特許拒絶査定不服審判
2019-010850
天井懸架システム
- 審判番号
- 2019-010850
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-553066外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年08月16日
- 審決日
- 2020年05月12日
- 公報発行日
- 2020年11月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
- 【請求人代理人】笛田 秀仙
- 【請求人代理人】五十嵐 貴裕
- 分類
- P18 .121-Z (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-553066「天井懸架システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月24日国際公開、WO2014/111437、平成28年 2月 1日国内公表、特表2016-502926〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)1月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年1月17日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成29年1月11日に手続補正書が提出され、同年10月31日付けで拒絶理由が通知され、平成30年4月27日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月26日付けで最後の拒絶理由が通知され、平成31年1月30日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年4月5日付けで同年1月30日にした手続補正が却下されるとともに拒絶査定(原査定)がされたところ、令和元年8月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和元年8月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年8月16日にされた手続補正(以下「本件補正」ということがある。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示す。)
「 【請求項1】
長手方向を有する患者支持体と、
Cアームを有するX線画像取得装置であって、前記Cアームの対向する端部に提供されるX線源及びX線検出器を有するX線画像取得装置と、
レールコネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置と、
レール装置と、
を有する医用X線イメージングシステムであって、
前記画像取得装置は、前記患者支持体に配される関心対象の画像情報を取得し、
前記レール装置は、頭上に提供され、前記患者支持体の前記長手方向に直角な方向である長手レール方向に延び、
前記支持装置は、前記レール装置に可動に取り付けられ、前記支持装置は、少なくとも前記レール装置に沿って可動であり、
前記レールコネクタは、前記レール装置に前記支持装置を結合し、
前記画像取得コネクタは、前記支持装置に前記画像取得装置を結合し、
前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記レールコネクタにリンクし、
前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記レールコネクタに取り付けられ、
前記垂直支持アームが、第2の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記水平支持アームにその第1の端部を取り付けられ、
前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記レールコネクタに取り付けられ、前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ、前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第1の取り付けポイント及び前記第2の取り付けポイントの少なくとも一方が前記水平支持アームに沿って移動可能であり、
前記画像取得コネクタは、前記垂直支持アームの第2の端部に取り付けられ、前記画像取得装置は、前記垂直支持アームに対して可動であり、
前記画像取得装置は、それぞれ異なる方向からの前記対象の画像取得を可能にするように前記支持装置に可動に取り付けられる、イメージングシステム。
【請求項2】
前記レール装置が、前記患者支持体の上方に且つ側方に配される、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項3】
前記患者支持体は、予め決められた患者アクセスゾーンによって少なくとも部分的に囲まれ、前記レール装置は、前記患者アクセスゾーンの上方に及びその外側に配される、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項4】
前記患者支持体は、予め決められたラミナーフローゾーンに少なくとも部分的に位置し、前記レール装置は、前記ラミナーフローゾーンの外側に配される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
前記支持装置は、前記画像取得装置を、前記画像取得装置が関心対象の画像情報を取得する動作位置と、前記画像取得装置が前記患者アクセスゾーンの外側に及び/又はラミナーフローゾーンの外側に提供されるパーキング位置と、に位置付けるように適応される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項6】
前記支持装置は、前記画像取得装置がスタンバイ位置に位置付けられることを可能にし、前記スタンバイ位置において、前記画像取得装置は前記患者アクセスゾーンの外側にある、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項7】
前記Cアームは、前記画像取得コネクタに可動に取り付けられ、
前記Cアームの取り付けは、i)前記画像取得コネクタが水平軸を中心とする前記Cアームのピボット回転運動を提供するように、前記Cアームの対向する端部の間の中間部分の側方に、又はii)前記画像取得コネクタが垂直軸を中心とする前記Cアームのピボット回転運動を提供するように、2つの対向する端部の上側の端部の上に、提供される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
処理された供給空気を提供する空気供給装置を更に有し、ラミナーフローゾーンを規定する前記患者支持体へ向かう層流気流の供給空気を供給するように、前記空気供給装置の供給空気出口が頭上に設けられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
可動の照明機器、可動のディスプレイ機器及びメディアラックを含むグループの中の少なくとも1つを有し、前記照明機器及び/又はディスプレイ機器及び/又はメディアラックが、頭上に及びラミナーエアゾーンの外側に載置される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のイメージングシステム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成30年4月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
長手方向を有する患者支持体と、
Cアームを有するX線画像取得装置であって、前記Cアームの対向する端部に提供されるX線源及びX線検出器を有するX線画像取得装置と、
レールコネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置と、
レール装置と、
を有する医用X線イメージングシステムであって、
前記画像取得装置は、前記患者支持体に配される関心対象の画像情報を取得し、
前記レール装置は、頭上に提供され、前記患者支持体の前記長手方向に直角な方向である長手レール方向に延び、
前記支持装置は、前記レール装置に可動に取り付けられ、前記支持装置は、少なくとも前記レール装置に沿って可動であり、
前記レールコネクタは、前記レール装置に前記支持装置を結合し、
前記画像取得コネクタは、前記支持装置に前記画像取得装置を結合し、
前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記レールコネクタにリンクし、
前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記レールコネクタに取り付けられ、
前記垂直支持アームが、第2の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記水平支持アームにその第1の端部を取り付けられ、
前記画像取得コネクタは、前記垂直支持アームの第2の端部に取り付けられ、前記画像取得装置は、前記垂直支持アームに対して可動であり、
前記画像取得装置は、それぞれ異なる方向からの前記対象の画像取得を可能にするように前記支持装置に可動に取り付けられる、イメージングシステム。
【請求項2】
前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記レールコネクタに取り付けられ、前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ、前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能である、請求項1に記載のイメージングシステム。
【請求項3】
前記レール装置が、前記患者支持体の上方に且つ側方に配される、請求項1又は2に記載のイメージングシステム。
【請求項4】
前記患者支持体は、予め決められた患者アクセスゾーンによって少なくとも部分的に囲まれ、前記レール装置は、前記患者アクセスゾーンの上方に及びその外側に配される、請求項1又は2に記載のイメージングシステム。
【請求項5】
前記患者支持体は、予め決められたラミナーフローゾーンに少なくとも部分的に位置し、前記レール装置は、前記ラミナーフローゾーンの外側に配される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項6】
前記支持装置は、前記画像取得装置を、前記画像取得装置が関心対象の画像情報を取得する動作位置と、前記画像取得装置が前記患者アクセスゾーンの外側に及び/又はラミナーフローゾーンの外側に提供されるパーキング位置と、に位置付けるように適応される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項7】
前記支持装置は、前記画像取得装置がスタンバイ位置に位置付けられることを可能にし、前記スタンバイ位置において、前記画像取得装置は前記患者アクセスゾーンの外側にある、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項8】
前記Cアームは、前記画像取得コネクタに可動に取り付けられ、
前記Cアームの取り付けは、i)前記画像取得コネクタが水平軸を中心とする前記Cアームのピボット回転運動を提供するように、前記Cアームの対向する端部の間の中間部分の側方に、又はii)前記画像取得コネクタが垂直軸を中心とする前記Cアームのピボット回転運動を提供するように、2つの対向する端部の上側の端部の上に、提供される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項9】
処理された供給空気を提供する空気供給装置を更に有し、ラミナーフローゾーンを規定する前記患者支持体へ向かう層流気流の供給空気を供給するように、前記空気供給装置の供給空気出口が頭上に設けられる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のイメージングシステム。
【請求項10】
可動の照明機器、可動のディスプレイ機器及びメディアラックを含むグループの中の少なくとも1つを有し、前記照明機器及び/又はディスプレイ機器及び/又はメディアラックが、頭上に及びラミナーエアゾーンの外側に載置される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のイメージングシステム。」
2 補正の適否
本件補正のうち、請求項1に係る補正は、支持装置について、「前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記レールコネクタに取り付けられ、前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ、前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第1の取り付けポイント及び前記第2の取り付けポイントの少なくとも一方が前記水平支持アームに沿って移動可能であ」ることを特定して限定する補正であって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明は、上記1(1)の【請求項1】に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2002―306461号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審において付加した。引用文献の記載において以下同様。)。
(引1-ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を発生する投射器ならびにX線を受信する検出器が配置されている移動可能に懸架された支持装置、たとえばCアームを備えた万能型X線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一方の端部に放射線発生器が、反対側に放射線受信器が配備された第1のCアームを有するこの種のX線検査装置はたとえば米国特許第5410584号に記載されている。この第1のCアームはこれとは別の第2のCアームにより相応の支持装置を介してその円周面に沿って位置調節可能に支持されている。
【0003】ここ数年間に種々の適用分野でのX線技術において様々な装置が開発されてきている。たとえば、心血管造影法、一般血管造影法、外科学、消化管診断法、肺診断法などのためそれぞれ特殊な装置が開発されている。
【0004】多数の様々な特殊装置が存在することは当然のことながら種々の問題点を生じる。たとえば大きな取付けスペースが必要となるだけでなく、装置の稼動率したがって採算が悪くなるなどである。これを契機として万能型の装置を導入することが望まれている。さらには、異なった医療分野においてもオーバーラップが生じることが増加しているので、個々の用途ごとに特殊に設計された装置はしばしば専門的過ぎて、有効な利用が図れなくなってしまう。この関連で、システム費、特に一定の部品、たとえばX線検出器などの費用が大きな問題となる。
【0005】費用の観点から、従来多くみられた大きさならびに型が種々異なる検出器を多数備えずに、できるだけ少数の型の検出器を使用し、可能な限り小型のものを使用することに努める必要がある。というのは、像システムおよび像処理では益々標準化が進められてきているからである。しかし小型の検出器では大版の像の撮影用にいくつかの像を合成する必要があり、その際従来公知の装置では投射のひずみが再三問題になっている。このためたとえば“脊髄写真”の撮影の際には従来、最大で約5cmの像高さの比較的細い撮影フィルムのみが合成され、このため多数の撮影が必要となるので、検査時間が長くなり、装置の稼動率も悪くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は様々な診断目的に問題なく適合し、並列的に撮影された検出器像をエラーやゆがみなしに大版像に合成することができるような万能型X線検査装置およびその作動方法を提供することにある。」
(引1-イ)「【0016】
【発明の実施形態】本発明の利点、特徴および詳細について以下に図面に示す実施例に基づき説明する。
【0017】図1に示した本発明による万能型X線検査装置は、天井に取付ける装置として構成されているが、同様に壁もしくはスタンドに取付ける装置としても構成できる。この場合、Cアーム1は天井における支持装置として二重矢印2の方向へ移動可能なように支承してもよい。図示されている実施例では互いに旋回可能にヒンジ止めされた多数の支承用の腕木3、4および4aによりこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり、また補助的にいずれの場合にも、通常の旋回軸5がCアーム1を図示の位置から90°水平状態へ旋回できるように配備されている。
【0018】本発明によるこのような万能型X線検査装置の特徴は第一に、X線束を発生するための投射器6がCアームに対して垂直な軸7を中心に旋回可能であり、かつX線検出器8、たとえばテレビカメラと連結しているa‐Si固体画像変換器もしくはX線像増幅器、あるいはメモリ発光物質箔やフィルムがその検出器面で移動可能であることにある。これは図示された実施例では検出器8のケースおよびCアームの端部10に支承されている腕木9を用いた旋回運動によって実現される。患者ベッド11は図3の実施例で示すように場合によっては立て位置に傾斜できる横臥板12を有している。投射器6は上述の軸7を中心に旋回可能であるだけでなく、この軸7に対して垂直の別の軸を中心にした追加的な旋回を行うようにすることも、あるいは必要な場合にはCアーム1の下端13における投射器6のカルダン式懸架も可能である。補助検出器14をスタンド15に取付け、本発明によるX線検査装置を用いて機能的な透視装置を構成することもできるが、これについては図4に詳細に示されている。
【0019】図2は既に図1の実施例で選択された旋回位置にある検出器8を備えた本発明によるX線検査装置を示しており、この検出器8はX線投射器6と等中心を持つシステムとして構成されている。
【0020】図3は、患者ベッド11の横臥板12を立て位置に調整しかつCアーム1を水平方向に旋回した本発明によるX線検査装置を示している。
【0021】図4は、補助検出器8′あるいはフィルムもしくはメモリ箔をスタンド15に取付けた場合における撮影を可能にするために、投射器6をCアーム1から90°前方へ回転させた、すなわち図1の軸7を中心に時計の針の進行方向に外側へ90°旋回させた実施例を示している。
【0022】図5には、本発明による万能型X線検査装置の別の実施例が示されている。この場合検出器8は、自由に移動可能なテーブルもしくはベッドに患者を載せて撮影ないし透視を実施するために、図1による位置から180°旋回している。この場合、固体画像変換器の検出器の据付け高さを極めて小さくできることが特に利点である。Cアームを多方面に旋回もしくは位置調節可能にすることにより、図5に示すように本来の患者ベッド11のほかに簡単なテーブルもしくはベッドにおける撮影もしくは透視が実施可能となる。」
(引1-ウ)【図1】
「
」
(引1-エ)【図2】
「
」
(引1-オ)【図3】
「
」
(引1-カ)【図4】
「
」
(引1-キ)【図5】
「
」
イ 引用文献1に記載された発明
(ア)上記(引1-イ)の「【0017】・・・万能型X線検査装置は、天井に取付ける装置として構成されている・・・Cアーム1は天井における支持装置として二重矢印2の方向へ移動可能なように支承してもよい。」との記載から、Cアーム1は天井に取付ける支持装置により移動可能に支承されることが読み取れる。
(イ)上記(引1-イ)に「【0017】・・・Cアーム1は天井における支持装置として二重矢印2の方向へ移動可能なように支承してもよい。図示されている実施例では互いに旋回可能にヒンジ止めされた多数の支承用の腕木3、4および4aによりこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり」との記載があり、(引1-ウ)の【図1】及び(引1-エ)の【図2】に横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4aを介してCアーム1が天井に取付けられた矩形部材に連結されていることが見て取れることから、Cアーム1の支持装置は、天井に取付けられた矩形部材、横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4aにより構成されていることが読み取れる。
(ウ)上記(引1-イ)の「【0022】図5には、本発明による万能型X線検査装置の別の実施例が示されている。この場合検出器8は、自由に移動可能なテーブルもしくはベッドに患者を載せて撮影ないし透視を実施するために、図1による位置から180°旋回している。この場合、固体画像変換器の検出器の据付け高さを極めて小さくできることが特に利点である。Cアームを多方面に旋回もしくは位置調節可能にすることにより、図5に示すように本来の患者ベッド11のほかに簡単なテーブルもしくはベッドにおける撮影もしくは透視が実施可能となる。」との記載から、引用文献1の図1に示された実施例とは別の実施例である図5に示された実施例は、図1に示された実施例のCアーム1が通常の旋回軸5の周りに90°旋回可能である(【0017】)のに対して、Cアーム1が通常の旋回軸5の周りに180°旋回可能とし、固体画像変換器である検出器8の据付け高さを極めて小さくできるようにしたものであると認められる。
(エ)上記(引1-イ)に「【0017】・・・互いに旋回可能にヒンジ止めされた多数の支承用の腕木3、4および4aによりこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり・・・【0022】・・・Cアームを多方面に旋回もしくは位置調節可能にする」と多数の支承用の腕木3、4及び4aが互いに旋回可能にヒンジ止めされていること及びCアームが多方面に旋回可能であることが記載され、上記(引1-エ)の【図2】に示された腕木3の天井側の矩形部材に対する横方向の角度と、上記(引1-オ)の【図3】に示された腕木3の天井側の矩形部材に対する横方向の角度が異なること、上記(引1-エ)の【図2】に示された腕木4の腕木3に対する横方向の角度と、上記(引1-オ)の【図3】に示された腕木4の腕木3に対する横方向の角度が異なること、上記(引1-エ)の【図2】に示されたCアーム1は腕木4に対して腕木3との連結部側を向いているのに対して、上記(引1-カ)の【図5】に示されたCアーム1は腕木4に対して腕木3との連結部側とは反対側を向いていることから、腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされているものと解される。
(オ)上記(引1-ウ)の【図1】から、Cアーム1は腕木4aの下端に取付けられていることが見て取れる。
(カ)上記(引1-ウ)の【図1】から、Cアーム1の下端13にX線束を発生するための投射器6が設けられ、Cアーム1の上端である端部10に支承されている腕木9の他端にX線検出器8が設けられていることが見て取れる。
(キ)上記(引1-エ)の【図2】から、患者ベッド11の横臥板12上に寝ている患者の透過X線像を撮影することが見て取れる。
(ク)上記(引1-イ)の「【0020】図3は、患者ベッド11の横臥板12を立て位置に調整しかつCアーム1を水平方向に旋回した本発明によるX線検査装置を示している。」という記載を踏まえると、上記(引1-オ)の【図3】から、患者ベッド11の横臥板12を立て位置に調整しかつCアーム1を水平方向に旋回した状態で、横臥板12の前面に立っている患者の透過X線像を撮影することが見て取れる。
(ケ)上記(引1-イ)の「【0021】図4は、補助検出器8′あるいはフィルムもしくはメモリ箔をスタンド15に取付けた場合における撮影を可能にするために、投射器6をCアーム1から90°前方へ回転させた、すなわち図1の軸7を中心に時計の針の進行方向に外側へ90°旋回させた実施例を示している。」という記載を踏まえると、上記(引1-カ)の【図4】から、軸7を中心に投射器6をCアーム1から90°前方へ回転させた状態で、スタンド15に取付けた補助検出器8′に向かって立っている患者の透過X線像を撮影することが見て取れる。
(コ)上記(ア)ないし(ケ)を踏まえると、上記(引1-ア)ないし(引1-キ)の記載から、引用文献1には、
「 天井に取付ける装置として構成されている万能型X線検査装置であって、
Cアーム1は天井に取付ける支持装置により移動可能に支承され、
支持装置は、天井に取付けられた矩形部材、横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4aにより構成され、
腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされており、Cアーム1はこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり、
Cアーム1は腕木4aの下端に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されており、
X線束を発生するための投射器6が、Cアーム1に対して垂直な軸7を中心に旋回可能にCアーム1の下端13に設けられ、
a‐Si固体画像変換器であるX線検出器8がそのケース及びCアーム1の上端である端部10に支承されている腕木9を用いた旋回運動によってその検出器面で移動可能で、X線検出器8の据付け高さを極めて小さくできるように設けられている、
万能型X線検査装置と、
立て位置に傾斜できる横臥板12を有している患者ベッド11とからなり、
Cアーム1は多方面に旋回又は位置調節可能であり、
患者ベッド11の横臥板12上に寝ている患者の透過X線像を撮影すること、
患者ベッド11の横臥板12を立て位置に調整しかつCアーム1を水平方向に旋回した状態で、横臥板12の前面に立っている患者の透過X線像を撮影すること、
軸7を中心に投射器6をCアーム1から90°前方へ回転させた状態で、スタンド15に取付けた補助検出器8′に向かって立っている患者の透過X線像を撮影すること、
自由に移動可能なテーブル又はベッドに患者を載せて撮影又は透視を実施すること、
ができる、
万能型X線検査装置と患者ベッド11。」
の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
ウ 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2001―037747号公報(以下「引用文献6」という。)には、以下の記載がある。
(引6-ア)「【0008】次に、血管造影検査(IVR:Interventional radiology)において、通常の血管造影撮影像と、X線CT装置で撮影した横断像とを併用することで検査精度及び治療精度が向上することが知られている。従来、これを可能とする図20に示すような循環器用保持装置300とX線CT装置301を組み合わせたIVR-CTシステムが知られている。
【0009】循環器用保持装置300は、図18を用いて説明した循環器用保持装置と同様にX線発生部250とX線検出部251とがC型アーム252の両端部に対向配置され固定保持されている。C型アーム252は、ホルダ支柱部254に支軸回転可能に保持されたホルダ253によってスライド回転可能に保持されており、ホルダ支柱部254は、このホルダ支柱部254を支柱回転可能に支持する天井取り付け部255に取り付けられている。天井取り付け部255は、天井に設けられたレール260に取り付けられており、このレール260に沿って当該保持装置を被検体の体軸方向と直交する方向に移動可能としている。」
(引6-イ)【図20】
「
」
エ 引用文献6に記載された技術事項
上記(引6-ア)及び(引6-イ)の記載から、引用文献6には、
「 通常の血管造影撮影像と、X線CT装置で撮影した横断像とを併用することを可能とする、循環器用保持装置300とX線CT装置301を組み合わせたIVR-CTシステムにおいて、C型アーム252の両端部にX線発生部250とX線検出部251とが対向配置され、天井取り付け部255に取り付けられているホルダ支柱部254に保持されたホルダ253によってC型アーム252が保持されている循環器用保持装置300を、天井取り付け部255を天井に設けられたレール260に取り付けることによって、このレール260に沿って被検体の体軸方向と直交する方向に移動可能とすること」
という技術事項(以下「引用文献6技術事項」という。)が記載されていると認められる。
オ 原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2001―137221号公報(以下「引用文献7」という。)には、以下の記載がある。
(引7-ア)「【0022】-第2実施形態-
図6は、本発明の第2実施形態にかかるバイプレーン血管撮影・CT装置300の斜視図である。このバイプレーン血管撮影・CT装置300は、第1実施形態のバイプレーン血管撮影・CT装置100と略同様の構成を有するため同様の構成を有する部分は説明を省略する。本実施形態では特にX線管132,X線受像装置131,ラテラルCアーム133よりなる側面方向アーム130が天井レール135に沿って天板11の横手方向に水平移動し、X線管141,X線検出器142を備えたCTガントリ140が天板11の長手方向に水平移動するようになっている。このような構成にしても、正面方向アーム20およびCTガントリ140に加えて、側面方向プレーンでの血管撮影を行うための側面方向アーム130を備えたため、正面方向プレーンおよび側面方向プレーンの2つのプレーンでの同時血管撮影が可能になる。また、血管撮影する時は、CTガントリ140を血管撮影の邪魔にならない位置へ退避させ、且つ、正面方向アーム20および側面方向アーム130を血管撮影位置へ移動させると共に、CT撮影する時は、正面方向アーム20および側面方向アーム130をCT撮影の邪魔にならない位置へ退避させ、且つ、CTガントリ140をCT撮影位置へ移動させるようにしたため、天板11の移動を最小限にしても、正面方向アーム20および側面方向アーム130とCTガントリ140の干渉を回避でき、正面方向プレーン及び側面方向プレーンの2つのプレーンでの同時血管撮影とCT撮影とを交互に実行できる。さらには、天板11の移動が最小限であるため、被検体に不快感を与えることが防止され、また、安全性も向上する。」
(引7-イ)【図6】
「
」
カ 上記(引7-ア)及び(引7-イ)の記載から、引用文献7には、
「 バイプレーン血管撮影・CT装置300において、X線管132、X線受像装置131及びラテラルCアーム133よりなる側面方向アーム130を天井レール135に沿って天板11の横手方向に水平移動可能とすること」
という技術事項(以下「引用文献7技術事項」という。)が記載されていると認められる。
キ 本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許出願公開第2004/0008820号明細書(以下「引用文献8」という。)には、以下の記載がある。
(引8-ア)「[0020] FIG. 1 shows an x-ray support device 1, including a radiation source 2 and a radiation receiver 3, which are disposed jointly on a C-curve bracket 4. The C-curve bracket 4 in the example shown is disposed on a vertical support 5 (e.g. beam, girder, carrier or other support), which is capable of telescoping (see double arrow A). Relative to the vertical support 5, the C-curve bracket can be rotated on the one hand about the vertical axis-see double arrow B-and on the other the C-curve bracket is displaceable relative to itself along a curved path-see double arrow C.
[0021] The vertical support 5 in turn is disposed on a second boom 6 (e.g. cantilever, beam, gantry or other support) and is displaceable along it; see double arrow D. The second boom 6 is in turn rotatable on a first boom 7 (double arrow E) and is disposed longitudinally displaceably (double arrow F) on it. The first vertical support is in turn mounted rotatably (double arrow G) on the ceiling.
[0022] As can be seen, the proposed supporting of the radiation source and the radiation receiver, that is, the C-curve, allows manifold possibilities in terms of motion because of the displacement axis and pivot axis realized, so that the radiation source and radiation receiver can be positioned virtually arbitrarily in space. This possibility is shown for instance in FIG. 2, where in addition to the x-ray device 1 of FIG. 1, a patient support table 8 is also shown. As can be seen, the C-curve bracket 4 has been displaced relative to the vertical support 5 such that the radiation source 2 is positioned on the left of the patient support table 8, and the radiation receiver 3 is positioned on the right of the patient support table 8. By simple rotation about the vertical axis (double arrow B) formed via the vertical support 5, the radiation direction can be transposed; that is, the radiation source 2 can be moved to the right side and the radiation receiver 3 to the left side of the patient support table.
[0023] FIG. 3 shows a further x-ray support device, which up to this point similar to the x-ray support device 1 of FIG. 1. Here, however, the first vertical support for the boom 7 is disposed on a displacement system 10. The displacement system 10 includes a first rail system 11, on which the first boom 7 is disposed rotatably (double arrow G) and longitudinally displaceably (double arrow H). The first rail system 11 is in turn, as indicated by the cross or normal axis symbol I, displaceable on a second rail system 12 disposed on the ceiling. Overall, an x-y displaceability is achieved; that is, the mobility for adjusting the positioning of the radiation source 2 and the radiation receiver 3 is even more comprehensive, extensive or has an even greater scope.」
(和訳:[0020] 図1は、C曲線ブラケット4に連帯的に配置された放射線源2及び放射線受信器3を含む、X線支持装置1を示している。図示の例では、C曲線ブラケット4は、伸縮自在な垂直支持体5(例えば、梁、桁、キャリア又は他の支持体)に配置されている(双方向矢印A参照)。垂直支持体5との関係において、C曲線ブラケットは、一方で垂直軸周りに回転可能―双方向矢印B参照―であり、他方、C曲線ブラケットは、自身との関係において湾曲路に沿って変位可能である-双方向矢印C参照。
[0021] 次ぎに、垂直支持体5は、第2ブーム6(例えば、カンチレバー、梁、ガントリ又は他の支持体)に配置され、それに沿って変位可能である。双方向矢印D参照。次ぎに、第2ブーム6は、第1ブーム7上に回転可能(双方向矢印E)、かつ、その長手方向に変位可能(双方向矢印F)に配置される。次ぎに、第1の垂直支持体は、天井に回転可能(双方向矢印G)に装着される。
[0022] 図から分かるように、提案された放射線源及び放射線検出器の支持体、すなわちC曲線は、変位軸及び旋回軸の実現により動作において多様な可能性を与え、放射線源及び放射線受信器が空間中に仮想的に任意に位置決めされることができる。この可能性は、例えば図2に示され、図1のX線装置1に加えて患者支持テーブル8も示されている。図から分かるように、放射線源2が患者支持テーブル8の左に配置され、放射線受信器3が患者支持テーブル8の右に配置されるように、C曲線ブラケット4は垂直支持体5に対して変位されている。垂直支持体5によって形成される縦軸周りの単純な回転(双方向矢印B)により、放射方向を入れ換えることができる。すなわち、放射線源2は患者支持テーブルの右側、放射線受信器3は左側に移動させることができる。
[0023] 図3はさらなるX線支持装置を示し、これまでの点で図1のX線支持装置1と同様である。しかしながら、ここでは、ブーム7の第1垂直支持体が変位システム10に配置されている。変位システム10は、第1のレールシステム11を含み、第1ブーム7はそれに回動可能(双方向矢印G)かつ長手方向変位可能(双方向矢印H)に配置されている。次ぎに、第1のレールシステム11は、交差又は垂直軸符号Iで示すように、天井に配置された第2のレールシステム12上で変位可能である。全体として、x-y移動可能性が達成される。すなわち、放射線源2及び放射線受信器3の位置決め調整の機動性は、更により包括的で広範であり、又は更に大きい範囲を有している。)
(引8-イ)FIG 1
「
」
(引8-ウ)FIG 3
「
」
ク 引用文献8に記載された技術事項
上記(引8-ア)ないし(引8-ウ)の記載から、引用文献8には、
「 C曲線ブラケット4に連帯的に配置された放射線源2及び放射線受信器3を含む、X線支持装置1において、第2ブーム6に配置されてそれに沿って変位可能である垂直支持体5にC曲線ブラケット4を垂直軸周りに回転可能に配置し、変位軸及び旋回軸の実現によりC曲線ブラケット4の動作に多様な可能性を与えること」
という技術事項(以下「引用文献8技術事項」という。)が記載されていると認められる。
(3)本件補正発明と引用発明1との対比
ア 引用発明1の「立て位置に傾斜できる横臥板12を有している患者ベッド11」は、本件補正発明の「長手方向を有する患者支持体」に相当する。
イ 引用発明1の「Cアーム1」、「X線束を発生するための投射器6」及び「a‐Si固体画像変換器であるX線検出器8」は、それぞれ本件補正発明の「Cアーム」、「X線源」及び「X線検出器」に相当する。
そして、引用発明1の「Cアーム1」、「Cアーム1に対して垂直な軸7を中心に旋回可能にCアーム1の下端13に設けられ」た「X線束を発生するための投射器6」及び「そのケース及びCアーム1の上端である端部10に支承されている腕木9を用いた旋回運動によってその検出器面で移動可能で、X線検出器8の据付け高さを極めて小さくできるように設けられている」「a‐Si固体画像変換器であるX線検出器8」は、併せて本件補正発明の「Cアームを有するX線画像取得装置であって、前記Cアームの対向する端部に提供されるX線源及びX線検出器を有するX線画像取得装置」に相当する。
ウ 引用発明1の「天井に取付けられた矩形部材」は、「横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4a」を天井に取付けるための部材であり、本件補正発明の「レールコネクタ」は、「頭上に提供され」る「レール装置」に「水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置」「を結合」する部材である。
そうすると、引用発明1の「天井に取付けられた矩形部材」と、本件補正発明の「レールコネクタ」とは、「頭上コネクタ」で共通する。
エ 引用発明1の「Cアーム1は腕木4aの下端に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されて」いるところ、上記イから引用発明1の「Cアーム1」は本件補正発明の「X線画像取得装置」の「Cアーム」に相当するから、引用発明1の「Cアーム1」が「腕木4aの下端に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されて」いる部分は、本件補正発明の「画像取得コネクタ」に相当する。
オ 引用発明1の「横方向の支承用の腕木」「4」及び「縦方向の支承用の腕木4a」は、それぞれ本件補正発明の「水平支持アーム」及び「垂直支持アーム」に相当する。
そうすると、引用発明1の「横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4a」は、本件補正発明の「水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アーム」に含まれる。
カ 上記ウないしオを踏まえると、引用発明1の「天井に取付けられた矩形部材、横方向の支承用の腕木3及び4並びに縦方向の支承用の腕木4aにより構成され」、「腕木4aの下端に」「Cアーム1」が「取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されて」いる「支持装置」と、本件補正発明の「レールコネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置」とは、「頭上コネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置」で共通する。
キ 引用発明1の「万能型X線検査装置と患者ベッド11」は、併せて本件補正発明の「医用X線イメージングシステム」である「イメージングシステム」に相当する。
ク 上記イから、引用発明1の「万能型X線検査装置」に含まれる「Cアーム1」、「X線束を発生するための投射器6」及び「X線検出器8」は併せて本件補正発明の「X線画像取得装置」に相当するところ、引用発明1の「万能型X線検査装置」が「患者ベッド11の横臥板12上に寝ている患者の透過X線像を撮影する」ことは、本件補正発明の「前記画像取得装置は、前記患者支持体に配される関心対象の画像情報を取得し」を満たす。
ケ 上記ウ及びオを踏まえると、引用発明1の「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされ」と、本件補正発明の「前記レールコネクタは、前記レール装置に前記支持装置を結合し」とは、「前記頭上コネクタは、頭上に前記支持装置を結合し」で共通する。
コ 上記エを踏まえると、引用発明1の「Cアーム1は腕木4aの下端13に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されて」いることは、本件補正発明の「前記画像取得コネクタは、前記支持装置に前記画像取得装置を結合し」を満たす。
サ 上記ウ及びエを踏まえると、引用発明1の「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされており」、「Cアーム1は腕木4aの下端13に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されており」と、本件補正発明の「前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記レールコネクタにリンクし」とは、「前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記頭上コネクタにリンクし」で共通する。
シ 上記ウ及びオを踏まえると、引用発明1の「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」と、本件補正発明の「前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記レールコネクタに取り付けられ」とは、「前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記頭上コネクタに連結され」で共通する。
ス 上記オを踏まえると、引用発明1の「腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされており」は、本件補正発明の「前記垂直支持アームが、第2の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記水平支持アームにその第1の端部を取り付けられ」に相当する。
セ 引用発明1の「腕木3」が「天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」ている位置は、「腕木4」が「腕木3」を介して「天井に取付けられた矩形部材」に連結される位置である限りにおいて、本件補正発明の「第1の取り付けポイント」に相当する。
そして、上記ウ及びオを踏まえると、引用発明1の「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」と、本件補正発明の「前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記レールコネクタに取り付けられ」とは、「前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記頭上コネクタに連結され」で共通する。
ソ 上記オを踏まえると、引用発明1の「腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされており」は、本件補正発明の「前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ」に相当する。
タ 上記ウ及びオを踏まえると、引用発明1の「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4aは腕木4に対して軸周りに旋回可能にヒンジ止めされており、Cアーム1はこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり」と、本件補正発明の「前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第1の取り付けポイント及び前記第2の取り付けポイントの少なくとも一方が前記水平支持アームに沿って移動可能であり」とは、「前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第2の取り付けポイントが前記第1の取り付けポイントに対して移動可能であり」で共通する。
チ 上記エを踏まえると、引用発明1の「Cアーム1は腕木4aの下端13に取付けられ、通常の旋回軸5がCアーム1を180°旋回できるように配備されており」、「Cアーム1は多方面に旋回又は位置調節可能であり」は、本件補正発明の「前記画像取得コネクタは、前記垂直支持アームの第2の端部に取り付けられ、前記画像取得装置は、前記垂直支持アームに対して可動であり、
前記画像取得装置は、それぞれ異なる方向からの前記対象の画像取得を可能にするように前記支持装置に可動に取り付けられる」を満たす。
(4)そうすると、本件補正発明と引用発明1とは、
「 長手方向を有する患者支持体と、
Cアームを有するX線画像取得装置であって、前記Cアームの対向する端部に提供されるX線源及びX線検出器を有するX線画像取得装置と、
頭上コネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置と、
を有する医用X線イメージングシステムであって、
前記画像取得装置は、前記患者支持体に配される関心対象の画像情報を取得し、
前記頭上コネクタは、頭上に前記支持装置を結合し、
前記画像取得コネクタは、前記支持装置に前記画像取得装置を結合し、
前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記頭上コネクタにリンクし、
前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記頭上コネクタに連結され、
前記垂直支持アームが、第2の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記水平支持アームにその第1の端部を取り付けられ、
前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記頭上コネクタに連結され、前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ、前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第2の取り付けポイントが前記第1の取り付けポイントに対して移動可能であり、
前記画像取得コネクタは、前記垂直支持アームの第2の端部に取り付けられ、前記画像取得装置は、前記垂直支持アームに対して可動であり、
前記画像取得装置は、それぞれ異なる方向からの前記対象の画像取得を可能にするように前記支持装置に可動に取り付けられる、イメージングシステム。」
の発明である点で一致し、次の2点において相違する。
(相違点1)
頭上コネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置の取付けに関して、本件補正発明においては、別途「頭上に提供され、前記患者支持体の前記長手方向に直角な方向である長手レール方向に延び」る「レール装置」を有しており、「頭上コネクタ」が「レールコネクタ」であって、「前記レールコネクタは、前記レール装置に前記支持装置を結合し」、「前記支持装置は、前記レール装置に可動に取り付けられ、前記支持装置は、少なくとも前記レール装置に沿って可動であ」るのに対し、引用発明1においては、頭上コネクタが「天井に取付けられた矩形部材」であって、「支持装置」は「天井に取付けられ」る点。
(相違点2)
前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第2の取り付けポイントが前記第1の取り付けポイントに対して移動可能であることに関連して、本件補正発明においては、「前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記レールコネクタに取り付けられ」ていることから、「第1の取り付けポイント」が「前記水平支持アーム」が「前記レールコネクタに取り付けられ」る位置であり、「前記第1の取り付けポイント及び前記第2の取り付けポイントの少なくとも一方が前記水平支持アームに沿って移動可能であ」るのに対し、引用発明1においては、「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」ることから、「第1の取り付けポイント」が「横方向の支承用の腕木3」が「天井に取付けられた矩形部材に対して」「ヒンジ止めされ」る位置であり、「腕木4a」が「腕木4に対して」「ヒンジ止めされて」いる位置が「横方向の支承用の腕木3及び4」「の旋回による相応の長手方向の移動が可能であ」る点。
(5)判断
ア 上記各相違点について検討する。
(ア)相違点1について
Cアーム1は多方面に旋回又は位置調節可能であり、患者ベッド11の横臥板12上に寝ている患者の透過X線像を撮影すること、患者ベッド11の横臥板12を立て位置に調整しかつCアーム1を水平方向に旋回した状態で、横臥板12の前面に立っている患者の透過X線像を撮影すること、軸7を中心に投射器6をCアーム1から90°前方へ回転させた状態で、スタンド15に取付けた補助検出器8′に向かって立っている患者の透過X線像を撮影すること、及び、自由に移動可能なテーブル又はベッドに患者を載せて撮影又は透視を実施することができる引用発明1において、Cアーム1の可動性を向上させることは自明な課題であるといえる。
また、(引1-ア)の「【0004】多数の様々な特殊装置が存在することは当然のことながら種々の問題点を生じる。たとえば大きな取付けスペースが必要となるだけでなく、装置の稼動率したがって採算が悪くなるなどである。これを契機として万能型の装置を導入することが望まれている。さらには、異なった医療分野においてもオーバーラップが生じることが増加しているので、個々の用途ごとに特殊に設計された装置はしばしば専門的過ぎて、有効な利用が図れなくなってしまう。この関連で、システム費、特に一定の部品、たとえばX線検出器などの費用が大きな問題となる。」との記載によれば、引用発明1は、省スペース化、稼働率向上及び費用削減という問題に対処するために万能型X線検査装置の形態を採用しているものと解されるが、技術常識から見て万能化には限界があること、病院等において使用可能な検査スペースにも制限があることを考慮すると、引用発明1を他の検査装置と同じ検査室に配置することも想定されているものと解される。
そうすると、引用発明1は、他の検査装置と共存するための検査室スペースの有効活用も、視野に入れているものと認められる。
ここで、引用文献6には、通常の血管造影撮影像と、X線CT装置で撮影した横断像とを併用することを可能とする、循環器用保持装置300とX線CT装置301を組み合わせたIVR-CTシステムにおいて、C型アーム252の両端部にX線発生部250とX線検出部251とが対向配置され、天井取り付け部255に取り付けられているホルダ支柱部254に保持されたホルダ253によってC型アーム252が保持されている循環器用保持装置300を、天井取り付け部255を天井に設けられたレール260に取り付けることによって、このレール260に沿って被検体の体軸方向と直交する方向に移動可能とすることという引用文献6技術事項が記載されている。
また、引用文献7には、バイプレーン血管撮影・CT装置300において、X線管132、X線受像装置131及びラテラルCアーム133よりなる側面方向アーム130を天井レール135に沿って天板11の横手方向に水平移動可能とすることという引用文献7技術事項が記載されている。
引用文献6に記載されたIVR-CTシステム及び引用文献7に記載されたバイプレーン血管撮影・CT装置300は、いずれもX線血管撮像装置とX線CT装置を組み合わせたシステムであるが、C型アームの両端にX線源とX線検出器を備えたX線撮像装置として引用発明1と共通性を有している。
そうすると、引用文献1、6及び7に接した当業者であれば、引用発明1のCアーム1の可動性を向上させるために、また、検査室スペースを有効活用するために、患者ベッド11に交差する方向のレールを天井に配置し、「天井に取付けられた矩形部材」に代えてレールに移動可能に取り付けられる部材を採用して上記相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、容易に想到し得ることである。
(イ)相違点2について
(引1-イ)の「【0017】図1に示した本発明による万能型X線検査装置は、天井に取付ける装置として構成されている・・・Cアーム1は天井における支持装置として二重矢印2の方向へ移動可能なように支承してもよい。図示されている実施例では互いに旋回可能にヒンジ止めされた多数の支承用の腕木3、4および4aによりこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり」との記載によれば、引用発明1が「横方向の支承用の腕木3及び4」を採用している理由は、これらの腕木の旋回によりCアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とするためであり、Cアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とするための手段は「横方向の支承用の腕木3及び4」に限定されないものと解される。
引用文献8には、C曲線ブラケット4に連帯的に配置された放射線源2及び放射線受信器3を含む、X線支持装置1において、第2ブーム6に配置されてそれに沿って変位可能である垂直支持体5にC曲線ブラケット4を垂直軸周りに回転可能に配置し、変位軸及び旋回軸の実現によりC曲線ブラケット4の動作に多様な可能性を与えることという引用文献8技術事項が記載されている。
そうすると、引用発明1において、Cアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とするための手段として引用文献8技術事項の変位軸及び旋回軸による曲線ブラケット4の移動機構を採用し、旋回可能にヒンジ止めされ横方向の支承用の腕木3及び4を横方向の支承用の腕木4のみとして天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めし、横方向の支承用の腕木4に軸周りに旋回可能にヒンジ止めされた縦方向の支承用の腕木4aを横方向の支承用の腕木4に沿って変位可能とすることにより、上記相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。
イ 本件補正発明の奏する作用効果
本件補正発明によってもたらされる効果は、引用文献1及び6ないし8の記載事項から当業者が予測し得る程度を超えるものではない。
ウ したがって、本件補正発明は、引用発明1及び引用文献6技術事項ないし引用文献8技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和元年8月16日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年4月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし10に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1ないし7に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2002-306461号公報
引用文献2:特表2011-512986号公報
引用文献3:特開2004-135777号公報
引用文献4:特開2012-239633号公報
引用文献5:特開2003-289475号公報
引用文献6:特開2001-037747号公報
引用文献7:特開2001-137221号公報
なお、引用文献2は、請求項4、5及び10に対して、引用文献3は、請求項6及び7に対して、引用文献4は、請求項9に対して、引用文献5は、請求項10に対して、それぞれ引用されたものである。
3 引用文献について
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、6及び7の記載事項及び引用発明は、上記第2[理由]2(2)アないしカに記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)本願発明は、上記第2[理由]2(3)ないし(5)で検討した本件補正発明から、支持装置について、「前記水平支持アームは、第1の取り付けポイントにおいて前記レールコネクタに取り付けられ、前記垂直支持アームは、第2の取り付けポイントにおいて前記水平支持アームに取り付けられ、前記第1の取り付けポイントと前記第2の取り付けポイントとの間の水平距離が調整可能であるように前記第1の取り付けポイント及び前記第2の取り付けポイントの少なくとも一方が前記水平支持アームに沿って移動可能であ」るという限定事項を削除したものである。
(2)そこで、上記第2[理由]2(3)の本件補正発明と引用発明1との対比に倣って本願発明と引用発明1とを対比すると、両者は、
「 長手方向を有する患者支持体と、
Cアームを有するX線画像取得装置であって、前記Cアームの対向する端部に提供されるX線源及びX線検出器を有するX線画像取得装置と、
頭上コネクタ、画像取得コネクタ、並びに水平支持アーム及び垂直支持アームの少なくとも2つの支持アームを有する支持装置と、
を有する医用X線イメージングシステムであって、
前記画像取得装置は、前記患者支持体に配される関心対象の画像情報を取得し、
前記頭上コネクタは、頭上に前記支持装置を結合し、
前記画像取得コネクタは、前記支持装置に前記画像取得装置を結合し、
前記支持アームは、互いに可動に接続され、それにより前記画像取得コネクタを前記頭上コネクタにリンクし、
前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記頭上コネクタに連結され、
前記垂直支持アームが、第2の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記水平支持アームにその第1の端部を取り付けられ、
前記画像取得コネクタは、前記垂直支持アームの第2の端部に取り付けられ、前記画像取得装置は、前記垂直支持アームに対して可動であり、
前記画像取得装置は、それぞれ異なる方向からの前記対象の画像取得を可能にするように前記支持装置に可動に取り付けられる、イメージングシステム。」
の発明である点で一致し、上記相違点1に加え次の点において相違する。
(相違点3)
前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記頭上コネクタに連結されることについて、本願発明においては、「前記水平支持アームが、第1の下向き軸を中心にピボット回転可能であるように前記レールコネクタに取り付けられ」ているのに対し、引用発明1においては、「腕木3は天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ、腕木4は腕木3に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」ることから、水平支持アームに相当する「横方向の支承用の腕木4」が「横方向の支承用の腕木3」を介して「天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めされ」る点。
(3)上記相違点1については、上記第2[理由]2(5)ア(ア)で検討したとおりである。
(4)上記相違点3について検討する。
(引1-イ)の「【0017】図1に示した本発明による万能型X線検査装置は、天井に取付ける装置として構成されている・・・Cアーム1は天井における支持装置として二重矢印2の方向へ移動可能なように支承してもよい。図示されている実施例では互いに旋回可能にヒンジ止めされた多数の支承用の腕木3、4および4aによりこれらの腕木の旋回による相応の長手方向の移動が可能であり」との記載によれば、引用発明1が「横方向の支承用の腕木3及び4」を採用している理由は、これらの腕木の旋回によりCアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とするためであるが、Cアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とすることは必須の要件ではないと解される。
そうすると、引用発明1において、Cアーム1を図1の二重矢印2の方向へ移動可能とする構造に代えて、旋回可能にヒンジ止めされ横方向の支承用の腕木3及び4を横方向の支承用の腕木4のみとし、横方向の支承用の腕木4を天井に取付けられた矩形部材に対して横方向に旋回可能にヒンジ止めすることにより、上記相違点3に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。
(5)本願発明によってもたらされる効果は、引用文献1、6及び7の記載事項から当業者が予測し得る程度を超えるものではない。
(6)したがって、本願発明は、引用発明1、引用文献6技術事項及び引用文献7技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2019-010850