特許拒絶査定不服審判
2019-010998
遊技機
- 審判番号
- 2019-010998
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-222157外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年08月21日
- 審決日
- 2020年03月30日
- 公報発行日
- 2020年05月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .121-WY (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-222157号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月23日出願公開、特開2016- 86937号、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年10月31日の出願であって、平成30年7月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月21日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月4日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成31年2月8日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和1年5月10日付け(送達日:同年5月21日)で、平成31年2月8日付け手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和1年8月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和1年5月10日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1及び請求項2に係る発明は、以下の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2011-10957号公報
2.特開2013-252304号公報
第3 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、本願の請求項1及び2に係る発明をそれぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和1年8月21日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。(当審においてA~Mに分説した。)
「【請求項1】
A 遊技球を発射させる発射手段と、
B 遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
C 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された始動入賞手段と、
D 前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
E 前記始動入賞検知手段の検知に基いて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基いて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と
F を備える遊技機であって、
G 前記遊技領域において前記始動入賞手段を含む範囲の前方を覆うようにして前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられた前被覆手段を備え、
H 前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を前記遊技領域の外部に案内する入球口を備えるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を変位可能な羽根部材を備える構成において、
I 前記開位置にある前記羽根部材と前後に重複する位置において、前記羽根部材が前記開位置にあるかのような視認態様となる第1状態と、前記羽根部材が前記閉位置にあるかのような視認態様となる第2状態とに状態変化可能な変化手段を備え、
J 前記羽根部材が前記閉位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態と前記第2状態とに状態変化可能に構成され、かつ、前記羽根部材が前記開位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態に維持され、
K 前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合には、前記遊技領域のうち、前記開位置にある前記羽根部材が配置される領域であって、前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を遊技球が移動可能に構成され、
L 前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合に前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を移動する遊技球に接触し、当該接触の後に当該遊技球が前記第1状態にある前記変化手段と、前記前被覆手段とにより前方が覆われる領域を移動可能とする進路変更手段が設けられている
F ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
M 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)
(1)「【0008】
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台としてのパチンコ機100について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。」
(2)「【0010】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。
【0011】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。」
(3)「【0018】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。」
(4)「【0026】
第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口232は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置が当り図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。」
(5)「【0030】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0031】
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口136に到達する。」
(6)「【0038】
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。」
(7)「【0040】
本実施の形態では、所定の抽選条件の成立(例えば、第1または第2特図始動口230、232に球が入賞したこと)に基いて基本回路(抽選手段)302が抽選を行い、基本回路302の抽選結果(例えば、小当りに当選したこと)に基いて、各種ソレノイド(可変制御手段)332が第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させるようになっている。」
(8)「【0059】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。」
(9)「【0268】
次に、本発明の第3の実施の形態によるパチンコ機について図25を用いて説明する。本実施の形態では、第2特図始動口の開閉動作の一方を含む可変態様となるように動作する所定の擬似可変部を備えた点に特徴を有している。なお、本実施の形態のパチンコ機の概略構成は、第2可変入賞口扉250、第2可変入賞口252および擬似報知手段254を有していない点を除いて、上記実施の形態のパチンコ機100とほぼ同様であるため説明は省略する。
【0269】
図25は、本実施の形態のパチンコ機に備えられた第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、第2特図始動口232に備えられた第2特図始動口扉292と、擬似報知に用いる擬似報知手段294と、擬似報知手段294が遊技球に接触するのを防止する透過性防止手段298とを示している。図25(a)は、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の非動作状態とを示し、図25(b)は、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態とを示し、図25(c)は、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の非動作状態とを示し、図25(d)は、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態とを示している。また、図25(a)乃至図25(d)の図中上側から概略上面図、概略正面図および概略斜視図がこの順に示されている。図25(a)乃至図25(d)において、最上段の図では、軸部材251の図示を省略している。
【0270】
本実施の形態のパチンコ機100は、遊技球が進入し易い開状態と遊技球が進入し難い閉状態とに変化可能な所定の可変部(本実施の形態では、第2特図始動口扉292)を有する所定の可変進入口(本実施の形態では、第2特図始動口232)と、第2特図始動口扉292の可変領域296の一部と前方向に重なる位置に配置され、所定の条件が成立(本実施の形態では、普図変動遊技に当選)したことに基いて、第2特図始動口扉292の開状態および閉状態のうちの一方を含む可変態様となるように動作する所定の擬似可変部(本実施の形態では、擬似報知手段294)とを有している。
【0271】
図25(a)乃至図25(d)に示すように、第2特図始動口232の上方には、第1特図始動口230が所定の間隙を設け、遊技盤面(不図示)に固定されている。第1および第2特図始動口230、232は上面側が開口した器形状にそれぞれ形成されて、ほぼ同様の形状を有している。当該開口が遊技球の進入口となる。
【0272】
一対の第2特図始動口扉292は、第1および第2特図始動口230、232の両側に配置されている。一対の第2特図始動口扉292は羽根型形状を有している。第2特図始動口扉292は、第2特図始動口252とほぼ同じ厚さを有している。第2特図始動口扉292は、例えば透明部材で構成されている。第2特図始動口扉292の中央下部には、遊技盤面から突出して形成された軸部材291が貫通されて配置されている。第2特図始動口扉292は、軸部材251を回転軸にして遊技盤面に対して回転自在に配置されている。第2特図始動口扉292は、軸部材291を中心とする円周の約1/4の範囲で回転可能である。第2特図始動口扉292が回転可能な当該範囲が第2特図始動口扉292の可変領域296となる。
【0273】
第2特図始動口扉292は、遊技球が進入し易い開状態(図25(c)および図25(d)参照)と、遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態(図25(a)および図25(b)参照)とに変化可能になっている。一対の第2特図始動口扉292が対向する対向面の長さは、第1および第2特図始動口230、232間の間隙の長さより長くなっている。このため、一対の第2特図始動口扉292が立ち上がって閉状態であると、当該所定の間隙は一対の第2特図始動口扉292によって塞がれてしまう。このため、遊技球は、第2特図始動口232に入賞できなくなる。
【0274】
一方、一対の第2特図始動口扉292が立ち下がって開状態であると(図25(c)および図25(d)参照)、第1および第2特図始動口230、232間の所定の間隙は、遊技球が進入できる程度の長さに開放されて、遊技球が第2始動口232に入賞できるようになる。
【0275】
第2特図始動口扉292の前方には、透明性部材で形成された透過性防止手段298が配置されている。透過性防止手段298は、遊技盤面をその法線方向に見て、楕円形状を有している。透過性防止手段298は空洞部を有している。当該空洞部には、一対の擬似報知手段294が内包されている。
【0276】
擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の可変領域296の一部の前方向に重なる位置に配置されている。一対の擬似報知手段294は、遊技者に対して一対の第2特図始動口扉292の前面に配置されている。一対の擬似報知手段294は、遊技盤面をその法線方向に見て、一対の第2特図始動口扉292とほぼ同形状且つ同じ大きさに形成されている。擬似報知手段294の厚さは、第2特図始動口扉292の厚さより薄く形成されている。
【0277】
第2特図始動口扉292と同様に、擬似報知手段294の中央下部を軸部材291が貫通している。これにより、擬似報知手段294は、軸部材291を回転軸にして遊技盤面に対して回転自在に配置される。透過性防止手段298は、可変領域296の範囲内で擬似報知手段294が十分に回転動作できる大きさを有している。これにより、擬似報知手段294は可変領域296の範囲を回転できる。このため、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の開状態および閉状態のうちの一方を含む可変態様となるように、第2特図始動口扉292とは別個独立に動作できる。
【0278】
例えば、図25(a)および図25(c)では、擬似報知手段294の状態は、第2特図始動口扉292が閉状態であると遊技者に思わせる状態であり、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の閉状態を含む可変態様になっている。一方、図25(b)および図25(d)では、擬似報知手段294の状態は、第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる状態であり、擬似報知手段294は、第2特図始動口扉292の開状態を含む可変態様になっている。」
(10)【図25】
(11)認定事項(ア)
図25(a)~(d)には、第2特図始動口232の前方に配置された透過性防止手段298が図示されている。
(12)認定事項(イ)
上記【0276】には、「擬似報知手段294」が「第2特図始動口扉292とほぼ同形状且つ同じ大きさに形成され」る点が記載され、上記【0269】及び【0278】には、「第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態」のときに、「擬似報知手段294の状態は、第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる状態」である点が記載されている。
また、図25(d)には、動作状態の擬似報知手段294が、開状態の第2特図始動口扉292と前後方向にほぼ重なっていることが図示されている。
これらを総合すると、引用文献1には、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態のときに、開状態の第2特図始動口扉292と動作状態の擬似報知手段294は、前後方向にほぼ重なっていることが示されている。
(13)認定事項(ウ)
図25(b)には、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態のときに、動作状態の擬似報知手段294により前方を覆われる、第2特図始動口扉292の可変領域296には、第2特図始動口扉292が存在しない領域があることが図示されている。
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「a 遊技球を遊技領域に打ち出す発射装置110と(【0011】、【0031】)、
b 前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで区画形成され、遊技球が転動可能な遊技領域124と(【0010】、【0018】、【0031】)、
c、h 遊技領域124の下方に落下した遊技球(【0031】)が進入し易い開状態と、遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態とに変化可能で、第2特図始動口232とほぼ同じ厚さを有する一対の第2特図始動口扉292が両側に配置された第2特図始動口232であって(【0272】~【0273】)、上面側が開口した器形状に形成された遊技球の進入口を備えるとともに(【0271】)、入球した遊技球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出される(【0026】)、第2特図始動口232と、
d 第2特図始動口232への入球を検出する第2始動口センサと(【0026】、【0059】)、
e 第2始動口センサが検出したことに基いて抽選を行い、抽選結果に基いて、第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させる、主制御部300の全体を制御する基本回路302と(【0038】、【0040】、【0059】)、
g 第2特図始動口扉292及び第2特図始動口232の前方に配置された透過性防止手段298と(【0275】、認定事項(ア))、
i 第2特図始動口扉292の可変領域296の一部の前方向に重なる位置に(【0270】)、遊技盤面をその法線方向に見て、第2特図始動口扉292とほぼ同形状且つ同じ大きさになるよう配置され、第2特図始動口扉292が閉状態であると遊技者に思わせる非動作状態と、開状態の第2特図始動口扉292と前後方向にほぼ重なり、第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる動作状態とに、第2特図始動口扉292とは別個独立に動作できる擬似報知手段294と(【0269】、【0276】~【0278】、認定事項(イ))、
f を備えるパチンコ機100(【0008】)であって、
j 第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の非動作状態、第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の非動作状態、第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態を含む可変態様になっており(【0269】、【0278】)、
k 第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態のときに、動作状態の擬似報知手段294により前方が覆われる、第2特図始動口扉292の可変領域296には、第2特図始動口扉292が存在しない領域(以下、「領域a」という。)があり(認定事項(ウ))、
l’ 第2特図始動口232の近傍には、遊技釘238を複数個、配設する(【0030】)、
f パチンコ機100。」
2 引用文献2について
引用文献2には、「閉鎖状態にある場合には、入賞口61に通じる開口を閉鎖し、開放状態に変化した場合には、入賞口61に通じる開口を開放して遊技領域31を流下する遊技球の入賞口61への入賞を容易にする、遊技盤3における透明な一部の前側に設けられた開閉羽部材11と(【0006】、【0025】~【0026】)、
開閉羽部材11よりも大きい形状で、かつ遊技盤3の裏面側を開閉羽部材11の作動範囲よりも広い領域を作動し得、図3
【図3】
に示す第1位置と、図5
【図5】
に示す第2位置とに作動可能である装飾羽部材13とを備え(【0030】、【図3】、【図5】)、
遊技盤3における装飾羽部材13の前方部位が透明であるため、遊技者は遊技盤3の前側から装飾羽部材13を視認可能であり(【0031】)、
開閉羽部材11が閉鎖状態から開放状態に変化する可能性が大であるとき、開閉羽部材11を閉鎖状態に停止させた状態で、装飾羽部材13のみが作動し(【0032】)、
開閉羽部材11が閉鎖状態から開放状態及びその逆への状態変化に同期して、装飾羽部材13が第1位置から第2位置及びその逆へ作動し(【0032】)、
開閉羽部材11を閉鎖状態に停止させた状態で、装飾羽部材13のみが第2位置に作動したときに、装飾羽部材13が位置する遊技領域31及びその近傍に、遊技領域31に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる多数の遊技釘7が配置されている(【0020】、【0032】、【図5】)、
パチンコ機(【0014】)。」(以下、「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されている。
第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる(見出し(a)~(l’)は、本願発明1の特定事項A~Lに対応する。)。
(a)引用発明1の構成aにおける「遊技球を遊技領域に打ち出す発射装置110」は、本願発明1の構成Aの「遊技球を発射させる発射手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成aは、本願発明1の構成Aに相当する。
(b)引用発明1の構成bにおける、「遊技盤200の前面」及び「遊技球が転動可能な遊技領域124」は、それぞれ、本願発明1の構成Bの「遊技盤の前面側」及び「遊技球が案内される遊技領域」に相当する。
してみると、引用発明1の構成bは、本願発明1の構成Bに相当する。
(c)引用発明1の構成c、hにおける、「一対の第2特図始動口扉292」が、「遊技球が進入し易い開状態」及び「遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態」「とに変化可能」であることは、当該変化によって、第2特図始動口232への遊技球の入球のし易さが変化することを意味するから、本願発明1の構成Cの「始動入賞手段」が「入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成」されることに相当する。
また、同構成c、hにおける、「遊技球」が「遊技領域124の」「下方に落下」することは、同構成Cの「遊技球」が「遊技領域を移動する」ことに相当する。
してみれば、引用発明1の構成c、hの「遊技領域124の」「下方に落下し」た「遊技球が進入し易い開状態」「と、遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態」「とに変化可能」な「一対の第2特図始動口扉292」「が両側に配置された」「第2特図始動口232」は、本願発明1の構成Cの「前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された始動入賞手段」に相当するといえる。
してみると、引用発明1の構成c、hは、本願発明1の構成Cに相当する構成を備えるものである。
(d)引用発明1の構成dにおける、「第2始動口センサ」は、本願発明1の構成Dの「始動入賞検知手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成dは、本願発明1の構成Dに相当する。
(e)引用発明1の構成eにおいて、「第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化」させることは、本願発明1の構成Eの「遊技者にとって有利な特別遊技状態」「を発生」させることに相当する。
よって、引用発明1の構成eにおける、「第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したこと」「に基いて」「抽選を行い、」「抽選結果」「に基いて、」「第2可変入賞口扉250を閉状態から開状態に変化させる」「主制御部300の全体を制御する基本回路302」は、本願発明1の構成Eの「前記始動入賞検知手段の検知に基いて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基いて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成eは、本願発明1の構成Eに相当する。
(f) 引用発明1の構成fにおける「パチンコ機100」は、本願発明1の構成Fの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明1の構成fは、本願発明1の構成Fに相当する。
(g)引用発明1の構成gにおいて、「透過性防止手段298」が「第2特図始動口扉292及び第2特図始動口232の前方に配置」されていることは、上記(c)の説示内容をふまえると、本願発明1の構成Gの「始動入賞手段を含む範囲の前方を覆うようにして」「設けられている」といえる。
また、上記(c)の説示内容をふまえると、当該始動入賞手段は、遊技領域を移動する遊技球が入球し得る部材であるから、当該始動入賞手段の前方に配置された「透過性防止手段298」は、遊技領域を移動する遊技球の前方に配置されている、すなわち、「透過性防止手段298」は、遊技領域において、遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられているといえる。
したがって、引用発明1の構成gにおいて、「第2特図始動口扉292及び第2特図始動口232の前方に配置」される「透過性防止手段298」は、本願発明1の構成Gの「前記遊技領域において前記始動入賞手段を含む範囲の前方を覆うようにして前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられた前被覆手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成gは、本願発明1の構成Gに相当する。
(h)引用発明1の構成c、hにおいて、「進入口」及び「遊技球」を「パチンコ機100の裏側に誘導」することは、それぞれ、本願発明1の構成Hの「入球口」及び「遊技球を前記遊技領域の外部に案内する」ことに相当する。
また、上記(c)で説示のとおり、同構成c、hにおいて、「遊技球が進入し易い開状態」及び「遊技球が進入し難いまたは進入不可能な閉状態」「とに変化可能」な「一対の第2特図始動口扉292」は、本願発明1の構成Hの「前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を変位可能な羽根部材」に相当する。
してみると、引用発明1の構成c、hは、本願発明1の構成Hに相当する構成を備えるものである。
(i)引用発明1の構成iにおいて、「擬似報知手段294」は、本願発明1の構成Iの「変化手段」に相当し、同構成iの「第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる動作状態」及び「第2特図始動口扉292が閉状態であると遊技者に思わせる非動作状態」に「動作」することは、同構成Iの「前記羽根部材が前記開位置にあるかのような視認態様となる第1状態と、前記羽根部材が前記閉位置にあるかのような視認態様となる第2状態とに状態変化可能」なことに相当する。
また、同構成iにおいて、「第2特図始動口扉292が開状態であると遊技者に思わせる動作状態」にある「擬似報知手段294」が、「開状態の第2特図始動口扉292と」「前後方向にほぼ重な」っていることは、同構成Iの、「前記羽根部材が前記開位置にあるかのような視認態様となる第1状態」にある「変化手段」が、「前記開位置にある前記羽根部材と前後に重複する位置」にあることに相当する。
してみると、引用発明1の構成iは、本願発明1の構成Iに相当する。
(j)引用発明1の構成jにおいて、「第2特図始動口扉292の閉状態」及び「第2特図始動口扉292の開状態」は、それぞれ、本願発明1の構成Jの「前記羽根部材が前記閉位置にある場合」及び「前記羽根部材が前記開位置にある場合」に相当するから、同構成jにおいて、「第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の非動作状態」及び「第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態」を含む可変態様は、同構成Jの「前記羽根部材が前記閉位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態と前記第2状態とに状態変化可能に構成され」ることに相当し、同構成jにおいて、「第2特図始動口扉292の開状態と、擬似報知手段294の動作状態」にあることは、同構成Jの「前記羽根部材が前記開位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態に維持され」ることに相当する。
してみると、引用発明1の構成jは、本願発明1の構成Jに相当する。
(k)引用発明1の構成kにおける、「第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態のとき」は、本願発明1の構成Kの「前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合」に相当する。
また、引用発明1(構成i)では、「動作状態」の「擬似報知手段294」は、「開状態の第2特図始動口扉292と前後方向にほぼ重な」っていることから、同構成kにおける、「動作状態の擬似報知手段294により前方が覆われる」「領域a」は、同構成Kの「前記開位置にある前記羽根部材が配置される領域であって、前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域」に相当する。
そして、上記構成c、hより、第2特図始動口扉292は遊技領域124に設けられていることから、第2特図始動口扉292の可変領域296の「領域a」も、遊技球が移動可能な遊技領域124にあるといえる。
よって、引用発明1の構成kにおける、「第2特図始動口扉292の閉状態と、擬似報知手段294の動作状態のときに、動作状態の擬似報知手段294により前方が覆われる、第2特図始動口扉292の可変領域296には、第2特図始動口扉292が存在しない領域aがある」ことは、本願発明1の構成Kの「前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合には、前記遊技領域のうち、前記開位置にある前記羽根部材が配置される領域であって、前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を遊技球が移動可能に構成され」ていることに相当する、すなわち、引用発明1の構成kは、本願発明1の構成Kに相当する。
(l’)引用発明1の構成l’において、「遊技釘238」は、これに遊技球が接触すると、遊技球の進路が変更されることは明らかであるから、本願発明1の構成Lの「進路変更手段」に相当する。
してみると、引用発明1の構成l’は、本願発明1の構成Lと、「進路変更手段が設けられている」点で共通する。
したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点がある。
(一致点)
「A 遊技球を発射させる発射手段と、
B 遊技盤の前面側に設けられ、前記発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
C 前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態との間で状態変化可能に構成された始動入賞手段と、
D 前記始動入賞手段へ入球した遊技球を検知する始動入賞検知手段と、
E 前記始動入賞検知手段の検知に基いて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、当該当否抽選の結果に基いて前記特別遊技状態を発生させる主制御手段と
F を備える遊技機であって、
G 前記遊技領域において前記始動入賞手段を含む範囲の前方を覆うようにして前記遊技盤との間に遊技球が通過可能な距離を隔てて設けられた前被覆手段を備え、
H 前記始動入賞手段は、前記遊技領域を移動する遊技球を前記遊技領域の外部に案内する入球口を備えるとともに、前記遊技領域を移動する遊技球を前記入球口に案内する開位置と、前記遊技領域を移動する遊技球の前記入球口への入球を規制する閉位置との間を変位可能な羽根部材を備える構成において、
I 前記開位置にある前記羽根部材と前後に重複する位置において、前記羽根部材が前記開位置にあるかのような視認態様となる第1状態と、前記羽根部材が前記閉位置にあるかのような視認態様となる第2状態とに状態変化可能な変化手段を備え、
J 前記羽根部材が前記閉位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態と前記第2状態とに状態変化可能に構成され、かつ、前記羽根部材が前記開位置にある場合には、前記変化手段が前記第1状態に維持され、
K 前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合には、前記遊技領域のうち、前記開位置にある前記羽根部材が配置される領域であって、前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を遊技球が移動可能に構成され、
L’ 進路変更手段が設けられている、
F 遊技機。」
(相違点)
・相違点(特定事項L)
本願発明1は、進路変更手段が、「前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合に前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を移動する遊技球に接触し、当該接触の後に当該遊技球が前記第1状態にある前記変化手段と、前記前被覆手段とにより前方が覆われる領域を移動可能とする」のに対し、引用発明1は、それに対応する構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点について検討する。
ア 引用文献2に記載の技術について
(ア)上記「第4 引用文献、引用発明等」「2 引用文献2について」の「引用文献2に記載の技術」における、「開閉羽部材11」が「閉鎖状態」にあること及び「装飾羽部材13」が「第2位置」にあることは、それぞれ、本願発明1の構成Lの「前記羽根部材が前記閉位置にあ」る場合及び「前記変化手段が前記第1状態にある場合」に相当する。
また、同「遊技球の流下方向を変化させる多数の遊技釘7」は、同構成Lの「移動する遊技球に接触」する「進路変更手段」に相当する。
よって、上記引用文献2に記載の技術と、本願発明1の構成Lは、「前記羽根部材が前記閉位置にあり、前記変化手段が前記第1状態にある場合に移動する遊技球に接触する進路変更手段が設けられている」点で共通する。
(イ)しかしながら、上記引用文献2に記載の技術における「装飾羽部材13」は、遊技盤3の裏面側であって、遊技領域31に設けられた遊技釘7の裏面側に設けられていることから、引用文献2に記載の技術における「遊技釘7」(進路変更手段)は、「装飾羽部材13」(変化手段)により後方が覆われる領域を移動する遊技球に接触するものであって、本願発明1の構成Lの「前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を移動する遊技球に接触」するものではないから、上記引用文献2に記載の技術は、上記相違点に係る構成の、「前記第1状態にある前記変化手段により前方が覆われる領域を移動する遊技球に接触」する「進路変更手段」について示していない。
よって、上記相違点に係る本願発明1の構成Lは、引用文献2に示されていない。
イ 相違点に係る本願発明1の構成の効果について
そして、相違点に係る本願発明1の構成の効果について検討すると、本願発明1の構成Kを採用することの効果として、本願明細書の【0538】に記載される、「機能位置にある可動式被覆役物(疑似羽根部材431)で覆われる領域(特定被覆領域)に進入した遊技球と、特定被覆領域から外方の視認し易い場所に飛び出してきた遊技球との対応関係が分かり難くなり、遊技球が始動入賞装置(第2始動入賞装置33b)に入球したり、案内手段(羽根部材37)に案内されたりしたのかもしれないし、していないのかもしれないといった状況をより多く作り出すことができる。これにより、特定被覆領域に進入した遊技球がどうなったのか等を教示・示唆する演出を行う場合において、かかる演出をより効果的なものとすることができる」効果が認められるところ、当該効果は、引用文献1にも引用文献2にも記載されておらず、引用発明1及び上記引用文献2に記載の技術から当業者にとって自明の効果であるともいえない。
上記ア~イより、引用文献2には、上記相違点に係る構成が開示されておらず、本願発明1は、引用文献1に記載された発明と、引用文献2に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2について
本願発明1が、引用文献1に記載された発明と、引用文献2に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえないのであるから、本願発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加した本願発明2も同様に、引用文献1に記載された発明と、引用文献2に記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 原査定について
1 理由(特許法第29条第2項)について
本願発明1及び本願発明2は、上記「第5 対比・判断」で示したとおり、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1及び引用文献2に基いて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2019-010998