2019-010999
遊技機
- 審判番号
- 2019-010999
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-222158外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年08月21日
- 審決日
- 2020年03月30日
- 公報発行日
- 2020年05月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 15項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成26年10月31日の出願であって、平成30年7月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月21日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月4日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成31年2月8日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和1年5月10日付け(送達日:同年5月21日)で、平成31年2月8日付け手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和1年8月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願請求項1及び請求項2に係る発明は、以下の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2011-10957号公報
2.特開2013-252304号公報
第3 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、本願の請求項1及び2に係る発明をそれぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和1年8月21日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。(当審においてA~Rに分説した。)
「【請求項1】A 遊技球を発射させる発射手段と、B 遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、C 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞手段と、続きを表示(全21行)D 前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、E 前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、F 前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とG を備える遊技機であって、H 前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を前記遊技領域の外部に案内する入球口を備えるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を前記遊技盤と略平行して変位可能な第1可変部材を備え、I 前記開位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第1位置と、前記閉位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第2位置との間を変位可能な第2可変部材を備え、J 前記第1可変部材は、前記主制御手段により駆動制御され、K 前記第2可変部材は、前記サブ制御手段により駆動制御され、L 前記第1可変部材が前記開位置にあり、前記第2可変部材が前記第1位置にある場合には、前記第1可変部材の前記閉位置側の面よりも、前記第2可変部材の前記第2位置側の辺部の方が、前記閉位置側に位置し、M 前記閉位置から前記開位置へと変位する前記第1可変部材の前方は、前記第2位置から前記第1位置へと変位する前記第2可変部材により覆われ、N 前記開位置から前記閉位置へと変位する前記第1可変部材の前方は、前記第1位置から前記第2位置へと変位する前記第2可変部材により覆われる構成であって、O 前記第1可変部材は、当該第1可変部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記第2位置にある前記第2可変部材を押圧して、当該第2可変部材を前記第1位置へと変位可能な押圧部を備え、P 前記第2可変部材は、前記第1可変部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記押圧部に押圧される凸状の被押圧部を備え、Q 前記押圧部は、前記第1可変部材を前記閉位置としたまま、前記第2可変部材を前記第1位置へと変位させる場合に、前記第2可変部材との干渉が回避されるように構成されているG ことを特徴とする遊技機。【請求項2】R 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
(1)「【0008】以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台としてのパチンコ機100について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。」
(2)「【0010】前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。【0011】球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。」
(3)「【0018】図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。」
(4)「【0026】第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置が当り図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。」
(5)「【0031】このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口136に到達する。」
(6)「【0038】まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。」
(7)「【0040】本実施の形態では、所定の抽選条件の成立(例えば、第1または第2特図始動口230、232に球が入賞したこと)に基づいて基本回路(抽選手段)302が抽選を行い、基本回路302の抽選結果(例えば、小当りに当選したこと)に基づいて、各種ソレノイド(可変制御手段)332が第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させるようになっている。」
(8)「【0046】次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。」
(9)「【0059】図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。」
(10)「【0074】次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。」
(11)「【0086】ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。・・・【0088】また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。【0089】また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。」
(12)「【0173】図13を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。同図(d)は、擬似報知手段254による擬似報知の動作態様を決定するための擬似報知態様決定処理のフローチャートである。」
(13)「【0188】次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS609の演出制御処理において実行される擬似報知態様決定処理について説明する。同図は、擬似報知態様決定処理の流れを示すフローチャートである。擬似報知とは、当選した特図変動遊技とは別の特図変動遊技に当選したものと遊技者に思わせる偽りの報知をいう。また、擬似報知態様とは、擬似報知のための具体的な動作や状態をいう。本実施の形態では、小当りに当選した場合に小当り以外の特図変動遊技(例えば、2R大当り)に当選したものと遊技者が誤認するような擬似報知がなされる。また、本実施の形態では、擬似報知手段254によって擬似報知態様が実現される。」
(14)「【0213】上記の通り本実施の形態では、擬似可変部(本実施の形態では、擬似報知手段254)は、可変制御手段(本実施の形態では、各種ソレノイド332)が可変部(本実施の形態では、第2可変入賞口扉250)を閉状態から開状態に変化させる場合(本実施の形態では、例えば期間t1)に、当該変化に同期して動作するとともに、第2可変入賞口扉250が閉状態を継続していても(本実施の形態では、期間t2以降)、所定条件の成立(本実施の形態では、小当りに当選)に基づいて動作する。このように、擬似報知手段254およびこれに備えられた遮蔽部が第2可変入賞口扉250と同期して動作することにより、第2可変入賞口扉250の視認性が低くなる。これにより、遊技者に可変進入口(本実施の形態では、第2可変入賞口252)の近傍を注視させられる場合がある。さらに、擬似報知手段254は、各種ソレノイド332が第2可変入賞口扉250を第1の回数(本実施の形態では1回)だけ閉状態から開状態に変化させる場合に、当該第1の回数より多い第2の回数(本実施の形態では2回または3回)だけ非動作状態から動作状態に動作する。これにより、パチンコ機100は、遊技者にお得感を与えられる場合がある。」
(15)「【0268】次に、本発明の第3の実施の形態によるパチンコ機について図25を用いて説明する。本実施の形態では、第2特図始動口の開閉動作の一方を含む可変態様となるように動作する所定の擬似可変部を備えた点に特徴を有している。なお、本実施の形態のパチンコ機の概略構成は、第2可変入賞口扉250、第2可変入賞口252および擬似報知手段254を有していない点を除いて、上記実施の形態のパチンコ機100とほぼ同様であるため説明は省略する。【0269】図25は、本実施の形態のパチンコ機に備えられた第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、第2特図始動口232に備えられた第2特図始動口扉292と、擬似報知に用いる擬似報知手段294と、擬似報知手段294が遊技球に接触するのを防止する透過性防止手段298とを示している。図25(a)は、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の非動作状態とを示し、図25(b)は、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態とを示し、図25(c)は、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の非動作状態とを示し、図25(d)は、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態とを示している。また、図25(a)乃至図25(d)の図中上側から概略上面図、概略正面図および概略斜視図がこの順に示されている。図25(a)乃至図25(d)において、最上段の図では、軸部材251の図示を省略している。続きを表示(全22行)・・・【0271】図25(a)乃至図25(d)に示すように、第2特図始動口232の上方には、第1特図始動口230が所定の間隙を設け、遊技盤面(不図示)に固定されている。第1および第2特図始動口230、232は上面側が開口した器形状にそれぞれ形成されて、ほぼ同様の形状を有している。当該開口が遊技球の進入口となる。【0272】一対の第2特図始動口扉292は、第1および第2特図始動口230、232の両側に配置されている。一対の第2特図始動口扉292は羽根型形状を有している。第2特図始動口扉292は、第2特図始動口252とほぼ同じ厚さを有している。第2特図始動口扉292は、例えば透明部材で構成されている。第2特図始動口扉292の中央下部には、遊技盤面から突出して形成された軸部材291が貫通されて配置されている。第2特図始動口扉292は、軸部材251を回転軸にして遊技盤面に対して回転自在に配置されている。第2特図始動口扉292は、軸部材291を中心とする円周の約1/4の範囲で回転可能である。第2特図始動口扉292が回転可能な当該範囲が第2特図始動口扉292の可変領域296となる。【0273】第2特図始動口扉292は、遊技球が進入し易い開状態(図25(c)および図25(d)参照)と、遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態(図25(a)および図25(b)参照)とに変化可能になっている。一対の第2特図始動口扉292が対向する対向面の長さは、第1および第2特図始動口230、232間の間隙の長さより長くなっている。このため、一対の第2特図始動口扉292が立ち上がって閉状態であると、当該所定の間隙は一対の第2特図始動口扉292によって塞がれてしまう。このため、遊技球は、第2特図始動口232に入賞できなくなる。【0274】一方、一対の第2特図始動口扉292が立ち下がって開状態であると(図25(c)および図25(d)参照)、第1および第2特図始動口230、232間の所定の間隙は、遊技球が進入できる程度の長さに開放されて、遊技球が第2始動口232に入賞できるようになる。・・・【0276】擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の可変領域296の一部の前方向に重なる位置に配置されている。一対の擬似報知手段294は、遊技者に対して一対の第2特図始動口扉292の前面に配置されている。一対の擬似報知手段294は、遊技盤面をその法線方向に見て、一対の第2特図始動口扉292とほぼ同形状且つ同じ大きさに形成されている。擬似報知手段294の厚さは、第2特図始動口扉292の厚さより薄く形成されている。【0277】第2特図始動口扉292と同様に、擬似報知手段294の中央下部を軸部材291が貫通している。これにより、擬似報知手段294は、軸部材291を回転軸にして遊技盤面に対して回転自在に配置される。透過性防止手段298は、可変領域296の範囲内で擬似報知手段294が十分に回転動作できる大きさを有している。これにより、擬似報知手段294は可変領域296の範囲を回転できる。このため、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の開状態および閉状態のうちの一方を含む可変態様となるように、第2特図始動口扉292とは別個独立に動作できる。【0278】例えば、図25(a)および図25(c)では、擬似報知手段294の状態は、第2特図始動口扉292が閉状態であると遊技者に思わせる状態であり、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の閉状態を含む可変態様になっている。一方、図25(b)および図25(d)では、擬似報知手段294の状態は、第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる状態であり、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の開状態を含む可変態様になっている。【0279】本実施の形態によれば、所定の抽選条件の成立(本実施の形態では、普図始動口228に入賞)に基づいて抽選を行なう抽選手段(本実施の形態では、基本回路302)が所定の条件が成立(普図変動遊技に当選)したと判断した場合に、当該抽選結果に基づいて、第1副制御部400が擬似報知を行うか否かを判断し、擬似報知すると判断したら、第2特図始動口扉292の開閉動作に擬似報知手段294の擬似報知を関連付けて制御することにより、第2特図始動口扉292が多くまたは少なく開閉したように誤認させることができる場合がある。これにより、パチンコ機は、遊技者にお得感を与えられる場合がある。」
(16)【図25】
(17)認定事項(ア)
図25(a)には、非動作状態の擬似報知手段294が、閉状態の第2特図始動口扉292の前方向にほぼ重なり、図25(d)には、動作状態の擬似報知手段294が、開状態の第2特図始動口扉292の前方向にほぼ重なっていることが図示されている。
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「a 遊技球を遊技領域に打ち出す発射装置110と(【0011】、【0031】)、b 前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで区画形成され、遊技球が転動可能な遊技領域124と(【0010】、【0018】、【0031】)、c、h 遊技領域124の下方に落下した遊技球(【0031】)が進入し易い開状態と、遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態とに変化可能で、第2特図始動口232とほぼ同じ厚さを有する一対の第2特図始動口扉292が両側に配置され、遊技盤面から突出して形成された軸部材291を回転軸にして遊技盤面に対して回転自在に配置された第2特図始動口232であって(【0272】~【0273】)、上面側が開口した器形状に形成された遊技球の進入口を備えるとともに(【0271】)、入球した遊技球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出される(【0026】)、第2特図始動口232と、d 第2特図始動口232への入球を検出する第2始動口センサと(【0026】、【0059】)、続きを表示(全13行)e 第2始動口センサが検出したことに基いて抽選を行い、抽選結果に基いて、第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させる、主制御部300の全体を制御する基本回路302と(【0038】、【0040】、【0059】)、f 主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402と(【0046】)、i 遊技盤面をその法線方向に見て、第2特図始動口扉292とほぼ同形状且つ同じ大きさになるよう配置され、閉状態の第2特図始動口扉292の前方向にほぼ重なり、第2特図始動口扉292が閉状態であると遊技者に思わせる非動作状態と、開状態の第2特図始動口扉292の前方向にほぼ重なり、第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる動作状態とに、第2特図始動口扉292とは別個独立に動作できる擬似報知手段294と(【0269】、【0276】~【0278】、認定事項(ア))、g を備えるパチンコ機100(【0008】)であって、j 基本回路302のCPU304(【0038】)は、主制御部タイマ割込処理を実行し(【0074】)、主制御部タイマ割込処理のステップS221で行う普図状態更新処理において、普図変動遊技の結果が当りであれば、所定の開放期間、第2特図始動口扉292を開放状態に保持する信号を出力し(【0086】、【0088】、【0273】)、k 普図変動遊技に当選した場合に、当該抽選結果に基づいて、第1副制御部400が擬似報知を行うか否かを判断し、擬似報知すると判断したら、第2特図始動口扉292の開閉動作に擬似報知手段294の擬似報知を関連付けて制御し(【0279】)、m 擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292を閉状態から開状態に変化させる場合に、当該変化に同期して動作し(【0213】、【0273】、【0276】)、q 第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の非動作状態、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の非動作状態、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態を含む可変態様に変化可能な(【0269】、【0278】)、f パチンコ機100。」
2 引用文献2について
引用文献2には、「閉鎖状態にある場合には、入賞口61に通じる開口を閉鎖し、開放状態に変化した場合には、入賞口61に通じる開口を開放して遊技領域31を流下する遊技球の入賞口61への入賞を容易にする、遊技盤3における透明な一部の前側に設けられた開閉羽部材11と(【0006】、【0025】~【0026】)、
開閉羽部材11よりも大きい形状で、かつ遊技盤3の裏面側を開閉羽部材11の作動範囲よりも広い領域を作動し得、図3
【図3】
に示す第1位置と、図4
【図4】
に示す第2位置とに作動可能である装飾羽部材13とを備え(【0030】、【図3】、【図4】)、
遊技盤3における装飾羽部材13の前方部位が透明であるため、遊技者は遊技盤3の前側から装飾羽部材13を視認可能であり(【0031】)、
開閉羽部材11をソレノイド14によって変化させ且つ装飾羽部材13をソレノイド15によって変化させるか(【0025】、【0030】)、又は、装飾羽部材13を、開閉羽部材11と同軸に枢支して同一のソレノイドで同期作動させることで(【0035】)、開閉羽部材11が閉鎖状態から開放状態及びその逆へ状態変化することに同期して、装飾羽部材13が第1位置から第2位置及びその逆へ作動し(【0032】)、
開閉羽部材11が開放状態で、装飾羽部材13が第2位置にあるときは、開閉羽部材11の閉鎖状態側の辺部よりも、装飾羽部材13の第1位置側の辺部の方が、閉鎖状態側に位置している(【図4】)、
パチンコ機(【0014】)。」(以下、「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されている。
3 その他の文献について
(1)特開2007-98027号公報(以下、「引用文献3」という。)には、「駆動モータ39の回転によって作動開閉部材23が開放位置から左方に移動し、該作動開閉部材23における上下のリブ32,33が、従動開閉部材22における左側の上下のリブ29,30に右側から係合することで、該従動開閉部材22は作動開閉部材23に連なった状態で一体的に左方に移動する右シャッター24を備えた(【0031】、【図12】)、パチンコ機P(【0012】)。」(以下、「引用文献3に記載の技術」という。)が記載されている。
(2)特開2005-349075号公報(以下、「引用文献4」という。)には、「変動入賞装置40が第1開閉扉51および第2開閉扉61を備え(【0024】)、第2開閉扉61が前方へ回動すると、第2段部61aは第1段部51aとの係止状態が解除されるため、第2開閉扉61だけが単独で開放され、第1開閉扉51は閉じた状態を維持するとともに、第1開閉扉51が前方へ回動すると、第1段部51aおよび第2段部61aの相互の係止状態は解除されず、第1段部51aの段部前面51cが第2段部61aの段部後面61cを前方へ押圧するため、第1開閉扉51の開放と連動して第2開閉扉61も開放される(【0029】)、パチンコ機1(【0018】)。」(以下、「引用文献4に記載の技術」という。)が記載されている。
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる(見出し(a)~(m)は、本願発明1の特定事項A~Mに対応する。)。
(a)引用発明1の構成aにおける「遊技球を遊技領域に打ち出す発射装置110」は、本願発明1の構成Aの「遊技球を発射させる発射手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成aは、本願発明1の構成Aに相当する。
(b)引用発明1の構成bにおける、「遊技盤200の前面」及び「遊技球が転動可能な遊技領域124」は、それぞれ、本願発明1の構成Bの「遊技盤の前面側」及び「遊技球が案内される遊技領域」に相当する。
してみると、引用発明1の構成bは、本願発明1の構成Bに相当する。
(c)引用発明1の構成c、hにおける、「遊技球」が「遊技領域124の」「下方に落下」することは、本願発明1の構成Cの「遊技球」が「遊技領域を移動する」ことに相当する。
また、同構成c、hにおける、「上面側が開口した器形状に形成された遊技球の進入口を備え」た「第2特図始動口232」は、同構成Cの「遊技球が入球可能な始動入賞手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成c、hは、本願発明1の構成Cに相当する構成を備えるものである。
(d)引用発明1の構成dにおける、「第2特図始動口232への入球を検出する第2始動口センサ」は、本願発明1の構成Dの「前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成dは、本願発明1の構成Dに相当する。
(e)引用発明1の構成eにおいて、「第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化」させることは、本願発明1の構成Eの「遊技者にとって有利な特別遊技状態」「を発生」させることに相当する。
よって、引用発明1の構成eにおける、「第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したこと」「に基いて」「抽選を行い、」「抽選結果」「に基いて、」「第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させる」「主制御部300の全体を制御する基本回路302」は、本願発明1の構成Eの「前記始動入賞検知手段の検知に基いて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基いて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成eは、本願発明1の構成Eに相当する。
(f)引用発明1の構成fにおける、「主制御部300が送信したコマンド」は、本願発明1の構成Fの「前記主制御手段からの信号」に相当するから、同構成fの「主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402」は、本願発明1の構成Fの「前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成fは、本願発明1の構成Fに相当する。
(g)引用発明1の構成gにおける「パチンコ機100」は、本願発明1の構成Gの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明1の構成gは、本願発明1の構成Gに相当する。
(h)引用発明1の構成c、hにおいて、「進入口」及び「遊技球」を「パチンコ機100の裏側に誘導」することは、それぞれ、本願発明1の構成Hの「入球口」及び「遊技球を前記遊技領域の外部に案内する」ことに相当する。
また、同構成c、hにおいて、「遊技球が進入し易い開状態」及び「遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態」「とに変化可能」な「一対の第2特図始動口扉292」は、本願発明1の構成Hの「前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を変位可能な第1可変部材」に相当する。
してみると、引用発明1の構成c、hは、本願発明1の構成Hに相当する構成を備えるものである。
(i)引用発明1の構成iにおいて、「動作状態」にある「擬似報知手段294」は、「開状態」の「第2特図始動口扉292」の「の前方向にほぼ重な」っているから、本願発明1の構成Iの「前記開位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第1位置」にあるといえ、「非動作状態」にある「擬似報知手段294」は、「閉状態」の「第2特図始動口扉292」の「の前方向にほぼ重な」っているから、同構成Iの「前記閉位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第2位置」にあるといえる。
そして、同構成iにおいて、「動作状態」と「非動作状態」に「動作できる」「擬似報知手段294」は、同構成Iの「第1位置」と「第2位置との間を変異可能な第2可変部材」に相当する。
してみると、引用発明1の構成iは、本願発明1の構成Iに相当する。
(j)引用発明1の構成jにおいて、「基本回路302のCPU304」は、「第2特図始動口扉292」を「所定の開放期間」「開放状態に保持する信号を出力」しており、当該信号に基づいて、第2特図始動口扉292が開放状態となることから、同構成jにおいて、基本回路302のCPU304は、第2特図始動口扉292を駆動制御しているといえる。
よって、同構成jにおいて、「第2特図始動口扉292」が、「基本回路302のCPU304」によって「出力」した「信号」によって「所定の開放期間」「開放状態に保持する」ことは、同構成Jの「前記第1可変部材は、前記主制御手段により駆動制御され」ることに相当する。
してみると、引用発明1の構成jは、本願発明1の構成Jに相当する。
(k)引用発明1の構成kにおいて、「擬似報知手段294の擬似報知」が、「第1副制御部400」によって「第2特図始動口扉292の開閉動作に」「関連付けて」「制御」されることは、第1副制御部400が、第2特図始動口扉292の開閉動作と関連して、構成iの擬似報知手段294の動作状態と非動作状態の動作を制御していると認められるから、同構成kの「前記第2可変部材」が、「前記サブ制御手段により駆動制御され」ることに相当する。
してみると、引用発明1の構成kは、本願発明1の構成Kに相当する。
(m)引用発明1の構成iにおいて、「開状態」及び「閉状態」の「第2特図始動口扉292」と、「動作状態」及び「非動作状態」の「擬似報知手段254」が「ほぼ重なって」いることを考慮すれば、同構成mにおいて、「擬似報知手段254」の「動作」が、「第2特図始動口扉292」「を閉状態から開状態に変化させる」ことと「同期」することは、閉状態から開状態に変化する第2特図始動口扉292の前方は、非動作状態から動作状態に変化する擬似報知手段254に覆われているといえる。
してみると、引用発明1の構成mは、本願発明1の構成Mに相当する。
したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点がある。
(一致点)
「A 遊技球を発射させる発射手段と、B 遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、C 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入賞手段と、D 前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、続きを表示(全13行)E 前記始動入賞検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基づいて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と、F 前記主制御手段からの信号に基づいて制御を実行可能なサブ制御手段とG を備える遊技機であって、H 前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を前記遊技領域の外部に案内する入球口を備えるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を前記遊技盤と略平行して変位可能な第1可変部材を備え、I 前記開位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第1位置と、前記閉位置にある前記第1可変部材の前方を覆うことのできる第2位置との間を変位可能な第2可変部材を備え、J 前記第1可変部材は、前記主制御手段により駆動制御され、K 前記第2可変部材は、前記サブ制御手段により駆動制御され、M 前記閉位置から前記開位置へと変位する前記第1可変部材の前方は、前記第2位置から前記第1位置へと変位する前記第2可変部材により覆われる、G 遊技機。」
(相違点)
・相違点1(特定事項L)
第1可変部材が前記開位置にあり、第2可変部材が第1位置にある場合に、本願発明1は、「前記第1可変部材の前記閉位置側の面よりも、前記第2可変部材の前記第2位置側の辺部の方が、前記閉位置側に位置」しているのに対し、引用発明1は、それに対応する構成を備えていない点。
・相違点2(特定事項N)
本願発明1は、「前記開位置から前記閉位置へと変位する前記第1可変部材の前方は、前記第1位置から前記第2位置へと変位する前記第2可変部材により覆われる」のに対し、引用発明1は、それに対応する構成を備えていない点。
・相違点3(特定事項O、P、Q)
本願発明1は、「前記第1可変部材は、当該第1可変部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記第2位置にある前記第2可変部材を押圧して、当該第2可変部材を前記第1位置へと変位可能な押圧部を備え、前記第2可変部材は、前記第1可変部材が前記閉位置から前記開位置へと変位する際に前記押圧部に押圧される凸状の被押圧部を備え、前記押圧部は、前記第1可変部材を前記閉位置としたまま、前記第2可変部材を前記第1位置へと変位させる場合に、前記第2可変部材との干渉が回避されるように構成されている」のに対し、引用発明1は、それに対応する構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑み、まず上記相違点3について検討する。
ア 引用文献2に記載の技術と本願発明1との対比
上記「第4」「2」の引用文献2に記載の技術における、「開閉羽部材11」及び「装飾羽部材13」が、それぞれ、本願発明1の「第1可変部材」及び「第2可変部材」に相当する。
そして、引用文献2に記載の技術は、開閉羽部材11をソレノイド14によって変化させ且つ装飾羽部材13をソレノイド15によって変化させ、又は、装飾羽部材13を、開閉羽部材11と同軸に枢支して同一のソレノイドで同期作動させている。
しかしながら、引用文献2に記載の技術は、開閉羽部材11(第1可変部材)が本願発明1の構成Oの押圧部に対応する構成を備えておらず、装飾羽部材13(第2可変部材)が同構成Pの被押圧部に対応する構成を備えていない。また、開閉羽部材11(第1可変部材)が本願発明1の押圧部に対応する構成を備えていないため、同構成Qの「前記押圧部は、前記第1可変部材を前記閉位置としたまま、前記第2可変部材を前記第1位置へと変位させる場合に、前記第2可変部材との干渉が回避される」構成に対応する構成も備えていない。
よって、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用発明1と引用文献2に記載の技術に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。
イ 引用文献3に記載の技術と本願発明1との対比
上記「第4」「3」(1)の引用文献3に記載の技術における、「作動開閉部材23における上下のリブ32,33」及び「従動開閉部材22における左側の上下のリブ29,30」が、それぞれ、本願発明1の「第1可変部材」が「備え」る「押圧部」及び「第2可変部材」が「備え」る「被押圧部」に相当する。
よって、上記相違点3に係る本願発明1の構成O、Pは、引用文献3に示されているといえる。
しかしながら、引用文献3に記載の技術は、従動開閉部材22には駆動モータを備えておらず、本願発明1の構成Qの「前記第1可変部材を前記閉位置としたまま、前記第2可変部材を前記第1位置へと変位させる場合」に対応する構成を備えていない。
よって、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用発明1と引用文献3に記載の技術に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。
ウ 引用文献4に記載の技術と本願発明1との対比
上記「第4」「3」(2)の引用文献4に記載の技術における、「第1開閉扉51」、「第2開閉扉61」、「第1段部51a」及び「第2段部61a」は、それぞれ、本願発明1の「第1可変部材」、「第2可変部材」、「押圧部」及び「被押圧部」に相当する。
また、上記引用文献4に記載の技術は、「第1開閉扉51が前方へ回動すると、第1段部51aおよび第2段部61aの相互の係止状態は解除されず、第1段部51aの段部前面51cが第2段部61aの段部後面61cを前方へ押圧するため、第1開閉扉51の開放と連動して第2開閉扉61も開放される」ことから、第1段部51aは、第1開閉扉51を開放する場合に、閉状態にある第2開閉扉61の第2段部61aを押圧して、第2開閉扉61を開放可能であるといえる。
そして、上記引用文献4に記載の技術は、第2開閉扉61が前方へ回動すると、第2段部61aは第1段部51aとの係止状態が解除され、第2開閉扉61だけが単独で開放されることから、第1段部51aは、第1開閉扉51を閉位置としたまま、第2開閉扉61を開放する場合に、第2段部61aとの干渉が回避されるように構成されているといえる。
よって、上記相違点3に係る本願発明1の構成O~Qは、引用文献4に示されているといえる。
エ 引用発明1に引用文献4に記載の技術を適用することの阻害要因
引用発明1は、「第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態」に変化可能であることに加え、さらに「第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の非動作状態」にも変化可能である(構成q)。
したがって、引用発明1では、擬似報知手段294(第2可変部材)が、第2特図始動口扉292(第1可変部材)と同期して変位するだけでなく、擬似報知手段294単独でも変位する必要がある。
しかるに、引用文献4に記載の、「第1開閉扉51(第1可変部材)の開放と連動して第2開閉扉61(第2可変部材)も開放される」技術を引用発明1に適用すると、第2特図始動口扉292の開状態への変位に連動して擬似報知手段294も常に変位してしまい、擬似報知手段294を単独で変位させることが不可能となってしまうから、引用発明1に引用文献4に記載の技術を適用することには阻害要因がある。
よって、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用発明1と引用文献4に記載の技術に基いて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。
上記ア~エより、その余の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用文献1に記載された発明と、引用文献2~引用文献4に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2について
本願発明1が、引用文献1に記載された発明と、引用文献2~引用文献4に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえないのであるから、本願発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加した本願発明2も同様に、引用文献1に記載された発明と、引用文献2~引用文献4に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
1 理由(特許法第29条第2項)について
本願発明1及び本願発明2は、上記「第5 対比・判断」で示したとおり、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1及び引用文献2に基いて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2019-010999