2019-017641
プレス機械およびプレス機械の制御方法
- 審判番号
- 2019-017641
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-264741外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年12月26日
- 審決日
- 2020年06月24日
- 公報発行日
- 2020年08月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コマツ産機株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (B30B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 19項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成26年12月26日の出願であって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。
第2 原査定の概要
原査定(令和1年10月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
請求項1-5に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術分野における通常の技術を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2005-21934号公報
2.特開2013-248642号公報(周知技術を示す文献)
3.特表2008-543586号公報(周知技術を示す文献)
4.特開昭63-256391号公報(周知技術を示す文献)
5.特開平5-158520号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、令和1年12月26日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される発明であり、そのうち本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】ワークを搬送してプレスするプレス機械であって、前記ワークをプレスする際に昇降動作するスライドと、前記スライドを駆動する駆動部と、続きを表示(全13行)前記スライドの位置情報を検出する検出部と、前記スライドの動作を規定するモーション情報に基づき前記駆動部による前記スライドの速度を制御する速度制御部と、前記モーション情報と前記スライドを強制停止させる設定地点とに基づいて前記スライドの減速を開始するための減速開始点を設定する停止判定演算部と、前記ワークを搬送する搬送装置からの搬送エラーに関する異常信号の入力を受け付ける異常信号受付部とを備え、前記速度制御部は、前記検出部が検出した前記スライドの位置情報に基づいて、前記スライドが前記減速開始点に到達した場合に、前記異常信号の入力の有無を判断し、前記異常信号の入力が有ると判断した場合には前記設定地点に前記スライドが停止するように前記スライドの減速制御を実行し、前記スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し、前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には、前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する、プレス機械。」
また、本願発明2-4は、概略、本願発明1を減縮した発明である。
また、本願発明5は、本願発明1に対応する制御方法の発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は理解の便のため当審にて付与。以下同。)。
ア 段落【0001】
「【発明の属する技術分野】本発明は、加工材料に関与する付帯装置を備え、クランク軸を含む駆動機構によりスライドを昇降させつつ加工材料をプレス加工可能に構成されたプレス機械に関する。」
イ 段落【0036】-【0037】
「本プレス機械10は、図1~図6に示す如く、駆動機構をモータ30の回転制御によりスライド17を昇降可能に形成するとともに付帯装置(100)をスライド昇降動作中でも動作可能に形成し、衝突回避位置設定手段(84)と衝突チェック位置検出手段(81,82)と所定動作完了確認手段(81,82)と強制停止制御手段(81,82)と所定動作完了再確認手段(81,82)と強制停止解除制御手段(81,82)とを設け、設定衝突回避位置Hsに基づき算出された衝突チェック位置Hscが検出されかつ付帯装置側(100)の所定(退避…BCK)動作完了を確認することができなかった場合にモータ30を回転停止してスライド17を強制停止させ、かつ強制停止中に付帯装置の所定(BCK)動作完了が再確認されたことを条件に強制停止を解除してスライド17を再下降動作可能に形成されている。加工材料は図1(C)に示す帯状薄板131とされ、これから製品(例えば、リードフレーム)をプレス加工(生産)するものとされているが、加工材料およびプレス加工はこれに限定されない。また、この実施の形態の付帯装置は、材料搬送装置200によって搬入(供給)された加工材料131に関与(吸着・吸着解放)してピッチ送り可能な材料ピッチ送り装置100から形成されている。」
ウ 段落【0044】
「プレス機械10のモータ30とクランク軸との間に減速機構が介装されていることから、これに対応させるためにクランク軸にスライド位置(スライド速度)検出用のエンコーダ37を設けてある。このエンコーダ37の基本的構成・機能は、モータ回転駆動制御用のエンコーダ35の場合と同様である。」
エ 段落【0050】
「また、インターフェイス92は、所定動作完了確認用信号Sfnの読込み(検出)用であるとともに、所定動作完了確認用信号Sfnの読込み(検出)タイミングを指定するための補助信号AUXの送出用でもある。この補助信号AUXは、図2に示された所定動作完了状態の検出用スイッチ121がON状態(装置退避済状態…ロボット安全状態)であるかOFF状態(装置退避未了状態…非ロボット安全状態)であるかを所定動作完了(ロボット安全)確認用信号Sfn(“H”レベルがON状態で、“L”レベルがOFF状態である。)として読込むために、図5のST(ステップ)13で送出(ON…“H”レベル)される。ST19で消滅(OFF…“L”レベル)される。」
オ 段落【0053】-【0054】
「設定選択指令部(80)は、速度設定器(84),モーションパターン選択器(81,82)およびモーション指令部(81,82)を含み、位置速度制御部60に図4に示す設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)PTsを出力可能に形成されている。操作部84と,スライドモーションパターンやパターン選択制御プログラムを格納させたROM82と,CPU81とから形成されたモーションパターン選択器を用いて、予め設定記憶された複数のモーションパターン(経過時間t-スライド位置PT)[または、クランク角度θk-スライド位置PT]の中から希望のモーションパターン(t-PTカーブ)を選択することができる。選択されたモーションパターンは、速度設定器を用いて設定されたモータ回転速度(乃至rpm…スライドストローク数)とともにモーション指令部に出力される。」
カ 段落【0081】-【0084】
「衝突チェック位置検出手段(CPU81,ROM82)は、スライド下降動作中に衝突回避位置設定手段(84)を用いて設定された衝突回避位置Hsに基づき算出された衝突チェック位置Hscを検出可能に形成されている。この衝突チェック位置Hscは、衝突チェック位置算出手段(CPU81,ROM82)によって設定衝突回避位置Hsに基づき算出された値(位置)で、当該衝突回避位置Hsよりも図4で上方(回転方向…R方向では手前)の位置である。算出された衝突チェック位置Hscは、メモリ83Mに記憶される。すなわち、スライド17を設定衝突回避位置Hsに正確かつショックレスで停止させるためには、停止指令が発せられたときからモータ減速制御を介して停止させるのが望ましい。したがって、減速期間中にスライド17が下降する距離(高さ…変位量)分だけ上方の衝突チェック位置Hscから減速制御を開始させなければならないので、設定衝突回避位置Hsから衝突チェック位置Hscを自動算出するようにしたのである。この衝突チェック位置Hscの算出式には、検出動作(図5のST12)、判断動作等(ST13,ST14)に必要なタイムラグ相当を見込んだ距離(高さ…変位量)分を補正項として加えておくべきである。なお、減速期間は、最大減速度(マイナスの加速度…減速率)を一定とすれば、停止指令が発せられたときのスライド下降速度の高・低よって長く・短くなる。」
キ 段落【0086】-【0090】
「所定動作完了確認手段(CPU81,ROM82)は、衝突チェック位置検出手段(81,82)によって衝突チェック位置Hscが検出されたことを条件(ST12でYES)に、付帯装置(100)が所定動作を完了しているか否かを確認(ST14)する手段である。“所定動作”とは、この実施の形態では、材料ピッチ送り装置100の退避(BCK)動作であり、コンピュータ80が読み込んだ動作進行状態情報(位置検出センサー121のON/OFF動作信号…ロボット安全信号)を参照して確認(判別)される。次に、強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、所定動作完了確認手段(81,82)によって材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を確認することができなかった場合に、モータ30を回転停止して設定衝突回避位置Hsにスライド17を減速しつつ強制停止(ST16)させる。強制停止位置は、保持(ST15)される。所定動作完了再確認手段(CPU81,ROM82)は、強制停止制御手段(81,82) による強制停止中に材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作(BCK)を完了したか否かを再確認(ST17)する。つまり、スライド17を強制停止させることで材料ピッチ送り装置100側の所定動作進行を促すとともに確実な衝突回避および再同期の達成を確認するわけである。強制停止解除制御手段(CPU81,ROM82)は、強制停止後に、所定動作完了再確認手段(81,82)によって材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認(ST17でYES)することができたとを条件に、強制停止制御手段(81,82)による強制停止を解除してスライド17を再下降動作(ST18)させる。」
(2)上記(1)の記載及び図面から、引用文献1には、次の技術的事項が開示されていると認められる。
上記(1)カの「この衝突チェック位置Hscは、衝突チェック位置算出手段(CPU81,ROM82)によって設定衝突回避位置Hsに基づき算出された値(位置)で」の記載事項から、衝突チェック位置算出手段(CPU81,ROM82)は、衝突回避位置Hsに基づいて衝突チェック位置Hscを算出(設定)していると認められる。さらに、上記(1)カの「なお、減速期間は、最大減速度(マイナスの加速度…減速率)を一定とすれば、停止指令が発せられたときのスライド下降速度の高・低よって長く・短くなる」の記載事項から、スライド下降速度の高・低、つまり、スライドの位置速度の制御に用いる設定スライド位置信号PTsに基づいても衝突チェック位置Hscを設定することが開示されていると認められる。
(3)上記(1)の記載事項及び上記(2)の認定事項から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
引用発明
「加工材料131を搬送してプレスするプレス機械10であって、前記加工材料131をプレスする際に昇降動作するスライド17と、前記スライド17を駆動するモータ30と、スライド17位置(スライド速度)検出用のエンコーダ37と、続きを表示(全11行)前記スライド17の動作を規定する設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)PTsに基づき前記モータ30による前記スライド17の速度を制御する位置速度制御部60と、前記設定スライド位置信号PTsと前記スライド17を強制停止させる衝突回避位置Hsとに基づいて前記スライド17の減速を開始するための衝突チェック位置Hscを設定する衝突チェック位置算出手段(CPU81,ROM82)と、前記加工材料131に関与してピッチ送り可能な材料ピッチ送り装置100の所定動作完了確認用信号Sfnを読込むインターフェイス92とを備え、所定動作完了確認手段(CPU81,ROM82)は、衝突チェック位置検出手段(CPU81,ROM82)によって衝突チェック位置Hscが検出されたことを条件に、前記材料ピッチ送り装置100が所定動作を完了しているか否かを確認し、強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を確認することができなかった場合に、モータ30を回転停止して設定衝突回避位置Hsにスライド17を減速しつつ強制停止させ、所定動作完了再確認手段(CPU81,ROM82)は、前記スライド17の強制停止中に前記材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作を完了したか否かを再確認し、強制停止解除制御手段(CPU81,ROM82)は、強制停止後に、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認することができたことを条件に、強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる、プレス機械。」
2.引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 段落【0001】
「本発明は、曲げ加工装置の動作制御方法及び動作制御システム、並びに、曲げ加工作業のトレーニングシステム及びトレーニング方法に係り、特に、作業者が曲げ加工をより安全に行えるようにするための曲げ加工装置の動作制御方法及び動作制御システム、並びに、曲げ加工作業のトレーニングシステム及びトレーニング方法に関する。」
イ 段落【0027】
「(B1) 制御部SGは、ペダル踏み込みによる動作開始指示を受け、スライダ3を通常速度で下降させる〔図7(b)の矢印DR1参照〕(StepB1)。(B2) 制御部SGは、加速度検出フラグをOFFとし(StepB2)、加速度変化の許容範囲を「把持レベル範囲」として出力信号SNL,SNRの監視を開始する。「把持レベル範囲」は、作業者SがワークWを把持している状態を維持しつつ許容される端末装置7L,7Rにおける加速度変化の範囲である。具体的には、出力信号SNLと出力信号SNRとの値のいずれかに、「把持レベル範囲」で規定された所定幅以上の変化、すなわち所定値以上の加速度の変化が無い(左腕AL又は右腕ARが許容動作の範囲を越えて動いていない)か、否か(変化有)、を常に評価し判定する(StepB3)。(B3) 否(No)、すなわち変化が生じたと判定した場合、第1予防動作を実行する。ここでは、スライド3の下降速度を低速にする(例えば通常速度の1/3)(StepB4)。続きを表示(全16行)詳しくは、加速度変化が「把持レベル範囲」を越えた場合、制御部SGは、変化した端末装置を装着している腕が動いてワークWを把持しなくなったものとして、危険回避のための第1予防動作を実行する。(B4) 変化無し(Yes)の場合、スライド3が下降してピンチングポイントに到達したか、否か、を、判定する(StepB5)。この判定は、図示しないセンサ又は駆動部KDからフィードバックされるスライダ3の位置情報に基づいて行う。スライド3がピンチングポイントに到達した状態は、図8に示される。ピンチングポイントは、パンチPの先端がワークWに接触したポイントであり、このポイント以降、作業者SがワークWを把持しなくても、パンチP及びダイDによりワークWが支持される。(B5) ピンチングポイント未達(No)の場合、(StepB3)へ戻る。ピンチングポイント到達(Yes)の場合、制御部SGは、加速度変化の許容範囲を、「把持レベル範囲」から「加工レベル範囲」に変更し(StepB6)、加速度変化の監視を継続する。(B6) ここで、曲げ作業の基準動作は「スライド3がピンチングポイントに到達したら、作業者SはワークWから手を離す。」さらに、「ワークWを離した両腕はプレスブレーキ51から遠ざかるように水平方向に動かす」と設定されている。そこで、加速度変化の許容範囲とされる「加工レベル範囲」は、図9(a),(b)に示されるように、プレスブレーキ51から遠ざかる(離れる)概ね水平方向に腕が動いたと判定される場合を必須動作として許容するものとされ、制御部SGは、その必須動作以外の動作が行われたと判定した場合に第2予防動作を実行するようになっている。すなわち、制御部SGは、左腕の動きが反映された左腕出力信号である出力信号SNLと、右腕の動きが反映された右腕出力信号である出力信号SNRと、に基づいて左腕AL及び右腕ARの動く方向を解析し、左腕AL及び右腕ARが共に、ピンチングポイント到達後の所定時間内にプレスブレーキ51から離れる(遠ざかる)水平方向に移動したか(必須動作を実行したか)、否か、を判定する(StepB7)。(B7) 否(No)の場合、制御部SGは、左腕AL及び右腕ARがプレスブレーキ51から離れていないと判定して第2予防動作を実行する。ここでは、スライド3の下降速度を低下させる(StepB8)。(StepB4)で速度が低下している場合は、そのままの速度とするか、あるいはさらに遅い速度とする。水平方向のみを許容方向とする理由は、曲げ加工作業の内、指挟みが最も発生し易い動作はその時間がとても短いので(通常のスライド動作でピンチングポイントから最下端位置まで1秒以下)、プレスブレーキ51から最短時間でできるだけ遠く離れた安全な位置に腕先を移動させるためである。(B8) 許容動作を実行した(Yes)の場合、左腕AL及び右腕ARが共にプレスブレーキ51から水平方向に充分離れたと判定し、スライド3の下降速度を通常速度とする(StepB9)。(StepB4)の低速化がなされていない場合は、そのままの速度とする。」
(2)上記(1)の記載事項から、上記引用文献2には、曲げ加工装置の動作制御方法において、異常状態(腕が動いてワークWを把持しなくなった危険な状態)の場合にスライド3の下降速度を低速(例えば通常速度の1/3)にし、異常状態が解消された(左腕AL及び右腕ARが共にプレスブレーキ51から水平方向に充分離れた)場合にスライド3の下降速度を加速する(通常速度とする)技術的事項が記載されていると認められる。
3.引用文献3について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
ア 段落【0001】
「本発明は一般に、産業機械に適用可能な光ビームシステムおよび方法を対象とする。特に、本発明は、光ビーム安全システムに関し、産業用プレス、プレスブレーキ、または裁断機、およびCNC旋盤などの産業用旋盤などの産業機械によって加工される材料の状態を自動的に決定するシステムにも関する。次に、理解を容易にするために本発明をプレスブレーキに対して説明するが、一般にフライス加工および旋削機械、CNC機械およびプレスなどの本発明のその他の用途が本発明の範囲および境界内に収まることも想定されることを理解されたい。」
イ 段落【0054】-【0055】
「図3は、加工物3および/または工具2の端部を照射するのに使用される、「ブロック」すなわち広い断面のレーザビームなどの拡張された光源6の端面図を示す。拡張された光源の使用により、個々の点または平らなビームと比較してカバーされる画像化領域がより広くかつ高くすることができる。しかし、広い断面の画像化領域は、等しい広いビームを形成するためにビームが互いに平行かつ共に密接して延出するように照準された複数のより小さな断面のビームによって生成できることが理解されるであろう。ビームは、ビームの最上部が常に工具の先端部7を検出するように設定できる。すなわち、ブロックレーザは、安全レーザビームが工具と移動するのとほぼ同じ様式で工具と移動できる。プレス10が作動するとき、ブロックレーザは、工具と共に下降し、密閉された工具を通して約40mmの距離からダイを検出する。システムによって利用されるコントローラソフトウェア(controller software)は、特別にプログラムされない限り、ツールがダイに物理的に接触できないようにされる。画素配列は、複雑なパターンまたは領域が安全モードの間に検出できるようにし、もたらされる安全のレベルを大幅に増加する。工具の高速動作の間に必要なプロセスの量が与えられた場合、たとえば、画素の水平列または垂直列、あるいは両方の組合せなどの画素配列の一部分のみが利用されることが好ましい。たとえば工具の前面および後面の周りの下側および上側の6mmなど機械の停止距離に依存する領域があることができ、遮られると工具が停止する。この最初の領域からさらに離れて画素マトリクスの領域があることができ、遮られると、停止まで下がる下降を誘発する。さらに、遮られた場合に低速度のみを誘発し、遮蔽が取り除かれた場合に完全速度が再開するような、前述の領域を超える、さらに監視される領域があることができる。」
(2)上記(1)の記載事項から、上記引用文献3には、プレスブレーキにおいて、工具2の下降に関して、工具2の周りに、ビームが遮られた場合に低速度のみを誘発し、遮蔽が取り除かれた場合に完全速度が再開するような、ビームによって形成される領域があるという技術的事項が記載されていると認められる。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明における「加工材料131」は、本願発明1における「ワーク」に相当し、以下同様に、「プレス機械10」は「プレス機械」に、「スライド17」は「スライド」に、「モータ30」は「駆動部」に、「(スライド17位置(スライド速度)検出用の)エンコーダ37」は「(前記スライドの位置情報を検出する)検出部」に、「設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)PTs」は「モーション情報」に、「位置速度制御部60」は「速度制御部」に、「衝突回避位置Hs」は「設定地点」に、「衝突チェック位置Hsc」は「減速開始点」に、「衝突チェック位置算出手段(CPU81,ROM82)」は「停止判定演算部」に、「(加工材料131に関与してピッチ送り可能な)材料ピッチ送り装置100」は、ピッチ送りが搬送であることに変わりはないから「(ワークを搬送する)搬送装置」に、それぞれ相当する。
イ 上記ア、及び、引用発明の「所定動作完了確認用信号Sfn」と本願発明1の「搬送エラーに関する異常信号」とは「異常の有無に関する信号」という点で一致することから、引用発明の「材料ピッチ送り装置100の所定動作完了確認用信号Sfnを読込むインターフェイス92」と、本願発明1の「搬送装置からの搬送エラーに関する異常信号の入力を受け付ける異常信号受付部」とは、「搬送装置からの異常の有無に関する信号の入力を受け付ける信号受付部」という点で一致する。
ウ 上記ア、イから、引用発明の「前記材料ピッチ送り装置100が所定動作を完了しているか否かを確認」と本願発明1の「前記異常信号の入力の有無を判断」とは「前記異常の有無を確認」という点で一致し、引用発明の「前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を確認することができなかった場合」と本願発明1の「前記異常信号の入力が有ると判断した場合」とは「前記異常が有ると確認された場合」という点で一致し、引用発明の「前記スライド17の強制停止中に前記材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作を完了したか否かを再確認し」と本願発明1の「前記スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し」とは「前記スライドの減速制御の開始後に前記異常の有無を確認し」という点で一致し、引用発明の「強制停止後に、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認することができたことを条件に」と本願発明1の「前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には」とは「前記異常が無いと確認された場合には」という点で一致する。また、引用発明の「強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる」際には、スライドを加速制御していることは明らかであるから、本願発明1の「前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する」と対比すると、「前記スライドの加速制御を実行する」という点で一致する。さらに、引用発明の「所定動作完了確認手段(CPU81,ROM82)」、「強制停止制御手段(CPU81,ROM82)」、「所定動作完了再確認手段(CPU81,ROM82)」及び「強制停止解除制御手段(CPU81,ROM82)」が総合して本願発明1の「速度制御部」に相当するから、引用発明の「所定動作完了確認手段(CPU81,ROM82)は、衝突チェック位置検出手段(CPU81,ROM82)によって衝突チェック位置Hscが検出されたことを条件に、前記材料ピッチ送り装置100が所定動作を完了しているか否かを確認し、強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を確認することができなかった場合に、モータ30を回転停止して設定衝突回避位置Hsにスライド17を減速しつつ強制停止させ、所定動作完了再確認手段(CPU81,ROM82)は、前記スライド17の強制停止中に前記材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作を完了したか否かを再確認し、強制停止解除制御手段(CPU81,ROM82)は、強制停止後に、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認することができたことを条件に、強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる」と、本願発明1の「前記速度制御部は、前記検出部が検出した前記スライドの位置情報に基づいて、前記スライドが前記減速開始点に到達した場合に、前記異常信号の入力の有無を判断し、前記異常信号の入力が有ると判断した場合には前記設定地点に前記スライドが停止するように前記スライドの減速制御を実行し、前記スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し、前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には、前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する」とは、「前記速度制御部は、前記検出部が検出した前記スライドの位置情報に基づいて、前記スライドが前記減速開始点に到達した場合に、前記異常の有無を確認し、前記異常が有ると確認された場合には前記設定地点に前記スライドが停止するように前記スライドの減速制御を実行し、前記スライドの減速制御の開始後に前記異常の有無を確認し、前記異常が無いと確認された場合には、前記スライドの加速制御を実行する」という点で一致する。
エ したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「ワークを搬送してプレスするプレス機械であって、前記ワークをプレスする際に昇降動作するスライドと、前記スライドを駆動する駆動部と、前記スライドの位置情報を検出する検出部と、続きを表示(全12行)前記スライドの動作を規定するモーション情報に基づき前記駆動部による前記スライドの速度を制御する速度制御部と、前記モーション情報と前記スライドを強制停止させる設定地点とに基づいて前記スライドの減速を開始するための減速開始点を設定する停止判定演算部と、前記ワークを搬送する搬送装置からの異常の有無に関する信号の入力を受け付ける信号受付部とを備え、前記速度制御部は、前記検出部が検出した前記スライドの位置情報に基づいて、前記スライドが前記減速開始点に到達した場合に、前記異常の有無を確認し、前記異常が有ると確認された場合には前記設定地点に前記スライドが停止するように前記スライドの減速制御を実行し、前記スライドの減速制御の開始後に前記異常の有無を確認し、前記異常が無いと確認された場合には、前記スライドの加速制御を実行する、プレス機械。」
(相違点1)
搬送装置からの異常の有無の確認に関して、本願発明1は、「搬送装置からの搬送エラーに関する異常信号の入力を受け付ける異常信号受付部」を備えるのに対し、引用発明は、「材料ピッチ送り装置100の所定動作完了確認用信号Sfnを読込むインターフェイス92」を備えるものの、搬送エラーに関する異常信号の入力を受け付けてはいない点。
(相違点2)
スライドの速度制御に関して、本願発明1は、「前記速度制御部は、前記検出部が検出した前記スライドの位置情報に基づいて、前記スライドが前記減速開始点に到達した場合に、前記異常信号の入力の有無を判断し、前記異常信号の入力が有ると判断した場合には前記設定地点に前記スライドが停止するように前記スライドの減速制御を実行し、前記スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し、前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には、前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する」のに対し、引用発明は、「所定動作完了確認手段(CPU81,ROM82)は、衝突チェック位置検出手段(CPU81,ROM82)によって衝突チェック位置Hscが検出されたことを条件に、前記材料ピッチ送り装置100が所定動作を完了しているか否かを確認し、強制停止制御手段(CPU81,ROM82)は、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を確認することができなかった場合に、モータ30を回転停止して設定衝突回避位置Hsにスライド17を減速しつつ強制停止させ、所定動作完了再確認手段(CPU81,ROM82)は、前記スライド17の強制停止中に前記材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作を完了したか否かを再確認し、強制停止解除制御手段(CPU81,ROM82)は、強制停止後に、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認することができたことを条件に、強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる」点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点2から検討する。
上記(1)エの「相違点2」に記載したとおり、本願発明1は「スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し、前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には、前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する」のに対し、引用発明は「前記材料ピッチ送り装置100が当該強制停止後に所定動作を完了したか否かを再確認し」、「所定動作完了を再確認することができたことを条件に、強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる」点、つまり、減速制御の開始後、どのタイミングで搬送状態を再確認するかで相違する。
そして、このタイミングの相違により、本願発明1は、停止を前提とする減速制御(負の加速度の制御)中に、異常信号の入力が無くなれば、停止しないのに対して、引用発明は、必ず停止し、その後に正常が確認されれば停止を解除するという機能や作用について、大きく相違することになる。
この相違点2について、引用文献2には、スライド3の下降速度を低速にしている最中に周囲の状態を確認し、異常状態が解消された場合にスライド3の下降速度を加速することが開示されているが、当該スライド3の下降速度の低速制御は、本願発明1の「減速制御」、つまり、「前記設定地点に前記スライドが停止するように」する制御ではないことから、引用文献2に記載された技術的事項は、スライドの減速制御の実行中に、異常状態が解消された場合にスライドの下降速度を加速するものではない。
同様に、引用文献3には、ビームが遮られた場合に低速度のみを誘発し、遮蔽が取り除かれた場合に完全速度が再開することが開示されているが、当該低速度にする制御が、本願発明1の「減速制御」、つまり、「前記設定地点に前記スライドが停止するように」する制御であるか不明であることから、引用文献3に記載された技術的事項は、工具の減速制御の実行中に、遮蔽が取り除かれた場合に完全速度を再開するものではない。
つまり、引用文献2、3には、低速度の制御(所定の速度よりも低い一定の速度での制御)の実行中に、異常状態が解消された場合に、速度を所定速度まで加速することが記載されているにすぎず、本願発明1のように、スライドの減速制御(負の加速度の制御)の実行中に、異常状態で無くなったと判断した場合に前記スライドの加速制御を実行することが開示されているとはいえない。
また、引用発明は「(スライド17の)強制停止後に、前記材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認することができたことを条件に、強制停止を解除してスライド17を再下降動作させる」ものであり、引用文献1には、「強制停止後」を「強制停止中」に変更することを示唆する記載は見当たらない。
そうすると、引用発明において、「強制停止後」に材料ピッチ送り装置100の所定動作完了を再確認していたものを「強制停止中」に変更する動機はないというべきである。
したがって、上記相違点2に係る構成は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
(3)引用発明と比較した有利な効果
本願発明1は、「スライドの減速制御の実行中に前記異常信号の入力が無くなるか否かを判断し、前記異常信号の入力が無くなったと判断した場合には、前記モーション情報に基づく前記駆動部による前記スライドの加速制御を実行する」構成を有するものであり、当該構成により、ワークを搬送する搬送装置からの搬送エラーに関する異常信号の入力の有無を判断し、異常信号の入力が有る場合には、設定地点に停止するように減速制御するが、異常信号の入力があった場合でも設定地点に到達するまでの間に異常信号の入力が無くなった場合にはスライドの減速制御を中止して、モーションデータに基づくスライドの加速制御を実行することにより、スライドを停止しない場合があるのに対して、引用発明は、必ずスライドを停止させるから、本願発明1は、生産性の低下を抑制することが可能となるという、引用発明と比較した有利な効果を有する。
(4)本願発明1のむすび
したがって、本願発明1は、相違点1を検討するまでもなく、引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
2.本願発明2-4について
本願発明2-4は、本願発明1の構成全てを引用した発明であって、本願発明1の相違点2に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3.本願発明5について
本願発明5は、本願発明1に対応する制御方法の発明であり、本願発明1の相違点2に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
1.理由1(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1-5には「ワークを搬送する搬送装置からの搬送エラーに関する異常信号の入力を受け付ける」という構成が新たに追加されるとともに、本願発明1-5は上記第5 1.(1)エの「相違点2」に係る構成を有していることから、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-3に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-5は、当業者が引用発明及び引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-017641