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特許拒絶査定不服審判

2020-002842

医用画像表示装置

審判番号
2020-002842
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-173856外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年03月02日
審決日
2020年10月09日
公報発行日
2020年11月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-173856「医用画像表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 3月 9日出願公開、特開2017- 47009、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

目次 ▾ 19項目
【理 由】

第1 手続の経緯

本願は、平成27年9月3日の出願であって、令和元年6月19日付けで拒絶理由が通知され、同年8月23日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月28日付けで拒絶査定(原査定)がされたところ、これに対し、令和2年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(令和元年11月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし8に係る発明は、以下の引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧

1.国際公開第2014/141968号

2.特表2009-508567号公報

3.特開2011-206168号公報(周知技術を示す文献)

4.特開2003-93326号公報(周知技術を示す文献)

5.米国特許出願公開第2009/0131746号明細書(周知技術を示す文献)

なお、引用文献3ないし5は、請求項6及び7に対して、周知技術を示す文献として引用されたものである。

第3 本願発明

本願の請求項1ないし8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明8」という。)は、令和2年3月2日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
予め設定された座標系における所定時間ごとの内視鏡の先端の位置情報及び角度情報を取得する内視鏡情報取得部と、
前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカを複数連ねて配列させた先端マーカ配列画像を生成する配列画像生成部と、
前記先端マーカ配列画像を表示部に表示させる表示制御部と、
前記内視鏡で撮影された画像を当該画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報とともに取得する画像取得部と、
組合せ画像生成部と、
を有し、
前記先端マーカの形状は、前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の前記角度情報に基づいて、前記先端マーカの軸が前記内視鏡の先端の方向に平行になるように生成され、
前記組合せ画像生成部は、前記座標系において前記内視鏡の先端が移動した軌跡を示す画像である前記先端マーカ配列画像の周囲に前記画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報に基づいて前記画像を配置した組合せ画像を生成することを特徴とする医用画像表示装置。」

なお、本願発明2ないし8は、本願発明1を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等

1 引用文献1について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審において付加した。引用文献の記載において以下同様。)。

(引1-ア)「技術分野

[0001] 本発明は被検体内を撮像手段で撮像する内視鏡システムに関する。

背景技術

[0002] 近年、体腔内等に挿入可能な挿入部を有する内視鏡は医療分野などにおいて広く用いられるようになっている。

一方、体腔内における気管支のように複雑に分岐した管腔臓器内に挿入して管腔臓器の末端側の目標部位(の患部組織)を検査、又は処置具による生検や処置を行うような場合においては、挿入した際に得られる内視鏡画像のみでは、目標部位付近まで挿入部先端を導入することが困難な場合がある。

このため、目標部位付近まで内視鏡の挿入部先端を導入する作業を支援するための表示等を行うシステム又は装置が提案されている。

例えば、第1の従来例としての日本国特開2002-200030号公報においては、末端の気管支を造影して3次元画像を取得することが困難となる状況であったため、気管支の3次元画像データの座標系と、挿入部先端の位置との位置合わせした後、挿入部先端の位置を順次記憶し、挿入部先端の位置の軌跡を基に、気管支の3次元画像データ上に軌跡画像を合成するマップ画像合成手段を備えた装置が開示されている。

[0003] また、第2の従来例としての日本国特開2004-89483号公報においては、目標とする患部位置に至る気管支の経路の径が予め分からないため、最適な径の気管支内視鏡を選択するにあたり、気管支の3次元画像において挿入ルートを設定し、設定した挿入ルートの所定の位置における気管支の内径を算出し、算出した気管支の内径と気管支内視鏡の挿入径から挿入限界位置を算出する装置が開示されている。

また、第3の従来例としての日本国特開2009-56238号公報においては、内視鏡により得られる観察画像としての内視鏡画像と、気管支の3次元領域の画像データに基づいて生成される仮想内視鏡画像との画像マッチングの精度を向上するために、仮想内視鏡画像や仮想内視鏡模式図画像等を内視鏡画像に重畳して表示する画像合成手段と、画像の向きを一致させる画像補正手段とが開示されている。

[0004] しかしながら、上述した第1の従来例から第3の従来例に開示された内容では、内視鏡の撮像手段により取得された内視鏡画像と、気管支の3次元画像データに基づいて生成される仮想内視鏡画像との画像比較により、内視鏡挿入部の先端の位置推定を行うことが困難であった。

より具体的に説明すると、内視鏡挿入部の先端の3次元位置は、仮想内視鏡画像を生成する際に用いられるCT座標系と位置合わせした後、CT座標系又はCT座標系に対応づけた座標系により管理される。しかし、内視鏡挿入部を気管支等の管腔臓器内に挿入する操作を行っている最中において、外乱等によって内視鏡挿入部の先端の3次元位置がCT座標系による3次元位置からずれてしまう場合がしばしば発生する。このような場合には、内視鏡挿入部の先端を、気管支におけるカリーナ等の既知の基準位置に設定して再度の位置合わせ(再位置合わせ)を行うことが必要になる。

[0005] このように位置合わせを行う場合には、内視鏡挿入部の先端をカリーナ等の基準位置に戻すことが必要となってしまうため、カリーナよりも深部側に挿入した操作が無駄になってしまう。このため、内視鏡挿入部の先端を挿入した位置かその位置付近において位置合わせを行うための候補情報を提示すると、挿入の操作の無駄が少なく、円滑な挿入の操作を続行し易くなる。

このためには、挿入の操作の最中等において、前もって再度の位置合わせの提示を行うのに適した候補情報を取得しておき、提示の指示がされた際には少なくとも指示がされた位置に到達するまでに取得した位置の候補情報としての候補位置情報と、当該候補位置情報に対応する仮想内視鏡画像とを気管支の3次元又は2次元断層画像上に候補情報として提示することが望まれる。

しかしながら、上記従来例は、このような提示の内容を開示していない。

本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、内視鏡画像と仮想内視鏡画像とをそれぞれ生成した両位置のずれが発生したような場合においての再度の位置合わせに適した候補情報を提示することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。」

(引1-イ)「[0008] 以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。

(第1の実施形態)

図1に示すように本発明の第1の実施形態の内視鏡システム1は、検査対象となる被検体としての患者における所定の管腔臓器としての気管支2(図2A)内に挿入される内視鏡3を備えた内視鏡装置4と、この内視鏡装置4と共に使用され、内視鏡3の挿入支援を行うための挿入支援装置5と、から主に構成される。

内視鏡装置4は、内視鏡3と、この内視鏡3に照明光を供給する光源装置6と、内視鏡3に搭載された撮像手段を構成する撮像素子7に対する信号処理を行う信号処理装置としてのカメラコントロールユニット(CCUと略記)8と、CCU8により生成された内視鏡画像を表示するモニタ9と、を有する。

[0009] 内視鏡3は、可撓性を有する細長の挿入部(又は内視鏡挿入部)11と、この挿入部11の後端に設けられた操作部12とを有し、挿入部11の先端部13には照明窓と観察窓とが設けられる。挿入部11,操作部12内には照明光を伝達するライトガイド14が挿通され、このライトガイド14の入射端は光源装置6に接続され、光源装置6内の図示しない光源ランプ又はLEDにより発生した照明光が入射端に入射される。このライトガイド14により伝達された照明光は、照明窓に取り付けられた出射端(先端面)から前方に出射される。

また、観察窓には、被写体を結像する対物光学系を形成する対物レンズ15が取り付けられ、その結像位置にCCD等の撮像素子7が配置され、対物レンズ15と撮像素子7とにより、挿入部11が挿入される所定の管腔臓器としての気管支2内を撮像する撮像手段(又は撮像部)としての撮像装置16が形成される。

[0010] 撮像素子7は、挿入部11,操作部12内を挿通された信号線を介してCCU8に接続される。CCU8は、その内部の図示しない画像信号生成回路により撮像素子7の撮像面に結像された光学像に対応する撮像画像の画像信号を生成し、この画像信号をモニタ9に出力する。モニタ9は、画像信号の画像(動画像)を、内視鏡画像(撮像画像とも言う)として表示する。

なお、内視鏡3の挿入部11には、先端部13の後端に湾曲自在の湾曲部19が設けてあり、術者は操作部12に設けた湾曲操作ノブ20を回転する操作を行うことにより、湾曲部19を上下、左右の任意の方向に湾曲することができる。

上記挿入支援装置5は、内視鏡3による検査が行われる患者に対して、公知のCT(Computed Tomography)で生成された患者の3次元画像情報としてのCTデータを、DVD、ブルーレイディスク、フラッシュメモリ等の可搬型の記憶媒体を介して取り込むCTデータ取込部21と、このCTデータ取込部21によって取り込まれたCTデータを記憶するCT画像データ記憶部22とを有する。

[0011] なお、CT画像データ記憶部22は、CTで生成された(被検体としての患者の3次元画像情報としての)CTデータを通信回線、インタネット等を経由して記憶しても良い。このCT画像データ記憶部22は、ハードディスク装置や、フラッシュメモリ、DVD等により構成することができる。

また、画像記憶手段を構成するCT画像データ記憶部22は、CTデータより画像データを分離したCT画像データと、CTデータより位置情報を分離した該CT画像データに対応する第1の座標系を用いた3次元の位置データとを対応付けた対応付け画像情報として記憶する対応付け画像情報記憶部22aを有する。

また、挿入支援装置5は、CT画像データ記憶部22のCT画像データから所定の管腔臓器としての気管支2の3次元画像データを抽出する管腔臓器抽出手段としての管腔臓器抽出回路、中央演算処理装置(CPUと略記)等からなる気管支抽出部23を有する。

[0012] この気管支抽出部23は、抽出した気管支2の3次元データ(より具体的には3次元のボリュームデータ)から、気管支2の中空形状を表す3次元形状の情報(形状データ)と、3次元形状の画像情報(画像データ)を生成する。つまり、気管支抽出部23は、抽出した気管支2の3次元データから中空の3次元形状の気管支形状の画像としての気管支形状画像を生成する気管支形状画像生成手段としての気管支形状画像生成部23aを有する。

また、この気管支抽出部23は、気管支2の3次元データを抽出する際、3次元データに対応する第1の座標系(又はCT座標系)での3次元の位置データと対応付けて抽出する。そして、この気管支抽出部23は、気管支2の3次元形状のデータ(つまり気管支形状データ)と3次元の位置データとを対応付けした対応付け情報を記憶するメモリなどからなる対応付け情報記憶部23bを有する。

[0013] また、挿入支援装置5は、内視鏡3における挿入部11の先端部13に設けた撮像装置16の撮像により生成される内視鏡画像に対応する仮想的な内視鏡画像としての仮想内視鏡画像(VBS画像と言う)を生成する仮想内視鏡画像生成手段としてのVBS画像生成部24を有する。

VBS画像生成部24には、内視鏡3の撮像装置16に関する結像系の特性情報(対物レンズ15の焦点距離、撮像素子7の画素数、画素サイズ等)が、例えば入力装置31から入力される。

VBS画像生成部24は、実際に気管支2内に挿入された内視鏡3の撮像装置16の位置(挿入部11の先端の位置とも言える)の情報と、撮像装置16による気管支2内の被写体を結像する特性情報と、前記気管支形状データに基づいて、前記位置を視点位置として気管支2内を内視鏡的に撮像した内視鏡画像を仮想的に描画するVBS画像を生成する画像生成回路、CPU等により構成される。

[0014] また、挿入支援装置5は、CCU8から入力される内視鏡画像と、VBS画像生成部24のVBS画像との位置合わせを画像マッチングで行うCPU、画像処理回路等により構成される画像処理部25と、画像処理部25等の制御を行う制御手段としてのCPU等により構成される制御部26と、制御部26の制御下で挿入支援するための提示用候補情報等を記憶する記憶手段としてのメモリ等により構成される記憶部27とを有する。

また、挿入支援装置5は、CT画像データ記憶部22に記憶されたCT画像データに基づき多断面再構築画像としてのCT断層画像(MPR画像という)を生成するMPR画像生成部28と、MPR画像生成部28が生成したMPR画像を有する挿入経路の設定画面としての経路設定画面を生成し、内視鏡3の気管支2内の目標部位側へ挿入する際の経路を設定するマウス等のポインティングデバイス等の経路設定部29とを有する。

[0015] そして、例えばCT画像データから図2A又は図10A等に示すように目標部位36を指定した場合、経路設定部29はCT画像データと気管支形状画像2aとから気管支2における(挿入部11の)挿入開始位置から目標部位36近傍となる目標位置までの経路データを生成する経路データ生成回路等の経路データ生成部29aの機能を有する。例えば、図10A等においては、Rにより目標部位36近傍となる目標位置までの経路を示している。

また、内視鏡システム1は、経路設定部29に対して設定情報を入力するキーボードやポインティングデバイス等からなる入力装置31を有する。また、術者は、この入力装置31から画像処理部25に対して、画像処理を行う際のパラメータや、データを入力したり、制御部26に対して制御動作を選択、指示することができる。

[0016] また、術者が経路設定を行った場合、経路設定部29は設定された経路の情報をVBS画像生成部24、MPR画像生成部28、制御部26に送る。VBS画像生成部24及びMPR画像生成部28は、それぞれ経路に沿ったVBS画像、MPR画像を生成し、制御部26は経路に沿って各部の動作の制御を行う。

上記画像処理部25には、CCU8により生成された内視鏡画像と、VBS画像生成部24により生成されたVBS画像とが入力される。また、気管支形状画像生成部23aにより生成された気管支形状画像も、画像処理部25に入力される。

本実施形態においては、撮像装置16が配置された挿入部11の先端部13に、挿入部11の先端の位置を検出するセンサを搭載していないため、画像処理部25による位置合わせ処理部25aにおける画像マッチングによって挿入部11の先端の3次元位置を推定(又は算出)する。

[0017] あらかじめ、気管支2の入口やカリーナK(図2A参照)等、気管支形状画像2aからCT座標系により特定できる3次元位置(既知となる位置)又はその近傍位置を動画マッチングの開始位置として設定しておくと、その位置情報を基にVBS画像生成部はVBS画像を生成する。

そして、術者は内視鏡画像がVBS画像と同じように見えるように挿入部11の先端を挿入する。このような位置合わせを行うことにより、画像処理部25の位置合わせ処理部25aは、内視鏡画像とVBS画像とが設定された条件(所定の精度を確保できる誤差以内)で一致するように画像マッチングを開始する。このような処理を行うことにより、位置合わせ処理部25aは、挿入部11の先端の位置を推定により検出又は算出する位置推定部25bの機能を有する。

後述する図5に示す変形例のように先端部13に位置検出の位置センサ41を設け、該位置センサ41を用いて挿入部11の先端の3次元位置を検出(推定)する位置推定部42bを構成しても良い。なお、本明細書においては、挿入部11の先端は、内視鏡3の先端と同じ意味で用いる。

[0018] また、画像処理部25は、制御部26における表示を制御する表示制御部26a等の制御の下で、モニタ32に表示する画像を生成する。

表示制御部26aの制御下で、画像処理部25は、通常は、気管支形状画像生成部23aにより生成された気管支形状画像2aの画像信号(映像信号)をモニタ32に出力し、モニタ32には図2Aに示すように気管支形状画像2aが例えば(主要な)管腔の中心を通る方向に沿った断面で切り出した2次元断層画像として表示される。なお、2次元断層画像で表示する場合に限定されるものでなく、3次元画像で表示しても良い。3次元画像で表示する場合には、例えば平行投影法による投影図や、管腔内部が分かるように透視図で表示しても良い。

また、図2Aに示すように、モニタ32において表示される気管支形状画像2aには、気管支2の管腔の中心を通る芯線35も表示するようにしている。なお、芯線35は、例えば気管支形状画像生成部23aが生成するが、画像処理部25において芯線35を生成しても良い。

[0019] 術者等のユーザは、挿入部11をその先端から気管支2内に挿入する場合、芯線35が表示されるため、その表示を参考にすることによって、挿入部11の挿入の操作が行い易くなる。また、芯線35に沿って挿入する操作を行うことにより、画像マッチングによる挿入部11の先端の位置の推定を短時間に行うことができる。

画像処理部25は、気管支2の深部側(末端側)に挿入する操作において、内視鏡画像とVBS画像との両画像のマッチング(画像マッチング)を利用して、CT座標系のもとで挿入部11の先端の移動した位置又は移動距離を推定する処理を行う。

つまり、ある位置において両画像がマッチングしている場合、挿入部11の先端を芯線35に沿って(挿入のために)移動する操作に伴って、撮像装置16が移動するため、内視鏡画像が変化する。

[0020] この場合、位置合わせ処理部25aは、芯線35に沿った経路上で移動した場合の(VBS画像生成部24から出力される)VBS画像を用いて前記内視鏡画像と最も良くマッチングするVBS画像を画像処理により選出し、選出したVBS画像に対応する3次元位置を挿入部11の先端の位置として算出(推定)する。従って、移動した移動距離も2つの位置の差分量から算出(推定)することができる。

なお、挿入部11の先端は、芯線35上から外れた位置において移動される場合もあるため、芯線35から適宜の距離だけ偏心した位置においてのVBS画像をVBS画像生成部24が生成し、生成したVBS画像を位置合わせ処理部25aに出力するようにしても良い。このようにすると、画像マッチングによる位置推定の範囲を拡大できる。上記制御部26は、位置合わせ処理部25aにより算出した挿入部11の先端の位置により経路データ生成部29aによって、(内視鏡3の挿入部11の挿入前に)生成された経路データを補正するようにしても良い。

[0021] また、制御部26は、画像処理部25により推定された挿入部11の先端が所定の条件を満たすか否かの判定を行う比較回路等により構成される条件判定部26cの機能を有し、所定の条件を満たす判定結果の場合に、該当する挿入部11の先端の位置を記憶部27に記憶する。この場合、挿入部11の先端の位置と共に、該先端の位置に対応するVBS画像を記憶部27に、提示が必要な場合に提示する(提示用の)候補情報として記憶する。

換言すると、記憶部27は、所定の条件を満たす判定結果の場合に、その判定結果が得られた場合に推定(算出)された挿入部11の先端の位置を、後で提示する場合の候補位置情報として記憶し、またこの候補位置情報と、該候補位置情報に対応するVBS画像とを提示用の候補情報として記憶する記憶手段としての候補情報記憶部27aの機能を有する。この場合には、提示用の候補情報は、候補位置の情報(候補位置情報)と該候補位置の情報に対応するVBS画像とからなるが、候補位置の情報に対応する(換言すると候補位置において生成される)VBS画像も候補VBS画像としても良い。

[0022] なお、候補情報記憶部27aに記憶する(提示用の)候補情報として、前記候補位置の情報に対応するVBS画像と共に、該候補位置の情報に対応する(換言すると候補位置において生成される)内視鏡画像も記憶するようにしても良い。この場合における内視鏡画像も、上記候補VBS画像の場合と同様に候補内視鏡画像と呼ぶようにしても良い。

また、画像処理部25は、表示制御部26aの候補情報提示制御部26bにより候補情報提示の制御を受けて、モニタ32に候補情報として表示するための候補情報を生成する候補情報生成部25cの機能を有する。また、画像処理部25は、内視鏡画像とVBS画像との画像マッチングを行う際に、内視鏡画像やVBS画像を一時的に記憶したり、画像処理のワークエリアとして用いる画像メモリ25dを有する。なお、画像処理部25の外部に画像メモリ25dを設けるようにしても良い。

[0023] 上記条件判定部26cは、所定の条件として、気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての特徴領域内に挿入部11の先端が位置しているか否かの判定を行う特徴領域判定部26dの機能を有する。そして、後述するように特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が特徴領域内に位置している(又は存在している)判定結果の場合に、候補情報記憶部27aに候補情報が記憶される。

本実施形態においては、上記所定の条件として、2つの位置(又は点)間の距離に対して一定値dthが設定されている。そして、挿入部11の先端の位置と、図2B、図2Cに示すようにカリーナKのように分岐しているスパーSpiの位置や、芯線35が分岐している分岐点Biとの位置間の距離がdth1,dth2等の一定値dth以内になった場合に、上記所定の条件を満たす特徴領域内に挿入部11の先端が位置すると判定して、候補情報を記憶部27に記憶するように設定される。

[0024] なお、上記特徴領域の設定や一定値dthの値は、術者が例えば入力装置31から指定することができる。このように本実施形態においては、挿入部11を気管支2内に挿入する操作の過程において、現在の挿入部11の先端の位置以前の候補情報を記憶部27に記憶しておくことにより、画像マッチングによる最初の位置合わせ後から挿入部11の移動操作により挿入部11の先端の(画像マッチングを利用した)位置推定の精度が低下して、再度の位置合わせ(つまり再位置合わせ)を行うことが必要になった場合等においては、その再位置合わせのための候補情報を提示することができるようにしている。

また、再位置合わせを行う指示を術者が入力装置31を構成するキーボード、マウス等から画像処理部25又は制御部26に指示入力しても良い。

[0025] 再位置合わせの指示等がされる(又はトリガ入力される)と、制御部26の表示制御部26aは、現在の挿入部11の先端位置付近における候補情報を記憶部27の候補情報記憶部27aから読み出し、画像処理部25を経てモニタ32において候補情報を提示する制御を行う。

モニタ32において候補情報を提示する制御を行う表示制御部26aは、候補情報提示の制御を行う候補情報提示制御部26bの機能を有する。なお、表示制御部26aが候補情報記憶部27aから(提示用の)候補情報を読み出し、画像処理部25を経ることなくモニタ32において候補情報として提示する制御を行うようにしても良い。モニタ32において候補情報を提示する場合、例えば2次元断層画像として図2Dに示す気管支形状画像2a上に、画像比較を行う際の候補となる候補位置の情報及び該候補位置の情報に対応するVBS画像を表示する。

[0026] 上述したように、画像処理部25の位置合わせ処理部25aは、挿入部11の先端が移動された場合、画像マッチングを利用して挿入部11の先端を推定(算出)するが、設定された精度以内で画像マッチングすることができなくなる画像マッチングエラーが発生する場合がある。

この場合には、画像処理部25の位置合わせ処理部25aは、画像マッチングエラーの信号を発生し、モニタ32において画像マッチングエラーが発生したことを表示する。また、位置合わせ処理部25aは、画像マッチングエラーの信号を制御部26に送り、制御部26の候補情報提示制御部26bは、モニタ32において候補情報を提示する制御を行う。

このため、上記モニタ32は、術者に対して候補情報を提示する候補情報提示手段を形成する。なお、候補情報提示手段は、モニタ32と共に、(提示用の)候補情報を記憶する候補情報記憶部27aや候補情報の画像信号を出力する画像処理部25や候補情報提示制御部26bを含めるように定義しても良い。

術者は、候補情報を用いて再度の位置合わせ処理を行う。再度の位置合わせ処理を行うことにより、術者はこの再度の位置合わせ処理を行った位置付近から挿入部11の挿入操作を続行することができるようになる。

また、術者が画像マッチングの精度が悪化したと判断した場合は、再位置合わせの指示をして上記の処理をさせてもよい。なお、図1における画像処理部25の位置合わせ処理部25a、候補情報生成部25c、気管支抽出部23、VBS画像生成部24、制御部26をCPUを用いて構成しても良いし、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなハードウェア化された装置、専用の電子回路素子を用いて構成しても良い。

[0027] このような構成の内視鏡システム1は、予め取得した被検体における3次元画像情報を記憶する画像記憶手段としてのCT画像データ記憶部22と、前記3次元画像情報に対して所定の視点位置から内視鏡的に描画した仮想内視鏡画像を生成する仮想内視鏡画像生成手段としてのVBS画像生成部24と、内視鏡3内に設けられ、前記所定の管腔臓器内を撮像する撮像手段としての撮像装置16と、前記被検体の所定の管腔臓器内における内視鏡挿入部11の先端の位置を検出する位置検出手段としての位置推定部25bと、前記位置検出手段による前記内視鏡挿入部11の先端の位置情報に基づいて前記3次元画像情報を所定方向に切り出した2次元断層画像上に、前記仮想内視鏡画像と前記撮像手段の撮像により生成される内視鏡画像との画像比較を行う際の候補となる候補位置情報及び当該候補位置情報に対応する前記仮想内視鏡画像を候補情報として提示する候補情報提示手段としてのモニタ32と、を備えることを特徴とする。」

(引1-ウ)「[0062]・・・

次に上述した実施形態においてマッチングエラーや位置合わせが失敗した場合、又はユーザが位置合わせを行うために候補情報の提示の指示がされたような場合における候補情報の提示例を説明する。図2Dにおいては、候補情報の1つの提示例を示したが、以下のように提示するようにしても良い。

[0063] 図10Aは、上述した実施形態において所定の条件を満たす場合において候補情報として記憶された候補位置をPc1、Pc2,Pc3で示し、また対応するVBS画像をV1,V2,V3で示している。そして、例えば術者が候補情報の提示の指示を行った場合、気管支形状画像2a上に上記候補位置Pc1、Pc2,Pc3を重畳表示し、また、対応するVBS画像V1,V2,V3も上記候補位置Pc1、Pc2,Pc3に対応付けて(例えば候補位置Pci(i=1,2,3)とVBS画像Viとを線で結ぶ等して)表示する。なお、図2Dにおいて示したように候補位置Pciに対応する内視鏡画像もVBS画像Viと比較し易い位置に同時に表示するようにしても良い。

また、図10Aに示すように目標部位36を気管支形状画像2a画像上に重畳表示すると共に、気管支形状画像2a画像上に内視鏡3の挿入部11を挿入する経路Rを重畳表示する。また、図示していない内視鏡3の先端部13の軌跡を表示してもよい。

[0064] このように候補情報を提示することによりユーザは再度の位置合わせを短時間に効率良く行い易くなり、目標部位36への挿入を円滑に行い易くなる。なお、内視鏡3の挿入部11の先端が(経路データとしての)経路Rから(例えば管腔径程度などの)所定距離遠ざかったと判定した場合にも、例えば図10Aに示すような候補情報を提示するようにしても良い。

・・・

[0065]・・・

図10Dは、例えば図10Aの場合においてさらに内視鏡3の挿入部11の先端の位置Pciで候補情報を記憶する場合、撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向Ciも記憶する。そして、図10Dに示すように候補情報の提示の際に図10Aで説明した候補情報の提示の際に、視線方向Ciも表示(提示)する。その他は、図10Aにおいて説明した内容と同様である。視線方向Ciの提示により位置合わせを行い易くなる。」

(引1-エ)図1

「
」

(引1-オ)図2D

「
」

(引1-カ)図10D

「
」

(2)引用文献1に記載された発明

ア 上記(引1-エ)の図1から、内視鏡システム1は、内視鏡装置4、挿入支援装置5に加えて、入力装置31及びモニタ32を備えていることが見て取れる。

イ 上記(引1-ウ)の[0065]の記載及び上記(引1-カ)の図10Dから、候補位置Pci及び視線方向Ciの表示は、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形によりなされることが見て取れる。

ウ 上記(引1-ウ)の「図2Dにおいては、候補情報の1つの提示例を示したが、以下のように提示するようにしても良い。

[0063] 図10Aは、上述した実施形態において所定の条件を満たす場合において候補情報として記憶された候補位置をPc1、Pc2,Pc3で示し、また対応するVBS画像をV1,V2,V3で示している。・・・なお、図2Dにおいて示したように候補位置Pciに対応する内視鏡画像もVBS画像Viと比較し易い位置に同時に表示するようにしても良い。」との記載から、図10Aに示される候補位置Pc1、Pc2及びPc3並びにそれらに対応するVBS画像V1、V2及びV3を表示する実施形態の変形例として、候補位置Pc1、Pc2及びPc3並びにそれらに対応するVBS画像V1、V2及びV3と同時にそれらに対応する内視鏡画像1、2及び3も表示する実施形態が読み取れる。

さらに、(引1-ウ)の「[0065]・・・図10Dに示すように候補情報の提示の際に図10Aで説明した候補情報の提示の際に、視線方向Ciも表示(提示)する。その他は、図10Aにおいて説明した内容と同様である。」との記載から、図10Dに示される候補情報の提示の際に視線方向Ciも表示する実施形態の変形例として、図10Aに示される実施形態の変形例と同様に内視鏡画像1、2及び3も表示する実施形態が読み取れる。

エ 上記アないしウを踏まえると、上記(引1-ア)ないし(引1-カ)の記載から、引用文献1には、

「 患者における気管支2内に挿入される内視鏡3を備えた内視鏡装置4、この内視鏡装置4と共に使用され、内視鏡3の挿入支援を行うための挿入支援装置5、入力装置31及びモニタ32から構成される内視鏡システム1であって、
内視鏡3は、可撓性を有する細長の挿入部(又は内視鏡挿入部)11を有し、挿入部11の先端部13には観察窓が設けられ、観察窓には対物レンズ15が取り付けられ、その結像位置に撮像素子7が配置され、対物レンズ15と撮像素子7とにより撮像装置16が形成され、
挿入支援装置5は、
(ア)内視鏡3による検査が行われる患者に対して、公知のCTで生成された患者の3次元画像情報としてのCTデータを可搬型の記憶媒体を介して取り込むCTデータ取込部21と、このCTデータ取込部21によって取り込まれたCTデータを記憶するCT画像データ記憶部22とを有し、CT画像データ記憶部22は、CTデータより画像データを分離したCT画像データと、CTデータより位置情報を分離した該CT画像データに対応する第1の座標系を用いた3次元の位置データとを対応付けた対応付け画像情報として記憶する対応付け画像情報記憶部22aを有し、
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(イ)CT画像データ記憶部22のCT画像データから気管支2の3次元画像データを抽出する気管支抽出部23を有し、気管支抽出部23は、抽出した気管支2の3次元データから中空の3次元形状の気管支形状の画像としての気管支形状画像を生成する気管支形状画像生成部23aを有し、気管支2の3次元データを抽出する際、3次元データに対応する第1の座標系での3次元の位置データと対応付けて抽出し、気管支2の3次元形状のデータと3次元の位置データとを対応付けした対応付け情報を記憶する対応付け情報記憶部23bを有し、
(ウ)内視鏡3における挿入部11の先端部13に設けた撮像装置16の撮像により生成される内視鏡画像に対応する仮想的な内視鏡画像としての仮想内視鏡画像(VBS画像と言う)を生成するVBS画像生成部24を有し、
(エ)内視鏡画像と、VBS画像生成部24のVBS画像との位置合わせを画像マッチングで行う画像処理部25と、画像処理部25等の制御を行う制御部26と、制御部26の制御下で挿入支援するための提示用候補情報等を記憶する記憶部27とを有し、
あらかじめ、気管支2の入口やカリーナK等、気管支形状画像2aからCT座標系により特定できる3次元位置を動画マッチングの開始位置として設定しておくと、その位置情報を基にVBS画像生成部24はVBS画像を生成し、
術者は内視鏡画像がVBS画像と同じように見えるように挿入部11の先端を挿入し、
画像処理部25の位置合わせ処理部25aは、内視鏡画像とVBS画像とが設定された条件で一致するように画像マッチングを開始し、
位置合わせ処理部25aは、挿入部11の先端の位置を推定により検出又は算出する位置推定部25bの機能を有し、芯線35に沿った経路上で移動した場合の(VBS画像生成部24から出力される)VBS画像を用いて前記内視鏡画像と最も良くマッチングするVBS画像を画像処理により選出し、選出したVBS画像に対応する3次元位置を挿入部11の先端の位置として算出(推定)し、
制御部26は、画像処理部25により推定された挿入部11の先端が所定の条件を満たすか否かの判定を行う比較回路等により構成される条件判定部26cの機能を有し、所定の条件を満たす判定結果の場合に、該当する挿入部11の先端の位置及び撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向と共に該先端の位置に対応するVBS画像及び内視鏡画像(候補内視鏡画像と呼ぶ)を、提示が必要な場合に提示する(提示用の)候補情報として記憶部27に記憶し、
記憶部27は、候補位置情報と、該候補位置情報に対応するVBS画像及び候補内視鏡画像とを提示用の候補情報として記憶する候補情報記憶部27aの機能を有し、
条件判定部26cは、所定の条件として、気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての特徴領域内に挿入部11の先端が位置しているか否かの判定を行う特徴領域判定部26dの機能を有し、特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が特徴領域内に位置している判定結果の場合に、候補情報記憶部27aに候補情報が記憶され、
画像処理部25は、モニタ32に表示する画像を生成するものであって、
(ア)通常は、気管支形状画像生成部23aにより生成された気管支形状画像2aの画像信号(映像信号)をモニタ32に出力し、モニタ32には気管支形状画像2aが管腔の中心を通る方向に沿った断面で切り出した2次元断層画像として表示され、
(イ)表示制御部26aの候補情報提示制御部26bにより候補情報提示の制御を受けて、モニタ32に候補情報として表示するための候補情報を生成する候補情報生成部25cの機能を有し、
(ウ)位置合わせ処理部25aは、挿入部11の先端が移動された場合、画像マッチングを利用して挿入部11の先端を推定(算出)するが、設定された精度以内で画像マッチングすることができなくなる画像マッチングエラーが発生する場合には、位置合わせ処理部25aは、画像マッチングエラーの信号を発生し、画像マッチングエラーの信号を制御部26に送り、制御部26の候補情報提示制御部26bは、モニタ32において候補情報を提示する制御を行い、
モニタ32において候補情報を提示する制御を行う表示制御部26aは、候補情報提示の制御を行う候補情報提示制御部26bの機能を有し、
再位置合わせの指示等がされると、制御部26の表示制御部26aは、現在の挿入部11の先端位置付近における候補情報を記憶部27の候補情報記憶部27aから読み出し、画像処理部25を経てモニタ32において候補情報を提示する制御を行い、
モニタ32において候補情報を提示する場合、画像比較を行う際の候補となる候補位置Pc1、Pc2、Pc3を、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形として気管支形状画像2a上に重畳表示し、また、対応するVBS画像V1、V2、V3も上記候補位置Pc1、Pc2、Pc3に対応付けて表示するとともに、対応する候補内視鏡画像1、2、3もVBS画像V1、V2、V3と比較し易い位置に同時に表示する、
内視鏡システム1。」

の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

2 引用文献2について

(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献2には、以下の記載がある。

(引2-ア)「【技術分野】

【0001】

本発明は、データストリームの表示に関し、特に、生体内(インビボ)データを表示するシステムおよび方法に関する。」

(引2-イ)「【0014】

ここで、図1を参照する。図1には、本発明の一実施形態に係る生体内センシングシステムの概略図が示されている。画像センシングシステムなどの生体内センシングシステムは一般的に生体内センシング装置40を備えている。この生体内センシング装置40は、画像を撮影するための撮像装置46と、体腔を照明するための照明源42と、生体内センシング装置40に電力供給するための電源45と、画像データおよび場合によっては他のデータを外部受信器12に送信するための、アンテナ47を有する送信器41とを含む画像装置であり得る。撮像装置46は、CCD撮像装置、CMOS撮像装置、他の固体撮像装置、またはその他の適切な撮像装置である。本発明のいくつかの実施形態では、生体内装置40は、撮像装置46の他に、温度センサ、pHセンサ、圧力センサ、血液センサなどの1つ以上のセンサ30を備えてもよい。また、本発明のいくつかの実施形態では、生体内装置40は、自律型装置、カプセル、または嚥下可能なカプセルであってもよい。本発明の別の実施形態では、生体内装置40は自律型でなくともよく、例えば、内視鏡またはその他の生体内画像センシング装置であってもよい。」

(引2-ウ)「【0019】

本発明の実施形態は、センシング装置が胃腸管や他の管などの体腔の内部にあるときに、および/または移動しているときに経時的に検出したパラメータを、典型的には簡潔にしたおよび/または要約したグラフィカル表示を生成するための装置、システム、および方法を含む。生体内装置が取得したデータストリームを見ること、例えば摂取可能な画像カプセルから送信された画像ストリームを見ることは、長時間を要する作業である。取得したデータを要約表示することは、例えば取得したデータの視覚的表現および/またはマップを提供し、また、そのデータストリームを精査している医療従事者の注意を関心領域に集中させるのに役立ち、また、見ているデータの起源と内容についての医療従事者の理解を深めることができる。

【0020】

上記センシング装置から取得したデータの1つ以上のストリームを処理し、1つ以上の要約表示を作成する。この要約表示は、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(解析ソフトウェアのグラフィカルユーザインターフェースなど)に表示される。

【0021】

一実施形態によれば、データストリーム(画像のストリーム、一連の画像、一連のpHデータなど)は、場合によってはグラフィカルユーザインターフェースを介してモニタ18上に、或いはデータストリームを取得するのと同時に受信器12のLCDディスプレイ上に表示されるカラーバーなどのバーを用いて表示される。表示には、生体内データストリームの一部(例えば画像フレーム)において取得した変化量などを表す、量や特性等の可変視覚的表現が含まれる。一例では、この特性は色である。また、表示は一般に、ディスプレイの他の部分に例えばストリーム表示されている画像データや他のデータを要約したものである。さらに、表示は、バー、ストライプ、ピクセル、他の要素といった、複数の画像項目或いはデータ項目を連続して組み立ててなり、例えば、各々が画像フレームに対応する複数のストリップを含むバーが挙げられる。表示の一部は、例えば、表示されたフレーム或いはデータ項目の全体的な配色、輝度、pHレベル、温度、圧力、または他の量に係る要約を表している。その他の機構を使用して、データ要素の濃度、形状、長さ、他の特性といったデータをバー或いはディスプレイ内に、または他の機構内に表示してもよい。

【0022】

図2を参照すれば、生体内で取得したデータを表示するためのディスプレイおよび/またはグラフィカルユーザインターフェース200が示されている。ディスプレイ200には、例えばカラーバーなどの、生体内データストリームの要約グラフィカル表示220が含まれる。一般に、要約グラフィカル表示220は、データストリームのストリーミング表示210と並べて表示される固定表示にすることができる。データストリームは、例えば、本発明のいくつかの実施形態では、画像ストリームである。本発明の別の実施形態では、要約グラフィカル表示220は別々に表示することができる。要約グラフィカル表示220には、一連の色、一連のカラー領域、或いは一連のパターン、画像項目、画像またはピクセル群(例えば、さらに大きなバーまたは矩形領域を形成するために配列した一連のカラー領域またはストライプ222)が含まれてもよい。一連のストライプ222における各色は、例えば、元のデータストリームの要素または要素群と、関連付けおよび/または対応付けがなされている。例えば、各カラーストライプ222は、表示されているデータストリーム210の1つの画像または1つの画像群に対応づけられてもよい。ストライプ以外の画像単位(例えば、ピクセル、ブロックなど)を使用してもよく、また、色以外の特性(例えば、パターン、サイズ、幅、輝度、動画など)が変化してもよい。1つの画像単位(例えば1本のストライプ222)は、元のデータストリームにおける1つ以上の単位(例えば画像フレーム)を示す。例えば、バー上の一連の色は、一般に、画像または画像群といったデータストリームが通常表示されるのと同じ順序で配列される。本発明の一実施形態では、グラフィカル表示220のストライプを指すことによって、そのストライプに対応するフレームに画像ストリームを進めることができる。

【0023】

カラーバーは、例えばデータストリームの各要素(画像フレームなど)または要素の各サブグループに色を割り当て、表示される特性の変化を強調できるように一連の色を処理することによって生成されてもよい。本発明の一実施形態では、一連の色は、例えば付随ビデオのキューポイントを強調するために処理され、それにより、例えば関心部分を示すための補助ツールとして使用できる。本発明の一実施形態では、データストリーム表示210は、本明細書に記載の1つ以上のバーおよび/またはグラフィカル表示(220および230)と並べて表示されてもよい。データストリーム表示210は、例えばグラフィカル表示220に示されたデータ(取得した生体内画像ストリームなど)に係る表示、もしくはグラフィカル表示220に示されたデータと同時に或いは実質的に同時に取得および/またはサンプル抽出した他のデータに係る表示である。一例では、データストリーム表示210(例えばビデオ表示)のうち、実質的に対応するデータが表示されて、グラフィカル表示220とデータストリーム表示210との対応関係が示されると、マーカー、スライダー、カーソル、またはインジケータ250がグラフィカル表示220を横断して、またはそれに沿って動く。本発明の別の実施形態では、表示はバー以外の形状で、例えば、円、楕円、正方形などであってもよい。別の実施形態では、表示は、オーディオトラック、グラフ、他の適切なグラフィカル表示の形態であってもよい。

【0024】

カーソルやアイコンなどのインジケータ250は、画像ストリーム表示210がディスプレイ200上でストリーミング再生(streamed)されたりスクロールされると、時間バー230および/またはグラフィカル表示220に沿って移動する。一例では、例えば画像ストリームの早送り、巻き戻し、再生停止、或いは最初や最後の頭出しをユーザが実行できる制御ボタン240をディスプレイ上に備えてもよい。本発明の他の実施形態では、ユーザは、例えば、マウスや他の位置決め装置を用いてカーソル250の位置を動かして、関心領域へスキップするなどし、ストリーミング表示の開始位置を変更することで、データストリーム表示210を制御できる。本発明の別の実施形態では、ユーザおよび/または医療従事者が、サムネイルなどのしるしや目印を挿入して画像ストリームに沿った位置にしるしをつけ、後でその位置に簡単にアクセスできる。例えば、医療従事者はマウスやキーボードなどの位置決め装置を使用して、グラフィカル表示220上に、これらのマイルストーンをしるしてもよい。本発明の譲受人に譲渡され、2002年11月21日に公開された、名称「動画の付注システムおよび方法(System and Method for Annotation on a Moving Image)」であって、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2002/0171669号に記載のいくつかの実施形態には、画像ストリームの一部に目印または注釈を入れる方法および装置が含まれている。このような方法を、本発明の実施形態と組み合わせて使用してもよい。また、他の適切な方法を用いて、データストリームに目印や注釈をつけてもよい。ユーザはサムネイルを「クリック」して、関心のあるデータの位置(例えば画像フレーム)まで送るか、グラフィカル表示220をクリックして関心のある画像フレームまで送ったり、巻き戻したりする。そして、例えば、所望の関心地点からデータストリームを流したり見たりすることを続ける、あるいは開始することができる。」

(引2-エ)「【0037】

種々の適切な方法を利用して、データを原始データストリーム(例えば、画像ストリーム、一連の温度データ項目)から固定表示に要約することが可能である。ここで、図7を参照する。図7には、本発明の実施形態に係る、組織カラーバーなどの固定要約データ表示を生成する方法が記載されている。例示的な実施形態では、ブロック510において、一組のデータ項目(一組は1つの項目でもよい)または一連のデータ項目を抽出する。データ項目とは、例えば、画像ストリームのフレームである。例えば、画像ストリームの10コマ毎に画像フレームを抽出および/または選択して、固定表示に画像ストリームを表す。別の実施形態では、全てのデータ項目またはフレームであってもよい。または、5コマ毎、20コマ毎、または他の適切なフレーム数毎にしてもよい。本発明のさらに別の実施形態では、フレーム群を表す画像(例えば、2コマ以上のフレーム毎の平均)を使用する。一例では、ひとかたまりのフレーム(例えば、2コマ以上のフレーム)から1コマのフレームを定め、そのかたまりの代表とすることで基準を定義する。ブロック520では、色平均値や他の平均値(例えば輝度平均値)のベクトルおよび/またはストリームを計算する。本発明の一実施形態では、平均色は、各フレームの定義された領域で計算される。定義された領域とは、例えば画像フレーム領域より小さな領域である。例えば、選択した一連のフレームにおける各フレームの定義領域に係る、赤色平均値、青色平均値、緑色平均値を計算し、3色ベクトルおよび/またはストリームを形成する。一例では、定義領域は、例えば256×256ピクセルを含む画像フレームから取得した、例えば半径が102ピクセルの、中心に位置する円である。別の例では、1色または2色のみを使用してカラーバーを生成する。ブロック530では、例えば中間値フィルタなどのフィルタを色平均値のベクトル(例えば、赤、緑、青の3色ベクトル)に施す。例示的なフィルタは、例えば、次の数式によって定義される長さを有する。

【0038】

1+2(alpha*N/Np);alpha=2.2

式中、Nは結果として得られる組織カラーバー表示の元のピクセルサイズを、Npは結果として得られる組織カラーバー表示の所望のピクセルサイズを示す。しかしながら、他の数式または式を使用してもよい。

【0039】

ブロック540において、色ベクトルを所望のサイズに縮小処理する(decimate)ことで、結果として得られる組織カラーバー表示のピクセルサイズを設定する。例えば、補間によって各色のベクトルを所望のサイズに縮小処理する。

【0040】

組織カラーバーまたは他のデータ要約を生成する別の方法を実施してもよい。一実施形態では、一連のデータ項目(例えば1つ以上の個別の画像など)は、カラーバーなどの表示領域内に、それより小さなカラー領域またはカラーストリップといったデータポイントに変換される。各画像または画像の各組の輝度平均値を求め、その平均値に対応する幅、パターン、色、または輝度のストリップから成るバーまたは集合体を生成する。例えば、画像と他のデータとを収集する装置においては、各画像または画像の各組に対応する、pH、圧力、温度などの値を求め、その平均値に対応する幅、色、または輝度のストリップまたは他の画像単位から成るバー或いは集合体を生成してもよい。1つ以上の画像を、対応するカラーストライプに変換または処理してもよい。種々のデータ項目を、例えば平均化や平滑化などを用いて、個別のデータポイントに結合してもよい。一実施形態では、画像の輝度を標準化して、組織の色などのデータに係る標準化した色彩情報のみを表示し、例えば光源の寄与を排除することができる。画像データ以外の生体内で取得したデータに関する他のカラーバーまたは他の表示を生成してもよい。

【0041】

要約または一連の要約データ(例えば、データのカラーバーや他の表現など)は、画像ストリームの精査に必要な考察時間を低減するのに役立つ。本発明の一実施形態では、医療従事者がポインタや、マウスなどの位置決め装置を使用して、カラーバーに沿った関心領域を指すと、グラフィカルユーザインターフェースが、データストリーム上の対応する位置にスキップする。その結果、ユーザおよび/または医療従事者は、画像ストリーム全体を精査する必要もなく、関心領域に注目することができる。また、医療従事者は、組織のカラーバーによって特定された種々の部分を見るために、速度を変更することができる。ある特定の関心領域(例えば、血液により示される病態)は、組織を介して直接識別できる。従って、医療従事者は、まず、組織のカラーバーを調べ、その後、精査したい画像のかたまりを決定することができる。患者をスクリーニングする場合、組織カラーバーなどの1つ以上のデータ表示の精査だけを行うことが可能である。別の例では、データストリームの要約グラフィカル表示を、例えば記録器12内にリアルタイムで生成し、記録器12に備えられたディスプレイ上にリアルタイムで表示することができる。」

(引2-オ)【図1】

「
」

(引2-カ)【図2】

「
」

(2)上記(引2-ア)ないし(引2-オ)の記載から、引用文献2には、

「 嚥下可能なカプセル又は内視鏡である生体内画像センシング装置が胃腸管や他の管などの体腔の内部にあり移動しているときに経時的に検出したパラメータを要約したグラフィカル表示を生成するための装置であって、
生体内で取得したデータを表示するためのディスプレイには、画像ストリームのストリーミング表示と並べて、画像ストリームの要約グラフィカル表示であるカラーバーが表示され、
カラーバーの各カラーストライプは、表示されている画像ストリームの1つの画像又は1つの画像群に対応づけられ、カラーバー上の一連の色は、画像又は画像群といった画像ストリームが通常表示されるのと同じ順序で配列され、
グラフィカル表示220のストライプを指すことによって、そのストライプに対応するフレームに画像ストリームを進めることができる、装置。」

の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

3 引用文献3について

原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献3は、「観察支援システムおよび方法並びにプログラム」に関する文献であり、特に【要約】の記載から、

「3次元医用画像Vについての所見を表す所見情報Kvとその所見情報Kvを取得した位置を表す所見位置情報Pvとを対応づけて読影レポートRvに記録し、読影レポートRvを画像情報データベース24に登録する。内視鏡画像形成部2が、内視鏡画像Sをディスプレイ4に表示し、内視鏡位置取得部21が、体腔内の内視鏡のリアルタイムの位置を表す内視鏡位置情報Psを取得し、検索部25が、内視鏡位置情報Psから得られる変換位置Ps′に対応する位置を表す所見位置情報Pvと対応づけられた所見情報Kvを検索し、検索した所見情報Kvにより表される所見Kvをディスプレイ4に表示する、観察支援システム。」

の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

4 引用文献4について

原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献4は、「可撓性電子内視鏡装置」に関する文献であり、特に【要約】の記載から、

「曲げられた角度の大きさに対応して光の伝達量が変化する曲がり検出部22が形成された複数のフレキシブルな曲がり検出用光ファイバー21の各曲がり検出部22を挿入部可撓管1に分散配置して、複数の曲がり検出部22から得られる検出値に基づいて挿入部可撓管1の先端4の位置を検出し、観察窓11を通して得られる現在の内視鏡観察像Aと共に、その時の挿入部可撓管1の先端位置に最も近い位置において得られた過去の一つ又は複数の内視鏡観察像B,C,Dを表示する、可撓性電子内視鏡装置。」

の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。

5 引用文献5について

原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献5は、「カプセル内視鏡の画像データを処理するためのカプセル内視鏡システム及び方法」に関する文献であり、特に[0218]の記載から、

「 消化器官に沿って移動することにより人体の消化器官内部を撮像して画像データを生成し、生成した画像データを人体を導体として連続的に送信するカプセル型内視鏡、
人体を介して画像データを検出するセンサから画像データを受信して画像データを保存する受信機、
及び、保存された画像データを受信機から受信し、受信した画像データを再生し、受信した画像データの一部をキャプチャし、キャプチャした画像データからの診断結果を属性としてキャプチャした画像データとともに保存し、属性情報を示す画像ツールを作成して、作成した画像ツールを画面に表示するワークステーション、
を含むカプセル内視鏡システム。」

の発明(以下「引用発明5」という。)が記載されていると認められる。

第5 対比・判断

1 本願発明1について

(1)本願発明1と引用発明1とを対比する。

ア 内視鏡情報取得部について

(ア)引用発明1の「CT画像データに対応する第1の座標系」は、本願発明1の「予め設定された座標系」に相当する。

(イ)引用発明1の「内視鏡3」の「挿入部11の先端」は、本願発明1の「内視鏡の先端」に相当する。

(ウ)引用発明1の「候補情報として記憶」された「挿入部11の先端の位置」及び「撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向」は、それぞれ本願発明1の「位置情報」及び「角度情報」に相当する。

(エ)引用発明1の「候補情報として記憶」された「挿入部11の先端の位置」は、「画像マッチング」により「選出したVBS画像に対応する3次元位置」であるから、「CT画像データに対応する第1の座標系」における位置であるといえる。

(オ)引用発明1の「特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が」「気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての」「特徴領域内に位置している判定結果の場合」と、本願発明1の「所定時間ごと」とは、「所定条件ごと」で共通する。

(カ)上記(ア)ないし(オ)を踏まえると、引用発明1の「特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が」「気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての」「特徴領域内に位置している判定結果の場合」の「挿入部11の先端の位置及び撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向と共に該先端の位置に対応するVBS画像及び内視鏡画像(候補内視鏡画像と呼ぶ)を、提示が必要な場合に提示する(提示用の)候補情報として」「記憶する」「記憶部27の候補情報記憶部27aから」、「現在の挿入部11の先端位置付近における候補情報を」「読み出」す「制御部26の表示制御部26a」と、本願発明1の「予め設定された座標系における所定時間ごとの内視鏡の先端の位置情報及び角度情報を取得する内視鏡情報取得部」とは、「予め設定された座標系における所定条件ごとの内視鏡の先端の位置情報及び角度情報を取得する内視鏡情報取得部」で共通する。

イ 配列画像生成部について

(ア)引用発明1の「候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形」は、本願発明1の「前記内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカ」に相当する。

(イ)引用発明1において、「画像処理部25は、モニタ32に表示する画像を生成するもの」であるところ、「候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形」は、「画像処理部25」の「モニタ32に候補情報として表示するための候補情報を生成する候補情報生成部25c」が生成するものと認められる。

(ウ)引用発明1の「候補情報」は「特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が」「気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての」「特徴領域内に位置している判定結果の場合」に記憶されたものであるから、上記(ア)、(イ)及びア(オ)を踏まえると、引用発明1の「画像比較を行う際の候補となる候補位置Pc1、Pc2、Pc3を、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形として気管支形状画像2a上に重畳表示」「するための候補情報を生成する候補情報生成部25c」と、本願発明1の「前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカを複数連ねて配列させた先端マーカ配列画像を生成する配列画像生成部」とは、「前記所定条件ごとの前記内視鏡の先端の前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、前記所定条件ごとの前記内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカを複数連ねて配列させた先端マーカ配列画像を生成する配列画像生成部」で共通する。

ウ 表示制御部について

(ア)引用発明1の「モニタ32」は、本願発明1の「表示部」に相当する。

(イ)上記(ア)及びイを踏まえると、引用発明1の「画像比較を行う際の候補となる候補位置Pc1、Pc2、Pc3を、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形として気管支形状画像2a上に重畳表示」する、「モニタ32において候補情報を提示する制御を行」う「制御部26の候補情報提示制御部26b」は、本願発明1の「前記先端マーカ配列画像を表示部に表示させる表示制御部」に相当する。

エ 画像取得部について

(ア)引用発明1の「記憶部27の候補情報記憶部27a」に「記憶」された「候補内視鏡画像」は、本願発明1の「前記内視鏡で撮影された画像」に相当する。

(イ)上記(ア)を踏まえると、引用発明1の「挿入部11の先端の位置及び撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向と共に該先端の位置に対応するVBS画像及び内視鏡画像(候補内視鏡画像と呼ぶ)を、提示が必要な場合に提示する(提示用の)候補情報として」「記憶する」「記憶部27の候補情報記憶部27aから」、「現在の挿入部11の先端位置付近における候補情報を」「読み出」す「制御部26の表示制御部26a」は、本願発明1の「前記内視鏡で撮影された画像を当該画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報とともに取得する画像取得部」に相当する。

オ 先端マーカの形状について

(ア)引用発明1の「合成図形」の「矢印」は「円の中心から延びる」ものであるから、引用発明1の「合成図形」の「矢印」は、「合成図形」の軸上にあるといえる。

(イ)引用発明1の「合成図形」の「矢印」は「撮像装置16の(対物レンズ15に基づく)視線方向」を表すものであるところ、「対物レンズ15」は「挿入部11の先端部13に」「設けられ」た「観察窓に」「取り付けられ」ていることから、引用発明1の「合成図形」の「矢印」の方向は、「先端部13」の方向と一致するものといえる。

(ウ)上記(ア)、(イ)及びイを踏まえると、引用発明1の「合成図形」は「候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印」であることと、本願発明1の「前記先端マーカの形状は、前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の前記角度情報に基づいて、前記先端マーカの軸が前記内視鏡の先端の方向に平行になるように生成され」ることと、「前記先端マーカの形状は、前記所定条件ごとの前記内視鏡の先端の前記角度情報に基づいて、前記先端マーカの軸が前記内視鏡の先端の方向に平行になるように生成され」ることで共通する。

カ 組合せ画像生成部について

(ア)引用発明1の「候補情報生成部25c」は、本願発明1の「組合せ画像生成部」に相当する。

(イ)引用発明1の「候補位置Pc1、Pc2、Pc3」は、「内視鏡3」の「挿入部11の先端を挿入し」たとき「特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が」「気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての」「特徴領域内に位置している判定結果の場合」に記憶されたものであるから、「内視鏡3」の「挿入部11」が通過した位置である。

(ウ)上記(ア)、(イ)及びイを踏まえると、引用発明1の「候補情報生成部25c」は「画像比較を行う際の候補となる候補位置Pc1、Pc2、Pc3を、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形として気管支形状画像2a上に重畳表示、また、対応するVBS画像V1、V2、V3も上記候補位置Pc1、Pc2、Pc3に対応付けて表示するとともに、対応する候補内視鏡画像1、2、3もVBS画像V1、V2、V3と比較し易い位置に同時に表示する」「ための候補情報を生成する」と、本願発明1の「前記組合せ画像生成部は、前記座標系において前記内視鏡の先端が移動した軌跡を示す画像である前記先端マーカ配列画像の周囲に前記画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報に基づいて前記画像を配置した組合せ画像を生成する」とは、「前記組合せ画像生成部は、前記座標系において前記内視鏡の先端が移動した軌跡を示す画像である前記先端マーカ配列画像と前記画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報に基づいて前記画像を配置した組合せ画像を生成する」で共通する。

キ 医用画像表示装置について

(ア)引用発明1の「モニタ32に」「提示する」「画像比較を行う際の候補となる候補位置Pc1、Pc2、Pc3を、候補位置Pciを表す円と当該円の中心から延びる視線方向Ciを表す矢印との合成図形として気管支形状画像2a上に重畳表示し、また、対応するVBS画像V1、V2、V3も上記候補位置Pc1、Pc2、Pc3に対応付けて表示するとともに、対応する候補内視鏡画像1、2、3もVBS画像V1、V2、V3と比較し易い位置に同時に表示する」「候補情報」は、「患者における気管支2内に挿入される内視鏡3」「の挿入支援を行うための」ものであるから、本願発明1の「医用画像」に含まれる。

(イ)上記(ア)を踏まえると、引用発明1の「モニタ32において候補情報を提示する」「内視鏡システム1」は、本願発明1の「医用画像表示装置」に含まれる。

(2)そうすると、本願発明1と引用発明1とは、

「 予め設定された座標系における所定条件ごとの内視鏡の先端の位置情報及び角度情報を取得する内視鏡情報取得部と、
前記所定条件ごとの前記内視鏡の先端の前記位置情報及び前記角度情報に基づいて、前記所定条件ごとの前記内視鏡の先端の位置及び角度を表す先端マーカを複数連ねて配列させた先端マーカ配列画像を生成する配列画像生成部と、
前記先端マーカ配列画像を表示部に表示させる表示制御部と、
前記内視鏡で撮影された画像を当該画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報とともに取得する画像取得部と、
組合せ画像生成部と、
を有し、
前記先端マーカの形状は、前記所定時間ごとの前記内視鏡の先端の前記角度情報に基づいて、前記先端マーカの軸が前記内視鏡の先端の方向に平行になるように生成され、
前記組合せ画像生成部は、前記座標系において前記内視鏡の先端が移動した軌跡を示す画像である前記先端マーカ配列画像と前記画像が撮影されたときの前記内視鏡の先端の前記座標系における前記位置情報に基づいて前記画像を配置した組合せ画像を生成することを特徴とする医用画像表示装置。」

の発明である点で一致し、次の2点において相違する。

(相違点1)

組合せ画像の基となる内視鏡の先端位置及び内視鏡で撮影された画像を取得することに係る条件である「所定条件ごと」が、本願発明1においては、「所定時間ごと」であるのに対し、引用発明1においては、「特徴領域判定部26dにより挿入部11の先端が」「気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての」「特徴領域内に位置している判定結果の場合」である点。

(相違点2)

組合せ画像における先端マーカ配列画像に対する内視鏡で撮影された画像の配置について、本願発明1においては、「先端マーカ配列画像の周囲に」「前記画像を配置した」のに対し、引用発明1においては、「候補位置Pc1、Pc2、Pc3に対応付けて表示する」「VBS画像V1、V2、V3と比較し易い位置に」「対応する候補内視鏡画像1、2、3も」「同時に表示する」が、「候補位置Pc1、Pc2、Pc3」の周囲に「候補内視鏡画像1、2、3」を配置することは特定されていない点。

(3)判断

ア 上記相違点1について検討する。

(ア)引用発明2の画像ストリームは、一定時間ごとに取得された画像の連続データであると認められるが、引用発明2は、複数の画像を、それらが取得されたときの生体内画像センシング装置の位置に基づいて同時に表示するものではない。

(イ)また、引用発明3ないし5も、複数の画像を、それらが取得されたときの内視鏡装置の位置に基づいて同時に表示するものではない。

(ウ)上記(引1-ア)の記載によれば、引用発明1は、気管支のように複雑に分岐した管腔臓器内に挿入して管腔臓器の末端側の目標部位(の患部組織)を検査、又は処置具による生検や処置を行うような場合においては、挿入した際に得られる内視鏡画像のみでは、目標部位付近まで挿入部先端を導入することが困難な場合があるという事情の下、内視鏡画像と仮想内視鏡画像とをそれぞれ生成した両位置のずれが発生したような場合においての再度の位置合わせに適した候補情報を提示することができる内視鏡システムを提供することを目的としている。

(エ)そして、引用発明1は、上記目的を達成するために、再度の位置合わせのための内視鏡画像とVBS画像との画像マッチングを行いやすい画像を提供することができる位置として、気管支2における分岐に着目し、気管支2における分岐に関する特徴的な領域としての特徴領域内に挿入部11の先端が位置している判定結果の場合に、候補内視鏡画像を含む候補情報を記憶するものである。

(オ)してみると、引用発明1において、気管支2における分岐とは無関係に所定時間ごとに候補内視鏡画像を記憶し、それらを同時に表示することを動機付ける事情があるとは認められず、むしろ阻害要因があるといえる。

(カ)したがって、引用文献1ないし5に接した当業者といえども、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を容易に想到し得たとはいえない。

イ よって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明1ないし5に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし8について

本願発明2ないし8も、本願発明1の組合せ画像を構成する複数の先端マーカ及び内視鏡で撮影された画像が「所定時間ごと」のものであることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1ないし5に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について

審判請求時の補正により、本願発明1ないし8は、組合せ画像を構成する複数の先端マーカ及び内視鏡で撮影された画像が「所定時間ごと」のものであるという事項を有するものとなっており、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1ないし5に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-002842

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