18等を有している検体前処理システムであって、ホストコントローラ12は、電源管理部として機能し、システム全体の起動時点において起動指令を発生し、各分注装置14,16,18は、電源ユニット20,22,24と、ユニットコントローラ26,28,30とを有し、電源ユニット20,22,24は電源ライン10から電力供給を受けており、また電源ユニット20,22,24によりユニットコントローラ26,28,30が電力の供給を受け、ユニットコントローラ26,28,30は分注動作の制御を行っているものであり、ホストコントローラ12から起動信号が与えられると、電源ユニット20が最初に起動動作を実行し、分注装置14の起動が完了した後に電源ユニット20から電源ユニット22に対して起動指令が与えられ、そして、この動作が分注装置16及び分注装置18においても同様に実行され、すなわち、ホストコントローラ12を上流として、複数の電源ユニット20,22,24が起動リレーを遂行しており、このように複数の分注装置14,16,18の起動タイミングをそれぞれ時間的にシフトさせることにより、電源ライン10に対して瞬時に大きな負荷が集中して発生することが回避されている、検体前処理システム。」
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「分析装置」は、本願発明1の「分析ユニット」に相当する。また、引用発明の「アドレス管理サーバ14及び管理端末16」と、本願発明1の「動作制御部」とは、「制御部」の点で共通する。
よって、引用発明の「ネットワークには、複数の分析装置の他に、アドレス管理サーバ14及び管理端末16が接続されて」いると、
本願発明1の「試料が収容された試料容器が配置されるサンプラユニットと、
反応容器内に収容された試料を分析する光度計を有する複数の分析ユニットと、
上記サンプラユニットから上記試料が収容された試料容器が供給され、供給された上記試料容器を上記複数の分析ユニットに搬送する搬送ラインと、
上記サンプラユニット、上記複数の分析ユニット、及び上記搬送ラインの動作を制御し、上記サンプラユニット及び上記複数の分析ユニットとネットワークで接続された動作制御部と、
を備え」るとは、
「試料を分析する複数の分析ユニットと、上記複数の分析ユニットとネットワークで接続された制御部と、を備え」る点で共通する。
イ 引用発明の「分析装置を起動する」は、本願発明1の「給電開始信号が発行される」に相当する。また、引用発明の「アドレス割り当て要求メッセージ」は、本願発明1の「アドレス割付要求」に相当する。
よって、引用発明の「分析装置を起動すると、分析装置のDHCPクライアントが、」「アドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信し、このメッセージは、DHCPサーバ24により受け取られ、前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、」「IPアドレスを」「DHCPクライアントに通知し、この通知を受け取ったDHCPクライアントは、」「前記IPアドレスを用いて分析装置のネットワーク設定を行う」ことと、
本願発明1の「上記動作制御部及び上記サンプラユニットに動作電力が供給されると、上記サンプラユニットは、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記サンプラユニットにアドレスを割り付け、上記サンプラユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合はサンプラユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを上記サンプラユニットに割り付けて、上記サンプラユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から上記サンプラユニット起動完了信号が出力されると、上記複数の分析ユニットのいずれかに給電開始信号を発行し、
上記複数の分析ユニットのうちの上記給電開始信号が発行された分析ユニットは、上記サンプラユニットから上記給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行し、
上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットとは異なる他の一つの分析ユニットは、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットから給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行する」こととは、
「上記複数の分析ユニットのうちの給電開始信号が発行された分析ユニットは、上記給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットとは異なる他の一つの分析ユニットは、給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットにアドレスを割り付け」る点で共通する。
ウ 引用発明の「分析装置管理システム」と、本願発明1の「自動分析装置」とは、「分析装置」という点で共通する。
すると、本願発明1と引用発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。
(一致点)
「試料を分析する複数の分析ユニットと、上記複数の分析ユニットとネットワークで接続された制御部と、を備え、上記複数の分析ユニットのうちの給電開始信号が発行された分析ユニットは、上記給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットにアドレスを割り付け、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットとは異なる他の一つの分析ユニットは、給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットにアドレスを割り付ける、分析装置。」
(相違点1)
本願発明1は、「試料が収容された試料容器が配置されるサンプラユニット」と、
「反応容器内に収容された試料を分析する光度計を有する」複数の分析ユニットと、
「上記サンプラユニットから上記試料が収容された試料容器が供給され、供給された上記試料容器を上記複数の分析ユニットに搬送する搬送ライン」と、
「上記サンプラユニット、上記複数の分析ユニット、及び上記搬送ラインの動作を制御し、」「上記サンプラユニット」及び上記複数の分析ユニットとネットワークで接続された「動作」制御部と、
を備える「自動」分析装置であるのに対し、
引用発明は、「ネットワークには、複数の分析装置の他に、アドレス管理サーバ14及び管理端末16が接続されて」いる「分析装置管理システム」である点。
(相違点2)
本願発明1は、「上記動作制御部及び上記サンプラユニットに動作電力が供給されると、上記サンプラユニットは、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記動作制御部は、上記サンプラユニットにアドレスを割り付け、上記サンプラユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合はサンプラユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを上記サンプラユニットに割り付 けて、上記サンプラユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から上記サンプラユニット起動完了信号が出力されると、上記複数の分析ユニットのいずれかに給電開始信号を発行し、」
上記複数の分析ユニットのうちの「上記」給電開始信号が発行された分析ユニットは、「上記サンプラユニットから上記」給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記「動作」制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記「動作」制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットにアドレスを割り付け、「上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行し、」
上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットとは異なる他の一つの分析ユニットは、「上記アドレス割付要求を行った上記分析ユニットから」給電開始信号が発行されると、動作電力の受電を開始し、上記「動作」制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、上記「動作」制御部は、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットにアドレスを割り付け、「上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに予め格納されたユニット種別と、割り付けた上記アドレスに対応するユニット種別とを照合し、正しい場合は分析ユニット起動完了信号を出力し、正しくない場合は正しいアドレスを、上記アドレス割付要求を行った上記他の一つの上記分析ユニットに割り付けて、上記分析ユニット起動完了信号を出力し、上記動作制御部から分析ユニット起動完了信号が出力されると、給電開始信号を発行する」ものであるのに対し、
引用発明は、「分析装置を起動すると、分析装置のDHCPクライアントが、」「アドレス割り当て要求メッセージをブロードキャストにより送信し、このメッセージは、DHCPサーバ24により受け取られ、前記メッセージを受け取ったDHCPサーバ24は、」「IPアドレスを」「DHCPクライアントに通知し、この通知を受け取ったDHCPクライアントは、」「前記IPアドレスを用いて分析装置のネットワーク設定を行う」ものである点。
(2)判断
事案に鑑み相違点2について検討する。
引用文献2に記載された技術事項(上記第4 2(2)参照。)は、「ホストコントローラ12から起動信号が与えられると、電源ユニット20が最初に起動動作を実行し、分注装置14の起動が完了した後に電源ユニット20から電源ユニット22に対して起動指令が与えられ、そして、この動作が分注装置16及び分注装置18においても同様に実行され、すなわち、ホストコントローラ12を上流として、複数の電源ユニット20,22,24が起動リレーを遂行しており、このように複数の分注装置14,16,18の起動タイミングをそれぞれ時間的にシフトさせることにより、電源ライン10に対して瞬時に大きな負荷が集中して発生することが回避されている」ものである。
一方、引用発明は「ネットワークの各所に点在する複数の分析装置」のネットワーク設定を自動的に行う分析装置管理システムの発明であり、これらの分析装置を同じ空間で同時に使用するものでないことから、各分析装置を一つの電源ラインで接続することが想定されず、一つの電源ラインに瞬時に大きな負荷が集中することはないといえる。してみれば、引用発明には、上記引用文献2の課題は内在しないから、引用文献2に記載された技術事項を適用する動機は存在しない。
そして、上記相違点2に係る本願発明1の構成、とりわけ、「上記動作制御部及び上記サンプラユニットに動作電力が供給されると、上記サンプラユニットは、上記動作制御部に上記ネットワークを介してアドレス割付要求を行い、」「上記動作制御部からサンプラユニット起動完了信号が出力されると、上記」「分析ユニット」「に給電開始信号を発行」することは、引用文献2に記載された技術事項に記載も示唆もなく、また周知技術といえる証拠もない。
よって、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることではない。
(3)小括
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2ないし6について
本願発明2ないし6は、本願発明1を引用する発明であり、本願発明1の上記相違点1及び2に係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
第6 原査定について
上記「第5」で検討したように、本願発明1ないし6は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえないから、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-014236