特許拒絶査定不服審判
2020-005235
食材洗浄装置
- 審判番号
- 2020-005235
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-534011
- 請求日
- 2020年04月17日
- 審決日
- 2021年01月22日
- 公報発行日
- 2021年05月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】細田工業株式会社
- 【請求人代理人】西教 圭一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 山崎 勝司
- 審判官 川上 佳
- 審判官 松下 聡
- 分類
- P18 .121-Z (A23N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-534011「食材洗浄装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月21日国際公開、WO2016/009482〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)7月14日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 5月30日付け:拒絶理由通知書
平成30年 7月24日 :意見書および手続補正書
平成30年12月25日付け:拒絶理由通知書
平成31年 2月 4日 :意見書および手続補正書
令和 1年 6月27日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 1年 8月21日 :意見書および手続補正書
令和 2年 1月24日付け:補正の却下の決定および拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 2年 4月17日 :審判請求書および手続補正書
令和 2年 8月21日 :上申書
第2 令和2年4月17日提出の手続補正書による手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和2年4月17日提出の手続補正書による手続補正を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本願の令和1年8月21日提出の手続補正書でした補正は、令和2年1月24日付けで却下の決定がされている。
したがって、令和2年4月17日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲に関して、本件補正により補正される前の(すなわち、平成31年2月4日提出の手続補正書により補正された)下記の(1)に示す請求項1を下記の(2)に示す請求項1に補正することを含むものである(下線は、補正箇所を示す。)。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「洗浄液を貯留する第1収容空間が上方に開放して設けられる主槽と、
食材が収容され、複数の透孔が分散して形成されるとともに開口部を有する有底筒状の容器であって、前記主槽との間に5mm以上15mm以下の隙間が形成されるように、前記主槽に収容される容器と、
前記主槽に洗浄液を供給する供給部と、
前記主槽に隣接して配置され、洗浄液を貯留する第2収容空間が設けられる副槽と、
前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く導液部と、
前記副槽に貯留される洗浄液を、前記第1収容空間内に噴射する還流噴射部であって、
洗浄液の吸込み口と吐出し口とを有し、前記第2収容空間内の洗浄液を吸込み口から吸込んで吐出し口から吐出するポンプと、
前記ポンプの吐出し口から吐出される洗浄液を、前記第1収容空間に噴射する噴射ノズルとを備える還流噴射部と、を含み、
前記噴射ノズルは、前記容器の側壁と底部との間のコーナ部に向かって洗浄液を噴射するように配設されていることを特徴とする食材洗浄装置。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「洗浄液を貯留する第1収容空間が上方に開放して設けられる主槽と、
食材が収容され、複数の透孔が分散して形成されるとともに開口部を有する有底筒状の容器であって、前記主槽との間に5mm以上15mm以下の隙間が形成されるように、前記主槽に収容される容器と、
前記主槽に洗浄液を供給する供給部と、
前記主槽に隣接して配置され、洗浄液を貯留する第2収容空間が設けられる副槽と、
前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く導液部と、
前記副槽に貯留される洗浄液を、前記第1収容空間内に噴射する還流噴射部であって、
洗浄液の吸込み口と吐出し口とを有し、前記第2収容空間内の洗浄液を吸込み口から吸込んで吐出し口から吐出するポンプと、
前記ポンプの吐出し口から吐出される洗浄液を、前記主槽に収容された前記容器内で噴射する噴射ノズルとを備える還流噴射部と、を含み、
前記噴射ノズルは、前記容器の側壁と底部との間のコーナ部に向かって洗浄液を噴射するように配設されていることを特徴とする食材洗浄装置。」
2 本件補正の目的について
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「噴射ノズル」について、「第1収容空間に噴射する」とあったものを、より具体的に「前記主槽に収容された前記容器内で噴射する」と限定をしたものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明とは産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
そこで、本件補正によって補正された請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかどうか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかどうか)について、以下に検討する。
3 独立特許要件の判断
(1)引用文献
ア 刊行物1
(ア)刊行物1の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、国際出願日前に頒布された刊行物である特開2010-200658号公報には、「食品洗浄装置」に関して、図面とともに次の記載がある(下線は理解の一助のために当審にて付したものである。以下同様。)。
「【0013】
本実施例の食品洗浄装置Aは、機枠1上に洗浄水槽2と濾過水槽7が組み付けられている。
【0014】
前記洗浄水槽2は、上面開口部から底面に向けて次第に直径が小さくなった逆円錐台形状の容器に形成され、上面開口部の周囲に外向きのフランジ面20が形成されている。
前記フランジ面20にはオーバーフロー水を回収するための流入孔21及び回収樋22が形成され、この回収樋22の先端に袋取付板23が取り付けられ、この袋取付板23に形成された吐出孔24に前記流入孔21が回収ホース25を介して接続されている。
なお、図1において、符号26はドレン排水弁である。
【0015】
前記洗浄水槽2の内部には、脱水カゴ3が下降位置(図1の実線位置)と上昇位置(図1の仮想線位置)との間で昇降可能に設けられている。なお、図2では脱水カゴ3の記載を省略している。
脱水カゴ3はプラスチック製の所謂ザルガゴであり、前記洗浄水槽2の底面に設けた昇降装置30に取り付けられている。」
「【0026】
前記上部洗浄筒4には水噴射ノズル6が取り付けられている。
この水噴射ノズル6は、上部洗浄筒4の昇降動作に伴い脱水カゴ3内の水中没入位置(図1の実線位置)と脱水カゴ3外の引き上げ位置(図1の仮想線位置)との間を昇降する。
また、水噴射ノズル6は、その上端部に設けた取り付け板60で上部洗浄筒4の上端に形成した内向フランジ部42を挟持することで取り付けられ、その取り付け位置は前記脱水カゴ3の周壁近傍になっている。
【0027】
水噴射ノズル6は、その水中没入位置で前記脱水カゴ3の内部にほぼ垂直に挿入される管状に形成され、水面付近には、四方に向けた4個の噴射孔を1段とし、これを円周方向に45度ズラして上下数段に配置させた噴射孔群61が形成され、また、下端には横向エルボによって前記脱水カゴ3の周壁に沿う方向に噴射させる横向噴射口62が形成されている。
なお、前記噴射孔群61と横向噴射口62との間には、横向噴射口62ヘの流れを制御させる邪魔板63を設けて、噴射孔群61と横向噴射口62とに均一に流れるようにしている。
また、水噴射ノズル6の上端には、空気取入口(図示省略)が形成され、この水噴射ノズル6から噴出させる洗浄水に若干の気泡を含ませ、洗浄効果の向上を図っている。
【0028】
前記濾過水槽7は前記上部洗浄筒4のスクリーン開口部41,41からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるためのもので、方形容器に形成されている。
この濾過水槽7は前記回収樋22の先端に設けた袋取付板23の下方に配設され、その内部には循環ポンプ8としての水中ポンプが設置され、この循環ポンプ8により濾過水槽7内の洗浄水を前記水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送させる。
また、濾過水槽7には、洗浄作業の間、常に給水口71から給水され、汚れた洗浄水はオーバーフロー孔72から排出させるようになっている。
なお、図1において、符号73はドレン排水弁である。」
「【0030】
従って、本実施例の食品洗浄装置Aでは、昇降装置30のスプリング33による付勢で上昇位置に保持された脱水カゴ3内に洗浄対象となる食品を収容させ、その後、リンク機構5によって上部洗浄筒4を離反位置からセット位置に下降させていく。
この際、上部洗浄筒4のフランジ板40で脱水カゴ3の上縁を上から押さえながらスプリング33に抗して脱水カゴ3を沈めていくと共に、このフランジ板40を洗浄水槽のフランジ面20に載置させることで、洗浄水槽2の上面開口部に上部洗浄筒4を連続させる。これにより、食品が脱水カゴ3から流出して逃げるのを防止できる。 なお、上部洗浄筒4はリンク機構5の揺動アーム50に取り付けたロック爪56によってセット位置に保持させる。」
「【0032】
この場合の水流の方向を図3及び図4に示す。
水噴射ノズル6に形成した噴射孔群61から噴射された洗浄水は水噴射ノズル6を中心として多方向に放射状に噴出され、脱水カゴ3で反射する水流や渦状の水流等、多方向の水流が生じ、特に、水面付近では上部洗浄筒4の内面に沿ってスクリーン開口部41に向かう水流れが生じるため、この水流に乗せてゴミ等を含んだ洗浄水をスクリーン開口部41から効率よくオーバーフローさせることができる。
【0033】
また、下端の横向噴射口62から噴射された洗浄水は、脱水カゴ3の周壁に沿う水流となって渦状の水流を生じさせ、かつ洗浄水槽2が逆円錐台形に形成されているため、上下方向に対流する水流も生じる。
これらの噴射孔群61及び横向噴射口62からの水流によって、食品を脱水カゴ3内で全体として渦状に回転させると共に、上下方向に浮沈を繰り返させることから、食品に対して多方向から水流を浴びせて攪拌させることができ、洗浄効果を向上させることができる。」
「【図1】
」
「【図2】
」
「【図3】
」
「【図4】
」
(イ)刊行物1記載の技術的事項
上記段落【0014】および図1の記載から、食品洗浄装置Aは、上面開口部から底面に向けて次第に直径が小さくなった逆円錐台形状の容器に形成された洗浄水槽2を有していると認められる。
上記段落【0015】、【0030】および図1の記載から、食品洗浄装置Aは、洗浄対象となる食品を収容し、前記洗浄水槽2の内部に設けられるプラスチック製の所謂ザルガゴである脱水カゴ3を有していると認められる。
上記段落【0013】、【0028】、図1の記載から、食品洗浄装置Aは、機枠1上に洗浄水槽2とともに組み付けられ、上部洗浄筒4のスクリーン開口部41,41からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるためのもので、方形容器に形成されている濾過水槽7を有していると認められる。
上記段落【0028】および図2の記載から、食品洗浄装置Aは、洗浄作業の間、濾過水槽7に常に給水する給水口71を備えていると認められる。
上記段落【0014】および図1の記載から、食品洗浄装置Aは、フランジ面20に形成されたオーバーフロー水を回収するための回収樋22を備えていると認められる。
上記段落【0026】および図1の記載から、食品洗浄装置Aは、脱水カゴ3内の水中没入位置(図1の実線位置)と脱水カゴ3外の引き上げ位置(図1の仮想線位置)との間を昇降する水噴射ノズル6を備えていると認められる。
上記段落【0028】および図1の記載から、食品洗浄装置Aは、濾過水槽7内部に設置され、前記濾過水槽7内の洗浄水を水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送する循環ポンプ8を備えていると認められる。
上記段落【0027】、図1、図4の記載から、食品洗浄装置Aの水噴射ノズル6は、下端に横向エルボによって前記脱水カゴ3の周壁に沿う方向に噴射させる横向噴射口62が形成されていると認められる。
(ウ)引用発明
上記(ア)、(イ)の記載を総合すると、刊行物1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「上面開口部から底面に向けて次第に直径が小さくなった逆円錐台形状の容器に形成された洗浄水槽2と、
洗浄対象となる食品を収容し、前記洗浄水槽2の内部に設けられるプラスチック製の所謂ザルガゴである脱水カゴ3と、
機枠1上に前記洗浄水槽2とともに組み付けられ、上部洗浄筒4のスクリーン開口部41,41からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるためのもので、方形容器に形成されている濾過水槽7と、
洗浄作業の間、濾過水槽7に常に給水する給水口71と、
フランジ面20に形成されたオーバーフロー水を回収するための回収樋22と、
前記脱水カゴ3内の水中没入位置(図1の実線位置)と前記脱水カゴ3外の引き上げ位置(図1の仮想線位置)との間を昇降する水噴射ノズル6と、
前記濾過水槽7内部に設置され、前記濾過水槽7内の洗浄水を前記水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送する循環ポンプ8と、を備え、
前記水噴射ノズル6は、下端に横向エルボによって前記脱水カゴ3の周壁に沿う方向に噴射させる横向噴射口62が形成されている、
食品洗浄装置A。」
イ 刊行物2
(ア)刊行物2の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、国際出願日前に頒布された刊行物である特開2007-189993号公報には、「食品洗浄装置」に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0017】
食品洗浄装置は、図1、図2、図3に示す如く、横長で高さの低い基台(1)と、基台(1)の長さ中央にて間欠回転可能且つ昇降可能に配備された昇降回転台(3)と、昇降回転台(3)の回転方向(矢印A)に順に設定された投入ステーションS1、洗浄ステーションS2、及び排出ステーションS3の内、洗浄ステーションS2上に配備された上面開口の水槽(6)(6)と、昇降回転台(3)に回転方向に等間隔に設けられた4つの籠容器支持部(4)と、籠容器支持部(4)に着脱可能にセットされ洗浄すべき食品を収容する籠容器(7)とによって構成される。
投入ステーションS1と排出ステーションS3は隣り合って位置している。
排出ステーションS3には、籠容器(7)を排出するための排出コンベア(8)が接続されている。排出コンベア(8)はここでは動力駆動のベルトコンベアとする。
洗浄ステーションS2は、洗いステーションSaと濯ぎステーションSbの2つのステーションを含み、投入ステーションS1、洗いステーションSa、濯ぎステーションSb、排出ステーションS3は夫々90°の間隔を存している。」
「【0028】
図6に示す如く、洗いステーションSaと濯ぎステーションSbに配備された水槽(6)(6)は上面が開口し、籠容器(7)の側壁(70)に対応してやや逆錐状に形成され、籠容器(7)をそれほど余裕のない状態に収容できる大きさである。
水槽(6)には開口縁を一周して樋状のオーバフロー槽(63)が設けられる。
水槽(6)の上端高さ、即ち、オーバフロー槽(63)の内側周壁(63a)の高さは、後記の如く、籠容器支持部(4)によって支持された籠容器(7)が水槽(6)に浸かった状態で、該支持部(4)の押え部(42c)の高さと同じ或いは少し高い。
オーバフロー槽(63)の外側周壁(63b)から外側に排水口(63c)が短く延び、排水口(63c)の先端にフランジ(63d)が突設されている。」
「【0042】
該水槽(6)から溢れた水をオーバフロー槽(63)で受け、更に貯水槽(64)に溜めて、ポンプ(65)で水槽(6)へ噴射し、水を循環使用するため、少ない水でカット野菜の洗浄ができる。
又、水槽(6)は、籠容器(7)よりも少し大きい程度であるから、上記水循環の際に、水槽(6)内で滞留したままとなる水は少なく、前記外部からの清浄水とリントフィルター(69a)で濾過された水が水槽(6)に供給されて循環するので、この点からもカット野菜の洗浄効果を高めることができる。」
「【図1】
」
「【図6】
」
(イ)刊行物2に記載された技術的事項
上記(ア)を総合すると、刊行物2には、次の技術的事項が記載されている。
「食品洗浄装置において、水槽(6)が、籠容器(7)をそれほど余裕のない状態に収容でき、籠容器(7)よりも少し大きい程度であること。」
ウ 刊行物3
(ア)刊行物3の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、国際出願日前に頒布された刊行物である特開2009-106184号公報には、「洗浄装置」に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0023】
洗浄システム1は、洗浄水生成装置10と、洗浄槽20と、洗浄水測定器30と、レコーダ40と、単水栓50とで構成し、刻みネギ61をザル60に入れて洗浄する装置である。なお、洗浄する洗浄対象物は刻みネギ61に限定されず、きゅうりのスライス、角切り白菜などのカット野菜や果物等の飲食物であってもよい。」
「【0030】
洗浄槽20は、作業台24の設置箇所を除いて上面が開放された水槽部21と、水槽部21でオーバーフローした循環洗浄水103aが貯まるオーバーフロータンク25と、オーバーフロータンク25に貯まった循環洗浄水103aを毎分200Lの水量で水槽部21に高圧で循環させる循環装置23とで構成するとともに、水槽部21上方には、水槽部21に毎分10L程度の水量で給水する給水管203と、低臭素酸次亜塩素酸ナトリウム水溶液101及び酢酸水溶液102 を注入する注入口101a,102aが配置されている。」
「【0042】
そして、上述した洗浄水生成装置10への低臭素酸次亜塩素酸ナトリウム水溶液101及び酢酸水溶液102の投入と独立して、洗浄槽20の水槽部21に給水管203から水道水を給水して貯めておき、貯まった水道水に濃度センサS3を漬け、洗浄水測定器30の測定を開始する。」
「【0044】
洗浄水測定器30からの測定結果を受信した洗浄水生成装置10は、洗浄水103として、次亜塩素濃度(HOCL)が所定濃度になるように、注入ポンプP1,P2を作動させるとともに、切替弁B1,B2を注入口101a,102a側に切替え、水槽部21内の水道水に低臭素酸次亜塩素酸ナトリウム水溶液101及び酢酸水溶液102を注入して洗浄水103を生成する。」
「【図1】
」
「【図2】
」
(イ)刊行物3に記載された技術的事項
上記(ア)を総合すると、刊行物3には、次の技術的事項が記載されている。
「カット野菜や果物等の飲食物を洗浄する洗浄システム1において、水槽部21上方には、水槽部21に給水する給水管203と、低臭素酸次亜塩素酸ナトリウム水溶液101及び酢酸水溶液102を注入する注入口101a,102aが配置されること。」
エ 刊行物4
(ア)刊行物4の記載
原査定の拒絶の理由に引用され、国際出願日前に頒布された刊行物である特開2005-58472号公報には、「食材洗浄装置」に関して、図面とともに次の記載がある。
「【0008】
図1は、本発明の実施の一形態の食材洗浄装置10を示す側面図である。図2は、食材洗浄装置10を示す正面図である。図3は、食材洗浄装置10を示す平面図である。図4は、図2の切断面線S4-S4から見た断面図である。食材洗浄装置10は、主槽11、洗浄液供給部12、副槽13、導水部14、ポンプ15および噴射ノズル16を含んで構成される。」
「【0019】
図10は、主槽11の第1収容空間17、特に容器20内の洗浄液および食材50の流れを説明するための断面図である。副槽13の第2収容空間26に貯留されている洗浄液がポンプ15によって噴射ノズル16に供給されて、主槽11の第1収容空間17に収容されている容器20内に噴射される。このとき噴射ノズル16から洗浄液は、矢符f0に示すように、噴射ノズル16から最も離間した容器20の側壁20aと底壁20bとの間に向かう方向に、詳細には噴射ノズル16から前記側壁20aと底壁20bとの間に向かって下方に傾斜する方向に延びる平面に沿って、扇形状に拡散して噴射される。容器20内の食材50は、このような矢符f0に示す洗浄液の流れに沿って、容器20の側壁20aと底壁20bとの間に向かって流動する。」
「【図1】
」
「【図10】
」
(イ)刊行物4に記載された技術的事項
上記(ア)を総合すると、刊行物4には、次の技術的事項が記載されている。
「食材洗浄装置10において、噴射ノズル16から洗浄液は、矢符f0に示すように、噴射ノズル16から最も離間した容器20の側壁20aと底壁20bとの間に向かう方向に、詳細には噴射ノズル16から前記側壁20aと底壁20bとの間に向かって下方に傾斜する方向に延びる平面に沿って、扇形状に拡散して噴射されること。」
(2)対比・判断
本件補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「上面開口部から底面に向けて次第に直径が小さくなった逆円錐台形状の容器に形成された洗浄水槽2」は、「容器」が収容空間を有するのは明らかであり、前記水噴射ノズル6が下端の横向エルボによって前記脱水カゴ3の周壁に沿う方向に洗浄水を噴射させて、内部に洗浄水が導入・貯留されるから、本件補正発明の「洗浄液を貯留する第1収容空間が上方に開放して設けられる主槽」に相当する。
引用発明の「洗浄対象となる食品を収容し、前記洗浄水槽2の内部に設けられるプラスチック製の所謂ザルガゴである脱水カゴ3」は、ザルカゴであるから複数の透孔が分散して形成されているものと認められ、またザルカゴであるから、開口部と底部を有しているのも明らかであるため、本件補正発明の「食材が収容され、複数の透孔が分散して形成されるとともに開口部を有する有底筒状の容器であって、前記主槽との間に5mm以上15mm以下の隙間が形成されるように、前記主槽に収容される容器」と、「食材が収容され、複数の透孔が分散して形成されるとともに開口部を有する有底筒状の容器であって、前記主槽に収容される容器」である限りにおいて一致している。
引用発明の「機枠1上に洗浄水槽2とともに組み付けられ、上部洗浄筒4のスクリーン開口部41,41からオーバーフローしたゴミ等を含む洗浄水を流入させて濾過させるためのもので、方形容器に形成されている濾過水槽7」は、機枠1上に洗浄水槽2とともに組み付けられており、図1および図2から、濾過水槽7と洗浄水層2が隣接して配置されていること、また、濾過水槽7は、内部に洗浄水を流入させるもので、方形容器に形成され、収容空間を有することは明らかであるから、本件補正発明の「前記主槽に隣接して配置され、洗浄液を貯留する第2収容空間が設けられる副槽」に相当する。
引用発明の「フランジ面20に形成されたオーバーフロー水を回収するための回収樋22」は、オーバーフロー水を回収するものであり、当該オーバーフロー水は洗浄水槽2からオーバーフローしたものであることは明らかであるから、本件補正発明の「前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く導液部」に相当する。
引用発明の「前記濾過水槽7内部に設置され、前記濾過水槽7内の洗浄水を水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送する循環ポンプ8」は、濾過水槽7内の洗浄水を圧送するものであるから、洗浄液の吸込み口を有しているのは明らかであり、また、送水ホース81を介して圧送していることから、送水ホース81に洗浄水を供給するための吐出し口を有していることも明らかである。よって、本件補正発明の「洗浄液の吸込み口と吐出し口とを有し、前記第2収容空間内の洗浄液を吸込み口から吸込んで吐出し口から吐出するポンプ」に相当する。
引用発明の「脱水カゴ3内の水中没入位置(図1の実線位置)と脱水カゴ3外の引き上げ位置(図1の仮想線位置)との間を昇降する水噴射ノズル6」は、図1の実線位置において、「下端に横向エルボによって前記脱水カゴ3の周壁に沿う方向に噴射させる横向噴射口62が形成されて」おり、「前記濾過水槽7内の洗浄水を前記水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送」させるものであることから、本件補正発明の「前記ポンプの吐出し口から吐出される洗浄液を、前記主槽に収容された前記容器内で噴射する噴射ノズル」に相当する。また、引用発明の「前記濾過水槽7内部に設置され、前記濾過水槽7内の洗浄水を水噴射ノズル6に送水ホース81を介して圧送する循環ポンプ8」と「脱水カゴ3内の水中没入位置(図1の実線位置)と脱水カゴ3外の引き上げ位置(図1の仮想線位置)との間を昇降する水噴射ノズル6」とを合わせて、本件補正発明の「前記副槽に貯留される洗浄液を、前記第1収容空間内に噴射する還流噴射部」に相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明とは、以下の一致点、相違点1ないし3を有している。
《一致点》
「洗浄液を貯留する第1収容空間が上方に開放して設けられる主槽と、
食材が収容され、複数の透孔が分散して形成されるとともに開口部を有する有底筒状の容器であって、前記主槽に収容される容器と、
前記主槽に隣接して配置され、洗浄液を貯留する第2収容空間が設けられる副槽と、
前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く導液部と、
前記副槽に貯留される洗浄液を、前記第1収容空間内に噴射する還流噴射部であって、
洗浄液の吸込み口と吐出し口とを有し、前記第2収容空間内の洗浄液を吸込み口から吸込んで吐出し口から吐出するポンプと、
前記ポンプの吐出し口から吐出される洗浄液を、前記主槽に収容された前記容器内で噴射する噴射ノズルとを備える還流噴射部と、を含む食材洗浄装置。」
《相違点1》
本件補正発明の容器は、主槽との間に5mm以上15mm以下の隙間が形成されるように、前記主槽に収容されるのに対し、引用発明の脱水カゴ3は、洗浄水槽2の内部に設けられるものの、洗浄水槽2との隙間については不明な点。
《相違点2》
本件補正発明は、主槽に洗浄液を供給する供給部を備えているのに対し、引用発明は、濾過水槽7に常に給水する給水口71を備えているものの、洗浄水槽2に洗浄液を供給する供給部を有しているか不明な点。
《相違点3》
本件補正発明の噴射ノズルは、前記容器の側壁と底部との間のコーナ部に向かって洗浄液を噴射するように配設されているのに対し、引用発明の水噴射ノズル6は、脱水カゴ3の周壁に沿う方向に噴射させており、脱水カゴ3の側壁と底部との間のコーナー部に向かって噴射させているかは不明な点。
上記相違点1について検討する。
刊行物2には、上記3(1)イ(イ)のとおり、食品洗浄装置において、水槽(6)が、籠容器(7)をそれほど余裕のない状態に収容でき、籠容器(7)よりも少し大きい程度である技術的事項が記載されている。
そして、引用発明においても、技術分野が共通する刊行物2に記載された技術的事項に倣って、洗浄水槽2が脱水カゴ3よりも少し大きい程度とすることは、当業者が適宜なしえることであり、当該洗浄水槽2と脱水カゴ3の大きさを具体的に規定するにあたり、「少し大きい程度」の具体的数値として5mm以上15mm以下の隙間とすることにも何ら困難性は認められない。
よって、相違点1に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び刊行物2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
上記相違点2について検討する。
刊行物3には、上記3(1)ウ(イ)のとおり、カット野菜や果物等の飲食物を洗浄する洗浄システム1において、水槽部21上方には、水槽部21に給水する給水管203と、低臭素酸次亜塩素酸ナトリウム水溶液101及び酢酸水溶液102 を注入する注入口101a,102aが配置される技術的事項が記載されている。
そして、引用発明においても、技術分野が共通する刊行物3に記載された技術的事項に倣って、洗浄水槽2に給水および洗浄用の薬剤を直接供給する構成とすることに何ら困難性は認められない。
よって、相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び刊行物3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
上記相違点3について検討する。
刊行物4には、上記3(1)エ(イ)のとおり、食材洗浄装置10において、噴射ノズル16から洗浄液は、矢符f0に示すように、噴射ノズル16から最も離間した容器20の側壁20aと底壁20bとの間に向かう方向に、詳細には噴射ノズル16から前記側壁20aと底壁20bとの間に向かって下方に傾斜する方向に延びる平面に沿って、扇形状に拡散して噴射される技術的事項が記載されている。
そして、刊行物1の段落【0032】に「水噴射ノズル6に形成した噴射孔群61から噴射された洗浄水は水噴射ノズル6を中心として多方向に放射状に噴出され、脱水カゴ3で反射する水流や渦状の水流等、多方向の水流が生じ、」と記載されているように、引用発明の水噴射ノズル6の噴射方向は、種々取りえるものであるところ、技術分野が共通する刊行物4に記載された技術的事項に倣って、脱水カゴ3の側壁と底部との間に向かう方向とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。
よって、相違点3に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び刊行物4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
本件補正発明の効果も、引用発明および刊行物2ないし4に記載された技術的事項から予測できる範囲内のものであって、格別顕著なものとはいえない。
審判請求人は、令和2年4月17日提出の審判請求書において、以下のとおり主張している。
「審査官殿は、『引用文献1において、水噴射ノズル6から噴射される洗浄水は脱水カゴ3の開口部を越えかつスクリーン開口部41を通過して回収樋22から濾過水槽7に導かれ、洗浄水槽2と脱水カゴ3との間の隙間から流出した洗浄水も回収樋22から濾過水槽7に導かれるものと認められる。』と指摘しておられる。
しかしながら、引用文献1は、外向きフランジ板40によって、洗浄水層2と脱水カゴ2との間の『隙間』が塞がれており、『洗浄水槽2と脱水カゴ3との間の隙間から流出』することはない。
引用文献1の段落0030には、『この際、上部洗浄筒4のフランジ板40で脱水カゴ3の上縁を上から押さえながらスプリング33に抗して脱水カゴ3を沈めていくと共に、このフランジ板40を洗浄水層のフランジ面20に載置させることで、洗浄水槽2の上面開口部に上部洗浄筒2を連続させる。これにより、食品が脱水カゴ3から流出して逃げるのを防止できる。』と記載されている。
このような段落0030の記載および図1~図4に示される構造からみて、『洗浄水槽2と脱水カゴ3との間の隙間』は、フランジ板40によって塞がれており、当該隙間から洗浄水を流出させることはできない。洗浄水が隙間から流出しないので、『隙間から流出した洗浄水が回収樋22から濾過水槽7に導かれる』こともない。したがって引用文献1には、本発明の『導液部』に相当する構成は、開示されていない。
これに対し、補正後の新請求項1に係る本発明は、引用文献1と同様に、容器内に噴射ノズルから洗浄液を噴射するが、この噴射によって生じた噴射流によって食材から遊離した異物を、本発明では、容器の外の隙間へ流出させ、この隙間から第2収容空間へ排出されるのに対し、引用文献1では、隙間がフランジ板に塞がれているため、容器内の異物は隙間へ流出せず、隙間から排出されることはない。
このような新請求項1に係る発明の特徴は、引用文献1に記載も示唆もされておらず、引用文献2~6にも記載も示唆もされていない。
したがって、新請求項1に係る発明は、引用文献1~6に係る発明とは異なる発明であり、引用文献1~6に基づいて新請求項1に係る発明に容易に想到することはないので、新請求項1に係る発明は、進歩性を有する。新請求項2~4は、新請求項1を引用するので、新請求項2~4に係る発明も進歩性を有する。」
しかしながら、本件補正発明の「導液部」は「前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く」と特定されていて、導液部が導く洗浄液が、隙間から流出したものであることを特定する構成は存在しない。また、本件補正発明において異物を隙間から排出する点も特定されていない。
よって、審判請求人の上記主張は、本件補正発明の構成に基づかない主張であって、これを採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願補正発明は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 むすび
以上のとおり、本件補正は特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、[補正却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成31年2月4日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成31年2月4日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(1)に記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定(および令和1年6月27日付け拒絶理由通知書の拒絶理由)の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし4に係る発明は、以下の引用文献1ないし6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2010-200658号公報(上記3(1)の刊行物1)
引用文献2:特開2007-189993号公報(上記3(1)の刊行物2)
引用文献3:特開2009-106184号公報(上記3(1)の刊行物3)
引用文献4:特開2008-72911号公報
引用文献5:特開2008-73102号公報
引用文献6:特開2005-58472号公報(上記3(1)の刊行物4)
3 引用文献
原査定の理由に引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記第2[理由]3(1)ア 刊行物1に記載したとおりである。
原査定の理由に引用された引用文献2および3の記載および技術的事項は、上記第2[理由]3(1)イ 刊行物2、およびウ 刊行物3に記載したとおりである。
また、原査定の理由に引用された引用文献6の記載および技術的事項は、上記第2[理由]3(1)エ 刊行物4に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、第2[理由]2において検討した本願補正発明から、「前記主槽に収容された前記容器内で噴射する」ものであることの限定を、「第1収容空間に噴射する」と、容器内で噴射する点を削除したもの相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含む本願補正発明が、上記第2[理由]3(2)、(3)に記載したとおり、引用発明及び刊行物2(原査定の引用文献2)、刊行物3(原査定の引用文献3)および刊行物4(原査定の引用文献6)に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
5 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
6 上申書の上申内容について
審判請求人は、令和2年8月21日提出の上申書において、以下のとおり特許請求の範囲の請求項1を補正することについて上申している(以下、「補正案」という。下線は、令和2年4月17日提出の手続補正書の特許請求の範囲に記載された請求項1から補正された箇所を示す。)。
「[請求項1]
洗浄液を貯留する第1収容空間が上方に開放して設けられる主槽と、
食材が収容され、複数の透孔が分散して形成され、断面がU字状の周壁と、その両端部を塞ぐ一対の側壁とを有する容器であって、前記主槽との間に5mm以上15mm以下の隙間が形成されるように、前記主槽に収容される容器と、
前記主槽に洗浄液を供給する供給部と、
前記主槽に隣接して配置され、洗浄液を貯留する第2収容空間が設けられる副槽と、
前記主槽の第1収容空間から溢れ出た洗浄液を、前記第2収容空間に導く導液部と、
前記副槽に貯留される洗浄液を、前記第1収容空間内に噴射する還流噴射部であって、
洗浄液の吸込み口と吐出し口とを有し、前記第2収容空間内の洗浄液を吸込み口から吸込んで吐出し口から吐出するポンプと、
前記ポンプの吐出し口から吐出される洗浄液を、前記主槽に収容された前記容器内に噴射する噴射ノズルとを備える還流噴射部と、を含み、
前記噴射ノズルは、前記容器の前記周壁の一方の壁部から他方の壁部に向かって水平に洗浄液を噴射するように配設されていることを特徴とする食材洗浄装置。」
そこで念のため、上記補正案の補正箇所について検討する。
「断面がU字状の周壁と、その両端部を塞ぐ一対の側壁とを有する容器」は、原査定で拒絶の理由で引用された引用文献5(特開2008-73102号公報)の図1および2に記載されている。
また、「噴射ノズルを、前記容器の前記周壁の一方の壁部から他方の壁部に向かって水平に洗浄液を噴射するように配設」することについて、引用発明と対比すると、上記引用発明の水噴射ノズル6が、引用文献1(刊行物1)の図3の記載からみて洗浄水槽2の周壁近くに配置され、図4の記載からみて他方の壁部に向かって水平に噴射していることから、引用発明が備えている構成である。
よって、上申書の補正案の請求項1に係る発明は、依然として進歩性を備えていないと認められるから、採用できない。
第4 むすび
前記第3のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-005235