2020-013384
情報処理方法、端末デバイス、ネットワークデバイスおよび通信システム
- 審判番号
- 2020-013384
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-551200外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年09月25日
- 審決日
- 2021年10月29日
- 公報発行日
- 2021年12月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (H04L) / P18 .537-WY (H04L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は,2016年(平成28年)3月30日を国際出願日とする出願であって,平成30年10月25日に手続補正がされ,令和元年9月4日付けで拒絶理由通知がされ,令和元年12月4日に意見書が提出されると共に手続補正がされ,令和2年5月13日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和2年9月25日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,令和2年12月16日及び令和3年3月15日に上申書が提出され,令和3年5月20日付けで当審により拒絶理由(最後)が通知され,令和3年8月24日に意見書が提出されると共に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和2年5月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1.(進歩性)この出願の請求項1-34に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特表2013-513323号公報
2.Huawei, HiSilicon,Motivation of New SI Proposal Latency Reduction,3GPP TSG-RAN#67 RP-150238,2015年 3月 3日(周知技術を示す文献)
3.Intel Corporation,Protocol impact of TTI reduction, 3GPP TSG-RAN WG2#91bis R2-154296,2015年 9月26日(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-10に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明10」という。)は,令和3年8月24日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定される発明である。
「 【請求項1】情報処理方法であって、アップリンク制御情報(UCI)を符号化して、前記UCIの符号化ビットを取得し、データを符号化して、前記データの符号化ビットを取得するステップと、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを多重化して、多重化ビットシーケンスを取得するステップと、続きを表示(全54行)物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、前記多重化ビットシーケンスをネットワークデバイスに送信するステップであって、前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である、ステップとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、方法。【請求項2】情報処理方法であって、端末デバイスによって送信される、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を受信するステップであって、前記PUSCHは、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するために使用され、前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である、ステップと、前記PUSCHから、多重化ビットシーケンスを取得するステップであって、前記多重化ビットシーケンスを逆多重化して、前記UCIの符号化ビットおよびデータの符号化ビットを取得するステップと、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを復号するステップとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報は、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、方法。【請求項3】端末デバイスであって、アップリンク制御情報(UCI)を符号化して、前記UCIの符号化ビットを取得し、データを符号化して、前記データの符号化ビットを取得するように構成される符号化モジュールと、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを多重化して、多重化ビットシーケンスを取得するように構成される多重化モジュールと、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、前記多重化ビットシーケンスをネットワークデバイスに送信するように構成される送信モジュールであって、前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である、送信モジュールとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、端末デバイス。【請求項4】ネットワークデバイスであって、端末デバイスによって送信される、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を受信するように構成される受信モジュールであって、前記PUSCHは、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するために使用され、前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である、受信モジュールと、前記PUSCHから、多重化ビットシーケンスを取得し、前記多重化ビットシーケンスを逆多重化して、前記UCIの符号化ビットおよびデータの符号化ビットを取得するように構成される逆多重化モジュールと、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを復号するように構成される復号モジュールとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、ネットワークデバイス。【請求項5】端末デバイスであって、アップリンク制御情報(UCI)を符号化して、前記UCIの符号化ビットを取得し、データを符号化して、前記データの符号化ビットを取得し、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを多重化して、多重化ビットシーケンスを取得するように構成されるプロセッサと、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、前記多重化ビットシーケンスをネットワークデバイスに送信するように構成される送信機であって、前記UCIの送信時間間隔TTIの長さは、0.5ミリ秒以下である、送信機とを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、端末デバイス。【請求項6】ネットワークデバイスであって、端末デバイスによって送信される、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を受信するように構成される受信機であって、前記PUSCHは、アップリンク制御情報(UCI)を搬送するために使用され、前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である、受信機と、前記PUSCHから、多重化ビットシーケンスを取得し、前記多重化ビットシーケンスを逆多重化して、前記UCIの符号化ビットおよびデータの符号化ビットを取得し、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを復号するように構成されるプロセッサとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含み、前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置し、前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である、ネットワークデバイス。【請求項7】コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1に記載の前記方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。【請求項8】コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項2に記載の前記方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。【請求項9】コンピュータに、請求項1に記載の前記方法を実施させる、プログラム。【請求項10】コンピュータに、請求項2に記載の前記方法を実施させる、プログラム。」
第4 引用文献,引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された,特表2013-513323号公報(以下,「引用文献1」という。下線は当審が付与。)には,
「【背景技術】【0003】ロングタームエボリューション(LTE)R8無線通信システムでは、技術(例えば、ダイナミックスケジューリング、MIMO(Multiple Input Multiple Output)、およびハイブリッド自動リピート要求(Hybrid Automatic Repeat Request、HARQ))をサポートするために、端末が、物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel 、PUCCH)およびPUSCHを介して、eNodeBへ、多様なUCIをフィードバックする必要がある。UCIの例は、チャネル品質表示、符号化マトリックス表示、および、HARQを対象とした確認応答情報である。特に、PUSCHを介してフィードバックされたUCIは、チャネル品質情報(CQI)、ランク表示(RI)、および、ハイブリッド自動リピート要求確認応答(HARQ-ACK)を含む。MIMO送信モードが、クローズループスペース分割多重化(closed-loop space division multiplexing)およびマルチユーザMIMO(MU-MIMO)であるとき、CQIが、チャネル品質表示情報および符号化マトリックス表示情報を含み、他の送信モードでは、CQIが、チャネル品質表示情報である。【0004】続きを表示(全13行)LTE R8では、PUSCHが、1つの送信間隔(Transmission Time Interval、TTI)において、単に1つのコードワードをサポートする。コードワードが、チャネル符号化後の1つのトランスポートブロックのビットに対応する。UCIおよびデータが、同じTTIの中でPUSCHを介して送信される必要があるとき、詳細な手順は以下のとおりである。1)端末がさまざまなUCIに対する変調シンボルの数を計算する。2)端末が、チャネル符号化後のさまざまなUCIのビット数を計算する。3)端末が、データ、CQI、RI、およびHARQ-ACKに対して、チャネル符号化に関する処理を実行し、次いで、符号化されたデータおよび符号化されたCQIを多重化し、最後に、多重化されたビット、符号化されたRIのビット、およびHARQ-ACKの符号化されたビットに対して、チャネルインターリービングを実行する。4)端末が、一連の処理(例えば、スクランブリング、変調、離散フーリエ変換(DFT)、および、チャネルインターリービングを受けるビットに対するリソースマッピング)を実行し、次いで、eNodeBにビットを送信する。5)eNodeBは、受信されたビットを処理し、かつ、CQI、RI、およびHARQ-ACKをデータから分離するために、チャネルデインターリービング、および、逆多重化を実行する。6)eNodeBは、チャネル復号を実行し、送信されたUCIが正しいか否かを判断する。送信されたUCIが正しい場合、eNodeBは、送信されたCQI、RI、およびHARQ-ACKの元の情報ビットを得る。【0005】上記した方法は、PUSCHが、1つのTTIで、1つのコードワードをサポートするUCIを送信するための方法である。技術開発に伴い、PUSCHが、1つのTTIで、複数のコードワードをサポートしてもよい。例えば、時間領域層シフトを伴う、又は、時間領域層シフトを伴わない、空間多重化技術が、採用されるとき、PUSCHが、1つのTTIで、最大2つのコードワードをサポートする。したがって、PUSCHが、TTIで複数のコードワードをサポートする、UCIを送信するための方法を解明する必要がある。複数のコードワードによりPUSCHでUCIを送信する方法は新しい問題であり、関連する従来技術は現在存在しない。」
「【0016】この実施例では、多様な事前設定ルールが提示され、1つのコードワードに1つのUCIをマッピングすることにより1つのUCIを送信すること、複数の部分に1つのUCIを分割し、かつ、複数のコードワードに複数の部分をそれぞれマッピングすることにより、1つのUCIを送信すること、および、1つのコードワードに複数のUCIをマッピングすることにより複数のUCIを送信することを含んでいるが、これに限定されない。事前設定ルールは本明細書において限定されない。方法は、4つの実施例を参照して以下に示される。以下の4つの実施例のいずれにおいても事前設定ルールが適用される。【0017】[実施例1]図2に示すように、この実施例は、UCIを送信するための方法を提供する(1つのUCIが複数の部分に分割され、次いで、複数の部分が複数のコードワードと共にそれぞれ送信される)。方法は以下のステップを含む。【0018】201:UCIが複数のコードワードによりPUSCHで送信されるとき、送信される1つのUCIについて、1つのUCIを複数の部分に分割する。ここで、複数の部分の数は複数のコードワードの数に等しく、かつ、それぞれの部分が複数のコードワードうちの1つのコードワードに対応する。」
「【0021】202:対応するコードワードにUCIの各部分をそれぞれマッピングすることにより、UCIを送信する。【0022】この実施例では、UCIの各部分は同じ方法で処理される。図3に示すように、ステップ202のプロセスが以下の詳細なステップで実行される。【0023】301:現在の部分としてUCIの各部分を使用し、かつ、UCIの現在の部分に対する変調シンボルの数(Q’)を計算する。」
「【0043】302:チャネル符号化の後、現在の部分におけるUCIのビット数を計算する。」
「【0046】303:トランスポートブロック(即ち、送信されるデータ)、CQI、RI、およびHARQ-ACKに対してチャネル符号化に関する処理を実行し、符号化データおよび符号化CQIを多重化し、かつ、多重化されたビット、RIの符号化ビット、およびHARQ-ACKの符号化ビットに対してチャネルインターリービングを実行する。【0047】304:UCIの送信を完了するために、スクランブリング、変調、DFT、およびチャネルインターリーブビットに対するリソースマッピングなどの一連の処理を実行した後、eNodeBにチャネルインターリーブビット(channel interleaved bit)を送信する。」
「【0053】305:端末から信号を受信した後、eNodeBは、チャネルデインターリービングおよび逆多重化を実行することにより、データと共に送信するUCIを分離するため、信号に対する一連の処理を実行し、かつ、チャネル復号を実行して、UCIの送信が正しいか否かを判断する。UCIの送信が正しい場合、eNodeBは、端末によって送信された現在の部分におけるUCIの元の情報ビットを得る。【0054】306:各コードワードと共に送信されたUCIの部分(即ち、UCIのN個の部分)を得た後、UCIの送信を完了するように、eNodeBは、端末によって送信された完全なUCIにN個の部分の元の情報ビットを組み込む。」
【図2】
【図3】
の記載があるから,
「端末が、PUCCHおよびPUSCHを介して、eNodeBへ、多様なUCIをフィードバックする必要があり,UCIの例は、チャネル品質表示、符号化マトリックス表示、および、HARQを対象とした確認応答情報であり,PUSCHを介してフィードバックされたUCIは、チャネル品質情報(CQI)、ランク表示(RI)、および、ハイブリッド自動リピート要求確認応答(HARQ-ACK)を含み,PUSCHが、1つのTTIで、複数のコードワードをサポートしてもよく,続きを表示(全14行)この実施例では、多様な事前設定ルールが提示され、1つのコードワードに1つのUCIをマッピングすることにより1つのUCIを送信すること、複数の部分に1つのUCIを分割し、かつ、複数のコードワードに複数の部分をそれぞれマッピングすることにより、1つのUCIを送信すること、および、1つのコードワードに複数のUCIをマッピングすることにより複数のUCIを送信することを含んでおり,実施例1は,1つのUCIが複数の部分に分割され、次いで、複数の部分が複数のコードワードと共にそれぞれ送信され,送信される1つのUCIについて、1つのUCIを複数の部分に分割し,現在の部分としてUCIの各部分を使用し、かつ、UCIの現在の部分に対する変調シンボルの数(Q’)を計算し,チャネル符号化の後、現在の部分におけるUCIのビット数を計算し,トランスポートブロック(即ち、送信されるデータ)、CQI、RI、およびHARQ-ACKに対してチャネル符号化に関する処理を実行し、符号化データおよび符号化CQIを多重化し、かつ、多重化されたビット、RIの符号化ビット、およびHARQ-ACKの符号化ビットに対してチャネルインターリービングを実行し,UCIの送信を完了するために、スクランブリング、変調、DFT、およびチャネルインターリーブビットに対するリソースマッピングなどの一連の処理を実行した後、eNodeBにチャネルインターリーブビットを送信し,端末から信号を受信した後、eNodeBは、チャネルデインターリービングおよび逆多重化を実行することにより、データと共に送信するUCIを分離するため、信号に対する一連の処理を実行し、かつ、チャネル復号を実行して、UCIの送信が正しいか否かを判断し,各コードワードと共に送信されたUCIの部分を得た後、UCIの送信を完了するように、eNodeBは、端末によって送信された完全なUCIにN個の部分の元の情報ビットを組み込む,方法。」(以下,「引用発明1」という。)
が記載されていると認められる。
2.引用文献2について
また,原査定の拒絶の理由に引用されたHuawei, HiSilicon,Motivation of New SI Proposal Latency Reduction,3GPP TSG-RAN#67 RP-150238,2015年 3月 3日(以下,「引用文献2」という。下線は当審が付与。)には,
「Using shorter transmission time interval can reduce the RTT(i.e. Round Trip Time) over air interface and then shorten the latency」(3頁)
(当審訳:
より短い送信時間間隔を使用すると、エアインターフェイス上のRTT(つまりラウンドトリップ時間)を短縮し、遅延を短縮できます。)
「●Shorter TTI can be studied to provide the latency reduction for both downlink and uplink・The start point for shorter TTI study can be 0.5ms (i.e. one Time Slot).・The backward compatibility needs to be ensured when supporting the configuration of the new TTI length」(9頁)
(当審訳:
●ダウンリンクとアップリンクの両方の遅延を削減するために,より短いTTIを研究することができます。
・より短いTTIの研究の開始点は、0.5ms(つまり、1つのタイムスロット)とすることができます。
・新しいTTIの長さの構成をサポートする場合は、下位互換性を確保する必要があります)
の記載があるから,上記引用文献2には,
「TTIを0.5msとすることにより,ダウンリンクとアップリンクの両方の遅延を削減できる。」(以下,「引用文献2記載事項」という。)
との技術事項が記載されている。
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用されたIntel Corporation,Protocol impact of TTI reduction, 3GPP TSG-RAN WG2#91bis R2-154296,2015年 9月26日(以下,「引用文献3」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。
「2.1.1. Subframe/TTI numberingWith legacy TTI of 1ms, there are 10 subframes within a radio frame of 10ms. For coexistence, it is natural that the radio frame duration will be kept same as legacy radio frame duration. That means, for short TTI, there will be more than 10 TTIs per radio frame.For example, with 0.5ms (slot-based) TTI, slot index within a subframe can be reused. For even smaller TTI value, it is beneficial to identify different small TTIs within a legacy subframe by a mini-subframe or short-subframe index. This way the subframe numbering in terms of 1ms legacy TTIs can be persevered following a hierarchical indexing approach. This will also enable preserving most of the timers and other procedures defined in terms of number of subframes.」
(当審訳:
2.1.1. サブフレーム/TTIの番号付け
1msのレガシーTTIでは、10msの無線フレーム内に10個のサブフレームがあります。共存するために、無線フレーム期間が従来の無線フレーム期間と同じに保たれるのは当然です。つまり、短いTTIの場合、無線フレームごとに10を超えるTTIが存在します。
たとえば、0.5ms(スロットベース)のTTIを使用すると、サブフレーム内のスロットインデックスを再利用できます。さらに小さいTTI値の場合、ミニサブフレームまたはショートサブフレームインデックスによってレガシーサブフレーム内のさまざまな小さいTTIを識別することが有益です。このようにして、1ミリ秒のレガシーTTIに関するサブフレームの番号付けは、階層的なインデックス作成アプローチに従って維持できます。これにより、サブフレームの数で定義されたタイマーやその他の手順のほとんどを保持することもできます。)
の記載があるから,
「0.5msのTTIを使用すると、サブフレーム内のスロットインデックスを再利用できる。」(以下,「引用文献3記載事項」という。)
との技術事項が記載されている。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。
ア.引用発明1は,「トランスポートブロック(即ち、送信されるデータ)、CQI、RI、およびHARQ-ACKに対してチャネル符号化に関する処理を実行し」ているから,「アップリンク制御情報(UCI)を符号化して、前記UCIの符号化ビットを取得し、データを符号化して、前記データの符号化ビットを取得するステップ」を有しているといえる。
イ.引用発明1は,「符号化データおよび符号化CQIを多重化し、かつ、多重化されたビット、RIの符号化ビット、およびHARQ-ACKの符号化ビットに対してチャネルインターリービングを実行し」ておりCQI,RI,HARQ-ACKはいずれもUCIであるから,「前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを多重化して、多重化ビットシーケンスを取得するステップ」を有しているといえる。
ウ.引用発明1は,「端末が、PUCCHおよびPUSCHを介して、eNodeBへ、多様なUCIをフィードバックする必要」のための,「PUSCHを介してフィードバックされたUCI」であるから,「物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して」eNodeB(すなわちネットワークデバイス)へフィードバック(すなわち送信)しており,「物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して」UCIを「ネットワークデバイスに送信するステップ」を有しているといえる。
ここで,UCIは上記イ.に記載したように,「多重化ビットシーケンス」である。
すなわち,引用発明1は,「物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、前記多重化ビットシーケンスをネットワークデバイスに送信するステップ」を有しているといえる。
エ.引用発明1は,「UCIは、チャネル品質情報(CQI)、ランク表示(RI)、および、ハイブリッド自動リピート要求確認応答(HARQ-ACK)を含」んでいるから,「前記UCIは,チャネル品質情報,ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク情報(RI)の少なくとも1つ」を含んでいるといえる。
したがって,本願発明1と引用発明1との間には,次の一致点,相違点があるといえる。
一致点
「情報処理方法であって、アップリンク制御情報(UCI)を符号化して、前記UCIの符号化ビットを取得し、データを符号化して、前記データの符号化ビットを取得するステップと、前記UCIの前記符号化ビットおよび前記データの前記符号化ビットを多重化して、多重化ビットシーケンスを取得するステップと、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、前記多重化ビットシーケンスをネットワークデバイスに送信するステップとを含み、前記UCIは、チャネル品質情報、ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)情報またはランク指示(RI)のうちの少なくとも1つを含む、方法。」
相違点
(相違点1)
本願発明1は,「前記UCIの送信時間間隔(TTI)の長さは、0.5ミリ秒以下である」のに対し,引用発明1はTTIの長さについて記載がない点。
(相違点2)
本願発明1は,「前記PUSCHは、時間領域において1つのシンボルを占有し、前記UCIは、前記HARQ-ACK情報および前記RIを含み、前記多重化ビットシーケンスにおいて、前記HARQ-ACK情報の符号化ビットは、前記RIの符号化ビットの前に位置」しているのに対し,引用発明1は,多重化ビットシーケンスにおいて,HARQ-ACK情報の符号化ビットとRIの符号化ビットの位置関係についての記載がない点。
(相違点3)
本願発明1は,「前記多重化ビットシーケンスの総ビット数は、前記データの前記符号化ビットの数と、前記UCIの前記符号化ビットの数との和である」のに対し,引用発明1は,多重化ビットシーケンスの総ビット数,前記データの前記符号化ビットの数,前記UCIの前記符号化ビットの数の関係について記載がない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み,相違点2について検討する。
多重化ビットシーケンスにおけるHARQ-ACK情報の符号化ビットとRIの符号化ビットの位置関係については,引用文献2及び引用文献3には記載されておらず,周知な技術でもない。
したがって,他の相違点について検討するまでもなく,本願発明1は,引用発明1,引用文献2-3に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができた,とはいえない。
2.本願発明2について
本願発明2は,本願発明1の方法によって送信される多重化ビットシーケンスを受信する方法であって,本願発明1を検討する際に言及したのと同じ相違点が存在するから,本願発明1と同じ理由により,引用発明1,引用文献2-3記載の技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3.本願発明3,5,7,9について
本願発明3,5,7,9は,本願発明1に対応するデバイス,可読記憶媒体,プログラムの発明であるから,本願発明1と同じ理由により,引用発明1,引用文献2-3記載の技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
4.本願発明4,6,8,10について
本願発明4,6,8,10は,本願発明2に対応するデバイス,可読記憶媒体,プログラムの発明であるから,本願発明2と同じ理由により,引用発明1,引用文献2-3記載の技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第6 原査定についての判断
上記第5に記載したとおり,本願発明1-10は,引用文献1に記載された発明,引用文献2に記載された技術及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。
したがって,原査定を維持することはできない。
第7 当審拒絶理由について
1.当審拒絶理由の概要
令和3年5月20日付けの当審による拒絶理由(最後)(以下,「当審拒絶理由」という。)の概要は以下のとおりである。
1(明確性)この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項2は,時間領域において「M個」のシンボルを占有する場合について記載されているが,請求項2が引用する請求項1は,時間領域において「1つ」のシンボルを占有する場合について記載されているから,時間領域においていくつのシンボルを占有する場合についての発明であるのか理解できない。
請求項2を引用して記載しているから,同様の理由を有する。
同様の理由を有する。
但し,請求項27-30については,請求項1,7を引用する場合を除く。
2.当審拒絶理由についての検討
令和3年8月24日の補正により,請求項2-6,8-12,14-18,20-24は削除され,請求項27-30については,請求項1,2(該補正前の請求項1,7)を引用するだけとなったため,拒絶理由は解消した。
第8 むすび
以上のとおり,本願発明1-10は,当業者が引用発明1及び引用文献2に記載された技術事項,引用文献3に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-013384