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特許拒絶査定不服審判

2020-004124

救急システム

審判番号
2020-004124
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-017758外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年03月27日
審決日
2021年09月09日
公報発行日
2021年10月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (G06Q) / P18 .537-WY (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016- 17758「救急システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月10日出願公開、特開2017-138699、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年2月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和元年7月23日付け:拒絶理由通知 令和元年9月26日  :意見書、手続補正書の提出 令和2年2月10日付け:拒絶査定 令和2年3月27日  :審判請求書の提出 令和3年2月18日付け:拒絶理由通知 令和3年4月27日  :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の理由の概要 原査定(令和2年2月10日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1-6に係る発明は、以下の引用文献1-6に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2006-163817号公報 2.特開2013-41479号公報 3.特開2004-38881号公報 4.特開2009-224967号公報 5.国際公開第2011/016447号 6.特開2012-113629号公報 第3 当審拒絶理由の概要 当審の令和3年2月18日付け拒絶理由の概要は次のとおりである。 この出願は、特許請求の範囲の請求項1-6の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 第4 本願発明 本願請求項1-6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明6」という。)は、令和3年4月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲1-6に記載された事項により特定される発明であり、そのうち「本願発明1」は、以下のとおりの発明である。 【請求項1】 操作者が端末に対して入力する入力内容に基づいて対象者の搬送を要するかを判断する救急システムであって、 予め定められた複数の症状項目から1つ以上の症状項目を選択させる画面を表示させる第1表示制御手段と、 前記複数の症状項目それぞれに設定され、各症状項目が示す症状について、量を問う定量質問と、性質を問う定性質問と、時間を問う時間質問との3種の質問内容を記憶する第1記憶手段と、 前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段と、 前記第2表示制御手段により順次表示された画面にて入力された各症状項目の3種の質問内容に対する回答結果に応じて、症状毎の結果を判断する症状結果判断手段と、 前記症状結果判断手段により判断された症状毎の結果に基づいて、対象者の搬送を要するかを判断する搬送判断手段と、 を備えることを特徴とする救急システム。 なお、本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1の記載事項と引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2006-163817号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下、同様。)。 「【0007】 本発明は、問診情報を基に該当する疾病内容や緊急度を判定し、その時点における各病院の予約状況などをふまえた上で最も適切な病院を検索して予約を行い、必要に応じて救急車の手配を実行する機能を備えることにより、ユーザの手間を軽減するとともに適切な対処法を指示する病院予約システムと方法およびプログラムを提供することを目的とする。」 「【0015】 以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る病院予約システムおよびこれを実現する関連要素の概要を示す図である。図1を参照すると、ユーザ端末10と、センタサーバ20と、病院端末30と、救急センタ端末40とが通信ネットワーク100に接続されている。通信ネットワーク100は例えばインターネットである。 【0016】 ユーザ端末10は、ユーザに属する携帯電話機、PHS、パーソナルコンピュータ、PDAなどの電子機器であり、少なくとも表示画面と入力手段と通信機能とを具備する。図2に示すように、実施例においてユーザ端末10はデータ通信機能付の携帯電話機であり、これに体温、脈拍、血圧を測定できる検査装置12が接続されており、ユーザ端末10は検査装置12の検査データを取り込んでセンタサーバ20に送信する機能を有する。また、ユーザ端末10はGPS機能を有し、GPS衛星群110からの受信信号から自機の位置を算出し、画面に表示したりネットワーク100に送出することができる。これらの機能は公知であるため、その詳細な説明は省略する。検査装置12は必須のものではなく、ユーザが自分で計測した血圧等をユーザ端末10の入力手段を用いて入力する構成としてもよい。また、検査装置12は上記以外に、例えばユーザの体重、運動量、発汗量、酸素濃度、血糖値などの健康情報を取得する機能を備えていてもよく、またユーザ端末10は腕に取り付けるタイプのウェアラブルコンピュータや腕時計型通信装置であってもよい。 【0017】 センタサーバ20は、ワークステーションとインターネットサーバの機能を有する情報処理システムであり、問診票の必要項目の入力欄を設けたホームページ21をネットワーク100上に開設している。図1に示すように、センタサーバ20は記憶領域内に、問診票ページ21および動作プログラム22と、簡易自動診察を行うための疾病情報データベースと210と、各病院の患者受け入れ状況や予約情報を格納する病院予約情報データベース220と、ユーザ端末10からの入力データを格納する患者情報データベース230と、少なくとも各病院周辺の地図情報が格納された地図情報データベース240とを具えている。 【0018】 センタサーバ20が備える問診票ページ21の例を図3に示す。この問診票には、患者氏名、年齢、性別、体重、現在地などの基本項目の他、患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無などの症状入力/選択欄、体温、血圧、脈拍などの生体情報入力欄が設けられている。ユーザ端末10からセンタサーバ20にアクセスするとこの問診票が表示される。問診票ページ21は例えばHTML形式で、性別や意識の有無などは選択式に構築されている。また、現在地の欄に設けられたボタン13を選択入力すると、端末20のGPS機能が起動して現在地情報を取得し、現在地の入力欄に位置情報が貼付される。同様に、生体情報入力欄のボタン14を選択入力すると、検査装置12から取得された測定データが各項目に貼付される。この処理は、例えばHTML画面に埋め込んだJAVA(登録商標)アプレットで実現することができるが、ユーザ端末10に搭載されたプログラムが、センタサーバ20へのアクセスおよび現在地や測定データの貼付などを行うよう構成してもよい。また、各入力欄は住所や血圧等をユーザが直接入力する構成としてもよい。問診票の最下欄に設けられた実行ボタンを選択入力すると、各項目の入力情報がセンタサーバ20へ送信され、図4に示すような形式で患者情報データベース230に格納される。 【0019】 図5は、疾病情報データベース210の登録内容を示す図である。この疾病情報データベース210は医師など医学知識を有する者から情報を得て予め作成されるものであり、問診票の入力項目と照らし合わせることにより病名、緊急度、対処法などのコメントを自動的に導き出せるよう構成されている。すなわち、データベース210の各レコードには、問診票の入力項目に対応する各項目に特定の値または数値範囲が登録されており、これらの項目値に対応する病名、緊急度、対処法などのコメントが登録されている。病名等の導出は、センタサーバ20の動作プログラム22が疾病情報データベース210を参照して、受信された問診票のすべての項目内容が合致するレコードを抽出することにより行われる。図5を用いて具体例に説明すると、例えば患部が「頭」で、意識が「有」、顔色が「悪」、嘔吐が「有」・・・の場合に可能性のある病名として「くも膜下出血」、緊急度が「大」、科目が「脳神経外科」、コメントが「体を暖め、急な動作をしない。すぐに救急車を手配しますので、横になってお待ち下さい。」などのコメントが登録されている。疾病情報データベース210において、項目が「-」あるいは未登録の場合はユーザの入力値がいずれの数値であっても該当するものとして扱われる。また、同じ病名でも、例えば体温が39.5度以上であれば緊急度「大」、38~39.5度であれば緊急度「中」のように、条件に応じて複数のレコードが登録されていてもよい。 【0020】 病院端末30は、各病院に設置されたパーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理システムであり、少なくとも表示画面とキーボード等の入力手段とネットワーク送受信機能とを有する。各病院の担当者は予め当該病院における診察の可否や診察可能時刻などを病院端末30に入力し、センタサーバ20に送信する。このイメージを図6に示す。この情報は、センタサーバ20において病院予約情報データベース220に登録される。図7は、病院予約情報データベース220の登録内容を示す図である。センタサーバ20が受診した問診票データの内容から疾病内容および緊急度が導かれたら、必要に応じて病院の予約が行われる。各病院の予約は、例えば、センタサーバ20の動作プログラム22が病院予約情報データベース220を参照して、疾病の科目が合致する病院のうち診察が可能で患者位置の最も近くにある病院を選択し、当該病院に予約番号と問診票の入力内容(すなわち患者情報データベース220のレコード)と疾病内容(すなわち疾病情報データベース210のレコード)とを病院端末30に送信することにより行われる。病院端末30はこの予約依頼を自動受信して表示画面や印刷手段等に出力する。また病院端末30は、当該病院の診察予約を管理するスケジュールソフトを備えていてもよく、この場合はセンタサーバ20からの問い合わせに応じて予約の可否を返信したり、当該病院で直接受けた診察予約の情報をその都度センタサーバ20に送出し、センタサーバ20の病院予約情報データベース220が更新されるようにしてもよい。このようにすればセンタサーバ20側で各病院の予約状況を把握することが可能となりより具体的な診察予約を行うことができる。なお、緊急度が低い場合は病院に行かなくてもよい場合もあるため、病院の予約は例えば患者の疾病内容を特定した際その緊急度が「中」以上である場合にのみ行うようにしてもよい。 【0021】 救急センタ端末40は、救急車の出動を手配する救急センタに属する情報通信端末であり、センタサーバ20から救急車の出動依頼とともに出動先住所や患者の症状等の情報を受診する。この情報に基づいて、救急センタ端末40の自動処理あるいはオペレータの処理により、指定場所に最も早く行ける救急車の出動が消防署に依頼される。 【0022】 このように構成された病院予約システムの動作について、センタサーバ20の動作プログラム22の処理内容を中心に以下に説明する。図8は病院予約システムの動作を説明するためのフロー図である。ユーザが体調不良を感じたとき、まず図2のようにユーザ端末10に検査装置12を接続して生体情報を測定し、これがユーザ端末10に取り込まれる(ステップS1)。本実施例では血圧、脈拍、体温の測定を行うが、上述のように発汗量など他のデータを取得してもよく、また検査装置12によらずユーザが自分で測定してユーザ端末10に入力するようにしてもよい。次に、ユーザ端末10からセンタサーバ20のホームページに接続する(ステップS2)。ホームページの問診票21は図3のように表示され、ユーザはユーザ端末10の入力手段を用いて、氏名、年齢、性別、体重、その他症状に関する情報を入力する(ステップS3)。このとき、図3に示す現在地の検索ボタンを選択入力するとユーザ端末10のGPS機能が起動し、現在位置の情報を取得して入力欄に貼付される。また、測定データの貼付ボタンを選択入力すると、検査装置12の測定内容が該当する欄に貼付される。最後にユーザが実行ボタンを選択入力すると入力内容がセンタサーバ20へ送信される。 【0023】 一方、病院端末30では担当者がその病院の診察可否情報や診察可能時刻を入力し、センタサーバ20へ送信する(ステップS4)。この情報がセンタサーバ20の病院予約情報データベース220に登録される(ステップS5)。上述のように、病院端末30はその病院の予約状況をセンタサーバ20に定期的に送信して、病院予約情報データベース220が随時更新されるようにしてもよい。 【0024】 ユーザ端末10から問診票の入力情報を受信したセンタサーバ20は、受信データを患者情報データベース230に登録するとともに、疾病情報データベース210を参照して問診票の各項目内容が合致するレコードを検索して、該当レコードに登録されている病名、科目、緊急度、対処法コメントを抽出する(ステップS6)。次に、センタサーバ20は、疾病情報データベース210から抽出した内容に基づき病院予約情報データベース220を参照して、疾病の科目が合致する病院のうち診察が可能で患者位置の最も近くにある病院を選択し、当該病院に予約番号と問診票の入力内容(すなわち患者情報データベース220のレコード)と疾病内容(すなわち疾病情報データベース210のレコード)とを選択した病院端末30に送信する(ステップS7)。これを受けた病院端末30は指定された患者の予約処理を行う(ステップS8)。なお、ステップS7~S8の病院予約は、患者の緊急度が「中」以上の場合にのみ実行するようにしてもよい。 【0025】 次に、センタサーバ20は疾病情報データベース210から抽出した緊急度を参照して、緊急度が「大」の場合は、救急センタ端末40に対し救急車の出動依頼を送信する(ステップS9~S10)。この出動依頼には、患者の現在地、病名、電話番号、予約した病院名、病院所在地情報その他必要な情報が含まれるものとする。救急センタでは端末40の自動処理あるいはオペレータの処理により、適宜の消防署に通知がなされ救急車の出動が手配される(ステップS11~S13)。 【0026】 次に、センタサーバ20は回答情報を作成して、ユーザ端末10に返信し(ステップS14)、これがユーザ端末10の画面に表示される(ステップS15)。この回答情報の例を図9に示す。図9に示すように、回答情報には病院の予約が完了した旨と、病院予約情報データベース220に登録されている予約番号、予約日時、病院名等と、疾病情報データベース210から抽出された対処法等のコメントや緊急度などが含まれている。また、センタサーバ20は予約した病院名またはその所在地に基づいて地図情報データベース240から当該病院の周辺地図を抽出して回答情報に添付するとともに、回答情報画面の地図ボタン15を選択入力することによりこの地図が表示されるよう構成する。地図情報の表示例を図10に示す。地図ボタン15を選択入力すると、ユーザ端末10の表示画面に、予約された病院の周辺地図と、病院名、住所、電話番号等が表示される。また、回答情報画面にはキャンセルボタン16が設けられており、ユーザ端末10にてこのボタンが選択入力されるとセンタサーバ20に送信され、これを受けたセンタサーバ20は病院予約情報データベース220から予約情報を削除するとともに予約した病院端末30に予約キャンセルを通知する。」 以上の事項からみて、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 「ユーザに属するユーザ端末10、センタサーバ20、救急センタ端末40を含み、問診票の入力情報を基に該当する疾病内容や緊急度を判定し、必要に応じて救急車の手配を実行する機能を備える病院予約システムであって(【0007】、【0015】、【0024】)、 センタサーバ20は、 問診票ページ21、簡易自動診察を行うための疾病情報データベース210、ユーザ端末10からの入力データを格納する患者情報データベース230を記憶領域内に備え(【0017】)、 患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無などの症状入力/選択欄、体温、血圧、脈拍などの入力欄が設けられた問診票ページ21をユーザ端末10に表示し(【0018】)、 ユーザ端末10から、ユーザが問診票ページ21の問診票に入力した患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無、体温、血圧、脈拍の入力情報を受信すると、入力データを患者情報データベース230に格納するとともに、疾病情報データベース210を参照して問診票の各項目内容が合致するレコードを検索して、該当レコードに登録されている病名、科目、緊急度、対処法コメントを抽出し(【0016】~【0019】、【0024】)、 疾病情報データベース210から抽出した緊急度を参照して、緊急度が「大」の場合は、救急センタ端末40に対し救急車の出動依頼を送信する(【0021】、【0025】)、 病院予約システム。」 2 引用文献2の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された引用文献2(特開2013-41479号公報)には、以下の記載がある。 「【0010】 以下発明を実施するための形態について説明する。 図1は、本発明に係るトリアージシステム1および当該トリアージシステム1に関連した各手段の構成を表した構成図である。 トリアージシステム1は、電話の公衆回線網に接続されたCTI装置2とトリアージ判定支援装置3と、当該トリアージ判定支援装置3によって接続され管理される第1のデータベース4と、前記CTI装置2とトリアージ判定支援装置3に接続されたオペレーター端末5を有している。 また、インターネットIに接続されたセルフトリアージ判定支援装置6と、当該セルフトリアージ判定支援装置6に接続され管理される第2のデータベース7を有している。トリアージ判定支援装置3およびセルフトリアージ判定支援装置6は、CPU、記憶装置、入出力装置、ネットワークインターフェイス等の通常の手段を備えたコンピュータ装置である。また、インターネット、ネットワーク接続される各装置にはファイヤーウォールが設けられている。」 「【0012】 トリアージ判定支援装置3は、患者のバイタル、症状といった患者情報に基づいて救命に関する救急度を判定するプログラムを実行する装置である。本実施の形態に係るトリアージ判定支援装置3は、接続回線の一種であるVPNを用いて若しくは直接オペレーター端末5と接続しており、当該オペレーター端末5を介してトリアージ判定支援装置3に用意されている設問等の入力項目に対する情報入力や制御をするようになっている。なお、トリアージ判定支援装置3とオペレーター端末5は、一体の装置として構成しても差し支えがないものである。 VPN(V)とはVirtual Private Networkのことであり、主として既存のインターネット回線を利用して、機密性の高いネットワークを構築したシステムのことである。当該VPNを使用することにより、装置が離れた場所に設置されていても、セキュリティーを保ちつつ通信を行わせデータの送受信を可能としたものである。 【0013】 オペレーター端末5は、キーボード等の入出力装置、CPUその他の制御手段、オペレーター用プログラム、トリアージ判定支援装置3とのインターフェイスを備えた装置であり、さらに電話での音声通話を行うための通話手段、受信したFAXの表示や送受信を行う手段を備えたものである。 オペレーター端末5を起動すると、トリアージ判定支援装置3においてプログラム(Telephone-Triage-Webアプリ)が実行可能となる。当該プログラムは、オペレーターが行う電話での応答内容に基づいて入力や各種操作を行い、当該操作に基づいて所謂トリアージと言われる医療的な処置に関する緊急度を判定するものとなっている。なお、トリアージ判定支援装置3およびセルフトリアージ判定支援装置6は、緊急時の利用のみならず、通常時における利用者の健康を記録して管理したり、病名や薬、血液型、感染症、その他個人情報を管理する装置としても利用可能となっている。 【0014】 図2はオペレーター端末5として実行されるソフトウエア(Webアプリ)の概要を表した説明図である。オペレーター端末5を中心としたハードウエアの構成は前記図1に示した通りである。 緊急時を除く一般的な利用の場合、利用者(患者)の情報は、オペレーター端末5を介して予め患者情報としてデータベース4に記憶されている。利用者が、病気、怪我などで救急搬送を希望したいと考えた場合、あるいは救急搬送を依頼すべきかどうか迷う場合に、オペレーター端末5に対して電話またはFAXを行う。この電話またはFAXは、CTI装置2を介してオペレーター端末5に接続され、オペレーターを介してトリアージ判定支援装置3に症状や必要事項の入力処理が行われる。この際、CTI装置2から取得した電話番号に基づいてデータベース5から利用者の検査を行い、さらに利用者の会員番号や氏名等からデータベース5に登録されている利用者を特定する。 この利用者の特定を行った後、オペレーターがCTI装置2を介した電話でWebアプリの実行に基づいてトリアージ判定支援装置3から提供される設問に対して得られた回答を当該トリアージ判定支援装置3に入力し、入手可能であればバイタル情報を入力した後にトリアージ判定を行う。そして、得られた判定結果が、利用者(患者)に電話またはFAXで伝達される。トリアージの判定結果を受け取った利用者は、当該判定結果を参考にして、救急車による医療機関への搬送を依頼したり、救急車によらず翌日に診療を受ける等の対処をすることになる。また、緊急の場合に、オペレーターがオペレーター端末5を利用して医療機関での受け入れ可否の確認や、救急隊による患者の搬送を依頼する等の処置を行う。以上が、トリアージシステムの主な流れである。」 「【0020】 次いで、主訴一覧(II)タブによって選択された図9に示す画面上では、主訴選択(S8)が行われる。主訴選択は図10に示す主訴一覧タブ「全科」、「内科・耳鼻科・口腔外科」、「外科・眼科・皮膚科」、「産科・婦人科・泌尿器科」、「小児科」、「精神科・相談」から該当する主訴を選択し、当該タブの選択に応じて表示される項目の選択等を行うようになっている。各診療科目のタブを切り替えることにより、診療科目毎の主訴内容を表示できるようになっている。 【0021】 次いで、診断(III)タブによって選択された図11に示す画面上において、図12に示す症状入力(S9)、図13に示す生体情報入力・診断(S10)、図14に示す診断結果入力・存(S11)等の操作が行われる。 症状入力(S9)は、問診に沿って症状を入力する。生体情報入力・診断(S10)は、救急隊等から意識レベル、バイタルサイン等の生体情報を入手した場合にはこれらの情報を入力した後に「診断」を入力する。 診断結果入力・保存(S11)は、保存診断結果を入力し、診断情報を保存する。「システムによる診断」、「予想される疾患」はシステム診断により自動表示されるようになっており、診断ページにて、表示されている相談者情報が変更された場合、「保存」ボタン押下時に相談者情報も保存されるようになっている。」 「【図12】 」 上記記載からみて、引用文献2には、 「トリアージ支援システムに設けられたトリアージ判定支援装置3は、患者のバイタル、症状といった患者情報に基づいて救命に関する救急度を判定するプログラムを実行する装置であり(【0010】、【0013】)、 オペレーターの端末5を起動すると、トリアージ判定支援装置3のプログラムが実行可能となり(【0013】)、 次いで、主訴一覧タブによって選択された画面上で、主訴選択が行われ(【0020】)、 次いで、診断タブによって選択された画面上で、症状質問に対する「詳細主訴」、「部位」、「いつから」、「どんなとき」という問診、および、随伴症状質問に対する問診に沿って症状を入力する(【0021】、【図3】)」 という事項が記載されている。 3 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された引用文献3(特開2004-38881号公報)には、以下の記載がある。 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、緊急情報の受信に基づいて、警察車両や救急車、あるいは民間警備会社の緊急車両等の手配・搬送等の命令を処理する緊急通報システム及びその方法に関する。」 「【0016】 本発明の実施形態である緊急通報システムは、図1に示すように、ネットワーク網(TCP/IPネットワーク)Aを介して構成され、第1クライアント1と、第2クライアント2と、サーバ3と、を備えてなる。第1クライアント1及び第2クライアント2は、GPSシステム(G)により夫々、自己位置検出機能を備えている。 【0017】 図2は、第1クライアントの概略構成を示すブロック図である。 図2において、第1クライアント1は、静的なグローバルIPアドレスによりネットワークAへ参加可能な複数のクライアント(例えば、TCP/IPプロトコルによる通信可能な携帯電話、PHS端末やIPフォンなど)1a~1nであり、位置情報取得部11と、位置情報発信部12と、緊急情報発信部13と、指示情報受信部14と、を備えて構成される。 【0018】 位置情報取得部11は、GPSシステム(G)により当該第1クライアント1の現在位置情報を取得する。 位置情報発信部12は、緊急車両を要請する場合、該当する電話番号(110番など)を発呼するだけで、位置情報取得部11によって取得された位置情報を後述するサーバ3へ発信する。 【0019】 緊急情報発信部13は、後述するサーバ3へ緊急としてのステータス情報が送信可能に構成されており、この緊急ステータスは、上記した該当する電話番号(110番など)を発呼した時点で緊急情報として対応付けるステータスであり、直ちに該当するサーバ3へ発信する。 【0020】 指示情報受信部14は、後述するサーバ3から送信される情報、例えば、警察や消防署における初動が完了した旨の救急初動了解通知を受信し、その情報を液晶パネルなどの表示部へ表示するものである。この情報は、サーバ3にアクセスしてWebインタフェースで表示されるようになっている。 【0021】 図3は、第2クライアントの概略構成を示すブロック図である。 図3において、第2クライアント2は、静的なグローバルIPアドレスによりネットワークAへ参加可能な複数のクライアント2a~2nであり、固定型と移動型のものに分けられる。固定型の第2クライアント2aは、位置情報が不変である警察署や消防署等に設置される端末であり、移動型の第2クライアント2bは、位置情報が常に変動する第2警察車両や救急車等に搭載される端末である。この第2クライアント2は、位置情報取得部21と、位置情報発信部22と、指示情報受信部23と、を備えて構成される。 【0022】 位置情報取得部21は、GPSシステム(G)により当該第2クライアント2の現在位置情報を取得する。 【0023】 位置情報発信部22は、位置情報取得部21により取得した位置情報をサーバ3に対して発信する。この第2クライアント2の位置情報は、上述したように、緊急車両の出動施設の場合、予めサーバ3のデータベースに登録されており、パトロールカーや救急車等の緊急車両自体は、GPSシステム(G)より位置情報発信部22でリアルタイムにサーバ3へ発信され、逐一、時刻情報と共にデータベースへ登録されている。 【0024】 指示情報受信部23は、サーバ3からの緊急通報に関する指示情報(URLとして提供される)を受信し、ブラウザ上でサーバ3へアクセスすることにより全てWEbインタフェースで緊急通報の内容(位置情報、事件、事故、火災などの情報)を確認できる。」 「【0054】 <第2の動作例> 図9は、119番通報による救急車の出動を要請する動作例を示すフローチャートである。ここでの登録クライアントとは、図1に示す第1クライアント1に相当するものであり、通報者の携帯電話機、コンビニエンスストアやファミリーレストラン等に設置される端末装置、あるいは、予め本システムの利用登録を済ませている通報者の端末装置である。また、対応クライアントとは、図1に示す第2クライアント2に相当するものであり、救急車に搭載される端末装置(移動型)、または、消防署に設置される端末装置(固定型)である。 【0055】 まず、登録クライアントは、緊急事態(事故や急病)の発生に対して該当する電話番号(119番)に発信する(ステップS51)。この登録クライアントは、位置情報取得部によって現在の位置情報を取得し、緊急ステータスによって自動的に該当サーバ3へ位置情報及び緊急情報を通知する。 【0056】 位置情報及び緊急情報を受信したサーバ3は、初動告知処理として、登録クライアントからの位置情報と、事前にデータベースに登録されている対応クライアント(救急車や消防署)の現在位置とを比較して、登録クライアントの位置情報から最短距離に存在する救急車又は消防署を選定する。サーバ3は、上記選定された救急車又は消防署に対し、登録クライアントの位置情報と緊急情報とを通知する(ステップS52)。この通知は、例えば、サーバ3側で自動的に登録クライアントの位置情報と緊急情報とから構成されるWebページを作成する機能を設けておくことにより、救急車又は消防署(対応クライアント)へは当該WebページのURLを送信するとよい。 【0057】 対応クライアント(選定された救急車又は消防署)は、サーバ3からURLを受信すると(ステップS53)、オペレータによってブラウザ上で当該URLにより指定されるWebページ上で登録クライアント(通報者)の位置情報及び緊急情報を確認後、通知確認及び了解確認をサーバ3へ送信する。 【0058】 なお、対応クライアントは、初動の了解ができない場合、例えば、既に他の事故現場へ急行している、あるいは、既に患者を搬送中であるため、現場へ急行できないといった場合、オペレータの確認操作によってサーバ3に非了解通知を送信するようにする。 【0059】 サーバ3は、初動非了解の通知を受信した場合には、次に登録クライアントの現在位置から最短距離にいる対応クライアントを選定し、了解通知を受信するまで処理を繰り返す。(ステップS52、53、54)。なお、通報者の近隣に複数の対応クライアントが存在する場合には、全ての対応クライアントに対して同報配信するような構成とし、了解通知の最も早く送信された対応クライアントにより初動を開始するようにしてもよい。 【0060】 サーバ3は、対応クライアントから了解通知を受信すると、即座に登録クライアントに対して初動が完了した旨を示す了解通知を送信する(ステップS55)。登録クライアント(通報者)は、サーバ3から初動(救急車が現場に急行している)が完了した旨を通知されると、液晶パネルなどに表示し、緊急通報処理を終了する(ステップS56)。」 4 引用文献4の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された引用文献4(特開2009-224967号公報)には、以下の記載がある。 「【0014】 本発明は、AEDを必要とする場面に遭遇した場合、「119」ダイアルした際、携帯電話画面に最寄りのAED所在箇所までをナビする一方で、AED側では、所在をアピールするため、警報、発光などを発し、場所の特定を容易にする手段を提供し、短時間にAEDを入手し、人命救助を支援することを実現する。」 「【0042】 本実施形態によれば、AED必要に遭遇した場合、最も近いところにあるAED所在が知らされることで、通報者のAED入手を迅速にすることを可能とする。これによって、救命の手助けを実現する。 【0043】 また、通報者と、管理サーバを使用している管理人(センター受付担当者)との通話によって、短時間で通報者がAED所在情報を入手することが可能となる。」 「【0059】 119通報者は、指示に従い、入手したAED所在情報を元にAEDの所在へ向かう。AED所在情報の入手方法は、例として、地図情報の送信、文字による案内、音声による説明がある。 【0060】 AED側では、AED対応携帯電話へ呼び出しを受け、報知手段としての鳴動機23、発光機22を起動する(ステップS206)。この際、AEDは収納の仕方では、取り出しに手間を要する場合がある。ここで、AED対応携帯電話が呼び出された時、これと同時に、鳴動機23、および、発光機22の鳴動・光指示に併せて開錠、収納扉開放など、すぐ持ち出せる状態へ移行させる。」 5 引用文献5の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された引用文献5(国際公開第2011/016447号)には、以下の記載がある。 「[0001]  本発明は、通信端末から通信回線網を介して自動的に問診を行う自動問診システム、自動問診プログラム及び自動問診方法に関する。」 「[0029]  〔第1の実施形態〕 図1を参照して、本発明にかかる自動問診システムを説明する。自動問診システムのサーバ1は、通信回線網(本実施の形態では、インターネット網N)を介して、複数の通信端末(本実施の形態では3つの携帯電話m1~m3)と通信可能に接続されている。本実施の形態では、説明の便宜上、携帯電話を使用した例で説明しているが、通信端末はこれに限定されない。また、通信端末の数も3に限定されない。後述するように、サーバ1及び携帯端末m1~m3は、所定の病院の通信端末h、商品の販売及びサービスの受付をする店舗の通信端末sとも、インターネット網Nを介して通信可能に接続されている。 [0030]  本システムは、携帯電話m1~m3(以下総称して「携帯電話M」という)からインターネット網Nを介してサーバ1に問診要求の信号を送信すると、サーバ1から問診票が送信されて携帯電話Mに表示させ、この問診票に対する応答を入力することで、サーバ1から携帯電話Mに問診結果を表示させるものである。この問診結果には、前記病院や店舗に関する情報も含まれ、携帯電話Mと病院の通信端末h、店舗の通信端末sとのデータ通信も可能である。 [0031]  図2はサーバ1のブロック構成図である。なお、以下、第1の実施形態乃至第5の実施形態で説明するサーバ1の各機能は、CPU(図示せず)及びメモリ(図示せず)による制御、演算、加工等によって実行される。 [0032]  携帯電話Mからの問診要求をインターネット網Nを介して、サーバ1の送受信部101で受信し、問診票生成部102に問診票生成の要求がなされる。問診票生成部102では、まず、前記問診票生成の要求に対して、第1問診データ格納部103から問診データを読み出して、第1問診票me1(図3)が生成され、生成された第1問診票me1が、送受信部101からインターネット網Nを介して携帯電話Mに送信され、表示される。携帯電話Mから第1問診票me1に対する第1入力データが入力されると、この第1入力データをインターネット網Nを介して送受信部101で受信する。 [0033]  問診票生成部102では、受信した第1入力データに対応する第2問診データを第2問診データ格納部104から読み出し、第2問診票me2(図3)が生成され、生成された第2問診票me2が送受信部101からインターネット網Nを介して携帯電話Mに送信され、表示される。携帯電話Mから第2問診票me2に対する第2入力データが入力されると、この第2入力データをインターネット網Nを介して送受信部101で受信する。 [0034]  問診票生成部102では、受信した第2入力データに対応する第3問診データを第3問診データ格納部105から読み出し、第3問診票me3(図3)が生成され、生成された第3問診票me3が送受信部101からインターネット網Nを介して携帯電話Mに送信され、表示される。携帯電話Mから前記第3問診票me3に対する第3入力データが入力されると、この第3入力データをインターネット網Nを介して送受信部101で受信する。受信した第3入力データに対応する疾病名及び診療科目名を疾病名/診療科目名データ格納部107から読み出し、読み出された疾病名及び診療科目名に基づいて、問診結果生成部106で問診結果データが生成される。この問診結果データは送受信部101からインターネット網Nを介して携帯電話Mに送信され、表示される。 [0035]  図3は前記第1問診票me1、第2問診票me2及び第3問診票me3の表示例を示している。第1問診票me1は身体上の各部位又は上位の症状を画面上で選択できる形式に列挙したものである。即ち、最初に「具合の悪い部位/症状は?」という問いme11に対して、<部位>me12としては、頭、顔、胸、腹、背中、腰・尻、腕、足が列挙され、上位の<症状>me13としては、貧血、のぼせ、亜発熱、冷え性、吐き気、胸焼け、動悸・息切れ、消化・食欲異常、肥満・痩せすぎ、睡眠障害、疲れ・倦怠感、心の悩み、精神障害が列挙されている。そして、各部位、症状にラジオボタンrが付されているので、携帯電話Mの入力キーから、被問診対象者の具合の悪い部位、症状を一つ選択する。本実施の形態では、具合の悪い部位として「頭」が選択されているところを示している。 [0036]  第2問診票me2では、第1問診票me1で選択された部位で認められる症状又は前記上位の症状に対応する中位の症状が列挙される。本実施の形態では、第1問診票me1で選択された部位「頭」に対応する症状を列挙した問診票が生成される。即ち、冒頭に部位me21に「頭」と表示され、「症状は?」という問いme22に対して、この部位で認められる症状(頭痛、意識障害、めまい…筋肉の異常など)を画面上で選択できるように、各々ラジオボタンrが付された形式で列挙されている。そして、第1問診票me1同様、携帯電話Mの入力キーから、被問診対象者の具合の悪い部位の症状を一つ選択すればよい。本実施の形態では、症状として「頭痛」が選択されているところを示している。 [0037]  第3問診票me3では、第2問診票me2の各症状を程度別に細分化した下位の症状が列挙される。本実施の形態では、冒頭に部位の症状me31として第2入力データとして選択された「頭痛」が表示され、下位の症状me32として「急に頭を殴られるような頭痛があった」「ときどき発作的に頭痛が起こる」「ずーっと続く頭痛がある」「ここしばらく頭痛が強くなってきた」等の症状が表示されている。この第3問診票me3では、第1問診票me1及び第2問診票me2と異なり、複数回答が可能であるため、各症状にチェックボックスcが付されている。 [0038]  本発明では、図3に示すように、被問診対象者は、3階層の問診(質問)の中から自覚症状に当てはまるものを順次選択するだけの簡単な操作ができればよいので、携帯電話の操作に不慣れな老人や体調のすぐれない者にとって操作性がよく、高い利便性がある。さらに、この3階層の問診は、一般に医師が対面診療においても、初動で行う問診手順と同様である。従って、医師にとっても初動の問診の手間が省けるか、少なくとも軽減される。この3階層に体系化された問診によって得られる問診結果は、感度又は特異度が概ね90%~96%のレベルの内容であるが、これ以上の精度を上げるためには単一の検査では特定できないレベルとなるため、初動の問診には馴染まないレベルになってしまう。そこで、本発明では、問診の精度を必要以上に上げるよりも、上記被問診対象者の操作性及び利便性の向上と、医師の対面診療の迅速化並びに医療全般の効率化を図るために、問診内容を上記3階層に体系化した。 [0039]  図4は、上記第3問診票me3に対する第3入力データに基づいて、図2で説明した問診結果生成部106で生成され、携帯電話Mで表示される問診結果票rs1の表示例を示している。まず、冒頭欄rs11に、上記3階層の問診に対する各入力データの内容を表示している。即ち、「部位:頭、症状:頭痛、程度:急に頭を殴られるような頭痛があった、夜の決まった時間帯に起こる頭痛」という表示がなされる。次いで、この入力データから、判断される疾病名及び診療科目名が、図2で説明した疾病名/診療科目名データ格納部107から読み出され、これが表示される。本実施の形態では2つの原因欄rs12及びrs13が表示され、各原因欄には、疾病名rs121「△×症」、rs131「△△症」及び診療科目名rs122「○○○科」、rs132「□□□科」が表示されている。」 「[図2] 」 「[図3] 」 上記記載からみて、引用文献5には、 「サーバがインターネット網を介して複数の携帯電話と通信可能に接続されており、携帯電話からインターネット網を介して自動的に問診を行う自動問診システムであって([0029])、 前記サーバは、送受信部、問診票生成部、第1問診データ格納部、第2問診データ格納部、第3問診データ格納部、問診結果生成部、疾病名/診療科目名データ格納部からなり([図2])、 前記サーバでは、 携帯電話からの問診要求をインターネット網を介して送受信部で受信し、問診票生成部に問診票生成の要求がなされ、問診票生成部では前記問診票生成の要求に対して、第1問診データ格納部から問診データを読み出して、第1問診票が生成され、生成された第1問診票が送受信部からインターネット網を介して携帯電話送信され表示され、携帯電話から第1問診票に対する第1入力データが入力されると、この第1入力データをインターネット網を介して送受信部で受信し([0032])、 問診票生成部は、受信した第1入力データに対応する第2問診データを第2問診データ格納部から読み出し、第2問診票が生成され、生成された第2問診票が送受信部からインターネット網を介して携帯電話に送信され表示され、携帯電話から第2問診票に対する第2入力データが入力されると、この第2入力データをインターネット網を介して送受信部で受信し([0033])、 問診票生成部は、受信した第2入力データに対応する第3問診データを第3問診データ格納部から読み出し、第3問診票が生成され、生成された第3問診票が送受信部からインターネット網を介して携帯電話に送信され表示され、携帯電話から第3問診票に対する第3入力データが入力されると、この第3入力データをインターネット網を介して送受信部で受信し([0034])、 受信した第3入力データに対応する疾病名及び診療科目名を疾病名/診療科目名データ格納部から読み出し、読み出された疾病名及び診療科目名に基づいて、問診結果生成部で問診結果データが生成され([0034]、[0039])、 第1問診票は、身体上の各部位又は上位の症状を画面上で選択できる形式に列挙したものであり、各部位、症状にラジオボタンが付されており、携帯電話の入力キーから、被問診対象者の具合の悪い部位、症状を一つ選択し([0035])、 第2問診票は、第1問診票で選択された部位で認められる症状又は前記上位の症状に対応する中位の症状が列挙され、この部位で認められる症状を画面上で選択できるように、各々ラジオボタンが付された形式で列挙され、携帯電話の入力キーから、被問診対象者の具合の悪い部位の症状を一つ選択し([0036])、 第3問診票は、第2問診票の各症状を程度別に細分化した下位の症状が列挙されており、部位の症状:頭痛に対して、「急に頭を殴られるような頭痛があった」「時々発作的に頭痛が起こる」「ずーっと続く頭痛がある」「ここしばらく頭痛が強くなってきた」「片側の頭がずきずきと痛む頭痛がある」「頭全体がしめつけられるように痛む」「夜の決まった時間帯に起こる頭痛」「朝方に一番強い頭痛がある」「頭痛がある時に何かキラキラする」「首が左右には回せるが前には倒し難い」という症状に対して複数回答が可能であるため、各症状にチェックボックスが付されており([0037]、[図3])、 被問診対象者は、3階層の問診(質問)の中から自覚症状に当てはまるものを順次選択する([0038])、 自動問診システム。」 が記載されているといえる。 6 引用文献6の記載事項 原査定の拒絶理由で引用された引用文献6(特開2012-113629号公報)には、以下の記載がある。 「【0001】 本発明の実施形態は、受付システムに関する。」 「【0008】 受付端末1は、例えば受付カウンタなどに設置され、診察を希望する患者H1が操作する情報端末である。具体的には、受付端末1は、表示部10、操作部11、読取部12、制御部13、通信部14を備える構成である。」 「【0023】 図2は、問診情報を表示した表示画面G1を示す概念図である。問診情報配信部222による問診情報の配信を受けて、受付端末1の表示部10には、図2に示すような表示画面G1が表示されることとなる。図2の例は、受付端末1で内科が選択された場合の問診情報を表示画面G1に表示している。患者H1は、表示画面G1を確認しながら、患者H1への問い合わせ事項の回答を操作部11より行う。」 「【図2】 」 上記記載からみて、引用文献6には、 「診察を希望する患者が操作する受付端末には、「Q1現在の症状は?」、「Q2症状が始まったのは何時からですか?」、「Q3どのような頭痛ですか?」という問診情報が表示される受付システム。」 が記載されているといえる。 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「ユーザ」、「ユーザ端末10」は、それぞれ、本願発明1の「操作者」、「端末」に相当する。また、引用発明において、ユーザがユーザ端末10に対して入力する「問診票の入力情報」は、本願発明1の端末に対して入力する「入力内容」に相当する。そして、引用発明の「問診票の入力情報を基に緊急度を判定し、必要に応じて救急車の手配を実行する」ことは、問診票の入力情報を基に必要に応じて、ユーザを救急車で病院に搬送するか否かを判定し、必要があると判定された場合に、救急車を手配することであるから、本願発明1における「入力内容に基づいて対象者の搬送を要するかを判断する」ことに相当する。 イ 引用発明の「問診票ページ21」は、センタサーバ2の記憶領域内に備えられているものであるから、その内容は「予め定められた」ものといえる。そして、引用発明の問診票ページ21の内容である「患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無」および「体温、血圧、脈拍など」は、本願発明1の「複数の症状項目」に相当し、引用発明の「問診票ページ21」は、「患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無」および「体温、血圧、脈拍など」をユーザに選択させるものである点で、本願発明1の「予め定められた複数の症状項目から1つ以上の症状項目を選択させる画面」に相当する。そして、引用発明の「センタサーバ20」は、問診票ページ21をユーザ端末10に表示しており、「表示させる」手段を有するものといえる。よって、引用発明の「センタサーバ20」の当該「表示させる」手段は、本願発明1の「第1表示制御手段」に相当する。 ウ 引用発明の問診票ページ21における「患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無、体温、血圧、脈拍」の各項目について、患部、症状、意識の有無、顔色の良し悪し、苦しみの有無では、ユーザの定性的な様子、体温、血圧、脈拍では、数値等の定量的な値の入力が求められる点で、これらは質問内容といえ、この定性的な様子や数値等の定量的な値の入力を求める質問内容は、本願発明1の「複数の症状項目にそれぞれ設定され、各症状項目が示す症状について、量を問う定量質問と、性質を問う定性質問」との「質問内容」に相当する。そして、引用発明の「センタサーバ20」は、問診票ページ21を記憶領域内に備える点で「記憶する」手段を有するものといえる。よって、引用発明の「センタサーバ20」における当該「記憶する」手段は、本願発明1の「第1記憶手段」に相当する。 エ 引用発明の患者情報データベース230に格納される「入力データ」は、問診票ページ21という入力画面に対してユーザが入力する情報に基づくデータであるから、問診票ページ21は順次表された画面ではないものの、本願発明1の「第2表示制御手段により順次表示された画面にて入力された各症状項目の3種の質問内容に対する回答結果」と、「入力画面にて入力された症状項目の質問内容に対する回答結果」という点で共通する。そして、引用発明のセンタサーバ20は、入力画面にて入力された症状項目の質問内容に対する回答結果と合致するレコードから病名、科目、緊急度、対処法コメントを抽出することから、回答結果に応じて「症状の結果を抽出する」手段を有するものといえる。よって、引用発明の「センタサーバ20」の当該「症状の結果を抽出する」手段は、本願発明1の「症状毎の結果を判断する症状結果判断手段」と、「症状の結果を取得する症状結果取得手段」という点で共通する。 オ 引用発明のセンタサーバ20は、症状の結果を取得する症状結果取得手段が抽出した緊急度を参照して、緊急度が「大」の場合は、救急センタ端末40に対し救急車の出動依頼を送信していることから、緊急度を参照して、救急車の出動依頼を「判断する」手段を有するものといえる。よって、引用発明の「センタサーバ20」の当該「判断する」手段は、本願発明1の「症状結果判断手段により判断された症状毎の結果に基づいて、対象者の搬送を要するかを判断する搬送判断手段」と、「症状結果取得手段により取得された結果に基づいて、対象者の搬送の必要性を判断する手段」で共通する。 カ 上記アないしオより、引用発明の「病院予約システム」は、本願発明1の「救急システム」といえる。 上記アないしカより、本願発明1と引用発明とは、以下の一致点で一致し、また相違点1ないし相違点4で相違する。 (一致点) 「操作者が端末に対して入力する入力内容に基づいて対象者の搬送を要するかを判断する救急システムであって、 予め定められた複数の症状項目から1つ以上の症状項目を選択させる画面を表示させる第1表示制御手段と、 前記複数の症状項目それぞれに設定され、症状項目が示す症状について、量を問う定量質問と、性質を問う定性質問との質問内容を記憶する第1記憶手段と、 入力画面にて入力された症状項目の質問内容に対する回答結果に応じて、症状の結果を取得する症状結果取得手段と、 症状結果取得手段により取得された結果に基づいて、対象者の搬送の必要性を判断する手段と、 を備える救急システム。」 (相違点1) 「第1記憶手段」が記憶する「質問内容」が、本願発明1では「量を問う定量質問と、性質を問う定性質問と、時間を問う時間質問との3種の質問内容」であるのに対し、引用発明では、質問内容に、時間を問う時間質問が含まれているか不明である点。 (相違点2) 本願発明1は「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」を備え、第2表示制御手段で順次表示される画面が「入力画面」であるのに対し、引用発明は、そのような特定事項を有しておらず、問診票ページ21が入力画面である点。 (相違点3) 「入力画面にて入力された症状項目の質問内容に対する回答結果」に応じて「症状の結果を取得する症状結果取得手段」が、本願発明1では「第2表示制御手段により順次表示された画面にて入力された各症状項目の3種の質問内容に対する回答結果」に応じて「症状毎の結果を判断する症状結果判断手段」であるのに対し、引用発明は、「入力データ」に応じて「症状の結果を抽出する手段」である点。 (相違点4) 「症状結果取得手段により取得された結果に基づいて、対象者の搬送の必要性を判断する手段」が、本願発明1では「症状結果判断手段により判断された症状毎の結果に基づいて、対象者の搬送を要するかを判断する搬送判断手段」であるのに対し、引用発明は、「症状の結果を抽出する手段が抽出した緊急度を参照して、救急車の出動依頼を判断する手段」である点。 (2)判断 事案に鑑みて、相違点2について検討する。 引用文献2には、主訴一覧タブによって選択された画面上で、主訴選択が行われ、次いで、診断タブによって選択された画面上で症状質問に対する「詳細主訴」、「部位」、「いつから」、「どんなとき」という問診、および、随伴症状質問に対する問診に沿って症状を入力することが記載されているものの、選択された症状項目に設定された定量質問、定性質問及び時間質問の3種の質問内容を、「症状項目毎に順次画面表示させる」ことは記載されていない。 引用文献5には、第1問診票において、身体上の各部位又は上位の症状から、被問診対象者の具合の悪い部位の症状を一つ選択し、第2問診票において、第1問診票で選択された部位で認められる症状又は前記上位の症状に対応する中位の症状から、被問診対象者の具合の悪い部位の症状を一つ選択し、第3問診票において、第2問診票の各症状を程度別に細分化した下位の症状が列挙されており、部位の症状:頭痛に関して、「急に頭を殴られるような頭痛があった」「時々発作的に頭痛が起こる」「ずーっと続く頭痛がある」「ここしばらく頭痛が強くなってきた」「片側の頭がずきずきと痛む頭痛がある」「頭全体がしめつけられるように痛む」「夜の決まった時間帯に起こる頭痛」「朝方に一番強い頭痛がある」「頭痛がある時に何かキラキラする」「首が左右には回せるが前には倒し難い」という症状から複数回答が可能とされ、被問診対象者は、「3階層の問診の中から自覚症状に当てはまるものを順次選択する」として、問診では「急に頭を殴られるような頭痛があった」「ここしばらく頭痛が強くなってきた」「片側の頭がずきずきと痛む頭痛がある」「頭全体がしめつけられるように痛む」という定量質問、「頭痛がある時に何かキラキラする」「首が左右には回せるが前には倒し難い」という定性質問、「時々発作的に頭痛が起こる」「ずーっと続く頭痛がある」「夜の決まった時間帯に起こる頭痛」「朝方に一番強い頭痛がある」という時間質問の3種の質問内容が表示されることが記載されているものの、選択された症状項目に設定された定量質問、定性質問及び時間質問の3種の質問内容を、「症状項目毎に順次画面表示させる」ことは記載されていない。 引用文献6には、「Q1現在の症状は?」、「Q2症状が始まったのは何時からですか?」、「Q3どのような頭痛ですか?」という問診情報が表示されることは記載されているものの、選択された症状項目に設定された定量質問、定性質問及び時間質問の3種の質問内容を、「症状項目毎に順次画面表示させる」ことは記載されていない。 引用文献3、4にも、「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」は、記載も示唆もされていない。 すると、引用発明に、引用文献2-6に記載された事項を組み合わせたとしても、上記相違点2に係る「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」という本願発明1の構成については導き出せない。 これに対して、本願発明1は、上記相違点2に係る「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」を有することにより、選択していた全ての症状項目について、質問内容及び選択肢を表示し、順次症状項目について質問内容及び選択肢を表示させ、症状の結果をより正確に判断できることから、対象者の状態に応じて対象者の搬送を要するかをより適切に判断することとなり、対象者の搬送の必要性についてより的確に判断することができるという効果を奏するものである(【0074】、【0132】を参照)。 よって、上記相違点2に係る「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」を有する本願発明1について、引用発明と引用文献2-6に記載された事項とに基づいて当業者が容易になしえたものということはできない。 そして、本願発明1は、相違点2の構成を有することで、対象者の搬送の必要性についてより的確に判断することができるという特有の効果を奏するものである。 (3)まとめ したがって、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明と引用文献2ないし6に記載された事項とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本願発明2-6について 本願発明2-6は、本願発明1を減縮した発明であって、上記1(1)の相違点2に係る「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」を備えるから、上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2-6に記載された事項とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 原査定について 令和3年4月27日にされた手続補正により、本願発明1-6は「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」を有するものとなっており、本願発明1-6は、拒絶査定において引用された引用文献1-6に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第8 当審拒絶理由について 令和3年2月18日付け拒絶理由通知において、請求項1の記載は明確でないという拒絶の理由を通知したところ、令和3年4月27日にされた手続補正により請求項1の記載が「前記第1表示制御手段により表示された画面において選択された症状項目に設定された前記定量質問、前記定性質問及び前記時間質問の3種の質問内容を、前記第1記憶手段から読み出して症状項目毎に順次画面表示させる第2表示制御手段」と補正された結果、拒絶の理由は解消した。 第9 むすび 以上のとおり、本願発明1-6は、引用発明および引用文献2ないし6に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由、および、当審の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-004124

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