2020-008808
難燃照明カバーおよび難燃照明装置
- 審判番号
- 2020-008808
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-181377外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年06月25日
- 審決日
- 2020年11月05日
- 公報発行日
- 2020年12月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (F21V)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成27年9月15日(優先権主張 平成26年9月26日)の出願であって、令和1年8月22日付けで拒絶理由が通知され、同年10月16日付けで意見書及び手続補正書が提出され、令和2年1月6日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年2月10日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年4月14日付けで令和2年2月10日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、令和2年6月25日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和2年4月14日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要
1.令和2年4月14日付けの補正の却下の決定の概要は次のとおりである。
令和2年2月10日付けの補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるが、当該補正後の本願の請求項1~8に係る発明は、以下の引用文献1~2に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、独立特許要件を満たさないから、令和2年2月10日付けの補正は却下すべきものである。
<引用文献等一覧>
1.特開2013-233789号公報
2.特開2014-99302号公報
2.原査定の概要は次のとおりである。
令和1年10月16日付けの手続補正により補正された本願の請求項1~8に係る発明は、上記引用文献1~2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第3 本願発明
本願の請求項1~8に係る発明(以下「本願発明1~8」という。)は、令和2年6月25日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】社団法人日本鉄道車両機械技術協会の行う鉄道車両用材料燃焼試験において、着火および炭化のいずれも無しの結果を与える、難燃照明カバーであって、無機化合物を含有するプラスチック系基材の少なくとも一方の面側に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成された被膜を有し、無機化合物を含有するプラスチック系基材中の無機化合物の含有割合が0.1重量%~50重量%であり、続きを表示(全20行)該難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である、難燃照明カバー。【請求項2】社団法人日本鉄道車両機械技術協会の行うコーンカロリーメーター試験において、10分間当たりの総発熱量が30MJ/m2未満、最大発熱速度が300kW/m2未満、着火時間が60秒以上である、請求項1に記載の難燃照明カバー。【請求項3】全光線透過率が40%以上である、請求項1または2に記載の難燃照明カバー。【請求項4】ヘイズ値が80%以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の難燃照明カバー。【請求項5】熱プレス加工および/または熱曲げ加工が可能である、請求項1から4までのいずれかに記載の難燃照明カバー。【請求項6】圧空成型および/または真空成型が可能である、請求項1から5までのいずれかに記載の難燃照明カバー。【請求項7】高さ50cmから510g荷重の鋼球を落下させる落球試験において割れが発生しない、請求項1から6までのいずれかに記載の難燃照明カバー。【請求項8】請求項1から7までのいずれかに記載の難燃照明カバーを有する難燃照明装置。」
第4 引用文献の記載事項、引用発明等
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1.引用文献1について
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(なお、下線は当審で付した。以下同様である。)。
(1a)「【0027】
本発明の難燃複合部材は、基材の少なくとも一方の面上に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物(C)から形成された被膜(無機酸化物粒子含有シリコーン樹脂被膜)を有する。」
(1b)「【0030】
基材としては、例えば、プラスチックのシートや板状物などのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体;紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材(ガラス繊維基材を除く);これらの積層体[例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックのシートや板状物同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。」
(1c)「【0033】
また、プラスチック系の素材としては、難燃性に特に優れる点から、難燃化処理が施されたプラスチックが用いられても良い。難燃化処理方法としては特に限定されないが、有機系難燃剤や無機系難燃剤の添加、また、プラスチック強度を向上させるガラス繊維やフィラー等の添加が挙げられる。有機系難燃剤としては、フッ素系化合物、塩素系化合物、臭素系化合物、リン系化合物、シリコーン系化合物、硫黄系難燃剤等が挙げられ、無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、ホウ素系化合物、リン系化合物、アンチモン系化合物、硫黄系難燃剤等が挙げられる。」
(1d)「【0082】
前記無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂中の無機酸化物粒子の含有量(或いは、被膜中の無機酸化物粒子の含有量)は適宜選択できるが、上限は、例えば30重量%、好ましくは20重量%、さらに好ましくは15重量%であり、下限は、例えば1重量%、好ましくは2重量%、さらに好ましくは3重量%である。無機酸化物粒子の含有量が少なすぎると、被膜の機械的強度が低下しやすく、無機酸化物粒子の含有量が多すぎると、被膜が脆くなりやすい。」
(1e)「【0091】
本発明において、前記無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物(C)は、前記縮合反応性基を有するポリシロキサン樹脂中に分散した無機酸化物粒子と該ポリシロキサン樹脂とが化学結合により架橋した架橋構造体からなる縮合反応性シリコーン樹脂(A)と、無機粒子(B)とを含んでいてもよい。このようなシリコーン樹脂組成物を用いる場合には、難燃性が著しく向上し、可燃性の基材を有していても、また、基材の厚みが比較的薄くても、接炎時に延焼しないシート、さらには、着火、炭化しないシートが得られる。」
(1f)「【0100】
本発明において、前記シリコーン樹脂組成物(C)中の無機粒子(B)の含有量は、前記縮合反応性シリコーン樹脂(A)100重量部に対して、例えば、0.1~500重量部であり、上限は、好ましくは400重量部、特に好ましくは300重量部であり、下限は、好ましくは0.5重量部、より好ましくは1重量部、特に好ましくは2重量部である。」
(1g)「【0117】
本発明の難燃複合部材は優れた難燃性を有しており、好ましくは不燃性を有している。例えば、社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準拠した試験において、延焼しにくいか、又は延焼しない。また、好ましくは、表面に炭化も見られない。なお、本明細書において、不燃性とは、上記燃焼試験において、部材の表面が着火も炭化もしない特性を意味する。」
(1h)「【0119】
本発明の難燃複合部材は、難燃性に優れているため、鉄道車両、航空機、自動車、船舶、エレベーター、エスカレーターなどの輸送機の内装部材(輸送機用内装部材)、建築材料部材、ディスプレイ部材、家電部材、電子回路部材として利用できる。また、照明カバー、とりわけ、輸送機用内装部材としての照明カバーとして好適に利用できる。」
(1i)引用文献1には、以下の図が示されている。
【図1】
イ 引用発明
上記アから、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準拠した試験において、着火も炭化もしない、難燃照明カバーであって、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、ホウ素系化合物、リン系化合物、アンチモン系化合物、硫黄系難燃剤等の無機系難燃剤やガラス繊維等が添加されたプラスチック系基材の少なくとも一方の面上に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成された被膜を有し、被膜中の無機酸化物粒子の含有量の上限は、30重量%である、難燃照明カバー。」
2.引用文献2について
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2a)「【請求項1】
内部に光源を収容して使用される中空細長形状の樹脂製照明カバーであって、
ガラス繊維および透明樹脂を含有し、光源からの光を外部へ透過および拡散させる透過拡散樹脂部を有する照明カバー。」
(2b)「【0028】
透過拡散樹脂部1におけるガラス繊維の含有量は樹脂全体に対して1~10重量%であり、好ましくは1.5~5重量%である。ガラス繊維の含有量が少なすぎると、剛性および光拡散性が十分に向上しない。ガラス繊維の含有量が多すぎると、成形性が悪くなる。
【0029】
透過拡散樹脂部1に含有される透明樹脂は熱可塑性ポリマーが使用される。好ましい透明熱可塑性ポリマーとして、ポリカーボネート樹脂、メチルメタアクリレート樹脂等のアクリル系樹脂、シクロオレフィンポリマーやシクロオレフィンコポリマー等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのうち、透明性、耐衝撃性、耐熱性の観点からは、ポリカーボネート樹脂が好ましい。」
(2e)引用文献2には、以下の図が示されている。
【図1】
イ 引用文献2に記載された技術的事項
上記アから、引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2技術」という。)が記載されていると認められる。
「照明カバーにおいて、ガラス繊維およびポリカーボネート樹脂を含有する透過拡散樹脂部1を設け、上記透過拡散樹脂部1におけるガラス繊維の含有量を、樹脂全体に対して1~10重量%とすること。」
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準拠した試験」は、本願明細書の段落【0196】に、「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の鉄道車両用材料燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準じて燃焼試験を行った。」と記載されているから、本願発明1の「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の行う鉄道車両用材料燃焼試験」に相当する。
イ 上記アを踏まえると、引用発明の「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の燃焼試験(一般材;鉄道車両用非金属材料の45°エチルアルコール試験)に準拠した試験において、着火も炭化もしない、難燃照明カバーであって、」は、本願発明1の「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の行う鉄道車両用材料燃焼試験において、着火および炭化のいずれも無しの結果を与える、難燃照明カバーであって、」に相当する。
ウ 引用発明の「水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、ホウ素系化合物、リン系化合物、アンチモン系化合物、硫黄系難燃剤等の無機化難燃剤やガラス繊維等が添加されたプラスチック系基材」は、本願明細書の段落【0064】に、「無機化合物としては、例えば、無機系難燃剤(A)、無機フィラー(B)などが挙げられる。無機系難燃剤(A)としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;ホウ素系化合物;リン系化合物;アンチモン系化合物;硫黄系難燃剤;等が挙げられる。本発明の効果がより一層効果的に発現し得る点で、このような無機化合物としては、好ましくは無機フィラー(B)であり、より好ましくはガラス繊維である。このような無機化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。」と記載されているから、本願発明1の「無機化合物を含有するプラスチック系基材」に相当する。
エ 引用発明の「一方の面上」は、本願発明1の「一方の面側」に相当する。
オ 上記ウ、エを踏まえると、引用発明の「水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、ホウ素系化合物、リン系化合物、アンチモン系化合物、硫黄系難燃剤等の無機化難燃剤やガラス繊維等が添加されたプラスチック系基材の少なくとも一方の面上に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成された被膜を有し、」は、本願発明1の「無機化合物を含有するプラスチック系基材の少なくとも一方の面側に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成された被膜を有し、」に相当する。
カ 引用発明の「プラスチック系基材」に「無機系難燃剤やガラス繊維等が添加され」ること及び「被膜中の無機酸化物粒子の含有量の上限は、30重量%である、」ことと、本願発明1の「該難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である、」こととは、引用発明の「プラスチック系基材」及び「被膜」は、難燃照明カバーを構成するものであり、「無機系難燃剤やガラス繊維」及び「無機酸化物粒子」が無機物であることは明らかであるから、「該難燃照明カバー中に無機物が含まれる」という点で共通する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があると認める。
〔一致点〕
「社団法人日本鉄道車両機械技術協会の行う鉄道車両用材料燃焼試験において、着火および炭化のいずれも無しの結果を与える、難燃照明カバーであって、無機化合物を含有するプラスチック系基材の少なくとも一方の面側に、無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物から形成された被膜を有し、該難燃照明カバー中に無機物が含まれる、難燃照明カバー。」
〔相違点〕
本願発明1は、「無機化合物を含有するプラスチック系基材中の無機化合物の含有割合が0.1重量%~50重量%であり、」「該難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である」のに対し、引用発明は、そのような特定事項を有していない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
(ア)上記第4の2.イに引用文献2技術として示したとおり、引用文献2には、
「照明カバーにおいて、ガラス繊維およびポリカーボネート樹脂を含有する透過拡散樹脂部1を設け、上記透過拡散樹脂部1におけるガラス繊維の含有量を樹脂全体に対して1~10重量%とすること。」
が記載されている。
ここで、本願明細書の段落【0064】に、「無機化合物としては、例えば、無機系難燃剤(A)、無機フィラー(B)などが挙げられる。・・・本発明の効果がより一層効果的に発現し得る点で、このような無機化合物としては、好ましくは無機フィラー(B)であり、より好ましくはガラス繊維である。」と記載されているから、引用文献2技術の「ガラス繊維」は、本願発明1の「無機化合物」に相当する。
また、引用文献2技術の「ポリカーボネート樹脂を含有する透過拡散樹脂部1」と、本願発明1の「プラスチック系基材」とは、「ポリカーボネート樹脂」はプラスチックといえるから、「プラスチック系部材」という点で共通する。
そうすると、引用文献2技術は、「照明カバーにおいて、無機化合物を含有するプラスチック系部材中の無機化合物の含有割合を1重量%~10重量%とすること」ということができる。
引用文献2技術の「無機化合物を含有するプラスチック系部材中の無機化合物の含有割合を1重量%~10重量%」とした範囲は、本願発明1の「無機化合物を含有するプラスチック系基材中の無機化合物の含有割合が0.1重量%~50重量%であ」るとした範囲に含まれるものである。
そして、引用発明と引用文献2技術とは、照明カバーという共通の技術分野に属し、プラスチック系部材に、ガラス繊維を含有させることで、プラスチック強度を向上させるという課題も共通するから、引用発明の「ガラス繊維が添加されたプラスチック系基材」において、ガラス繊維の含有割合として、引用文献2技術の「1重量%~10重量%」とする点を採用することは、当業者にとって容易である。
(イ)しかしながら、相違点1に係る本願発明1の「該難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である」という構成については、上記引用文献1~2には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であったともいえない。
(ウ)補足すると、上記のとおり、引用発明の「ガラス繊維が添加されたプラスチック系基材」において、ガラス繊維の含有割合として、引用文献2技術の「1重量%~10重量%」とする点を採用することは、当業者にとって容易である。
上記含有割合は、プラスチック系基材中に含まれる無機物の含有割合とはいえるものの、プラスチック系基材と被膜とを合わせた難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合を特定するものではない。
(エ)また、引用発明の「被膜中の無機酸化物粒子の含有量の上限は、30重量%であ」り、さらに、引用文献1の段落【0091】には、被膜である「前記無機酸化物粒子含有縮合反応性シリコーン樹脂を少なくとも含むシリコーン樹脂組成物(C)」が、さらに「無機粒子(B)とを含んでいてもよい」と記載され、段落【0100】には、前記「前記シリコーン樹脂組成物(C)中の無機粒子(B)の含有量は、前記縮合反応性シリコーン樹脂(A)100重量部に対して、例えば、0.1~500重量部であり、上限は、好ましくは400重量部、特に好ましくは300重量部であり、下限は、好ましくは0.5重量部、より好ましくは1重量部、特に好ましくは2重量部である。」と記載されているから、引用発明の被膜中に含まれる無機物の含有割合は、30重量%を超えてもよいことが記載されているといえる。
(オ)しかしながら、上記(ウ)で検討した、プラスチック系基材中に含まれる無機物の含有割合を1重量%~10重量%とする点、上記(エ)で検討した、被膜中に含まれる無機物の含有割合は、30重量%を超えてもよい点を加味しても、相違点1に係る本願発明1の、プラスチック系基材と被膜とを合わせた「難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である」点については、記載も示唆もされていない。
(カ)したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2技術に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2.本願発明2~8について
本願発明2~8は、本願発明1の発明特定事項を全て含みさらに限定したものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2技術に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 原査定について
上記第5で検討したとおり、引用文献1及び2には、「難燃照明カバー中に含まれる無機物の含有割合が30重量%以上45重量%以下である」点は、記載も示唆もされていないから、本願発明1~8は、拒絶査定において引用された引用発明及び引用文献2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-008808