2020-011258
音声対話方法、装置、端末、サーバ、可読記憶媒体及びプログラム
- 審判番号
- 2020-011258
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-145053外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年08月13日
- 審決日
- 2022年01月14日
- 公報発行日
- 2022年02月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 分類
- P18 .561-WY (G10L) / P18 .121-WY (G10L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年8月1日(パリ条約による優先権主張 2017年(平成29年)11月16日、中華人民共和国)の出願であって、令和1年9月12日付けで拒絶の理由が通知され、令和1年11月15日に手続補正がされ、令和2年4月10日付けで拒絶査定がされたものである。これを不服として令和2年8月13日に本件審判の請求がされ、同時に手続補正がされた。
第2 拒絶査定の概要
令和2年4月10日付け拒絶査定の概要は次のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
請求項1-3、6、8-10、13-16に対して引用文献1
請求項4、11に対して引用文献1、2
請求項5、12に対して引用文献1-3
請求項7に対して引用文献1-4
引用文献1 国際公開第2016/158792号
引用文献2 特開2017-138698号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3 特表2007-538432号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4 米国特許出願公開第2010/0240402号明細書(周知技術を示す文献)
第3 令和2年8月13日にされた手続補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年8月13日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和2年8月13日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和1年11月15日に補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を補正後の請求項1の記載にする補正事項を含むものであり、補正前後の請求項1の記載は、それぞれ、次のとおりである。(下線部は、補正箇所である。)
[補正前の請求項1]
音声対話方法であって、
音声対話シーンで、サーバからプッシュされた通知情報を受信するステップと、
ユーザの音声により、ユーザの制御対象と制御意図を取得するステップと、
制御対象がサーバに予め記憶されたユーザの選択可能な通知情報に属するか否かを判断するステップと、
制御対象がユーザの選択可能な通知情報に属する場合、サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行するステップと、を含み、
ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報であることを特徴とする音声対話方法。
[補正後の請求項1]
音声対話方法であって、
音声対話シーンで、サーバからプッシュされた通知情報を受信するステップと、
ユーザの音声により、ユーザの制御対象と制御意図を取得するステップと、
制御対象がサーバに予め記憶されたユーザの選択可能な通知情報に属するか否かを判断するステップと、
制御対象がユーザの選択可能な通知情報に属する場合、サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行するステップと、を含み、
ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報であり、
前記サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行するステップは、前記制御意図が取得することであるか否かを判断するステップと、前記制御意図が取得することである場合、サーバは制御対象の選定した通知情報を再生データに形成してユーザの使用する端末に送信するステップと、を含み、
ユーザの使用する端末が通知情報の再生データを再生する場合、制御対象の選定した通知情報が変更すれば、サーバは、変更前の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した前記再生データを前記ユーザの使用する端末に送信することを送信途中に停止し、変更後の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した他の再生データを前記ユーザの使用する端末に送信するステップを含むことを特徴とする音声対話方法。
2 補正の適否
事案に鑑みて、まず、上記補正事項で新たに付加された下線部のうち後半の、
「ユーザの使用する端末が通知情報の再生データを再生する場合、制御対象の選定した通知情報が変更すれば、サーバは、変更前の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した前記再生データを前記ユーザの使用する端末に送信することを送信途中に停止し、変更後の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した他の再生データを前記ユーザの使用する端末に送信するステップ」を付加する補正(以下、「補正事項1」という。)
が、願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるか否かについて検討する。
補正事項1に関連すると考えられる当初明細書等に記載した事項は、実施例2に関する次のとおりのものである。
「【0034】更に、ユーザの使用する端末で通知情報の再生データを再生する場合、ユーザの音声により取得されたユーザの制御対象の選定した通知情報が変更すれば、サーバが変更後の制御対象の選定した通知情報を再生データに形成してユーザの使用する端末に送信する。つまり、ある通知情報の再生データを再生する時に、音声対話によって別の制御対象の選定した通知情報を取得することを実現できる。【0035】1つの例において、例えば、ユーザの使用する端末で天気予報を再生する時に、ユーザが天気予報を聞きたくない場合、「前へ」、「次へ」、「最後へ」等を使用して、ユーザが変更後の制御対象の選定した通知情報を取得することを実現できる。」
段落0034、段落0035の記載(特に、下線部)と上記補正事項1とを対比してみると、まず、段落0034の下線部には、補正事項1のうち「ユーザの使用する端末が通知情報の再生データを再生する場合、制御対象の選定した通知情報が変更すれば、サーバは、」「変更後の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した他の再生データを前記ユーザの使用する端末に送信するステップ」に相当する事項が記載されていると認められる。
次に、段落0034、段落0035の記載を併せて考えると、天気予報の再生データが、補正事項1のうち「変更前の制御対象の選定した通知情報に基づいて形成した前記再生データ」に相当し、この天気予報の再生データを聞かないようにすることを、ユーザが制御対象を変更することにより実現できることは記載されていると認められる。
しかしながら、天気予報の再生データを「前記ユーザの使用する端末に送信することを送信途中に停止」することまでは、段落0034、段落0035に記載されているとはいえない。また、当初明細書等のその他の記載をみても、このことは記載されていないし、自明な事項であるともいえないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。
したがって、補正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないので、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第4 本願発明
令和2年8月13日にされた手続補正は却下されたので、本願の請求項1~16に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明16」という。)は、令和1年11月15日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】音声対話方法であって、音声対話シーンで、サーバからプッシュされた通知情報を受信するステップと、ユーザの音声により、ユーザの制御対象と制御意図を取得するステップと、続きを表示(全59行)制御対象がサーバに予め記憶されたユーザの選択可能な通知情報に属するか否かを判断するステップと、制御対象がユーザの選択可能な通知情報に属する場合、サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行するステップと、を含み、ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報であることを特徴とする音声対話方法。【請求項2】前記サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行することは、前記制御意図が取得することであるか否かを判断するステップと、前記制御意図が取得することである場合、サーバは制御対象の選定した通知情報を再生データに形成してユーザの使用する端末に送信するステップと、を含み、前記再生データは、ユーザの使用する端末が音声対話シーンでサポートする再生フォーマットのデータを含み、制御対象の選定した通知情報が制御対象に係る通知情報であることを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項3】前記サーバが制御対象の選定した通知情報を再生データに形成することは、サーバが制御対象の選定した通知情報におけるテキストを処理してテキストに対応するオーディオを形成するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。【請求項4】ユーザの使用する端末が通知情報の再生データを再生する場合、制御対象の選定した通知情報が変更すれば、サーバは変更後の制御対象の選定した通知情報を再生データに形成してユーザの使用する端末に送信するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。【請求項5】前記サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行することは、前記制御意図が削除することであるか否かを判断するステップと、前記制御意図が削除することである場合、サーバは制御対象の選定した通知情報を前記サーバから削除するステップとを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。【請求項6】各ユーザの選択可能な通知情報は、プッシュ対象がユーザである通知情報、及び/又はプッシュ対象がユーザとプリセット関連を有する他のユーザである通知情報を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれかの項に記載の方法。【請求項7】前記サーバの記憶装置は、未読通知情報キューと既読通知情報キューを含む複数のキューユニットを含む複数のユーザ記憶ユニットを備え、1つのユーザ記憶ユニットは、プッシュ対象が同一のユーザである通知情報を記憶し、同一の記憶ユニットの1つのキューユニットは、同一のユーザの同一のソースサービスの通知情報を記憶し、同一のキューユニットの未読情報キューと既読情報キューは、それぞれ同一のユーザの同一のソースサービスの未読通知情報と既読通知情報を記憶するように設置されることを特徴とする請求項1~5の何れかの項に記載の方法。【請求項8】音声対話装置であって、音声対話シーンで、サーバからプッシュされた通知情報を受信する受信モジュールと、通知情報を記憶する記憶モジュールと、ユーザの音声により、ユーザの制御対象と制御意図を取得する取得モジュールと、制御対象がサーバに予め記憶されたユーザの選択可能な通知情報に属するか否かを判断し、制御対象がユーザの選択可能な通知情報に属する場合、サーバが制御対象に対して前記制御意図に対応する制御を実行する制御モジュールとを備え、ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されて、ユーザに対するプリセットルールを有する通知情報であることを特徴とする音声対話装置。【請求項9】再生モジュールを更に備え、前記制御意図が取得することである場合、前記制御モジュールは制御対象の選定した通知情報を再生データに形成して前記再生モジュールに送信するように設置され、前記再生データは、再生モジュールが音声対話シーンでサポートする再生フォーマットのデータを含み、制御対象の選定した通知情報が制御対象に係る通知情報であることを特徴とする請求項8に記載の装置。【請求項10】前記制御モジュールは、具体的に制御対象の選定した通知情報におけるテキストを処理して、テキストに対応するオーディオを形成するように設置されることを特徴とする請求項9に記載の装置。【請求項11】前記制御モジュールが通知情報の再生データを再生する場合、制御対象の選定した通知情報が変更すれば、前記制御モジュールは変更後の制御対象の選定した通知情報を再生データに形成して前記再生モジュールに送信するように設置されることを特徴とする請求項9に記載の装置。【請求項12】前記制御意図が削除することである場合、前記制御モジュールは制御対象の選定した通知情報を前記記憶モジュールから削除するように設置されることを特徴とする請求項8に記載の装置。【請求項13】端末であって、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を備え、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行される場合、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項1~7の何れかの項に記載の方法を実現させることを特徴とする端末。【請求項14】サーバであって、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラム、及び通知情報を記憶する記憶装置と、を備え、前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行される場合、前記1つ又は複数のプロセッサに請求項1~7の何れかの項に記載の方法を実行させることを特徴とするサーバ。【請求項15】コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムを記憶し、該プログラムがプロセッサにより実行される場合、請求項1~7の何れかの項に記載の方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。【請求項16】コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1~7の何れかの項に記載の方法を実現することを特徴とするプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0048] <<3.動作処理>>次に、本実施形態による音声認識システムの動作処理について図3を参照して具体的に説明する。[0049] 図3は、本実施形態による音声認識システムの動作処理を示すフローチャートである。図3に示すように、まずステップS103において、情報処理装置1は、各種センサにより周辺環境をセンシングする。具体的には、情報処理装置1は、マイクロホン12、カメラ14、または測距センサ15により外部音源の存在、周辺に存在する人物(ユーザを含む)の位置、状態等を取得し、また、情報処理装置1に内蔵された時計部(不図示)若しくはネットワーク上の所定サーバから現在時刻を取得し得る。なおS103に示す周辺環境のセンシングは、後述する処理と並行して継続され得る。[0050] 次いで、ステップS106において、情報処理装置1の制御部10は、マイクロホン12から収音した音声信号の音声認識および意味解析によりユーザによる発話を検知する。すなわち、制御部10は、音声認識部10aによりマイクロホン12で収音した音声信号の認識を行い、変換した文字列の意味解析を意味解析部10bにより行い、発話を検知し、検知した発話の意味解析結果を応答生成部10cに出力する。[0051] 次に、ステップS109において、レベル算出部10dは、現在の周辺環境に基づいて出力許容レベルを算出する。具体的には、レベル算出部10dは、システム利用環境における様々な要素(外部音源の存在、ユーザ環境、ユーザの振る舞い、ユーザの位置等)に基づいて、音声による応答出力が好ましい(許容される)環境であるか否かを示す出力許容レベルを算出する。[0052] 次いで、ステップS112において、決定部10eは、レベル算出部10dにより算出された出力許容レベルに基づいて応答の出力方法を決定する。例えば、音声による応答出力が好ましくない環境であることを示す出力許容レベルが算出された場合、決定部10eは、表示による出力方法に決定する。[0053] 続いて、ステップS115において、出力制御部10fは、応答生成部10cが意味解析部10bによる発話の意味解析結果に対して生成したユーザの発話に対する応答を、決定部10eにより決定された出力方法で出力するよう制御する。これにより、本実施形態による音声UIシステムでは、ユーザの発話に対する応答が音声に限定されず、表示出力等、環境に応じて最適な出力方法を自動的に決定して応答することが可能となる。例えば夜間やユーザの隣で赤ちゃんが寝ている場合には、音声による応答は好ましくないため、情報処理装置1は、投影部16により応答画像を投影して表示することで、最適な出力方法で応答することができる。このような応答出力例について、以下詳細に説明する。」
「[0026] 応答生成部10cは、意味解析結果に基づいて、ユーザの発話に対する応答を生成する。例えば応答生成部10cは、ユーザの発話が「明日の天気」を求めるものである場合、ネットワーク上の天気予報サーバから「明日の天気」に関する情報を取得し、応答を生成する。」
「[図:0001381324000001.jpg]」
以上の記載事項(特に、下線部)によれば、引用文献1には、「音声認識システムの動作処理」の方法として、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、符号a~gは、当審により付与したものである。
[引用発明]
a まずステップS103において、情報処理装置1は、各種センサにより周辺環境をセンシングし、具体的には、情報処理装置1は、マイクロホン12、カメラ14、または測距センサ15により外部音源の存在、周辺に存在する人物(ユーザを含む)の位置、状態等を取得し、
b 次いで、ステップS106において、情報処理装置1の制御部10は、マイクロホン12から収音した音声信号の音声認識および意味解析によりユーザによる発話を検知し、すなわち、制御部10は、音声認識部10aによりマイクロホン12で収音した音声信号の認識を行い、変換した文字列の意味解析を意味解析部10bにより行い、発話を検知し、検知した発話の意味解析結果を応答生成部10cに出力し、
c 次に、ステップS109において、レベル算出部10dは、現在の周辺環境に基づいて出力許容レベルを算出し、具体的には、レベル算出部10dは、システム利用環境における様々な要素(外部音源の存在、ユーザ環境、ユーザの振る舞い、ユーザの位置等)に基づいて、音声による応答出力が好ましい(許容される)環境であるか否かを示す出力許容レベルを算出し、
d 次いで、ステップS112において、決定部10eは、レベル算出部10dにより算出された出力許容レベルに基づいて応答の出力方法を決定し、例えば、音声による応答出力が好ましくない環境であることを示す出力許容レベルが算出された場合、決定部10eは、表示による出力方法に決定し、
e 続いて、ステップS115において、出力制御部10fは、応答生成部10cが意味解析部10bによる発話の意味解析結果に対して生成したユーザの発話に対する応答を、決定部10eにより決定された出力方法で出力するよう制御し、これにより、本実施形態による音声UIシステムでは、ユーザの発話に対する応答が音声に限定されず、表示出力等、環境に応じて最適な出力方法を自動的に決定して応答することが可能となり、
f 例えば応答生成部10cは、ユーザの発話が「明日の天気」を求めるものである場合、ネットワーク上の天気予報サーバから「明日の天気」に関する情報を取得し、応答を生成する、
g 音声認識システムの動作処理の方法。
2.その他の文献について
(1)引用文献2
拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
「【0068】図18~図23は、天気予報の表示を制御する動作の例を説明するための図である。まず、ユーザ80は天気予報を閲覧したいと考えた場合、図18に示すように、「天気予報」と発話する。ユーザ80がこのように発話すると、図4および図5を参照しながら説明した場合と同様にして、表示制御部128は、コマンド「現在地の天気予報の表示」を制御する。図18には、現在地の天気予報が、コマンド受付画面30-5Aとして表示されている。なお、現在地の天気予報は、外部ネットワーク30を介して図示しないサーバから取得されてよい。【0069】なお、天気予報などのように細かい情報は、大きな画面に表示されるのが見やすさの観点からよいと考えられる。したがって、図18に示すように、天気予報が制御対象機器(TV)20-1の画面に表示されてよい。このとき、図18に示すように、情報処理装置10が自律的に制御対象機器(TV)20-1の方に向きを変えるようにしてよい。そうすれば、ユーザ80も制御対象機器(TV)20-1に天気予報が表示されることを感覚的により容易に把握しやすくなる。【0070】続いて、ユーザ80は現在地(東京)の週間天気を閲覧したいと考えた場合、図18に示すように、「週間天気」と発話する。ユーザ80がこのように発話すると、図8を参照しながら説明した場合と同様に、実行制御部127は、コマンド「現在地の週間天気の表示」が実行されるように制御対象機器(図示しないサーバ)を制御する。図19を参照すると、制御対象機器(図示しないサーバ)から取得された東京の週間天気がコマンド受付画面30-5Bとして表示されている様子が示されている。【0071】続いて、ユーザ80は大阪の週間天気を閲覧したいと考えた場合、図20に示すように、「大阪の週間天気」と発話する。ユーザ80がこのように発話すると、図8を参照しながら説明した場合と同様に、実行制御部127は、コマンド「大阪の週間天気の表示」が実行されるように制御対象機器(図示しないサーバ)を制御する。図20を参照すると、制御対象機器(図示しないサーバ)から取得された大阪の週間天気がコマンド受付画面30-5Bとして表示されている様子が示されている。【0072】続いて、ユーザ80はメッシュ天気を閲覧したいと考えた場合、図21に示すように、「メッシュ天気」と発話する。ユーザ80がこのように発話すると、図8を参照しながら説明した場合と同様に、実行制御部127は、コマンド「メッシュ天気の表示」が実行されるように制御対象機器(図示しないサーバ)を制御する。図21を参照すると、制御対象機器(図示しないサーバ)から取得されたメッシュ天気がコマンド受付画面30-5Cとして表示されている様子が示されている。」
(2)引用文献3
拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
「【0027】PCまたはサーバの知的エージェントはインターネットやローカルアプリケーションソフトウェアプログラムなどのソースから情報を抽出することができ、その情報は音声サーバに安全に送信され、通話者がその情報を耳で聞けるように情報が発話パターンに変換される。ユーザは、発話コマンドを発することで、ユーザのデスクトップコンピュータまたはサーバ上のサービスおよびプログラムを停止および開始させたり、知的エージェントが参照またはアクセスできる情報を追加し、削除し、転送し、返信することができる。ユーザは発話コマンドを発することで、カレンダへの記入、Eメールまたはデータベースへの入力などの新規データオブジェクトをPCまたはサーバ上に編集したり作成したりもできる。」
(3)引用文献4
拒絶査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の技術事項が記載されている。
「[0027] FIGS.3A-3F are screen shots that depict the use of the secondary display 105 to show queue counts and message summaries. FIG.3A is a screen shot associated with a messaging status mode 300 of the secondary display 105. In the messaging status mode 300, the secondary display presents a count of the number of messages contained in queues that are waiting to be accessed by a user. Messages may be email messages, voicemail messages, instant message (IM) messages, SMS or MMS messages, social networking messages (e.g., tweets, pokes), or the like. In the depicted example, the status of four queues is displayed, namely the status of an email queue 305, a voicemail queue 310, a text message queue 315, and a preferred social networking queue 320. Each queue is represented by an icon, such as an envelope icon 325 to represent the email queue and a #thought bubble# icon 330 to represent the text message queue. The status of each queue is indicated by a count 335 which represents the number of messages in the queue that have not yet been accessed (i.e., are currently unopened) by the user. For example, the email queue count indicates that three email messages have not been accessed by the user and the text message queue count indicates that five unread entries are contained in a current instant message thread. A queue count of zero indicates that no messages are currently in the queue for the user.」
(訳:[0027] 図3A-3Fは、待ち行列の数とメッセージのサマリーを示す第二のディスプレイ105の使用を示すスクリーンショットです。図3Aは第二のディスプレイ105のメッセージ交換ステータスモード300に関するスクリーンショットです。メッセージ交換ステータスモード300で、第二のディスプレイはユーザによってアクセスされるのを待っている待ち行列に含まれたメッセージの数のカウントを提供します。メッセージは、電子メールメッセージ、ボイスメールメッセージ、インスタントメッセージ(IM)メッセージ、SMSあるいはMMSメッセージ、ソーシャルネットワーキングメッセージ(例えば、ツイート、ポーク)、あるいは同様のものであるかもしれません。示された例では、4つの待ち行列の状況、すなわち、電子メール待ち行列305、ボイスメール待ち行列310、メッセージ待ち行列315、及び優先のソーシャルネットワーキング待ち行列320の状況が表示されています。それぞれの待ち行列は、電子メール待ち行列を表す封筒アイコン325、テキストメッセージ待ち行列を表す# ソートバブル # アイコン330のような1つのアイコンによって表されます。それぞれの待ち行列の状況は、まだユーザにアクセスされていない(すなわち現在開かれていない)待ち行列のメッセージの数を表すカウント335によって示される。例えば、電子メール待ち行列カウントは、3つの電子メールメッセージがユーザによってアクセスされていないことを示し、そして、テキストメッセージ待ち行列カウントは、5つの未読の項目が現在のインスタントメッセージスレッドに含まれることを示します。ゼロの待ち行列カウントは、現在、メッセージがユーザの待ち行列にないことを示します。)
第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
事案に鑑みて、まず、本願発明1の発明特定事項のうち「ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報であることを特徴とする音声対話方法。」について引用発明と対比する。
引用発明は、g、b、eによれば、「音声認識システムの動作処理の方法」であって、「マイクロホン12から収音した音声信号の音声認識および意味解析によりユーザによる発話を検知し」、「ユーザの発話に対する応答を、決定部10eにより決定された出力方法で出力するよう制御」する方法であり、応答の出力方法には、音声による出力も含まれているから、本願発明1と「音声対話方法」である点で一致する。
また、引用発明は、fによれば、例えば応答生成部10cは、ユーザの発話が「明日の天気」を求めるものである場合、ネットワーク上の天気予報サーバから「明日の天気」に関する情報を取得し、応答を生成するから、該応答を生成するための「「明日の天気」に関する情報」は、ネットワーク上の天気予報サーバに記憶されており、本願発明1の「サーバに予め記憶されたユーザの選択可能な通知情報」に相当する。
したがって、本願発明1と引用発明は、「ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶された通知情報であることを特徴とする音声対話方法。」である点で共通する。
しかしながら、本願発明1と引用発明は、少なくとも次の点で相違する。
(相違点)
「ユーザの選択可能な通知情報」について、本願発明1においては、「ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報である」のに対し、引用発明においては、「「明日の天気」に関する情報」は、「サーバに予め記憶された通知情報」とはいえるものの、「サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報」ではない点。
(2)相違点についての判断
引用発明における、応答を生成するための「「明日の天気」に関する情報」は、ネットワーク上の天気予報サーバに記憶されているが、この情報を、本願発明1のような「ユーザに対するプリセットルールを有する」情報にしようとする動機付けとなる事項は引用文献1には記載されておらず、また、引用文献2~4にも記載されていない。
引用発明は、「出力許容レベル」に基づいて、ユーザの発話に対する応答の出力方法を決定するものであり、該「出力許容レベル」は一種のルールであるとはいえる。しかしながら、該「出力許容レベル」は、各種センサによりセンシングした現在の周辺環境に基づいて算出するものであって、音声認識システムが「「明日の天気」に関する情報」をネットワーク上の天気予報サーバから取得した後に算出されるものであるから、本願発明1の「サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報」の「プリセットルール」に相当するものではなく、本願発明1の「サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報」を導出するための動機付けとなり得るものではない。
したがって、本願発明1は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
2.本願発明2~16について
本願発明8は、方法に係る発明である本願発明1の発明のカテゴリーを単に装置としたものであり、本願発明2~7、9~16は、請求項1又は8を直接的又は間接的に引用して本願発明1又は8の発明特定事項を全て含み、さらに発明特定事項を付加するものであるから、本願発明1の「ユーザの選択可能な通知情報は、サーバに予め記憶されてユーザに対するプリセットルールを有する通知情報である」と同じ発明特定事項を有するものである。
したがって、本願発明1と同じ理由により、本願発明2~16は、引用発明(及び引用文献2~4に記載された周知技術)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1~16は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
したがって、拒絶査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-011258