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意匠拒絶査定不服審判

2019-005289

Air freshener devices

審判番号
2019-005289
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2016-500493外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月22日
審決日
2019年12月20日
公報発行日
2020年02月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
D18 .3 -WY (C4-3) / D18 .4 -WY (C4-3)
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第10条第1項、意匠法第9条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

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意願2016-500493「Air freshener devices」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成28年3月23日の国際意匠登録出願であって,その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 9月 4日付け 拒絶の通報 平成30年11月20日   意見書の提出 平成31年 1月30日付け 拒絶査定 平成31年 4月22日   審判請求書の提出 令和 1年11月26日   手続補正書の提出 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「Air freshener devices」(参考訳:「芳香器」。以下,日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。 なお,本願において,物品の部分について意匠登録を受けようとする部分を,以下「本願部分」という。 第3 原査定における拒絶の理由 1 拒絶の理由1 原査定における拒絶の理由1は,本願意匠は,意匠法第9条第1項の規定する最先の意匠登録出願人に係る意匠に該当しないとしたものである。 拒絶の理由1に引用された意匠は,平成27年(2015年)5月15日の世界知的所有権機関への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成27年11月12日の国際意匠登録出願であって,その後,平成29年6月2日に設定登録された,意匠登録第1580068号(意願2015-500633)の意匠(以下「引用意匠」という。)であって,意匠に係る物品を「Air freshener devices」(参考訳:「芳香器」。以下,日本語訳で示す。)とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「保護を受けようとする部分は実線で示し,非保護とする部分は破線で示している」としたものである(別紙第2参照)。 なお,引用意匠において,実線で表した部分を,以下「引用部分」という。 2 拒絶の理由2 原査定における拒絶の理由2は,本願意匠は,願書に記載した本意匠(意願2016-500492号の意匠)に類似する意匠と認められず,意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。 第4 拒絶の理由1について 本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)が類似するか否かについて検討する。なお,本願部分と引用部分を併せて,以下「両部分」という。 1 本願意匠と本願部分の認定 本願意匠の全体は,正面視で略縦長楕円形の盤状体の本体を斜めに立たせたものであって,本体は,前カバーと後カバーから成り,前カバーと後カバーは,共に,外周面が傾斜面となっており偏平な略楕円錐台形である。 前カバーは,すり鉢状とし,内壁部分が平滑な環状斜面(以下「すり鉢状部環状斜面」ともいう。)となっており,前カバーの外周面とすり鉢状部環状斜面との間に隙間(左右両側は三日月形状の隙間)を設けて,香放出孔とし,後カバーの底面を後方に突出させて設置部としているものであり,本願部分は,本願意匠の内,すり鉢状部環状斜面の内側縦長楕円形部分を除いた部分であって,当該部分の位置,大きさ及び範囲であり,当該部分の用途及び機能を有するものである。 2 引用意匠と引用部分の認定 引用意匠の全体は,正面視で略縦長楕円形の盤状体の本体を斜めに立たせたものであって,本体は,前カバーと後カバーから成り,前カバーと後カバーは,共に,外周面が傾斜面となっており偏平な略楕円錐台形である。 前カバーは,すり鉢状とし,内壁部分が平滑な環状斜面(以下「すり鉢状部環状斜面」ともいう。)となっており,当該すり鉢状部環状斜面に小さな孔を設けて,香放出孔とし,後カバーの底面を後方に突出させて設置部としているものであり,本願部分は,本願意匠の内,すり鉢状部環状斜面の内側縦長楕円形部分及び香放出孔を除いた部分であって,当該部分の位置,大きさ及び範囲であり,当該部分の用途及び機能を有するものである。 3 両意匠の対比 3-1 意匠に係る物品 意匠に係る物品は,両意匠共に「芳香器」である。 3-2 両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲 本願部分は,本願意匠から縦長楕円形部分を除いた部分の位置,大きさ及び範囲としたものであって,香放出孔を含んだ当該部分の用途及び機能であるのに対して,引用部分は,引用意匠から縦長楕円形部分及び香放出孔を除いた部分であって,当該部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲としたものである。 3-3 両部分の形態 (1)共通点 共通点1:全体は,正面視で略縦長楕円形の盤状体の本体を斜めに立たせたものであって,本体は,前カバーと,設置部を設けた後カバーから成り,前カバーと後カバーは,共に,外周面が傾斜した偏平な略楕円錐台形である。 共通点2:前カバーは,中央を,大きな浅いすり鉢状とし,その内壁部分が,前カバー外周面とほぼ同幅で傾斜した縦長楕円形の環状斜面となっている。 共通点3:本体の下側を水平にカットして底辺を形作り,そこから後カバーの底面を半円形状に後方に突出させて設置部としているものである。 (2)相違点 相違点1:前カバーの外周面とすり鉢状部環状斜面との間について,本願意匠は,隙間を設け,左右両側の隙間を正面視三日月形状としたのに対して,引用意匠は,隙間を設けていないものである。 相違点2:すり鉢状部環状斜面の外周縁について,本願意匠は,側面視や平面視において凹凸の無い直線状であるのに対して,引用意匠は,側面視においては緩やかな凸弧状,平面視においては緩やかな凹弧状に表れる凹凸湾曲状としたものである。 相違点3:前カバーの底辺寄りの切り欠き部について,本願意匠は,設けていないのに対して,引用意匠は,設けたものである。 4 類否判断 4-1 意匠に係る物品について 意匠に係る物品については,両意匠共に「芳香器」であり,その使用目的及び使用状態が一致するから,同一である。 4-2 両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲について 両部分の位置,大きさ及び範囲については,大差なく,共通しているといえるが,両部分の用途及び機能については,香放出孔を含むか否かの相違は大きな相違であるから,当該相違が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。 4-3 両部分の形態について (1)共通点の評価 共通点1ないし3から成る形状は,両意匠に一定の共通感をもたらしているが,全体の形状を概括したまでのものであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きいとはいえない。 (2)相違点の評価 相違点1は,本願意匠における前カバーの外周面とすり鉢状部環状斜面との間に隙間を設けたか否かの相違であるが,本願意匠に設けた隙間は,香放出孔であって,その形状は,本願出願前には見られない特徴であり,目に付きやすい正面における相違であるから,相違点1が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。 相違点2は,引用意匠におけるすり鉢状部環状斜面の外周縁の凹凸湾曲の程度は大きなものではないが,目に付きやすい正面における相違であるから,相違点2が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。 相違点3は,底辺寄りの相違であり,目立たないものであるから,相違点3が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。 (3)両部分の形態の類否判断 上述の両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づけば,共通点1ないし3を備えた形状は,両部分に一定の共通感をもたらしているとしても,前カバーの外周面とすり鉢状部環状斜面との間に隙間(香放出孔)を設けたか否かの相違(相違点1)が,すり鉢状部環状斜面の外周縁を凹凸湾曲状としたか否かの相違(相違点2)と合わさって,両部分に異なる美感をもたらすものであるから,相違点は,両部分の類否判断を決するものといえる。 したがって,両部分の形態は類似するものではない。 4-4 両意匠の類否判断 両意匠は,意匠に係る物品は同一であって,両部分の位置,大きさ及び範囲は共通するが,両部分の用途及び機能が相違し,両部分の形態は類似するものではないから,本願意匠は,引用意匠に類似する意匠ではない。 第5 拒絶の理由2について 本願意匠は,物品の部分(部分意匠)について意匠登録を受けようとする出願に係るものであるのに対して,本意匠は,物品の全体(全体意匠)について意匠登録を受けようとする出願に係るものであって,両意匠は出願の形式において異なるものであるから,本願意匠が本意匠に類似する意匠とは認められず,意匠法第10条第1項の規定に該当しないものである。 しかしながら,請求人が令和1年11月26日に提出した手続補正書によって本願の願書の本意匠の表示を削除する補正がなされ,原審の拒絶の理由2は解消しているので,当該拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 第6 むすび 以上のとおりであって,原審の拒絶の理由1及び2によっては,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2019-005289

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