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特許拒絶査定不服審判

2020-010627

健康関連の問題の管理のためのスマートロギング

審判番号
2020-010627
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-513457
請求日
2020年07月30日
審決日
2022年06月29日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アセンシア・ダイアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
  • 【請求人代理人】弁理士法人 津国
審判長/審判官
  • 審判長 高瀬 勤
  • 審判官 関口 明紀
  • 審判官 松田 直也
分類
P18 .121-WZ (G06Q) / P18 .537-WZ (G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-513457「健康関連の問題の管理のためのスマートロギング」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月17日国際公開、WO2016/040345、平成29年11月 9日国内公表、特表2017-533495〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2015年(平成27年)9月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年(平成26年)9月10日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 8月 1日 :手続補正書の提出 令和 元年 5月16日付け:拒絶理由通知書 令和 元年10月21日 :意見書、手続補正書の提出 令和 2年 3月27日付け:拒絶査定 令和 2年 7月30日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和 3年 8月12日付け:拒絶理由通知書(当審) 令和 4年 1月17日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~11に係る発明は、令和4年1月17日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載されたとおりのものであるところ、その請求項10に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「 健康データのロギングのためのシステムであって、 前記システムが、 ユーザの健康特徴の複数の測定値を取得するように構成された測定装置と、 前記測定装置に通信結合され、前記測定装置から前記各測定値を受信し、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む処理装置であり、 前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記測定装置から受信した前記各測定値、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、 前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、 前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値を表示させ、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受信させる、 前記処理装置と、 を含み、 前記健康管理アプリケーションが、現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記受信した各測定値の1つ以上を分析し、前記測定装置を使用して前記現在の測定値を取得し、前記現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データを入力するように、前記ユーザに対して指示させる、 前記システム。」 第3 当審において通知した拒絶理由 当審が通知した拒絶理由通知(理由3)の概要は、次のとおりのものである。 この出願の請求項9、10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特表2012-513221号公報 第4 引用文献1に記載された事項、引用発明 1 引用文献1に記載された事項 当審が通知した拒絶理由において引用した引用文献1には、以下のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。 「【0022】 以下に説明される様々な実施形態で使用されるように、次の用語は、これに限定されないが、次の意味を含む。 【0023】 用語「生体指標(biomarker)」は、例えば血糖値、間質糖値(interstitial glucose value)、HbA1c値、心拍数測定値、血圧測定値、脂質、トリグリセリド、コレステロール等の、患者に関するデータを提供するために測定される生理的変数を意味し得る。 【0024】 用語「文脈説明(contextualizing)」は、特定の生体指標測定値の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることを意味し得る。好ましくは、特定の生体指標の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータは、収集された生体指標データと共に格納され、そのデータに結び付けられる。特に、収集された生体指標データのさらなる評価は、データそれ自体が評価されるだけでなく、データ間の結び付けにも文脈説明が行われるように、条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータを考慮する。条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータは、特定の生体指標測定値の収集及び/またはそれと同時に発生する、例えば時間、食物、及び/または運動に関する情報を含み得る。例えば、本発明の一実施形態に従う構造化収集手続の文脈は、基礎滴定最適化(Basal titration optimization)に的を絞った検査手続の間に、生体指標値を受け入れる前に、ユーザの空腹状態を検証するために進入基準(entry criterion)を使用することにより、文書化され得る。 【0025】 用語「文脈説明生体指標データ」は、特定の生体指標測定値がその特定の生体指標のために測定された値と共に収集された相互関連付け条件に関する情報を意味し得る。特に、生体指標データは、特定の生体指標測定値が収集され、それと結び付けられる相互関連付け条件に関する情報と共に格納される。」 「【図1】 [図:0001391221000001.jpg] 」 「【0036】 図1は、糖尿病患者12及び臨床医14並びに患者12の慢性病治療管理に関心のある他の人々16のための慢性病治療管理システム10を示す。血糖代謝異常(dysglycemia)を有する患者12は、メタボリック症候群、前糖尿病、1型糖尿病、2型糖尿病、及び妊娠性糖尿病を有する人を含んでもよい。患者の治療に関心のある他の人々16は、患者の治療への従順さに影響を与え得る、家族の一員、友人、支援団体、及び宗教組織を含んでもよい。患者12は、家庭用コンピュータ等の患者コンピュータ18へのアクセスを有してもよい。患者コンピュータ18は、インターネット、セルラーネットワーク等の公衆網50(有線または無線)に接続でき、携帯収集装置24等の外部携帯装置と通信するために、ドングル(dongle)、ドッキングステーション、または装置リーダ22に連結できる。装置リーダの例は、Roche Diagnosticsから利用可能なマニュアル「Accu-Chek(登録商標)Smart Pix装置リーダユーザーズマニュアル」(2008年)に示される。 【0037】 収集装置24は、構造化収集手続に従って生体指標値をデジタル的に決定及び格納するために獲得機構として機能し、構造化収集手続及び本発明の方法を実行するように機能し得る、基本的に任意の携帯電子装置であり得る。構造化収集手続の様々な実施形態に関する詳細は、後の節で与えられる。好ましい実施形態において、収集装置24は、自己監視血糖メータ26または連続糖モニタ28であり得る。血糖メータの例は、Accu-Chek(登録商標)Activeメータ、及びブックレット「Accu-Chek(登録商標)Aviva血糖メータオーナーズブックレット」(2007年)に説明される、Accu-Chek(登録商標)Avivaメータである。その一部は、RocheDiagnosticsOperations社に譲渡された、「メータ、及び液体の成分の濃度を決定するためにメータを使用する方法」という名称の、米国特許第6645368号明細書に開示される。連続糖モニタの例は、RocheDiagnosticsOperations社に譲渡された、米国特許第7389133号明細書「検体の濃度の連続監視のための方法及び装置」(2008年6月17日)に示される。」 「【図3】 [図:0001391221000002.jpg] 」 「【0046】 図3は、図2に示される携帯収集装置24を概念的に示すブロック図である。示される実施形態において、収集装置24は、プロセッサ102等の1つ以上のマイクロプロセッサを備え得る。マイクロプロセッサは、少なくとももう1つのシングルコアまたはマルチコア及びキャッシュメモリを備える中央処理装置であってもよい。マイクロプロセッサは、バス104に接続され得る。マイクロプロセッサは、データ、メモリ、制御、及び/またはアドレスバスを備えてもよい。収集装置24は、ソフトウェア34を備え得る。ソフトウェア34は、装置のプロセッサ102に後の節で説明される本発明の方法を実行させる命令コードを提供する。収集装置24は、ディスプレイ108への表示のためにバス104から(または、不図示のフレームバッファから)グラフィックス、テキスト、及び他のデータを提供するディスプレイインターフェース106を備えてもよい。ディスプレイインターフェース106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の、収集装置24の主メモリ110の一部、及びプロセッサ102の処理を利用する統合グラフィックスソリューションのディスプレイドライバであってもよいし、専用の画像処理装置であってもよい。別の実施形態において、ディスプレイインターフェース106及びディスプレイ108はさらに、周知の方法で収集装置24にデータを提供するためのタッチスクリーンインターフェースを提供できる。 【0047】 主メモリ110は、一実施形態では、ランダムアクセスメモリ(RAM)であり、他の実施形態では、ROM、PROM、EPROM、またはEEPROM、及びそれらの組み合わせ等の他のメモリを備えてもよい。一実施形態において、収集装置24は、2次メモリ112を備え得る。2次メモリ112は、例えばハードディスクドライブ114、及び/または、例えばフロッピ(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリコネクタ(例えば、USBコネクタ、ファイヤーワイヤコネクタ、PCカードスロット)等の少なくとも1つを代表する、コンピュータ読み取り可能媒体40のためのコンピュータ読み取り可能媒体ドライブ116を備えてもよい。ドライブ116は、周知の方法でコンピュータ読み取り可能媒体40に対して読み取り及び/または書き込みを行う。コンピュータ読み取り可能媒体40は、フロッピ(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスク(CDまたはDVD)、フラッシュドライブ、PCカード等を代表する。コンピュータ読み取り可能媒体40は、ドライブ116により読み取り及び書き込みが行われる。理解されるように、コンピュータ読み取り可能媒体40は、ソフトウェア34及び/または構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dを格納できると共に、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータも格納できる。」 「【0049】 一実施形態における収集装置24は、通信モジュール124を備え得る。通信モジュール124は、ソフトウェア(例えば、ソフトウェア34、収集手続70a、70b、70c、及び70d)及びデータ(例えば、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータ)が収集装置24及び外部装置126の間で転送されるのを可能にする。通信モジュール124の例は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート(例えば、USB、ファイヤーワイヤ、シリアル、パラレル等)、PCまたはPCMCIAスロット及びカード、無線トランシーバ、及びそれらの組み合わせの1つ以上を含んでもよい。外部装置126は、患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の携帯コンピュータ装置36、及び/またはドングル、ドッキングステーション、または装置リーダ22であり得る。実施形態において、外部装置126は、例えば臨床医コンピュータ25またはサーバ52との、公衆網50またはプライベートネットワーク66を介する通信を提供するために、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)カード等)、通信ポート(USB、ファイヤーワイヤ、シリアル、パラレル等)、PCMCIAスロット及びカード、無線トランシーバ、及びそれらの組み合わせの1つ以上に提供され、及び/または、接続してもよい。通信モジュール124を介して転送されるソフトウェア及びデータは、有線信号または無線信号128の形式であり得る。信号128は、通信モジュール124により送受信され得る電子信号、電磁気信号、光信号、または他の信号であってもよい。例えば、公知のように、信号128は、ワイヤ、ケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、RFリンク、赤外線リンク、他の通信チャネル、及びそれらの組み合わせを使用して通信モジュール124及び外部装置126の間で送信されてもよい。有線接続及び/または無線接続(例えば、それぞれUSB及びブルートゥース)を通じて電子装置を接続するための特定の技術は、周知技術である。」 「【0051】 実例となる実施形態において、収集装置24は、バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138を提供する。バイオセンサ140は、一実施形態では使い捨て試験紙30(図1)であるが、例えば毛細管血の標本を受け取るために、収集装置24と共に使用される。バイオセンサ140は、酵素反応にさらされ、測定エンジン138により電気化学技術、光技術、またはその両方により測定され、生体指標値、例えば血糖値、を測定して提供する。使い捨て試験紙及び測定エンジンの例は、米国特許出願公開第2005/0016844号明細書「試験紙のための試薬縞(stripe)」(2005年1月27日)に開示され、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された。他の実施形態において、測定エンジン138及びバイオセンサ140は、ブドウ糖、心拍数、血圧測定値、及びそれらの組み合わせ以外の、または、それらに加えて、他の型の採取液体または採取検体のための生体指標値を提供するために使用される型のものであり得る。代替の実施形態は、1つ以上の生体指標型の値が本発明に従う構造化収集手続により要求される実施形態で役立つ。さらに別の実施形態において、バイオセンサ140は、例えば収集装置24がポンプ46(図1)等の輸液装置と通信する連続糖モニタ(CGM)として実装されるとき、留置カテーテルを有するセンサまたは皮下組織液体採取装置であってもよい。さらに別の実施形態において、収集装置24は、ソフトウェア34を実行し、輸液装置(例えば、移動輸液ポンプ46及び電子インスリンペン48)及びバイオセンサ140の間で通信を行うコントローラであり得る。 【0052】 バイオセンサ140により収集される情報を少なくとも含むデータは、測定エンジン138によりプロセッサ102に提供される。プロセッサ102は、様々な計算を行うためにメモリ110に格納されるコンピュータプログラムを実行してもよく、データを使用して処理を行う。例えば、そのコンピュータプログラムは、Roche Diagnostics Operations社に譲渡された、「血糖の構造化点測定(spot measurement)から推定平均血糖値及び推定糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を提供するための方法、システム、及びコンピュータプログラム製品」という名称の、2009年6月26日に出願された、米国特許出願第12/492667号明細書により説明される。測定エンジン138からのデータ、並びにそのデータを使用したプロセッサ102による計算及び処理の結果は、自己監視データとして参照される。自己監視データは、これに限定されないが、患者12の糖値、インスリン投与量値、インスリン型、プロセッサ102により将来の糖値、追加インスリン投与量、糖質追加量、並びにそのような値、投与量、及び量を計算するために使用されるパラメータ値を含む。そのデータは、測定された糖値及び投与されたインスリン量値のための日時印と共に、メモリ110及び/または112のデータファイル145に格納される。収集装置24の内部クロック144は、そのような使用のために、現在の日時をプロセッサ102に供給できる。 【0053】 収集装置24は、データ入力、選択及びデータのプログラム制御及び操作、情報の要求等のために、ボタン、キー、トラックボール、タッチパッド、タッチスクリーン等のユーザインターフェース146をさらに提供できる。一実施形態において、ユーザインターフェース146は、メモリ110及び/または112に提供されるデータの入力及び操作のために、1つ以上のボタン147、149を備え得る。一実施形態において、ユーザは、患者12の生活スタイルに関連するデータ等の文脈説明情報を入力(文書化)するために、及び、規定の作業が完了したことを通知するために、ボタン147、149の1つ以上を使用できる。生活スタイルデータは、食物摂取、投薬使用、エネルギー値、運動、睡眠、一般的健康状態、及び患者12の全体的健康生活感(例えば、嬉しい、悲しい、休まっている、ストレスがある、疲れている等)に関連してもよい。生活スタイルデータは、ボタン147、149を使用したディスプレイ108に表示される選択メニューを通じた操作を介して、及び/または、ディスプレイ108により提供されるタッチスクリーンユーザインターフェースを介して、自己監視データの一部として、収集装置24のメモリ110及び/または112に記録され得る。ユーザインターフェース146は、自己監視データまたはその一部をディスプレイ108に表示するためにも使用され、例えばプロセッサ102により測定された糖値及び入力されたデータを表示するためにも使用され得ることを理解すべきである。」 「【図5A】 [図:0001391221000003.jpg] 【図5B】 [図:0001391221000004.jpg] 」 「【0070】 構造化収集手続を作成 図5Aは、医学的使用事例または医学的質問のために、図5Bにより示される構造化収集手続70を作成する方法200を示す。構造化収集手続70は、スタンドアロンソフトウェア、糖尿病ソフトウェア34の一部、または紙ツール38の一部として、上記の装置18、24、25、26、28、36、52のいずれか1つに実装されてもよい。ステップ202では、医学的使用事例または医学的質問(以下、一般に使用事例として参照される)が選択される及び/または定義され得る。使用事例は、例えば、次の医学的使用事例または医学的質問から選択されるものであってもよいことを理解すべきである。特定の食物を摂取する効果を知りたい、食前及び/または食後に薬を服用する最善の時間を知りたい、及び運動のbG値への効果を知りたい。他の使用事例は、診断結果を見付けること、患者への治療を初期化する最善の方法、患者の病気の進行の状態の決定を行うこと、患者の治療を最適化する最善の方法を見付けること等に関する質問であってもよい。さらに他の例は、空腹時血糖、食前糖値、食後糖値等に関する医学的質問に対処するのに役立つように使用され得る構造化収集手続70を提供することであり得る。他の医学的質問は、所定の文脈で生体指標を管理すること、所定の文脈で生体指標を最適化すること、治療開始、治療の型、経口単剤治療、経口組み合わせ治療、インスリン治療、生活スタイル治療、治療の順守、治療効果、インスリンの注射または吸入、インスリンの型、基礎及びボーラスでのインスリンの分割等に関連することであり得る。例えば、経口単剤治療及び経口組み合わせに関する医学的質問は、スルホニル尿素、ビグアニド、チアゾリジンジオン、α-グルコシダーゼ阻害剤、メグリチニド、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、GLP-1アナログ、タスポグルタイド、PPARデュアルα/γアゴニスト、アレグリタザルに関するものを含み得る。選択された使用事例は、図5Bに示される医学的使用事例パラメータ220に割り当てられ得る。 【0071】 ステップ204では、選択された使用事例を取り巻く状況または問題が定義され得る。このことは、使用事例の変更に影響を与えるかもしれないすべての要因を調べることにより達成され得る。例えば、患者の治療を最適化する最善の方法を知りたいという使用事例において、調べるべきいくつかの要因は、例えば図5Cに示される、ストレス、月経周期、暁前効果(pre-dawn effect)、背景インスリン(background insulin)、運動、食事に対するボーラス投与時期、基礎率(basal rate)、インスリン感受性、食後行動等を含んでもよい。 【0072】 ステップ206では、状況または問題に対処するまたは手掛かりを与えるためにどの種類の分析が使用され得るかに関して、決定がなされ得る。その分析は、例えば、次から選択されてもよい。収集手続70の間の空腹時血糖(FPG)値の変化を評価すること、収集手続70の間の1つ以上の特定値を監視すること、インスリン対糖質(I:C)比を決定すること、インスリン感受性を決定すること、薬を投与するための、食事等の別の変数に対する最善の時間を決定すること等。ステップ208では、生体指標及びそれが収集される文脈等のどの情報が収集される必要があり、その情報は分析を行うためにいつ収集される必要があるかに関して、採取グループの決定がなされ得る。例えば、採取グループは、一連のデータオブジェクトとして定義され得る。各データオブジェクトは、ターゲット型、例えばターゲット時間(例えば、変化する特徴のために使用される)、時間ウィンドウの下限、時間ウィンドウの上限等を使用できる時間ベース、データ型(単一、集合、または式)を定義するデータベース、データを受け入れるための条件(例えば、なし、値を下回る、値を上回る、式等)、収集の型(例えば、ユーザ入力、センサ、データ等)、並びに各収集のための任意のリマインダ画面テキスト(例えば、静的、及び/または書式設定及び値挿入で動的)からなる。この過程の結果は、収集事象の工程(schedule)222である(図5B)。次にステップ210では、選択された使用事例の状況または問題に対処するのに役立つように収集事象の工程222の各々または群が実行される方法が決定される。このことは、1つ以上の順守基準224をもたらす。収集を行う方法に加えて及び/または代えて、順守基準224は、所定の範囲に入るまたは所定の値に等しい1つ以上の生体指標値に基づいてもよい。他の実施形態において、順守基準は、結果の値が所定の範囲に入るまたは所定の値に等しいかどうかを決定するために生体指標データまたはその群を使用する式であり得る。」 「【0074】 次にステップ212では、事象の工程222が開始または終了される条件及び文脈が決定され得る。このことは、同時に及び/または順々に実行してもよい一連の構造化収集手続、例えば手続70a、70b、70c、及び70dを提供する場合に、事象の工程222及び事象の工程222が属する事象の他の工程の群に提供される1つ以上の進入基準226及び退出基準(exit criterion)228をもたらす。」 「【0076】 1つ以上の退出基準228の例は、プロセッサ102に基づき、特定の値に達していること、1次標本値の平均が範囲内にあること、特定の事象及び/または条件が発生したまたは発生していないこと、及びそれらの組み合わせを決定する。手続が終了してもよい他の条件は、低血糖事象、患者が病気である、患者が治療の変更を被る等の反対事象(adverse event)を含み得る。追加の詳細は、プロセッサ102によりディスプレイ108に、具体的な退出基準が満たされたことに基づき、患者12に提供されてもよい。例えば、一例において、患者12が、低血糖を示す糖値を測定すれば、手続を終了する際に、プロセッサ102は、患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定するように指示する別の代替手続を自動的に実行する。この代替手続について、患者12はまた、プロセッサ102により、低血糖をもたらす条件が記録されるのを保証するために、食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求され得る。患者12はまた、プロセッサ102により、この場合及び他の特別な場合に臨床医14に連絡するように指示されてもよい。退出基準はまた、例えば、成功した完了の後に終了、不確定の完了の後に終了等、所定のタイムアウトの満了(計画的な終了)、例えばn(=1~365)日後も結果なし、解除によるもの、例えばフェイルセーフにより失敗した解除での終了等の、終了のための基準を含み得る。構造化収集手続70はまた、退出基準228を満たすことに基づくだけでなく、患者12が受け入れ可能レベルで要求を行わないとき、及び/または患者の生理的状態が患者が事象の工程222を遂行すべきでない方法で変化し、順守事象242が構造化収集手続を終了するという順守基準224を満たさないときに、自動的に終了するように定義され得ることを理解すべきである。 【0077】 ステップ214では、収集の間のユーザへの案内230及び収集をカスタマイズするための任意のオプション232が決定され得る。例えば、案内230について、臨床医14は、デフォルトのメッセージのリスト、または収集手続70の実行の間に患者12を案内するために調整されたメッセージを使用できる。一例として、メッセージは、データの取得が成功した(即ち、順守基準224を満たす)ときに提供され、「ありがとうございます。あなたの次の予定される測定は、午後12時半です。」と表示するだろう。例えばインジケータ148により提供されるアラームはまた、収集手続70と関連付けられ得る。アラームは、患者12に測定を行うことを思い出させ、患者12が測定を行うために追加の時間を必要とするときの、スヌーズ機能を備え得る。スヌーズ機能及び装置の他の特徴は、後の節でさらに説明される。 【0078】 ステップ208~214の結果は、ステップ216で作成される構造化収集手続70である。構造化収集手続70は、使用事例パラメータ220、事象の工程222、順守基準224、進入基準226、退出基準228、案内230、及びオプション232を共に関連付ける。一実施形態において、収集手続70を生成する時点で、臨床医14はまた、患者に(最低限)次の側面を説明する印刷物を生成する。収集手続70の目的及び期待される理想的な結果、即ち収集手続70の目的を設定すること、収集手続70の設計及び必要とされる測定値の数、患者12が収集手続70を開始する前及び各測定値を取得する前に満たさなければならない進入基準226、及び患者12が収集手続70の継続を終了すべき退出基準228。収集手続70の実行の間に提供され得る印刷物及び案内230は、なぜデータ収集手続を遂行するのかを患者が十分に理解することを保証する。 【0079】 構造化収集手続70の例は、例えば、インスリン対糖質比を決定するため、食事開始に対するボーラス投与時期を決定するため、及び摂取された糖質に相当する運動を決定するための構造化収集手続であってもよい。ステップ218では、構造化収集手続70が、例えば図1~3に関して上述の方法のいずれかで、システム41での実行及び使用に利用可能にされる。構造化収集手続70は、従って、臨床医14が規定の医学的使用事例または医学的問題に対処及び/または調査するのに役立つように、医学界またはヘルスケア企業64により、上記の過程を介して提供されてもよい。」 「【0107】 例えば、プロセッサ102は、要求240aを有する患者12に、実行時間238aにbG値(生体指標)測定を行うように促すことができる。結果として生じる測定値は、プロセッサ102により、例えば希望する生体指標のために試験紙(バイオセンサ)140を読み取った後に、測定エンジン138から自動的に受信されると、プロセッサ102によりデータファイル145に、関連事象237aに対応するデータ値256aとして自動的に記録される。行動240d及び240eについて、要求される時間に、プロセッサ102は、患者12に、要求される時間に規定される行動を行うように自動的に促し、再び患者に、要求される行動が行われたこと、または規定される状態が有効にされたことを確認するように自動的に促すことができる。日時印169はまた、要求240a~kの誘発時、要求240a~kの確認時、事象237a~kの完了時、事象237a~kのデータ値256a~kの受信時、及びそれらの組み合わせで、プロセッサ102により自動的にデータ記録152に提供され得る。さらに、別の実施形態において、患者12は、データをユーザインターフェース146を介して装置24に直接入力することにより、1つ以上の事象237a~kのデータ値256a~kを記録でき、また他の実施形態において、音声メッセージを後のデジタルデータへの転写のための情報と共に記録できる。プロセッサ102は、入力されたデータ値/情報を事象237a~kに関連するデータ記録152に格納する。さらに他の実施形態において、患者12は、紙ツール38を使用して事象237a~kのデータを記録するために、収集装置24により案内され得る。」 「【図7B】 [図:0001391221000005.jpg] 」 「【0121】 構造化収集手続をカスタマイズ 図7Bは、所定の構造化収集手続70の一例を概念的に示す。構造化収集手続70は、その手続が患者の血糖(bG)値の傾向及び/または血糖値と時刻、食事量、エネルギー値との間の関係を知る必要がある医学的使用事例または医学的質問に役立つことを示す規定の医学的使用事例パラメータ220を有する。上記のように、使用事例パラメータ220は、識別タグとして使用され得る。プロセッサ102は、例えば入力された使用事例または質問の検索問い合わせに応じて、関連構造化収集手続70を検索してもよい。例えば、検索問い合わせは、ユーザインターフェース146を介して収集装置24に入力及び/または臨床医コンピュータ25から受信され得る。検索問い合わせは、どの使用事例が収集装置24で現在利用可能な構造化収集手続70により対処され得るか知りたい、またはどの構造化収集手続70が特定の使用事例または質問に対処するのに役立つか知りたいという欲求から生じてもよい。それゆえに、使用事例パラメータ220は、一実施形態では、構造化収集手続70が、例えばメモリ110、メモリ78、コンピュータ読み取り可能媒体40、及び/またはサーバ52に提供される複数の構造化収集手続70a~dから、例えばプロセッサ102により提供され、ディスプレイ108に表示されるリストから、または規定の医学的質問のユーザインターフェースからプロセッサ102により受信される入力からの選択に基づき、プロセッサ102により自動的に選択されるのを可能にする。他の実施形態において、使用事例パラメータ220はまた、構造化収集手続70がまたbG値と時刻、食事量、エネルギー値との間の関係を示すのに役立つことを示してもよい。」 「【0125】 構造化収集手続70はまた、収集事象237の各々並びに進入基準226、退出基準228、及び順守基準224と関連する案内230及び時期または実行時間238を含んでもよい。案内230は、関連収集事象237または他のパラメータの発生時に、プロセッサ102によりディスプレイ108に提供される。例えば、朝食前のbG測定のための収集事象237はまた、患者のエネルギー値の要求240を有してもよい。それゆえに、この例において、「エネルギー値を示してください」という関連案内230は、ディスプレイ108にプロセッサ102により提供される。案内230は、構造化収集手続70の実行時に患者を支援するために、情報が患者に提供されるのを可能にするテキストボックス、フィールド、エリアであることを理解すべきである。この例において、1~5からの数字の選択は、要求237のためのデータ入力として、ボタン147,149の1つの押下を介して、またはディスプレイ108により提供されれば、タッチスクリーンインターフェースを介して行われてもよい。その数字は、プロセッサ102により収集装置24のメモリ110に、構造化収集手続70のためのデータファイル145(図4)の一部として格納される。 【0126】 構造化収集手続70の時期パラメータ238は、関連収集事象237のいずれか1つについて、進入基準226、退出基準228、及び順守基準224、具体的な日付及び/または時刻(mm-dd-yyyy、hh:mm)、または先行する収集事象の後の、関連収集事象を実行するための期間を指定するために使用される。示される実施形態での収集事象237のための期間n1、n2、n3は時間を示すが、他の実施形態では、分または秒で示され得る。別の実施形態において、関連収集事象237並びに進入基準226、退出基準228、及び順守基準224のための、時期パラメータまたは実行時間パラメータ238は、別の収集事象及び/または基準により修正され得る。」 2 引用発明 上記1の記載によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 構造化収集手続に従って生体指標値をデジタル的に決定及び格納するために機能する収集装置24(【0037】)を含む慢性病治療管理システム10(【0036】~【0037】、【図1】)であって、 収集装置24は、プロセッサ102(【0046】)、2次メモリ112(【0047】)、バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138(【0051】)、データ入力、選択及びデータのプログラム制御及び操作、情報の要求等のために、ボタン、キー、トラックボール、タッチパッド、タッチスクリーン等のユーザインターフェース146(【0053】)、ディスプレイ108及び当該ディスプレイ108にグラフィックス、テキスト、及び他のデータを提供するディスプレイインターフェース106(【0046】)を備え(【図3】)、 2次メモリ112のコンピュータ読み取り可能媒体40は、ソフトウェア34及び/または構造化収集手続70a、70b、70c、及び70dを格納できると共に、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータも格納でき(【0047】)、 ソフトウェア34は、装置のプロセッサ102に所定の方法を実行させる命令コードを提供し(【0046】)、収集装置24を輸液装置(例えば、移動輸液ポンプ46及び電子インスリンペン48)及びバイオセンサ140の間で通信を行うコントローラとして機能させることもでき(【0051】)、 測定エンジン138は、バイオセンサ140を読み取って、生体指標値、例えば血糖値を測定して提供し(【0051】【0052】、【0107】)、 測定エンジン138からのデータは、自己監視データとして、メモリ110及び/または112のデータファイル145に格納され(【0052】)、 ユーザインターフェース146は、文脈説明情報を入力(文書化)するために使用でき、入力されたデータは、自己監視データの一部として、収集装置24のメモリ110及び/または112に記録され(【0053】)、用語「文脈説明(contextualizing)」は、特定の生体指標測定値の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることを意味し、条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータは、特定の生体指標測定値の収集及び/またはそれと同時に発生する、例えば時間、食物、及び/または運動に関する情報を含み(【0024】)、 ユーザインターフェース146は、自己監視データまたはその一部をディスプレイ108に表示するためにも使用され、プロセッサ102により測定された糖値及び入力されたデータを表示するためにも使用され(【0053】)、 構造化収集手続70は、スタンドアロンソフトウェア、ソフトウェア34の一部として、上記の装置24に実装されてもよく(【0070】)、 構造化収集手続70は、使用事例パラメータ220、事象の工程222、順守基準224、進入基準226、退出基準228、案内230、及びオプション232を共に関連付けるものであって(【0078】)、 一連の構造化収集手続を提供する場合に、事象の工程222が終了される条件及び文脈が決定され、事象の工程222に提供される退出基準(exit criterion)228がもたらされ(【0074】)、 退出基準228の一例において、患者12が、低血糖を示す糖値を測定すれば、手続を終了する際に、プロセッサ102は、患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定するように指示する別の代替手続を自動的に実行し、この代替手続について、患者12はまた、プロセッサ102により、低血糖をもたらす条件が記録されるのを保証するために、食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求される(【0076】)、 慢性病治療管理システム10。 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 1 「健康データのロギングのためのシステム」について 本願明細書の【0010】には、「健康データは、PWDが血糖計によって測定を行った血糖測定値を含むことができる。健康データはまた、記録された血糖データの理解を向上させる追加的な補足情報を含むことができる。」と記載されている。当該記載を参酌すると、本願発明の「健康データ」は、「健康特徴の測定値」と「前記測定値と関連した補足的な健康データ」を含み、「健康特徴の測定値」には、「血糖測定値」が含まれ、「前記測定値と関連した補足的な健康データ」には、「記録された血糖データの理解を向上させる追加的な補足情報」が含まれるものと解される。 上記解釈に基づいて対比をする。 引用発明の「患者12」は、本願発明の「ユーザ」に相当する。引用発明の「生体指標値、例えば血糖値」は、測定値であり、複数あることは技術常識であるから、本願発明の「ユーザの健康特徴の複数の測定値」に相当する。 引用発明の「文脈説明情報」は、「特定の生体指標測定値の収集に存在または発生する条件を文書化及び相互に関連付けることに関するデータ」であって、「特定の生体指標測定値の収集及び/またはそれと同時に発生する、例えば時間、食物、及び/または運動に関する情報」であり、「特定の生体指標測定値」を補足するものであるといえるから、引用発明の各「特定の生体指標測定値」と関連した補足的な「文脈説明情報」は、本願発明の「前記各測定値と関連した補足的な健康データ」に相当する。そして、引用発明の「生体指標値、例えば血糖値」と「文脈説明情報」を含む「自己監視データ」は、本願発明の「健康データ」に相当する。 さらに、引用発明の「慢性病治療管理システム」は、上記「健康データ」を記録するための、すなわち「ロギング」のための、システムであるから、引用発明の上記「健康データ」を記録するための「慢性病治療管理システム」は、本願発明と同様の「健康データのロギングのためのシステム」であるといえる。 2 「測定装置」及び「処理装置」について 引用発明のバイオセンサ140を読み取るための「測定エンジン」は、上記「ユーザの健康特徴の複数の測定値」を測定し、測定されたデータを提供するから、引用発明の上記「ユーザの健康特徴の複数の測定値」を測定し、測定されたデータを提供する「測定エンジン」は、本願発明の「ユーザの健康特徴の複数の測定値を取得するように構成された測定装置」に相当する。また、引用発明の「2次メモリ」、「プロセッサ」、「ユーザインターフェース」は、それぞれ、本願発明の「少なくとも1つのメモリ装置」、「プロセッサ」、「ユーザインタフェース」に相当し、引用発明の「収集装置」は、「少なくとも1つのメモリ装置」、「プロセッサ」、「ユーザインターフェース」を含むから、引用発明の、「少なくとも1つのメモリ装置」、「プロセッサ」、「ユーザインターフェース」を含む「収集装置」と、本願発明の「前記測定装置に通信結合され、前記測定装置から前記各測定値を受信し、少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む処理装置」とは、「少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む処理装置」である点で一致し、本願発明では「処理装置」とは別に「測定装置」を有し、「処理装置」が「測定装置に通信結合され、前記測定装置から前記各測定値を受信」するのに対し、引用発明では「収集装置」が、内部に「測定装置」を含む点で相違する。 3 「メモリ装置」の機能について 引用発明は、「ソフトウェア34」が、「装置のプロセッサ102に所定の方法を実行させる命令コードを提供し」、これにより、「バイオセンサ140は測定エンジン138により測定され、生体指標値、例えば血糖値、を測定して提供し」、「測定エンジン138からのデータは、自己監視データとして、メモリ110及び/または112のデータファイル145に格納され」るから、引用発明の「ソフトウェア34」は、健康管理を行うためのアプリケーションであり、引用発明の「構造化収集手続」は、ソフトウェア34の一部としてもよいから、引用発明の「構造化収集手続」を含む「ソフトウェア34」は、本願発明の「健康アプリケーション」に相当する。 また、引用発明の「生体指標値」は、「血糖値」に例示される患者の生体から測定される測定値であり、血糖値に限られたものではないから、引用発明の「生体指標値」は本願発明の「各測定値」に相当する。 そして、引用発明の「2次メモリ」が「収集手続の1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータも格納でき」ることは、引用発明の「2次メモリ」が「構造化収集手続」によって収集される「生体指標値」を格納することであるから、引用発明の「2次メモリ」が「構造化収集手続」によって収集される「生体指標値」、及び「ソフトウェア及び/または構造化収集手続を格納でき」ることと、本願発明の「前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記測定装置から受信した前記各測定値、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶」することとは、「前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記各測定値、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶」する点で一致し、本願発明の「各測定値」が「前記測定装置から受信した」ものであるのに対し、引用発明ではそうではない点で相違する。 4 「プロセッサ」の機能について 上記3のとおり、引用発明の「ソフトウェア34」は、本願発明の「健康管理アプリケーション」に相当し、引用発明の「ソフトウェア34」が「プロセッサ102」に引用発明の方法を実行させる命令コードを提供することから、「プロセッサ」が「ソフトウェア34」を実行することは明らかである。 よって、引用発明において、プロセッサ102が、ソフトウェア34を実行することは、本願発明の「前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行」することに相当する。 5 「健康管理アプリケーション」の機能について 引用発明の「ユーザインターフェース」が「自己監視データ」をディスプレイに表示することは、「ソフトウェア34」が、「ユーザインターフェース」を介して、「自己監視データ」をディスプレイに表示することといえる。 また、引用発明の「ユーザインターフェース」が「文脈説明情報を入力(文書化)するために」使用され、入力されるデータを「自己監視データの一部として、収集装置24のメモリ110及び/または112に記録」させるために受け付けることは、「健康管理アプリケーション」が、当該「ユーザインターフェース」を介して「文脈説明情報」を受け付けることといえる。 よって、引用発明の「ソフトウェア34」が「ユーザインターフェース」を介して「自己監視データ」をディスプレイに表示し、「ユーザインターフェース」を介して、各「特定の生体指標測定値」と関連した補足的な「文脈説明情報」を受け付けることと、本願発明の「前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値を表示させ、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受信させる」こととは、「前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値を表示させ、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受け付ける」点で共通する。 6 「各測定値」と「追加の補足的な健康データ」について (1)引用発明の「構造化収集手続」による「患者12が、低血糖を示す糖値を測定すれば、手続を終了する際に、プロセッサ102は、患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定するように指示する別の代替手続を自動的に実行し、この代替手続について、患者12はまた、プロセッサ102により、低血糖をもたらす条件が記録されるのを保証するために、食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求される」処理は、「構造化収集手続」を含む「ソフトウェア34」によって行われるから、上記3に示したとおり、「健康管理アプリケーション」によって行われるものである。 (2)引用発明では「測定値」は、「測定装置」である測定エンジンによって測定されるものであるし、引用発明の「別の代替手続」による「患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定」する「指示」は、「低血糖を示す糖値を測定」したことに伴って、患者12へ「測定値」を新たに取得することを指示するものといえるから、引用発明の「別の代替手続」によって、「患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定」する「指示」を行うことは、本願発明の「前記測定装置を使用して現在の測定値を取得」「するように、前記ユーザに対して指示させる」ことに相当する。 また、「別の代替手続」で要求される「食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細」の情報は、低血糖をもたらす条件が記録されるのを保証するためのものであり、新たに取得される「測定値」に必要となる補足的な「文脈説明情報」であるといえるから、引用発明の「別の代替手続」で要求される「食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細」の情報は、本願発明の「前記現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データ」に相当する。 よって、引用発明の「別の代替手続」において、「この代替手続について、」「食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求」することは、本願発明の「現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データを入力するように、前記ユーザに対して指示」することに相当する。 (3)引用発明の「低血糖値を示す糖値」は、測定された「血糖値」が基準値より低いということを分析することにより判断されたものであることは明らかである。 また、引用発明では「低血糖を示す糖値」が測定されることで、上記(2)の「別の代替手続」が実行されるものであるから、引用発明において「各測定値」を分析することは、「別の代替手段」の実施を決定するために行われるもの、すなわち、「別の代替手続」で要求される「現在の測定値に必要となる補足的な健康データ」を決定するために行われるものといえる。 よって、引用発明の「別の代替手続」の実施を決定するために「各測定値」を分析することと、本願発明の「現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記受信した各測定値の1つ以上を分析」することとは、「現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記各測定値の1つ以上を分析」すること、である点で共通する。 (4)上記(1)~(3)から、引用発明の「構造化収集手続」を含む「ソフトウェア34」が、「別の代替手続」の実施を決定するために「各測定値」を分析し、「別の代替手続」によって「患者12に糖質を摂取し、血糖が120mg/dLを超えるまで30分毎に血糖値を測定」する「指示」を行い、加えて、「この代替手続について」、「食事、活動、ストレス、及び他の関連する詳細を文書化するように要求」することと、本願発明の「前記健康管理アプリケーションが、現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記受信した各測定値の1つ以上を分析し、前記測定装置を使用して前記現在の測定値を取得し、前記現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データを入力するように、前記ユーザに対して指示させる」とは、「前記健康管理アプリケーションが、現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記各測定値の1つ以上を分析し、前記測定装置を使用して前記現在の測定値を取得し、前記現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データを入力するように、前記ユーザに対して指示させる」する点で共通する。 以上、1~6によれば、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は次のとおりである。 <一致点> 「健康データのロギングのためのシステムであって、 前記システムが、 ユーザの健康特徴の複数の測定値を取得するように構成された測定装置と、 少なくとも1つのメモリ装置、プロセッサ、及びユーザインタフェースを含む処理装置であり、 前記少なくとも1つのメモリ装置が、前記各測定値、及び健康管理アプリケーションのためのコンピュータ可読命令を記憶し、 前記プロセッサが、前記健康管理アプリケーションを実行し、 前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値を表示させ、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受け付ける、 前記処理装置と、 を含み、 前記健康管理アプリケーションが、現在の測定値に必要となる補足的な健康データを決定するために前記各測定値の1つ以上を分析し、前記測定装置を使用して前記現在の測定値を取得し、前記現在の測定値に必要となる前記補足的な健康データを入力するように、前記ユーザに対して指示させる、 前記システム。」 <相違点1> 本願発明は、「処理装置」とは別に「測定装置」を有し、「処理装置」が「測定装置に通信結合され、前記測定装置から前記各測定値を受信」するのに対し、引用発明では、「収集装置」が、内部に「測定装置」を含み、各「特定の生体指標測定値」を受信するものではない点。 <相違点2> 「健康管理アプリケーション」が、「前記各測定値と関連した補足的な健康データを受け付ける」ことが、本願発明では、「前記各測定値と関連した補足的な健康データ」を「受信させる」のに対し、引用発明では、「受け付ける」とするものの「受信させる」ことは特定されておらず、特定の生体指標測定値と関連した補足的な「健康データ」(文脈説明情報)が、「受信」されたものではない点。 第6 当審の判断 1 <相違点1>について 引用文献1の【0049】には、「収集装置24は、通信モジュール124を備え得る。通信モジュール124は、ソフトウェア(例えば、ソフトウェア34、収集手続70a、70b、70c、及び70d)及びデータ(例えば、収集手続70a、70b、70c、及び70dの1つ以上に従って実行される収集の完了によるデータ)が収集装置24及び外部装置126の間で転送されるのを可能にする」こと、及び、「外部装置126は、患者コンピュータ18、臨床医コンピュータ25、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の携帯コンピュータ装置36、及び/またはドングル、ドッキングステーション、または装置リーダ22であり得る。」と記載され、さらに、【0070】には、構造化収集手続の実装が装置18、24、25、26、28、36、52のいずれにされてもよいと記載されている。 引用文献1のこれらの記載から、引用発明の「収集装置」は通信モジュールを備えることができ、通信モジュールを介してデータやプログラムが転送されることを可能とするものである。そうすると、引用発明の「収集装置」に含まれる、2次メモリ112、バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138、ユーザインターフェース14、ディスプレイ108などの構成は、それらの機能を有する限り「収集装置」の内部に必ずしも含まれる必要はなく、収集装置の外部にあったとしても収集装置の通信モジュールを介してデータやプログラムの転送が可能であればよいものであり、これらを「収集装置」の内部に含む構成とするか否かは当業者が適宜決定し得る事項である。そして、収集装置の外部に2次メモリ112、バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138、ユーザインターフェース14、ディスプレイ108などの構成を設けた場合、必要なデータやプログラムは通信モジュールによって受信することは明らかである。 よって、引用発明において、測定装置(バイオセンサ140を読み取るための測定エンジン138)を処理装置(収集装置)とは別に設け、測定装置から処理装置に各測定値を受信する構成とすることは当業者が容易に想到し得た事項である。 2 <相違点2>について 本願発明の「補足的な健康データ」について、本願の発明の詳細な説明には「PWDは、特定の血糖測定値に関係する最近のインスリン摂取量、炭水化物摂取量、身体活動(例えば運動)、及び一般的な健康(例えば、病気、疲労など)に関する任意の情報のログを取得することができる。各々の記録された血糖測定値は、ログを取得された補足的な健康データと、例えばタイムスタンプを介して、関連付けられ得る。いくつかの場合には、血糖データは、自動で又は手動でログを取得され得るが、補足的な健康データは、PWDによって手動でログを取得される。」(【0010】)、「PWDは、健康管理アプリケーション12を介して補足的な健康データを入力及び記憶させることができる。」(【0042】)と記載されている(なお、下線は当審が付した。)。 当該記載によると、「補足的な健康データ」は、PWD(糖尿病を有する人)によって手動で健康管理アプリケーションを介して入力され、ログとして取得されるから、本願の請求項10の「前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受信」との記載における「受信」は、PWD(糖尿病を有する人)によって手動で、入力された「前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値と関連した補足的な健康データ」を処理装置にログとして記録されるデータとして取り込むことを意味しているものといえる。 そうすると、引用発明の補足的な「文脈説明情報」は、受け付けられた後に、収集装置に取り込まれるから、引用発明において、「ソフトウェア34」が「ユーザインターフェース」を介して「自己監視データ」をディスプレイに表示し、「ユーザインターフェース」を介して、各「特定の生体指標測定値」と関連した補足的な「文脈説明情報」を受け付けることと、本願発明において「前記健康管理アプリケーションが、前記ユーザインタフェースを介して、前記各測定値を表示させ、前記各測定値と関連した補足的な健康データを受け付ける」ことは表現上の差異にすぎない。 また、仮に表現上の差異でないとしても、引用発明において、「前記各測定値と関連した補足的な健康データ」をユーザインタフェースを介して受信する構成とすることは当業者が容易に想到し得た事項である。 2 作用効果について 請求人は令和4年1月17日提出の意見書の「C.本願発明と引用文献の比較 <本願の発明の効果>」の項において、明細書の段落【0012】、【0013】の記載を根拠として、各種の効果を主張している。 しかしながら、引用発明は、上記「第4 2」や「第5」で示したとおり「健康データ」を「ロギング」するためのシステムであって、引用発明が「構造化収集手続」に基づいて、患者12への「生体指標測定値」(「測定値」)の測定の指示、当該測定値と関連した補足的な「文脈説明情報」(「補足的な健康データ」)の文書化の要求を行うこと(上記「第5 6」)は、それらの情報の「ロギング」を効率的とするものであるといえるから、出願人が主張している「ロギング」の効率化に伴う効果は、いずれも引用発明から当業者が予測し得る範囲を超えるものではない。 上記のとおり、本願発明の作用効果は、引用発明に基づいて、当業者が予測可能であって格別なものでない。 なお、同意見書の「C.本願発明と引用文献の比較 <本願の発明の効果>」の項において請求人が主張する「所定の日付に近い期間だけより頻繁に患者へ測定すればよいように指示する」ことや、「健康データのログを事後に取得することを可能にすることによって、利便性及び効率を向上させることができる」こと、「電子カレンダ付きのデータ表示」に対応する構成に伴う効果については、いずれも、本願発明の構成に基づくものではない。 3 請求人の主張について 請求人は、令和4年1月17日提出の意見書の「C.本願発明と引用文献の比較」において、引用発明では、「本願発明のような「受信した各測定値を分析して目的となる測定値を特定し、特定された測定値の他の1つ以上の測定値に関する補足的な健康データを入力させるようにユーザに対して指示させ、特定された測定値の他の1つ以上の測定値に関する補足的な健康データを特定された測定値に関する情報を提供すること」は記載されていない。」と主張するが、当該構成は、本願の請求項1に係る発明が有する構成であって、本願発明の構成ではない。 4 小括 したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-010627

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