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意匠拒絶査定不服審判

2020-000154

生化学分析機

審判番号
2020-000154
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2018-014505外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年01月07日
審決日
2020年07月29日
公報発行日
2020年09月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .121-WY (J1-5)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条、意匠法第4条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

意願2018- 14505「生化学分析機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
【理 由】

第1 手続の経緯

平成30年(2018年) 6月29日   意匠登録出願

同年       12月20日付け 拒絶理由通知書

平成31年(2019年) 2月21日   手続補正書提出

同年        4月18日付け 拒絶理由通知書

令和 1年(2019年) 8月 7日   意見書提出

同年        9月27日付け 拒絶査定

令和 2年(2020年) 1月 7日   審判請求書提出

第2 本願の意匠

本願は、2018年1月7日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴い、意匠法4条2項の規定の適用を受けようとし、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「生化学分析機」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「破線で表した部分以外の部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)

第3 原査定の拒絶の理由

原審における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠に係る生化学分析機の分野に限らず、画像を表示する物品において、複数の略円形模様を組み合わせた模様は、本願出願前よりごく一般的に知られています(例えば、画像1~4)。
また、画像を表示する表示部を含む物品分野においては、操作をすることによって各種機能を呼び出すことができる画像を表示部に設ける手法は、例を挙げるまでもありませんが、スマートフォンのロック解除画面など、本願出願前よりごく一般的に知られています。
そうすると、本願意匠は、本願出願前よりごく一般的に知られた範囲内で表された、複数の略円形状を組み合わせた模様を、本願出願前よりごく一般的に知られたものである、操作をすることで各種機能を呼び出すことができる画像として用いたものにすぎず、当業者であれば容易に創作をすることができたものと認められます。
画像1
続きを表示(全29行)
電気通信回線の種類    インターネット
掲載確認日(公知日)   2016年 8月17日
受入日          特許庁意匠課受入2016年 8月30日
掲載者          康医(上海)有限公司
表題           Comper - Your personalized healthcare management assistant
掲載ページのアドレス   https://itunes.apple.com/jp/app/comper-your-personalized-healthcare/id1070130445?mt=8
に掲載された「スマートフォン用ソフトウェアの情報提供機能」の画像
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ28102245号)
画像2
DM/085515 2015年 7月17日
ディスプレースクリーン用画像(登録番号DM/085515)
(特許庁意匠課公知資料番号第HH27507073号)
画像3
中華人民共和国意匠公報 2017年 5月10日17-17号
ディスプレイスクリーン用画像(公開番号CN304130332S)
(特許庁意匠課公知資料番号第HH29002992号)
画像4
電気通信回線の種類    インターネット
掲載確認日(公知日)   2013年10月 8日
受入日          特許庁意匠課受入2013年10月25日
掲載者          ソフトバンクモバイル株式会社
表題           ARROWS A 301F | SoftBank スマートフォン | ソフトバンクモバイル
掲載ページのアドレス http://www.softbank.jp/mobile/product/smartphone/301f/
に掲載された「携帯用情報端末機」の画像
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ25041775号)」

第4 当審の判断

以下、本願意匠の意匠法3条2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。

1 本願意匠

(1)意匠に係る物品

意匠に係る物品は、医療施設で使用される分析用の機器であって、願書の意匠に係る物品の説明の記載によれば、DNAの塩基配列の解析等を行うための「生化学分析機」である。

(2)本願部分

本願部分の用途及び機能、位置、大きさ及び範囲、並びに形態は、以下のとおりである。

ア 本願部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲

本願部分の用途及び機能は、願書の意匠に係る物品の説明の記載によれば、当該機器の表示部に表示された画像を表示部上でタッチ等して操作することにより、解析のための各種設定画面等を呼び出すことができる操作のための画像(アイコン)であって、その位置、大きさ及び範囲は、表示部中央に表れる略円環状の部分である。

イ 本願部分の形態

真ん中に真円を1つ配置し、その外縁に、半径が中央の真円の8割程度の円弧を6つ、それぞれ両端が重なるように設けて、全体として略円環状に形成したものである。

2 引用意匠の認定

(1)画像1(別紙第2参照)

画像1は、スマートフォンに表示された「ソフトウェアの情報提供機能」の画像であって、当該画像、すなわち、本願部分の創作性の判断の根拠となる部分の形態(形態中、色彩の認定は省略。以下同じ。)は、真ん中に円を1つ配置し、その外周に、中央の円より一回り大きい略三角おにぎり様の変形円を2つ、頂部を約60度ずらして重ねて形成し、全体として略円環状に形成したものである。

(2)画像2(別紙第3参照)

画像2は、ディスプレースクリーン用の画像であって、国際事務局意匠公報の記載によると、13個の画像からなる変化を伴う画像(14.1ないし14.13の画像)であって、本願部分の創作性の判断の根拠となる部分の形態は、真ん中に真円を1つ配置し、その外縁に、半径が中央の真円の約1.14倍長い円弧を3つ、上方、下方左寄り、下方右寄りの位置に、外縁の半分ほど接するよう設けたものであって、各円弧は両端から半分ほど相互に重なり合ったものとし、以後の画像は、中央の真円のみ固定し、その外縁に設けられる3つの円弧の位置が適宜変化したものである。

(3)画像3(別紙第4参照)

画像3は、ディスプレイスクリーン用の画像であって、本願部分の創作性の判断の根拠となる部分の形態は、表示部のほぼ真ん中に、略縦長長方形の表示画面の真ん中の右斜め上、右斜め下、左寄りに同大の3つの真円をずらして配置したものである。

(4)画像4(別紙第5参照)

画像4は、携帯用情報端末機の画像であって、本願部分の創作性の判断の根拠となる部分の形態は、円を1つ配置し、その左上方にずらした位置にやや横長の楕円を重ねて配置したものであって、当該楕円の外縁の上下中央にやや小さい円弧を1つずつ設けている。

3 本願意匠の創作性の検討

この種、画像を含む物品の分野においては、前記2のとおり、真ん中に円を設け、その外周に、中央の円より一回り大きい略三角おにぎり様の変形円を2つ、頂部をずらして重ねて形成し、全体として略円環状に形成したもの(画像1)、同じく、真ん中に円を設け、その外縁に半径が中央の真円より長い円弧を3つ設けることにより全体として略円環状に形成したもの(画像2)、複数の円をずらして重ねて配置したもの(画像3)、円と楕円をずらして重ねて配置したもの(画像4)は、本願出願前から公然知られているものである。しかしながら、本願部分のように、中央に真円を1つ配置し、その外縁に、半径が中央の真円の8割程度の円弧を6つ、それぞれ両端が重なるように設けて、全体として略円環状に形成したものは、画像1ないし画像4の各形態とは異なるものであることは勿論、これらの画像の他にも見られないものである。

そうすると、本願部分の態様は、この種、画像を含む物品の分野において、当業者が公然知られた形態に基づいて容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法3条2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2020-000154

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